JP2004111471A - 配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】貫通孔を金属めっきによって充填して成る貫通孔導体に未充填部分がなく、高い接続信頼性を有する配線基板を提供する。
【解決手段】金属箔から成り、絶縁層1の下面に配設された第1の配線導体層2および絶縁層1の上面に配設された第2の配線導体層3と、第1の配線導体層2上の絶縁層1に形成された貫通孔9に充填された金属めっきから成り、第1および第2の配線導体層2・3間を電気的に接続する貫通孔導体4とを具備し、貫通孔9の上端外周からこれを取り囲む第2の配線導体層3の内周端までの距離Lを、貫通孔9の高さHおよび第2の配線導体層3の厚みTに対して、高さH以上で、かつ高さHに厚みTを加えた長さ以下とするとともに、貫通孔9の内周面の算術平均粗さRaを0.3μm〜0.6μmの範囲とした配線基板5である。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、多層配線基板および半導体素子収納用パッケージ等に適した配線基板に関するものであり、より詳細には、高密度配線が可能で、高い実装信頼性を有する、金属めっきで充填された貫通孔導体を備えた配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器は小型化が進んでいるが、携帯情報端末の発達や、コンピュータを持ち運んで操作するいわゆるモバイルコンピューティングの普及によってさらに小型・薄型かつ高精細の多層配線基板が求められる傾向にある。
【0003】
また、通信機器に代表されるように、高速動作が求められる電子機器が広く使用されるようになってきた。高速動作が求められるということは、高い周波数の信号に対し、正確なスイッチングが可能である等の多種な要求を含んでいる。そのような電子機器に対応するため、高速な動作に適した多層配線基板が求められている。
【0004】
高速動作を行なうためには、配線の長さを短くし、電気信号の伝播に要する時間を短縮することが必要である。配線の長さを短縮するために、配線の幅を細くし、配線の間隙を小さくするという、小型・薄型かつ高精細の多層配線基板が求められる傾向にある。
【0005】
そのような高密度配線の要求に対応するため、微細な配線導体層を平易に形成できる多層配線基板の製造方法が特開平10−27959号公報等にて提案されている。この方法は、表面に金属から成る導体回路が形成された転写シートと半硬化状態の絶縁層を圧接して導体回路を絶縁層に転写埋入させ、転写シートを除去し絶縁層の表面に配線導体層が埋入された回路基板を得て、これら回路基板を複数枚積層して一体化するというものである。
【0006】
しかしながら、この方法は、貫通孔導体であるビアホール導体の設計の自由度を高めるとともに工程の簡略化を図るために、導電性ペーストをビアホール(貫通孔)中に充填することにより配線導体層間の接続を行なっているために、例えばビアホールの径を60μm以下と小さくした場合、直径10μm程度の金属粒子で構成された導電性ペーストでは、ビアホールに充填が可能な量が制限されてしまうため、充填された導電性ペーストの金属粒子間の接触点が少なくなることから、ビアホール導体の抵抗が増加し配線導体層間の電気的な接続信頼性が低下するという問題点があった。
【0007】
このような問題点を解決するために、特開2000−349437号公報には、絶縁層の上下に第1および第2の配線回路層(配線導体層)を形成するとともに、絶縁層に形成したビアホール(貫通孔)にメッキ金属層(めっき金属)を形成(充填)して成るビア導体(貫通孔導体)を介して第1および第2の配線回路層を電気的に接続して成る多層配線基板(配線基板)が提案されている。この多層配線基板(配線基板)はビア導体をメッキ金属層で形成したことが特徴であり、例えば、以下の方法で製作される。
【0008】
即ち、絶縁基板の表面に第1の配線回路層が被着形成されて成るコア基板の表面に、熱硬化性樹脂を含有する軟質の絶縁層を形成し、絶縁層の表面に金属箔によって形成された第2の配線回路層を被着形成するとともに、第2の配線回路層を絶縁層表面に埋設し、第2の配線回路層が被着形成された絶縁層の表面に離型性フィルムを貼り付けた後、加熱して絶縁層を熱硬化し、レーザー光の照射によって第2の配線回路層が被着形成された絶縁層を貫通するとともに、第1の配線回路層に到達するビアホールを形成させ、ビアホールの内壁に金属めっき層を形成し、第1の配線回路層と第2の配線回路層とを電気的に接続するものである。
【0009】
この方法によれば、ビアホールの内部を直径が数nmの金属めっきで緻密に充填することができるため、ビアホールの径を例えば60μm以下と小さくしても、ビア導体の抵抗が増加したり、電気的な接続信頼性が低下することはない。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−27959号公報
【特許文献2】
特開2000−349437号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような貫通孔を金属めっきによって充填してビア導体を形成した配線基板(多層配線基板)においては、貫通孔内にめっき金属を充填する際、めっき金属は貫通孔底部よりも基板表面および貫通孔上部の方が析出しやすい傾向があるため、金属めっき層が貫通孔の底面よりも配線導体層である金属箔の端面から優先的に形成され、貫通孔の底面からの金属めっきによって貫通孔が充填される前に貫通孔の上面を覆ってしまい、貫通孔の底面へのめっき金属原子の供給が阻害されてしまう。その結果、貫通孔の底面からの金属めっき層の形成が停止してしまうことから、金属箔の端面から成長し貫通孔の上面を覆った金属めっき層と、貫通孔の底面から貫通孔を充填しながら形成した金属めっき層との間に未充填部分が形成されてしまい、例えばシェア強度等の接続信頼性評価の際に破断がこの未充填部分を起点として発生し、機械的な接続信頼性を低下させるという問題点を誘発していた。
【0012】
本発明は上記問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、直径が数nmの金属めっきで貫通孔が緻密に充填され、低電気抵抗であり、かつ貫通孔内に未充填部分が存在せず、高い機械的接続信頼性および電気的接続信頼性を有する貫通孔導体を形成した高密度配線が可能な配線基板を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、金属箔から成り、絶縁層の下面に配設された第1の配線導体層および前記絶縁層の上面に配設された第2の配線導体層と、前記第1の配線導体層上の前記絶縁層に形成された貫通孔に充填された金属めっきから成り、前記第1および第2の配線導体層間を電気的に接続する貫通孔導体とを具備し、前記貫通孔の上端外周からこれを取り囲む前記第2の配線導体層の内周端までの距離Lを、前記貫通孔の高さHおよび前記第2の配線導体層の厚みTに対して、高さH以上で、かつ高さHに厚みTを加えた長さ以下とするとともに、前記貫通孔の内周面の算術平均粗さRaを0.3μm〜0.6μmの範囲としたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の配線基板によれば、貫通孔導体が形成される貫通孔の上端外周からこれを取り囲む第2の配線導体層の内周端までの距離Lを、貫通孔の高さHおよび第2の配線導体層の厚みTに対して、高さH以上の長さとし、かつ高さHに厚みTを加えた長さ以下の長さとしたことから、第2の配線導体層である金属箔の端面から金属めっきが優先的に析出しても、貫通孔の底面から同じ析出速度で析出する金属めっきによって貫通孔が充填される前に貫通孔の上面を覆うことがないため、貫通孔の底面からの金属めっきの析出を阻害することがなく、貫通孔の内部に未充填部分が形成されることがない。
【0015】
さらに、貫通孔の内周面の算術平均粗さRaを0.3μm〜0.6μmの範囲としたことから、第2の配線導体層である金属箔の端面から析出する金属めっきの密着性を高くすることができ、ハガレやフクレ・ボイド等の欠陥を生じることがない。その結果、機械的接続信頼性および電気的接続信頼性を高くすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の配線基板を半導体素子を搭載する半導体素子搭載用基板に適用した場合の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は絶縁層、2は第1の配線導体層、3は第2の配線導体層、4は第1および第2の配線導体層2・3間を電気的に接続する貫通孔導体である。この絶縁層1、第1の配線導体層2、第2の配線導体層3および貫通孔導体4で半導体素子6を搭載するための配線基板5が形成され、半導体素子6の電極が例えば半田ボール7を介して第2の配線導体層3に接続される。
【0018】
本発明の配線基板5は、図2に要部拡大断面図で示すように、熱硬化性樹脂を含有する軟質の絶縁層1の下面に第1の配線導体層2を形成し、絶縁層1の上面に第2の配線導体層3を形成するとともに、第1の配線導体層2と第2の配線導体層3とを貫通孔導体4で導通した構造を有している。
【0019】
ここで用いられる絶縁層1は、繊維体を含まない熱硬化性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と無機質フィラーとから成る絶縁性複合材料によって構成することが望ましい。
【0020】
この絶縁層1中に繊維体を含まないことが望ましいのは、繊維体が含まれると、ガラス織布自体の不均一性によって、貫通孔導体4を形成するための貫通孔を形成したときに貫通孔の径にバラツキが生じやすく、特に、ガラス織布等の繊維体を含む場合には、多湿中で長期保存するとガラス繊維と有機樹脂との界面を水分が拡散してマイグレーションをもたらす等の弊害が生じるためである。
【0021】
この絶縁層1の厚みは、10μm以上、特に40μm以上であることが望ましく、その厚みが10μmよりも薄いと、絶縁層1による外気中の水分の内部への拡散を十分に抑制することが難しく、絶縁層1間においてマイグレーションが生じやすくなる。
【0022】
この絶縁層1中の熱硬化性樹脂としては、PPE(ポリフェニレンエーテル)・BT(ビスマレイミドトリアジン)レジン・エポキシ樹脂・ポリイミド樹脂・フッ素樹脂・フェノール樹脂・ポリアミドビスマレイミド等の樹脂が望ましい。また、この絶縁層1中には無機質フィラーを配合することによって、配線基板5の強度を高めることが望ましい。
【0023】
このときに用いられる無機質フィラーとしては、SiO・Al・AlN等が好適であり、フィラーの形状は平均粒径が20μm以下、特に10μm以下、最適には7μm以下の略球形状の粉末が用いられる。この無機質フィラーは、有機樹脂:無機質フィラーの体積比率で15:85〜95:5の比率範囲で混合される。
【0024】
このような絶縁層1は、例えば、未硬化の熱硬化性有機樹脂、または未硬化の熱硬化性有機樹脂と無機質フィラー等の組成物を混練機や3本ロール等の手段によって十分に混合し、これを圧延法・押出法・射出法・ドクターブレード法等によって軟質のシート状に成形し、後述する金属層の形成等の所定の工程を施した後、加熱硬化すること等により作製される。なお、軟質とは、未硬化または半硬化状態を意味し、半硬化の状態とするには、熱硬化性樹脂が完全硬化するに十分な温度よりもやや低い温度に加熱すればよい。
【0025】
第1の配線導体層2および第2の配線導体層3は、銅または銅を主成分とする銅合金等の金属箔を所定パターンに被着形成したものから成り、例えば、絶縁層1となる軟質のシートの両面全体に金属箔を接着した後、フォトレジスト形成・パターン露光・現像・レジスト除去の工程からなるフォトレジスト法に従い形成することができる。または、絶縁層1となる軟質のシートの両面に、予めフォトレジスト法によって形成された第1の配線導体層2の鏡像パターンおよび第2の配線導体層3の鏡像パターンを転写することによって形成することができる。
【0026】
以上のようにして、第1の配線導体層2および第2の配線導体層3を絶縁層1となる軟質のシートの上下面に形成した後、この軟質のシートを完全に熱硬化処理することが望ましい。これは、絶縁層1が未硬化または半硬化の場合には、後述する貫通孔の形成後に熱硬化処理を施すと、熱硬化に伴う収縮により貫通孔の径が変化したり、貫通孔の形成個所が熱硬化時の収縮によってずれ、貫通孔導体4の位置精度が低下するという問題があり、また、後述する貫通孔導体4形成のためのめっき処理の際に、めっき液が未硬化または半硬化の絶縁層1中に浸透して、めっき液等に含有される酸によって第1の配線導体層2や第2の配線導体層3がショートしたり断線する等の不具合が発生する恐れがあるためである。
【0027】
熱硬化にあたっては、図3に図2に示した貫通孔導体4における金属めっき充填前の状態を示す要部拡大断面図で示すように、絶縁層1の表面にETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)等の透明の離型性フィルム8を貼り付けて、絶縁層1中の熱硬化性樹脂が硬化するに十分な温度で熱プレスすることにより行なうことができる。
【0028】
熱硬化する方法としては、例えば真空プレス装置を用いると離型性フィルム8と絶縁層1の間に閉じこめられた空気を脱気することができるので、密着性を上げることができ、より好ましい。
【0029】
なお、熱硬化処理の終了後、離型性フィルム8は、後述するめっき処理の際のレジストとして利用できることから、離型性フィルム8はめっき処理後に剥がすことが望ましい。
【0030】
さらにこの離型性フィルム8は、フッ化エチレンを含むことが望ましく、高温かつ強アルカリ性でホルマリンを含む無電解めっき液に長時間浸漬されても剥離や変質を起こさない材料として、フッ化エチレンを含む樹脂フィルムは優れた性能を示す。フッ化エチレンを含む樹脂としては、例えばPTFE(四沸化エチレン樹脂)・PFA(四沸化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)・FEP(四沸化エチレン−6沸化プロピレン共重合樹脂)・ETFE(四沸化エチレン−エチレン共重合樹脂)等がある。フッ化エチレンを含む樹脂フィルムであれば、上記以外にも使用できる。
【0031】
これらの第1の配線導体層2および第2の配線導体層3は、貫通孔導体4を介して上下に電気的に接続されている。このような貫通孔導体4は、絶縁層1に貫通孔9を形成し、この貫通孔9内に金属めっきから成る導体を充填することにより形成され、例えば、以下の工程により形成できる。
【0032】
まず、レーザ光の照射によって、絶縁層1に対して貫通孔9を形成する。貫通孔9の形成は、上面の離型性フィルム8および絶縁層1を貫通して第1の配線導体層2に達するように形成する。
【0033】
貫通孔9の形成には、炭酸ガス等のレーザ加工が好適である。レーザビームは上面の離型性フィルム8の表面から離型性フィルム8および絶縁層1を貫いて第1の配線導体層2の表面で止まる。第1の配線導体層2は銅等の金属箔によって形成されており、金属は絶縁層1よりもレーザ加工されにくいので、比較的容易に適当なビーム強度を選択できる。
【0034】
次に、この貫通孔9内にめっき法により銅等の金属めっきを、第1の配線導体層2と第2の配線導体層3とがこの金属めっきで接続されるようにして充填することにより形成できる。
【0035】
本発明においては、第2の配線導体層3は、貫通孔9の上端外周からこれを取り囲む第2の配線導体層3の内周端までの距離Lを、貫通孔9の高さHおよび第2の配線導体層3の厚みTに対して、貫通孔9の高さH以上の長さに設定し、かつ貫通孔9の高さHに第2の配線導体層3の厚みTを加えた長さ以下の長さに設定した範囲内で形成し、さらに貫通孔9の内周面の算術平均粗さRaを0.3μm〜0.6μmの範囲内で形成しておくことが重要である。
【0036】
これは、距離Lが貫通孔9の高さH未満の長さの場合は、貫通孔9の内周面(内壁)に後述するめっきによって金属めっき層が貫通孔9の底面および第2の配線導体層3である金属箔の端面から同時に形成されるため、第2の配線導体層3である金属箔の端面からの金属めっき層の形成によって貫通孔9の底面からの金属めっき層の形成が阻害され、貫通孔9内に金属めっきの未充填部分を含むこととなり機械的接続信頼性を低下させるためである。また、距離Lが貫通孔9の高さHに第2の配線導体層3の厚みTを加えた長さを超える場合は、第2の配線導体層3の金属箔の端面からの金属めっき層の形成が貫通孔9の上面端に接続されないこととなり、配線導体に断線が生じるためである。
【0037】
さらに、貫通孔9の内周面の算術平均粗さRaが0.3μm未満の場合は、貫通孔9の底面からの金属めっきの密着性が不十分となるため、めっき剥がれが発生しやすくなる。他方、この内周面の算術平均粗さRaが0.6μmを超える場合は、金属めっき面の凹凸が大きくなって貫通孔9の底面からの金属めっき層との間にボイド等の欠陥を生じやすくなるため、電気的な接続信頼性が低下することとなる。したがって、貫通孔9の内周面の算術平均粗さRaを0.3μm〜0.6μmの範囲とする必要がある。
【0038】
このように、貫通孔9の内周面の算術平均粗さRaを0.3μm〜0.6μmの範囲とするには、例えば、過マンガン酸カリウム等のエッチング液のエッチング時間を調整したり、エッチング液の液温・濃度や撹拌スピード等のエッチング条件を制御したりすることによって、算術平均粗さRaを所望の範囲に調整することができる。
【0039】
貫通孔9の内壁に金属めっきを充填する方法としては、電解めっき法や無電解めっき法等の任意のめっき方法が採用できるが、特に、無電解めっき法が好適である。無電解めっき法の場合には、貫通孔9が形成された絶縁層1から成る基板を触媒溶液中に浸漬すると、貫通孔9の底面および第2の配線導体層3である金属箔の端面に触媒が塗布される。次いで、この基板を無電解めっき液中に浸漬すると、触媒が塗布された貫通孔9の内部に金属めっきが充填されるとともに、第2の配線導体層3である金属箔の端面からも金属めっき層が形成され、これが貫通孔9の内部に充填された金属めっきと接続されて貫通孔導体4を形成することができる。
【0040】
無電解めっき法としては、例えば、硫酸銅・ホルマリン・水酸化ナトリウム・キレート剤・添加剤等から成る無電解銅めっき液を使用すると、第1および第2の配線導体層2・3である銅箔との密着強度が高く、また、低抵抗である等のことから、より好ましい。
【0041】
また、無電解めっき法によって貫通孔導体4を形成する際に、上面の離型性フィルム8によって第2の配線導体層3である金属箔の表面(上面)には金属めっきは析出されず、第2の配線導体層3である金属箔の端面からのみ金属めっき層が形成され、この金属めっき層が貫通孔9の底面から析出して貫通孔9の内部を充填した金属めっきと接続することによって、貫通孔導体4が形成される。
【0042】
以上のようにして、絶縁層1の下面に配設された第1の配線導体層2および絶縁層1の上面に配設された第2の配線導体層3と、第1の配線導体層2上の絶縁層1に形成された貫通孔9に充填された金属めっきから成る貫通孔導体4とを具備し、貫通孔導体4によって第1の配線導体層2と第2の配線導体層3とが電気的に接続された配線基板5を作製することができる。そして、本発明の配線基板5によれば、貫通孔9の上端外周からこれを取り囲む第2の配線導体層3の内周端までの距離Lを、貫通孔9の高さHおよび第2の配線導体層3の厚みTに対して、高さH以上で、かつ高さHに厚みTを加えた長さ以下とするとともに、貫通孔9内周面の算術平均粗さRaを0.3μm〜0.6μmの範囲としたことから、直径が数nmの金属めっきで貫通孔9の内部が緻密に充填されて形成された貫通孔導体4を有するものとなり、低電気抵抗であり、かつ貫通孔9内に未充填部分が存在しない貫通孔導体4によって第1および第2の配線導体層2・3間を電気的に接続することができ、高い機械的接続信頼性と電気的接続信頼性を有する高密度配線が可能である。
【0043】
なお、本発明の配線基板は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば上述の実施の形態の例では、本発明の配線基板を半導体素子を搭載する配線基板に適用したが、混成集積回路基板等の他の用途に適用してもよい。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の配線基板を具体例によって詳細に説明するが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
【0045】
絶縁層としてPPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)を用い、さらに無機フィラーとして球状シリカを用い、これらをPPE樹脂:無機フィラーが体積比で50:50となる組成物として、これからドクターブレード法によって厚さ50μmの半硬化状態の絶縁層を作製した。
【0046】
一方、厚み8μmの配線導体層である銅箔を接着したPET(ポリエチレンテレフタレート)から成る樹脂フィルムの銅箔を用いてフォトレジスト法によって表面用配線導体層および裏面用配線導体層を形成した。
【0047】
次に、絶縁層に対して、この配線導体層を形成した樹脂フィルムを位置合わせして積層し、120℃・300N/cmで加熱加圧した後、樹脂フィルムを剥がした。その結果、絶縁層の表面に配線導体層が転写されていることを確認した。
【0048】
次に、この絶縁層の表面にフッ素樹脂系の透明な離型性フィルムを貼り付けた後、真空プレス装置を用いて200N/cmの圧力を加えながら200℃で1時間加熱して絶縁層を完全に硬化させた。
【0049】
そして、離型性フィルムを付けたままで、炭酸ガスレーザを用いて絶縁層の表面の配線導体層の所定位置に、高さHが50μmで直径が50μmの貫通孔を形成した。この際、貫通孔の上端外周からこれを取り囲む表面の配線導体層の内周端までの距離L(μm)を表1に示すように設定した。
【0050】
次に、貫通孔の内周面の算術平均粗さRaが表1に示す0.2μm〜0.7μmの範囲になるようにエッチング液(過マンガン酸カリウム)を用いて、貫通孔の内周面を粗化した。
【0051】
次に、貫通孔の内周面に銅からなる金属めっき層を充填した。金属めっき法としては、常法により、貫通孔を形成した基板を脱脂液・酸処理液にて洗浄し、パラジウム水溶液の触媒溶液中に浸漬して貫通孔の底面と表面の配線導体層である銅箔の端面に触媒を塗布した。そしてこの基板を硫酸銅・ホルマリン・水酸化ナトリウム・キレート剤および添加剤から成る70℃の無電解めっき液中に12時間浸漬して、貫通孔に銅を充填した。
【0052】
このような方法で貫通孔導体を形成し、その表面から表面の配線導体層との接続状態について、また断面から貫通孔の充填状態について評価した。
【0053】
さらに、共晶半田を用いて、260℃ピークの条件にて半導体素子を実装し、この基板を−55℃×30分と125℃×30分の温度サイクルを1000回繰り返した後の接続状態、外観および導通状態から評価した。それらの評価結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 2004111471
【0055】
表1に示すように、貫通孔の上端外周からこれを取り囲む表面の配線導体層の内周端までの距離Lが貫通孔の高さH未満である40μmの試料No.1,4,7,10,13,16では、表面の配線導体層である銅箔の端面からの銅めっき層形成によって貫通孔底面からの銅めっき層形成が阻害され、貫通孔内に未充填部分が発生した。また、貫通孔の上端外周からこれを取り囲む表面の配線導体層の内周端までの距離Lが貫通孔の高さHに導体層の厚みTを加えた長さを越えた60μmの試料であるNo.3,6,9,12,15,18では、表面の配線導体層である銅箔の端面から形成された銅めっき層が貫通孔の上端面に接続されず、配線導体に断線が生じた。
【0056】
さらに、配線導体層の貫通孔の内周面の算術平均粗さRaが0.3μm未満である0.2μmの試料No.1,2,3では、配線導体層である銅箔の端面から析出する銅めっきの密着性が不十分となるため、めっき剥がれが発生して断線が生じた。また、この内周面の算術平均粗さRaが0.6μmを超える0.7μmの試料No.16,17,18では、銅めっき面の凹凸が大きくなって貫通孔の底面からの銅めっき層との間にボイド等の欠陥を生じ、温度サイクル後に配線導体に断線が生じた。
【0057】
これに対して、貫通孔の上端外周からこれを取り囲む表面の配線導体層の内周端までの距離Lが、貫通孔の高さHおよび表面の配線導体層の厚みTに対して、高さH以上で、かつ高さHに厚みTを加えた長さ以下とするとともに、貫通孔の内周面の算術平均粗さRaを0.3μm〜0.6μmの範囲とした本発明の配線基板の試料No.5,8,11,14では、断線や未充填部分の生じない、接続状態・充填状態および温度サイクル後の接続状態のいずれについても良好な結果が得られた。
【0058】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、貫通孔導体が形成される貫通孔の上端外周からこれを取り囲む第2の配線導体層の内周端までの距離Lを、貫通孔の高さHおよび第2の配線導体層の厚みTに対して、高さH以上で、かつ高さHに厚みTを加えた長さ以下としたことから、第2の配線導体層である金属箔の端面から金属めっきが優先的に析出しても、貫通孔の底面から同じ析出速度で析出する金属めっきによって貫通孔が充填される前に貫通孔の上面を覆うことがないため、貫通孔の底面からの金属めっきの析出を阻害することがなく、貫通孔の内部に未充填部分が形成されることがない。
【0059】
さらに、貫通孔の内周面の算術平均粗さRaを0.3μm〜0.6μmの範囲としたことから、貫通孔の底面からの金属めっきの密着性を高くすることができ、ハガレやフクレ・ボイド等の欠陥を生じることがない。その結果、機械的接続信頼性および電気的接続信頼性を高くすることができる。
【0060】
以上により、本発明によれば、直径が数nmの金属めっきで貫通孔が緻密に充填され、低電気抵抗であり、かつ貫通孔内に未充填部分が存在せず、高い機械的接続信頼性および電気的接続信頼性を有する貫通孔導体を形成した高密度配線が可能な配線基板を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す配線基板の要部拡大断面図である。
【図3】図2に示す配線基板の要部における金属めっき充填前の状態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁層
2・・・第1の配線導体層
3・・・第2の配線導体層
4・・・貫通孔導体
5・・・配線基板
6・・・半導体素子
7・・・半田ボール
8・・・離型性フィルム
9・・・貫通孔

Claims (1)

  1. 金属箔から成り、絶縁層の下面に配設された第1の配線導体層および前記絶縁層の上面に配設された第2の配線導体層と、前記第1の配線導体層上の前記絶縁層に形成された貫通孔に充填された金属めっきから成り、前記第1および第2の配線導体層間を電気的に接続する貫通孔導体とを具備し、前記貫通孔の上端外周からこれを取り囲む前記第2の配線導体層の内周端までの距離Lを、前記貫通孔の高さHおよび前記第2の配線導体層の厚みTに対して、高さH以上で、かつ高さHに厚みTを加えた長さ以下とするとともに、前記貫通孔の内周面の算術平均粗さRaを0.3μm〜0.6μmの範囲としたことを特徴とする配線基板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010258415A (ja) * 2009-02-12 2010-11-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合体、複合体の製造方法及び半導体装置
JP2017204527A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 凸版印刷株式会社 配線回路基板及びその製造方法
CN112219458A (zh) * 2018-06-26 2021-01-12 京瓷株式会社 布线基板

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