JP2004109555A - 感光性樹脂組成物及び積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の製造、ICチップ搭載用リードフレーム(以下、「リードフレーム」という)製造、メタルマスク製造などの金属箔精密加工、及びBGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)等のパッケージを製造する際に好適な、アルカリ性水溶液によって現像可能な感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性樹脂積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板はフォトレジスト法によって製造されている。フォトレジスト法とは、感光性樹脂組成物を銅張り積層板等の基板上に塗布してパターン露光して重合、硬化させた後、未露光部を現像液で除去し、エッチング又はめっき処理を施してパターンを形成した後、硬化部分を銅張り積層板等の基板上から剥離除去する方法を言う。フォトレジスト法では、多くの場合、感光性樹脂組成物を支持体上に積層し、必要に応じて保護層を感光性樹脂層上に積層した感光性樹脂積層体(ドライフィルムレジストと称する)が使用される。
【0003】
ドライフィルムレジストを用いてプリント配線板を作成する方法について、以下に簡単に述べる。ドライフィルムレジストに保護層がある場合はこれを剥離した後、銅張り積層板等の永久回路形成用基板上にラミネーター等を用いて感光性樹脂層を積層し、マスクフィルム等を介した紫外線露光によって配線パターンの焼付けを行う。次いで必要に応じて支持体を剥離し、弱アルカリ水溶液等の現像液により未露光部分を溶解又は分散除去して現像し、基板上にレジスト画像を形成させる。形成されたレジスト画像を保護マスクとして公知のエッチング処理又は、パターンめっき処理を行い、レジストを剥離してプリント配線板を製造する。
【0004】
近年のプリント配線板微細化に伴い、ドライフィルムレジストには高解像性が要求されると共にめっき法の重要性が増してきており、生産性の観点からは、露光時間短縮のため感度向上が要求されている。
【0005】
めっき法においては、レジストと基板との密着性が重要であり、密着性が十分でないとめっきの前処理の際に処理液がレジストと基板の間に浸透し、硬化したレジストのアンダーカットが起こり、レジストが基板から浮き上がるような現象が発生しやすくなる。このような現象が起こるとめっきのもぐり(めっきがレジストの下部にまで及ぶ現象)が生じ、レジストの欠損やレジスト輪郭の不鮮明化を招き、ショートの原因となる。
【0006】
従来、この現象を解決する手段として、密着促進剤を感光性樹脂組成物中に添加する方法がある(例えば特許文献1、2参照)。しかしながら、これらの特許文献等に開示された従来の密着促進剤では、線幅の狭い配線パターンの部分での密着性は十分に得られない。
【0007】
感度向上の観点からは、2−エチルアントラキノン等の多核キノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体などの増感剤を用いて感光層の高感度化を行うという例もあるが、充分な感度が得られない場合もあり、さらに銅面との密着性が弱くめっき処理を施した際に上記のようなめっきもぐりの問題が生じてしまう。
【0008】
また、増感剤としてテトラゾール化合物又はその水溶性塩を用いて高感度化及び密着性を得るという方法も開示されているが(特許文献3参照)、ドライフィルムフォトレジストとして用いた際に、暗反応に由来すると思われるポットライフの低下が発生し、時間の経過と共にドライフィルムフォトレジストとしての特性が変化する、いわゆる保存安定性の低下の問題があり、安定した性能が得られない。
【0009】
また、感度、耐めっき性、保存時の安定性を改良することを目的として、メルカプト基含有化合物とカルボキシベンゾトリアゾール誘導体を必須成分とした感光性フィルムも提案されているが(特許文献4参照)、さらなる性能的改良が望まれていた。
【0010】
【特許文献1】
特公昭50−9177号公報
【特許文献2】
特開昭53−702号公報等
【特許文献3】
特開平11−310605号公報
【特許文献4】
特開平11−160880号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点を克服し、耐めっき性、感度、解像度等の画像形成性に優れ、かつ保存安定性の良好な、アルカリ性水溶液によって現像し得る、感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性樹脂積層体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明の次の構成によって達成することができる。
【0013】
(1)(a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が2万〜50万の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、(c)トリアリールイミダゾリル二量体を含む光重合開始剤:0.01〜30質量%、及び(d)下記一般式(I)からなる化合物を0.001〜10質量%含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【0014】
【化2】
【0015】
(式中、Xは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、オキシアルキル基、チオアルキル基、ジオキシアルキル基、オキシカルボニル基又は炭素数1〜20のアルキル基に置換されたもしくは置換されていないカルボキシル基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルフィノ基、スルフェノ基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ヒドロペルオキシ基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、芳香族、環状置換基又は複素環置換基及び/又はその誘導体等である。Yは1個の炭素原子と1個の窒素原子が単結合又は二重結合で直鎖状に結合した2価の基であるか芳香環の一部を形成している2個又は3個の炭素原子からなる基を表し、置換基を有していてもいなくてもよい。)
(2)上記(1)に記載の感光性樹脂組成物を支持体上に積層してなる感光性樹脂積層体。
【0016】
(3)基板上に、上記(2)記載の感光性樹脂積層体を用いて感光性樹脂層を形成し、露光工程、現像工程を経てレジストパターンを形成する方法。
(4)上記(3)記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきすることによりプリント配線板を製造する方法。
【0017】
(5)上記(3)記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングすることによりリードフレームを製造する方法。
(6)上記(3)記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきする工程を含むパッケージの製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(d)下記一般式(I)からなる化合物を必須成分として含む。
【0019】
【化3】
【0020】
(式中、Xは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、オキシアルキル基、チオアルキル基、ジオキシアルキル基、オキシカルボニル基又は炭素数1〜20のアルキル基に置換されたもしくは置換されていないカルボキシル基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルフィノ基、スルフェノ基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ヒドロペルオキシ基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、芳香族、環状置換基又は複素環置換基及び/又はその誘導体等である。Yは1個の炭素原子と1個の窒素原子が単結合又は二重結合で直鎖状に結合した2価の基であるか芳香環の一部を形成している2個又は3個の炭素原子からなる基を表し、置換基を有していてもいなくてもよい。)
【0021】
上記一般式(I)のYにおいて、置換基を有する場合、その置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、オキシアルキル基、チオアルキル基、ジオキシアルキル基、オキシカルボニル基又は炭素数1〜20のアルキル基に置換されたもしくは置換されていないカルボキシル基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルフィノ基、スルフェノ基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ヒドロペルオキシ基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、芳香族、環状置換基又は複素環置換基及び/又はその誘導体等が挙げられる。
【0022】
また、一般式(I)で示される化合物としては、例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、3,5−ジメルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール、3,4−ジアルキル(C1,2)−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−メチル−4−フェニル−1,2,4−トリアゾール、3−プロピル−4−アミノ−5−メルカプトー1,2,4−トリアゾール、4−プロピオニルアミノ−3−プロピル−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−フェニル−1−ベンゾイルアミノ−2−メルカプト−1,3,4−トリアゾール、3−ヒドラジノ−4−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、5−n−カプロアミド−2−メルカプトベンゾイミダゾールが挙げられる。
【0023】
これら上記一般式(I)で示される化合物は単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
上記一般式(I)で示される化合物の中でも、ベンゾイミダゾール骨格を有する化合物とトリアゾール骨格を有する化合物が好ましい。更にトリアゾール骨格を有するメルカプト化合物がより好ましく、その中でも3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾールが特に好ましい。
【0024】
上記一般式(I)で示される化合物は、感光性樹脂組成物中に0.001〜10質量%含まれており、より好ましい範囲は、0.005〜5質量%であり、最も好ましい範囲は、0.05〜2質量%である。この量は、十分な感度が得られ、かつ良好な耐めっき性が得られるという観点から0.001質量%以上であり、また、熱可塑性共重合体及び末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーへの溶解・分散性を向上させ、十分にその効果を発揮させるという観点から10質量%以下である。
【0025】
本発明の感光性樹脂組成物の(a)熱可塑性共重合体としては、α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が2万〜50万のものを用いる。
熱可塑性共重合体中のカルボキシル基は、感光性樹脂組成物がアルカリ水溶液に対し現像性や剥離性を有するために必要である。
【0026】
酸当量は、塗工溶媒又は他の組成物、例えばモノマーとの相溶性を確保するという観点から100以上であり、また、現像性や剥離性を維持するという観点から600以下である。ここで、酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有するポリマーの質量(グラム)をいう。なお、酸当量の測定は、例えば、平沼レポーティングタイトレーター(COM−555)を用い、0.1mol/LのNaOH水溶液で電位差滴定法により行われる。
【0027】
重量平均分子量は、ドライフィルムレジストの厚みを均一に維持し、現像液に対する耐性を得るという観点から2万以上であり、また、現像性を維持するという観点から50万以下である。この場合の重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンの検量線を用いて測定した重量平均分子量のことである。
【0028】
重量平均分子量は、例えば日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(示差屈折率計:RI−1530、ポンプ:PU−1580、デガッサー:DG−980−50、カラムオーブン:CO−1560、カラム:順にKF−8025、KF−806M×2、KF−807、溶離液:THF、ポリスチレン標準サンプルによる検量線使用)により、求めることができる。
【0029】
上記の熱可塑性共重合体は、一般に下記に示す2種類の単量体の中より、各々一種又はそれ以上の単量体を共重合させることによって得られる。
【0030】
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル等である。中でも、特に(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0031】
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を一個有し、感光性樹脂層の現像、エッチング、及びメッキ工程での耐性、硬化膜の可とう性等の種々の特性を維持するように選ばれる。このような単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート類が挙げられる他、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類や(メタ)アクリロニトリル、スチレン又は重合可能なスチレン誘導体が挙げられる。
また、上記の重合性不飽和基を分子中に一個有するカルボン酸又は酸無水物のみの重合によっても得ることができる。
【0032】
感光性樹脂組成物中に含有される熱可塑性共重合体の量は、20〜90質量%の範囲であり、好ましくは、25〜70質量%の範囲である。この量は、アルカリ現像性を維持するという観点から20質量%以上であり、また、露光によって形成される硬化画像がレジストとしての性能を十分に発揮するという観点から90質量%以下である。
【0033】
本発明の感光性樹脂組成物に用いる(b)少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーとしては、公知の化合物を使用できる。
【0034】
例えば、4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシプロピルアクリレートとの半エステル化合物とプロピレンオキシドとの反応物(日本触媒化学製、OE−A 200)、4−ノルマルオクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート、2,2−ビス[{4−(メタ)アクリロキシポリエトキシ}フェニル]プロパン、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、ヘキサメチレンジイソシアネートとノナプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化物等のウレタン基を含有する多官能基(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エステル化合物が挙げられる。
これらは、単独で使用しても、2種類以上併用しても構わない。
【0035】
(b)少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマーは、本発明の感光性樹脂組成物中に5〜75質量%含まれており、より好ましい範囲は15〜70質量%である。この量は、硬化不良、現像時間の遅延を抑えるという観点から5質量%以上であり、また、コールドフロー、硬化レジストの剥離遅延を抑えるという観点から75質量%以下である。
【0036】
本発明の感光性樹脂組成物には、(c)トリアリールイミダゾリル二量体を含む光重合開始剤が含まれる。
【0037】
この必須成分であるトリアリールイミダゾリル二量体の例としては、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,2’,5−トリス−(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4’,5’−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4−ビス−(o−クロロフェニル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4,5−トリス−(o−クロロフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−クロロフェニル)−ビス−4,5−(3,4−ジメトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体等が挙げられる。
【0038】
特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体は解像性や硬化膜の強度に対して非常に有効な光開始剤であり、好ましく用いられる。
これらは単独又は2種類以上組み合わせて用いられる。
【0039】
本発明の感光性樹脂組成物に含有されるトリアリールイミダゾリル二量体の量は、0.01〜30質量%であり、好ましくは、0.05〜10質量%であり、最も好ましくは0.1〜5質量%である。この量は、十分な感度を得るという観点から0.01質量%以上必要であり、また、高解像性を維持するという観点から30質量%以下である。
【0040】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、トリアリールイミダゾリル二量体以外の光重合開始剤を併用することも可能である。このような光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノンなどのキノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等のN−フェニルグリシン類、チオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせ、例えばエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、2−クロルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、イソプロピルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、9−フェニルアクリジン等のアクリジン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−o−ベンゾインオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類がある。
【0041】
これらの光重合開始剤の好ましい例としては、ジエチルチオキサントン、クロルチオキサントン等のチオキサントン類、ジメチルアミノ安息香酸エチル等のジアルキルアミノ安息香酸エステル類、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9−フェニルアクリジン、N−フェニルグリシン類及びこれらの組み合わせを挙げることができる。この中でも、ミヒラーズケトンまたは4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
【0042】
本発明の感光性樹脂組成物に含有される光重合開始剤の合計量は、0.01〜30質量%であり、好ましくは、0.05〜10質量%である。この量は、十分な感度を得るという観点から0.01質量%以上であり、また、感光性樹脂組成物の活性光吸収率が高くなり過ぎるのを抑え、感光性樹脂層の底部において十分な光重合による硬化を得るという観点から30質量%以下である。
【0043】
本発明では、感光性樹脂組成物中に、染料、顔料等の着色物質を採用することができる。例えば、フタロシアニングリーン、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン等が挙げられる。
【0044】
また、露光により可視像を与えることができるように、本発明の感光性樹脂組成物中に発色剤を添加してもよい。このような発色系染料としては、ロイコ染料又は、フルオラン染料とハロゲン化合物との組み合わせがある。ここで用いられる染料としては、前記染料のほかに、ハロゲン化合物として臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、トリアジン化合物等が挙げられる。
【0045】
さらに、本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤やベンゾトリアゾール類を含有させることは好ましいことである。
【0046】
このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
【0047】
また、ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。また、カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等が挙げられるが、その他にも下記一般式(II)に示される化合物がある。
【0048】
【化4】
【0049】
(式中、R1,R2はそれぞれ独立に炭素数が1〜6のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。)
【0050】
上記の式(II)で示される化合物としては、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0051】
ラジカル重合禁止剤及びベンゾトリアゾール類または式(II)に示されるカルボキシベンゾトリアゾール類の合計添加量は、好ましくは0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%である。この量は、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から0.01質量%以上が好ましく、また、光感度を維持するという観点から3質量%以下がより好ましい。
これらラジカル重合禁止剤やベンゾトリアゾール類化合物は単独で使用しても、2種類以上併用してもよい。
【0052】
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤等の添加剤を含有させても良い。このような添加剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノエチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノエチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノエチルエーテル等のグリコール・エステル類、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルフォン酸アミド、p−トルエンスルフォン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチルが挙げられる。
【0053】
本発明の感光性樹脂積層体は、感光性樹脂組成物の層とその層を支持する支持体からなるが、必要により、支持体と反対側の表面に保護層を持たせることもある。
【0054】
ここで用いられる支持体としては、活性光を透過する透明なものが望ましい。このような活性光を透過する支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。
【0055】
これらのフィルムは、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。フィルムの厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要等から、10〜30μmのものが好ましく用いられる。
【0056】
また、感光性樹脂積層体に用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について、支持体よりも保護層の方が充分小さく容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等がある。さらに、特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることができる。
【0057】
本発明の感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の厚みは、用途において異なるが、好ましくは、5〜100μm、より好ましくは、7〜60μmであり、薄いほど解像度は向上する。また、厚いほど膜強度が向上する。
【0058】
支持体、感光性樹脂層、及び必要により、保護層を順次積層して感光性樹脂積層体を作成する方法は、従来知られている方法を採用することができる。
【0059】
例えば、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、これらを溶解する溶剤と混ぜ合わせて均一な溶液にしておき、まず支持体上にバーコーターやロールコーターを用いて塗布して乾燥し、支持体上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層する。
次いで、必要により、感光性樹脂層上に保護層をラミネートすることにより感光性樹脂積層体を作成することができる。
【0060】
以下に、本発明の感光性樹脂積層体をドライフィルムレジストとして用いるプリント配線板製造工程の一例を示す。
まず、ラミネーターを用い、保護層がある場合は保護層を剥離した後、感光性樹脂層を金属表面に加熱圧着し積層する。この場合、感光性樹脂層は金属表面の片面だけに積層しても良いし、両面に積層しても良い。この時の加熱温度は一般的に40〜160℃である。また、圧着は二回以上行うことにより密着性・耐薬品性が向上する。この時、圧着は二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用しても良いし、何回か繰り返してロールに通し圧着しても良い(二段式ラミネーターについては、特公昭63−7477号公報参照)。次に、必要ならば支持体を剥離しマスクフィルムを通して活性光により露光する。
【0061】
次に、露光後、感光性樹脂層上に支持体がある場合には、必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液の現像液を用いて未露光部を現像除去し、レジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、Na2CO3、K2CO3等の水溶液を用いる。これらは感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、0.2〜2質量%の濃度、20〜40℃のNa2CO3水溶液が一般的である。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤などを混入させてもよい。
【0062】
このようにして得られたレジスト画像は、場合によっては、100〜300℃の加熱工程を使用することもできる。この加熱工程を実施することにより、更なる耐薬品性向上が可能となる。次に、現像により露出した銅面をエッチング法、めっき法等、既知の方法を用いて金属の画像パターンを形成する。
【0063】
その後、レジスト画像は一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性水溶液により剥離される。剥離用のアルカリ水溶液についても特に制限はないが、2〜5質量%の濃度、40〜70℃のNaOH、KOHの水溶液が一般的に用いられる。剥離液にも、少量の水溶性溶媒を加える事は可能である。
【0064】
以下、実施例により本発明の実施形態の例をさらに詳しく説明する。
【実施例】
以下に、実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法、得られたサンプルについての評価方法、ならびにその評価結果を示す。
【0065】
1.評価用サンプルの作製
実施例及び比較例における感光性樹脂積層体は次の様にして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
表1に示す組成の感光性樹脂組成物をよく攪拌、混合し、支持体として19μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で4分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層の厚みは40μmであった。
次いで、感光性樹脂層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上に、保護層として30μm厚のポリエチレンフィルムを張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
表1における略号(P−1〜B−3)で表わした感光性樹脂組成物中成分の材料を表2に示す。
【0066】
なお、比較例1及び比較例3は、本発明に用いられる(d)成分を含まない組成物である。また、比較例2は、本発明に用いられる(c)成分を含まない組成物である。さらに、比較例4は、本発明に用いられる(c)成分および(d)成分の両方をを含まない組成物である。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
<基板整面>
感度、解像度評価用基板は、35μm圧延銅箔を積層した1.6mm厚の銅張積層板を用い、表面を湿式バフロール研磨(スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)HD#600、2回通し)した。
【0070】
耐めっき性評価用基板は、35μm圧延銅箔を積層した1.6mm厚の銅張積層板表面を湿式バフロール研磨(スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)HD#600、2回通し)した後、(A)スプレー圧0.20MPaでジェットスクラブ研磨(日本カーリット(株)製、サクランダムR(登録商標)#220)したものと、(B)スプレー圧0.06MPaでジェットスクラブ研磨(日本カーリット(株)製、サクランダムR(登録商標)#220)したものと2種類用意した。
【0071】
<ラミネート>
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、整面して60℃に予熱した銅張積層板にホットロールラミネーター(旭化成(株)社製、AL−70)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
【0072】
<露光>
感光性樹脂層に評価に必要なマスクフィルムを支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルム上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−201KB)により下記の感度評価によってステップタブレット段数が8となる露光量で露光した。
【0073】
<現像>
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の1質量%Na2CO3水溶液を所定時間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。この際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
【0074】
<めっき前処理>
現像後の耐めっき性評価基板を、酸性脱脂FRX(10%水溶液、アトテックジャパン(株)製)浴に、40℃で4分浸せきした。水洗後、APS水溶液(過硫酸アンモニウム水溶液、濃度200g/L)に、室温下1分間浸漬した。更に水洗後10%硫酸水溶液に室温下2分浸せきした。
【0075】
<硫酸銅めっき>
めっき前処理後の耐めっき性評価基板を、硫酸銅コンク(メルテックス(株)製)を19wt%硫酸で3.6倍に希釈しためっき液中で2.5A/dm2の電流密度で室温下30分間めっきを行った。
【0076】
<はんだめっき>
硫酸銅めっき済みの耐めっき性評価基板を、半田めっき液(錫/鉛=6/4重量比、メルテックス(株)製)で2.0A/dm2の電流密度で室温下10分間浸せきし、半田めっきを行った。
【0077】
<レジスト剥離>
はんだめっき済みの耐めっき性評価基板に、50℃に加温した3質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして硬化したレジストを剥離した。
【0078】
2.評価方法
(1)感度評価
ラミネート後15分経過した感度、解像度評価用基板を、透明から黒色に21段階に明度が変化しているストーファー製21段ステップタブレットを用いて露光した。露光後、最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、レジスト膜が完全に残存しているステップタブレット段数が8である露光量により、次の様にランク分けした。
【0079】
◎:露光量が60mJ/cm2以下。
○:露光量が60mJ/cm2を超え、80mJ/cm2以下。
△:露光量が80mJ/cm2を超え、100mJ/cm2以下。
×:露光量が100mJ/cm2を超える。
【0080】
(2)解像度評価
ラミネート後15分経過した感度、解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とした。
【0081】
◎:解像度の値が35μm以下。
○:解像度の値が35μmを超え、45μm以下。
△:解像度の値が45μmを超える。
【0082】
(3)耐めっき性評価
ラミネート後15分経過した耐めっき性評価用基板に、ライン/スペースが75μm/75μmの回路パターンが描画されたマスクフィルムを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像した後、硫酸銅めっき及び半田めっきを行い、さらに硬化レジストを剥離した。レジスト剥離後の硫酸銅めっきラインを光学顕微鏡で観察し、耐めっき性を以下のようにランク付けした。
【0083】
○:硫酸銅めっき及び半田めっきのもぐりがなく良好なめっきラインを形成している。
△:硫酸銅めっき及び半田めっきのもぐり幅がライン片側で5μm未満である。×:硫酸銅めっき及び半田めっきのもぐり幅がライン片側で5μm以上ある。
××:完全に硫酸銅めっき及び半田めっきのもぐりが起こり、ラインが形成されない。
【0084】
(4)保存安定性評価
感光性樹脂積層体からポリエチレンフィルムを剥がし、UV−visスペクトロメーター(島津製作所(株)製、UV−240)を用いて、波長600nmの光の透過率を測定した。この際、スペクトロメーターのリファレンス側に該感光性樹脂積層体に用いたのと同じポリエチレンテレフタレートフィルムを入れて、ポリエチレンテレフタレートフィルム由来の透過率をキャンセルした。温度50℃、湿度60%で3日間保存した感光性樹脂積層体の透過率と、温度23℃、湿度50%で3日間保存した同じ感光性樹脂積層体の透過率を比較し、その差により下記の様にランク分けした。
【0085】
○:600nmにおける透過率の差が±10%未満
×:600nmにおける透過率の差が±10%以上
【0086】
3.評価結果
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
表1に示された結果から、本発明の実施例のものは、感度、現像後のレジストパターンの解像性、耐めっき性及び保存安定性の点において比較例のものに比して優れていることが分かる。
【0087】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体は、露光時の感度及び現像後のレジストパターンの解像性に優れるとともに、耐めっき性、保存安定性が良好であるという効果を奏する。
本発明のレジストパターンの形成方法や、プリント配線板、リードフレーム、パッケージを製造する方法は、露光時の感度及び現像後のレジストパターンの解像性に優れるとともに、耐めっき性、保存安定性が良好であるという効果を奏する。
Claims (6)
- (a)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む、酸当量で100〜600、重量平均分子量が2万〜50万の熱可塑性共重合体:20〜90質量%、(b)少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有する付加重合性モノマー:5〜75質量%、(c)トリアリールイミダゾリル二量体を含む光重合開始剤:0.01〜30質量%、及び(d)下記一般式(I)からなる化合物を0.001〜10質量%含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 請求項1に記載の感光性樹脂組成物を支持体上に積層してなる感光性樹脂積層体。
- 基板上に、請求項2記載の感光性樹脂積層体を用いて感光性樹脂層を形成し、露光工程、現像工程を経てレジストパターンを形成する方法。
- 請求項3記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきすることによりプリント配線板を製造する方法。
- 請求項3記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングすることによりリードフレームを製造する方法。
- 請求項3記載の方法によってレジストパターンを形成した基板を、エッチングするかまたはめっきする工程を含むパッケージの製造方法。
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-
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