JP2004111921A - 電気化学キャパシタ用電解液およびそれを用いた電気化学キャパシタ - Google Patents

電気化学キャパシタ用電解液およびそれを用いた電気化学キャパシタ Download PDF

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小林 幸哉
Hideo Seike
清家 英雄
Yoshinori Takamukai
高向 芳典
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Abstract

【課題】耐電圧の低下、及びキャパシタの容量低下を抑制しうる電解液、およびそれを用いた電気化学キャパシタを提供することである。
【解決手段】一般式(1)で表される環状アミジニウム塩(B)からなる電気化学キャパシタ用電解液であって、一般式(2)で表される環状アミジニウム塩誘導体(A)の総量が(A)と(B)の合計量に対して10mol%以下であることを特徴とする電気化学キャパシタ用電解液を用いる。
【化1】
Figure 2004111921

【化2】
Figure 2004111921

【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気化学キャパシタ用電解液、およびそれを用いた電気化学キャパシタに関する。電気化学キャパシタには電気二重層コンデンサ、アルミ電解コンデンサ、シュードキャパシタ(レドックスキャパシタ)、イオンの電荷移動による充電/放電機構を有する電池を含む。さらに詳しくは、各種電子機器のメモリーバックアップ用、および大電流を必要とする電気自動車などの電力用として用いられる、耐電圧が高く、エネルギー密度が大きい電気化学キャパシタ、ならびにそれに用いる電解液に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解液を用いる電気化学キャパシタは、耐電圧を高くできるため、水系電解液を用いる電気化学キャパシタよりエネルギー密度を高くできるという利点がある。これらは、民生用電子機器のバックアップ電源として急速に普及している。特に近年注目を集めている、50F以上の静電容量を有する、電気自動車、ハイブリッド自動車および電力貯蔵などの電力系の用途の電気化学キャパシタには非水電解液を使用したものが適している。
【0003】
電気化学キャパシタ用の非水電解液として、プロピレンカーボネート溶媒に環状アミジニウム塩を溶解させたものが実用化されている。(例えば、特許文献1)
【0004】
【特許文献1】
WO95/15572号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような非水電解液を用いた電気化学キャパシタは、しばしばその耐電圧が不充分で、かつ容量が経時的に低下する問題点があった。本発明の目的は、耐電圧の低下及びキャパシタの容量低下を抑制しうる非水電解液、およびそれを用いた電気化学キャパシタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる事情に鑑み鋭意検討した結果、この原因は、電解液中に不純物、特に環状アミジニウム塩由来の一般式(2)で示される環状アミジニウム塩誘導体(A)が含まれているためであり、この物質を低減することにより、耐電圧の低下及びキャパシタの容量低下を抑制しうることを見いだし、本発明を完成するに至った。なお、このような不純物が電気化学キャパシタ、特に電気二重層コンデンサの性能に影響を与えることは今まで知られていなかった。
すなわち本発明は、一般式(1)で表される環状アミジニウム塩(B)からなる電気化学キャパシタ用電解液であって、一般式(2)で表される環状アミジニウム塩誘導体(A)の総量が(A)と(B)の合計量に対して10mol%以下であることを特徴とする電気化学キャパシタ用電解液、
【0007】
【化3】
Figure 2004111921
【0008】
[式中、Rは、水素原子、又は、水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Rは、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基若しくはエーテル結合を有する基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表し、同じであっても異なっていてもよい。Qは、炭素数1〜5の炭化水素基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基若しくはホルミル基を有していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はアルケニレン基を表す。Xは対アニオンを表す。R及びRの一部又はすべてが相互に結合して環を形成してもよい。]
【0009】
【化4】
Figure 2004111921
【0010】
[式中、Rは、水素原子、又は、水酸基で置換されてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Rは、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基若しくはエーテル結合を有する基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表し、同じであっても異なっていてもよい。Qは、炭素数1〜5の炭化水素基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基若しくはホルミル基を有していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はアルケニレン基を表す。Xは対アニオンを表し、ある場合とない場合があり、Xがある場合は;Yはカルボキシル基又は−OCOH基を表し、Xがない場合は;Yはカルボキシル基、カルボキシルアニオン基、−OCOH基又は−OCO 基を表し、Yのうち1個はカルボキシルアニオン基又は−OCO 基を表す。nは1〜20の整数を表す。R及びRの一部又はすべてが相互に結合して環を形成してもよい。];電解液で含浸された分極性電極を有する電気化学キャパシタであって、電解液として上記電気化学キャパシタ用電解液を用い、且つ、正極及び負極の少なくとも一方が炭素質物質を主成分とする分極性電極であることを特徴とする電気化学キャパシタ;並びに、電解液で含浸された分極性電極を有する電気二重層コンデンサであって、電解液として上記電気化学キャパシタ用電解液を用いてなることを特徴とする電気二重層コンデンサである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係わる電解液中の(A)の総量は(A)と(B)の合計量に対して10mol%以下である必要がある。10mol%を超える(A)が含まれている場合は、耐電圧が低下したり、キャパシタの容量低下を起こしたりする。電解液中の(A)の含有率は、好ましくは5mol%以下、さらに好ましくは1mol%以下、最も好ましくは0.1mol%以下である。(A)は電解液中に全く含まれていなくてもよく、すなわち(A)の含有量の下限は0mol%以上であればよい。
【0012】
本発明の電解液で使用される環状アミジニウム塩(B)は、通常第3級環状アミジンをジアルキル炭酸のような炭酸エステルで4級化し、得られた炭酸エステル塩を適当な酸アニオンに交換することによって得られる。この反応の過程で反応系内に炭酸ガスが混在するため、環状アミジニウム塩と炭酸ガスが反応し(A)が副生するため、(A)を不可避的に不純物として含む。従って、これらの環状アミジニウム塩を溶質として溶媒に溶解してなる電解液にも(A)が含まれることになる。
【0013】
本発明で規定される(A)の含有率の分析法としては、まず、試料電解液をH−NMR、13C−NMRで分析し、含有される(A)の種類を特定する。含有量が少ない場合には上記(A)を例えば分取クロマトグラフィーで単離して分析をする。H−NMRの測定条件は例えば以下の通りである。機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶媒:ジメチルスルホキシド。13C−NMRの測定条件は例えば以下の通りである。機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:ジメチルスルホキシド。ついで、高速液体クロマトグラフ(以下HPLCと略記)で、含有量を測定する。電解液を下記のHPLCの移動相溶媒を使用して重量で100倍に希釈し測定する。上記(A)を例えば分取クロマトグラフィーで単離し、検量線を作成し、これを用いて含有率を算出する。HPLC測定条件は例えば次の通りである。機器:型名(LC−10A)、メーカー(島津製作所)、カラム:CAPCELL PAC UG120C18(4.6mmφ×25cm)メーカー(資生堂)、移動相:リン酸の濃度10mmol/l、過塩素酸ナトリウムの濃度100mmol/lの水溶液、流速:0.8ml/min、検出器:UV(210nm)、注入量:20μl、カラム温度:40℃。
【0014】
本発明で使用される環状アミジニウム塩(B)は、上記一般式(1)で表される。(B)の対アニオンXには、無機アニオンおよび有機アニオンが含まれる。無機アニオンにはBO 3−、F、PF 、BF 、AsF 、SbF 、ClO 、AlF 、AlCl 、TaF 、NbF 、SiF 2−、CN、F(HF) (当該式中、nは1以上4以下の数値を表す)が含まれ、これらの中で、PF 、BF 、AsF 、SbF が好ましい。有機アニオンにはN(RfSO 、C(RfSO 、RfCOO、およびRfSO (Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)からなる群より選ばれたアニオンおよび下記酸から水素原子を除いたアニオンなどが含まれる。
【0015】
カルボン酸類
・炭素数2〜15の2〜4価のポリカルボン酸:脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロン酸、ヘキシルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルプロピルマロン酸、メチルブチルマロン酸、エチルプロピルマロン酸、ジプロピルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3−メチル−3−エチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、メチルコハク酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸など)、不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸など)]、芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など]、S含有ポリカルボン酸[チオジブロピオン酸など];
・炭素数2〜20のオキシカルボン酸:脂肪族オキシカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒石酸、ひまし油脂肪酸など];芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸など];
・炭素数1〜30のモノカルボン酸:脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウラリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデンカン酸など)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸など)];芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、トルイル酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ブチル安息香酸、イソブチル安息香酸、第2ブチル安息香酸、第3ブチル安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、イソプロポキシ安息香酸、ブトキシ安息香酸、イソブトキシ安息香酸、第2ブトキシ安息香酸、第3ブトキシ安息香酸、アミノ安息香酸、N−メチルアミノ安息香酸、N−エチルアミノ安息香酸、N−プロピルアミノ安息香酸、N−イソプロピルアミノ安息香酸、N−ブチルアミノ安息香酸、N−イソブチルアミノ安息香酸、N−第2ブチルアミノ安息香酸、N−第3ブチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジエチルアミノ安息香酸、ニトロ安息香酸、フロロ安息香酸など]
【0016】
フェノール類
・1価フェノール(フェノール類、ナフトール類を含む):フェノール、アルキル(炭素数1〜15)フェノール類(クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、n−もしくはイソプロピルフェノール、イソドデシルフェノールなど)、メトキシフェノール類(オイゲノール、グアヤコールなど)、α−ナフトール、β−ナフトール、シクロヘキシルフェノールなど;
・多価フェノール:カテコール、レゾルシン、ピロガロール、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど。
【0017】
炭素数1〜15であるアルキル基のモノおよびジアルキルリン酸エステル
モノおよびジメチルリン酸エステル、モノおよびジイソプロピルリン酸エステル、モノおよびジブチルリン酸エステル、モノおよびジ−(2−エチルヘキシル)リン酸エステル、モノおよびジイソデシルリン酸エステルなど。
【0018】
スルホン酸
アルキル(炭素数1〜15)ベンゼンスルホン酸(p−トルエンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸など)、スルホサリチル酸、メタンスルホン酸、三フッ化メタンスルホン酸など。
【0019】
トリアゾール、テトラゾール骨格を有する化合物
1−H−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸、3−メルカプト−5−メチル−1,2,4−トリアゾール、1,2,3,4−テトラゾールなど
【0020】
ホウ素含有化合物
ボロジシュウ酸、ボロジグリコール酸、ボロジ(2−ヒドロキシイソ酪酸)
・アルカンホウ酸、アリールホウ酸
メタンホウ酸、エタンホウ酸、フェニルホウ酸など
・下記式で表されるアニオン
[(Rf)BF4−n− (当該式中、nは1〜4の整数を表す。Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表す)
トリフルオロメチルトリフルオロボレート、ビス(トリフルオロメチル)ジフルオロボレート、トリス(トリフルオロメチル)フルオロボレート、テトラキス(トリフルオロメチル)ボレート、ペンタフルオロエチルトリフルオロボレート、ビス(ペンタフルオロエチル)ジフルオロボレート、トリス(ペンタフルオロエチル)フルオロボレート、テトラキス(ペンタフルオロエチル)ボレートなど。
・一般式(5)で表されるアニオン
【0021】
【化5】
Figure 2004111921
【0022】
[式中、Rは、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、クロル基、フルオロ基、ホルミル基もしくはエーテル結合を有する基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子かフッ素原子であり、同じであっても異なっていてもよい。Rの一部またはすべてが相互に結合して環を形成してもよい。]
・一般式(6)で表されるアニオン
【0023】
【化6】
Figure 2004111921
【0024】
[式中、Rは、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、クロル基、フルオロ基、ホルミル基もしくはエーテル結合を有する基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子かフッ素原子であり、同じであっても異なっていてもよい。Rの一部またはすべてが相互に結合して環を形成してもよい。]
【0025】
これらの中で、N(RfSO 、C(RfSO − 、RfSO (Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)からなる群より選ばれたアニオン、およびマレイン酸、フタル酸、サリチル酸から水素原子を除いたアニオンが好ましい。
【0026】
環状アミジニウム塩(B)を表す一般式(1)において、Rは、水素原子、又は、水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。好ましくは、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基であり、更に好ましくは、水素原子、炭素数1〜3の炭化水素基である。
環状アミジニウム塩(B)を表す一般式(1)において、Rは、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基若しくはエーテル結合を有する基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表し、2個のRは、同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、炭素数1〜5の炭化水素基であり、より好ましくは、炭素数1〜3の炭化水素基である。R及びRの一部又はすべてが相互に結合して環を形成してもよい。
【0027】
環状アミジニウム塩(B)を表す一般式(1)及び環状アミジニウム塩誘導体(A)を表す一般式(2)において、Qは、炭素数1〜5の炭化水素基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基若しくはホルミル基を有していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はアルケニレン基を表す。好ましくは、環状アミジニウム塩(B)のカチオンが5員環又は6員環を形成するようなQである。例えば、Q−がCH=CH−基である場合、環状アミジニウム塩(B)のカチオンは、イミダゾリウム系カチオンである。
【0028】
本発明で使用される環状アミジニウム塩(B)のカチオンには、例えば以下のものが含まれる。
【0029】
・テトラヒドロピリミジニウム系カチオン
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3,5−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−2,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−3,4−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−3,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−3,6−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−エチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−エチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、5−エチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−2,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−2,3,5−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1−エチル−2,3,6−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−エチル−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−エチル−1,3,5−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−エチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−エチル−1,3,5−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−エチル−1,3,6−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、5−エチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、5−エチル−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2−ジエチル−3,4−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2−ジエチル−3,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2−ジエチル−3,6−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3−ジエチル−2,4−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3−ジエチル−2,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,4−ジエチル−2,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,4−ジエチル−3,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,4−ジエチル−3,6−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,5−ジエチル−2,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,5−ジエチル−3,4−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,5−ジエチル−3,6−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2,4−ジエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2,5−ジエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4,5−ジエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4,6−ジエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4,5−ペンタメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4,6−ペンタメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]−5−ウンデセニウム、5−エチル−1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]−5−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム、5−エチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウムなど。
【0030】
・イミダゾリニウム系カチオン
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3,5−ペンタメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3,5−ジメチルイミダゾリニウム、4−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリニウム、1,4−ジエチル−3−メチルイミダゾリニウム、1,5−ジエチル−3−メチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチル−4−メチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3,5−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3,4,5−トリメチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、4−エチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2−ジエチル−3,4−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチル−2,4−ジメチルイミダゾリニウム、1,4−ジエチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、2,4−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4,5−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、3,4−ジエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチル−4−メチルイミダゾリニウム、1,2,4−トリエチル−3−メチルイミダゾリニウム、1,2,5−トリエチル−3−メチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリエチル−2−メチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリエチル−5−メチルイミダゾリニウム、1,4,5−トリエチル−3−メチルイミダゾリニウム、2,3,4−トリエチル−1−メチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(2’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(3’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(4’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウム、1,1−ジメチルイミダゾリニウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリニウムなど
【0031】
・イミダゾリウム系カチオン
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,5−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、4−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,4−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,5−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−4−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,3,4−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3,5−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,4,5−トリメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、4−エチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2−ジエチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチル−2,4−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジエチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジエチル−2,5−ジメチルイミダゾリウム、2,4−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、4,5−ジエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、3,4−ジエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2,3,4−トリエチル−1−メチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチル−4−メチルイミダゾリウム、1,2,4−トリエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,5−トリエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3,4−トリエチル−2−メチルイミダゾリウム、1,3,4−トリエチル−5−メチルイミダゾリウム、1,4,5−トリエチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(2’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(3’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(4’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリウム、1,1−ジメチルイミダゾリウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムなど。
【0032】
(B)の具体例としては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート、1,3−ジメチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロリン酸塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロリン酸塩、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロリン酸塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・モノマレイン酸塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・モノフタル酸塩、1,3−ジメチルイミダゾリウム・モノマレイン酸塩、1,3−ジメチルイミダゾリウム・モノフタル酸塩などが含まれる。
【0033】
本発明の電解液で使用される溶媒としては公知のものが使用され、電解質の溶解性と電気化学的安定性から通常選択される。なかでも非水溶媒が好ましい。具体例としては以下のものが含まれる。これらのうち2種以上を併用することも可能である。
【0034】
・エーテル類:鎖状エーテル[炭素数2〜6(ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど);炭素数7〜12(ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなど)]、環状エーテル[炭素数2〜4(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンなど);炭素数5〜18(4−ブチルジオキソラン、クラウンエーテルなど)]。
・アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチルピロリドンなど。
・カルボン酸エステル類:酢酸メチル、プロピオン酸メチルなど。
・ラクトン類:γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
・ニトリル類:アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、アクリロニトリルなど。
・カーボネート類:エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
・スルホキシド類:ジメチルスルホキシド、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど。
・ニトロ化合物:ニトロメタン、ニトロエタンなど。
・複素環式溶媒:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノンなど。
【0035】
これらのうち好ましいのは、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、スルホラン、3−メチルスルホラン、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびジエチルカーボネートからなる群より選ばれた少なくとも1種を主成分とする溶媒である。ここで「主成分とする」とは、溶媒のうち、50重量%以上、好ましくは70重量%以上を前掲の化合物が占めることをいう。
より好ましくはカーボネート類およびスルホキシド類であり、特に好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、スルホランである。
【0036】
電解液中に占める(B)の濃度は、電解液の電気伝導度、内部抵抗の観点から0.1モル/リットル以上が好ましく、0.5モル/リットル以上がさらに好ましく、低温時の塩析出の観点から5モル/リットル以下が好ましく、4モル/リットル以下がさらに好ましい。
【0037】
本発明で規定される(A)としては、(B)のカチオンとして例示した上記のアミジン化合物に、Yなる置換基(カルボキシル基、カルボキシルアニオン基、−OCOH基または−OCO 基)が付加した化合物であって、対アニオンXがある場合とない場合がある。対アニオンXには、上記で挙げた(B)の対アニオンXと同じものが含まれる。Xがある場合はYはカルボキシル基または−OCOH基であり、Xがない場合はYはカルボキシル基、カルボキシルアニオン基、−OCOH基または−OCO 基であって、Yのうち1個はカルボキシルアニオン基、または−OCO 基である。Yが置換する位置は、例えばアミジニウム環がイミダゾリウム環である場合、4位の炭素、5位の炭素等である。
【0038】
環状アミジニウム塩誘導体(A)を表す一般式(2)において、Rには、Rと同じものが含まれ、Rには、Rと同じものが含まれる。また、一般式(2)において、nは1〜20の整数を表すが、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、更に好ましくは1又は2である。
【0039】
(A)の具体例には以下のものが含まれる。
・対イオンがない場合
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−カルボキシルアニオンベタイン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−カルボキシルアニオンベタイン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−カルボキシルアニオンベタイン−5−カルボン酸、および1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−カルボキシルアニオンベタイン−4−カルボン酸などが含まれ、上記化合物のカルボキシル基、またはカルボキシルアニオン基をそれぞれ−OCOH基または−OCO 基に置き換えた化合物が含まれる。
・対イオンがある場合
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−カルボキシル−テトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−カルボキシル−テトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4,5−ジカルボキシル−テトラフルオロボレートが含まれ、上記化合物のカルボキシル基を−OCOHに置き換えた化合物が含まれる。
さらに上記テトラフルオロボレートのBF を、上記で挙げた(B)の対アニオンXに置き換えた化合物が含まれる。
その他(B)で例示したカチオンまたはその塩(対アニオンXには、上記で挙げた(B)の対アニオンXと同じものが含まれる。)に同様にカルボキシル基、カルボキシルアニオン基、−OCOH基または−OCO 基が付加した化合物が例として含まれる。
【0040】
(A)の含有量を本発明のような微量に低減する方法としては、(B)の製造時に(A)の副生を抑制する方法と、製造後に除去する方法がある。
製造時に(A)の副生を抑制する方法としては、反応時に系中の炭酸ガスの濃度を低減する方法が挙げられる。(B)は、通常第3級アミジン塩をメタノール等のプロトン性極性溶媒中でジメチル炭酸等のジアルキル炭酸と100〜180℃の温度で加圧条件下で反応させることによって得られる。このような条件下では系中に存在する水分とジアルキル炭酸との反応や、反応で得られた環状アミジニウム塩のモノアルキル炭酸塩の分解によって炭酸ガスが副生し、この炭酸ガスが環状アミジニウム塩と反応して(A)を副生する。従ってこの炭酸ガスと環状アミジニウム塩との反応機会を低下させることで(A)の副生を抑制することができる。具体的にはメタノール等の溶媒を増量して反応系中の炭酸ガス濃度を低減する方法、反応系中の炭酸ガスを系外に除去しながら反応を行う方法等が挙げられる。反応系中の炭酸ガスを系外に除去する方法としては、反応中に発生するガスによって上昇する圧力を、バルブの調整で抜くことで行われ、通常冷却コンデンサを経由してメタノール等の溶媒は凝縮させて槽に戻すことで、炭酸ガス等のガスだけを除去することができる。
また、製造後に(A)を除去する方法としては、例えば、シリカゲル、活性炭、活性アルミナ、特殊なモレキュラーシーブ等の吸着剤で吸着処理する方法、再結晶によって取り除く方法、溶剤によって抽出する方法がある。吸着処理する方法、再結晶する方法、抽出する方法はそれぞれ単独で行っても良いし、組み合わせて行っても良い。
【0041】
電解液中の含水量は電気化学的安定性の観点から300ppm以下が好ましく、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。
【0042】
本発明に係わる電気化学キャパシタは、電解液として、上述の本願発明に係わる電解液を使用したものである。該電気化学キャパシタは、電極、集電体、セパレーターを備えるとともに、キャパシタに通常用いられるケース、ガスケットなどを任意に備える。上記電解液は、電極及びセパレーターに含浸される。電気化学キャパシタのうち、電極に分極性電極、例えば活性炭等を使用するものが、電気二重層コンデンサである。アルミ電解コンデンサは電極となるアルミ箔の表面に電気化学処理で酸化膜をつくってこれを誘電体とし、もう一方の電極となるアルミ箔との間に電解液を含浸させた電解紙を挟んだ構造のものである。
【0043】
分極性電極の主成分は、電解液に対して電気化学的に不活性で、かつ、適度な電気伝導度を有することから炭素質物質が好ましく、上記のように、正極と負極の少なくとも一方は炭素質物質である。電荷が蓄積する電極界面が大きい点から、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が10m/g以上の多孔性炭素物質がさらに好ましい。多孔性炭素物質の比表面積は、目的とする単位面積あたりの静電容量(F/m)と、高比表面積化に伴う嵩密度の低下を勘案して選択されるが、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が30〜2,500m/gのものが好ましく、体積あたりの静電容量が大きいことから、比表面積が300〜2,300m/gの活性炭が特に好ましい。
【0044】
活性炭の原料としては、木材、のこくず、やしがら、パルプ廃液などの植物系物質;石炭、石油重質油、またはそれらを熱分解して得られる石炭系及び石油系ピッチ、石油コークス、カーボンアエロゲル、タールピッチなどの化石燃料系物質;フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、プラスチック廃棄物などの合成高分子系物質;廃タイヤなど、各種のものが用いられる。これらの原料を炭化後、ガス賦活法または薬品賦活法によって賦活する。ガス賦活法は物理的な活性化ともいわれ、炭化された原料を高温で水蒸気、炭酸ガス、酸素、その他の酸化ガスなどと接触反応させて、活性炭を得る方法である。薬品賦活法は、原料に賦活薬品を均等に含浸させて、不活性雰囲気中で加熱し、薬品の脱水及び酸化反応により活性炭を得る方法である。使用される薬品としては、塩化亜鉛、リン酸、リン酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫化カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カルシウムなどがあげられる。本発明に用いる活性炭の製法としては、上記のいずれを用いてもよい。
【0045】
これらの活性炭のうち、ガス賦活法において、やしがら、石炭、またはフェノール樹脂を炭化したものを原料として得られる活性炭は、比較的高い静電容量を示し、かつ工業的に大量生産が可能であり、安価であるため、本発明に好適である。また、薬品賦活法では、水酸化カリウムを用いる薬品賦活で得られる活性炭は、水蒸気賦活と比べて、製造コストは高いものの、静電容量が大きい傾向があることから好ましい。賦活処理後の活性炭を、窒素、アルゴン、ヘリウム、キセノン、などの不活性雰囲気下で、通常500〜2,500℃、好ましくは700〜1,500℃で熱処理することによって、表面の不要な官能基を除去し、炭素の結晶性を発達させて、電子伝導性を増加させてもよい。
【0046】
活性炭の形状は、破砕状、粒状、顆粒、繊維、フェルト、織物、シート状など各種の形状があるが、いずれも本発明に使用することができる。粒状の炭素質物質の場合、電極の嵩密度が向上し、内部抵抗が低減することから、平均粒径は30μm以下が好ましい。
【0047】
上述の炭素質物質を主体として用いる分極性電極は、通常、該炭素質物質、導電剤及びバインダー物質から構成される。該電極は、従来より知られている方法によって成形することが可能である。たとえば、炭素質物質とアセチレンブラックとの混合物に、ポリテトラフルオロエチレンを添加し、混合した後プレス成形して得られる。また、炭素質物質とピッチ、タール、フェノール樹脂などのバインダー物質を混合して成形した後不活性雰囲気下で熱処理して焼結体が得られる。あるいは、導電剤やバインダーを用いず、炭素質物質のみを焼結して分極性電極とすることも可能である。電極の形状は、基材表面の薄い塗布膜、シート状または板状の成形体、及び複合物からなる板状成形体のいずれであってもよい。
【0048】
該電極に用いられる導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックのようなカーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維などの炭素系導電剤;酸化ルテニウム、酸化チタンなどの金属酸化物;ならびにアルミニウム、ニッケルなどの金属繊維が好ましく、1種または2種以上を用いることができる。少量で効果的に導電性が向上する点で、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックが特に好ましい。
【0049】
電極中の導電剤の配合量は、炭素質物質の種類と形状によっても異なり、たとえば、炭素質物質が活性炭の場合、活性炭に対する配合量は、活性炭の嵩密度によっても異なるが、電極に必要な静電容量を保持し、かつ内部抵抗を小さくするために、活性炭に対して5〜50重量%が好ましく、10〜30重量%が特に好ましい。
【0050】
バインダー物質としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、フェノール樹脂、石油ピッチ、及び石炭ピッチが好ましく、1種または2種以上を用いることができる。
【0051】
電極体中のバインダー物質の配合量は、炭素質物質の種類と形状によっても異なるが、例えば炭素質物質が活性炭の場合、活性炭に対して0.5〜30重量%が好ましく、2〜30重量%が特に好ましい。
【0052】
集電体は、電気化学的および化学的に耐腐食性のものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、正極集電体としてはステンレス、アルミニウム、チタン、タンタルなど;負極集電体としては、ステンレス、アルミニウム、ニッケルおよび銅などが好適に使用される。
【0053】
セパレーターは、厚さが薄く、電子絶縁性およびイオン通過性の高い材料が好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの不織布、またはビスコースレーヨンや天然セルロースの抄紙等が好適に使用される。
【0054】
本発明の電気化学キャパシタの態様としては、コイン型、捲回型、角形のものがあげられる。本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、いずれの電気二重層キャパシタまたはいずれのアルミ電解コンデンサにも適用できる。
【0055】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」を意味する。
【0056】
実施例1
1−エチルイミダゾール96部、ジメチル炭酸135部およびメタノール192部を冷却コンデンサ付きステンレス製オートクレーブに仕込み均一に溶解させた。ついで130℃まで昇温し反応を開始した。圧力約7kg/cmで60時間反応を行った。圧力は最初約4.5kg/cmであったが、炭酸ガスの発生で徐々に上昇したので、適宜冷却コンデンサの上部からガス抜きを行い、圧力を約7kg/cm以下に調節した。冷却後、反応液をNMR分析した結果、1−エチルイミダゾールが消失し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩がほぼ定量的に生成していることがわかった。得られた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩/メタノール/ジメチル炭酸溶液423部をフラスコに取り、攪拌下にホウフッ化水素酸水溶液209部(純分42重量%)を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い、炭酸ガスの泡が発生した。滴下終了後、泡の発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶媒を全量留去した。フラスコ内に無色透明の液体が198部残った。この液をH−NMR、13C−NMRおよびHPLC分析した結果、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下EMI・BFと略記する。)98mol%、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−カルボキシルアニオンベタイン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−カルボキシルアニオンベタイン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−カルボキシルアニオンベタイン−5−カルボン酸、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−カルボキシルアニオンベタイン−4−カルボン酸(以下、混合物(A−1)と略記する。)の総量が2mol%であった。HPLC分析の測定条件は上記に記載したとおりである。以下の実施例及び比較例についても同じである。得られた塩198gを全量プロピレンカーボネートに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0057】
実施例2
実施例1において、反応の圧力を4.5kg/cmになるようにガス抜きを行い反応を行った。その他の条件は実施例1と同じで行った。得られた塩をHPLC分析した結果、EMI・BF99mol%、混合物(A−1)の総量が1mol%であった。得られた塩198gを全量プロピレンカーボネートに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0058】
実施例3
実施例2で得られた塩198部に活性炭40部を仕込み室温で8時間攪拌した後、活性炭を緻密なろ紙5C(メーカー:アドバンテック、品番:5C)で全量濾別した。得られた塩をHPLC分析した結果、EMI・BF99.5mol%、混合物(A−1)の総量が0.5mol%であった。得られた塩198gを全量プロピレンカーボネートに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0059】
実施例4
実施例3で得られた塩198部に活性炭40部を再度仕込み室温で8時間攪拌した後、活性炭を緻密なろ紙5Cで全量濾別した。得られた塩のHPLC分析した結果、EMI・BF99.9mol%、混合物(A−1)の総量が0.1mol%であった。得られた塩198gを全量プロピレンカーボネートに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0060】
実施例5
実施例4で得られた塩198部に活性炭40部を再度仕込み室温で8時間攪拌した後、活性炭を緻密なろ紙5Cで全量濾別した。得られた塩をHPLC分析した結果、EMI・BF99.99mol%、混合物(A−1)の総量が0.01mol%であった。得られた塩198gを全量プロピレンカーボネートに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0061】
実施例6
実施例4で得られた塩198gをアセトニトリルに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0062】
実施例7
実施例4で得られた塩198gをスルホランに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0063】
実施例8
実施例1において、反応の温度を150℃で行った。その他の条件は実施例1と同じで行った。得られた塩をH−NMR、13C−NMRおよびHPLC分析した結果、EMI・BF98mol%、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−(OCO )−ベタイン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−(OCO )−ベタイン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−(OCO )−ベタイン−5−(OCOH)、および1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−(OCO )−ベタイン−4−(OCOH)(以下、混合物(A−2)と略記する。)の総量が2mol%であった。得られた塩198gを全量プロピレンカーボネートに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0064】
実施例9
実施例1において、反応の温度を140℃で行った。その他の条件は実施例1と同じで行った。得られた塩をH−NMR、13C−NMRおよびHPLC分析した結果、EMI・BF98mol%、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−カルボキシルアニオンベタイン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−カルボキシルアニオンベタイン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−カルボキシルアニオンベタイン−5−カルボン酸、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−カルボキシルアニオンベタイン−4−カルボン酸、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−(OCO )−ベタイン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−(OCO )−ベタイン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−4−(OCO )−ベタイン−5−(OCOH)、および1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−5−(OCO )−ベタイン−4−(OCOH)(以下、混合物(A−3)と略記する。)の総量が2mol%であった。得られた塩198gを全量プロピレンカーボネートに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0065】
実施例10
実施例1においてメタノールの仕込量を96部とし、その他の条件は実施例1と同じで行った。得られた塩をHPLC分析した結果、EMI・BF93mol%、混合物(A−1)の総量が7mol%であった。得られた塩198gを全量プロピレンカーボネートに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0066】
実施例11
実施例10で得られた塩198gをアセトニトリルに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0067】
実施例12
実施例10で得られた塩198gをスルホランに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0068】
比較例1
実施例1においてメタノールの仕込量を61部とし、その他の条件は実施例1と同じで行った。得られた塩をHPLC分析した結果、EMI・BF89mol%、混合物(A−1)の総量が11mol%であった。得られた塩198gを全量プロピレンカーボネートに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0069】
比較例2
比較例1で得られた塩198gをアセトニトリルに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0070】
比較例3
比較例1で得られた塩198gをスルホランに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0071】
比較例4
実施例1においてメタノールの仕込量を51部とし、その他の条件は実施例1と同じで行った。得られた塩をHPLC分析した結果、EMI・BF85mol%、混合物(A−1)の総量が15mol%であった。得られた塩198gを全量プロピレンカーボネートに溶解し全体を1リットルとし、電解液を調製した。
【0072】
実施例1〜12、比較例1〜4で使用した電解液におけるその他の不純物含量はすべて以下の水準であった。水分は10ppm以下、3級アミンおよび3級アミン塩は1mmol/kg以下、BF の加水分解物は100ppm以下、ケイフッ化水素酸およびケイフッ化水素塩は1ppm以下、硫酸および硫酸塩は1ppm以下、フッ化水素およびフッ化物塩は1ppm以下、グリコールは10ppm以下、クロルヒドリンは10ppm以下、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛のイオン含量はすべて0.1ppm以下。
また、実施例1〜12、比較例1〜4で使用した電解質の酸と塩基の比は酸/塩基=1.000であった。
【0073】
表1に示した、実施例1〜12、比較例1〜4の電解液を用いて、捲回形電気二重層コンデンサ(サイズ;φ18mm×L40mm,定格;2.3V)を作製し、この捲回形電気二重層コンデンサを使用して、電解液の耐電圧を自己放電特性を測定することで評価した。表1に自己放電後の残存電圧を示す。
次に、自己放電特性の測定方法を説明する。室温下2.5Vで24時間充電した上記で作成した捲回形電気二重層コンデンサを室温下で50時間放置し、その後、この捲回形電気二重層コンデンサの端子間電圧を測定した。この測定で得られた24時間後の端子間電圧を残存電圧とした。残存電圧が高いほど耐電圧が高く、低いほど耐電圧が低いことになる。
【0074】
容量保持率
前記捲回形電気二重コンデンサを用いて、70℃、2.5Vの高温負荷試験を行い、1000時間経過後の容量保持率を表1に示す。
容量保持率(%)=(1000時間後の容量)/(初期の容量)×100
次に、容量測定方法を説明する。室温下2.5Vで1時間充電した捲回形電気二重層コンデンサを、定電流負荷装置を用いて500mAで定電流放電を行い、捲回形電気二重層コンデンサの端子間電圧が1.5Vから1.0Vへ変化する間の時間より容量を算出した。容量算出の方法は、Q=i×t=C×Vの関係から、C=i×Δt/ΔVとなり、本測定においては、i=0.5(A),ΔV=1.5−1.0=0.5(V)とした。ここでQは放電電荷量(C),iは放電電流(A),tは放電時間(sec),Cは容量(F),Vは電圧(V)である。
【0075】
【表1】
Figure 2004111921
【0076】
PC:プロピレンカーボネート、
AN:アセトニトリル、
SL:スルホラン
【0077】
なお、上記本発明の実施例1〜12においては捲回形電気二重層コンデンサについて説明したが、コイン形や積層形など他の構造の電気二重層コンデンサの電解液に適用しても、本発明の実施例1〜12と同様の効果が得られるものである。
【0078】
【発明の効果】
本発明の電解液は不純物である環状アミジニウム塩誘導体(A)が少ないために、耐電圧および容量の保持率に優れている。上記効果を奏することから、該電解液を用いた電気化学キャパシタは各種電子機器のメモリーバックアップ用、各種電源のバックアップ電源、太陽電池との組み合わせで使用される蓄電素子等の2次電池を代替する蓄電装置としてや、大電流を必要とするモーター駆動用電源、電動工具等のパワーツール用電源、電気自動車用のパワー用電源として好適である。

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表される環状アミジニウム塩(B)からなる電気化学キャパシタ用電解液であって、一般式(2)で表される環状アミジニウム塩誘導体(A)の総量が(A)と(B)の合計量に対して10mol%以下であることを特徴とする電気化学キャパシタ用電解液。
    Figure 2004111921
    [式中、Rは、水素原子、又は、水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Rは、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基若しくはエーテル結合を有する基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表し、同じであっても異なっていてもよい。Qは、炭素数1〜5の炭化水素基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基若しくはホルミル基を有していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はアルケニレン基を表す。Xは対アニオンを表す。R及びRの一部又はすべてが相互に結合して環を形成してもよい。]
    Figure 2004111921
    [式中、Rは、水素原子、又は、水酸基で置換されてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Rは、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基若しくはエーテル結合を有する基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表し、同じであっても異なっていてもよい。Qは、炭素数1〜5の炭化水素基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基若しくはホルミル基を有していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はアルケニレン基を表す。Xは対アニオンを表し、ある場合とない場合があり、Xがある場合は;Yはカルボキシル基又は−OCOH基を表し、Xがない場合は;Yはカルボキシル基、カルボキシルアニオン基、−OCOH基又は−OCO 基を表し、Yのうち1個はカルボキシルアニオン基又は−OCO 基を表す。nは1〜20の整数を表す。R及びRの一部又はすべてが相互に結合して環を形成してもよい。]
  2. 前記環状アミジニウム塩(B)が溶媒に溶解されてなる請求項1記載の電気化学キャパシタ用電解液。
  3. Qが−CH=CH−基である請求項1又は2記載の電気化学キャパシタ用電解液。
  4. (A)又は(B)のアニオンXが、PF 、BF 、AsF 、SbF 、N(RfSO 、C(RfSO 及びRfSO (Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表す)からなる群より選ばれたイオンである請求項1〜3いずれか記載の電気化学キャパシタ用電解液。
  5. 溶媒が、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、スルホラン、3−メチルスルホラン、アセトニトリル、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群より選ばれた少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の電気化学キャパシタ用電解液。
  6. 電解液で含浸された分極性電極を有する電気化学キャパシタであって、電解液として請求項1〜5いずれか記載の電気化学キャパシタ用電解液を用い、且つ、正極及び負極の少なくとも一方が炭素質物質を主成分とする分極性電極であることを特徴とする電気化学キャパシタ。
  7. 炭素質物質が活性炭であることを特徴とする請求項6記載の電気化学キャパシタ。
  8. 電解液で含浸された分極性電極を有する電気二重層コンデンサであって、電解液として請求項1〜5いずれか記載の電気化学キャパシタ用電解液を用いてなることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
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