JP2004111048A - 情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録層の非晶質状態と結晶状態との光吸収の差を改善し高記録密度化に適した情報記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明の情報記録媒体は、基板6と、光ビームを受光し、受光部分が状態変化を生じることにより情報が記録される相変化型の記録層1と、前記基板6と前記記録層1との間に設けられた誘電体保護層3と、前記基板6と前記誘電体保護層3との間に設けられ、誘電体材料と金属、半金属または半導体材料とを含む光吸収性保護層7とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の情報記録媒体は、基板6と、光ビームを受光し、受光部分が状態変化を生じることにより情報が記録される相変化型の記録層1と、前記基板6と前記記録層1との間に設けられた誘電体保護層3と、前記基板6と前記誘電体保護層3との間に設けられ、誘電体材料と金属、半金属または半導体材料とを含む光吸収性保護層7とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、相変化型の記録層を備え、情報の記録再生に用いられる光ディスク等の情報記録媒体およびその製造方法に関する。
情報の記録再生で用いられる相変化型の光ディスクとしては、カルコゲナイド系材料を記録層に用いた光ディスク(以下、相変化光ディスクと略記する)が検討されている。相変化光ディスクの従来技術については、「書換え可能光ディスク材料」奥田昌宏著、株式会社工業調査会発行、1989年5月20日初版発行、に詳しい。
相変化光ディスクは、カルコゲナイド系記録層の結晶相、非晶質相の相変化を利用して情報の記録再生を行なう。従来の相変化光ディスクの動作は次のように行なわれている。
1)スパッタ、蒸着などで成膜された記録層は非晶質であるので、加熱アニール処理または光ビーム照射などで、記録層を結晶相とする。これを初期(結晶)化という。
2)短パルス、高パワーの記録パルスで結晶相の記録層を溶融、急冷し非晶質化して記録マークとする。
3)長パルス、低パワーの消去パルスで非晶質相の記録マークを結晶化し、記録マークを消去する。
また、消去パワーに記録パワーを重畳させて、オーバーライトを行なうことも検討されている。相変化光ディスクの層構成としては、光ディスク基板上、誘電体保護層、相変化記録層、誘電体保護層、金属または合金反射膜を積層したものが、この分野で一般に用いられている。
光ディスク基板と相変化記録層との間に金属膜を設けた層構成については、特開昭62−226446号公報、特開平4−265541号公報に開示されている。
特開昭62−226446号公報には、光ディスク基板と相変化記録層との間に半透明の金属膜を設けた層構成で、記録層の記録感度を向上させるために光吸収層として半透明の金属膜を設けることが記載されている。
一方、特開平4−265541号公報には、光ディスク基板と相変化記録層との間に金属膜を設けた層構成として、ディスクの光反射率を高めることが記載されている。
「書換え可能光ディスク材料」奥田昌宏著、株式会社工業調査会発行、1989年5月20日初版発行 特開昭62−226446号公報
特開平4−265541号公報
特開昭62−226446号公報
特開平4−265541号公報
特開平5−159360号公報
特開平2−240842号公報
特開平1−138635号公報
特開平7−106564号公報
特開昭58−121152号公報
「書換え可能光ディスク材料」奥田昌宏著、株式会社工業調査会発行、1989年5月20日初版発行
従来の相変化光ディスクの層構成は、上述したように、基板上に誘電体保護層、相変化記録層、誘電体保護層、金属または合金の反射膜、さらに紫外線硬化樹脂膜を積層したものが一般的であるが、この層構成の相変化光ディスクでは、記録層の光吸収が非晶質状態の方が結晶状態よりかなり大きいために高記録密度で記録変調歪を生じ易い。これは非晶質状態の記録マークの上にオーバライトした記録マークの形状のほうが、結晶状態の消去トラックに記録したときの記録マークより光吸収が大きいためマーク形状が大きくなるためである。
この発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、記録層の非晶質状態と結晶状態との光吸収の差を改善し高記録密度化に適した情報記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の情報記録媒体は、基板と、光ビームを受光し、受光部分が状態変化を生じることにより情報が記録される相変化型の記録層と、前記基板と前記記録層との間に設けられた誘電体保護層と、前記基板と前記誘電体保護層との間に設けられ、誘電体材料と金属、半金属または半導体材料とを含む光吸収性保護層とを有することを特徴とする。
この発明によれば、上記の層の配置構成により、表2のディスクNo.3に示すように非晶質状態と晶質状態との光吸収率の差が、従来に比べて改善された。
以下に本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施例)図1は本発明の第1の実施例に係る相変化光ディスクの層構成を模式的に示す図である。この図に示すように、この実施例に係る相変化光ディスクは、光ディスク基板6上に、保護層3、記録層1、保護層2、光吸収性保護層7、反射層4、保護層5がこの順に形成された層構成を有している。
この層構成は単板の場合の例であり、記録層1のある面を内側にしてこの単板光ディスク2枚を貼り合わせ両面使用の光ディスクとすることも可能である。また、用途によっては、保護層3、保護層5、はそれぞれ省略することも可能である。
光ディスク基板6は、透明で経時変化が少ない材料、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、またはガラス等で形成される。記録フォーマットに応じて連続溝、サンプルサーボマーク、プリフォーマットマーク等が形成される。
記録層1は、光ビームが照射されることにより状態が変化する材料で形成されている。このような相変化型材料としては、GeTe系、TeSe系、GeSbSe系、TeOx系、InSe系、GeSbTe系等のカルコゲナイド系アモルファス半導体材料やInSb系、GaSb系、InSbTe系等の化合物半導体材料などを用いることができる。この記録層1は、真空蒸着法やスパッタリング法等で形成することができる。この記録層1の膜厚としては、実用上数nm〜数μmの範囲であることが好ましい。
保護層2,3は、記録層1を挟むように配設されており、記録ビームの照射により記録層1が、飛散したり、穴があいてしまうことを防止する役割を有している。また記録のときの記録層の加熱,冷却の熱拡散を制御する役割もある。この保護層2,3は、SiO2 、SiO、AlN、Al2 O3 、ZrO2 、TiO2、Ta2 O3 、ZnS、またはこれらの混合材料等を真空蒸着法やスパッタリング法などで形成することができる。保護層2,3の膜厚は実用上数nm〜数μmであることが好ましい。
反射層4は、記録層の光学的変化を光学的にエンハンスして再生信号を増大させる効果と記録層の冷却効果がある。この反射層4は、Au、Al、Cu、Ni−Cr、またはこれらを主成分とした合金等の金属膜を真空蒸着法やスパッタリング法などで形成することができる。反射層の膜厚は、実用上数nm〜数μmであることが好ましい。
保護層5は、相変化光ディスクを取り扱う上での傷、ほこり等を防止するために配設されるものであり、通常紫外線硬化樹脂などにより形成される。この保護層5は、例えば紫外線硬化樹脂をスピンコート法により反射層4の表面に塗布し、紫外線を照射して硬化させて形成する。この保護層5の膜厚としては、実用上数μm〜数百μmの範囲であることが好ましい。
光吸収性保護層7は、誘電体材料と金属材料、半金属材料または半導体材料(以下、金属材料等と記す)との混合材料からなる。誘電体材料は、使用する光ビームの波長に対して光吸収を持たないが、用いる光ビームの波長に対して光吸収を有する金属材料等を混合することによって、適切な光吸収性を持たせることができる。すなわち、誘電体材料と金属材料等とを適宜の割合で混合することにより、所望の層厚で所望の光吸収性を持たせることができるのである。光吸収性の点のみを考慮するとこのような目的の保護層を金属材料等のみで構成することが考えられるが、この場合には光吸収が高いため薄い膜に限られ、媒体設計の自由度が低下してしまう。なお、金属材料等には、金属等の単体、合金、および金属間化合物のいずれも含む。
上記誘電体材料としては、使用する光ビームの波長に対して光吸収を持たない誘電体材料を用いることができる。例えば半導体レーザの波長に対しては、SiO2 、SiO、AlN、Al2 O3 、ZrO2 、TiO2 、Ta2 O3 、ZnS、SiC、SiNなどの材料、またはこれらの混合材料等を用いることができる。
上記金属材料としては、使用する光ビームの波長に対して光吸収を有する金属材料あるいは半金属や半導体材料を用いることができる。例えば半導体レーザの波長に対しては、元素周期表の3族aのY、4族aのTi,Zr、5族aのV,Nb,Ta、6族aのCr,Mo,W、7族aのMn、8族のFe,Ru,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt、1族bのCu,Ag,Au、2族bのZn,Cd、3族bのB,Al,In、4族bのC,Si,Ge,Sn,Pb、5族bのSb,Bi、6族bのSe,Te、などのまたはこれらの混合材料等を用いることができる。
また、光吸収性保護層7の誘電体材料と金属材料等との混合比は、要求される光吸収性に応じて適宜設定される。すなわち、誘電体材料は本質的に吸収係数が0であるから、吸収係数が0より大きい値になるように金属材料等の量を適宜設定する。そして、吸収係数が0.01以上9.0以下になるように金属材料等の量を設定することが好ましい。吸収係数が0.01以下では光吸収効果が小さく、9.0以上では吸収性が高いのでこの層厚を厚くすることができず、光ディスクの設計マージンが狭くなってしまう。
この光吸収性保護層7の膜厚は、実用上光吸収性保護層としての機能から光記録の記録再生で使用される光ビームを完全には遮断しない膜厚で、さらに光学的、熱的要件から数nmから数μmの範囲の所定の膜厚が設定されることが望ましい。
この光吸収性保護層7はスパッタリングまたは真空蒸着などの気相法で形成することができる。例えば、スパッタリングでは、光吸収性保護層7を構成する材料の金属または合金のターゲットを用いる。または、光吸収性保護層7を構成する材料のターゲットを用いて同時スパッタ法により形成することも可能である。
金属薄膜は活性で吸着性が高いので、真空を破ることなく、記録層1、保護層2、光吸収性保護層7、反射層4、を連続して成膜することが望ましい。
(第2の実施例)図2は本発明の第2の実施例に係る相変化光ディスクの層構成を模式的に示す図である。この図に示すように、この実施例に係る相変化光ディスクは、光ディスク基板6上に、光吸収性保護層7、保護層3、記録層1、保護層2、反射層4、保護層5がこの順に形成された層構成を有している。この実施例では、光ディスクの構造上、光吸収保護層7の位置が第1の実施例とは異なっている。
この層構成は単板の場合の例であり、第1の実施例と同様、記録層1のある面を内側にしてこの単板光ディスク2枚を貼り合わせ両面使用の光ディスクとすることも可能である。また、用途に応じて、保護層5は省略することも可能である。
この実施例において、基板6、光吸収性保護層7、保護層3、記録層1、保護層2、反射層4、保護層5はそれぞれ第1の実施例と同様に構成されている。また、この実施例でも第1の実施例と同様、真空を破ることなく、光ディスク基板6上に光吸収性保護層7、保護層3、記録層1、保護層2、反射層4、を連続して成膜することが望ましい。
また、この実施例の応用例として、光ディスク基板6上に誘電体の保護層を設けその上に光吸収性保護層7、保護層3、記録層1、保護層2、反射層4、を配設することもできる。光ディスク基板6上の誘電体の該保護層は、保護層3と同様の材料を用いることができ、所定の膜厚に設定することができる。
(第3の実施例)図3は本発明の第3の実施例に係る相変化光ディスクの層構成を模式的に示す図である。この図に示すように、この実施例に係る相変化光ディスクは、光ディスク基板6上に、保護層3、記録層1、光吸収性保護層7、反射層4、保護層5がこの順に形成された層構成を有している。
この層構成は単板の場合の例であり、従前の実施例と同様、記録層1のある面を内側にしてこの単板光ディスク2枚を貼り合わせ両面使用の光ディスクとすることも可能である。また、用途に応じて、保護層3、保護層5は、それぞれ省略することも可能である。
この実施例において、基板6、保護層3、記録層1、光吸収性保護層7、反射層4、保護層5はそれぞれ従前の実施例と同様に構成されている。光吸収性保護層7は、反射層4と記録層1との間に配設される。この実施例においても第3の実施例と同様、光吸収性保護層7が記録層1に接していることから、記録層1との間の拡散を防止するために、光吸収性保護層7を構成する金属材料等の融点は記録層1の融点よりも高いことが望ましく、記録層1の摂氏での融点の3倍以上であることが望ましい。
金属薄膜は活性で吸着性が高いので、真空を破ることなく、記録層1、光吸収性保護層7、反射層4、を連続して成膜することが望ましい。
(第4の実施例)図4は本発明の第4の実施例に係る相変化光ディスクの層構成を模式的に示す図である。この図に示すように、この実施例に係る相変化光ディスクは、光ディスク基板6上に、保護層3、記録層1、光吸収性保護層7、保護層5がこの順に形成された層構成を有している。
この層構成は単板の場合の例であり、従前の実施例と同様、記録層1のある面を内側にしてこの単板光ディスク2枚を貼り合わせ両面使用の光ディスクとすることも可能である。また、用途に応じて、保護層3、保護層5は、それぞれ省略することも可能である。
この実施例において、基板6、保護層3、記録層1、光吸収性保護層7、保護層5はそれぞれ従前の実施例と同様に構成されている。光吸収性保護層7は、記録層1の上に配設される。この実施例においても第3および第4の実施例と同様、光吸収性保護層7が記録層1に接していることから、記録層1との間の拡散を防止するために、光吸収性保護層7を構成する金属材料等の融点は記録層1の融点よりも高いことが望ましく、記録層1の摂氏での融点の3倍以上であることが望ましい。
金属薄膜は活性で吸着性が高いので、真空を破ることなく、記録層1、光吸収性保護層7を連続して成膜することが望ましい。
(製造方法)図5を参照しながら上記第1ないし第4の実施例に係る情報記録媒体(相変化光ディスク)の製造方法の一例について説明する。
図5はこの実施例の情報記録媒体を製造するために用いられるスパッタリング装置の概略構成を示す縦断面図、図6はその横断面図である。図中参照符号10は真空容器を示し、この真空容器10は、その底面にガス導入ポート11及びガス排出ポート12を有している。ガス排出ポート12は排気装置13に接続されており、排気装置13により排出ポート12を介して真空容器10内が排気される。またガス導入ポート11はアルゴンガスボンベ14に接続されており、このボンベ14から真空容器10内にガス導入ポート11を介してスパッタリングガスとしてのアルゴンガスが導入される。
真空容器10内の上部には、基板支持用の円盤状の回転基台15がその面を水平にして配設されており、その下面に基板6が支持され、図示しないモーターによって回転されるようになっている。
また、真空容器10内の底部近傍には、基台15に対向するように、各層を構成する記録層1用のGe−Sb−Te系材料からなるスパッタリング源21、保護層2及び3用のZnS系材料からなるスパッタリング源22、反射層4用のAl系合金からなるスパッタリング源23、及び本発明に係わる光吸収性保護層7および/または光吸収性保護層8用の材料、例えばZnS−SiO2 −Wからなるスパッタリング源24が配設されており、各スパッタリング源には図示しない高周波電源が接続されている。
これらのスパッタリング源21,22,23,24の上部には、それぞれモニタ装置(スパッタリング源21,23にそれぞれ対応するモニタ装置25,27のみ図示)が設けられており、これらモニタ装置により各スパッタリング源からのスパッタリング量をモニタし、各層が所定の膜厚になるように各スパッタリング源のスパッタリング時間を調節するようになっている。
このようなスパッタリング装置においては、まず排気装置により真空容器10内を例えば10-6Torr台の真空度まで排気する。次いでガス導入ポート11を介して容器10内にアルゴンガスを導入しつつ、排気装置13の排気量を調節して真空容器10内を所定のアルゴンガス雰囲気に保持する。この状態で、基板6を回転させつつ、各スパッタリング源に層構成の順番に所定時間所定の電力を印加する。これにより、基板6に所定の層構成を形成することができる。
本発明では特に、光吸収性保護層7(光吸収性保護層8を有する第3の実施例の層構成では光吸収性保護層7および光吸収性保護層8)の成膜の前後で真空容器10を開けて大気に曝すことなく光吸収性保護層7および/または光吸収性保護層8を成膜する。これによって、光吸収性保護層7および/または光吸収性保護層8及び記録層1の酸化やゴミの混入を防止することができ、光吸収性保護層7および/または光吸収性保護層8の記録層1との密着性を優れたものにすることができる。
(実験例)上記製造方法で以下に示す層構成のディスクNo.1,2,3,4を作製した。
また、記録特性の比較のために、図7に示す層構成の記従来例1に係るディスクNo.5を作製した。この従来例のディスクNo.5は第1の実施例の光ディスクから光吸収保護層7を除いた構成、すなわち、基板6上に、保護層3、記録層1、保護層2、反射層4、保護層5を順に形成した層構成を有している。
ディスクNo.1は、前述の実施例1に係わるもので、反射層4と保護層2の間にZnS−SiO2 −Wからなる光吸収性保護層7を設けたものである。各層の膜厚は、基板6側からZnS系保護層3(100nm)、GeSbTe記録層1(20nm)、ZnS系保護層2(10nm)、ZnS−SiO2 −W光吸収性保護層7(25nm)、Al系反射層4(100nm)とした。
ディスクNo.2は、前述の実施例2に係わるもので、基板1側の保護層3を介してZnS−SiO2 −Wからなる光吸収性保護層7を設けたものである。各層の膜厚は、基板6側からZnS系保護層(100nm)、ZnS−SiO2 −W光吸収性保護層7(25nm)、ZnS系保護層3(10nm)、GeSbTe記録層1(20nm)、ZnS系保護層2(25nm)、Al系反射層4(100nm)とした。
ディスクNo.3は、前述の実施例3に係わるもので、反射層4と記録層1の間にZnS−SiO2 −Wからなる光吸収性保護層7を設けたものである。各層の膜厚は、基板6側からZnS系保護層3(100nm)、GeSbTe記録層1(20nm)、ZnS−SiO2 −W光吸収性保護層7(25nm)、Al系反射層4(100nm)とした。
ディスクNo.4は、前述の実施例4に係わるもので、記録層1の上にZnS−SiO2 −Wからなる光吸収性保護層7を設けたものである。各層の膜厚は、基板6側からZnS系保護層3(100nm)、GeSbTe記録層1(20nm)、ZnS−SiO2 −W光吸収性保護層7(500nm)とした。
また、上記従来例に係るディスクNo.5の各層の膜厚は、基板6側からZnS系保護層3(100nm)、GeSbTe記録層1(20nm)、ZnS系保護層2(25nm)、Al系反射層4(100nm)とした。
なお、ディスクは直径86mmの基板を用いた。また、各ディスクの特性の評価は波長680nmの光ビームを使用した。光吸収性保護層としては上述したようにZnS−SiO2 誘電体にWを混合したものを用いた。Wは融点が約3380℃で記録層1のGeSbTeの融点約600℃の3倍以上高温であり、熱的安定性にも優れている。記録層1に接して使用する場合、GeSbTeとの濡れ性も優れている。波長680nmにおいて、ZnS−SiO2 誘電体の光学定数を測定すると屈折率2.0であるが、これにWを同時にスパッタ法で混合すると屈折率2.8、吸収係数0.4となった。この混合したときの屈折率と吸収係数は、混合するWの量によって調整できる。
その結果を図8から図12に示す。図8はディスクNo.1の記録層が非晶質状態(実線)と結晶状態(点線)の場合の各層の光吸収を示す。図9はディスクNo.2の記録層が非晶質状態(実線)と結晶状態(点線)の場合の各層の光吸収を示す。図10は、ディスクNo.3の記録層が非晶質状態(実線)と結晶状態(点線)の場合の各層の光吸収を示す。図11はディスクNo.4の記録層が非晶質状態(実線)と結晶状態(点線)の場合の各層の光吸収を示す。図12は従来例ディスクNo.5の記録層が非晶質状態(実線)と結晶状態(点線)の場合の各層の光吸収を示す。表2に各ディスクの記録層の吸収率の比較をまとめて示す。
これらの結果から明らかなように、従来例のディスクNo.5では、非晶質状態のほうが結晶状態より記録層の光吸収が12%大きい。これに対して本発明の実施例であるディスクNo.1からディスクNo.4では記録層の光吸収率差がいずれも12%より小さくなり、非晶質状態と結晶状態の記録層の光吸収差が従来の光ディスクよりも改善されていることが確認される。特にディスクNo.4では結晶状態の方が非晶質状態よりも記録層の光吸収が大きくなっており、非晶質状態と結晶状態の記録層の光吸収差の改善の効果が大きい。
以上説明したように本発明によれば、従来の相変化光ディスクよりも記録層における非晶質状態と結晶状態との光吸収の差を少なくすることができ、高記録密度化に適した情報記録媒体およびその製造方法を提供することができる。
またこの発明ではこの光吸収性保護層と記録層、誘電体保護層、または反射膜との付着力の改善の効果も期待できるのでより信頼性の向上した相変化光ディスクを提供することができる。
さらに、相変化型の記録層と接して該光吸収性保護層を設けることによって上の誘電体保護層あるいは反射膜を省略することも可能となり、ディスクの低コスト化が図れる。
1…記録層、2…保護層、3…保護層、4…反射層、5…保護層、6…光ディスク基板、7,8…光吸収性保護層、9…保護層、10…真空容器、11…ガス導入ポート、12…ガス排気ポート、13…排気装置、14…アルゴンガスボンベ、15…回転台、21,22,23,24…スパッタリング源、25,27…モニタ装置。
Claims (5)
- 基板と、
光ビームを受光し、受光部分が状態変化を生じることにより情報が記録される相変化型の記録層と、
前記基板と前記記録層との間に設けられた誘電体保護層と、
前記基板と前記誘電体保護層との間に設けられ、誘電体材料と金属、半金属または半導体材料とを含む光吸収性保護層と、
を有することを特徴とする情報記録媒体。 - 前記誘電体保護層は、前記基板上に直接設けられている請求項1記載の情報記録媒体。
- 前記光吸収性保護層の金属、半金属または半導体材料は、前記記録膜の材料よりも融点が高く、記録膜材料とは固溶しないものであることを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体。
- 前記光吸収性保護層の誘電体材料は、SiO2 、SiO、AlN、Al2 O3 、ZrO2 、TiO2 、Ta2 O3 、ZnS、SiC、SiN、およびこれらの混合材料からなるなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記光吸収性保護層の金属材料、半金属または半導体材料は、周期律表の3族aのY、4族aのTi,Zr、5族aのV,Nb,Ta、6族aのCr,Mo,W、7族aのMn、8族のFe,Ru,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt、1族bのCu,Ag,Au、2族bのZn,Cd、3族bのB,Al,In、4族bのC,Si,Ge,Sn,Pb、5族bのSb,Bi、6族bのSe,Te、およびこれらの混合材料からなる群から選択少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
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