JP2004109785A - 反射体の製造方法及び液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る反射体の製造方法は、略円柱状の母型基材の表面に微細な凹凸形状が形成された母型15を用い、該母型15を転写樹脂膜17上に押圧しながら回転させて前記転写樹脂膜17に母型15の表面形状を転写する工程を有する。前記転写樹脂膜17上に金属反射膜を形成して反射体を構成することもでき、前記転写樹脂膜17に対して1回以上のNi電鋳を行って得られたNiの版により有機膜への形状転写を行っても良い。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射面に微細な凹凸形状を備えた反射体の製造方法、及び液晶表示装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話や携帯用ゲーム機などの携帯電子機器では、そのバッテリ駆動時間が使い勝手に大きく影響するために、消費電力を抑えることができる反射型液晶表示装置を表示部として備えている。反射型液晶表示装置は、その前面から入射する外光を反射するための反射膜を備えており、その形態としては液晶パネルを構成する2枚の基板の間に反射膜を内蔵したものや、透過型の液晶パネルの背面側に半透過膜を備えた反射体を配設したものが知られている。
【0003】
例えば、(特許文献1)に記載の反射型液晶表示装置では、液晶層を透過した光を反射させるための反射帯を、光を散乱させる際の指向性が異なる2種類以上の領域により構成し、かつ前記各領域の最大寸法が5mm角以下としている。すなわち、拡散指向性の異なる領域を1画素内、又は画素単位で混合し、必要な反射特性を得るようになっている。
このような拡散反射性を持たせる反射帯表面の凹凸構造の形成方法としては、上記(特許文献1)、あるいは下記の(特許文献2)等に記載されているように、サンドブラスト、エッチャントによるエッチング、フォトリソグラフィ等が利用され、フィルム基材に対してはエンボス加工等が用いられている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3019058号公報
【特許文献2】
特開平9−54318号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の形成方法により形成した微細な凹凸形状を有する反射帯では、その反射特性を所望の状態に制御することが極めて困難であるという問題があった。これは、反射帯の反射、拡散特性に異方性や非対称性を付与するためには、前記凹凸形状を適切に制御する必要があるが、上述の方法では、凹凸部の分布にランダム性を付与するのは容易であるものの、凹凸部が等方的な形状にならざるを得ないためである。
また、反射拡散特性を制御するために前記反射帯の凹凸形状を個別に制御して形成することもできるが、加工リードタイムの延長や、歩留まりの低下、それらの結果生じる製造コストの大幅な増加等の問題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ランダムな凹凸形状を備えた反射体を、高効率で歩留まり良く製造する方法を提供することを目的としている。
また液晶表示装置の反射層の形成に適用することができる微細凹凸形状の形成方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明に係る反射体の製造方法は、有機膜と、該有機膜上に形成された金属反射膜とを備え、前記有機膜表面に多数の凹部又は凸部が連続的に形成された反射体を製造するに際して、略円柱状の母型基材の表面に微細な凹凸形状が形成された母型を用い、該母型を転写樹脂膜上に押圧しながら回転させて前記転写樹脂膜に母型の表面形状を転写する工程を有することを特徴としている。
上記構成の製造方法は、光を反射させる金属反射膜に微細な凹凸形状を与えて反射光を散乱させ、特定方向の反射光の輝度が突出して高くなるのを防ぐとともに、広い角度範囲で高い輝度を得られるようにした反射体の製造に好適な製造方法である。係る製造方法では、樹脂材料などからなる有機膜の表面の微細凹凸形状の形成に、略円柱状の母型基材の表面に微細な凹凸形状が形成された母型が利用される。すなわち、樹脂転写膜上で前記母型を押付けながら転がすことで樹脂転写膜に母型の微細凹凸形状を効率よく転写し、その転写樹脂膜を有機膜として用いる、あるいは転写樹脂膜を転写型として用いて有機膜に微細凹凸形状を形成する等の手法により表面に微細凹凸形状が形成された有機膜が得られる。前記母型が略円柱状であることから、加圧力が略円柱状の接触面に加わるので、平板面に対して加圧する場合に比して実質的に高まり、加工精度が向上するだけでなく、圧力が母型の転回方向へは樹脂転写膜の長さに制限が無く、大型の基板を用いた反射体の製造にも極めて容易に適用することができ、反射体の微細凹凸形状の形成を極めて効率よく行うことができる。
【0008】
次に、本発明に係る反射体の製造方法においては、前記母型の微細凹凸形状が転写された前記転写樹脂膜の面上に前記金属反射膜を形成して反射体を作製することができる。
上記構成の製造方法は、先に記載の樹脂転写膜をそのまま有機膜として用いて反射体を構成するものである。係る製造方法によれば、前記母型表面と逆凹凸形状の微細凹凸形状を備えた有機膜上に金属反射膜を、少ない工数で作製することができる。
【0009】
次に、本発明に係る反射体の製造方法は、前記母型の微細凹凸形状が転写された転写樹脂膜上に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を電極としたNi電鋳によりNi版を作製する工程と、前記Ni版に転写された微細凹凸形状を前記有機膜に転写する工程と、を有する構成とすることもできる。
上記構成の製造方法では、母型の微細凹凸形状が形成された転写樹脂膜を元型としてNi電鋳によりNi版を作製し、そのNi版を用いて有機膜の加工を行う。従って、有機膜表面に前記母型と逆凹凸の形状が形成された反射体を作製することができる。係る製造方法では、略円柱状の母型から大型のNi版を作製して有機膜の加工を行うことができるため、特に、有機膜表面に微細凹凸形状を形成する工程における製造効率を高めることができるという利点を有している。
【0010】
次に、本発明に係る反射体の製造方法は、前記母型の微細凹凸形状が転写された転写樹脂膜上に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を電極としたNi電鋳によりNi版を作製する工程と、前記Ni版を電極としてNi電鋳を行い、前記Ni版上の金属膜上にNi膜を形成する工程と、前記Ni膜を金属膜から剥離する工程と、前記Ni膜に転写された微細凹凸形状を前記有機膜に転写する工程と、を有する構成とすることができる。
上記構成の製造方法は、母型から作製した転写樹脂膜を用いてNi版を作製し、このNi版を元型とするNi電鋳を再度行うことで、母型と逆凹凸の微細凹凸形状を備えたNi膜を作製し、そのNi膜を用いて有機膜の加工を行うものである。従って、係る製造方法によれば、母型とほぼ同一の微細凹凸形状を有する有機膜を形成することができるので、作製された反射体の反射特性を母型にフィードバックし易くなり、反射特性の変更に容易かつ迅速に対応することが可能になる。
【0011】
次に、本発明に係る反射体の製造方法は、前記母型の微細凹凸形状が転写された転写樹脂膜上に金属膜を形成する工程と、前記金属膜を電極としたNi電鋳によりNi版を作製する工程と、前記Ni版を電極としてNi電鋳を行い、前記Ni版上の金属膜上にNi膜を形成する工程と、前記Ni膜を金属膜から剥離する工程と、前記Ni膜の背面側に緩衝材を配設し、該緩衝材を内側にして略円柱状の基体周面に前記Ni膜を巻回することによりロール版を作製する工程と、前記ロール版を、有機膜上に押圧するとともに回転させて前記Ni膜外面の微細凹凸形状を前記有機膜表面に転写する工程と、を有する構成とすることもできる。
上記構成の製造方法は、母型と逆凹凸の微細凹凸形状を有するNi膜を、略円柱状に巻回して作製したロール版を用いて有機膜の加工を行うものである。従って、本製造方法によれば、母型の表面とほぼ同一の微細凹凸形状を備えた反射体を得ることができる。係る製造方法によれば、板状のNi版を有機膜に押圧して形状を転写する場合のように、版と有機膜との剥離のための工程を別途用意しなくとも、ロール版の回転とともに有機膜の加工と、有機膜と版との離間が行われるため、極めて効率よく有機膜への形状転写工程を行うことができる。
また、上記構成では、Ni膜と略円柱状の基体との間に緩衝材が設けられているため、有機膜の加工を行う際に、有機膜への加圧力が制御し易くなって加工し易くなるとともに、Ni膜や有機膜が過圧されて破損するのを効果的に防止することができ、ロール版の長寿命化と、作製される有機膜の歩留まりの向上を実現することができる。
【0012】
次に、本発明に係る反射体の製造方法においては、前記母型の微細凹凸形状が、内面に球面の一部を含む多数の凹部が連続的に配列された形状であることが好ましい。
上記構成とすることで、反射体に入射した光を広角に反射させ、広い角度範囲で高い反射輝度が得られる反射体を提供することができる。
【0013】
次に、本発明に係る液晶表示装置は、対向して配置された上基板と下基板との間に、液晶層を挟持し、前記下基板の内面側に反射層を備えた液晶表示装置を製造するに際して、先に記載の本発明の反射体の製造方法により前記下基板上に前記反射層を形成することを特徴としている。
係る液晶表示装置の製造方法によれば、先の反射体の製造方法が適用されることで、極めて効率よく反射層の形成を行うことができるとともに、反射体の反射特性の変更に対する母型の表面形状の変更が容易であり、種々の反射特性を有する液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(反射体の製造方法)
まず、本発明に係る反射体の製造方法により作製することができる反射体について説明する。図1は、本発明に係る反射体の構成の一例を示す部分斜視図であり、図2Aは、図1に示す反射体に形成された凹部の平面構成図であり、図2Bは、図2Aに示すG−G線に沿う断面構成図である。
図1に示す反射体10は、AlやAg等の高反射率の金属反射膜12と、この金属反射膜12に所定の表面形状を与えるためのアクリル樹脂材料などからなる有機膜11とを備えて構成されている。この有機膜12の表面に、複数の凹部13が設けられており、この凹部13上に形成された金属反射膜12により反射性を得ている。
【0015】
図2A、図2Bに示す凹部13の内面は、各々半径が異なる2つの球面の一部である第1曲面13aと、第2曲面13bとを含んでおり、これらの曲面13a,13bの中心O1,O2は凹部13の最深点Oの法線上に配置されており、第1曲面13aはO1を中心とする半径R1の球面の一部とされ、第2曲面13bはO2を中心とする半径R2の球面の一部とされている。そして、図2Aに示す平面図において、凹部13の最深点Oを通過し、G−G線に直交する直線Hの近傍において第1曲面13aと第2曲面13bとが概ね区画されている。
【0016】
図3は、上記構成を備えた反射体10に、図2における図示右側から入射角30°で光を照射し、受光角を反射面に対する正反射の方向である30°を中心として±30°の範囲(0°〜60°;0°が液晶パネル20の法線方向に相当)で振って反射体10の反射率(%)を測定した結果を示すグラフである。
この図に示すように、上記構成を備えた反射体10によれば、半径の比較的小さい球面からなる第2曲面13bの傾斜角の絶対値が比較的大きいことから、反射光が広角に散乱されて約15°〜50°の広い受光角範囲で高い反射率を得ることができ、また、半径が比較的大きい球面からなる第1曲面13aにおける反射により、前記第2曲面13bよりも特定方向の狭い範囲に散乱される反射が生じるため、全体として反射率が正反射方向である30°よりも小さい角度で最大となり、そのピークの近傍における反射率も高くなる。その結果、反射体13に入射し反射された光のピークが正反射方向よりも反射体13の法線方向に近い側にシフトするので、反射体13正面方向の反射輝度を高めることができる。従って、例えば本実施形態の反射体10を液晶表示装置の反射層に適用するならば、液晶表示装置の正面方向における反射輝度を向上させることができ、もって液晶表示装置の観察者方向への輝度を高めることができる。
【0017】
次に、上記構成の反射体を製造する方法について図面を参照して以下に説明する。
図4は、本実施形態の製造方法において、反射体の凹凸形状を形成するための母型を示す斜視構成図であり、図5は、図4に示す母型を用いてロール版を作製する工程を示す断面構成図であり、図6は、図5に示す工程により作製されたロール版の断面構造を示す図であり、図7は、図6に示すロール版を用いて反射体の凹凸形状を形成する工程を示す斜視構成図である。
【0018】
まず、図4に示す母型15は、その周面の加工領域16に微細な凹部が多数形成された領域を有する円柱状の部材であり、鉛や銅、真ちゅう、はんだ、ステンレス鋼などから構成されている。この母型15の周面に形成される凹部の形状は、図1に示す凹部13とほぼ同様の形状であり、この周面の形状が図1に示す有機膜11の表面形状に相当する。次に、図5Aに示すように、図4に示す母型15の表面形状を転写樹脂膜17に転写する。この工程において、母型15は、下側送りローラ19と、必要に応じて設けられる上側送りローラ20との間に、これらのローラ19,20と軸平行に垂直に配列されている。また、母型15と下側送りローラ19との間に、被加工物である転写樹脂膜17を表面に塗布された基板18が通過できるようになっており、母型15及び下側送りローラ19とが相互に滑り無く回動できるようにするための手段が設けられている。上記基板18の送り方向上流側に、基板18上に転写樹脂膜17を塗布形成する樹脂供給部22が設けられており、母型15よりも下流側の基板18上方に紫外線照射部24が配設されている。尚、母型15による加圧加工において、転写樹脂膜17の粘度あるいは硬さを調整するために、樹脂供給部22と母型15との間の基板18上方に、補助の紫外線照射手段を設けることもできる。
【0019】
前記基板18は、ガラス基板やプラスチック基板、樹脂フィルム基板などを用いることができる。また、樹脂供給部22により基板18上に塗布形成される転写樹脂膜17は、本実施形態では紫外線硬化樹脂を用いているが、熱硬化樹脂であっても良く、その場合には、紫外線照射部23,24をヒートランプ等の熱源とすればよい。上記送りローラ19,20は、基板18上で母型15を滑らせることなく回転させるために設けられており、母型15のスリップや転写樹脂膜17の破損等が生じなければ、どのような材質のものであっても構わない。
【0020】
上記構成の図5Aに示す工程では、送りローラ19,20を回転させることにより母型15を回転させた状態で、母型15と下側送りローラ19との間に基板18を挿入して基板18を図示右方向へ移動させながら、基板18上の転写樹脂膜17を母型15の表面に押し付けて母型15の表面形状を転写樹脂膜17に転写し、転写樹脂膜17表面に凹凸面25を形成する。転写樹脂膜17は、基板18を図示右方向へ移動させながら、樹脂供給部22により樹脂材料を順次塗布することにより形成し、母型15による形状加工を行う前に必要に応じて紫外線照射手段による予備硬化を行い、母型15による加工後に紫外線照射部24による最終硬化を行ってその表面形状を保持するようになっている。以上の工程により、転写樹脂膜17表面に母型15と逆凹凸の凹凸面25が形成された樹脂版26を得る。
【0021】
次に、図5Bに示すように、図5Aに示す工程により得られた樹脂版26の凹凸面25上に、金属膜27を成膜する。次いで、金属膜27を電極として用いた電解メッキによりNi膜28を形成する(Ni電鋳)。上記金属膜27は、金メッキ膜とすることが好ましく、これらの金属膜を形成することで、金属膜27とNi膜28との剥離をNi膜28に破損を生じることなく容易に行うことができる。
上記金属膜27及びNi膜28の膜厚は、特に限定されないが、金属膜27が5nm〜50nm程度、Ni膜28が30μm〜200μm程度とすればよい。次に、図5Bに示すように金属膜27上にNi膜28を形成したならば、これらの金属の薄膜と、樹脂版26とを剥離して、一面側に母型15表面と略同一の凹凸形状が形成されたNi膜28と、Ni膜28の凹凸形状に沿う金属膜27とからなるNi版30を得る。
【0022】
次に、図5Cに示すように、上記工程で得たNi版30の金属膜27上に、Ni電鋳によりNi膜31を形成する。このNi膜31の形成に際しては、図5Bに示すNi膜28と同様の形成方法を適用することができる。また、Ni膜31の膜厚は、特に限定されないが、30μm〜200μmとすればよい。次いで、上記にて形成したNi膜31を金属膜27から剥離して、母型15の表面と逆凹凸の表面形状を有するNi版を得る。この金属膜27とNi膜31との剥離は、各薄膜の熱膨張差を利用することで行う。従って、金属膜27として、熱膨張率の小さい金等を用いることで、金属膜27とNi膜31との剥離をさらに容易に行うことが可能となる。
【0023】
次に、図5Dに示すように、上記工程にて得られたNi版(Ni膜31)の凹凸面と反対側の面に、ゴムなどの弾性体からなる緩衝材32を貼着する。そして、図6に示すように、円柱状の基体34に、緩衝材32を内側にして巻き付けることで、母型15と逆凹凸の表面形状を有するロール版35が得られる。
【0024】
そして、図7に示すように、ガラスやプラスチックなどからなる製品基板37の被加工領域38に、紫外線硬化樹脂や、熱硬化樹脂を塗布して有機膜を形成し、その後上述の工程により作製したロール版35を回転させながら被加工領域38に押圧することで前記被加工領域38の有機膜表面にロール版35のNi膜31の表面形状を転写する。次いで、加工された有機膜を紫外線照射や加熱により硬化し、有機膜表面にAlやAg等の高反射率の金属反射膜を形成することで、図1に示す本実施形態に係る反射体を得ることができる。
【0025】
また、本実施形態に係る反射体の製造方法において、有機膜の加工に用いられるロール版35と、被加工領域38とは、ロール版35の加工面(Ni膜31表面の凹凸形状が形成された領域)35aの幅W1が被加工領域38の幅W2よりも広く、ロール版35の円周が被加工領域38の長さDよりも長くなるように組み合わされる。これは、図6に示すロール版35の円周上に、図5Dに示すNi膜31を緩衝材32とともにロール状に巻回した継ぎ目が生じること、及びNi膜31の幅が有限であることによる。すなわち、図7に示す工程で、上記ロール版35の継ぎ目が被加工領域38上を通過しないようにする必要があり、また、加工領域35aの幅方向の端部も被加工領域38に掛からないようにする必要があるからである。
【0026】
本実施形態の製造方法において、図7に示す被加工領域38は、1つの反射体の有機膜で構成されていても良く、複数の反射体の有機膜を含んで構成されていていてもよい。また、図8に示すように、ロール版35の幅W1よりも小さい幅W2を有する複数の被加工領域38Aが配列形成された製品基板37Aを用い、ロール版35を用いた加工を各被加工領域38Aに対して行うようにすることもできる。つまり、ロール版35を1周回転させて加工することができる領域の面積と、被加工領域38,38Aの面積とが上述の関係となっていれば、被加工領域38,38A内に形成される有機膜の区画や、製品基板37,37Aの寸法等に制限はない。
【0027】
また、上述の説明では、母型15と逆凹凸のロール版35を作製し、製品基板37の有機膜上に母型15と略同一形状の凹凸を形成する場合について説明したが、本発明に係る製造方法では、製品基板37の加工に際して種々の形態を採用することができる。例えば、母型15を用いて直接製品基板37の有機膜の加工を行うこともでき、その場合には、図1及び図2に示す反射体10とは逆凹凸の表面形状を有する反射体を製造することができる。更には、Ni膜31をロール版35の形態とせずに、板状に保持したまま有機膜に押圧して製品基板37の加工を行っても良い。また、同様の加工にはNi膜28も適用することができる。
【0028】
(母型の製造方法)
次に、図4に示す母型15の製造方法について説明する。図9は、図4に示す母型15を作製するための母型製造装置の一実施の形態を示す工程図である。この図に示す母型製造装置40は、円柱状の母型基材41と、母型基材41の上方に配置され、母型基材41の表面に凹状の圧痕を打刻するための圧子47とをその要部として備えており、前記母型基材41は、その一側端面(図示左側側面)に係合部44を介して接続された基材駆動部45によりその軸周りに回転自在とされている。また前記圧子駆動部(圧子駆動手段)48は、スライダ56に支持されて前記母型基材41の長さ方向(図示左右方向)に移動自在とされ、圧子駆動部48とスライダ56とにより基材41を加工するための加工ヘッドを成している。。前記母型基材41には、鉛や真ちゅう、はんだ、ステンレス鋼等の塑性加工が比較的容易な金属材料の基材が用いられる。
【0029】
係合部44は基材駆動部45に接続されるとともに前記母型基材41の一端側を嵌合固定しており、前記基材駆動部45により母型基材41を回転できるようになっている。また、上記基材駆動部45は0.数μm〜数百μmのピッチで母型基材41の軸周りの位置を制御できるようになっている。そのため、基材駆動部45にはサーボモータやステッピングモータなどの微小回転量を制御できる駆動手段が用いられる。
また、上記母型基材41は、軸周りの中心位置精度を保持するため手段、例えばローラ等の補助支持手段50により軸支されている。この補助支持手段50は、母型基材41の軸方向に移動可能に構成されている。また、補助支持手段50は、母型基材41の垂直方向に高さの微調整を行う機能を兼備していても良い。
【0030】
圧子47は、先に記載のように、圧子駆動部48により母型基材41の径方向に移動自在とされており、先端部(図示下方側)に向かって先細りに形成されており、先端47aは母型基材41に打刻する圧痕の形状に加工されている。すなわち、図2に示す形状の凹部13を有する図1の反射体10を製造するための母型を作製する場合には、図2に示す凹部13と逆凹凸の形状を圧子47の先端部47aに形成する。図10は、図2に示す形状の凹部13を有する反射体を形成するための母型15の作製に好適な圧子の先端部47aの形状を示す断面構成図である。この図に示す圧子47は、その先端部47aが、各々半径が異なる外側に凸なる球面の一部を成す第1曲面47Aと、第2曲面47Bとを含んで構成された例を示している。すなわち、図2に示す凹部13の第1曲面13aの内面と図10に示す第1曲面47Aの外面とがほぼ一致する形状とされ、第2曲面13b内面と第2曲面47B外面とがほぼ一致する形状とされている。
尚、上記先端部の形状は、作製する反射体の凹部(又は凸部)の形状に応じて適宜変更することができる。圧子47は、例えばステンレス製の本体の先端に所定形状に加工されたダイヤモンドを設けたものを使用することができ、超硬鋼、セラミックス、タングステン等であっても良い。この圧子47の先端47aの材質は母型基材41の材質に応じて適宜選択することができる。
圧子駆動部48としては、上記圧子47を上下方向に駆動して母型基材41の加工を行うことができる駆動手段であれば問題なく用いることができ、例えばソレノイドやピエゾ素子(圧電素子)等を好適な例として挙げることができる。
【0031】
図9中、加工ヘッド移動手段57は、加工ヘッド(圧子駆動部48及びスライダ56)を母型基材41の軸方向に沿って移動可能に支持しており、さらに径方向位置決め制御手段55と係合されて加工ヘッドの基材41径方向の位置制御も可能にしている。そして、加工ヘッド移動手段57により加工ヘッドは0.数μm〜数100μmピッチで母型基材41の軸方向に移動できるようになっている。
【0032】
以上の構成を備えた母型製造装置40により母型基材41の加工を行うには、まず、図9に示すように、円柱状の母型基材41をローラ等の補助支持手段50上に載置するとともに係合部44に固定する。また、スライダ56に支持された圧子駆動部48及び圧子47を、前記母型基材41の中心軸上方の初期位置(例えば母型基材41の右端部)に移動させる。上記母型基材41には、図5に示す転写樹脂膜17の幅(図5では紙面垂直方向の長さ)よりも凹部42が形成される領域の基材軸方向の長さWが大きいものを選択する。また、母型基材41の径は、特に限定されないが、基材41の径が小さしすぎると圧子47により打刻される被加工面の曲率が大きくなり加工精度が低下するおそれがあるため、実用上は少なくとも10mmφ程度以上とすることが好ましい。
【0033】
このようにして加工の準備が完了したならば、圧子駆動部48を作動させて圧子47を図示下方へ移動させ、圧子の先端47aにより母型基材41表面に凹部42を形成する。その後圧子47を上方へ移動させて母型基材41と離間させ、次いで、基材駆動部45を動作させて所定ピッチだけ母型基材41を回転駆動する。また、加工ヘッド移動手段57に接続された径方向位置決め制御手段55とを動作させてスライダ56(及び圧子47)を所定ピッチだけ母型基材41の軸方向に移動させる。このようにして母型基材41及び圧子47の移動が完了したならば、上記と同様に圧子駆動部48を動作させて圧子47による母型基材41表面への凹部42の打刻を行う。
そして、上記工程を順次繰り返し行い、図9に示すように、凹部42を母型基材41表面に略螺旋状に形成していく。この工程により母型基材41表面の領域に、所定範囲のピッチと深さを有する多数の凹部42が形成され、図4に示すような加工領域16を備えた母型15が得られる。
【0034】
上記母型製造装置40により作製される母型15は、図9に示すように凹部42が略螺旋状に連続的に形成されているので、母型基材41の周方向で継ぎ目のない母型であり、この母型15を用いた形状転写において、母型15の回転方向であれば、連続的に加工を行うことができるという利点を有している。従って、繰り返し再現性よく微細凹凸形状を形成することができるとともに、1回の加工で処理できる被加工物の面積を大きく、極めて効率良く反射体表面の微細凹凸形状の形成を行うことができる。また、上述した反射体の製造に用いた図6に示すロール版35を作製する場合にも、母型15に継ぎ目がないことから、ロール版35の径を大きくする必要が生じても、母型15による樹脂転写膜17の加工長さを大きくすることで容易に対応することができる。
【0035】
また、上記母型製造装置40を用いた製造方法によれば、圧子47の先端部47aの形状を適宜変更するのみで、任意の形状の凹部42を母型基材41周面に形成することができるので、図5〜図7に示す製造工程により作製される反射体の反射面形状の変更に極めて容易に対応することが可能である。従って、反射体の設計変更に伴うリードタイムを大幅に短縮することが可能であり、効率的に最適な表面形状を備えた反射体の製造を行うことができる。
【0036】
また、図1に示す反射体10を例えば液晶表示装置の反射層として適用する場合には、反射体10の反射面の凹部13の配列パターンと、液晶表示装置のパターン形状(例えば、画素電極やカラーフィルタ、ブラックマスクのパターン)とが干渉してモアレ模様が生じるのを避けるために、上記液晶表示装置のパターン形状に合わせて反射体10の凹部13の配列パターンを変更する必要がある。従来は、このようなモアレ防止の対策のために、液晶表示装置の種類毎に異なる転写型を用意して反射体の有機膜の加工を行っていたが、上記母型製造装置40により作製される母型15、及びこれを用いた反射体の製造方法によれば、同一の母型15又はロール版35を用いながら、モアレ対策の施された反射体10を作製することができる。この製造方法について、図11を参照して以下に説明する。
【0037】
図11A及び図11Bは、本実施形態の製造方法において、有機膜に形成される凹凸形状の配列パターンを変更する場合の製造工程を説明するための説明図であり、母型15又はロール版35を用いて製品基板37に配列形成された有機膜38aを加工する工程を示している。尚、図示及び説明は省略するが、図11に示す以外の工程は、図5及び図6、図9に示す反射体及び母型の製造方法に準ずるものとする。
本実施形態に係る製造方法では、反射体の凹凸の配列パターンが異なる反射体(又は液晶表示装置)を製造するに際して、例えばある1つの製品においては、図11Aに示すように、製品基板37の長辺と平行な向きに、母型15又はロール版35を有機膜38aに対して押圧しながら回転して加工を行い、他の種類の製品基板37を加工する場合に、図11Bに示すように、母型15又はロール版35の軸を、例えば角度θだけ回転させて製品基板37の片に対して傾斜する向きに母型15又はロール版35を転がして加工を行うことで、極めて容易に、凹凸形状の配列パターンの異なる有機膜38aを得ることができる。係る製造方法を採用するならば、製造工程をほとんど変更することなく、複数種の反射体(液晶表示装置)においてモアレ対策を講じることができ、極めて効率よく反射体の製造を行うことができる。
【0038】
(液晶表示装置)
図12は、本発明に係る反射体を液晶表示装置の反射層に適用した例を示す斜視構成図であり、図13は、図12に示す液晶表示装置の部分断面構成図である。
本実施形態の液晶表示装置は、図12及び図13に示すように、フロントライト(照明装置)110と、その背面側(図示下面側)に配置された反射型の液晶パネル120とを備えて構成されている。
フロントライト110は、図12に示すように、略平板状の透明の導光板112と、その側端面112aに沿って配設された中間導光体113と、この中間導光体113の片側の端面部に配設された発光素子115と、前記中間導光体113、発光素子115及び導光板112の側端部を覆うように中間導光体113側から被着された遮光性のケース体119とを備えて構成されている。すなわち、前記発光素子115と中間導光体113とがフロントライト110の光源とされ、導光板の側端面112aが導光板の入光面とされている。また、図12に示すように、導光板112の外面側(図示上面側)に、中間導光体113が配設された入光面112aに対して傾斜した向きに延在するように複数のプリズム溝114が配列形成されている。
液晶パネル120は、対向して配置された上基板121と下基板122とを備えて構成され、図12に点線で示す矩形状の領域120Dが液晶パネル120の表示領域とされ、表示領域120D内には実際には液晶パネルの画素がマトリクス状に配列形成されている。
上記構成の液晶表示装置は、液晶パネル120の表示領域120D上に導光板112が配置され、この導光板112を透過して液晶パネル120の表示を視認できるようになっている。また、外光が得られない暗所では、発光素子115を点灯させ、その光を中間導光体113を介して導光板112の入光面113から導光板内部へ導入し、導光板112の図示下面112bから液晶パネル120へ向けて出射させ、液晶パネル120を照明するようになっている。
【0039】
フロントライト110の導光板112は、液晶パネル120の表示領域上に配置されて発光素子115から出射された光を液晶パネル120に落射する平板状の部材であり、透明なアクリル樹脂などから構成されている。図13の部分断面図に示すように、導光板112の図示上面(液晶パネル120と反対側の面)は、断面視くさび状のプリズム溝114が互いに平行に平面視ストライプ状に形成された反射面112cとされており、図示下面(液晶パネル120と対向する面)は、液晶パネル120を照明するための照明光が出射される出射面112bとされている。前記プリズム溝114は、反射面112cの基準面Nに対して傾斜して形成された一対の斜面部により構成され、これらの斜面部の一方が緩斜面部114aとされ、他方がこの緩斜面部114aよりも急な傾斜角度に形成された急斜面部114bとされている。この緩斜面部114aは、導光板112の光伝搬方向の長さが短いほど傾斜角度を大きく、また前記長さが長いほど傾斜角度を小さく形成することで、フロントライト110の輝度の均一性を高めることができる。そして、導光板112内部を図示右側から左側へ伝搬する光を、反射面面112cの急斜面部114bにより出射面112b側へ反射して導光板112の背面側に配置された液晶パネル120に向けて出射させるようになっている。
【0040】
液晶パネル120は、カラー表示が可能な反射型のパッシブマトリクス型液晶パネルであり、図13に示すように、対向して配置された上基板121と下基板122との間に、液晶層123を挟持して構成され、上基板121の内面側に、図示左右方向に延在する平面視短冊状の複数の透明電極126aとこの透明電極126a上に形成された配向膜126bとを備え、下基板122の内面側には、反射層125、カラーフィルタ層129、複数の平面視短冊状の透明電極128a、及び配向膜128bが順次形成されている。
【0041】
上基板121の透明電極126aと、下基板122の透明電極128aは、いずれも短冊状の平面形状に形成されており、平面視ストライプ状に配列されている。そして、透明電極126aの延在方向と、透明電極128aの延在方向とは平面視において互いに直交するように配置されている。従って、一つの透明電極126aと一つの透明電極128aとが交差する位置に液晶パネル120の1ドットが形成され、それぞれのドットに対応して後述する3色(赤、緑、青)のカラーフィルタのうち1色のカラーフィルタが配置されるようになっている。そして、R(赤)、G(緑)、B(青)に発色する3ドットが、液晶パネル120の1画素を構成している。
【0042】
カラーフィルタ層129は、赤、緑、青のそれぞれのカラーフィルタ129R,129G,129Bが、周期的に配列された構成とされており、各カラーフィルタは、それぞれ対応する透明電極128aの下側に形成され、各画素120c毎にカラーフィルタ129R,129G,129Bの組が配置されている。そして、それぞれのカラーフィルタ129R,129G,129Bと対応する電極を駆動制御することで、画素120cの表示色が制御されるようになっている。
【0043】
次に、図13に示す下基板122の内面側に形成された反射層125は、図1の斜視構成図に示す構成を備えたものであり、図1に示すように、AlやAg等の高反射率の金属反射膜12と、この金属反射膜12に所定の表面形状を与えるためのアクリル樹脂材料などからなる有機膜11とを備えて構成されている。この有機膜11の表面に、複数の凹部13が設けられており、この凹部13上に形成された金属反射膜12により所定の反射性を得ている。従って、本実施形態に係る液晶表示装置の反射層125の凹部13は、図2に示す形状を有しており、図3に示す反射特性を有しているので、広い角度範囲で高輝度の反射表示が可能であるとともに、反射輝度のピークが、正反射方向よりもパネル法線方向へシフトしているため、通常液晶表示装置の観察者が配置されるパネル正面方向の輝度を高めることができ、実質的に明るい表示を得ることができる。
【0044】
本実施形態に係る液晶パネル120に備えられた有機膜11は、本発明に係る反射体の製造方法により作製することができ、先に記載の反射体の製造方法により容易かつ再現性よく製造することができる。また、本発明に係る反射体の製造方法によれば、反射面の凹凸形状の配列方向を任意に変更することができるので、上記製造方法を適用することで、電極26a、28aや、カラーフィルタ層129のピッチに変更が生じた場合であっても、極めて容易に反射層125の凹凸の配列パターンを変更し、モアレ模様が生じるのを効果的に防止することができる。
【0045】
以上の説明では、パッシブマトリクス型の反射型液晶表示装置に適用した例を述べたが、本発明の反射体の製造方法及び液晶表示装置の製造方法は、反射型あるいは半透過反射型の液晶表示装置にも適用することができ、またアクティブマトリクス型液晶表示装置にも適用することができる。これらアクティブマトリクス型液晶表示装置に適用した場合、基板作製コストを低減でき有効である。
【0046】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の反射体の製造方法は、有機膜と、該有機膜上に形成された金属反射膜とを備え、前記有機膜表面に多数の凹部又は凸部が連続的に形成された反射体を製造するに際して、略円柱状の母型基材の表面に微細な凹凸形状が形成された母型を用い、該母型を転写樹脂膜上に押圧しながら回転させて前記転写樹脂膜に母型の表面形状を転写する工程を有する構成を採用したことで、樹脂転写膜上で前記母型を押付けながら転がすことで樹脂転写膜に母型の微細凹凸形状を効率よく転写することができる。この転写樹脂膜は有機膜として用いて反射体を構成することもでき、あるいは転写樹脂膜を転写型として用いて有機膜に微細凹凸形状を形成する等の手法により表面に微細凹凸形状を有する有機膜を形成し、反射体を作製することもできる。また、前記母型が略円柱状であることから、母型の転回方向へは樹脂転写膜の長さに制限が無く、大型の基板を用いた反射体の製造にも極めて容易に適用することができ、反射体の微細凹凸形状の形成を極めて効率よく行うことができる。
【0047】
次に、本発明の液晶表示装置の製造方法は、対向して配置された上基板と下基板との間に、液晶層を挟持し、前記下基板の内面側に反射層を備えた液晶表示装置を製造するに際して、本発明の反射体の製造方法により前記下基板上に前記反射層を形成する構成としたことで、優れた反射特性を有する反射層を、再現性よく極めて効率的に形成することができ、もって高い製造効率での液晶表示装置の製造を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る反射体の構成の一例を示す部分斜視図である。
【図2】図2Aは、図1に示す反射体に形成された凹部の平面構成図であり、図2Bは、図2Aに示すG−G線に沿う断面構成図である。
【図3】図3は、図1に示す反射体10に、図2における図示右側から入射角30°で光を照射し、受光角を反射面(反射層25表面)に対する正反射の方向である30°を中心として±30°の範囲(0°〜60°;0°が液晶パネル20の法線方向に相当)で振って反射体10の反射率(%)を測定した結果を示すグラフである。
【図4】図4は、本実施形態の製造方法において、反射体の凹凸形状を形成するための母型を示す斜視構成図である。
【図5】図5は、図4に示す母型を用いてロール版を作製する工程を示す断面構成図である。
【図6】図6は、図5に示す工程により作製されたロール版の断面構造を示す図である。
【図7】図7は、図6に示すロール版を用いて反射体の凹凸形状を形成する工程を示す斜視構成図である。
【図8】図8は、本実施形態の製造方法による有機膜の加工工程の他の例を示す斜視構成図である。
【図9】図9は、図4に示す母型15を作製するための母型製造装置の一実施の形態を示す工程図である
【図10】図10は、図9に示す母型製造装置に備えられた圧子の先端形状の一例を示す断面構成図である。
【図11】図11は、図11A及び図11Bは、本実施形態の製造方法において、有機膜に形成される凹凸形状の配列パターンを変更する場合の製造工程を説明するための説明図である。
【図12】図12は、本発明に係る反射体を液晶表示装置の反射層に適用した例を示す斜視構成図である。
【図13】図13は、図12に示す液晶表示装置の部分断面構成図である。
【符号の説明】
10…反射体、11…有機膜、12…金属反射膜、13…凹部、15…母型、17…転写樹脂膜、30…Ni版、31…Ni膜、35…ロール版、32…緩衝材、41…母型基材、47…圧子
Claims (7)
- 有機膜と、該有機膜上に形成された金属反射膜とを備え、前記有機膜表面に多数の凹部又は凸部が連続的に形成された反射体を製造するに際して、
略円柱状の母型基材の表面に微細な凹凸形状が形成された母型を用い、該母型を転写樹脂膜上に押圧しながら回転させて前記転写樹脂膜に母型の表面形状を転写する工程を有することを特徴とする反射体の製造方法。 - 前記母型の微細凹凸形状が転写された前記転写樹脂膜の面上に前記金属反射膜を形成して1又は複数の反射体を作製することを特徴とする請求項1に記載の反射体の製造方法。
- 前記母型の微細凹凸形状が転写された転写樹脂膜上に金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を電極としたNi電鋳によりNi版を作製する工程と、
前記Ni版に転写された微細凹凸形状を前記有機膜に転写する工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の反射体の製造方法。 - 前記母型の微細凹凸形状が転写された転写樹脂膜上に金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を電極としたNi電鋳によりNi版を作製する工程と、
前記Ni版を電極としてNi電鋳を行い、前記Ni版上の金属膜上にNi膜を形成する工程と、
前記Ni膜を金属膜から剥離する工程と、
前記Ni膜に転写された微細凹凸形状を前記有機膜に転写する工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の反射体の製造方法。 - 前記母型の微細凹凸形状が転写された転写樹脂膜上に金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を電極としたNi電鋳によりNi版を作製する工程と、
前記Ni版を電極としてNi電鋳を行い、前記Ni版上の金属膜上にNi膜を形成する工程と、
前記Ni膜を金属膜から剥離する工程と、
前記Ni膜の背面側に緩衝材を配設し、該緩衝材を内側にして略円柱状の基体周面に前記Ni膜を巻回することによりロール版を作製する工程と、
前記ロール版を、有機膜上に押圧するとともに回転させて前記Ni膜外面の微細凹凸形状を前記有機膜表面に転写する工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の反射体の製造方法。 - 前記母型の微細凹凸形状が、内面に球面の一部を含む多数の凹部が連続的に配列された形状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の反射体の製造方法。
- 対向して配置された上基板と下基板との間に、液晶層を挟持し、前記下基板の内面側に反射層を備えた液晶表示装置を製造するに際して、
請求項1から6のいずれか1項に記載の反射体の製造方法により前記下基板上に前記反射層を形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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