JP2004111768A - 絶縁ゲート型電界効果トランジスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】線形増幅特性を維持しつつ線形増幅時の電力付加効率を高める新規な絶縁ゲート型電界効果トランジスタを提供すること。
【解決手段】p型単結晶シリコン半導体基板 1、シリコン酸化膜 2 および単結晶シリコン半導体層 3 よりなる積層構造の基板を用いて、n型ソース領域 5、p型ボディコンタクト領域 6、p型チャネル領域 4、オフセット領域 7、n型ドレイン領域 8、ゲート絶縁膜 9 およびゲート電極 10 を構成要素とする絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、オフセット領域 7 の不純物濃度が1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下であることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果トランジスタを構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】p型単結晶シリコン半導体基板 1、シリコン酸化膜 2 および単結晶シリコン半導体層 3 よりなる積層構造の基板を用いて、n型ソース領域 5、p型ボディコンタクト領域 6、p型チャネル領域 4、オフセット領域 7、n型ドレイン領域 8、ゲート絶縁膜 9 およびゲート電極 10 を構成要素とする絶縁ゲート型電界効果トランジスタであって、オフセット領域 7 の不純物濃度が1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下であることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果トランジスタを構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタに関し、特に、高電圧・大電流・高周波で使用する絶縁ゲート型電界効果トランジスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献1】「論文“Radio−Frequency Performance of a State−of−the−Art 0.5−μm−Rule Thin Film SOI Power MOSFET,”IEEE Transactions on Electron Devices, vol. 48, No. 6, June, pp. 1251−1255, 2001. S. Matsumoto, Y. Hiraoka, and T. Sakai」
従来、上記非特許文献1に記載されているように、絶縁ゲート型電界効果トランジスタが知られている。
【0003】
そのような、従来技術による絶縁ゲート型電界効果トランジスタを図6に例示するとともにその構造を説明する。
【0004】
図6において、(a)は従来技術による絶縁ゲート型電界効果トランジスタの一例の平面図であり、(b)は(a)に示した電界効果トランジスタのC−C’断面図であり、(c)は(a)に示した電界効果トランジスタのD−D’断面図である。
【0005】
図6において、絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、単結晶シリコン半導体基板 101 上にシリコン酸化膜 102 を有し、さらにシリコン酸化膜 102 上に単結晶シリコン半導体層 103 を有する積層構造の基板を用いて製造され、p型のチャネル領域 104 を有し、前記チャネル領域 104 と接続するようにn型のソース領域 105 を有し、チャネル領域 104 に接続しかつソース領域 105 に連接するようにp型のボディコンタクト領域 106 を有し、チャネル領域 104 に接続し前記ソース領域 105 に対向するようにn型でソース領域 105 に比べて低不純物濃度のドレインオフセット領域 107 を有し、オフセット領域 107 (以下、単なる「オフセット」は「ドレインオフセット」を意味するものとする)に接続しオフセット領域 107 に比べ高不純物濃度のn型ドレイン領域 108 を有し、チャネル領域 104 の第1主面側にゲート絶縁膜 109 を有し、ゲート絶縁膜 109 を介してゲート電極 110 を有し、層間膜 111 を有し、ソース領域 105 とボディコンタクト領域 106 とに接続したソース電極 112 とドレイン領域 108 に接続したドレイン電極 113 とを有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図6に例示した、従来技術による絶縁ゲート型の電界効果トランジスタでは、飽和領域における電力付加効率を高くするため、オン抵抗の低減が図れるよう、ドレインオフセット領域 107 にできるだけ高濃度の不純物を添加していた。このため、チャネル・ドレイン接合付近の電界が十分には緩和されず、それがトランスコンダクタンスとドレインコンダクタンスの非線形性の原因となり、このような絶縁ゲート型の電界効果トランジスタを線形増幅特性が求められる用途(OFDMなど)に適用することが困難であった。
【0007】
本発明は前記の従来技術が持つ問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、上記の従来技術が持つ絶縁ゲート型電界効果トランジスタの線形増幅特性の問題を解決し、線形増幅特性を維持しつつ線形増幅時の電力付加効率を高める新規な絶縁ゲート型電界効果トランジスタを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項1に記載のように、
単結晶シリコン半導体基板の第1主面側に絶縁膜を有し、前記絶縁膜の第1主面側に単結晶シリコン半導体層を有する積層構造の基板を用いて形成される絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、前記単結晶シリコン半導体層に第1の導電型のチャネル領域を有し、前記チャネル領域と接続するように第2の導電型のソース領域を有し、前記チャネル領域に接続しかつ前記ソース領域に連接するように第1の導電型のボディコンタクト領域を有し、前記チャネル領域に接続し前記ソース領域に対向するように前記ソース領域と同一の導電型で前記ソース領域に比べて低不純物濃度のドレインオフセット領域を有し、前記ドレインオフセット領域に接続し前記ソース領域と同一の導電型を有し前記ドレインオフセット領域に比べて高不純物濃度のドレイン領域を有し、前記チャネル領域の第1主面側にゲート絶縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜を介してゲート電極を有し、前記ソース領域と前記ボディコンタクト領域とに接続したソース電極を有し、前記ドレイン領域に接続したドレイン電極を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタにおいて、前記ドレインオフセット領域の不純物濃度が1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下であることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果トランジスタを構成する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態においては、ドレインオフセット領域の不純物濃度を1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下とすることにより、チャネル・ドレイン接合付近の電界を低減してトランスコンダクタンスとドレインコンダクタンスの線形性を改善し、線形増幅特性を改善する。
【0010】
(実施の形態例)
以下、図1および図5を用いて本発明の実施の形態例を詳細に説明し、図2を用いて本実施の形態例における電界効果トランジスタの特性を説明し、図3および図4を用いて本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造方法を詳細に説明する。
【0011】
図1において、(a)は本発明の実施の形態例である絶縁ゲート型電界効果トランジスタの平面図であり、(b)は(a)に示した電界効果トランジスタのA−A’断面図であり、(c)は(a)に示した電界効果トランジスタのB−B’断面図である。
【0012】
図1において、p型の単結晶シリコン半導体基板1の第1主面側に絶縁膜として例えば厚さ 0.4 μmのシリコン酸化膜 2 を有し、シリコン酸化膜 2 の第1主面側に例えば厚さ 0.16 μmの単結晶シリコン半導体層 3 を有する積層構造の基板を用いて、絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成されている。
【0013】
その電界効果トランジスタは、単結晶シリコン半導体層 3 にp型のチャネル領域 4 を有し、チャネル領域 4 と接続するようにn型のソース領域 5 を有し、チャネル領域 4 に接続しかつソース領域 5 に連接するようにp型ボディコンタクト領域 6 を有し、チャネル領域 4 に接続しかつソース領域 5 に対向するようにn型で例えば不純物濃度1.4×1012cm−2のドレインオフセット領域 7 を有し、オフセット領域 7 (以下、単なる「オフセット」は「ドレインオフセット」を意味するものとする)に接続しオフセット領域 7 に比べて高不純物濃度のn型ドレイン領域 8 を有し、チャネル領域 4 の第1主面側にゲート絶縁膜 9 を有し、ゲート絶縁膜 9 を介してゲート電極 10 を有し、層間膜 11 が付され、ソース領域 5 とボディコンタクト領域 6 に接続したソース電極 12 を有し、ドレイン領域 8 に接続したドレイン電極 13 を有する。図1において、オフセット領域7の幅(左右方向)は、(a)における幅よりも、(b)および(c)における幅が狭く描かれている。
【0014】
なお、図5に示したように、ソース領域 5 とシリコン酸化膜 2 との間にチャネル領域 4 が延在していてもよい。
【0015】
また、ソース領域 5 およびドレイン領域 8 の不純物濃度は、従来技術において一般的な1.0×1020cm−3〜3.0×1020cm−3であればよい。
【0016】
本実施の形態例において、ドレインオフセット領域 7 の不純物濃度を1.0×1012cm−2から1.6×1012cm−2まで変えた場合の、線形増幅時の電力付加効率と不純物濃度との関係、および飽和出力時の電力付加効率と不純物濃度との関係を図2に示す。なお、図2には、従来技術における、不純物濃度が1.8×1012cm−2の場合の測定点も示してあり、この場合の、線形増幅時の電力付加効率の測定点は従来技術における線形増幅時の電力付加効率に関しての最適点を示している。この図から明らかなように、ドレインオフセット領域 7 の不純物濃度を1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下としたときに、従来技術に比べて、高い電力付加効率が得られていることが判る。
【0017】
従来技術の絶縁ゲート型電界効果トランジスタでは、図2に示すように、オン抵抗を低減するためドレインオフセット領域の不純物濃度を高濃度にし、飽和時の電力付加効率の高効率化を図っていた。しかしながら、ドレインオフセット領域を高不純物濃度にするとチャネル・ドレイン接合付近の電界が高くなり、図2に見られるように、線形増幅時の電力付加効率がかえって低下する。
【0018】
本発明の実施によって、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのドレインオフセット領域の不純物濃度を1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下とすることにより、チャネル・ドレイン接合付近の電界を低減してトランスコンダクタンスとドレインコンダクタンスの線形性を改善し、図2に示したように、線形増幅特性を維持しつつ線形増幅時の電力付加効率を高めることが可能となり、線形増幅特性を維持しつつ線形増幅時の電力付加効率を高める新規な絶縁ゲート型電界効果トランジスタを提供することが可能となる。
【0019】
図3および図4を用いて本実施の形態例である絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造方法を説明する。なお、図3の(b)および図4の(a)におけるA−A’断面図は図1の(b)におけるA−A’断面図に対応し、図3の(c)および図4の(b)におけるB−B’断面図は図1の(c)におけるB−B’断面図に対応している。
【0020】
図3に示したように、p型単結晶シリコン半導体基板 21 の第1主面側にシリコン酸化膜 22 を有し、シリコン酸化膜 22 の第1主面側に単結晶シリコン半導体層 23 を有する積層構造の基板を用いて、チャネル領域 24 を形成するため、ボロンのイオン注入と拡散を行う。次に、ゲート酸化膜 25 を形成した後、多結晶シリコンを堆積加工することによりゲート電極 26 を形成する。次に、例えばリンと砒素のイオン注入により低不純物濃度のドレインオフセット領域 27 を形成する。所望の領域にフォトレジストを形成した後、イオン注入によりソース領域 28 を形成する。再び所望の領域に、フォトレジストを形成した後、ボディコンタクト領域 29 を形成するため、ボロンをイオン注入する。次に、シリコン酸化膜 30 を堆積し、異方性エッチングとして例えば反応性イオンエッチングによりシリコン酸化膜 30 を加工する。
【0021】
次に、図4に示したように、ドレイン領域 31 を形成するため砒素のイオン注入と拡散を行う。次に、例えばチタンシリサイド 32 を、ゲート電極 26 、ソース領域 28 、ドレイン領域 31 上に形成した後、層間膜 33 を堆積し、コンタクトホールを窓開する。ソース電極 34 およびドレイン電極 35 として例えばアルミニウムを堆積加工することにより、本実施の形態例である絶縁ゲート型電界効果トランジスタが完成する。
【0022】
【発明の効果】
本発明の実施によって、線形増幅特性を維持しつつ線形増幅時の電力付加効率を高める新規な絶縁ゲート型電界効果トランジスタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構成を説明する図である。
【図2】本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの特性を説明する図である。
【図3】本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造方法を説明する図である。
【図4】本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造方法を説明する図である。
【図5】本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構成を説明する図である。
【図6】従来技術による絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構成を説明する図である。
【符号の説明】
1 …p型単結晶シリコン半導体基板、2 …シリコン酸化膜、3 …単結晶シリコン半導体層、4 …p型チャネル領域、5 …n型ソース領域、6 …p型ボディコンタクト領域、7 …オフセット領域、8 …n型ドレイン領域、9 …ゲート絶縁膜、10 …ゲート電極、11 …層間膜、12 …ソース電極、13 …ドレイン電極、21 …p型単結晶シリコン半導体基板、22 …シリコン酸化膜、23 …単結晶シリコン半導体層、24 …p型チャネル領域、25 …ゲート酸化膜、26 …ゲート電極、27 …オフセット領域、28 …ソース領域、29 …ボディコンタクト領域、30 …シリコン酸化膜、31 …ドレイン領域、32 …チタンシリサイド、33 …層間膜、34 …ソース電極、35 …ドレイン電極、101 …単結晶シリコン半導体基板、102 …シリコン酸化膜、103 …単結晶シリコン半導体層、104 …p型チャネル領域、105 …n型ソース領域、106 …p型ボディコンタクト領域、107 …オフセット領域、108 …n型ドレイン領域、109 …ゲート絶縁膜、110 …ゲート電極、111 …層間膜、112 …ソース電極、113 …ドレイン電極。
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタに関し、特に、高電圧・大電流・高周波で使用する絶縁ゲート型電界効果トランジスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献1】「論文“Radio−Frequency Performance of a State−of−the−Art 0.5−μm−Rule Thin Film SOI Power MOSFET,”IEEE Transactions on Electron Devices, vol. 48, No. 6, June, pp. 1251−1255, 2001. S. Matsumoto, Y. Hiraoka, and T. Sakai」
従来、上記非特許文献1に記載されているように、絶縁ゲート型電界効果トランジスタが知られている。
【0003】
そのような、従来技術による絶縁ゲート型電界効果トランジスタを図6に例示するとともにその構造を説明する。
【0004】
図6において、(a)は従来技術による絶縁ゲート型電界効果トランジスタの一例の平面図であり、(b)は(a)に示した電界効果トランジスタのC−C’断面図であり、(c)は(a)に示した電界効果トランジスタのD−D’断面図である。
【0005】
図6において、絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、単結晶シリコン半導体基板 101 上にシリコン酸化膜 102 を有し、さらにシリコン酸化膜 102 上に単結晶シリコン半導体層 103 を有する積層構造の基板を用いて製造され、p型のチャネル領域 104 を有し、前記チャネル領域 104 と接続するようにn型のソース領域 105 を有し、チャネル領域 104 に接続しかつソース領域 105 に連接するようにp型のボディコンタクト領域 106 を有し、チャネル領域 104 に接続し前記ソース領域 105 に対向するようにn型でソース領域 105 に比べて低不純物濃度のドレインオフセット領域 107 を有し、オフセット領域 107 (以下、単なる「オフセット」は「ドレインオフセット」を意味するものとする)に接続しオフセット領域 107 に比べ高不純物濃度のn型ドレイン領域 108 を有し、チャネル領域 104 の第1主面側にゲート絶縁膜 109 を有し、ゲート絶縁膜 109 を介してゲート電極 110 を有し、層間膜 111 を有し、ソース領域 105 とボディコンタクト領域 106 とに接続したソース電極 112 とドレイン領域 108 に接続したドレイン電極 113 とを有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図6に例示した、従来技術による絶縁ゲート型の電界効果トランジスタでは、飽和領域における電力付加効率を高くするため、オン抵抗の低減が図れるよう、ドレインオフセット領域 107 にできるだけ高濃度の不純物を添加していた。このため、チャネル・ドレイン接合付近の電界が十分には緩和されず、それがトランスコンダクタンスとドレインコンダクタンスの非線形性の原因となり、このような絶縁ゲート型の電界効果トランジスタを線形増幅特性が求められる用途(OFDMなど)に適用することが困難であった。
【0007】
本発明は前記の従来技術が持つ問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、上記の従来技術が持つ絶縁ゲート型電界効果トランジスタの線形増幅特性の問題を解決し、線形増幅特性を維持しつつ線形増幅時の電力付加効率を高める新規な絶縁ゲート型電界効果トランジスタを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項1に記載のように、
単結晶シリコン半導体基板の第1主面側に絶縁膜を有し、前記絶縁膜の第1主面側に単結晶シリコン半導体層を有する積層構造の基板を用いて形成される絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、前記単結晶シリコン半導体層に第1の導電型のチャネル領域を有し、前記チャネル領域と接続するように第2の導電型のソース領域を有し、前記チャネル領域に接続しかつ前記ソース領域に連接するように第1の導電型のボディコンタクト領域を有し、前記チャネル領域に接続し前記ソース領域に対向するように前記ソース領域と同一の導電型で前記ソース領域に比べて低不純物濃度のドレインオフセット領域を有し、前記ドレインオフセット領域に接続し前記ソース領域と同一の導電型を有し前記ドレインオフセット領域に比べて高不純物濃度のドレイン領域を有し、前記チャネル領域の第1主面側にゲート絶縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜を介してゲート電極を有し、前記ソース領域と前記ボディコンタクト領域とに接続したソース電極を有し、前記ドレイン領域に接続したドレイン電極を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタにおいて、前記ドレインオフセット領域の不純物濃度が1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下であることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果トランジスタを構成する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態においては、ドレインオフセット領域の不純物濃度を1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下とすることにより、チャネル・ドレイン接合付近の電界を低減してトランスコンダクタンスとドレインコンダクタンスの線形性を改善し、線形増幅特性を改善する。
【0010】
(実施の形態例)
以下、図1および図5を用いて本発明の実施の形態例を詳細に説明し、図2を用いて本実施の形態例における電界効果トランジスタの特性を説明し、図3および図4を用いて本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造方法を詳細に説明する。
【0011】
図1において、(a)は本発明の実施の形態例である絶縁ゲート型電界効果トランジスタの平面図であり、(b)は(a)に示した電界効果トランジスタのA−A’断面図であり、(c)は(a)に示した電界効果トランジスタのB−B’断面図である。
【0012】
図1において、p型の単結晶シリコン半導体基板1の第1主面側に絶縁膜として例えば厚さ 0.4 μmのシリコン酸化膜 2 を有し、シリコン酸化膜 2 の第1主面側に例えば厚さ 0.16 μmの単結晶シリコン半導体層 3 を有する積層構造の基板を用いて、絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成されている。
【0013】
その電界効果トランジスタは、単結晶シリコン半導体層 3 にp型のチャネル領域 4 を有し、チャネル領域 4 と接続するようにn型のソース領域 5 を有し、チャネル領域 4 に接続しかつソース領域 5 に連接するようにp型ボディコンタクト領域 6 を有し、チャネル領域 4 に接続しかつソース領域 5 に対向するようにn型で例えば不純物濃度1.4×1012cm−2のドレインオフセット領域 7 を有し、オフセット領域 7 (以下、単なる「オフセット」は「ドレインオフセット」を意味するものとする)に接続しオフセット領域 7 に比べて高不純物濃度のn型ドレイン領域 8 を有し、チャネル領域 4 の第1主面側にゲート絶縁膜 9 を有し、ゲート絶縁膜 9 を介してゲート電極 10 を有し、層間膜 11 が付され、ソース領域 5 とボディコンタクト領域 6 に接続したソース電極 12 を有し、ドレイン領域 8 に接続したドレイン電極 13 を有する。図1において、オフセット領域7の幅(左右方向)は、(a)における幅よりも、(b)および(c)における幅が狭く描かれている。
【0014】
なお、図5に示したように、ソース領域 5 とシリコン酸化膜 2 との間にチャネル領域 4 が延在していてもよい。
【0015】
また、ソース領域 5 およびドレイン領域 8 の不純物濃度は、従来技術において一般的な1.0×1020cm−3〜3.0×1020cm−3であればよい。
【0016】
本実施の形態例において、ドレインオフセット領域 7 の不純物濃度を1.0×1012cm−2から1.6×1012cm−2まで変えた場合の、線形増幅時の電力付加効率と不純物濃度との関係、および飽和出力時の電力付加効率と不純物濃度との関係を図2に示す。なお、図2には、従来技術における、不純物濃度が1.8×1012cm−2の場合の測定点も示してあり、この場合の、線形増幅時の電力付加効率の測定点は従来技術における線形増幅時の電力付加効率に関しての最適点を示している。この図から明らかなように、ドレインオフセット領域 7 の不純物濃度を1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下としたときに、従来技術に比べて、高い電力付加効率が得られていることが判る。
【0017】
従来技術の絶縁ゲート型電界効果トランジスタでは、図2に示すように、オン抵抗を低減するためドレインオフセット領域の不純物濃度を高濃度にし、飽和時の電力付加効率の高効率化を図っていた。しかしながら、ドレインオフセット領域を高不純物濃度にするとチャネル・ドレイン接合付近の電界が高くなり、図2に見られるように、線形増幅時の電力付加効率がかえって低下する。
【0018】
本発明の実施によって、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのドレインオフセット領域の不純物濃度を1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下とすることにより、チャネル・ドレイン接合付近の電界を低減してトランスコンダクタンスとドレインコンダクタンスの線形性を改善し、図2に示したように、線形増幅特性を維持しつつ線形増幅時の電力付加効率を高めることが可能となり、線形増幅特性を維持しつつ線形増幅時の電力付加効率を高める新規な絶縁ゲート型電界効果トランジスタを提供することが可能となる。
【0019】
図3および図4を用いて本実施の形態例である絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造方法を説明する。なお、図3の(b)および図4の(a)におけるA−A’断面図は図1の(b)におけるA−A’断面図に対応し、図3の(c)および図4の(b)におけるB−B’断面図は図1の(c)におけるB−B’断面図に対応している。
【0020】
図3に示したように、p型単結晶シリコン半導体基板 21 の第1主面側にシリコン酸化膜 22 を有し、シリコン酸化膜 22 の第1主面側に単結晶シリコン半導体層 23 を有する積層構造の基板を用いて、チャネル領域 24 を形成するため、ボロンのイオン注入と拡散を行う。次に、ゲート酸化膜 25 を形成した後、多結晶シリコンを堆積加工することによりゲート電極 26 を形成する。次に、例えばリンと砒素のイオン注入により低不純物濃度のドレインオフセット領域 27 を形成する。所望の領域にフォトレジストを形成した後、イオン注入によりソース領域 28 を形成する。再び所望の領域に、フォトレジストを形成した後、ボディコンタクト領域 29 を形成するため、ボロンをイオン注入する。次に、シリコン酸化膜 30 を堆積し、異方性エッチングとして例えば反応性イオンエッチングによりシリコン酸化膜 30 を加工する。
【0021】
次に、図4に示したように、ドレイン領域 31 を形成するため砒素のイオン注入と拡散を行う。次に、例えばチタンシリサイド 32 を、ゲート電極 26 、ソース領域 28 、ドレイン領域 31 上に形成した後、層間膜 33 を堆積し、コンタクトホールを窓開する。ソース電極 34 およびドレイン電極 35 として例えばアルミニウムを堆積加工することにより、本実施の形態例である絶縁ゲート型電界効果トランジスタが完成する。
【0022】
【発明の効果】
本発明の実施によって、線形増幅特性を維持しつつ線形増幅時の電力付加効率を高める新規な絶縁ゲート型電界効果トランジスタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構成を説明する図である。
【図2】本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの特性を説明する図である。
【図3】本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造方法を説明する図である。
【図4】本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの製造方法を説明する図である。
【図5】本発明に係る絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構成を説明する図である。
【図6】従来技術による絶縁ゲート型電界効果トランジスタの構成を説明する図である。
【符号の説明】
1 …p型単結晶シリコン半導体基板、2 …シリコン酸化膜、3 …単結晶シリコン半導体層、4 …p型チャネル領域、5 …n型ソース領域、6 …p型ボディコンタクト領域、7 …オフセット領域、8 …n型ドレイン領域、9 …ゲート絶縁膜、10 …ゲート電極、11 …層間膜、12 …ソース電極、13 …ドレイン電極、21 …p型単結晶シリコン半導体基板、22 …シリコン酸化膜、23 …単結晶シリコン半導体層、24 …p型チャネル領域、25 …ゲート酸化膜、26 …ゲート電極、27 …オフセット領域、28 …ソース領域、29 …ボディコンタクト領域、30 …シリコン酸化膜、31 …ドレイン領域、32 …チタンシリサイド、33 …層間膜、34 …ソース電極、35 …ドレイン電極、101 …単結晶シリコン半導体基板、102 …シリコン酸化膜、103 …単結晶シリコン半導体層、104 …p型チャネル領域、105 …n型ソース領域、106 …p型ボディコンタクト領域、107 …オフセット領域、108 …n型ドレイン領域、109 …ゲート絶縁膜、110 …ゲート電極、111 …層間膜、112 …ソース電極、113 …ドレイン電極。
Claims (1)
- 単結晶シリコン半導体基板の第1主面側に絶縁膜を有し、前記絶縁膜の第1主面側に単結晶シリコン半導体層を有する積層構造の基板を用いて形成される絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、
前記単結晶シリコン半導体層に第1の導電型のチャネル領域を有し、前記チャネル領域と接続するように第2の導電型のソース領域を有し、前記チャネル領域に接続しかつ前記ソース領域に連接するように第1の導電型のボディコンタクト領域を有し、前記チャネル領域に接続し前記ソース領域に対向するように前記ソース領域と同一の導電型で前記ソース領域に比べて低不純物濃度のドレインオフセット領域を有し、前記ドレインオフセット領域に接続し前記ソース領域と同一の導電型を有し前記ドレインオフセット領域に比べて高不純物濃度のドレイン領域を有し、前記チャネル領域の第1主面側にゲート絶縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜を介してゲート電極を有し、前記ソース領域と前記ボディコンタクト領域とに接続したソース電極を有し、前記ドレイン領域に接続したドレイン電極を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタにおいて、
前記ドレインオフセット領域の不純物濃度が1.0×1012cm−2以上1.6×1012cm−2以下であることを特徴とする絶縁ゲート型電界効果トランジスタ。
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-
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- 2002-09-20 JP JP2002274386A patent/JP2004111768A/ja active Pending
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