JP2004112915A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電圧レベル非変換モ−ド、降圧モ−ド、昇圧モ−ドを選択的に得ることができる電圧変換装置の低コスト化及び迅速な起動が要求されている。
【解決手段】出力電圧V0 を入力交流電圧Vinと同じくする非変換モード、V0 をVinよりも低くする降圧モード、V0 をVinよりも高くする昇圧モードを得るために第1〜第6のスイッチQ1 〜Q6 の制御を切換える。第1〜第6のスイッチQ1〜Q6のドライブ回路81〜86に対して1つの電源から電力を供給する。起動時に1つの電源から全てのドライブ回路81〜86に対する電力供給を迅速に開始させるために、第1〜第6のスイッチQ1〜Q6の制御回路2の中に含まれるバイアス電圧発生器の出力を起動時に低いレベルにする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流入力電圧を複数の形態で電圧変換することができる単相又は多相の電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
AC−DC−AC変換可能な電力変換装置をハーフブリッジ型AC−DCコンバータとハーフブリッジ型DC−ACインバータとの組み合せによって構成することは公知である。また、AC−DC−AC変換装置の効率を向上させるために、ハーフブリッジ型AC−DCコンバータのスイッチとハーフブリッジ型DC−ACインバータのスイッチの全てを高い繰返し周波数でオン・オフ制御しないで、AC−DC−AC変換装置に含まれているスイッチの一部のみを高い繰返し周波数でオン・オフし、残りのスイッチを整流器として動作させるために交流電源電圧の周期でオン・オフする方式が本件出願人に係る特開平8−126352号公報及び特開2001−258270号公報で提案されている。
上記公報で提案されているAC−DC−AC変換装置は、入力電圧と出力電圧とがほぼ同一になるようにコンバータ及びインバータのスイッチを制御する第1のモードと、入力電圧よりも出力電圧を下げるようにスイッチを制御する第2のモードと、入力電圧よりも出力電圧を上げるようにスイッチを制御する第3のモードとを取ることができる。AC−DC−AC変換装置が複数のモードで動作できるように構成されていると、同一の交流入力電圧に基づいて複数の異なるレベルの交流出力電圧を得ること、又は異なる複数の交流入力電圧に基づいて同一レベルの交流出力電圧を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記電力変換装置の6個のスイッチの駆動回路即ちドライブ回路の電源の構成を簡単にするために、この電源を図13に示すように構成することが考えられる。図13において電力変換用の第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6の第1、第2、第3、第4、第5及び第6のドライブ回路81、82、83、84、85、86のために1つの制御用電源87が設けられている。第2、第4及び第6のドライブ回路82、84、86は制御用電源87に直接に並列接続されている。第1、第3及び第5のドライブ回路81、83、85に対して第1、第2及び第3の電源用コンデンサCa、Cb、Ccが接続されている。第1、第2及び第3の電源用コンデンサCa、Cb、Ccの一端はダイオ−ドDa、Db、Dcを介して電源87の一端に接続され、他端は第2、第4及び第6のスイッチQ2、Q4、Q6を介して電源87の他端に接続されている。第1〜第6のドライブ回路81〜86は、ライン12〜17の信号に応答して第1〜第6のスイッチQ1〜Q6の制御端子即ちゲ−トとソ−スとの間に制御信号を供給する。
図13の回路では、第2、第4及び第6のスイッチQ2、Q4、Q6のオン期間に、電源87、ダイオ−ドDa、コンデンサCa、及び第2のスイッチQ2の経路、電源87、ダイオ−ドDb、コンデンサCb、及び第4のスイッチQ4の経路、電源87、ダイオ−ドDc、コンデンサCc、及び第6のスイッチQの経路によって第1、第2及び第3の電源用コンデンサCa、Cb、Ccの充電が可能になる。
上記公報に記載されている電力変換装置には、上側の第1、第3及び第5のスイッチQ1、Q3、Q5を例えば50Hzの交流電源電圧の正の半サイクル期間に連続的にオンに制御し、負の半サイクル期間に下側の第2、第4及び第6のスイッチQ2、Q4、Q6を連続的にオン制御するモ−ドがある。このため、もし、図13のドライブ回路81〜86の電源回路を上記公報の回路にそのまま適用すると、第1、第2及び第3の電源用コンデンサCa、Cb、Ccの充電が第2、第4及び第6のスイッチQ2、Q4、Q6がオンするまで開始せず、これ等の充電を迅速に完了させることができず、電力変換装置の起動を迅速且つ円滑に行うことができず、且つ起動期間の入力電流及び出力電圧に歪みが生じる。
【0004】
そこで、本発明の目的は、ドライブ回路の電源回路が簡単にであるにも拘らず、迅速且つ円滑に起動することができる電力変換装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、上記目的を達成するための本発明を、実施形態を示す図面の符号を参照して説明する。なお、特許請求の範囲及び以下の記載の参照符号を本発明の理解を助けるためのものであって、本本発明を限定するものではない。
本発明は、交流電源(3)から供給された第1の周期を有する正弦波交流入力電圧(Vin)を異なるレベルの交流出力電圧(V0)に変換する機能を有し、前記交流出力電圧(V0)を負荷(11)に供給する電力変換装置であって、
前記交流電源(3)の一端を接続するための交流入力端子(4)と、
前記負荷(11)の一端を接続するための交流出力端子(6)と、
前記交流電源(3)の他端及び前記負荷(11)の他端を接続するための共通端子(5)と、
制御可能な第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)が直列に接続された第1の直列回路と、
制御可能な第3及び第4のスイッチ(Q3,Q4)が直列に接続された回路であり且つ前記第1の直列回路に対して並列に接続された第2の直列回路と、
制御可能な第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)が直列に接続された回路であり且つ前記第1及び第2の直列回路に対して並列に接続された第3の直列回路と、
前記第1、第2及び第3の直列回路に対して並列に接続されたコンデンサ(C)と、
インダクタンス手段と、
前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1,Q2、Q3,Q4Q5,Q6)を制御するための制御手段(2)と、
前記制御手段(2)と前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチとの間に接続された第1、第2、第3、第4、第5及び第6のドライブ回路(81、82、83、84、85、86)と、
前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のドライブ回路に電力を供給する電源手段とから成り、
前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)の相互接続点(8)が前記交流入力端子(4)に接続され、
前記第3及び第4のスイッチ(Q3,Q4)の相互接続点(9)が前記共通端子(5)に接続され、
前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)の相互接続点(10)が前記交流出力端子(6)に接続され、
前記インダクタンス手段は、前記交流入力端子(4)と前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)の相互接続点(8)との間に接続された第1のインダクタ(L1)と前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)の相互接続点(10)と前記交流出力端子(6)との間に接続された第2のインダクタ(L2)と前記第3及び第4のスイッチ(Q3、Q4)の相互接続点(9)と前記共通端子(5)との間に接続された第3のインダクタ(L3)とからなる3つのインダクタから任意に選択された少なくとも2つから成り、
前記制御手段(2)は、
前記交流入力端子(4)又は前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)の相互接続点(8)と前記共通端子(5)との間の第1の電圧(Vin又はVconv)と前記交流出力端子(6)又は前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)の相互接続点(10)と前記共通端子(5)との間の第2の電圧(Vo又はVinv)とをほぼ等しくする第1のモードの時に、前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)と前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)とを前記第1の周期でオン・オフ制御し、且つ前記第3及び第4のスイッチ(Q3,Q4)を前記第1の周期よりも短い第2の周期でオン・オフ制御する第1の機能と、
前記第2の電圧(Vo又はVinv)を前記第1の電圧(Vin又はVconv)よりも低くする第2のモードの時に、前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)を前記第1の周期でオン・オフ制御し、且つ前記第3及び第4のスイッチ(Q3,Q4)と前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)とを前記第2の周期でオン・オフ制御する第2の機能と、
前記第2の電圧(Vo又はVinv)を前記第1の電圧(Vin又はVconv)よりも高くする第3のモードの時に、前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)と前記第3及び第4のスイッチ(Q3,Q4)とを前記第2の周期でオン・オフ制御し、且つ前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)を前記第1の周期でオン・オフ制御する第3の機能と
からなるの3つの機能の内の少なくとも2つの機能を得るために、
前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)の相互接続点(8)と前記共通端子(5)との間の第1の電圧(Vconv)を所望値にするための第1の指令値Vrcを前記交流入力電圧(Vin)に同期して発生する第1の指令値発生手段(44)と、
前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)の相互接続点(10)と前記共通端子(5)との間の第2の電圧(Vinv)を所望値にするための第2の指令値Vriを前記交流入力電圧(Vin)に同期して発生する第2の指令値発生手段(45)と、
前記交流入力電圧(Vin)と同一の前記第1の周期を有する方形波状のバイアス電圧Vsを発生するバイアス電圧発生器(46)と、
前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)と前記
バイアス電圧発生器(46)とに接続され、
Vrc−Vri+Vsを示す第1の値(Vr1)と、
Vri−Vrc+Vsを示す第2の値(Vr3)と、
Vr3−Vri又はVs−Vrc又はVs−Vriを示す第3の値(Vr2)とを出力する演算手段(47,48,49)と、
前記演算手段(47,48,49)と前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6)とに接続され、前記演算手段(47,48,49)から得られた前記第1、第2及び第3の値(Vr1,Vr3,Vr2)に基づいて前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6)をオン・オフ制御するための第1、第2、第3、第4、第5及び第6の制御信号(VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,VQ6)を形成する制御信号形成手段(52,53,54,55,56,57,58又は52,53,54,55、56’、57’、58’)とを有し、
前記電源手段は、直流電源(87)と、第1、第2及び第3の電源用コンデンサ(Ca、Cb、Cc)とから成り、
前記直流電源(87)は前記第2、第4及び第6のドライブ回路に接続され、
前記第1、第2及び第3の電源用コンデンサ(Ca、Cb、Cc)は前記第1、第3及び第5のドライブ回路(81、83、85)に接続され且つ前記第2、第4及び第6のスイッチ(Q2、Q4、Q6)を介して前記直流電源(87)に接続され、
前記バイアス電圧発生器(46又は46a)は、前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1〜Q6)による電力変換動作の開始時点から所定時間後に最大バイアス電圧値(+Vs)と最小バイアス電圧値(−Vs)とを前記第1の周期で繰返して発生する機能と、前記開始時点後の前記所定期間において前記最大バイアス電圧値(+Vs)及び最小バイアス電圧値(−Vs)の絶対値よりも小さい絶対値を有する起動時バイアス電圧値を発生する機能とを有し、
前記所定期間は前記第2の周期よりも長く且つ第1の周期よりも短く設定され、前記最大バイアス電圧値(+Vs)及び前記最小バイアス電圧値(−Vs)は、前記第1のモ−ドの時に前記第1及び第2の値(Vr1、Vr3)が前記第1、第2、第5及び第6のスイッチ(Q1、Q2、Q5、Q6)を前記第1の周期でオン・オフ制御する値になるように設定されていることを特徴とする電力変換装置に係わるものである。
【0006】
なお、請求項2に示すように、前記バイアス電圧発生器(46)は、
前記交流入力電圧(Vin)を検出する入力電圧検出手段(41、69)と、
所定の係数(K)を発生する係数発生器(91)と、
前記入力電圧検出手段(41、69)で検出した信号に前記係数を乗算する乗算手段(90)と、
積分用電圧を供給する電圧源(93)と、
前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1〜Q6)の起動指令に応答して前記積分用電圧を積分して前記所定期間に傾斜電圧を発生し、前記所定期間後に一定の電圧を発生するリミット付き積分器(95)と、
前記リミット付き積分器(95)の出力(Vhigh)と反対の極性の信号(Vlow)を形成する手段(96)と、
前記リミット付き積分器(95)の出力(Vhigh)を一方の側のリミッタ値とし、前記反対の極性の信号(Vlow)を他方の側のリミッタ値とし、前記乗算器(90)の出力(V90)を前記一方の側のリミッタ値と前記他方の側のリミッタ値との間に制限して前記バイアス電圧(Vs)を形成するリミッタ(92)とから成ることが望ましい。
また、請求項3に示すように、前記バイアス電圧発生器(46a)は、
前記交流入力電圧(Vin)を検出する入力電圧検出手段(41、69)と、
積分用電圧を供給する電圧源(93)と、
前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1〜Q6)の起動指令に応答して前記積分用電圧を積分して前記所定期間に傾斜電圧を発生し、前記所定期間後に一定の電圧を発生するリミット付き積分器(95)と、
前記入力電圧検出手段で検出した信号(V69)と前記リミット付き積分器(95)の出力とを乗算する乗算器(90)と、
前記乗算器(90)の出力(V90)を、前記最大リミッタ値(+VL)又はこの近傍の値を有する上限値と前記最小リミット値(−VL)又はこの近傍の値を有する下限値との間に制限して前記バイアス電圧を形成するリミッタ(92)とから成ることが望ましい。
また、請求項4に示すように、前記制御信号形成手段は、
鋸波電圧又は三角波電圧から成る比較波(Vt)を前記交流入力電圧(Vin)の周期よりも短い周期で発生する比較波発生器(52)と、
前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第1のスイッチ(Q1)とに接続され、前記第1の値(Vr1)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第1の制御信号(VQ1)を形成し、この第1の制御信号(VQ1)を前記第1のスイッチ(Q1)に供給するための第1のコンパレータ(53)と、
前記第1のコンパレータ(53)と前記第2のスイッチ(Q2)とに接続され、前記第1の制御信号(VQ1)と逆位相の第2の制御信号(VQ2)を形成し、この第2の制御信号(VQ2)を前記第2のスイッチ(Q2)に供給する第1のNOT回路(56)と、
前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第3のスイッチ(Q3)とに接続され、前記第3の値(Vr2)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第3の制御信号(VQ3)を形成し、この第3の制御信号(VQ3)を前記第3のスイッチ(Q3)に供給するための第2のコンパレータ(54)と、
前記第2のコンパレータ(54)と前記第4のスイッチ(Q4)とに接続され、前記第3の制御信号(VQ3)と逆位相の第4の制御信号(VQ4)を形成し、この第4の制御信号(VQ4)を前記第4のスイッチ(Q4)に供給する第2のNOT回路(57)と、
前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第5のスイッチ(Q5)とに接続され、前記第2の値(Vr3)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第5の制御信号(VQ5)を形成し、この第5の制御信号(VQ5)を前記第5のスイッチ(Q5)に供給するための第3のコンパレータ(55)と、
前記第3のコンパレータ(55)と前記第6のスイッチ(Q6)とに接続され、前記第5の制御信号(VQ5)と逆位相の第6の制御信号(VQ6)を形成し、この第6の制御信号(VQ6)を前記第6のスイッチ(Q6)に供給する第3のNOT回路(58)とから成ることが望ましい。
また、請求項5に示すように、前記制御信号形成手段は、
鋸波電圧又は三角波電圧から成る比較波(Vt)を前記交流入力電圧(Vin)の周期よりも短い周期で発生する比較波発生器(52)と、
前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第1のスイッチ(Q1)とに接続され、前記第1の値(Vr1)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第1の制御信号(VQ1)を形成し、この第1の制御信号(VQ1)を前記第1のスイッチ(Q1)に供給するための第1のコンパレータ(53)と、
前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第2のスイッチ(Q2)とに接続され、前記第1の値(Vr1)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第1の電圧レベルとなり、前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第2の電圧レベルとなる第2の制御信号(VQ2)を形成し、この第2の制御信号(VQ2)を前記第2のスイッチ(Q2)に供給する第2のコンパレータ(56´)と、
前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第3のスイッチ(Q3)とに接続され、前記第3の値(Vr2)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第3の制御信号(VQ3)を形成し、この第3の制御信号(VQ3)を前記第3のスイッチ(Q3)に供給するための第3のコンパレータ(54)と、
前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第4のスイッチ(Q4)とに接続され、前記第3の値(Vr2)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第1の電圧レベルとなり、前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第2の電圧レベルとなる第4の制御信号(VQ4)を形成し、この第4の制御信号(VQ4)を前記第4のスイッチ(Q4)に供給する第4のコンパレータ(57´)と、
前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第5のスイッチ(Q5)とに接続され、前記第2の値(Vr3)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第5の制御信号(VQ5)を形成し、この第5の制御信号(VQ5)を前記第5のスイッチ(Q5)に供給するための第5のコンパレータ(55)と、
前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第6のスイッチ(Q6)とに接続され、前記第2の値(Vr3)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第1の電圧レベルとなり、前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第2の電圧レベルとなる第6の制御信号(VQ6)を形成し、この第6の制御信号(VQ6)を前記第6のスイッチ(Q6)に供給する第6のコンパレ−タ(58´)とから成ることが望ましい。
また、請求項6に示すように、前記演算手段は、
前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vrc−Vri+Vsを演算して前記第1の値(Vr1)を出力する第1の演算回路(47)と、
前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vri−Vrc+Vsを演算して、前記第2の値(Vr3)を出力する第2の演算回路(48)と、
前記第2の指令値発生手段(45)と前記第2の演算回路(48)とに接続され、Vr3−Vriを演算して前記第3の値(Vr2)を出力する第3の演算回路(49)とから成ることが望ましい。
また、請求項7に示すように、更に、前記第1の演算回路(47)に接続され,前記第1の演算回路(47)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された最大リミッタ値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された最小リミッタ値との間に制限する第1のリミッタ(50)と、
前記第2の演算回路(48)に接続され,前記第2の演算回路(48)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された最大リミッタ値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された最小リミッタ値との間に制限する第2のリミッタ(51)とを有していることが望ましい。
また、請求項8に示すように、前記演算手段は、
前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)とに接続され、前記第2の指令値Vriから前記第1の指令値Vrcを減算して△V=Vri−Vrcを演算する第1の演算回路(47a)と、
前記第1の演算回路(47a)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、
もし、△V>0の時は、
Vr1=Vs−△V
Vr3=Vs
もし、△V=0の時は、
Vr1=Vs
Vr3=Vs
もし、△V<0の時は、
Vr1=Vs
Vr3=Vs+△V
を出力する第2の演算回路(48a)と、
前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の演算回路(48a)とに接続され、Vr2=Vr1−Vrcを演算する第3の演算回路(49a)と
から成ることが望ましい。
また、請求項9に示すように、前記演算手段は、
前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)とに接続され、ΔV1=Vrc−Vriを演算する第1の演算回路(47b)と、
前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)とに接続され、Vri−Vrcを演算する第2の演算回路(48b)と、
前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)とに接続され、第1の演算回路(47b)から得られた前記ΔV1が0の時及び前記ΔV1が0より大きい時にVrcを出力し、前記ΔV1が0より小さい時にVriを出力する選択回路(49b)と、
前記第1の演算回路(47b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs+(Vrc−Vri)から成る第1の値(Vr1)を出力する第1の加算器(71)と、
前記第2の演算回路(48b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs+(Vri−Vrc)から成る第2の値(Vr3)を出力する第2の加算器(73)と、
前記選択回路(49b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs−Vrc又はVs−Vriから成る第3の値(Vr2)を出力する減算器(72)とを有していることが望ましい。
また、請求項10に示すように、更に、前記第1の加算器(71)に接続され,前記第1の加算器(71)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第1のリミッタ(50)と、
前記第2の加算器(73)に接続され,前記第2の加算器(73)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第2のリミッタ(51)と
前記減算器(72)に接続され,前記減算器(72)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第3のリミッタ(74)とを有していることが望ましい。
また、請求項11に示すように、前記演算手段は、
前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)とに接続され、ΔV1=Vrc−Vriを演算する演算回路(47b)と、
前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)と前記演算回路(47b)とに接続され、前記演算回路(47b)から得られた前記ΔV1が0の時及び前記ΔV1が0より大きい時にVrcを出力し、前記ΔV1が0より小さい時にVriを出力する選択回路(49b)と、
前記演算回路(47b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs+(Vrc−Vri)から成る第1の値(Vr1)を出力する加算器(71)と、
前記演算回路(47b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs−(Vrc−Vri)から成る第2の値(Vr3)を出力する第1の減算器(73´)と、
前記選択回路(49b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs−Vrc又はVs−Vriから成る第3の値(Vr2)を出力する第2の減算器(72)とを有していることが望ましい。
また、請求項12に示すように、更に、前記加算器(71)に接続され,前記加算器(71)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第1のリミッタ(50)と、
前記第1の減算器(73´)に接続され,前記第1の減算器(73’)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第2のリミッタ(51)と
前記第2の減算器(72)に接続され,前記第2の減算器(72)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第3のリミッタ(74)とを有していることが望ましい。
また、請求項13に示すように、前記第1の指令値発生手段は、
前記交流入力端子(4)と前記共通端子(5)との間の交流入力電圧(Vin)を検出し、交流入力電圧検出信号を出力する入力電圧検出回路(41)と、
前記コンデンサ(C)の直流電圧を検出して直流電圧検出信号を出力する直流電圧検出回路(42)と、
前記交流入力端子(4)を流れる電流を検出し、前記電流に比例した電圧値を有する電流検出信号を出力する電流検出器(23)と、
基準直流電圧を発生する基準直流電圧源(59)と、
前記基準直流電圧源(59)と前記直流電圧検出回路(42)とに接続され、前記基準直流電圧と前記直流電圧検出信号との差を示す信号を出力する第1の減算器(60)と、
前記入力電圧検出回路(41)と前記第1の減算器(60)とに接続され、前記交流入力電圧検出信号に前記第1の減算器(60)の出力を乗算する乗算器(62)と、
前記乗算器(62)と前記電流検出器(23)とに接続され、前記乗算器(62)の出力から前記電流検出信号を減算して前記第1の指令値(Vrc)を出力する第2の減算器(63)とから成ることが望ましい。
また、請求項14に示すように、前記第2の指令値発生手段は、
基準出力電圧指令値を発生する基準出力電圧指令値発生器(66)と、
前記交流出力端子(6)と前記共通端子(5)との間の出力電圧(V0)を検出し、出力電圧検出信号を出力する出力電圧検出回路(43)と、
前記基準出力電圧指令値発生器(66)と前記出力電圧検出回路(43)とに接続され、前記基準出力電圧指令値と前記出力電圧検出信号との差に相当する信号を前記第2の指令値(Vri)として出力する第3の減算器(67)と
から成ることが望ましい。
また、請求項15に示すように、前記基準出力電圧指令値発生器(66)は、レベルの異なる複数の基準出力電圧指令値を選択的に発生することができるものであることが望ましい。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、第1〜第6のスイッチ(Q1〜Q6)の起動直後のバイアス電圧発生器(46又は46a)の出力の絶対値が定常時の最大バイアス電圧値+Vs及び最小バイアス電圧値−Vsの絶対値よりも小さくなる。この結果、第1及び第2のスイッチ(Q1、Q2)又は第5及び第6のスイッチ(Q5、Q6)又はこれ等の両方が、起動期間に第2の周期でオン・オフ動作し、第1、第2及び第3の電源用コンデンサ(Ca、Cb、Cc)を第2、第4及び第6のスイッチ(Q2、Q4、Q6)を介して迅速に充電することができる。このため、ドライブ回路(81〜86)の簡略化された電源回路を有する電力変換装置であっても、迅速且つ円滑に起動することができる。
また、歪みの少ない出力電圧を迅速に得ることができる。
なお、本発明は、従来装置と同様に、複数のスイッチの内の一部を、高周波でオン・オフ動作させないで、交流入力電圧と同一の低い周波数でオン・オフするので、スイッチング回数が低減し、スイッチング損失が少なくなる。
【0008】
【実施形態】
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0009】
【第1の実施形態】
図1は本発明の第1の実施形態に従う複数の電圧変換形態をとり得るスイッチング方式のAC−DC−AC変換装置即ち電力変換装置を示す。この電力変換装置は、力率改善機能を有する電圧調整装置と呼ぶこともできるものであって、大別して変換回路1とこの制御回路2とから成る。
【0010】
変換回路1は、例えば50Hzの商用交流電源3の一端に接続された交流入力端子4、交流電源3の他端に接続された入力側共通端子5と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチQ1 、Q2 、Q3 、Q4 、Q5 、Q6 と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のドライブ回路81、82、83、84、85,86と、有極の電解コンデンサからなる直流リンク(link)コンデンサ又は直流コンデンサとも呼ぶことができる平滑コンデンサCと、入力段のリアクトル即ちインダクタL1 、出力段のフィルタ用リアクトル即ちインダクタL2 と、入力段フィルタ用コンデンサC1 と、出力段フィルタ用コンデンサC2 と、交流出力端子6、出力側共通端子7とから成る。なお、入力側共通端子5と出力側共通端子7は互いに共通に接続されている。
【0011】
第1〜第6のスイッチQ1 〜Q6 はソースをバルク(サブストレート)に接続した構造の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のFETスイッチS1 、S2 、S3 、S4 、S5 、S6 とこれに逆並列に接続された第1、第2、第3、第4、第5及び第6のダイオードD1 、D2 、D3 、D4 、D5 、D6 とを有する。なお、ダイオードD1 〜D6 をスイッチQ1 〜Q6 に内蔵させないで個別部品とすることができる。また、FETスイッチS1 〜S6 をバイポーラトランジスタ、IGBT(絶縁・ゲート・バイポーラ・トランジスタ)等の半導体スイッチとすることができる。
【0012】
第1及び第2のスイッチQ1 、Q2 の直列接続から成る第1の直列回路と、第3及び第4のスイッチQ3 、Q4 の直列接続から成る第2の直列回路と、第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 の直列接続から成る第3の直列回路と、直流コンデンサCとは、互いに並列に接続されている。
【0013】
第1の直列回路を構成している第1及び第2のスイッチQ1 、Q2 の相互接続点8は第1のインダクタL1 を介して交流入力端子4に接続されている。第2の直列回路を構成している第3及び第4のスイッチQ3 、Q4 の相互接続点9は共通端子5に接続されている。第3の直列回路を構成している第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 の相互接続点10は出力段の第2のインダクタL2 を介して交流出力端子6に接続されている。負荷11の一端は交流出力端子6に接続され、負荷11の他端は共通端子7に接続されている。
【0014】
第1のフィルタ用コンデンサC1 は入力電流の高周波成分を除去するために交流入力端子4と共通端子5間に接続されている。第2のフィルタ用コンデンサC2 は出力電圧の高周波成分を除去するために交流出力端子6と共通端子7間に接続されている。
なお、入力側の第1のインダクタL1は出力端子6に交流電源端子3の電圧Vinよりも高い出力電圧V0を得るため、及び交流入力端子4における力率改善及び電流の波形改善を行うために必要なものである。図1では、交流入力端子4と第1及び第2のスイッチQ1、Q2の相互接続点8との間に第1のインダクタL1が接続されている。しかし、交流電源3と第3及び第4のスイッチQ3、Q4の相互接続点9との間の電流通路の中の任意の場所に1つ又は複数のインダクタを接続すると、第1のインダクタL1と同一の効果を得ることができる。例えば、インダクタL1の代りに、破線で示インダクタL3を第3及び第4のスイッチQ3、Q4の相互接続点9と共通端子5との間に接続することができる。本発明に従うインダクタンス手段は、第1、第2及び第3のインダクタL1、L2、L3から選択された2つ又は全部で構成することができる。
【0015】
制御回路2によって第1〜第6のスイッチQ1 〜Q6 を制御するために、制御回路2と第1〜第6のスイッチQ1 〜Q6 のゲート(制御端子)との間がライン12、13、14、15、16、17及び第1〜第6のドライブ回路81〜86を介して接続されている。なお、周知のようにスイッチQ1〜Q6の制御はゲート・ソース間に制御信号を供給して行われる。しかし、図1では図示を簡単化するために各スイッチQ1〜Q6のソ−スとドライブ回路81〜86との間の接続が省略されている。また、各ドライブ回路81〜86には電源回路が接続されているが、図1では電源回路が省略されている。この電源回路の詳細は図13に示されている。
制御回路2によってスイッチQ1 〜Q6 の制御信号を形成するために、交流入力端子4及び共通端子5がライン18、19によって、また交流出力端子6がライン20によって、また平滑コンデンサCの両端がライン21、22によって、また交流入力端子4 に流れる電流を検出する電流検出器23がライン24によって制御回路2にそれぞれ接続されている。
【0016】
図1の制御回路2の詳細を図2によって説明する前に、図1の変換回路1の動作を説明する。変換回路1は、前述した特開平8−126352号公報と同様に第1、第2及び第3のモードから選択された1つのモ−ドで動作する。
第1のモードは、電源3の電圧即ち交流入力電圧Vin(例えば100V)とほぼ同一の出力電圧V0 が交流出力端子6と共通端子7との間に得られる時に発生し、電圧非変換モードと呼ぶことができるものである。
第2のモードは、交流入力電圧Vin(100V)よりも低い出力電圧V0 が交流出力端子6と共通端子7との間に得られる時に発生し、降圧モードと呼ぶことができるものである。
第3のモードは、交流入力電圧Vinよりも高い出力電圧V0 が交流出力端子6と共通端子7との間に得られる時に発生し、昇圧モードと呼ぶことができるものである。
なお、本実施形態では、後述から明らかなように、図2の示す第1の指令値Vrcと第2の指令値Vriとの大小関係によって、第1、第2及び第3のモ−ドが決定されている。第1の指令値Vrcは、図1の交流入力端子4と共通端子5との間の電圧Vin又は第1及び第2のスイッチQ1、Q2の相互接続点8と共通端子5との間の第1の電圧Vconvと比例関係を有する。第2の指令値Vriは、図1の交流出力端子6と共通端子5又は7との間の電圧Vo又は第5及び第6のスイッチQ5、Q6の相互接続点10と共通端子5又は7との間の第2の電圧Vinvと比例関係を有する。従って、第1の電圧Vconvと第2の電圧Vinvとがほぼ等しい時を第1のモ−ド、第2の電圧Vinvが第1の電圧Vconvよりも低い時を第2のモ−ド、第2の電圧Vinvが第1の電圧Vconvよりも高い時を第3のモ−ドと呼ぶこともできる。
いずれのモードにおいても、第1及び第2のスイッチQ1 、Q2 から成る入力段スイッチ回路と第5及び第6のスイッチQ5 、Q6から成る出力段スイッチ回路のいずれか一方又は両方の高周波(例えば20kHz)のオン・オフが禁止される。このため入力段スイッチ回路及び/又は出力段スイッチ回路の損失低減効果が生じる。
【0017】
【非変換モード】
交流入力電圧Vinと同一の出力電圧V0 を得る時に生じる非変換モード即ち第1のモードの場合には、第1〜第6のスイッチQ1 〜Q6 に図3(B)〜(G)の第1〜第6の制御信号VQ1〜VQ6が供給される。即ち、第1及び第5のスイッチQ1 、Q5 は電源3の50Hzの正弦波電圧と同一の周波数の50Hz方形波パルスによって180度間隔で断続的にオンになり、第2及び第6のスイッチQ2 、Q6 は第1及び第5のスイッチQ1 、Q5 と反対に動作する。また、力率改善及び入力電流の波形改善のために第3及び第4のスイッチQ3 、Q4 は図3(A)の交流入力電圧Vinの周波数の2倍よりも高い周波数(例えば20kHz)でオン・オフ制御される。
図3に示すように各スイッチQ1 〜Q6 を制御すると、交流入力電圧Vinが正の半波の期間(t0 〜t1 )では、交流電源3、第1のインダクタL1 、第1のスイッチQ1 、第5のスイッチQ5 、第2のインダクタL2 、及び負荷11の経路で正方向電流が流れる。また、交流入力電圧Vinが負の半波の期間(t1 〜t2 )では、交流電源3、負荷11、第2のインダクタL2 、第6のスイッチQ6 、第2のスイッチQ2 、及び第1のインダクタL1 の経路で負方向電流が流れる。この非変換モードの場合、第1、第2、第5及び第6のスイッチQ1 、Q2 、Q5 、Q6 は高周波(例えば20kHz)でオン・オフされないので、単位時間当りのスイッチング回数が少なくなり、スイッチング損失による効率低下が少なくなる。
第3及び第4のスイッチQ3、Q4のオン・オフによる力率改善及び波形改善は次のように行われる。交流入力電圧Vinの正の半波の期間であって、且つ第3のスイッチQ3がオンの期間には、電源3、第1のインダクタL1、第1のスイッチQ1、及び第3のスイッチQ3の経路に電流が流れる。第3のスイッチQ3のオン・オフ時間の調整即ち制御によって、交流入力電流を操作即ち調整することが可能になり、力率改善及び波形改善即ち高調波成分の除去が可能になる。交流入力電圧Vinの負の半波期間であり、且つ第4のスイッチQ4がオンの期間には、電源3、第4のスイッチQ4、第2のスイッチQ2、及び第1のインダクタL1の経路に電流が流れる。第4のスイッチQ4のオン・オフ時間の調整即ち制御によって、交流入力電流を操作即ち調整することが可能になり、力率改善及び波形改善即ち高調波成分の除去が可能になる。この結果、交流入力電流が近似正弦波になる。
【0018】
【降圧モード】
電源電圧即ち交流入力電圧Vinよりも低い出力電圧V0が得られる時に生じる降圧モード即ち第2のモードの場合には、第1〜第6の主スイッチQ1 〜Q6 に図4(B)〜(G)に示す第1〜第6の制御信号VQ1〜VQ6が供給される。即ち、第1及び第2のスイッチQ1 、Q2 は図4(A)の交流入力電圧Vinと同一の低周波(50Hz)でオン・オフし、第3〜第6のスイッチQ3 〜Q6 は高周波(例えば20kHz)のPWM(パルス幅変調)パルスでオン・オフする。図4の交流入力電圧Vinの正の半波の期間t0 〜t1 であり且つ第1及び第5のスイッチQ1、Q5 がオンの期間には、交流電源3、第1のインダクタL1 、第1のスイッチQ1 、第5のスイッチQ5 、第2のインダクタL2 及び負荷11の経路で正方向電流が流れる。この時の第5及び第6のスイッチQ5,Q6の相互接続点10と共通端子5又は7との間の電圧Vinvは、入力交流電圧Vinにほぼ等しくなる。また、入力交流電圧Vinの正の半波の期間t0 〜t1 であり且つ第1及び第6のスイッチQ1 、Q6 がオンの期間には、交流電源3、第1のインダクタL1 、第1のスイッチQ1 、コンデンサC、第6のスイッチQ6 、第2のインダクタL2 及び負荷11の経路で正方向電流が流れる。この時の第5及び第6のスイッチQ5、Q6の相互接続点10と共通端子5又は7との間の電圧Vinvは入力交流電圧VinからコンデンサCの電圧Vcを減算した値にほぼ等しくなる。
【0019】
降圧モードにおける交流入力電圧Vinの負の半波の期間t1 〜t2 であり且つ第2及び第6のスイッチQ2,Q6 がオンの期間には、交流電源3、負荷11、第2のインダクタL2 、第6のスイッチQ6 、第2のスイッチQ2 及び第1のインダクタL1 の経路で負方向の電流が流れる。この時の第5及び第6のスイッチQ5、Q6の相互接続点10と共通端子5又は7との間の電圧Vinvの値は交流入力電圧Vinにほぼ等しくなる。また、交流入力電圧Vinの負の半波の期間t1 〜t2 であり且つ第2及び第5のスイッチQ2,Q5 のオンの期間には、交流電源3、負荷11、第2のインダクタL2 、第5のスイッチQ5 、コンデンサC、第2のスイッチQ2 及び第1のインダクタL1 の経路で負方向電流が流れる。この時の第5及び第6のスイッチQ5、Q6の相互接続点10と共通端子5又は7との間の電圧Vinvの値はVin−Vcにほぼ等しくなる。
上述から明らかなように、降圧モード時には、第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 の高周波でのオン・オフ動作によって、第5及び第6のスイッチQ5,Q6の相互接続点10と共通端子5又は7との間の電圧Vinvが交流入力電圧Vinとほぼ同一になる期間と、第5及び第6のスイッチQ5,Q6の相互接続点10と共通端子5又は7との間の電圧Vinvが交流入力電圧VinからコンデンサCの電圧Vcを差し引いた値になる期間とが交互に生じる。この結果、交流入力電圧Vinよりも低い出力電圧V0 が得られる。
【0020】
降圧モード時の第3及び第4のスイッチQ3,Q4のオン・オフによっても、非変換モード時と同様に、力率改善及び電流の波形改善即ち高周波成分の除去の動作が生じる。
第3及び第4のスイッチQ3,Q4のオン・オフによって次に示すようにコンデンサCの電圧Vcの制御も達成される。降圧モードにおいてコンデンサCは第1、第2、第5及び第6のスイッチQ1 Q2 、Q5 、Q6 を通る回路で充電される。このため、もしコンデンサCの電圧Vc を制御しないと、この電圧Vc は徐々に高くなる。そこで、第3及び第4のスイッチQ3 、Q4 を高い周波数(例えば20kHz)でオン・オフしてコンデンサCの電荷を放出し、この電圧Vc を制御する。コンデンサCの放電回路は次のようにして形成される。まず、交流入力電圧Vinが正の半波の期間t0 〜t1 であり且つ第4のスイッチQ4 のオンの期間には、コンデンサC、第1のスイッチQ1 、第1のインダクタL1 、電源3及び第4のスイッチQ4 から成る閉回路でコンデンサCの放電電流が流れる。この時、第1のインダクタL1 にエネルギーが蓄積される。次に、入力交流電圧Vinが正の半波の期間t0 〜t1 であり且つ第3のスイッチQ3 のオン期間には、第1のインダクタL1 、電源3、第3のスイッチQ3 、第1のスイッチQ1 から成る閉回路で第1のインダクタL1 のエネルギーの放出が行われ、第1のインダクタL1 のエネルギーは電源3に帰還される。第3及び第4のスイッチQ3 、Q4 が図4(D)(F)に示すように交流入力電圧Vinよりも十分に高い周波数でPWMパルスで断続され、このPWMパルスの幅の制御によってコンデンサCの放電期間が制御され、コンデンサCの電圧Vc はほぼ一定値に保たれる。なお、交流入力電圧Vinが負の期間t1 〜t2 であり且つ第3のスイッチQ3 がオンの期間には、コンデンサC、第3のスイッチQ3 ,電源3、第1のインダクタL1 及び第2のスイッチQ2 から成る閉回路でコンデンサCの電荷が放出される。また、交流入力電圧Vinが負の期間t1 〜t2 であり且つ第4のスイッチQ4 のオン期間には、第1のインダクタL1 、第2のスイッチQ2 、第4のスイッチQ4 及び電源3から成る閉回路で第1のインダクタL1 のエネルギーが放出される。
【0021】
【昇圧モード】
交流入力電圧Vinよりも高い出力電圧V0 が得られる時に生じる昇圧モード即ち第3のモードの場合には、図5(B)〜(G)に示す制御信号VQ1〜VQ6で第1〜第6のスイッチQ1 〜Q6 がオン・オフ制御される。即ち、第1〜第4のスイッチQ1 〜Q4 は高周波でオン・オフされ、第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 は電源周波数(50Hz)でオン・オフされる。図6の入力交流電圧Vinが正の半波の期間t0 〜t1 であり且つ第1及び第5のスイッチQ1 、Q5のオン期間には、電源3、第1のインダクタL1 、第1のスイッチQ1 、第5のスイッチQ5 、第2のインダクタL2 、負荷11から成る経路で第1の方向の電流が流れる。この時の第5及び第6のスイッチQ5,Q6の相互接続点10と共通端子5又は7との間の電圧Vinvは、交流入力電圧Vinとほぼ同一になる。昇圧モードにおいて、交流入力電圧Vinが正の半波の期間t0 〜t1 であり且つ第2及び第5のスイッチQ2 、Q5のオン期間には、電源3、第1のインダクタL1 、第2のスイッチQ2 、コンデンサC、第5のスイッチQ5 、第2のインダクタL2 及び負荷11から成る経路で第1の方向の電流が流れる。この時には、交流入力電圧VinにコンデンサCの電圧Vc が加算された値の出力電圧V0が得られる。
【0022】
昇圧モードにおいて、入力交流電圧Vinが負の半波の期間t1 〜t2 であり且つ第2及び第6のスイッチQ2 、Q6がオンの期間には、電源3、負荷11、第2のインダクタL2 、第6のスイッチQ6 、第2のスイッチQ2 及び第1のインダクタL1 から成る経路で第2の方向の電流が流れる。この時は入力交流電圧Vinに第1のインダクタL1 の電圧が加算されて出力電圧V0 となる。また、入力交流電圧Vinが負の半波の期間t1 〜t2 であり且つ第1及び第6のスイッチQ1 、Q6がオンの期間には、電源3、負荷11、第2のインダクタL2 、第6のスイッチQ6 、コンデンサC、第1のスイッチQ1 及び第1のインダクタL1 から成る経路で第2の方向の電流が流れる。この時の第5及び第6のスイッチQ5,Q6の相互接続点10と共通端子5又は7との間の電圧Vinvは入力交流電圧Vinとほぼ同一になる。
【0023】
この昇圧モ−ドにおいても、第3及び第4のスイッチQ3、Q4のオン・オフによって非変換モード時と同様に力率の改善及び波形改善が行われる。
第3及び第4のスイッチQ3,Q4のオン・オフによって次に示すようなコンデンサCの電圧Vc制御も達成される。昇圧モードにおいてコンデンサCの放電が生じ、この電圧が低下する。そこで、第3及び第4のスイッチQ3 、Q4 を第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 よりも高い周波数(例えば20kHz)で断続することによってコンデンサCの電圧Vc をほぼ一定に制御する。この詳しい動作を次に述べる。入力交流電圧Vinが正の半波の期間t0 〜t1 であり且つ第4のスイッチQ4 のオン期間には、電源3、第1のインダクタL1 、第1のスイッチQ1 、コンデンサC、第4のスイッチQ4 から成る閉回路でコンデンサCを充電する。この時、第1のインダクタL1 の蓄積エネルギーの放出があるので、コンデンサCは、電源3の電圧Vinと第1のインダクタL1 の電圧との和で充電される。即ち、出力電圧V0 よりも高い電圧でコンデンサCが充電される。入力交流電圧Vinが正の半波の期間t0 〜t1 であり且つ第3のスイッチQ3 のオン期間には、電源3、第1のインダクタL1 、第1のスイッチQ1 、第3のスイッチQ3 の経路に電流が流れ、第1のインダクタL1 にエネルギーが蓄積される。
入力交流電圧Vinが負の半波の期間t1 〜t2 であり且つ第3のスイッチQ3 がオンの期間には、電源3、第3のスイッチQ3 、コンデンサC、第2のスイッチQ2 及び第1のインダクタL1 から成る経路に電流が流れ、電源3の電圧Vinと第1のインダクタL1 の電圧の和でコンデンサCが充電される。
入力交流電圧Vinが負の半波の期間t1 〜t2 であり且つ第4のスイッチQ4 のオンの期間には、電源3、第4のスイッチQ4 、第2のスイッチQ2 及び第1のインダクタL1 から成る経路に電流が流れ、第1のインダクタL1 にエネルギーが蓄積される。
【0024】
上述から明らかなように、第1及び第2のスイッチQ1,Q2は主として昇圧のために使用されている。第3及び第4のスイッチQ3,Q4は、主として力率改善及び波形改善のために使用されている。第5及び第6のスイッチQ5,Q6は主として降圧のために使用されている。
【0025】
次に、制御回路2の詳細を図2によって説明する。制御回路2は、入力電圧検出回路41、直流電圧検出回路42、出力電圧検出回路43、第1の指令値発生手段44、第2の指令値発生手段45、バイアス電圧発生器46、第1、第2及び第3の演算回路47、48、49、第1及び第2のリミッタ50、51、比較波発生手段又はキャリア波発生手段としての三角波発生器52、第1、第2及び第3のコンパレータ53、54、55、第1、第2及び第3のNOT回路56、57、58を有する。
【0026】
入力電圧検出回路41は、ライン18、19によって交流入力端子4と共通端子5とに接続されており、電源3の電圧Vinを検出し、基準正弦波を発生する。直流電圧検出回路42はライン21、22によって直流リンクコンデンサCの両端に接続され、直流リンクコンデンサCの電圧Vc を示す検出信号を出力する。出力電圧検出回路43はライン20、19によって交流出力端子6と共通端子7に接続され、出力電圧V0 を示す検出信号を出力する。各検出回路41、42、43は、電源電圧Vin、コンデンサ電圧Vc 、出力電圧V0 の実際の値よりも低い電圧を出力するが、理解を容易にするためにここでは実際の電圧と同一の値が出力されるものとする。
【0027】
第1の指令値発生手段44は、入力段電圧指令値発生手段又はコンバータ電圧指令値発生手段とも呼ぶことができるものであり、直流基準電圧源59と、2つの減算器60、63と、2つの比例積分(PI)回路61、64と、乗算器62とから成る。減算器60は基準電圧源59の基準電圧と直流電圧検出回路42の検出出力の差を示す誤差信号を出力する。この誤差信号は比例積分回路61を介して乗算器62に入力し、入力電圧検出回路41から得られた基準正弦波(例えば実効値100Vの正弦波)に乗算される。乗算器62の出力は直流リンクコンデンサCの電圧Vc を一定に保つための入力電流指令値である。減算器63は乗算器62の出力(入力電流指令値)と電流検出器23に接続されたライン24の検出値(検出電流値)との差を示す信号を出力する。減算器63の出力は比例積分回路64を介して出力される。比例積分回路64の出力は第1の指令値Vrcとなる。第1の指令値Vrcは、第1及び第2のスイッチQ1,Q2の相互接続点8と第3及び第4のスイッチQ3、Q4の相互接続点9との間の基本波の電圧Vconvを所望値にするための指令値である。ここで、基本波とは電源電圧Vinと同一の周波数の信号である。なお、この第1の指令値Vrcは電源電圧Vinに同期した正弦波又は正弦波に近似した波形であり、直流リンクコンデンサCの電圧を所定値に制御するための情報と入力の力率を改善するための情報とを含む。
【0028】
第2の指令値発生手段45は、出力段電圧指令値発生手段又はインバータ電圧指令値発生手段とも呼ぶことができるものであって、基準出力電圧指令値発生器66と、減算器67と、比例積分微分(PID)回路68とから成る。
この具体例では、交流入力電圧Vinが一定の状態において交流出力電圧Voを変えることができるように第2の指令値発生手段45が構成されている。このために、基準出力電圧指令値発生器66は可変構成であって、第1、第2及び第3のモードに応じて異なる値の基準出力電圧指令値を発生させることができる。基準出力電圧指令値発生器66は、非変換モード時には入出力電圧が等しいこと即ちVo=Vinであることを示す第1の基準出力電圧指令値Vo1を発生し、降圧モード時には、出力電圧Voが交流入力電圧Vinよりもaボルト低いこと即ちVo=Vin−aを示す第2の基準出力電圧指令値Vo2を発生し、昇圧モード時には、出力電圧Voが交流入力電圧Vinよりもbボルト高いこと即ちVo=Vin+bを示す第3の基準出力電圧指令値Vo3を発生する。基準出力電圧指令値発生器66の出力は、交流入力電圧Vinに同期して正弦波又は正弦波に近似した波形を有する。
なお、非変換モードと降圧モードと昇圧モードとの全てが要求されず、3つのモ−ドの内の任意の2つのモードのみが要求される場合には、3つのモードから選択された2つのモードのための2つの基準出力電圧指令値を出力するように基準出力電圧指令値発生器66を構成する。
減算器67は基準電圧指令値発生器66の出力と出力電圧検出回路43の出力との差を示す信号を出力する。この減算器67の出力は比例積分微分(PID)回路68を介して出力され、第2の指令値Vriとなる。第2の指令値Vriは第3及び第4のスイッチQ3,Q4の相互接続点9と第5及び第6のスイッチQ5,Q6の相互接続点10との間の基本波の電圧Vinvを所望値にするための指令値であり、交流入力電圧Vinに同期した正弦波又は正弦波に近似した波形から成る。
第2の指令値発生手段45から発生する第2の指令値Vriは、交流入力電圧Vinが一定の場合には、非変換モード時に第1の指令値Vrcに等しい値、降圧モード時に第1の指令値Vrcよりも低い値、昇圧モード時に第1の指令値Vrcよりも高い値になる。
交流出力電圧Voを常に一定に保つ時には、基準電圧指令値発生器66の出力が一定に保たれる。即ち、交流入力電圧Vinが例えば100Vの場合と例えば200Vの場合とのいずれであっても、一定の交流出力電圧Vo(例えば100V)を得る時には、基準電圧指令値発生器66の出力が一定に保たれる。このように基準電圧指令値発生器66の出力が一定あっても、交流入力電圧Vinが変化すると、入力電圧検出回路41の出力が変化し、第1の指令値発生手段44から得られる第1の指令値Vrcが変化し、交流出力電圧Voを一定に保つ制御が生じる。なお、出力電圧指令値発生器66の出力を変えるか否かは、使用者によって決定される。
交流出力電圧Voまたは交流入力電圧Vinの変化に基づく第1〜第6のスイッチQ1〜Q6の制御モードの切り換えは後述する演算手段によって自動的に行われる。
【0029】
本実施形態の制御回路2は、降圧モード、昇圧モ−ド、及び非変換モ−ドを選択的に設定するためのバイアス電圧発生器46と第1、第2及び第3の演算回路47、48、49とを有する。
【0030】
バイアス電圧発生器46は、方形波発生器とも呼ぶことができるものであって、入力電圧検出回路41から得られる図6(A)の50Hzの基準正弦波Vf を三角波発生器52から出力される三角波電圧Vtの振幅よりも十分に大きな振幅となるように増幅し、これをリミッタで制限することによって三角波電圧Vtの最大値又はこれよりも大きい最大バイアス電圧値+Vs (例えば+200V)と三角波電圧Vtの最小値又はこれよりも小さい最小バイアス電圧値−Vs(例えば−200V)との間に制限して図6(B)に示す方形波バイアス電圧Vs を発生する。なお、図6(B)は、電力変換装置の起動後の定常状態のバイアス電圧Vsを示す。定常状態のバイアス電圧Vsは、電源電圧Vinと同一の第1の周期を有して+Vsと−Vsとを交互に繰返して発生する方形波は近似方形波である。起動期間のバイアス電圧Vsは図15(D)又は図17(D)に示されている。本発明に従って改良されたバイアス電圧発生器46の詳細は追って説明する。
【0031】
第1の演算回路47は、コンバータ電圧指令値発生手段即ち第1の指令値発生手段44、インバータ電圧指令値発生手段即ち第2の指令値発生手段45、及びバイアス電圧発生器46に接続されており、Vrc+Vs −Vriの演算を実行する。即ち、第1の演算回路47は加算器と減算器とを含み、コンバータ電圧指令値即ち第1の指令値Vrcに方形波電圧Vsを加算した値からインバータ電圧指令値即ち第2の指令値Vriを減算する。なお、加算と減算の順序を逆にしてVrc−Vri+Vs とすることもできる。
【0032】
第2の演算回路48はコンバータ電圧指令値発生手段即ち第1の指令値発生手段44とインバータ電圧指令値発生手段即ち第2の指令値45とバイアス電圧発生器46とに接続されており、Vri+Vs −Vrcの演算を実行する。即ち、第2の演算回路48は加算器と減算器とを含み、インバータ電圧指令値即ち第2の指令値Vriにバイアス電圧Vs を加算した値からコンバータ電圧指令値即ち第1の指令値Vrcを減算する。なお、加算と減算の順序を逆にしてVri−Vrc+Vs とすることもできる。
【0033】
第1のリミッタ50は、第1の演算回路47の出力をバイアス電圧Vs の最大バイアス電圧値+Vs と同一又は+Vsよりも少し低い値に設定された最大リミッタ値+Vと最小バイアス電圧値−Vs と同一又は−Vsよりも少し高い値に設定された最小リミッタ値−Vとの間に制限して第1のスイッチ制御指令値Vr1を出力する。この具体例では最大リミッタ値+Vが+Vs、最小リミッタ値−Vが−Vsである。なお、第1のスイッチ制御指令値Vr1は入力段スイツチQ1、Q2に基づいて発生させるべき電圧を指令する第1の値と呼ぶこともできる。
第1の値Vr1は、第1及び第2のモード時に図7(A)及び図8(A)に示すように方形波電圧Vsと同じ値となる。第3のモードの時に図9(A)に示すように+Vsと−Vsとの間の第2の値となる。
【0034】
第2のリミッタ51は第2の演算回路48の出力を第1のリミッタ50と同様に最大リミッタ値+Vと最小リミッタ値−Vとの間に制限して第2のスイッチ制御指令値Vr3を出力する。なお、第2のスイッチ制御指令値Vr3を出力段スイッチQ5、Q6に基づいて発生させるべき電圧を指令する第2の値と呼ぶこともできる。
請求項で第2の値と呼ばれているVr3の最大値及び最小値は、第1及び第3のモードの時に図7(C)及び図9(C)に示すように最大リミッタ値+Vと最小リミッタ値―Vと同一になり、第2のモ−ド時に図8(C)に示すように最大リミッタ値+Vと最小リミッタ値―Vとの間の値となる。
【0035】
第3の演算回路49はインバータ電圧指令値発生手段45と第2のリミッタ51とに接続され、Vr3−Vriの演算を実行する。即ち、第3の演算回路49は減算器であって、第2のスイッチ制御指令値Vr3からインバータ電圧指令値Vriを減算して指令値Vr2を発生する。この指令値Vr2は、請求項で第3の値と呼ばれているものであって、コンデンサCの電圧の指令値、又は力率改善指令値と呼ぶこともできる。コンデンサCの電圧Vcの1/2の電位を基準にして、第1及び第2のスイッチQ1,Q2の相互接続点8の基本波の電圧をV1,第3及び第4のスイッチQ3,Q4の相互接続点9の基本波の電圧をV2、第5及び第6のスイッチQ5,Q6の相互接続点10の基本波の電圧をV3とした時に、このV1,V2,V3とスイッチ制御指令値Vr1,Vr2,Vr3との関係は、
V1=(Vc/2)Vr1,
V2=(Vc/2)Vr2,
V3=(Vc/2)Vr3,
Vinv=V3−V2,
Vconv=V1−V2となる。
Vr2は、第1、第2及び第3のモードのいずれにおいても図7(B)、図8(B)及び図9(B)に示すように+Vと−Vとの間の値になる。
【0036】
第1、第2及び第3の演算回路47,48,49と第1及び第2のリミッタ50,51とから成る演算手段から得られる出力Vr1,Vr2,Vr3に基づいて、第1〜第6のスイッチQ1〜Q6の第1〜第6の制御信号VQ1〜VQ6を形成する制御信号形成手段として、三角波発生器52と第1、第2及び第3のコンパレータ53,54,55と第1、第2及び第3のNOT回路56、57、58とが設けられている。
比較波発生器又はキャリア波発生器としての三角波発生器52は電源3の電圧Vinの周波数(50Hz)の2倍よりも高い周波数(例えば20kHz)の三角波電圧Vtを図7〜図9に示すように発生する。三角波電圧Vtの最大値は第1及び第2のリミッタ50,51の最大リミッタ値+Vと同一又はこれよりも少し低い値に設定される。三角波電圧Vtの最低値は、第1及び第2のリミッタ50,51の最小リミッタ値−Vと同一又はこれよりも少し高く設定される。図2では1つの三角波発生器52が第1、第2及び第3のコンパレータ53、54、55に接続されているが、第1、第2及び第3のコンパレータ53、54、55のための専用の3つの三角波発生器を設けることもできる。また、三角波発生器52を周知の鋸波発生回路にすることができる。
【0037】
第1のコンパレータ53は第1のリミッタ50と三角波発生器52とに接続され、図7(A)、図8(A)及び図9(A)に示すように第1の値Vr1と三角波電圧Vt とを比較して図3(B)、図4(B)及び図5(B)に示す第1のスイッチQ1 のオン・オフ制御信号VQ1をライン12に出力する。
【0038】
第2のコンパレータ54は第3の演算回路49と三角波発生器52とに接続され、図7(B)、図8(B)及び図9(B)に示すように第2の値Vr2と三角波電圧Vt とを比較して図3(D)、図4(D)及び図5(D)に示す第3のスイッチQ3 のオン・オフ制御信号VQ3をライン14に出力する。
【0039】
第3のコンパレータ55は第2のリミッタ51と三角波発生器52とに接続され、図7(C)、図8(C)及び図9(C)に示すように第2の値Vr3と三角波電圧Vt とを比較して図3(F)、図4(F)及び図5(F)に示す第5のスイッチQ5 のオン・オフ制御信号VQ5をライン16に出力する。
【0040】
第1の逆相信号形成手段としてのNOT回路56は第1のコンパレータ53に接続され、第1のスイッチQ1 のオン・オフ制御信号VQ1の逆相信号から成る図3(C)、図4(C)及び図5(C)に示す第2のスイッチQ2 のオン・オフ制御信号VQ2をライン13に出力する。
【0041】
第2の逆相信号形成手段としてのNOT回路57は、第2のコンパレータ54に接続され、第3のスイッチQ3 のオン・オフ制御信号VQ3の逆相信号から成る図3(E)、図4(E)及び図5(E)に示す第4のスイッチQ4 のオン・オフ制御信号VQ4をライン15に出力する。
【0042】
第3の逆相信号形成手段としてのNOT回路は、第3のコンパレータ55に接続され、第5のスイッチQ5 のオン・オフ制御信号VQ5の逆相信号から成る図3(G)、図4(G)及び図5(G)に示す第6のスイッチQ6 のオン・オフ制御信号VQ6を出力する。
なお、第1、第2及び第3のコンパレータ53、54、55に第1、第2及び第3のNOT回路56、57、58をそれぞれ内蔵させることができる。
【0043】
【モード切換制御】
基準出力電圧指令値発生器66の出力が常に一定の場合には、電源3の電圧Vinの変化によって、非変換モ−ド(第1のモ−ド)、降圧モ−ド(第2のモ−ド)、及び昇圧モ−ド(第3のモ−ド)の自動切換えが実行される。即ち、第1及び第2の指令値Vrc、Vriの大小関係によって自動的にモ−ドが決定される。
また、この実施形態では、使用者が基準出力電圧指令値発生器66の出力の切換えによって出力電圧Voの切換え及びモード切換を行うことができる。以下これを図10〜図12を参照して説明する。ここで、各モードの電源電圧Vinを100V、非変換モードの出力電圧Vo を100V、降圧モードの出力電圧Vo を80V、昇圧モードの出力電圧Voを120Vとする。また、理解を容易にするために、コンバータ電圧指令値即ち第1の指令値Vrcは各モードにおいて100Vとし、またインバータ電圧指令値即ち第2の指令値Vriは非変換モードで100V、降圧モードで80V、昇圧モードで120Vとする。また、最大バイアス電圧値+Vs及び最大リミッタ値+Vを200V、最小バイアス電圧値−Vs及び最小リミッタ値−Vをー200Vとする。
【0044】
【非変換モード】
上記条件において、電源電圧Vinの正の半波期間の非変換モードの第1の演算回路47の出力は、Vrc+Vs −Vri=100+200−100=200Vとなる。この値は第1のリミッタ50の上限に一致するので、第1のリミッタ50から出力される第1の値Vr1も200Vとなる。このVr1=200Vは図10に示すように三角波電圧Vt の最大値200Vに一致し、三角波電圧Vt を横切らない。この結果、電源電圧Vinの正の半波の期間の第1のコンパレータ53の出力は連続して高レベルになる。また、非変換モードにおける電源電圧Vinの負の半波期間の第1のコンパレータ53の出力は連続して低レベルになる。これにより、非変換モード時には図3(B)(C)に示すように第1及び第2のスイッチQ1 、Q2 は50Hzの低周波でオン・オフ制御され、整流素子として動作する。
【0045】
非変換モード時の電源電圧Vinの正の半波期間の第2の演算回路48の出力は、Vri+Vs −Vrc=100+200−100=200Vとなる。この値は第2のリミッタ51の上限に一致しているので、第2の値Vr3も200Vになる。また、電源電圧Vinの負の半波期間のVr3は−200Vになる。この結果、第3のコンパレータ55の出力は第1のコンパレータ53の出力と同一になり、第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 は図3(F)(G)に示すように低周波(50Hz)でオン・オフ制御され、整流素子として動作する。
【0046】
非変換モード時の電源電圧Vinの正の半波期間の第3の演算回路49の出力Vr2はVr3−Vri=200−100=100Vとなる。また、電源電圧Vinの負の半波の期間の第3の演算回路49の出力Vr2は−100Vになる。従って、図10に示すように第2のコンパレータ54において第3の値Vr2が三角波電圧Vt を横切り、図3(D)(E)に示すように第3及び第4のスイッチQ3 、Q4 に例えば20kHzの高周波のオン・オフ制御信号(PWMパルス)が供給される。
【0047】
【降圧モード】
降圧モード時の電源電圧Vinの正の半波期間の第1の演算回路47の出力は、Vrc+Vs −Vri=100+200−80=220Vとなる。これは第1のリミッタ50で制限されるので、第1の値Vr1は200Vとなり、図11に示すように第1のコンパレータ53において三角波電圧Vt を横切らない。このため、第1のコンパレータ53の出力は高レベルになる。電源電圧Vinの負の半波ではVr1が−200Vとなり、第1のコンパレータ53の出力は低レベルになる。従って、降圧モード時には第1及び第2のスイッチQ1 、Q2 が図4(B)(C)に示すように低周波でオン・オフ制御され、整流素子として動作する。
降圧モード時の電源電圧Vinの正の半波期間の第2の演算回路48の出力は、Vri+Vs −Vrc=80+200−100=180Vとなる。この値は第2のリミッタ51で制限されないので、第2の値Vr3も180Vとなり、第3のコンパレータ55において図11に示すように三角波電圧Vt を横切る。電源電圧Vinの負の半波期間にはVr3が−180Vとなり、三角波電圧Vt を横切る。従って、降圧モード時には、第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 が図4(F)(G)に示すように高周波のオン・オフ制御信号即ちPWMパルスで制御される。
降圧モード時の正の半波期間の第3の演算回路49の出力即ち第3の値Vr2はVr3−Vri=180−80=100Vになり、第2のコンパレータ54において図11に示すように三角波電圧Vt を横切る。また、負の半波期間にはVr2が−100Vとなり、三角波電圧Vt を横切る。この結果、第3及び第4のスイッチQ3 、Q4 には図4(D)(E)に示すように高周波のオン・オフ制御信号が供給される。
【0048】
【昇圧モード】
昇圧モード時の電源電圧Vinの正の半波期間の第1の演算回路47の出力は、Vrc+Vs −Vri=100+200−120=180Vとなる。これは第1のリミッタ50の制限を受けないので、第1の値Vr1も180Vとなり、第1のコンパレータ53を図12に示すように三角波電圧Vt を横切る。また、負の半波期間にはVr1が−180Vとなり、三角波電圧Vt を横切る。この結果、第1及び第2のスイッチQ1 、Q2 は図5(B)(C)に示すように高周波のオン・オフ制御信号即ちPWMパルスで制御される。
昇圧モードにおける第2の演算回路48の出力はVri+Vs −Vrc=120+200−100=220Vとなり、第2のリミッタ51で200Vに制限される。これにより、第3のコンパレータ55の入力即ち第2の値Vr3は200Vとなり、図12に示すように三角波電圧Vt を横切らない。また負の半波期間にはVr3が−200Vとなり、三角波電圧Vt を横切らない。この結果、第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 は図5(F)(G)に示すように低周波でオン・オフ制御され、整流素子として動作する。
昇圧モード時の正の半波期間における第3の演算回路49の出力即ち第3の値Vr2はVr3−Vri=200−120=80Vとなり、図12に示すように三角波電圧Vt を横切る。また負の半波期間の第3の値Vr2は−80Vとなり、三角波電圧Vt を横切る。この結果、第3及び第4のスイッチQ3 、Q4 は図5(D)(F)に示すように高周波でオン・オフ制御される。
【0049】
図1の第1〜第6のドライブ回路81〜86及びその電源回路は、既に説明した図13に示すように構成されている。図13には図1の第1〜第6のスイッチQ1〜Q6、第1〜第6のドライブ回路81〜86、コンデンサCの他にドライブ回路81〜86の電源回路が示されている。図13における第1〜第6のスイッチQ1〜Q6、第1〜第6のドライブ回路81〜86、3つの接続点8、9、10及びコンデンサCは図1で同一符号で示すものと同一である。第1〜第6のドライブ回路81〜86は図2の制御回路2の出力ライン12〜17の制御信号VQ1〜VQ6に応答して第1〜第6の主スイッチQ1〜Q6をオン・オフ制御する周知の回路である。
図13のドライブ回路81〜86の電源87、コンデンサCa〜Cbは、比較的簡単な回路構成によって全てのドライブ回路81〜86に電源87の電圧Vccを与えることができるという特徴を有する反面、既に説明したように第2、第4及び第6のスイッチQ2、Q4、Q6がオン状態にならないと第1〜第3の電源用コンデンサCa〜Ccが充電されないという欠点を有する。
【0050】
上記欠点を解決するための本発明に従うバイアス電圧発生器46は、図14に示すように乗算器90と係数発生器91とリミッタ92と電圧源93とスイッチ94とリミット付き積分器95と反転信号形成回路96から成る。
【0051】
乗算器90の一方の入力端子はライン69によって図2の入力電圧検出回路41に接続され、他方の入力端子は係数Kを発生する係数発生器91に接続されている。係数発生器91は1よりも十分に大きい値の係数に相当する電圧を発生する。従って、乗算器90はライン69の電源電圧Vinに相当する正弦波電圧に係数Kを乗算して振幅が十分に増幅された正弦波電圧V90を出力する。
【0052】
リミッタ92は、乗算器90の出力を起動時の過度期間には時間と共に絶対値が増大する傾斜上限値と傾斜下限値との間を制限し、所定の過渡期間後の定常時には一定値から成る上限値と下限値との間に制限して方形波バイアス電圧Vsを発生するものである。定常時の上限値は既に説明した最大バイアス電圧値+Vsに相当し、下限値は最小バイアス電圧値−Vsに相当する。
【0053】
リミット付き積分器95は、オペアンプ97と積分コンデンサ98と抵抗99とツェナ−ダイオ−ド100とから成り、電源93の電圧を積分して図15(B)の出力を得るものである。
なお、オペアンプ97の正入力端子はグランドに接続され、負入力端子は抵抗99とスイッチ94を介して負極性の積分用電圧93に接続されている。コンデンサ98とツェナ−ダイオ−ド100はオペアンプ97の負入力端子を出力端子との間に接続されている。スイッチ94はライン101に与えられる図15(A)に起動指令に応答して図15のto時点でオンになる。この起動スイッチ94は、図1の電源3を図示が省略されている電源スイッチを介して入力端子4、5間に接続する時の電源スイッチのオン操作に同期させてオン操作される。なお、起動スイッチ94を制御回路2からの制御信号の送出に同期させてオン操作することもできる。
【0054】
図15(A)に示すように起動指令がtoで停止から運転指令に変換すると、スイッチ94がオンになり、リミット付き積分器95が積分を開始し、この出力電圧Vhighは図15(B)に示すように傾斜を有して増大する。積分器95はリミット機能を有しているのでt3時点で出力電圧Vhighが上限値+Vsに達すると、一定値になる。傾斜期間to〜t3は、電源電圧Vinの1/2周期即ち半サイクル以下且つ図2の三角波発生器5の三角波電圧Vtの1周期以上に設定することが望ましい。積分器95の出力はリミッタ92に入力し、図15(C)のリミッタ92の上限値Vhighとして使用される。積分器95とリミッタ92との間に接続された反転信号形成回路96は、積分器95の出力を位相反転して図15(C)に示すリミッタ92の下限値Vlowを形成し、リミッタ92に送る。
なお、反転信号形成回路96はオペアンプを使用した周知の位相反転回路から成る。
【0055】
なお、反転信号形成回路96をオペアンプの反転回路で形成する代りに、電源93の極性を反転した正電源と、スイッチ94に相当するものと、リミット付き積分器95に相当するものを設け、図15(C)に示す下限値Vlowを独立した回路で形成することができる。
【0056】
リミッタ92は、乗算器90から得られた図15(C)で点線で示す出力信号V90を上限値Vhighと下限値Vlowとの間に制限して図15(D)に示す出力Vsをバイアス電圧としてライン70に送出する。図15の例では、to〜t1区間、t2〜t4区間、t5〜t6区間、及びt7以後において、乗算器出力V90の絶対値が上限値Vhigh及び下限値Vlowの絶対値よりも大きくなるので、これ等の区間のリミッタ出力は上限値Vhigh及び下限値Vlowと同一である。t1〜t2区間、t4〜t5区間、t0〜t7区間では乗算器出力V90の絶対値が上限値Vhigh及び下限値Vlowの絶対値よりも小さいので、乗算器出力V90がそのままリミッタ出力となっている。
【0057】
バイアス電圧発生器46で重要なことは、起動直後のto〜t3区間においてリミッタ92の出力の絶対値が最大バイアス電圧値+Vs及び最小バイアス電圧値−Vsの絶対値よりも小さくなることである。
図15(C)で点線で示すように、もし、スイッチ94のオン開始時点toが乗算器90の出力電圧V90が交流電源電圧Vinの正の半波の期間内にあっても、リミッタ92の出力即ちバイアス電圧Vsの絶対値はt0〜t3期間に最大バイアス電圧値+Vs及び最小バイアス電圧値−Vsの絶対値よりも低い値であるため、図2の第1及び第2の演算回路47、48の出力が第1及び第2のリミッタ50、51の最大リミッタ値+Vと最小リミッタ値−Vとの間の値となり、第1及び第2のリミッタ50、51の出力Vr1、Vr2が図7〜図9に示す三角波電圧Vtを横切る。この結果、第1及び第2のスイッチQ1、Q2、又は第5及び第6のスイッチQ5、Q6、又は第1、第2、第5及び第6のスイッチQ1、Q2、Q5、Q6の高周波即ち第2の周波数でのオン・オフ動作が生じ、図1及び図13の下側の第2、第4及び第6のスイッチQ2、Q4、Q6が交流電源電圧Vinの負の半波期間に至る前の正の半波期間にオン状態になる。下側の第2、第4及び第6のスイッチQ2、Q4、Q6がオンになると、既に説明したように図13の第1、第2及び第3の電源用コンデンサCa、Cb、Ccが充電され、第1、第3及び第5のドライブ回路81、83、85によって上側の第1、第3及び第5のスイッチQ1、Q3、Q5をオン駆動することが可能になる。
この結果、図13に示すように上側のドライブ回路81、83、85と、下側のドライブ回路82、84、86との両方に1つの電源87から電力を供給する簡単な構成の電源回路を設ける場合であっても、コンデンサCa、Cb、Ccを起動時に迅速に充電することができ、第1、第2、第3及び第5のスイッチQ1、Q3、Q5のオン制御を迅速に開始することができる。また、第1〜第6のスイッチQ1〜Q6の正常動作が迅速に開始するため、歪みの少ない出力電圧Vo得御迅速に送出することが出きる。
【0058】
本実施形態によれば、バイアス波発生器46による上記効果の他に次の効果も得られる。
(1) 非変換モードには第1、第2、第5及び第6のスイッチQ1,Q2,Q5,Q6、また降圧モードには第1及び第2のスイッチQ1 、Q2 、また、昇圧モードにおいては第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 をそれぞれ50Hzの低周波でオン・オフ制御するので、単位時間当りのスイッチング回数及びスイッチング損失が少なくなり、電圧変換装置の効率を高めることができる。
(2) 第1、第2及び第3のモードのいずれにおいても、第3及び第4のスイッチQ3、Q4が高周波でオン.オフ制御されるので、力率改善及び交流入力電流の波形改善即ち高調波成分の低減を図ることができる。
(3) 基準出力電圧指令値発生器66の出力を変えることによって第1、第2及び第3のモードの切換えが実行され、所望の交流出力電圧Voが得られる。従って、モード切換え回路の構成が簡単になり、電力変換装置のコストの低減、及び小型化が達成される。
(4)基準出力電圧指令値発生器66の出力を一定に保つことによって、入力交流電圧Vinの変化に拘らず一定の交流出力電圧Voを得ることができる。また、入力交流電圧Vinの変化に応じて第1〜第6のスイッチQ1〜Q6を第1、第2及び第3のモードから選択された最適なモードで制御することができる。
【0059】
【第2の実施形態】
図16は第2の実施形態のバイアス電圧発生器46aを示す。このバイアス電圧発生器46aは図14のバイアス電圧発生器46の一部を変形したものである。従って、図16において図14と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図16の回路波リミット付き積分器95の出力を乗算器90に供給し、これとライン69の入力電圧検出信号とを乗算している点で図14と相違し、この他は図14と実質的に同一に構成されている。なお、図16の回路は、乗算器90からリミッタ92の上限値+Vsと下限値−Vsとを十分に越える振幅の出力V90が得られるものとして示されている。もし、乗算器90の出力V90の振幅が十分に大きくない時には、乗算器90とリミッタ92との間に増幅器を接続する。
【0061】
図17は図16の各部の状態を概略的に示す。図17(A)に示すように起動スイッチ94がtoでオンになると、リミット付き積分器95の出力は図17(B)に示すようにto〜t2区間で傾斜を有して増大し、t2以後は一定レベルの出力を発生する。乗算器90においては図17(C)に示すライン69の正弦波信号V69に図17(B)の積分器95の出力が乗算され、図17(C)に示す乗算器出力V90が得られる。to〜t1は正弦波信号V69の正の半サイクルに属しているが、乗算器出力V90はリミッタ92の上限値+Vsよりも低い値になる。この結果、図15のto〜t1区間と同様に図1の第1及び第2のスイッチQ1、Q2と第5及び第6のスイッチQ5、Q6の一方又は両方が高周波即ち第2の周波数でオン・オフ動作する。図17ではt1〜t2期間においても乗算器出力V90の絶対値がリミッタ92の上限値+vs及び下限値−Vsの絶対値以下であるので、第1及び第2のスイッチQ1、Q2と第5及び第6のスイッチQ5、Q6との一方又は両方も高周波でオン・オフする。この結果、図16のバイアス電圧発生器46aによっても図14のバイアス電圧発生器46と同一の効果が得られる。
【0062】
【第3の実施形態】
次に、図18を参照して第3の実施形態の電圧変換装置を説明する。但し、図18において図2と実質的に同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。また、第3の実施形態においても必要に応じて図1〜図11を参照する。
第3の実施形態の電圧変換装置は、図1の制御回路2を図18に示す制御回路2aに変形し、この他は図1と同一に構成したものである。図18の制御回路2aは、図2の制御回路2の第1、第2及び第3の演算回路47,48,49を変形した第1、第2及び第3の演算回路47a,48a,49aを設け、この他は図2と同一に形成したものである。
図18の第1の演算回路47aは、第1及び第2の指令値発生手段44,45に接続され、次式の演算を行い、差信号△Vを出力する。
△V=Vri−Vrc
第2の演算回路48aは第1の演算回路47aと方形波発生器46とに接続され、次の演算を行う。
もし△V>0なら
Vr1=Vs−△V
Vr3=Vs
もし△V=0なら
Vr1=Vs
Vr3=Vs
もし△V<0なら
Vr1=Vs
Vr3=Vs+△V
第3の演算回路49aは第1の指令値発生手段44と第2の演算回路48aとに接続され、次の演算を行う。
Vr2=Vrc−Vr1
図18の第1、第2及び第3のモードで第2及び第3の演算回路48a,49aから得られるVr1,Vr2,Vr3は、図2で同一符号で示すものと同一である。従って、第3の実施形態によっても、第1の実施形態と同一の効果を得ることができる。
【0063】
【第4の実施形態】
次に、図19を参照して第4の実施形態の電圧変換装置の制御回路2bを説明する。但し、図19において図2と実質的に同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。図19の制御回路2bは、図2の制御回路2の第1、第2及び第3の演算回路47,48,49を変形した第1及び第2の演算回路47b,48bと選択回路49bとを設け、更に、2つの加算器71、73と1つの減算器72と、第3のリミッタ74を設け、この他は図2と同一に形成したものである。
図19の第1の演算回路47bは、第1及び第2の指令値発生手段44,45に接続され、Vrc−Vriの減算を行い、差信号△V1を出力する。
第2の演算回路48bは、第1及び第2の指令値発生手段44,45に接続され、Vri−Vrcの減算を行い、差信号△V2を出力する。
選択回路49bは、第1及び第2の指令値発生手段44,45と第1の演算回路47bとに接続され、第1の演算回路47bの出力△V1に基づいて次の演算を行う。
もし△V1=0ならVrcを選択する。
もし△V1>0ならVrcを選択する。
もし△V1<0ならVriを選択する。
加算器71は、第1の演算回路47bとバイアス電圧発生器46とに接続され、これらの出力を加算する。従って,図19の第1の演算回路47bと加算器71との組み合せは図2の第1の演算回路47と等価である。
減算器72は、選択回路49bとバイアス電圧発生器46とに接続され、方形波電圧Vsから選択回路49bの出力を減算し、図2の第3の演算回路49の出力と実質的に同じ信号を出力する。従って,図14の選択回路49bと減算器72との組み合せは図2の第3の演算回路49と等価である。
加算器73は、第2の演算回路48bとバイアス電圧発生器46とに接続され、これらの出力を加算する。従って,図19の第2の演算回路48bと加算器72との組み合せは図2の第2の演算回路48と等価であり、Vri―Vrc+Vsを出力する。
第3のリミッタ74は減算器72と第2のコンパレータ54との間に接続され、減算器72の出力を最大リミッタ値+Vと最小リミッタ値―Vとの間に制限する。
第1、第2及び第3のモードにおいて、図19の第1、第2及び第3のリミッタ50,51,74から得られるVr1,Vr2,Vr3は、図2で同一符号で示すものと同一である。従って、第4の実施形態によっても、第1の実施形態と同一の効果を得ることができる。
【0064】
【第5の実施形態】
次に、図20を参照して第5の実施形態の電圧変換装置の制御回路2cを説明する。但し、図20において図2及び図14と実質的に同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図20の制御回路2cは、図19の制御回路2bの第2の演算回路48bを省き、図14の加算器73を減算器73´に変形し、この他は図14と同一に形成したものである。
図20の減算器73´は、第1の演算回路47bとバイアス電圧発生器46とに接続され、方形波バイアス電圧Vsから第1の演算回路47bの出力を減算し、Vs―(Vrc―Vri)=Vs―Vrc+Vriを出力する。従って,図20の減算器73´から図19の加算器73と同じ出力を得ることができる。
第1、第2及び第3のモードにおいて、図20の第1、第2及び第3のリミッタ50,51,74から得られるVr1,Vr2,Vr3は、図2及び図19で同一符号で示すものと同一である。従って、第5の実施形態によっても、第1及び第4の実施形態と同一の効果を得ることができる。
【0065】
【第6の実施形態】
図21に示す第6の実施形態の制御回路2dは、図2の制御回路2の第1、第2及び第3のNOT回路56,57,58の代りに、第4、第5及び第6のコンパレータ56’、57’、58’を設け、この他は図2と同一に形成したものである。第4、第5及び第6のコンパレータ56’、57’、58’の負入力端子は、第1のリミッタ50と、第3の演算回路49と、第2のリミッタ51とにそれぞれ接続され、Vr1,Vr2,Vr3の供給を受ける。第4、第5及び第6のコンパレータ56’、57’、58’の正入力端子は三角波発生器52に接続されている。第4、第5及び第5のコンパレータ56’、57’、58’は、第1、第2及び第3のコンパレータ53,54,55から出力される第1、第3及び第5の制御信号VQ1,VQ3,VQ5に対して逆位相の第2、第4及び第6の制御信号VQ2,VQ4,VQ6を形成してライン13,15,17に送出する。この図21の制御回路2dによっても図2の制御回路2と同一の効果を得ることができる。
なお、図18,図19及び図20の第1、第2及び第3のNOT回路56,57,58を図21の第4、第5及び第6のコンパレータ56’、57’58’と同様なものに置き換えることができる。
【0066】
【変形例】
本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、例えば次の変形が可能なものである。
(1) 制御回路2、2a、2bを、第1のモード即ち非変換モードと第2のモード即ち降圧モードとの2つのみ、又は第1のモード即ち非変換モードと第3のモード即ち昇圧モードとの2つのみ、又は第2のモード即ち降圧モードと第3のモード即ち昇圧モードとの2つのみで動作させることができる。
(2) 制御回路2、2a、2bの多くの部分をディジタル回路で構成することことができる。
(3) 第1及び第2のスイッチQ1 、Q2 のオン期間の相互間、第3及び第4のスイッチQ3 、Q4 のオン期間の相互間、第5及び第6のスイッチQ5 、Q6 のオン期間の相互間に周知のデッドタイム(休止期間)を設けて各スイッチのストレージによって対のスイッチが同時にオンになることを防止し、対の直流ライン間の短絡を防止してもよい。
(4) 第1、第2及び第3のインダクタL1,L2,L3の全て、又はL1とL3のみ、又はL2とL3のみを設けることができる。
(5) 図18〜図21のバイアス電圧発生器46を図16のバイアス電圧発生器46aに置き変えることができる。
(6) バイアス電圧発生器46、46aのリミッタ92´及び第1、第2及び第3のリミッタ50、51、74の上側制限電圧を200Vよりも高くし、下側制限電圧を−200Vよりも低くすることができる。
(7) バイアス電圧発器46,46aの最大バイアス値+Vs及び最小バイアス値−Vsの絶対値を第1及び第2のリミッタ50、51の最大リミッタ値+VL及び最小リミッタ値−VLの絶対値よりも少し高く設定することができる。
(8) 変換回路1に対して同一回路構成のものを並列的に接続して多相の電圧変換装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の電圧変換装置を示す回路図である。
【図2】図1の制御回路を示す回路図である。
【図3】図1の電圧変換装置を非変換モードで動作させた時の電源電圧と第1〜第6のスイッチの制御信号とを示す波形図である。
【図4】図1の電圧変換装置を降圧モードで動作させた時の電源電圧と第1〜第6のスイッチの制御信号とを示す波形図である。
【図5】図1の電圧変換装置を昇圧モードで動作させた時の電源電圧と第1〜第6のスイッチの制御信号とを示す波形図である。
【図6】図2の方形波発生器の入力及び出力を示す波形図である。
【図7】非変換モード時の図2の第1、第2及び第3のコンパレータの入力を示す波形図である。
【図8】降圧モード時の図2の第1、第2及び第3のコンパレータの入力を示す波形図である。
【図9】昇圧モード時の図2の第1、第2及び第3のコンパレータの入力を示す波形図である。
【図10】非変換モード時の三角波電圧と各コンパレータの入力との関係を詳しく示す波形図である。
【図11】降圧モード時の三角波電圧と各コンパレータの入力との関係を詳しく示す波形図である。
【図12】昇圧モード時の三角波電圧と各コンパレータの入力との関係を詳しく示す波形図である。
【図13】図1の第1〜第6のスイッチに対するドライブ回路の接続及びドライブ電源回路を詳しく示す回路図である。
【図14】図2のバイアス電圧発生器を詳しく示す回路図である。
【図15】図14の各部の状態を示す波形図である。
【図16】第2の実施形態のバイアス電圧発生器を示す回路図である。
【図17】図16の各部の状態を示す波形図である。
【図18】第3の実施形態の制御回路を示す回路図である。
【図19】第4の実施形態の制御回路を示す回路図である。
【図20】第5の実施形態の制御回路を示す回路図である。
【図21】第6の実施形態の制御回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1 変換回路
2,2a、2b、2c、2d 制御回路
3 電源
44 第1の指令値発生手段
45 第2の指令値発生手段
46 バイアス電圧発生器
47、48、49 第1、第2及び第3の演算回路
50、51 第1及び第2のリミッタ
52 三角波発生器
53、54、55 第1、第2及び第3のコンパレータ
56、57、58 第1、第2及び第3のNOT回路
Q1 〜Q6  第1〜第6のスイッチ
C コンデンサ
L1 、L2  第1及び第2のインダクタ

Claims (15)

  1. 交流電源(3)から供給された第1の周期を有する正弦波交流入力電圧(Vin)を異なるレベルの交流出力電圧(V0)に変換する機能を有し、前記交流出力電圧(V0)を負荷(11)に供給する電力変換装置であって、
    前記交流電源(3)の一端を接続するための交流入力端子(4)と、
    前記負荷(11)の一端を接続するための交流出力端子(6)と、
    前記交流電源(3)の他端及び前記負荷(11)の他端を接続するための共通端子(5)と、
    制御可能な第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)が直列に接続された第1の直列回路と、
    制御可能な第3及び第4のスイッチ(Q3,Q4)が直列に接続された回路であり且つ前記第1の直列回路に対して並列に接続された第2の直列回路と、
    制御可能な第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)が直列に接続された回路であり且つ前記第1及び第2の直列回路に対して並列に接続された第3の直列回路と、
    前記第1、第2及び第3の直列回路に対して並列に接続されたコンデンサ(C)と、
    インダクタンス手段と、
    前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1,Q2、Q3,Q4Q5,Q6)を制御するための制御手段(2)と、
    前記制御手段(2)と前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチとの間に接続された第1、第2、第3、第4、第5及び第6のドライブ回路(81、82、83、84、85、86)と、
    前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のドライブ回路に電力を供給する電源手段と、
    から成り、
    前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)の相互接続点(8)が前記交流入力端子(4)に接続され、
    前記第3及び第4のスイッチ(Q3,Q4)の相互接続点(9)が前記共通端子(5)に接続され、
    前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)の相互接続点(10)が前記交流出力端子(6)に接続され、
    前記インダクタンス手段は、前記交流入力端子(4)と前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)の相互接続点(8)との間に接続された第1のインダクタ(L1)と前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)の相互接続点(10)と前記交流出力端子(6)との間に接続された第2のインダクタ(L2)と前記第3及び第4のスイッチ(Q3、Q4)の相互接続点(9)と前記共通端子(5)との間に接続された第3のインダクタ(L3)とからなる3つのインダクタから任意に選択された少なくとも2つから成り、
    前記制御手段(2)は、
    前記交流入力端子(4)又は前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)の相互接続点(8)と前記共通端子(5)との間の第1の電圧(Vin又はVconv)と前記交流出力端子(6)又は前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)の相互接続点(10)と前記共通端子(5)との間の第2の電圧(Vo又はVinv)とをほぼ等しくする第1のモードの時に、前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)と前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)とを前記第1の周期でオン・オフ制御し、且つ前記第3及び第4のスイッチ(Q3,Q4)を前記第1の周期よりも短い第2の周期でオン・オフ制御する第1の機能と、
    前記第2の電圧(Vo又はVinv)を前記第1の電圧(Vin又はVconv)よりも低くする第2のモードの時に、前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)を前記第1の周期でオン・オフ制御し、且つ前記第3及び第4のスイッチ(Q3,Q4)と前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)とを前記第2の周期でオン・オフ制御する第2の機能と、
    前記第2の電圧(Vo又はVinv)を前記第1の電圧(Vin又はVconv)よりも高くする第3のモードの時に、前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)と前記第3及び第4のスイッチ(Q3,Q4)とを前記第2の周期でオン・オフ制御し、且つ前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)を前記第1の周期でオン・オフ制御する第3の機能と
    からなるの3つの機能の内の少なくとも2つの機能を得るために、
    前記第1及び第2のスイッチ(Q1,Q2)の相互接続点(8)と前記共通端子(5)との間の第1の電圧(Vconv)を所望値にするための第1の指令値Vrcを前記交流入力電圧(Vin)に同期して発生する第1の指令値発生手段(44)と、
    前記第5及び第6のスイッチ(Q5,Q6)の相互接続点(10)と前記共通端子(5)との間の第2の電圧(Vinv)を所望値にするための第2の指令値Vriを前記交流入力電圧(Vin)に同期して発生する第2の指令値発生手段(45)と、
    前記交流入力電圧(Vin)と同一の前記第1の周期を有する方形波状のバイアス電圧Vsを発生するバイアス電圧発生器(46)と、
    前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)と前記
    バイアス電圧発生器(46)とに接続され、
    Vrc−Vri+Vsを示す第1の値(Vr1)と、
    Vri−Vrc+Vsを示す第2の値(Vr3)と、
    Vr3−Vri又はVs−Vrc又はVs−Vriを示す第3の値(Vr2)と、
    を出力する演算手段(47,48,49)と、
    前記演算手段(47,48,49)と前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6)とに接続され、前記演算手段(47,48,49)から得られた前記第1、第2及び第3の値(Vr1,Vr3,Vr2)に基づいて前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6)をオン・オフ制御するための第1、第2、第3、第4、第5及び第6の制御信号(VQ1,VQ2,VQ3,VQ4,VQ5,VQ6)を形成する制御信号形成手段(52,53,54,55,56,57,58又は52,53,54,55、56’、57’、58’)とを有し、
    前記電源手段は、直流電源(87)と、第1、第2及び第3の電源用コンデンサ(Ca、Cb、Cc)とから成り、
    前記直流電源(87)は前記第2、第4及び第6のドライブ回路に接続され、
    前記第1、第2及び第3の電源用コンデンサ(Ca、Cb、Cc)は前記第1、第3及び第5のドライブ回路(81、83、85)に接続され且つ前記第2、第4及び第6のスイッチ(Q2、Q4、Q6)を介して前記直流電源(87)に接続され、
    前記バイアス電圧発生器(46又は46a)は、前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1〜Q6)による電力変換動作の開始時点から所定時間後に最大バイアス電圧値(+Vs)と最小バイアス電圧値(−Vs)とを前記第1の周期で繰返して発生する機能と、前記開始時点後の前記所定期間において前記最大バイアス電圧値(+Vs)及び最小バイアス電圧値(−Vs)の絶対値よりも小さい絶対値を有する起動時バイアス電圧値を発生する機能とを有し、
    前記所定期間は前記第2の周期よりも長く且つ第1の周期よりも短く設定され、前記最大バイアス電圧値(+Vs)及び前記最小バイアス電圧値(−Vs)は、前記第1のモ−ドの時に前記第1及び第2の値(Vr1、Vr3)が前記第1、第2、第5及び第6のスイッチ(Q1、Q2、Q5、Q6)を前記第1の周期でオン・オフ制御する値になるように設定されていることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記バイアス電圧発生器(46)は、
    前記交流入力電圧(Vin)を検出する入力電圧検出手段(41、69)と、
    所定の係数(K)を発生する係数発生器(91)と、
    前記入力電圧検出手段(41、69)で検出した信号に前記係数を乗算する乗算手段(90)と、
    積分用電圧を供給する電圧源(93)と、
    前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1〜Q6)の起動指令に応答して前記積分用電圧を積分して前記所定期間に傾斜電圧を発生し、前記所定期間後に一定の電圧を発生するリミット付き積分器(95)と、
    前記リミット付き積分器(95)の出力(Vhigh)と反対の極性の信号(Vlow)を形成する手段(96)と、
    前記リミット付き積分器(95)の出力(Vhigh)を一方の側のリミッタ値とし、前記反対の極性の信号(Vlow)を他方の側のリミッタ値とし、前記乗算器(90)の出力(V90)を前記一方の側のリミッタ値と前記他方の側のリミッタ値との間に制限して前記バイアス電圧(Vs)を形成するリミッタ(92)と
    から成ることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記バイアス電圧発生器(46a)は、
    前記交流入力電圧(Vin)を検出する入力電圧検出手段(41、69)と、
    積分用電圧を供給する電圧源(93)と、
    前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ(Q1〜Q6)の起動指令に応答して前記積分用電圧を積分して前記所定期間に傾斜電圧を発生し、前記所定期間後に一定の電圧を発生するリミット付き積分器(95)と、
    前記入力電圧検出手段で検出した信号(V69)と前記リミット付き積分器(95)の出力とを乗算する乗算器(90)と、
    前記乗算器(90)の出力(V90)を、前記最大リミッタ値(+VL)又はこの近傍の値を有する上限値と前記最小リミッタ値(−VL)又はこの近傍の値を有する下限値との間に制限して前記バイアス電圧を形成するリミッタ(92)とから成ることを特徴とする請求項1記載の電力装置。
  4. 前記制御信号形成手段は、
    鋸波電圧又は三角波電圧から成る比較波(Vt)を前記交流入力電圧(Vin)の周期よりも短い周期で発生する比較波発生器(52)と、
    前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第1のスイッチ(Q1)とに接続され、前記第1の値(Vr1)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第1の制御信号(VQ1)を形成し、この第1の制御信号(VQ1)を前記第1のスイッチ(Q1)に供給するための第1のコンパレータ(53)と
    前記第1のコンパレータ(53)と前記第2のスイッチ(Q2)とに接続され、前記第1の制御信号(VQ1)と逆位相の第2の制御信号(VQ2)を形成し、この第2の制御信号(VQ2)を前記第2のスイッチ(Q2)に供給する第1のNOT回路(56)と、
    前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第3のスイッチ(Q3)とに接続され、前記第3の値(Vr2)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第3の制御信号(VQ3)を形成し、この第3の制御信号(VQ3)を前記第3のスイッチ(Q3)に供給するための第2のコンパレータ(54)と
    前記第2のコンパレータ(54)と前記第4のスイッチ(Q4)とに接続され、前記第3の制御信号(VQ3)と逆位相の第4の制御信号(VQ4)を形成し、この第4の制御信号(VQ4)を前記第4のスイッチ(Q4)に供給する第2のNOT回路(57)と、
    前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第5のスイッチ(Q5)とに接続され、前記第2の値(Vr3)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第5の制御信号(VQ5)を形成し、この第5の制御信号(VQ5)を前記第5のスイッチ(Q5)に供給するための第3のコンパレータ(55)と
    前記第3のコンパレータ(55)と前記第6のスイッチ(Q6)とに接続され、前記第5の制御信号(VQ5)と逆位相の第6の制御信号(VQ6)を形成し、この第6の制御信号(VQ6)を前記第6のスイッチ(Q6)に供給する第3のNOT回路(58)と
    から成る請求項1記載の電力変換装置。
  5. 前記制御信号形成手段は、
    鋸波電圧又は三角波電圧から成る比較波(Vt)を前記交流入力電圧(Vin)の周期よりも短い周期で発生する比較波発生器(52)と、
    前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第1のスイッチ(Q1)とに接続され、前記第1の値(Vr1)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第1の制御信号(VQ1)を形成し、この第1の制御信号(VQ1)を前記第1のスイッチ(Q1)に供給するための第1のコンパレータ(53)と
    前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第2のスイッチ(Q2)とに接続され、前記第1の値(Vr1)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第1の電圧レベルとなり、前記第1の値(Vr1)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第2の電圧レベルとなる第2の制御信号(VQ2)を形成し、この第2の制御信号(VQ2)を前記第2のスイッチ(Q2)に供給する第2のコンパレータ(56´)と、
    前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第3のスイッチ(Q3)とに接続され、前記第3の値(Vr2)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第3の制御信号(VQ3)を形成し、この第3の制御信号(VQ3)を前記第3のスイッチ(Q3)に供給するための第3のコンパレータ(54)と前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第4のスイッチ(Q4)とに接続され、前記第3の値(Vr2)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第1の電圧レベルとなり、前記第3の値(Vr2)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第2の電圧レベルとなる第4の制御信号(VQ4)を形成し、この第4の制御信号(VQ4)を前記第4のスイッチ(Q4)に供給する第4のコンパレータ(57´)と、
    前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第5のスイッチ(Q5)とに接続され、前記第2の値(Vr3)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第1の電圧レベルとなり、前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第2の電圧レベルとなる第5の制御信号(VQ5)を形成し、この第5の制御信号(VQ5)を前記第5のスイッチ(Q5)に供給するための第5のコンパレータ(55)と、
    前記演算手段(47,48,49)と前記比較波発生器(52)と前記第6のスイッチ(Q6)とに接続され、前記第2の値(Vr3)と前記比較波(Vt)とを比較して前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも低い時には第1の電圧レベルとなり、前記第2の値(Vr3)が前記比較波(Vt)よりも高い時には第2の電圧レベルとなる第6の制御信号(VQ6)を形成し、この第6の制御信号(VQ6)を前記第6のスイッチ(Q6)に供給する第6のコンパレ−タ(58´)とから成る請求項1記載の電力変換装置。
  6. 前記演算手段は、
    前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vrc−Vri+Vsを演算して前記第1の値(Vr1)を出力する第1の演算回路(47)と、
    前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vri−Vrc+Vsを演算して、前記第2の値(Vr3)を出力する第2の演算回路(48)と、
    前記第2の指令値発生手段(45)と前記第2の演算回路(48)とに接続され、Vr3−Vriを演算して前記第3の値(Vr2)を出力する第3の演算回路(49)と、
    から成ることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  7. 更に、前記第1の演算回路(47)に接続され,前記第1の演算回路(47)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された最大リミッタ値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された最小リミッタ値との間に制限する第1のリミッタ(50)と、
    前記第2の演算回路(48)に接続され,前記第2の演算回路(48)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された最大リミッタ値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された最小リミッタ値との間に制限する第2のリミッタ(51)と
    を有していることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  8. 前記演算手段は、
    前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)とに接続され、前記第2の指令値Vriから前記第1の指令値Vrcを減算して△V=Vri−Vrcを演算する第1の演算回路(47a)と、
    前記第1の演算回路(47a)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、
    もし、△V>0の時は、
    Vr1=Vs−△V
    Vr3=Vs
    もし、△V=0の時は、
    Vr1=Vs
    Vr3=Vs
    もし、△V<0の時は、
    Vr1=Vs
    Vr3=Vs+△V
    を出力する第2の演算回路(48a)と、
    前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の演算回路(48a)とに接続され、Vr2=Vr1−Vrcを演算する第3の演算回路(49a)と
    から成ることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  9. 前記演算手段は、
    前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)とに接続され、ΔV1=Vrc−Vriを演算する第1の演算回路(47b)と、
    前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)とに接続され、Vri−Vrcを演算する第2の演算回路(48b)と、
    前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)とに接続され、第1の演算回路(47b)から得られた前記ΔV1が0の時及び前記ΔV1が0より大きい時にVrcを出力し、前記ΔV1が0より小さい時にVriを出力する選択回路(49b)と、
    前記第1の演算回路(47b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs+(Vrc−Vri)から成る第1の値(Vr1)を出力する第1の加算器(71)と、
    前記第2の演算回路(48b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs+(Vri−Vrc)から成る第2の値(Vr3)を出力する第2の加算器(73)と、
    前記選択回路(49b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs−Vrc又はVs−Vriから成る第3の値(Vr2)を出力する減算器(72)と、
    を有していることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  10. 更に、前記第1の加算器(71)に接続され,前記第1の加算器(71)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第1のリミッタ(50)と、
    前記第2の加算器(73)に接続され、前記第2の加算器(73)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第2のリミッタ(51)と
    前記減算器(72)に接続され,前記減算器(72)の出力を、前記バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第3のリミッタ(74)と
    を有していることを特徴とする請求項9記載の電力変換装置。
  11. 前記演算手段は、
    前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)とに接続され、ΔV1=Vrc−Vriを演算する演算回路(47b)と、
    前記第1の指令値発生手段(44)と前記第2の指令値発生手段(45)と前記演算回路(47b)とに接続され、前記演算回路(47b)から得られた前記ΔV1が0の時及び前記ΔV1が0より大きい時にVrcを出力し、前記ΔV1が0より小さい時にVriを出力する選択回路(49b)と、
    前記演算回路(47b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs+(Vrc−Vri)から成る第1の値(Vr1)を出力する加算器(71)と、
    前記演算回路(47b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs−(Vrc−Vri)から成る第2の値(Vr3)を出力する第1の減算器(73´)と、
    前記選択回路(49b)と前記バイアス電圧発生器(46)とに接続され、Vs−Vrc又はVs−Vriから成る第3の値(Vr2)を出力する第2の減算器(72)と、
    を有していることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  12. 更に、前記加算器(71)に接続され,前記加算器(71)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第1のリミッタ(50)と、
    前記第1の減算器(73´)に接続され,前記第1の減算器(73’)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第2のリミッタ(51)と
    前記第2の減算器(72)に接続され,前記第2の減算器(72)の出力を、前記最大バイアス電圧値(+Vs)に設定された上限値と前記最小バイアス電圧値(−Vs)に設定された下限値の間に制限する第3のリミッタ(74)と
    を有していることを特徴とする請求項11記載の電力変換装置。
  13. 前記第1の指令値発生手段は、
    前記交流入力端子(4)と前記共通端子(5)との間の交流入力電圧(Vin)を検出し、交流入力電圧検出信号を出力する入力電圧検出回路(41)と、
    前記コンデンサ(C)の直流電圧を検出して直流電圧検出信号を出力する直流電圧検出回路(42)と、
    前記交流入力端子(4)を流れる電流を検出し、前記電流に比例した電圧値を有する電流検出信号を出力する電流検出器(23)と、
    基準直流電圧を発生する基準直流電圧源(59)と、
    前記基準直流電圧源(59)と前記直流電圧検出回路(42)とに接続され、前記基準直流電圧と前記直流電圧検出信号との差を示す信号を出力する第1の減算器(60)と、
    前記入力電圧検出回路(41)と前記第1の減算器(60)とに接続され、前記交流入力電圧検出信号に前記第1の減算器(60)の出力を乗算する乗算器(62)と、
    前記乗算器(62)と前記電流検出器(23)とに接続され、前記乗算器(62)の出力から前記電流検出信号を減算して前記第1の指令値(Vrc)を出力する第2の減算器(63)と、
    から成ることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  14. 前記第2の指令値発生手段は、
    基準出力電圧指令値を発生する基準出力電圧指令値発生器(66)と、
    前記交流出力端子(6)と前記共通端子(5)との間の出力電圧(V0)を検出し、出力電圧検出信号を出力する出力電圧検出回路(43)と、
    前記基準出力電圧指令値発生器(66)と前記出力電圧検出回路(43)とに接続され、前記基準出力電圧指令値と前記出力電圧検出信号との差に相当する信号を前記第2の指令値(Vri)として出力する第3の減算器(67)と
    から成ることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  15. 前記基準出力電圧指令値発生器(66)は、レベルの異なる複数の基準出力電圧指令値を選択的に発生することができるものであることを特徴とする請求項14記載の電力変換装置。
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