JP2005266348A - 感光性樹脂積層体及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、ラミエアーを抑制し、レジスト・導体パターン異常の発生が少なく、エッジフューズが低減さる感光性樹脂積層体を提供すること、ならびに、微細配線形成可能なCOF用配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】支持層、感光性樹脂層、保護層からなる感光性樹脂積層体において、感光性樹脂層の粘度が、80℃で10〜10mPa・s、感光性樹脂層の厚みが1〜20μm、支持層及び保護層の厚みの合計が30〜80μm、であることを特徴とする感光性樹脂積層体を提供する。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は感光性樹脂積層体、ならびにその用途に関し、詳しくはCOF用配線板の製造に適した感光性樹脂積層体ならびにそれを用いたレジストパターンの形成方法、及びCOF用配線板の製造方法に関する。さらに詳しくは、導体幅が30μm以下の微細なパターンを有するCOF用配線板の製造方法に関する。
本発明においてチップオンフィルム即ちCOF(Chip On Filmの略称)とは、半導体IC(Chip)をフィルム状の微細配線板(Film)の上に搭載した複合部品のことである。多くの場合、このようなCOFはさらに大きなリジッド配線板やディスプレイ板に接続して使用されており、電子機器の微細化をさらに進める上で、近年特に注目されている実装形態である。
ここで用いられるフィルム状の微細配線板、即ちCOF用配線板は、ポリイミド、ポリエステル等の有機ポリマーフィルムと銅箔を積層したフレキシブル基板を材料として作られることから、フレキシブルプリント配線板の一種と言うことができ、特に、回路が微細な点が特徴とされる。
また、TAB(Tape Automated Bonding)という名称の実装形態があるが、フィルム状の微細配線板に半導体ICを搭載しているという点や、その配線板がさらに別の配線板やディスプレイ等に接続される等の共通点から、COFの一種あるいは別の呼び方と言えるので、本発明では、TABも含めた意味で、一括してCOFという表現を採用する。
COF用配線板は、一般的なプリント配線板の場合と同様の製造方法により製造される。
即ち、フレキシブル基板の銅面上に感光性樹脂層を積層し、所望の導体パターンに対応した露光を行い、必要な部分の感光性樹脂を光硬化させる。次に現像により、未露光部分の感光性樹脂を除去した後、エッチングにより硬化レジストに覆われていない基板の被覆銅層を除去したり、またはめっきにより硬化レジストに覆われていない部分にめっき金属を析出させる。最後に、剥離により、硬化レジストを除去して、所望の導体パターンを有する配線板を得る。
フレキシブル基板の銅面上に感光性樹脂を積層する方法としては、液状レジストを塗布、乾燥する方法が多く用いられてきたが、最近生産性や膜厚均一性、品質の点で、感光性樹脂積層体をラミネートする方法が使われ始めた。
感光性樹脂積層体は、支持層と保護層の間に1〜100μmの厚みの感光性樹脂層を挟み込んだ積層フィルムである。これをフレキシブル基板にラミネートする際には、保護層を剥離した上で、感光性樹脂層とフレキシブル基板の銅面とが接着する重ね方で、上下1 対のホットロールの間を通すことにより圧着させる。フレキシブル基板の両面に銅が積層されている両面板の場合、1 枚のフレキシブル基板に対して、2 枚の感光性樹脂積層体を用いて、両面ラミネートされる。
ラミネートにより積層された感光性樹脂は、フレキシブル基板銅面のすべてに密着していることが望ましい。もし、一部に密着しない部分が発生すると、そこにはエッチング液あるいはめっき液が入りこみ、導体パターンの断線、欠け、ショート、変形等が起こる。特に、導体ライン幅が30μm以下の配線を含むCOF用配線板の製造の場合には、密着しない部分がたとえ小さな面積で発生しても正常な配線板を得ることが困難となる。
しかしながら、従来の方法では、ラミネート工程においてフレキシブル基板と感光性樹脂層の間にところどころに微小なエアーが入り、そのために正常な配線板を歩留まり良く作ることができなかった。このような、ラミネート工程において基板表面と感光性樹脂層との間に混入する微小なエアーをラミエアーと呼ぶ。
ラミエアーは、一般的に感光性樹脂層の厚みが20μm以下の薄い感光性樹脂積層体をラミネートする場合に多く発生し、20μmを越える厚みの感光性樹脂積層体では、その発生個数は少ない場合が多い。一方、導体ライン幅が30μm以下の微細配線には、解像性とエッチング性の点から20μm以下の薄い感光性樹脂積層体が適している。解像度・エッチング性とラミエアー発生による歩留まり悪化とのトレードオフは、COF用配線板の製造において、生産性および品質の点で有利なはずの20μm以下の感光性樹脂層を有する感光性樹脂積層体を用いる方法が、広く利用されることを阻害する原因にもなっていた。
プリント配線板製造用としては、ラミエアーを低減させ、かつ、ロール端面から感光性樹脂が染出し、さらには支持層、保護層を介して隣り合う感光性樹脂層同士が癒着する現象(以下エッジフューズという)も低減する感光性樹脂組成物が開示されているが、解像性の観点から微細配線形成用のCOF用基板には適さない(特許文献1、2)。
また、COF用基板に対してラミネート前処理を行い、基材表面の平均面粗さ(Ra)を制御してラミネート時のエアー混入を低減させる方法があるが、プロセスが増えるという課題がある(特許文献3)。
特開平09−090628号公報 特開平10−282656号公報 特開2003−289177号公報
本発明は、ラミエアーを抑制し、レジストパターンの解像性に非常に優れ、レジスト・導体パターン異常の発生が少なく、エッジフューズが低減される感光性樹脂積層体を提供すること、ならびに、微細配線形成可能なCOF用配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため検討した結果、感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の粘度を一定範囲内に調整し、感光性樹脂層、支持層及び保護層の厚みを一定範囲内とすることによりエッジフューズが無く、ラミエアーを著しく抑制することを発見し本発明に至った。
即ち、本発明は、
(1) 支持層、感光性樹脂層、保護層からなる感光性樹脂積層体において、感光性樹脂層の粘度が、80℃で10〜10mPa・s、感光性樹脂層の厚みが1〜20μm、支持層及び保護層の厚みの合計が30〜80μm、であることを特徴とする感光性樹脂積層体。
(2) 支持層及び保護層の厚みの合計が、感光性樹脂層の厚みの3倍以上であることを特徴とする(1)記載の感光性樹脂積層体。
(3) 感光性樹脂層が、(a)酸当量が100〜600であり、且つ重量平均分子量が5000〜60000であるバインダ−用樹脂:20〜90質量%、(b)光重合性不飽和化合物:3〜70質量%、ならびに(c)光重合開始剤:0.1〜20質量%を含有し、且つ配合比率、(a)/(b)が0.8〜1.1であることを特徴とする(1)または(2)記載の感光性樹脂積層体。
(4) (b)光重合性不飽和化合物の反応性末端基が感光性樹脂層中の固形分100gあたり0.15〜0.25モルであることを特徴とする(1)、(2)または(3)記載の感光性樹脂積層体。
(5) (b)光重合性不飽和化合物が下記、一般式(I)または(II)で表される化合物の少なくとも1種以上含有していることを特徴とする(1)、(2)、(3)または(4)記載の感光性樹脂積層体。
Figure 2005266348
(式中、R及びRはH又はCHであり、これらは同一であっても相違してもよく、n、n及びnは3〜20の整数である。)
Figure 2005266348
(式中、R、RはH又はCHであり、これらは同一であっても相違してもよく、AはC、BはCHCH(CH)、m+mは2〜30の整数、m+mは0〜30の整数、m、mは1〜29の整数、m、mは0〜29の整数である。−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。ブロックの場合、−(A−O)−及び−(B−O)−の順序は、何れがビスフェニル基側であってもよい。)
(6) (1)記載の感光性樹脂積層体を用いて、厚みが10〜100μmのフィルムに、銅箔を積層したフレキシブル基板に
(A)感光性樹脂積層体をラミネートし、
(B)所望の導体パターンに対応した露光を行い、露光された部分の感光性樹脂を光硬化させて硬化レジストを得、
(C)現像により、未露光部分の感光性樹脂を除去する工程を含むレジストパタ−ン形成方法。
(7) (1)記載の感光性樹脂積層体を用いて、厚みが10〜100μmのフィルムに、銅箔を積層したフレキシブル基板に
(A)感光性樹脂積層体をラミネートし、
(B)所望の導体パターンに対応した露光を行い、露光された部分の感光性樹脂を光硬化させて硬化レジストを得、
(C)現像により、未露光部分の感光性樹脂を除去し、
(D)エッチングにより硬化レジストに覆われていない基板の銅箔層を除去するか、または、めっきにより硬化レジストに覆われていない部分にめっき金属を析出させた後、
(E)剥離により、硬化レジストを除去する工程を含むチップオンフィルム用配線板の製造方法。
本発明によれば、ラミネ−ト時の感光性樹脂層の粘度を制御し、感光性樹脂層の膜厚と、支持層及び保護層の膜厚を規定することにより、ラミエアーを抑制し、レジストパターンの解像性に非常に優れ、レジスト・導体パターン異常の発生が少なく、エッジフューズが低減される感光性樹脂積層体を提供できる。さらに該積層体を用いることにより微細配線形成可能なCOF用配線板の製造方法を提供することが可能である。
以下、本発明について具体的に説明する。本発明で用いられるフレキシブル基板は、ポリイミド、ポリエステル等の有機ポリマーフィルムに銅箔を積層した基板であり、有機ポリマーフィルムの具体例としては、カプトン(登録商標、東レ・デュポン社製)、ユーピレックス(登録商標、宇部興産製)などのポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
銅箔の積層方法には、めっき法、キャスティング法、ラミネート法等が挙げられる。キャスティング法は、銅箔上にポリマー液を塗布、場合によって乾燥、熱反応させることでフレキシブル基板を作製し、ラミネート法は、銅箔と有機ポリマーフィルムを接着層を介して貼り合わせて作製する。2つの方法は、あらかじめ製造された銅箔を用いることで共通しており、この銅箔の種類により、フレキシブル基板のもともとの銅表面形状が決定される。
COF用配線板のためのフレキシブル基板は、有機ポリマーフィルム層の厚みが10〜100μmであり、銅箔の厚みは、1〜35μmであることが好ましく、特に好ましくは3〜18μmである。
本発明で用いられる感光性樹脂積層体は、支持層と保護層の間に感光性樹脂層を挟み込んだ積層フィルムであり、感光性エレメント、感光性フィルム、ドライフィルム(レジスト)あるいはDFRと呼ばれることもある。
感光性樹脂層の厚みは、1〜20μmが好ましく、特に好ましくは3〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmである。感光性樹脂のコーティングを容易にするために1μm以上が好ましく、ロール端面から感光層が染み出すエッジフューズ性を抑えて且つ、30μm以下の導体ライン幅の回路を得る上で20μm以下が好ましい。
感光性樹脂積層体に用いられる支持層と保護層の膜厚の合計は30〜80μmであることが好ましい。エッジフューズの観点から30μm以上が好ましい。ロール巻き長あたりの重量が増加するので、搬送、梱包等の取り扱いの観点から、80μm以下が好ましい。より好ましくは、50μm以上80μm以下である。
また、支持層厚みと保護層厚みとの合計は、エッジフューズの観点から感光性樹脂層厚みの3倍以上であることが好ましい。より好ましくは7倍以上、さらに好ましくは10倍以上である。
支持層には、平滑性が高く、露光に用いられる活性光線に対して透過性が高い有機ポリマーフィルムが用いられる。支持層のヘ−ズは5.0以下が好ましい。支持層の厚みは、5〜20μmが好ましく、特に好ましくは、9〜16μmである。支持体としての強度を保つ上で5μm以上が好ましく、微細な配線を作るために感光性樹脂の解像性を良好に保つ上で20μm以下が好ましい。
このような支持層に用いられるフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリメタクリル酸メチル共重合体、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン共重合体、ポリアミド、セルロース誘導体等のフィルムが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートが用いられる。
保護層には、平滑性が高く支持層より感光性樹脂層との粘着性が低い有機ポリマーフィルムが用いられる。厚みは25〜60μmが好ましく、特に好ましくは30〜50μmである。保護層自体の平滑性を保つ上で25μm以上が好ましく、感光性樹脂積層体のフィルムとしての操作性を保つ上で60μm以下が好ましい。
保護層に用いられるフィルムの例としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンやポリエステルあるいはシリコーン処理又はアルキッド処理により剥離性を向上させたポリエステル等のフィルムが挙げられる。好ましくはポリエチレンが用いられる。
また、感光性樹脂層の粘度が、80℃で10〜10mPa・sであることが必須である。粘度が10mPa・s未満であるとエッジフューズが発生し易く、10mPa・sを越えるとラミネート工程においてラミエアーの混入を抑制する効果が充分ではない。
好ましくは、10〜8×10mPa・sであり、さらに好ましくは10〜5×10mPa・sである。なお、感光製樹脂層の粘度は株式会社島津製作所製、島津フローテスタCFT−500で等速昇温試験により測定した(測定条件:プランジャー断面積 1cm2、ダイ長 1mm、ダイ径φ1mm、試験荷重20Kgf、予熱時間120秒、試験開始温度40℃、試験終了温度100℃、等速昇温速度 2℃/分)。
ここで用いられる感光性樹脂層としては(a)酸当量が100〜600であり、且つ重量平均分子量が5000〜60000であるバインダ−用樹脂、(b)光重合性不飽和化合物、ならびに(c)光重合開始剤を含む組成物が用いられる。また、配合比率、(a)/(b)が0.8〜1.1であることが好ましい。エッジフューズ性の観点から0.8以上が好ましく、ラミネート工程においてラミエアー抑制の観点から1.1以下が好ましい。より好ましくは0.8〜1.0である。
本発明に用いられる(a)バインダ−用樹脂に含まれるカルボキシル基の量は、酸当量で100〜600が好ましく、より好ましくは300〜400である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する線状重合体の質量を言う。
バインダ−用樹脂中のカルボキシル基は、感光性樹脂層にアルカリ水溶液に対する現像性や剥離性を与えるために必要である。酸等量は、現像耐性、解像性および密着性の観点から100以上が好ましく、現像性および剥離性の観点から600以下が好ましい。
本発明に用いられる(a)バインダ−用樹脂の重量平均分子量は、5000〜60000であることが好ましい。バインダ−用樹脂の重量平均分子量は、解像性の観点から60000以下が好ましく、エッジフューズの観点から6000以上が好ましい。本発明の効果をさらに良く発揮するためには、バインダ−用樹脂の重量平均分子量は、20000〜60000であることがより好ましく、さらに好ましくは20000〜50000である。
なお、酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
分子量は、日本分光(株)製ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプルによる検量線使用)により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
本発明に用いられる(a)バインダー用樹脂は、下記の2種類の単量体の中より、各々一種又はそれ以上の単量体を共重合させることにより得られる。
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル等が挙げられる。
第二の単量体は、非酸性で、分子中に重合性不飽和基を一個有し、感光性樹脂層の現像性、エッチング及びめっき工程での耐性、硬化膜の可とう性等の種々の特性を保持するように選ばれる。このようなものとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト等のアルキル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。また、高解像度の点でフェニル基を有するビニル化合物(例えば、スチレン)を用いることは本発明の好ましい実施態様である。
本発明に用いられる(a)バインダ−用樹脂は、上記単量体の混合物を、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノ−ル等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、過熱攪拌することにより合成を行うことが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合を用いていもよい。
本発明に用いられる(a)バインダ−用樹脂の感光性樹脂組成物全体に対する割合は、20〜90質量%の範囲であり、好ましくは30〜70質量%である。露光、現像によって形成されるレジストパターンが、レジストとしての特性、例えば、テンティング、エッチング及び各種めっき工程において十分な耐性等を有するという観点から20質量%以上90質量%以下が好ましい。
本発明において、(b)光重合性不飽和化合物の反応性末端基が感光性樹脂層中の感光性樹脂組成物の固形分100gあたり0.15〜0.25モルであることは好ましい態様である。解像性の効果から0.15モル以上が好ましい。硬化幕の柔軟性の観点から0.25モル以下が好ましい。好ましくは0.15〜0.22モルである。
本発明において、(b)光重合性不飽和化合物として、下記一般式(I)又は(II)で表される化合物の少なくとも1種以上含有していることは、高解像度の観点から本発明の好ましい実施態様である。
Figure 2005266348
(式中、R及びRはH又はCHであり、これらは同一であっても相違してもよく、n、n及びnは3〜20の整数である。)
Figure 2005266348
(式中、R、RはH又はCHであり、これらは同一であっても相違してもよく、AはC、BはCHCH(CH)、m+mは2〜30の整数、m+mは0〜30の整数、m、mは1〜29の整数、m、mは0〜29の整数である。−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。ブロックの場合、−(A−O)−及び−(B−O)−の順序は、何れがビスフェニル基側であってもよい。)
一般式(I)で表される化合物は、沸点、臭気の観点から、n、n及びnが、3以上であることが好ましい。単位質量あたりの光活性部位の濃度に起因する感度の観点からn,n及びnが、20以下であることが好ましい。本発明に用いられる一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコ−ルにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モル付加したグリコ−ルのジメタクリレ−トが好ましいものとして挙げられる。
一般式(II)で表される化合物は感度の観点からm+m及びm+mが30以下が好ましい。
本発明に用いられる一般式(II)で表される化合物の具体例としては、ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコ−ルのジメタクリレ−トや、ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ−ルのジメタクリレ−ト(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)及びビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均2モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ−ルのジメタクリレ−ト(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−200)がある。
本発明に用いられる(b)光重合性不飽和化合物として、上記以外に下記に示される光重合可能な不飽和化合物を同時に併用することもできる。例えば、1、6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1、4−シクロヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、またポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロ−ルトリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロ−ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト−ルペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリグリシジルエ−テルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テルジ(メタ)アクリレート及び、β−ヒドロキシプロピル−β’−(アクリロイルキシ)プロピルフタレート、フェノキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、ウレタン化合物も挙げられる。ウレタン化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト等のジイソシアネ−ト化合物と、一分子中にヒドロキシル基と(メタ)アクリル基を有する化合物(2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オリゴプロピレングリコ−ルモノメタクリレ−ト等)とのウレタン化合物等が挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネ−トとオリゴプロピレングリコ−ルモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマ−PP1000)との反応物がある。
(b)光重合性不飽和化合物の、感光性樹脂組成物全体に対する割合は、3〜70質量%の範囲である。この割合が、感度の観点から3質量%以上が好ましく、エッジフューズの観点から70質量%以下が好ましい。好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜55質量%である。
本発明において、(c)光重合開始剤として、下記一般式(III)で表される2,4,5−トリアリ−ルイミダゾ−ル二量体を含むことは高解像度の観点から好ましい実施態様である。
Figure 2005266348
(式中、X、Y及びZは水素、アルキル基、アルコキシ基及びハロゲン基のいずれかを表し、p、q及びrは1〜5の整数である。)
上記一般式(III)で表される化合物においては、2個のロフィン基を結合する共有結合は、1,1’−、1,2’−、1,4’−、2,2’−、2,4’−又は4,4’−位についているが、1,2’−位についている化合物が好ましい。
2,4,5−トリアリ−ルイミダゾ−ル二量体には、例えば、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ビス−(m−メトキシフェニル)イミダゾ−ル二量体、2−(p−メトシキフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体等があるが、特に、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体が好ましい。
本発明に用いられる(c)光重合開始剤としては、一般式(III)で表される2,4,5−トリアリ−ルイミダゾ−ル二量体とp−アミノフェニルケトンを併用する系が好ましい。p−アミノフェニルケトンとしては、例えば、p−アミノベンゾフェノン、p−ブチルアミノフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン等があげられる。
また、上記で示された化合物以外に、他の光重合開始剤との併用も可能である。ここでの光重合開始剤とは、各種の活性光線、例えば紫外線等により活性化され、重合を開始する化合物である。
他の光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインエーテル類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン化合物、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジルジエチルケタ−ル等がある。
また、例えば、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類と、ジメチルアミノ安息香酸アルキルエステル化合物等の三級アミン化合物との組み合わせもある。
また、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−ο−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−(ο−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類等がある。また、N−アリ−ル−α−アミノ酸化合物も用いることも可能であり、これらの中では、N−フェニルグリシンが特に好ましい。
本発明において、(c)光重合開始剤の割合は、0.1質量%〜20質量%である必要がある。この割合が0.1質量%未満であると十分な感度が得られない。また、この割合が20質量%を超えると、露光時にフォトマスクを通した光の回折によるかぶりが発生しやすくなり、その結果として解像性が悪化する。
本発明における感光性樹脂組成物には、染料、顔料等の着色物質を含有させることもできる。用いられる着色物質としては、例えば、フクシン、フタロシアニングリ−ン、オ−ラミン塩基、カルコキシドグリ−ンS,パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブル−2B、ビクトリアブル−、マラカイトグリ−ン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブル−20、ダイアモンドグリ−ン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)等が挙げられる。
本発明における感光性樹脂組成物には、光照射により発色する発色系染料を含有させることもできる。用いられる発色系染料としては、例えば、ロイコ染料又はフルオラン染料と、ハロゲン化合物の組み合わせがある。
ロイコ染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリ−ン]等が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリス(2、3−ジブロモプロピル)ホスフェ−ト、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1、1、1−トリクロロ−2、2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、トリアジン化合物等が挙げられる。
トリアジン化合物としては、2、4、6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが挙げられる。
このような発色系染料の中でも、トリブロモメチルフェニルスルフォンとロイコ染料との組み合わせや、トリアジン化合物とロイコ染料との組み合わせが有用である。
本発明における感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物にラジカル重合禁止剤を含有させることは好ましいことである。
このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノ−ル、ハイドロキノン、ピロガロ−ル、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコ−ル、塩化第一銅、2、6ージ−tert−ブチル−p−クレゾ−ル、2、2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノ−ル)、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ−ル)、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
また、本発明の感光性組成物に、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含有させることもできる。そのような添加剤としては、例えば、ジエチルフタレ−ト等のフタル酸エステル類やp−トルエンスルホンアミド、ポリプロピレングリコ−ル、ポエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル等が挙げられる。
感光性樹脂積層体を得るには、上記感光性樹脂組成物をメチルエチルケトン等適当な溶媒に溶解し、前述の支持層上に塗工し乾燥工程を経て溶媒を除去し、支持層面とは反対側の感光性樹脂層表面に、前述の保護層を積層して得られる。支持層よりも保護層の方が感光性樹脂層との密着力が充分小さく、容易に剥離できることがこの保護層としての重要な特性である。
次に、COF用配線板の製造の具体的な例を説明する。
(A)ラミネート工程:感光性樹脂積層体の保護層を剥がしながら感光性樹脂層とフレキシブル基板の銅面とが接着する重ね方で、上下1対のホットロールの間を通すことにより圧着させる。
ロール温度は50〜120℃、ラミネート速度は0.1〜6m/分であることが好ましい。上下1対のロールは、エアーシリンダー、あるいはばねによりピンチされており、圧力はラミネートロールの単位長さ当たりの圧力として、0.1〜1MPa/cmが好ましく、0.2〜0.5MPa/cmがより好ましい。
ラミネーターとしては、1対のラミネートロールを用いる1段式ラミネーター、2対以上のラミネートロールを用いる多段式ラミネーター、ラミネートする部分を容器で覆った上で真空ポンプで減圧あるいは真空にする真空ラミネーター等が使用される。ラミネート時のエアーの混入を抑制する上で、真空ラミネーターが好ましい。
また、ラミネートする前に基材との密着性を高めるために種々の処理(前処理)をすることがある。例えば、銅を腐食させる能力を持つ酸性液を前処理液として使用し、必要に応じ、25〜50℃に加温して、浸漬法やスプレー法で基板を処理する。
前処理液としては、硫酸と過酸化水素水の混合液、過硫酸アンモニウムや過硫酸ナトリウムの水溶液、過硫酸アンモニウムや過硫酸ナトリウムの水溶液と硫酸の混合液、硝酸と硝酸金属塩と有機酸の混合物水溶液、酢酸金属塩と有機酸の混合物水溶液等が挙げられ、有機酸としては、ギ酸、酢酸、リンゴ酸、アクリル酸、グリコール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
化学研磨剤、ソフトエッチング剤あるいは表面粗化剤として市販されている薬液も上記成分を含むものであれば使用できる。例としては、CPE-900、CPE-500(いずれも三菱ガス化学製、商品名)、CZ-8100、CB-801(いずれもメック製、商品名)が挙げられる。
(B)露光工程:所望の導体パターンを紫外線光源を用いて露光する。導体パターンが描画されたフォトマスクを支持層上に微小なギャップを介して乗せたり、あるいは密着させたりして露光する。また、投影レンズを用いてフォトマスク像を感光性樹脂層に結像させて露光する。フォトマスク像を投影して露光する場合、支持層を剥離して露光しても良いし、支持層がついたまま露光しても良い。紫外線光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプなどが挙げられる。より微細なレジストパターンを得るためには平行光光源を用いるのが好ましい。
(C)現像工程:支持体フィルムが残っている場合は、支持体フィルムを剥離した後、アルカリ現像液を用いて感光性樹脂層の未露光部分を溶解または分散除去して、硬化レジストパターンを基板上に形成する。
現像工程で用いられるアルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が挙げられる。最も一般的には、0.2〜2質量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。
現像後の水洗水は、レジストパターンの密着性、解像度、裾引きの観点から脱イオン化していない水が好ましい。例えば市井、水道水があげられる。
(D)回路(導体パターン)形成工程:形成された硬化レジストパターン上からエッチング液を用いてレジストパターンに覆われていない銅面をエッチングする、またはレジストパターンによって覆われていない銅面に銅、はんだ、ニッケルおよび錫等のめっき処理を行う。
(E)剥離工程:レジストパターンをアルカリ剥離液を用いて基板から除去する。
剥離工程で用いられるアルカリ水溶液としては、現像で用いたアルカリ水溶液よりもさらに強いアルカリ性であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、有機アミン化合物等が挙げられる。最も一般的には1〜5質量%の水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの水溶液が用いられる。
以下、実施例により本発明の実施の形態の例をさらに詳しく説明する。
1)感光性樹脂積層体の調製
表1の実施例および比較例に示す化合物の混合溶液を支持層上にバ−コ−タ−を用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で1分間乾燥して、5〜15μm厚みの感光性樹脂層を形成した。さらに感光性樹脂層の上に保護層を張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
支持層には、R340G(三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製、ポリエチレンテレフタレート、16μm厚み)、保護層にはT1−A742A(タマポリ社製、ポリエチレン、35μm厚み)を用いた。
また、表1において略号(P−1〜B−4)で表した感光性樹脂組成物を構成する成分を後記する<記号説明>に示す。
2)レジストパターン作製
(ラミネート)
ラミネーターAL-70(旭化成エンジニアリング(株)製、商品名)を用いて、フレキシブル基板に感光性樹脂積層体をラミネートした。その条件は、ラミネート速度:1.2m/分、ラミネートロール温度:90℃、ラミネート圧力:0.35MPa/cmとした。
なお、フレキシブル基板として、エスパネックス(登録商標、新日鉄化学製)を用い
た。このフレキシブル基板は、40μm厚みのポリイミドフィルムに12μm厚みの銅箔を積層したものであった。
(露光)
クロムガラスフォトマスクを用いて、超高圧水銀ランプを有する露光機(プロジェクション露光装置UX2003SM−MS04:ウシオ電機株式会社製)により、100mJ/cmの露光量で感光性樹脂層を露光した。ここで露光された部分は、硬化レジストとなる。
(現像)
支持層を除去し、0.4wt%炭酸ソーダ水溶液を30℃で、スプレー圧が0.15MPaで20秒間スプレーすることにより、感光性樹脂層の未露光部を除去し、硬化画像を得た。
[ラミエアー個数評価]
上記2)の配線板作製の(ラミネート)工程後のフレキシブル基板を光学顕微鏡で調べ、1×6cmのエリアのラミエアー個数を記録し、次の基準でランク分けした。
◎:エアー個数が0個の場合
○:エアー個数が1〜5個の場合
△:エアー個数が6〜20個の場合
×:エアー個数が21個以上の場合
[解像度評価]
フレキシブル基板にラミネ−トされた積層体に、ラインとスペ−スが1:1であるクロムガラスフォトマスクを通して露光し、現像した。得られた硬化パタ−ンの分離し得る最小線幅を解像度とした。
◎:解像度が10μm未満
○:解像度が10〜15μm未満
△:解像度が15〜20μm未満
×:解像度が20μm以上
[エッジフューズテスト]
20℃、湿度50%で感光性樹脂積層体をロ−ル状で保管し、端面からの感光性樹脂層のしみ出し(支持層と保護層とを介して隣り合う感光性樹脂層同士の癒着)の有無により、以下のランク付けにより評価した。ロール状の感光性樹脂積層体は、外径8.2cmのABS製のコアに、幅243mm、長さ200mの感光性樹脂積層体を、張力12Kg/mで巻き取ったものを使用した。
◎:100日以上端面からのしみ出し無しで保存可能。
○:30日以上100日未満端面からのしみ出し無しで保存可能。
△:15日以上30日未満端面からのしみ出し無しで保存可能。
×:15日未満で端面からのしみだしが発生する。
<記号説明>
P−1:メタクリル酸メチル50重量%、メタクリル酸25重量%、スチレン25重量%
の三元共重合体のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度35%、重量平均分子量
5万、分散度3.8、酸当量344)
M−1:平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコ−ルにエ
チレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モル付加したポリアルキレング
リコ−ルのジメタクリレ−ト
M−2:ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均2モルのプロピレンオキサイドと平均6
モルのエチレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコ−ルのジメタクリレ
−ト
M−3:ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均2モルのエチレンオキサイドを付加した
ポリエチレングリコ−ルのジメタクリレ−ト(新中村化学工業(株)製NKエス
エルBPE−200)
M−4:ヘキサメチレンジイソシアネ−トとオリゴプロピレングリコ−ルモノメタクリレ
ート(日本油脂(株)製、ブレンマ−PP1000)との反応物であるウレタン
ポリプロピレングリコールジメタクリレート
M−5:トリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト
M−6:トリオキシエチルトリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト(新中村化学工業(株)
製 NKエステルA−TMPT−3EO)
M−7:ノナエチレングリコ−ルジアクリレ−ト
A−1:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
A−2:2−(o−クロロフェニル)−4、5−ジフェニルイミダゾ−ル二量体
B−1:ダイアモンドグリ−ン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIA
MOND GREEN GH)
B−2:ロイコクリスタルバイオレット
Figure 2005266348
本発明はフレキシブル基板を用いた微細配線形成用のCOF用基板製造用に好適に用いられ、特に導体幅が30μm以下の微細配線用に有用である。

Claims (7)

  1. 支持層、感光性樹脂層、保護層からなる感光性樹脂積層体において、感光性樹脂層の粘度が、80℃で10〜10mPa・s、感光性樹脂層の厚みが1〜20μm、支持層及び保護層の厚みの合計が30〜80μm、であることを特徴とする感光性樹脂積層体。
  2. 支持層及び保護層の厚みの合計が、感光性樹脂層の厚みの3倍以上であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂積層体。
  3. 感光性樹脂層が、(a)酸当量が100〜600であり、且つ重量平均分子量が5000〜60000であるバインダ−用樹脂:20〜90質量%、(b)光重合性不飽和化合物:3〜70質量%、ならびに(c)光重合開始剤:0.1〜20質量%を含有し、且つ配合比率、(a)/(b)が0.8〜1.1であることを特徴とする請求項1または2記載の感光性樹脂積層体。
  4. (b)光重合性不飽和化合物の反応性末端基が感光性樹脂層中の固形分100gあたり0.15〜0.25モルであることを特徴とする請求項1、2または3記載の感光性樹脂積層体。
  5. (b)光重合性不飽和化合物が下記、一般式(I)または(II)で表される化合物の少なくとも1種以上含有していることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の感光性樹脂積層体。
    Figure 2005266348
    (式中、R及びRはH又はCHであり、これらは同一であっても相違してもよく、n、n及びnは3〜20の整数である。)
    Figure 2005266348
    (式中、R、RはH又はCHであり、これらは同一であっても相違してもよく、AはC、BはCHCH(CH)、m+mは2〜30の整数、m+mは0〜30の整数、m、mは1〜29の整数、m、mは0〜29の整数である。−(A−O)−及び−(B−O)−の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。ブロックの場合、−(A−O)−及び−(B−O)−の順序は、何れがビスフェニル基側であってもよい。)
  6. 請求項1記載の感光性樹脂積層体を用いて、厚みが10〜100μmのフィルムに、銅箔を積層したフレキシブル基板に
    (A)感光性樹脂積層体をラミネートし、
    (B)所望の導体パターンに対応した露光を行い、露光された部分の感光性樹脂を光硬化させて硬化レジストを得、
    (C)現像により、未露光部分の感光性樹脂を除去する工程を含むレジストパタ−ン形成方法。
  7. 請求項1記載の感光性樹脂積層体を用いて、厚みが10〜100μmのフィルムに、銅箔を積層したフレキシブル基板に
    (A)感光性樹脂積層体をラミネートし、
    (B)所望の導体パターンに対応した露光を行い、露光された部分の感光性樹脂を光硬化させて硬化レジストを得、
    (C)現像により、未露光部分の感光性樹脂を除去し、
    (D)エッチングにより硬化レジストに覆われていない基板の銅箔層を除去するか、または、めっきにより硬化レジストに覆われていない部分にめっき金属を析出させた後、
    (E)剥離により、硬化レジストを除去する工程を含むチップオンフィルム用配線板の製造方法。
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