JP3970757B2 - 反射体及び液晶表示パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射体及び液晶表示パネルに関するものであり、特に、薄型の液晶表示パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射型液晶表示装置は、太陽光やフロントライト等の照明光のみを光源として利用する液晶表示装置であり、低消費電力が要求される携帯情報端末等に多く用いられている。また、別の例である半透過型液晶表示装置は、外光が十分得られない環境においてはバックライトを点灯させて透過モードで動作し、外光が十分得られる場合にはバックライトを点灯させない反射モードで動作するものであり、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ等の携帯電子機器に多く用いられている。
【0003】
そこで、従来の反射型の液晶表示装置を図面を参照して説明する。従来の液晶表示装置101は、図18に示すように、液晶表示パネル120と、液晶表示パネル120の観察者側に配されたフロントライト110とから概略構成されている。
【0004】
液晶表示パネル120は、液晶層123を挟持して対向する第1基板(一方の基板)121と第2基板(他方の基板)122をシール材124で接合一体化して概略構成されている。第1基板121および第2基板122は、ガラス基板などの透明基板からなり、これらの液晶層123側(内面側)には、それぞれ表示回路126,127が設けられている。表示回路126,127は、図示されていないが、液晶層123を駆動するための透明導電膜等からなる電極層や、液晶層123の配向を制御するための配向膜等を含むものである。またカラー表示を行う場合には、表示回路126,127にカラーフィルタを含めた構成でもよい。
【0005】
第2基板122の外面側には反射体130が取り付けられている。反射体130は、ポリカーボネート等からなる反射板128と、この反射板128上に積層された平坦化層129と、平坦化層129上に積層されて第2基板122に接する粘着層131とから構成されている。更に反射板128の表面には複数の凹部128bが設けられ、この凹部128b上に高反射膜128aが形成され、平坦化層129はこの高反射膜128aに接して積層されている。高反射膜128aの形状は、凹部128bの形状を反映したものとなっている。
【0006】
尚、反射板128に設けられた凹部128bは、例えば次のような方法で形成される。まず、凹凸形状の型面を有する電鋳型を用意し、加熱した電鋳型の型面に反射板となるポリカーボネート基板を押し当て、型面の凹凸形状をポリカーボネート基板に型押し転写させるいわゆる加熱型押し法(エンボス加工法)で形成される。
【0007】
次にフロントライト110は、液晶表示パネル120の第1基板121の外面側(観察者側)に配置されており、このフロントライト110は、例えばアクリル樹脂などからなる透明な導光板112の側端面112aに、冷陰極管などからなる光源113が設けられた構成を有しており、導光板112の下面(液晶表示パネル120側の面)が光が出射される平滑な出射面112bとなっている。また導光板112の出射面112bと反対側の面(導光板112の上面)は、導光板112内部を伝搬する光の方向を変えるためのくさび状の溝が、所定のピッチでストライプ状に複数形成されたプリズム面112cとなっている。
【0008】
従来の反射型の液晶表示装置101においては、フロントライト110による照明光または太陽光等の入射光が、液晶表示パネル120内の液晶層123を透過し、次に反射板128上の高反射膜128aにより反射され、更に再度液晶層123を透過した後に、出射光となって観察者側に出射される。なお、上記の液晶表示装置101と同様の構成が記載された先行文献としては、例えば下記特許文献1等がある。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−22913号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来の液晶表示装置101では、反射板128の表面を加熱型押し法により成形するため、反射板128の板厚をある程度厚くして強度を高める必要があり、そのため反射体130自体が厚くなり、液晶表示装置101を薄型にできないといった問題があった。
また、例えば液晶表示装置101が車載用に用いられた場合には、液晶表示装置101が高温環境下に置かれることになる。この場合において、各構成部材の線膨張係数に着目すると、反射板128(ポリカーボネート)の線膨張係数が第2基板122(ガラス)の線膨張係数よりも高いため、高温で反射板128の膨張量が大きくなる。その結果、図19に示すように、第2基板122に対する粘着層131の粘着力よりも、反射板128の膨張による浮き上り力が勝って、反射体130の一部が第2基板122から剥離してしまうおそれがあった。このような「浮き上がり」によって表示素子の外観を著しく損なうおそれがあった。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、薄型で、しかも温度環境が大きく変化しても基板から剥離するおそれのない反射体及びこの反射体を備えた信頼性の高い液晶表示パネルを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の反射体は、複数の凹部が設けられた反射面を有する被型押層と、該被型押層の反射面と反対側に配置されて該被型押層から剥離可能な被型押し基材とを具備してなることを特徴とする。
【0013】
係る反射体によれば、被型押層から被型押し基材を剥離できるため、反射体を液晶表示パネル等に取り付けた後に被型押し基材を剥離させることにより、反射体全体の厚さを薄くすることができる。
また、被型押層から剥離可能な被型押し基材が備えられており、被型押層の厚さを薄くしても被型押し基材によって反射体全体の強度が補われる。このため、従来よりも薄くした被型押層に対し、加熱型押し加工を支障なく行うことができる。また、被型押層の厚さを従来より薄くできるので、高温環境下で被型押層が大きく膨張したとしても、膨張による浮き上り力が従来の反射体の場合よりも小さくなり、液晶表示パネル等からの剥離を防止できる。
【0014】
また本発明の反射体には、前記被型押層と前記被型押し基材との間に剥離層が設けられることが好ましい。係る反射体によれば、被型押し基材を剥離層とともに容易に剥離させることができる。
また本発明の反射体には、前記反射面上に粘着層が積層され、該粘着層上に保護材が設けられていることが好ましい。係る反射体によれば、保護材を剥がして粘着層を露出させ、この粘着層により反射体を液晶表示パネルに容易に装着できる。また粘着層が反射面を保護する保護層となり、反射面を保護することができる。
【0015】
尚、本発明の反射体では、前記被型押層が熱可塑性樹脂を含む層であってもよく、前記被型押層が紫外線硬化型樹脂を含む層であってもい。
【0016】
次に、本発明の液晶表示パネルは、先に記載の液晶表示パネルであり、表示面を有する第1基板と、該第1基板に対向して配置された第2基板と、前記第1、第2基板の間に配置された液晶層と、前記第2基板の液晶層対向面と反対側に設けられた反射体とを具備してなり、前記反射体は、前記第2基板側に位置する粘着層と、複数の凹部が設けられた反射面を前記液相層側に向けて前記粘着層に積層された被型押層と、該被型押層の反射面と反対側に配置されて該被型押層から剥離可能な被型押し基材とからなることを特徴とする。
【0017】
係る液晶表示パネルによれば、被型押層から被型押し基材を剥離できるため、反射体を第2基板に取り付けた後に被型押し基材を剥離させることにより、液晶表示パネル全体の厚さを薄くすることができる。
また、被型押層から剥離可能な被型押し基材が備えられており、被型押層の厚さを薄くしても被型押し基材によって反射体全体の強度が補われる。このため、従来よりも薄くした被型押層に対し、加熱型押し加工を支障なく行うことができる。また、被型押層の厚さを従来より薄くできるので、高温環境下で被型押層が大きく膨張したとしても、膨張による浮き上り力が従来の反射体の場合よりも小さくなり、第2基板からの反射体の剥離を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
図1に本実施形態の液晶表示装置の断面模式図を示し、図2に液晶表示装置に備えられた反射体の透過斜視図を示し、図3には反射体の断面模式図を示す。図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置1は、反射型とよばれるもので、液晶表示パネル20と、液晶表示パネル20の観察者側に配されたフロントライト10とから概略構成されている。
【0019】
図1に示すように、液晶表示パネル20は、液晶層23を挟持して対向する第1基板21と第2基板22とをシール材24で接合一体化して概略構成されている。また、第1基板21の外面が表示面21aとされている。第1基板21および第2基板22は、ガラス基板などの透明基板からなり、これらの液晶層23側(内面側)には、それぞれ表示回路26,27が設けられている。表示回路26,27は、図示されていないが、液晶層23を駆動するための透明導電膜等からなる電極層や、液晶層23の配向を制御するための配向膜等を含むものである。またカラー表示を行う場合には、表示回路26,27にカラーフィルタを含めた構成でもよい。
【0020】
次に図1に示すように、フロントライト10は、液晶表示パネル20の第1基板21の表示面21a側(観察者側)に配置されており、このフロントライト10は、例えばアクリル樹脂などからなる透明な導光板12の側端面12aに、冷陰極管などからなる光源13が設けられた構成を有しており、導光板12の下面(液晶表示パネル20側の面)は光が出射される平滑な出射面12bとなっている。また導光板12の出射面12bと反対側の面(導光板12の上面)は、導光板12内部を伝搬する光の方向を変えるためのくさび状の溝が、所定のピッチでストライプ状に複数形成されたプリズム面12cとなっている。
【0021】
また、図1に示すように、第2基板22の外面側、即ち第2基板22の液晶層対向面22aと反対側の外面22bには反射体30が取り付けられている。液晶表示パネル20に装着状態の反射体30は、図1に示すように、例えば熱可塑性樹脂であるポリカーボネート等からなる被加熱型押層(被型押層)28と、この被加熱型押層28上に積層された粘着層29とから概略構成されている。
【0022】
一方、液晶表示パネル20に装着する前の反射体30は、図2及び図3に示すように、被加熱型押層28と、この被加熱型押層28上に積層された粘着層29と、該粘着層29上に設けられた保護材34と、被加熱型押層28の反射面28cと反対側の面に積層された剥離層32と、該剥離層32によって被加熱型押層28から剥離可能な被型押し基材33とから構成されている。即ち、反射体30を液晶表示パネル20に装着する際には、保護材34を除去して粘着層29を第2基板22に接合させると共に、剥離層32と被型押し基材33を被加熱型押層28から剥離させている。従って図1においては、剥離層32と被型押し基材33を一点鎖線で表示している。
尚、図1では反射体30の剥離層32と被型押し基材34とが剥離された状態を示しているが、本発明は図1に示した形態に限られるものではなく、剥離層32及び被型押し基材34が被加熱型押層28に装着された状態の液晶表示パネルも本発明に含まれる。
また、被加熱型押層28は、所定膜厚の紫外線硬化型樹脂であっても良く、この場合には、型を押圧した状態で紫外線を照射して型押しされる方法でも良い。
【0023】
図1〜図3に示すように、被加熱型押層28の表面には複数の凹部28b…が設けられ、この凹部28b上に高反射膜28aが形成されている。高反射膜28aの形状は、凹部28b…を含む被加熱型押層28の表面形状を反映して凹凸面となっており、この高反射膜28aの凹凸面が反射面28cとされている。凹部28b…の形状は、略球面状若しくは非対称の球面状であることが好ましい。
また、被加熱型押層28は、例えば、ポリカーボネート等のガラス転移温度Tgが比較的低い熱可塑性材料からなり、後述するように、加熱型押し法(いわゆるエンボス加工法)によって表面に凹部28b…を容易に形成できるものである。
尚、被加熱型押層28の厚さは、1〜1000μmの範囲が好ましい。厚さが1μm未満だと、後述の加熱型押法による凹部28bの形成が困難になるので好ましくなく、厚さが1000μmを超えると反射体30の全体が厚くなり、液晶表示パネル20を薄型にできなくなるので好ましくない。
【0024】
次に高反射膜28aは、Al、Agなどの反射率の高い金属から構成されている。高反射膜28aの膜厚は80nm以上200nm以下の範囲であることが好ましい。膜厚が80nm未満だと、高反射膜28aによる光の反射率が過小となって表示が暗くなるので好ましくなく、膜厚が200nmを超えると必要以上に成膜コストがかかることや、凹部28bによる起伏が小さくなってしまうので好ましくない。
【0025】
また、凹部28b…は、被加熱型押層28に対して加熱型押し加工(いわゆるエンボス加工)によって形成されたものであり、図2及び図3に示すように、反射膜28a上において、各凹部28b…の輪郭28d同士が相互に接している。この輪郭28d同士が接する部分は先の尖ったピーク形状を示しており、凹部28b…同士の間にある平坦部分28eの領域が少なくなっている。
【0026】
また図4A及び図4Bには、本発明の反射体の好適な一例であって、示すように、凹部28bの内面は、各々半径が異なる2つの球面の一部である第1曲面28fと、第2曲面28gとを含んでおり、これらの曲面28f,28gの中心O,Oは凹部28bの最深点Oの法線上に配置されており、第1曲面28fはOを中心とする半径R1の球面の一部とされ、第2曲面28gはOを中心とする半径R2の球面の一部とされている。そして、図4Aに示す平面図において、凹部28bの最深点Oを通過し、G−G線に直交する直線Hの近傍において第1曲面28fと第2曲面28gとが概ね区画されている。凹部28bの深さは0.1〜3μm程度である。
【0027】
図5は、上記構成を備えた反射体30に、図4における図示右側から入射角30°で光を照射し、受光角を反射面に対する正反射の方向である30°を中心として±30°の範囲(0°〜60°;0°が反射体一面の法線方向に相当)で振って反射体30の反射率(%)を測定した結果を示すグラフである。
この図に示すように、上記構成を備えた反射体30によれば、半径の比較的小さい球面からなる第2曲面28gの傾斜角の絶対値が比較的大きいことから、反射光が広角に散乱されて約15°〜50°の広い受光角範囲で高い反射率を得ることができ、また、半径が比較的大きい球面からなる第1曲面28fにおける反射により、前記第2曲面28gよりも特定方向の狭い範囲に散乱される反射が生じるため、全体として反射率が正反射方向である30°よりも小さい角度で最大となり、そのピークの近傍における反射率も高くなる。その結果、反射体30に入射し反射された光のピークが正反射方向よりも反射体30の法線方向より小さい角度側にシフトするので、反射体30正面方向の反射輝度を高めることができる。従って、例えば本実施形態の反射体30を液晶表示装置1の反射層に適用するならば、液晶表示装置1の正面方向における反射輝度を向上させることができ、もって液晶表示装置1の観察者方向への輝度を高めることができる。
【0028】
次に被型押し基材33は、被加熱型押層28よりもTgの高い材料により構成されることが好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)等から構成される。被型押し基材33は、Tgが高いために被加熱型押層28よりも抗折力に富み、しかも高硬度であるため、剥離層32を介して被加熱型押層28に積層されることにより、被加熱型押層28を確実に支持する。このため、被加熱型押層28に対して加熱型押し加工がなされた場合でも、被加熱型押層28が分断したり破損することがない。
被型押し基材33の厚さは、0.05〜1mmの範囲が好ましい。厚さが0.05mm未満だと、抗折力が低下し、被加熱型押層28に対する加熱型押し加工が困難になるので好ましくなく、厚さが1mmを超えると反射体30の取り扱いが煩雑になるので好ましくない。
【0029】
剥離層32は、被加熱型押層28と被型押し基材34を容易に剥離させるもので、被型押し基材28と共に被加熱型押層28から剥離される。
また、粘着層29は、透明の粘着材料からなり、反射体30を液晶表示パネル20の第2基板22に接着させると共に、反射面28cを保護する。この粘着層29の厚さは、10〜50μmの範囲が好ましい。厚さが10μm未満だと、粘着層29の貼り合せ面が反射面28cの形状を反映して凹凸状となり、第2基板22に貼り合わせた際にこの貼り合せ面に気泡が残存してしまうので好ましくなく、厚さが50μmを超えると反射体30全体が厚くなり、液晶表示パネル20を薄型にできなくなるので好ましくない。
更に保護材34は、反射体30が液晶表示パネル20に装着されるまでの間、粘着層29を保護して粘着層29の粘着力を維持するものであり、剥離紙などを用いることができる。
【0030】
本実施形態の液晶表示装置1においては、フロントライト10による照明光若しくは太陽光などが、液晶表示パネル20に入射して液晶層23を透過し、次に被加熱型押層28上の高反射膜28aにより反射され、更に再度液晶層23を透過した後に、出射光となって観察者側に出射される。
【0031】
次に、反射体30の製造方法ならびに、液晶表示パネル20への反射体30の取付方法について、被加熱型押層28を熱可塑性樹脂にした例で図6〜図8を参照して説明する。
まず図6Aに示すように、被型押し材35を用意する。この被型押し材35は、被加熱型押層28と剥離層32と被型押し基材33とが順次積層されて構成されている。
次に図6Bに示すように、被加熱型押層28の凹凸形状の反射面を形成するための型押し母型45を用意する。この型押し母型45は、その周面の加工領域46に微細な凸部が多数形成された領域を有する円柱状の部材であり、型押しロール47と、型押しロール47の周面に巻き付けられたNiからなる電鋳型48とから構成されている。電鋳型48の表面が前述の加工領域46であって微細な凸部が形成されている。この凸部の形状は、図2及び図3に示す凹部28b…に対応する。また、型押し母型45の軸中心部には棒状の加熱ヒータ49が設けられており、この加熱ヒータ49によって電鋳型48の表面(加工領域46)の温度を200℃程度に加熱できるようになっている。
【0032】
次に、図7Aに示すように、図6Bに示す型押し母型45の表面形状を被加熱型押層28に型押し転写する。この工程において、型押し母型45は、受側シリコンゴムローラ50と軸平行に垂直に配置されている。また、型押し母型45と受側シリコンゴムローラ50との間に、被加工物である被型押し材35が通過できるようになっている。型押し母型45と被型押し材35の間には、型押し母型45の滑りを防止するために回転/移動を同期するための手段を設けることもできる。
【0033】
上記構成の図7Aに示す工程では、型押し母型45及び受側シリコンゴムローラ50を回転させるとともに、加熱ヒータ49によって型押し母型45の表面温度を200℃前後に保った状態で、型押し母型45と受側シリコンゴムローラ50との間に被型押し材35を挿入して被型押し材35を図示右方向へ移動させる。そして、被型押し材35上の被加熱型押層28を型押し母型45の表面に押し当てて、型押し母型45の表面形状を被加熱型押層28に転写することにより、被加熱型押層28表面に多数の凹部28b…を形成する。被加熱型押層28が、加熱状態の型押し母型45に押し当てられると、被加熱型押層28の温度が上昇して軟化するので、型押し母型45の形状を容易に型押し転写できる。型押し母型45を通過した被加熱型押層28は、周囲の雰囲気により急速に冷却されて硬化し、凹部28b…の形状が保持される。
以上の工程により、被加熱型押層28の表面に型押し母型45と逆凹凸の凹部28b…を形成する。
【0034】
最後に、図7Bに示すように、凹部28b…形成後の被加熱型押層28上に反射膜28aと粘着層29と保護材34とを順次積層して本実施形態の反射体30が得られる。以上、被加熱型押層28を熱可塑性樹脂にした例を説明したが、多の態様、例えば紫外線硬化型樹脂を被加熱型押層(被型押層)28として用い、紫外線硬化ランプと型を用いた例も公知の方法により可能である。
【0035】
次に、図8Aに示すように、液晶表示パネル20を用意する。この液晶表示パネル20は図1で説明した液晶表示パネル20と同一構成のものである。
次に図8Bに示すように、液晶表示パネル20の第2基板22の外面22bに、反射体30を貼り合わせる。反射体30の貼り合わせは、まず、粘着層29を保護していた保護材34を取り除いて粘着層29を露出させ、次に、粘着層29を第2基板22の外面22bに貼り合わせることにより行う。
最後に図8Cに示すように、剥離層32と被型押し基材33を被加熱型押層28から剥離させる。
更に、フロントライト10を液晶表示パネル20の表示面側21aに配置することによって、図1に示すような液晶表示装置が得られる。
【0036】
以上、詳細に説明したように、本実施形態の反射体30によれば、被加熱型押層(被型押層)28から被型押し基材33を剥離できるため、反射体30を液晶表示パネル20に取り付けた後に被型押し基材33を剥離させることにより、反射体30並びに液晶表示パネル20の厚さを薄くすることができる。
また、被型押し基材33が備えられているため、被加熱型押層(被型押層)28の厚さを薄くしても被型押し基材33によって反射体30全体の強度が補われる。このため、従来よりも薄くした被加熱型押層(被型押層)28に対し、加熱型押し加工を支障なく行うことができる。また、被加熱型押層(被型押層)28の厚さを従来より薄くできるので、高温環境下で完成した反射体の被加熱型押層(被型押層)28が大きく膨張したとしても、膨張による浮き上り力が従来の反射体30の場合よりも小さくなり、液晶表示パネル20からの剥離を防止できる。
【0037】
また、被加熱型押層(被型押層)28と被型押し基材33との間に剥離層32が設けられているので、被型押し基材33を剥離層32とともに容易に剥離させることができる。
更に、反射面28c上に粘着層29と保護材34とが順次積層されているので、保護材34を剥がして粘着層29を露出させ、この粘着層29により反射体30を液晶表示パネル20に容易に装着できる。また粘着層29により反射面28cを保護することができる。
【0038】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。即ち、本実施形態の反射型液晶表示装置に代えて、半透過半反射型液晶表示装置としても良い。この場合、図1の被加熱型押層28の下側に位相差板と偏光板を配置すると共に、フロントライトに代えて反射体の外側にバックライトを配置し、更に高反射膜28bに多数の孔を設けてバックライトからの照明光を透過させるように構成すればよい。この場合、被加熱型押層28の下側に積層される位相差板と偏光板との合計の厚みが従来のものより小さくなるというメリットがある。
また、反射体30に設けた凹部28bの形状を、以下に説明する第2〜第4の実施形態における凹部の形状に変更しても良い。
【0039】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の反射体について、図9を参照して説明する。図9は、第2の実施形態の反射体の凹部の断面構成図である。尚、本実施形態の反射体の構成は、図9に示す凹部の構成を除いて、図2〜4に示した第1実施形態の反射体30と同一の構成である。
本実施形態の反射体は、入射光の正反射角度を中心にほぼ対称に反射輝度が分布する反射特性を備えたものである。このような反射特性とするために、本実施形態の反射体は、凹部28bの内面形状が以下に説明するように制御されて形成されている。
即ち、図9に示すように、本実施形態の反射体の凹部28bは、その深さが0.1μm〜3μmの範囲でランダムに形成され、隣接する凹部25…のピッチが3μm〜100μmの範囲でランダムに配置され、凹部28b内面の傾斜角が−18°〜+18°の範囲に設定されている。
なお、本実施形態において「凹部28bの深さ」とは、凹部が形成されていない部分の反射膜の表面から凹部28bの底部までの距離をいい、「隣接する凹部28b…のピッチ」とは平面視したときに円形となる凹部の中心間の距離のことである。また、「凹部内面の傾斜角」とは、図9に示すように、凹部28bの内面の任意の箇所において例えば0.5μm幅の微小な範囲をとったときに、その微小範囲内における斜面の水平面(反射膜表面)に対する角度θcのことである。この角度θcの正負は、凹部28bが形成されていない部分の反射膜の表面に立てた法線に対して、例えば図7における右側の斜面を正、左側の斜面を負と定義する。
【0040】
本実施形態において、特に、凹部28b内面の傾斜角分布を−18°〜+18°の範囲に設定する点、隣接する凹部28b…のピッチを平面全方向に対してランダムに配置する点が特に重要である。なぜならば、仮に隣接する凹部28bのピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、凹部28b内面の傾斜角分布が−18°〜+18°の範囲を超えると、反射光の拡散角が広がりすぎて反射強度が低下し、明るい表示が得られない(反射光の拡散角が空気中で55°以上になる)からである。
また、凹部28bの深さが0.1μmに満たないと、反射面に凹部を形成したことによる光拡散効果が十分に得られず、凹部28bの深さが3μmを超えると、十分な光拡散効果を得るためにピッチを大きくしなければならず、そうするとモアレが発生するおそれが生じる。
【0041】
また、隣接する凹部28bのピッチが3μm未満の場合、被加熱型押層を形成するために用いる母型の製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる、所望の反射特性が得られるだけの形状が形成できない、干渉光が発生する等の問題が生じる。また、隣接する凹部28b…のピッチは3μm〜100μmとすることが望ましい。
【0042】
図10は本実施形態の反射体に入射角30°で光を照射し、受光角を、正反射の方向である30゜を中心として、垂線位置(0°;法線方向)から60°まで振ったときの受光角(単位:°)と明るさ(反射率、単位:%)との関係を示したものである。この図に示されるように、正反射方向を中心として対称に、広い受光角範囲でほぼ均等な反射率が得られる。特に、正反射方向と中心として±10°の受光角範囲で反射率がほぼ一定となっており、この視野角範囲内においては、どの方向から見てもほぼ同じ明るさの表示が得られることが示唆される。
【0043】
このように、正反射方向を中心として対称な広い受光角範囲で反射率をほぼ一定にすることができるのは、凹部28bの深さやピッチが上記に示す範囲に制御されていることと、凹部28bの内面が球面の一部を成す形状とされていることによる。すなわち、凹部28bの深さとピッチが制御されて形成されていることにより、光の反射角を支配する凹部28bの内面の傾斜角が一定の範囲に制御されるので、反射膜の反射効率を一定の範囲に制御することが可能になる。また、凹部28bの内面が全ての方向に対して対称な球面であることから反射膜の広い反射方向において均等な反射率が得られる。
【0044】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の反射体について、図11及び図12を参照して説明する。図11は本実施形態の反射体の凹部の斜視模式図であり、図12は反射体の凹部の断面模式図である。尚、本実施形態の反射体の構成は、図11及び図12に示す凹部の構成を除いて、図2〜図4に示した第1実施形態の反射体30と同一の構成である。
本実施形態の反射体は、入射光の正反射角度を中心に非対称に反射輝度が分布する反射特性を備えたものである。このような反射特性とするために、本実施形態の反射体は、凹部28bの内面形状が以下に説明するように制御されて形成されている。
【0045】
本実施形態の反射体は、正反射方向を中心にほぼ対称の反射輝度分布となる反射特性を備えた反射体に加えて、反射輝度分布が正反射方向に対して非対称となる反射特性を有する反射体として適用できる。図11及び図12は、正反射方向に対して非対称の反射輝度分布を呈する本例の反射体に形成される多数の凹部28bの1つを示したものである。図11に示す凹部28bの特定縦断面Xにおいて、凹部28bの内面形状は、凹部28bの一の周辺部S1から最深点Dに至る第1曲線Aと、この第1曲線Aに連続して、凹部の最深点Dから他の周辺部S2に至る第2曲線Bとからなっている。これら両曲線は、最深点Dにおいて共に反射膜表面Sに対する傾斜角がゼロとなり、互いにつながっている。
ここでの「傾斜角」とは、特定の縦断面において凹部28bの内面の任意の箇所における接線の、水平面(ここでは凹部28bが形成されていない部分の反射膜表面S)に対する角度のことである。
【0046】
第1曲線Aの反射膜表面Sに対する傾斜角は第2曲線Bの傾斜角よりも急であって、最深点Dは凹部28bの中心Oからx方向にずれた位置にある。すなわち、第1曲線Aの反射膜表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値は、第2曲線Bの反射膜表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値より大きくなっている。反射体の表面に形成されている複数の凹部28bにおける、第1の曲線Aの反射膜表面Sに対する傾斜角は、1〜89°の範囲で不規則にばらついている。また、凹部28bにおける第2曲線Bの反射膜表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値は0.5〜88°の範囲で不規則にばらついている。
両曲線の傾斜角は、いずれもなだらかに変化しているので、第1曲線Aの最大傾斜角δa(絶対値)は、第2曲線Bの最大傾斜角δb(絶対値)よりも大きくなっている。また、第1曲線Aと第2曲線Bとが接する最深点Dの基材表面に対する傾斜角はゼロとなっており、傾斜角が負の値である第1曲線Aと傾斜角が正の値である第2曲線Bとは、なだらかに連続している。
反射膜の表面に形成されている複数の凹部28bにおけるそれぞれの最大傾斜角δaは、2〜90°の範囲内で不規則にばらついているが、多くの凹部28bは最大傾斜角δaが4〜35°の範囲内で不規則にばらついている。
【0047】
また凹部28bは、その凹面が単一の極小点(傾斜角がゼロとなる曲面上の点)Dを有している。そしてこの極小点Dと反射膜表面Sとの距離が凹部28bの深さdを形成し、この深さdは、複数の凹部28bについてそれぞれ0.1μm〜3μmの範囲内で不規則にばらついている。
また、本実施形態において、複数の凹部28bのそれぞれにおける特定断面Xは、いずれも同じ方向となっている。また各々の第1曲線Aが単一の方向に配向するように形成されている。すなわち、いずれの凹部でも、図11、12に矢印で示すx方向が同一方向を向くように形成されている。
【0048】
かかる構成の反射体にあっては、複数の凹部28bにおける第1曲線Aが単一の方向に配向されているので、このような凹部28bに対して、図12中のx方向(第1曲線A側)の斜め上方から入射した光の反射光は、正反射方向よりも反射膜表面Sの法線方向側にシフトする。
逆に、図12中のx方向と反対方向(第2曲線B側)の斜め上方から入射した光の反射光は、正反射方向よりも反射膜表面Sの表面側にシフトする。
したがって、特定縦断面Xにおける総合的な反射特性としては、第2曲線B周辺の面によって反射される方向の反射率が増加することになるので、これにより、特定の方向における反射効率を選択的に向上させた反射特性を得ることができる。
【0049】
本実施形態で用いられている反射体の反射面(反射膜表面)に、上記x方向から入射角30°で光を照射し、受光角を、反射面に対する正反射の方向である30゜を中心として、垂線位置(0°;法線方向)から60°まで振ったときの受光角(単位:°)と明るさ(反射率、単位:%)との関係を図13に示す。また図13には、図9に示す断面形状の凹部28b(第2実施形態)を形成した場合の受光角と反射率の関係も併記する。図13に示すように、本例の構成とされた入射角度である30°の正反射方向である反射角度30°よりも、小さい反射角度における反射率が最も高くなり、その方向をピークとして近傍の反射率も高くなる。
【0050】
従って、本実施形態の反射体によれば、その反射面をなす凹部28bが上記のような形状とされているので、照明用の光源から出射された光を効率よく反射、散乱できるとともに、反射体で反射される反射光は、特定の方向において反射率が高くなるという指向性を有しているので、これにより反射体を経由して出射される反射光の出射角度が広くなるとともに、特定の出射角度において出射効率を向上させることができる。
【0051】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態の反射体について、図14〜図16を参照して説明する。図14は本実施形態の反射体の凹部28bの斜視模式図であり、図15は反射体の凹部28bのX軸に沿う断面模式図であり(縦断面Xという)、図16は凹部28bのX軸と直交するY軸に沿う断面模式図である(縦断面Yという)。尚、本実施形態の反射体の構成は、図14〜図16に示す凹部の構成を除いて、図2〜図4に示した第1実施形態の反射体30と同一の構成である。
【0052】
図14及び図15に示すように、凹部28bの縦断面Xにおける内面形状は、凹部28bの一つの周辺部S1から最深点Dに至る第1曲線A'と、この第1曲線に連続して、凹部の最深点Dから他の周辺部S2に至る第2曲線B'とからなるものである。図15において右下がりの第1曲線A’と右上がりの第2曲線B’とは、最深点Dにおいて共に反射膜表面Sに対する傾斜角がゼロとなり、互いに滑らかに連続している。
ここでの「傾斜角」とは、特定の縦断面において凹部の内面の任意の箇所における接線の、水平面(ここでは凹部が形成されていない部分の反射膜表面S)に対する角度のことである。
【0053】
第1曲線A'の反射膜表面Sに対する傾斜角は、第2曲線B'の傾斜角よりも急であって、最深点Dは、凹部28bの中心OからX軸に沿って周縁に向かう方向(x方向)にずれた位置にある。すなわち、第1曲線A'の傾斜角の絶対値の平均値は、第2曲線B'の傾斜角の絶対値の平均値よりも大きくなっている。反射層の表面に形成されている複数の凹部28bにおける第1曲線A'の傾斜角の絶対値の平均値は、2°〜90°の範囲で不規則にばらついており、また複数の凹部28bにおける第2曲線B'の傾斜角の絶対値の平均値も1°〜89°の範囲で不規則にばらついている。
【0054】
一方、図16に示すように、凹部28bの縦断面Yにおける内面形状は、凹部28bの中心Oに対してほぼ左右均等の形状を成しており、凹部28bの最深点Dの周辺は、曲率半径の大きい、すなわち、直線に近い浅型曲線Eとなっている。また、浅型曲線Eの左右は、曲率半径の小さい深型曲線F,Gとなっており、反射体の表面に形成されている複数の凹部28bにおける前記浅型曲線Eの傾斜角の絶対値は、概ね10°以下である。また、これら複数の凹部28bにおける深型曲線F,Gの傾斜角の絶対値も不規則にばらついているが、例えば2°〜90°である。また、最深点Dの深さdは、0.1μm〜3μmの範囲内で不規則にばらついている。
【0055】
本例において、反射体の表面に形成されている複数の凹部28bは、上記の縦断面Xの形状を与える断面方向がいずれも同一方向となり、かつ上記の縦断面Yの形状を与える断面方向がいずれも同一方向となるとともに、最深点Dから第1曲線A'を経て周辺部S1へ向かう方向がいずれも同一方向となるように配向されている。すなわち、反射層の表面に形成されている全ての凹部28bは、図14中に矢印で示したx方向が同一方向を向くように形成されている。
【0056】
本実施形態においては、反射体の表面に形成されている各凹部28bの向きが揃っており、最深点Dから第1曲線A'を経て周辺部S1へ向かう方向がいずれも同一であるので、この反射体に対して、図14中のx方向(第1曲線A'側)の斜め上方から入射した光の反射光は、正反射方向よりも反射膜表面Sの法線方向側にシフトする。
逆に、図14中のx方向と反対方向(第2曲線B'側)の斜め上方から入射た光の反射光は、正反射方向よりも反射膜表面Sの表面側にシフトする。
また、縦断面Xと直交する縦断面Yは、曲率半径の大きい浅型曲線Eと、浅型曲線Eの両側にあって曲率半径の小さい深型曲線F,Gとを有するように形成されているので、これにより反射体の反射面において正反射方向の反射率も高められる。
【0057】
その結果、図17に示すように、縦断面Xにおける総合的な反射特性としては、正反射方向の反射率を十分に確保しつつ、特定の方向に反射光を適度に集中させた反射特性とすることができる。図17は、本実施形態に係る反射体に、反射膜表面Sの法線方向よりも前記x方向寄りの方向から入射角30°で光を照射し、視角を反射膜表面Sに対する正反射の方向である30°を中心として、垂線位置(0°)から60°まで連続的に変化させた場合の視角(θ°)と明るさ(反射率高さ)との関係を示したものである。このグラフで表される反射特性は、正反射の角度30゜より小さい反射角度範囲の反射率の積分値が、正反射の角度より大きい反射角度範囲の反射率の積分値より大きくなっており、反射方向が正反射方向よりも法線側にシフトする傾向にある。
【0058】
従って、上記構成の反射体によれば、凹部28bが上記のような形状とされているので、入射光を効率よく反射、散乱できるとともに、反射体で反射される反射光は、特定の方向において反射率が高くなるという指向性を有しているので、これにより反射体を経由して出射される反射光の出射角度が広くなるとともに、特定の出射角度において出射効率を高くすることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の反射体によれば、被型押層から被型押し基材を剥離できるため、反射体を液晶表示パネル等に取り付けた後に被型押し基材を剥離させることにより、反射体全体の厚さを薄くすることができる。
また、被型押層から剥離可能な被型押し基材が備えられており、被型押層の厚さを薄くしても被型押し基材によって反射体全体の強度が補われる。このため、従来よりも薄くした被型押層に対し、加熱型押し加工を支障なく行うことができる。また、被型押層の厚さを従来より薄くできるので、高温環境下で被型押層が大きく膨張したとしても、膨張による浮き上り力が従来の反射体の場合よりも小さくなり、液晶表示パネル等からの剥離を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態である液晶表示装置の断面模式図。
【図2】 液晶表示装置に装着する前の反射体を示す透過斜視図。
【図3】 液晶表示装置に装着する前の反射体を示す断面模式図。
【図4】 図2及び図3に示す反射体に設けられた凹部の輪郭を示す模式図であって、Aは平面模式図、Bは断面模式図。
【図5】 図2及び図3に示す反射体の反射特性を示すグラフ。
【図6】 本発明の反射体の製造方法を説明する工程図。
【図7】 本発明の反射体の製造方法を説明する工程図。
【図8】 本発明の液晶表示装置の組立方法を説明する工程図。
【図9】 本発明の第2の実施形態の反射体の凹部の輪郭を示す断面模式図。
【図10】 図9に示す反射体の反射特性を示すグラフ。
【図11】 本発明の第3の実施形態の反射体の凹部の輪郭を示す斜視模式図。
【図12】 本発明の第3の実施形態の反射体の凹部の輪郭を示す断面模式図。
【図13】 図11及び図12に示す反射体の反射特性を示すグラフ。
【図14】 本発明の第4の実施形態の反射体の凹部の輪郭を示す斜視模式図。
【図15】 本発明の第4の他の実施形態の反射体の凹部の輪郭を示す断面模式図。
【図16】 本発明の第4の実施形態の反射体の凹部の輪郭を示す断面模式図。
【図17】 図14ないし図16に示す反射体の反射特性を示すグラフ。
【図18】 従来の液晶表示装置の断面模式図。
【図19】 従来の液晶表示装置の問題点を説明するための模式図。
【符号の説明】
20…液晶表示パネル、21…第1基板、21a…表示面、22…第2基板、23…液晶層、28…被加熱型押層(被型押層)、28b…凹部、28c…反射面、29…粘着層、30…反射体、32…剥離層、33…被型押し基材、34…保護材

Claims (6)

  1. 複数の凹部が設けられた反射面を有する被型押層と、該被型押層の反射面と反対側に配置されて該被型押層から剥離可能な被型押し基材とを具備してなることを特徴とする反射体。
  2. 前記被型押層と前記被型押し基材との間に剥離層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の反射体。
  3. 前記反射面上に粘着層が積層され、該粘着層上に保護材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射体。
  4. 前記被型押層が熱可塑性樹脂を含む層であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の反射体。
  5. 前記被型押層が紫外線硬化型樹脂を含む層であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の反射体。
  6. 表示面を有する第1基板と、該第1基板に対向して配置された第2基板と、前記第1、第2基板の間に配置された液晶層と、前記第2基板の液晶層対向面と反対側に設けられた反射体とを具備してなり、
    前記反射体は、前記第2基板側に位置する粘着層と、複数の凹部が設けられた反射面を前記液相層側に向けて前記粘着層に積層された被型押層と、該被型押層の反射面と反対側に配置されて該被型押層から剥離可能な被型押し基材とからなることを特徴とする液晶表示パネル。
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