JP2004109476A - 測光装置および測光機能付きカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】より精度の高い逆光判定を行うことができる測光機能付きカメラを提供すること。
【解決手段】撮影画面内の複数領域の被写体輝度を測定する測光手段101と、撮影画面内の複数領域の被写体距離を測定する測距手段102と、撮影画面内の複数の測距領域の中から各測距領域の測距データに基づいて一つの測距領域を選択する第1選択手段111と、この第1選択手段により選択された測距領域に対応する測光領域とその隣接測光領域の中から各測光領域の測光データに基づいて一つの測光領域を選択する第2選択手段112と、この第2選択手段により選択された測光領域と各測光領域の測光データを比較し逆光であるか否かの判定を行う逆光判定手段113とを有するような測光機能付きカメラを構成実施する。
【選択図】 図1
【解決手段】撮影画面内の複数領域の被写体輝度を測定する測光手段101と、撮影画面内の複数領域の被写体距離を測定する測距手段102と、撮影画面内の複数の測距領域の中から各測距領域の測距データに基づいて一つの測距領域を選択する第1選択手段111と、この第1選択手段により選択された測距領域に対応する測光領域とその隣接測光領域の中から各測光領域の測光データに基づいて一つの測光領域を選択する第2選択手段112と、この第2選択手段により選択された測光領域と各測光領域の測光データを比較し逆光であるか否かの判定を行う逆光判定手段113とを有するような測光機能付きカメラを構成実施する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測光装置およびこれを機能的に備えるカメラ等に係わり、特にその測光装置の逆光判定に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラを用いた逆光状態での撮影シーンにおいて、主要被写体である人物の顔等に対する露出が不適正になってしまうことを防ぐ方法として開示された手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、撮影画面内の複数領域の測光と測距が可能なカメラにおいて、複数領域の中から一つの領域を測距データに基づいて選択し、この選択された領域の測光値とその他の領域の中の最大測光データとを比較することで逆光判定を行い、もし逆光と判定された場合には、そのカメラのストロボ装置を発光駆動させて露出制御を行うという方法を実施する従来技術が知られている。
このような方法にて行われる逆光判断の結果を利用すれば、カメラはその逆光状態に好適に対処することができるようになる。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−27151号公報(第3−4頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公平7−27151号公報に開示されたカメラが採用する逆光状態を判定する方法の場合、もし測距データに基づいて選択された測光領域の一部に主要被写体以外の背景部分が含まれていると、測定される測光データが主要被写体輝度と背景輝度との中間の値となるので、実際の主要被写体輝度よりも高輝度となり、逆光ではないという誤った判定がされてしまうおそれがあった。よって、そのような状況でも逆光として正しく取り扱う為のより高い精度の判定技術が求められる。
【0005】
そこで本発明の目的は、より精度の高い逆光判定を行うことができる測光装置とそれを備えるカメラを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するため、本発明では次のような手段を講じている。即ち第1の態様によれば、撮影画面内の複数領域の被写体輝度を測定する測光手段と、撮影画面内の複数領域の被写体距離を測定する測距手段と、撮影画面内の複数の測距領域の中から各測距領域の測距データに基づいて一つの測距領域を選択する第1選択手段と、この第1選択手段により選択された測距領域に対応する測光領域とその隣接測光領域の中から各測光領域の測光データに基づいて一つの測光領域を選択する第2選択手段と、この第2選択手段により選択された測光領域と各測光領域の測光データを比較し逆光判定を行う逆光判定手段とを有するような測光機能付きカメラを提案する。
【0007】
また、第2の態様によれば、撮影画面内の複数領域の被写体輝度を測定する測光手段と、撮影画面内の複数領域の被写体距離及び被写体輝度を測定する測距手段と、撮影画面内の複数の測距領域の中から各測距領域の測距データに基づいて一つの測距領域を選択する第1選択手段と、この第1選択手段により選択された測距領域とその隣接する測距領域の中から各測距領域の測光データに基づいて一つの測距領域を選択する第2選択手段と、この第2選択手段により選択された測距領域と各測光領域の測光データを比較し逆光判定を行う逆光判定手段とを有するような測光機能付きカメラを提案する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、カメラを例に複数の実施形態を挙げ、図1〜図10を参照しながら本発明について具体的に説明する。
(第1実施形態)
最初に、本発明の第1実施形態について説明する。
図1には、本発明の測光機能付きカメラの主要部の基本構成をブロック構成図で例示する。但しこの基本構成は、当該第1実施形態のみならず、後述する第2〜第4実施形態に係わるカメラの基本構成と同等であるものとする。
カメラ10は次のような構成要素から構成されている。すなわち、このカメラ10は、撮影画面内の被写体輝度情報の測定を行う測光手段101と、同じ撮影画面内の被写体距離情報の測定を行う測距手段102とを有する、少なくとも測光機能を備えたカメラであり、更に、得られた測距情報を基にしてピント調節用レンズの駆動を行うレンズ駆動手段103と、例えば銀塩フィルムヘの露光を行うシャッタ手段104と、当該銀塩フィルムの巻上げ及び巻戻しを行うフィルム給送手段105と、低輝度時や逆光時に発光動作を行って当該被写体を照明する為のストロボ装置106とを備えている。また、当該カメラ10の為の各種の設定値や調整値等を記憶するEEPROM107等の不揮発性メモリと、このカメラ10全体の動作シーケンスの制御や演算等を行うCPU108と、測距・測光等の撮影に必要な被写体情報の測定・演算の実行を撮影者から当該カメラ自体へ操作指示する為のファーストレリーズスイッチ(以下「1RSW」と略称)109と、この1RSW109をON状態にすることによって測定・演算された被写体情報を基に撮影の実行をこのカメラ自体へ指示操作する為のセカンドレリーズスイッチ(以下「2RSW」と略称)110とを操作可能に備えている。
【0009】
上記CPU108には、制御プログラムとして実行可能なレリーズシーケンスプログラム(別名、カメラシーケンスプログラム)がローディングされ、そしてここには例えば、撮影画面内の複数の測距エリア中から測距データが最も近距離である測距エリアを選択する第1選択手段111と、この第1選択手段で選択された測距データが最も近距離である測距エリアに対応する測光エリアとその隣接測光エリアの中から測光データが最も低輝度である測光エリアを選択する第2選択手段112と、この第2選択手段112で選択された最も低輝度である測光エリアの測光データと撮影画面内の平均測光データの差に基づいて逆光判定を行う逆光判定手段113とを、例えばソフトウエア的に含んでいる。
【0010】
このように、本発明のカメラ10は測光手段101と測距手段102とを搭載しており、これら測光手段101及び測距手段102は、詳しくは図2及び図3にそれぞれ示すように構成されている。
【0011】
図2には、第1〜3実施形態に係わる測光手段101の構成を概略的に示す。この測光手段101は、撮影画面内の光成分をこの測光手段101の内部に導く為の測光レンズ121と、この測光レンズ121により導かれた撮影画面内の光成分を複数領域に分割して受光する多分割測光センサ122とを有し、さらに、この多分割測光センサ122の積分動作の制御を行う測光用積分制御手段123と、その多分割測光センサ122の積分出力をアナログからデジタルへ変換するA/D変換部124とを、当該多分割測光センサ122に接続した状態で有している。
そして、周知の測光方式にて被写体の明るさを計算する為のデジタル信号を、CPU108へ供給するように構成されている。
【0012】
また図3には、第1〜3実施形態に係わる測距手段102の構成を概略的に示す。この測距手段102は、被写体像を測距手段102の内部に導いて結像させる為の一組の受光レンズ131a,131bと、これら受光レンズ131a,131bによりそれぞれ結像された被写体像をその光強度に応じて光電変換し電気信号(被写体像信号)を生成する一組のラインセンサ132a,132bと、これらラインセンサ132a,132bの積分動作の制御を行う測距(AF用)積分制御手段133と、これらラインセンサ132a,132bより被写体像信号を読み出し、アナログからデジタルへの変換を行う読出し手段としてのA/D変換部134とを有している。
そして、周知の測距方式を適用して被写体までの距離を計算する為のデジタル信号を、CPU108へ供給するように構成されている。
【0013】
ここで、第1実施形態の特徴を説明する為、測光および測距における被写体像とこの像が検知できる領域について説明する。
図4には、この第1実施形態における測光エリアと測距エリアとの関係を模式的に示す。被写体を撮影する際の測光・測距の為の領域においては、図示の如く撮影対象の主要被写体である人物像141が投影される。この測光・測距の為の領域は格子状にエリア分割されており、次の様な種類のエリアとなっている。
【0014】
すなわち、測距対象として測距され得られた各測距エリアの測距データに関して、例えば、測距データが最も近距離である値を示す測距エリア142と、測距データが最も近距離である値を示す上記測距エリア142に対応する測光エリア144の隣接測光エリア143と、同じく、測距データが最も近距離である値を示す上記測距エリア142に対応する測光エリア144と、測距データが最も近距離である値を示す上記測距エリア142に対応する測光エリア144の隣接測光エリア145とが、主要被写体の測距点を中心として存在する。
【0015】
またこの第1実施形態では、図4中の実線で示されたように多数の矩形に分割された各測光エリア毎の測光を測光手段101により実行し、破線で示すような長手方向中央に並ぶ複数の矩形の各測距エリアで測距を実行する。
続いて、上記測距エリアの中から測距結果が最も近距離である測距エリアを選択し、選択された測距エリアに対応する測光エリアを選択する。
その後、選択された測光エリアとその隣接測光エリアの中から、測光結果が最も低輝度である測光エリアを選択するように設定されている。
【0016】
更に詳しく、逆光判定までの処理に係わるアルゴリズムについて説明すると、例えば、図4における測距エリア142の測距データが最も近距離である場合、測光エリア144が選択され、この測光エリアとその隣接測光エリア143、145の測光データが、それぞれBVAE144、BVAE143、BVAE145であり、その輝度レベルの大小関係が、BVAE145 < BVAE144< BVAE143 である場合には、測光データが最も低輝度である測光エリア145の測光データBVAE145が選択される。
【0017】
次に、各測光エリアの平均測光データBVAEAVEを求め、上記のように選択された測光データBVAE145との差が、閾値としての逆光判定値GBVTHよりも大きい場合に「逆光状態である」と判定する。
すなわち、逆光判定値GBVTH = 2EV とすると、
BVAEAVE − BVAE145 > 2 …(1)
の場合に逆光であると判定する。
【0018】
そして、上記の例の場合、撮影シーンが逆光と判定された場合は、測光エリア145の測光データBVAE145を露出演算に用いる測光データとする。一方、逆光でないと判定された場合は、撮影画面内の平均測光データBVAEAVEを露出演算に用いる測光データとする。
【0019】
上記の例で、最至近測距エリアに対応する測光エリアとその隣接測光エリアの中から最低輝度の測光データを選択する理由は、図4のように最至近測距エリア142が主要被写体である人物像141と背景の両方をその視野に含む場合、測距エリア142に対応する測光エリア144の測光データBVAE144は高輝度の背景と逆光となっている人物像141の輝度の平均的な輝度となるので、実際は逆光撮影シーンであるにも係わらず、逆光でないと判断してしまう可能性がある故である。
【0020】
(変形例)
なお、逆光判定を行う際に、撮影画面内の平均測光データの代わりとして、撮影画面内の複数の測光エリア中の最大測光データを用いるようにしてもよい。これにより、主要被写体の背景で低輝度部が占める割合が大きく、主要被写体自体は逆光状態であるにも係わらず逆光と判定されずに、主要被写体に対する露出が不適正となることを防ぐことができる。
【0021】
また、逆光判定時は、最低測光データに基づいて露出制御を行うのではなく、ストロボ装置を発光駆動させて露出制御を行うように変形実施してもよい。
これにより、主要被写体に関してはストロボ光によって露出が適正となるようにし、背景に関しては露光時間により露出が適正となるようにすることができる。
【0022】
さらに上述した例では、測距手段102にはラインセンサを用いて一次元の測距を行うものであるが、ラインセンサの代わりにエリアセンサを用いて二次元の測距を行うように変形実施してもよい。
これにより、撮影画面内のより広い範囲で逆光判定を行うことができる。
【0023】
ここで、本発明に係わるカメラの動作とその制御について詳しく説明する。図6には、本発明に係わる測光装置を搭載したカメラのレリーズシーケンスの手順をフローチャートで示す。但しこのフローチャートは、後述する各実施形態にも共通するメインルーチンであるものとする。
S101において、このカメラの電源スイッチ(不図示)がON操作された場合、各種の設定値、調整値等のデータをEEPROM107等の不揮発性メモリより読み出して、CPU108内のRAM(不図示)に展開する。
【0024】
S102にて、その電源スイッチの状態を判定し、もしその電源スイッチがON状態であれば次のS103へ進む。一方、その電源スイッチがOFF状態であれば当該レリーズシーケンスを終了する。
【0025】
S103にて、1RSW109がON状態であればS104に進み、OFF状態であればS102へ戻る。
S104では、所定の測光を行い、撮影画面内の複数の各測光エリアに関する測光データを演算する。
【0026】
S105では、所定の測距を行い、撮影画面内の複数の各測距エリアに関する測距データを演算する。
S106では、上記S104における測光結果、及び上記S105における測距結果に基づいてサブルーチン「逆光判定」を実行して逆光の判定を行う(詳細後述)。
【0027】
S107にて、上記S106における「逆光判定」で設定された露出演算用データに基づいて露出演算を行い、露出制御データを算出する。
S108にて、上記S107で求めた被写体距離データを基にしてピント調節用レンズ(不図示)の繰出し量を演算する。
【0028】
S109において、1RSW109がON状態であれば次のS110に進み、OFF状態であれば上記S102に戻る。
S110では、2RSW110がON状態であれば次のS111に進み、OFF状態であれば上記S109へ戻る。
【0029】
S111にて、レンズ駆動手段103により、上記S108で求めたレンズ繰出し量に応じてそのピント調節用レンズを繰り出す。
S112にて、シャッタ手段104により、上記S107で求めた露出制御データに応じて露光を行う。
S113にて、フィルム給送手段105により内蔵したフィルムの1コマ巻上げを行い、その後再び上記S102へ戻る。
【0030】
図7には、第1実施形態における特徴的なサブルーチン「逆光判定」の手順をフローチャートで示す。
S121において、図6中の前記S105で測定した撮影画面内の複数の各測距エリアに関する測距データから最至近測距データを求め、最至近測距データである測距エリアを選択する。
【0031】
S122にて、上記S121で選択した測距エリアに対応する測光エリアを選択する。
S123にて、上記S122で選択した測光エリアとその隣接測光エリアの中から最低輝度の測光データを選択する。
【0032】
S124にて、図6中の前記S104の各測光エリアに関する測光データから撮影画面内の平均測光データ(BVAEAVE)を求める。
S125にて、上記S123で選択した最低輝度の測光データと、上記S124で求めた平均測光データとの差を求める。
【0033】
S126において、上記S125で求めた最低輝度の測光データと平均測光データの差と、所定の逆光判定値(閾値:GBVTH = 2EV)とを、式(1)に従って比較し、もしこの測光データの差がその逆光判定値(この場合2)よりも大きければ、逆光であると判断して続くS127へ進み、小さければ逆光ではないと判断しS128へ進む。
【0034】
S127にて、逆光状態に対処する為に、上記S123で選択した最低輝度の測光データを露出演算用データに設定する。その後、図6中の前記S107にリターンする。
S128においては、逆光でない故に、上記S124で求めた撮影画面内の平均測光データBVAEAVEをそのまま露出演算用データに設定する。
その後、図6中の前記S107にリターンする。
【0035】
このように実施したことで、第1実施形態によれば、確実に逆光シーンを検出し、主要被写体の露出が適正となる撮影を行うことができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
前述の第1実施形態と同様な構成の測光装置において、第1実施形態では逆光判定に用いる主要被写体の測光データを測光手段101で求めていた形態であるのに対して、この第2実施形態は、測距手段102で求めるように実施したことを特徴としたものである。
そこで、この第2実施形態の特徴を詳しく説明する為、測光および測距における被写体像とこの像が検知できる領域について説明する。
【0037】
図5には、この第2実施形態における測光エリアと測距エリアの関係を示す。被写体を撮影する際の測光・測距の為の領域に、図示の如く撮影対象の主要被写体である人物像241が投影される。この測光・測距の為の領域は同様に格子状にエリア分割され次の種類のエリアから構成されている。すなわち、測距対象として測距され得られた各測距エリアの測距データに関して、例えば、測距データが最も近距離である値を示す測距エリア242と、その測距データが最も近距離である値を示す測距エリア242の隣接測距エリア243と、その測距データが最も近距離である値を示す測距エリア242の隣接測距エリア244と、が存在する。
【0038】
更に詳しく、逆光判定までの処理に係わるアルゴリズムについて説明すると、例えば、図5において破線で示す長手方向中央に並ぶ複数の矩形のエリアのうちで、測距エリア242の測距データが最も近距離である場合、この測距エリア242とその隣接測距エリア243、244でそれぞれ測光データBVAF242、BVAF243、BVAF244を求め、その輝度レベルの大小関係が、BVAF244 < BVAF242 < BVAF243 である場合には、測光データが最も低輝度である測距エリア244の測光データBVAF244が選択される。
【0039】
次に、各測光エリアの平均測光データBVAEAVEを求め、上記のように選択された測光データBVAE145との差が、逆光判定値GBVTHよりも大きい場合、逆光状態であると判定する。
即ち、逆光判定値GBVTH = 2EV とすると、
BVAEAVE − BVAF244 > 2 …(2)
の場合に逆光であると判定する。
【0040】
そして、上記の例の場合、撮影シーンが逆光と判定された場合は、露光時にストロボ装置を発光させるように制御し、逆光でないと判定された場合は、撮影画面内の平均測光データBVAEAVEを、露出演算に用いる測光データとする。
【0041】
ここで第2実施形態における動作と制御について説明する。
図8には、第2実施形態として特徴的なサブルーチン「逆光判定」の手順をフローチャートで示す。
まずS221において、図6中の前記S105で測定した撮影画面内の複数の各測距エリアに関する測距データから最至近測距データを求め、その最至近測距データである測距エリアを選択する。
【0042】
S222では、上記S221で選択した測距エリアとその隣接測距エリアの測光データを求める。
S223にて、上記S222で求めた測光データの中から最低輝度の測光データを選択する。
【0043】
S224にて、図6中の前記S104の各測光エリアの測光データから、撮影画面内の平均測光データ(BVAEAVE)を求める。
S225にて、上記S223で選択した最低輝度の測光データと、上記S224で求めた平均測光データとの差を求める。
【0044】
S226においては、上記S225で求めた最低輝度の測光データと平均測光データの差と逆光判定値(GBVTH = 2EV)とを、式(2)に従って比較する。もし、逆光判定値(この場合2)よりも測光データの差が大きければ、逆光であると判断して続くS227へ進み、逆光ではないと判断して小さければS228に進む。
【0045】
S227では、逆光状態に対処する為に、ストロボ装置106のストロボ発光要求フラグをセットする等の方法によってストロボ発光要求設定を行う。その後、図6中の前記S107にリターンする。
S228においては、逆光でない故に、上記S224で求めた撮影画面内の平均測光データをそのまま露出演算用データに設定する。その後、図6中の前記S107にリターンする。
【0046】
このように第2実施形態によれば、逆光判定時の主要被写体輝度を、測距手段102を用いて求めることにより、前述の第1実施形態と同様な効果を得られるばかりでなく、測光手段101に多分割測光素子122(図2)を用いなくても、同様な逆光判定を行うことが可能となる。
【0047】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第1、第2実施形態では、逆光シーンであると判定した場合に、露光時にストロボ装置106を発光させるように実施したが、実際にカメラ10を使用すると、例えば撮影レンズのFNo.が大きいとか、被写体距離が遠い場合とか、或いは使用するフィルム感度が低い等の諸々の理由で、補助光としてストロボ装置106を発光駆動させてもその効果が得られない場合がある。
【0048】
そこでこの第3実施形態では、第1実施形態と同様な構成の測光装置において、逆光シーンであると判定した場合に、ストロボ装置106を発光駆動させても効果が無いような場合は特に、最至近測距エリアに対応する測光エリアとその隣接測光エリアの中から選択される最低輝度の測光データに基づいて露出制御を行うように実施することを特徴とする。
【0049】
図9には、第3実施形態における逆光判定の手順をフローチャートで示す。まずS321においては、図6中の前記S105で測定した撮影画面内の複数の各測距エリアに関する測距データから最至近測距データを求め、最至近測距データである値を示す測距エリアを選択する。
【0050】
S322では、上記S321で選択した測距エリアに対応する測光エリアを選択する。
S323では、上記S322で選択した測光エリアとその隣接測光エリアの中から最低輝度の測光データを選択する。
【0051】
S324にて、図6中の前記S104の各測光エリアに関する測光データから、撮影画面内の平均測光データを求める。
S325にて、上記S323で選択した最低輝度の測光データと、上記S324で求めた平均測光データとの差を求める。
【0052】
S326において、上記S325で求めた最低輝度の測光データと平均測光データの差と逆光判定値とを比較し、逆光判定値よりも測光データの差が大きければ逆光であると判断して続くS327へ進み、小さければ逆光ではないと判断してS330へ進む。
【0053】
S327にて、逆光状態に対処する為、ストロボ発光の効果を予測判定する。即ち、上記S321で求めた最至近測距データがストロボ光の到達距離以近であるかどうかを、撮影レンズのFNo.やフィルム感度等を考慮して判定する。もし、最至近測距データがストロボ光の到達距離以近であれば発光効果ありと予想して次のS328へ進み、ストロボ光の到達距離以遠であれば発光効果なしとしてS329へ進む。
【0054】
S328において、ストロボ発光要求フラグをセットする等の方法により、ストロボ発光要求設定を行う。その後、図6中の前記S107にリターンする。 S329では、上記S323で選択した最低輝度の測光データを露出演算用データに設定する。その後、図6中の前記S107にリターンする。
S330においては、上記S324で求めた撮影画面内の平均測光データを露出演算用データに設定する。その後、図6中の前記S107にリターンする。
【0055】
このように第3実施形態によれば、求めて得た最至近測距データの値がストロボ光の到達距離以近であるか否かを、撮影レンズのFNo.やフィルム感度等を考慮に入れて判定しているので、ストロボ発光の効果を予測できる。よって、逆光シーンにおいてストロボ装置106を発光駆動させても効果が無いような場合であっても、最低輝度の測光データを露出演算用データに設定することで、その主要被写体の露出が可能な限り適正となる撮影を行うことができる。
【0056】
(第4実施形態)
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。
図10には、第4実施形態における測光手段及び測距手段の構成を概略的に示す。この第4実施形態としての特徴は、前述の測距手段102をここでは図10に例示するような一対から成るエリアセンサ432a,432bを用いた構成とし、これらエリアセンサ432a,432bの一方を用いて測光も行うように実施したものである。すなわち、被写体輝度データの測定、及び被写体像データの測定を行う測光・測距手段435は、前述の測光手段101と測距手段102との機能を有し、これはセンサ機能を共用した一体型の測光・測距ユニットであり、詳しくは次のように構成されている。
【0057】
被写体像をエリアセンサ432a,432b上に結像させる為の一組の受光レンズ431a,431bと、これら受光レンズ431a,431bにより結像された被写体像をその光強度に応じて光電変換し電気信号を生成する一組のエリアセンサ432b,432aと、これらエリアセンサ432a,432bの積分動作に係わる制御を行う積分制御手段433と、それらエリアセンサ432a,432bより測光データまたは被写体像信号を読み出し、それをアナログからデジタルへ変換する読出し手段としてのA/D変換部434とから構成されている。
【0058】
つまり、前述の測距手段102で採用されていたラインセンサ(132a,132b)の代わりに、エリアセンサ432a,432bが採用されており、これらエリアセンサ432a,432bが測距に使われると共に、少なくとも一方のエリアセンサが測光にも使われるようになっている。
【0059】
そして、前述同様に測距および測光が行われる。尚、その処理手順は前述した実施形態に準ずるので、詳細な説明はここでは省略する。但し、測光の場合は、エリアセンサを利用した二次元的な測光処理も可能にする。したがって、例えば主要被写体の測光エリアは二次空間(平面的)に任意に設定できるようにしてもよい。また、測光ポイントも所望によりマルチポイントにも対応できるようにしてもよい。
【0060】
このように第4実施形態によれば、前述した測光手段101が不要になり、測光手段と測距手段とで受光素子(エリアセンサ)を共用できるので、一体型の測光・測距ユニットとして提供可能となる。また、受光素子を共用したことで、測光視野と測距視野のパララックスも無くなる。よって、スペースメリットが有り、しかも従来よりも高精度な逆光判定を行うことのできる測光装置を提供することが可能となる。
【0061】
(その他の変形例)
測光および測距を行うカメラを例にして説明してきたが、本発明の要旨はカメラ以外にも同様に適用可能である。また勿論、測光測距装置というような単体の装置ユニットであっても同様に適用可能である。
このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0062】
以上、実施形態に基づき説明したが、本明細書中には次の発明が含まれる。
(1) 撮影画面内の複数エリアの被写体輝度を測定する測光手段と、撮影画面内の複数エリアの被写体距離を測定する測距手段と、これら測光手段および測距手段を制御する制御手段と、を有するカメラにおいて、
上記制御手段は、上記測距手段が測定した各測距エリアに関する測距データに基づき一つの測距エリアを選択し、この選択された測距エリアに対応する測光エリアとその隣接測光エリアの中から各測光エリアの測光データに基づき一つの測光エリアを選択し、この選択された測光エリアと各測光エリアの測光データを比較して、逆光判定を行うことを特徴とする測光機能を有するカメラを提供できる。
【0063】
(2) 上記制御手段は、測距エリア選択手段(第1選択手段)と、測光エリア選択手段(第2選択手段)と、逆光判定手段とを制御プログラムとして具備し、
上記第1選択手段が一つの測距エリアを選択した後、上記第2選択手段がその測距エリアに対応する測光エリアとその隣接測光エリアの中から各測光エリアの測光データに基づき選択した一つの測光エリアと、その測光エリアと各測光エリアの測光データを上記逆光判定手段が比較して得た結果に従って、撮影対象の被写体が逆光状態であるか否かを所定のアルゴリズムに基づき判定することを特徴とする(1)に記載のカメラを提供できる。
【0064】
(3) 上記逆光判定手段が行う比較演算における上記アルゴリズムは、選択された一つの測光エリアとこれに隣接する二つの測光エリアの測光データの大小関係において最も小さい低輝度測光データと、上記三つの測光エリアの平均測光データとの差が所定の逆光判定値(閾値:例えば2)よりも大きい場合に、逆光であると判定することを特徴とする(2)に記載のカメラを提供できる。
【0065】
(4) 主要被写体の背景で低輝度部が占める割合が大きく、主要被写体自体が逆光状態にも係わらず逆光と判定されないように、逆光判定の際は、撮影画面内の平均測光データの代わりとして、撮影画面内の複数の測光エリア中の最大測光データを用いることを特徴とする(2)に記載のカメラを提供できる。
(5) 主要被写体に関しては補助光によって露出が適正となるように、背景に関しては露光時間により露出が適正となるように、逆光判定の際は、最低測光データに基づいて露出制御を行う代わりとして、補助光を発光駆動させて露出制御を行うことを特徴とする(2)に記載のカメラを提供できる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来よりも精度の高い逆光判定を行うことができ、逆光の撮影シーンであっても主要被写体の露出が適正となるような測光機能付きカメラを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測光機能付きカメラの主要部を示すブロック構成図。
【図2】本発明の第1〜3実施形態に係わる測光手段の構成を概略的に示す構成図。
【図3】本発明の第1〜3実施形態に係わる測距手段の構成を概略的に示す構成図。
【図4】第1実施形態における測光エリアと測距エリアの関係を示す説明図。
【図5】第2実施形態における測光エリアと測距エリアの関係を示す説明図。
【図6】本発明の測光装置を搭載するカメラのレリーズシーケンスの手順を示すフローチャート。
【図7】本発明に係わる第1実施形態の「逆光判定」の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明に係わる第2実施形態の「逆光判定」の手順を示すフローチャート。
【図9】本発明に係わる第3実施形態の「逆光判定」の手順を示すフローチャート。
【図10】本発明に係わる第4実施形態の測光及び測距手段の構成を概略的に示す構成図。
【符号の説明】
10…カメラ、
101…測光手段(測光装置)、
102…測距手段(測距装置)、
103…レンズ駆動手段、
104…シャッタ手段、
105…フィルム給送手段、
106…ストロボ装置(閃光発光手段)、
107…EEPROM(不揮発性メモリ)、
108…CPU(制御プログラムを含む)、
109…ファーストレリーズスイッチ(1RSW)、
110…セカンドレリーズスイッチ(2RSW)、
111…第1選択手段(S121等)、
112…第2選択手段(S122等)、
113…逆光判定手段(S126等)、
121…測光レンズ、
122…多分割測光センサ、
123…測光用積分制御手段、
124,134…A/D変換部、
131a,131b…受光レンズ、
132a,132b…ラインセンサ、
133…測距用積分制御手段、
141,241…主要被写体(人物像)、
142,242…測距エリア(最近距離)、
143,243…その測距エリアに対応する隣接測光エリア、
144,244…測光エリア(最近距離)、
145,245…その測距エリアに対応する隣接測光エリア、
431a,431b…受光レンズ、
432a,432b…エリアセンサ、
433…積分制御手段、
434…A/D変換部(読出し手段)、
435…測光・測距手段(測光・測距兼用ユニット)。
S101〜S113…レリーズシーケンス、
S121〜S128…逆光判定ルーチン(第1実施形態)、
S221〜S228…逆光判定ルーチン(第2実施形態)、
S321〜S330…逆光判定ルーチン(第3実施形態)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、測光装置およびこれを機能的に備えるカメラ等に係わり、特にその測光装置の逆光判定に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラを用いた逆光状態での撮影シーンにおいて、主要被写体である人物の顔等に対する露出が不適正になってしまうことを防ぐ方法として開示された手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、撮影画面内の複数領域の測光と測距が可能なカメラにおいて、複数領域の中から一つの領域を測距データに基づいて選択し、この選択された領域の測光値とその他の領域の中の最大測光データとを比較することで逆光判定を行い、もし逆光と判定された場合には、そのカメラのストロボ装置を発光駆動させて露出制御を行うという方法を実施する従来技術が知られている。
このような方法にて行われる逆光判断の結果を利用すれば、カメラはその逆光状態に好適に対処することができるようになる。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−27151号公報(第3−4頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公平7−27151号公報に開示されたカメラが採用する逆光状態を判定する方法の場合、もし測距データに基づいて選択された測光領域の一部に主要被写体以外の背景部分が含まれていると、測定される測光データが主要被写体輝度と背景輝度との中間の値となるので、実際の主要被写体輝度よりも高輝度となり、逆光ではないという誤った判定がされてしまうおそれがあった。よって、そのような状況でも逆光として正しく取り扱う為のより高い精度の判定技術が求められる。
【0005】
そこで本発明の目的は、より精度の高い逆光判定を行うことができる測光装置とそれを備えるカメラを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するため、本発明では次のような手段を講じている。即ち第1の態様によれば、撮影画面内の複数領域の被写体輝度を測定する測光手段と、撮影画面内の複数領域の被写体距離を測定する測距手段と、撮影画面内の複数の測距領域の中から各測距領域の測距データに基づいて一つの測距領域を選択する第1選択手段と、この第1選択手段により選択された測距領域に対応する測光領域とその隣接測光領域の中から各測光領域の測光データに基づいて一つの測光領域を選択する第2選択手段と、この第2選択手段により選択された測光領域と各測光領域の測光データを比較し逆光判定を行う逆光判定手段とを有するような測光機能付きカメラを提案する。
【0007】
また、第2の態様によれば、撮影画面内の複数領域の被写体輝度を測定する測光手段と、撮影画面内の複数領域の被写体距離及び被写体輝度を測定する測距手段と、撮影画面内の複数の測距領域の中から各測距領域の測距データに基づいて一つの測距領域を選択する第1選択手段と、この第1選択手段により選択された測距領域とその隣接する測距領域の中から各測距領域の測光データに基づいて一つの測距領域を選択する第2選択手段と、この第2選択手段により選択された測距領域と各測光領域の測光データを比較し逆光判定を行う逆光判定手段とを有するような測光機能付きカメラを提案する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、カメラを例に複数の実施形態を挙げ、図1〜図10を参照しながら本発明について具体的に説明する。
(第1実施形態)
最初に、本発明の第1実施形態について説明する。
図1には、本発明の測光機能付きカメラの主要部の基本構成をブロック構成図で例示する。但しこの基本構成は、当該第1実施形態のみならず、後述する第2〜第4実施形態に係わるカメラの基本構成と同等であるものとする。
カメラ10は次のような構成要素から構成されている。すなわち、このカメラ10は、撮影画面内の被写体輝度情報の測定を行う測光手段101と、同じ撮影画面内の被写体距離情報の測定を行う測距手段102とを有する、少なくとも測光機能を備えたカメラであり、更に、得られた測距情報を基にしてピント調節用レンズの駆動を行うレンズ駆動手段103と、例えば銀塩フィルムヘの露光を行うシャッタ手段104と、当該銀塩フィルムの巻上げ及び巻戻しを行うフィルム給送手段105と、低輝度時や逆光時に発光動作を行って当該被写体を照明する為のストロボ装置106とを備えている。また、当該カメラ10の為の各種の設定値や調整値等を記憶するEEPROM107等の不揮発性メモリと、このカメラ10全体の動作シーケンスの制御や演算等を行うCPU108と、測距・測光等の撮影に必要な被写体情報の測定・演算の実行を撮影者から当該カメラ自体へ操作指示する為のファーストレリーズスイッチ(以下「1RSW」と略称)109と、この1RSW109をON状態にすることによって測定・演算された被写体情報を基に撮影の実行をこのカメラ自体へ指示操作する為のセカンドレリーズスイッチ(以下「2RSW」と略称)110とを操作可能に備えている。
【0009】
上記CPU108には、制御プログラムとして実行可能なレリーズシーケンスプログラム(別名、カメラシーケンスプログラム)がローディングされ、そしてここには例えば、撮影画面内の複数の測距エリア中から測距データが最も近距離である測距エリアを選択する第1選択手段111と、この第1選択手段で選択された測距データが最も近距離である測距エリアに対応する測光エリアとその隣接測光エリアの中から測光データが最も低輝度である測光エリアを選択する第2選択手段112と、この第2選択手段112で選択された最も低輝度である測光エリアの測光データと撮影画面内の平均測光データの差に基づいて逆光判定を行う逆光判定手段113とを、例えばソフトウエア的に含んでいる。
【0010】
このように、本発明のカメラ10は測光手段101と測距手段102とを搭載しており、これら測光手段101及び測距手段102は、詳しくは図2及び図3にそれぞれ示すように構成されている。
【0011】
図2には、第1〜3実施形態に係わる測光手段101の構成を概略的に示す。この測光手段101は、撮影画面内の光成分をこの測光手段101の内部に導く為の測光レンズ121と、この測光レンズ121により導かれた撮影画面内の光成分を複数領域に分割して受光する多分割測光センサ122とを有し、さらに、この多分割測光センサ122の積分動作の制御を行う測光用積分制御手段123と、その多分割測光センサ122の積分出力をアナログからデジタルへ変換するA/D変換部124とを、当該多分割測光センサ122に接続した状態で有している。
そして、周知の測光方式にて被写体の明るさを計算する為のデジタル信号を、CPU108へ供給するように構成されている。
【0012】
また図3には、第1〜3実施形態に係わる測距手段102の構成を概略的に示す。この測距手段102は、被写体像を測距手段102の内部に導いて結像させる為の一組の受光レンズ131a,131bと、これら受光レンズ131a,131bによりそれぞれ結像された被写体像をその光強度に応じて光電変換し電気信号(被写体像信号)を生成する一組のラインセンサ132a,132bと、これらラインセンサ132a,132bの積分動作の制御を行う測距(AF用)積分制御手段133と、これらラインセンサ132a,132bより被写体像信号を読み出し、アナログからデジタルへの変換を行う読出し手段としてのA/D変換部134とを有している。
そして、周知の測距方式を適用して被写体までの距離を計算する為のデジタル信号を、CPU108へ供給するように構成されている。
【0013】
ここで、第1実施形態の特徴を説明する為、測光および測距における被写体像とこの像が検知できる領域について説明する。
図4には、この第1実施形態における測光エリアと測距エリアとの関係を模式的に示す。被写体を撮影する際の測光・測距の為の領域においては、図示の如く撮影対象の主要被写体である人物像141が投影される。この測光・測距の為の領域は格子状にエリア分割されており、次の様な種類のエリアとなっている。
【0014】
すなわち、測距対象として測距され得られた各測距エリアの測距データに関して、例えば、測距データが最も近距離である値を示す測距エリア142と、測距データが最も近距離である値を示す上記測距エリア142に対応する測光エリア144の隣接測光エリア143と、同じく、測距データが最も近距離である値を示す上記測距エリア142に対応する測光エリア144と、測距データが最も近距離である値を示す上記測距エリア142に対応する測光エリア144の隣接測光エリア145とが、主要被写体の測距点を中心として存在する。
【0015】
またこの第1実施形態では、図4中の実線で示されたように多数の矩形に分割された各測光エリア毎の測光を測光手段101により実行し、破線で示すような長手方向中央に並ぶ複数の矩形の各測距エリアで測距を実行する。
続いて、上記測距エリアの中から測距結果が最も近距離である測距エリアを選択し、選択された測距エリアに対応する測光エリアを選択する。
その後、選択された測光エリアとその隣接測光エリアの中から、測光結果が最も低輝度である測光エリアを選択するように設定されている。
【0016】
更に詳しく、逆光判定までの処理に係わるアルゴリズムについて説明すると、例えば、図4における測距エリア142の測距データが最も近距離である場合、測光エリア144が選択され、この測光エリアとその隣接測光エリア143、145の測光データが、それぞれBVAE144、BVAE143、BVAE145であり、その輝度レベルの大小関係が、BVAE145 < BVAE144< BVAE143 である場合には、測光データが最も低輝度である測光エリア145の測光データBVAE145が選択される。
【0017】
次に、各測光エリアの平均測光データBVAEAVEを求め、上記のように選択された測光データBVAE145との差が、閾値としての逆光判定値GBVTHよりも大きい場合に「逆光状態である」と判定する。
すなわち、逆光判定値GBVTH = 2EV とすると、
BVAEAVE − BVAE145 > 2 …(1)
の場合に逆光であると判定する。
【0018】
そして、上記の例の場合、撮影シーンが逆光と判定された場合は、測光エリア145の測光データBVAE145を露出演算に用いる測光データとする。一方、逆光でないと判定された場合は、撮影画面内の平均測光データBVAEAVEを露出演算に用いる測光データとする。
【0019】
上記の例で、最至近測距エリアに対応する測光エリアとその隣接測光エリアの中から最低輝度の測光データを選択する理由は、図4のように最至近測距エリア142が主要被写体である人物像141と背景の両方をその視野に含む場合、測距エリア142に対応する測光エリア144の測光データBVAE144は高輝度の背景と逆光となっている人物像141の輝度の平均的な輝度となるので、実際は逆光撮影シーンであるにも係わらず、逆光でないと判断してしまう可能性がある故である。
【0020】
(変形例)
なお、逆光判定を行う際に、撮影画面内の平均測光データの代わりとして、撮影画面内の複数の測光エリア中の最大測光データを用いるようにしてもよい。これにより、主要被写体の背景で低輝度部が占める割合が大きく、主要被写体自体は逆光状態であるにも係わらず逆光と判定されずに、主要被写体に対する露出が不適正となることを防ぐことができる。
【0021】
また、逆光判定時は、最低測光データに基づいて露出制御を行うのではなく、ストロボ装置を発光駆動させて露出制御を行うように変形実施してもよい。
これにより、主要被写体に関してはストロボ光によって露出が適正となるようにし、背景に関しては露光時間により露出が適正となるようにすることができる。
【0022】
さらに上述した例では、測距手段102にはラインセンサを用いて一次元の測距を行うものであるが、ラインセンサの代わりにエリアセンサを用いて二次元の測距を行うように変形実施してもよい。
これにより、撮影画面内のより広い範囲で逆光判定を行うことができる。
【0023】
ここで、本発明に係わるカメラの動作とその制御について詳しく説明する。図6には、本発明に係わる測光装置を搭載したカメラのレリーズシーケンスの手順をフローチャートで示す。但しこのフローチャートは、後述する各実施形態にも共通するメインルーチンであるものとする。
S101において、このカメラの電源スイッチ(不図示)がON操作された場合、各種の設定値、調整値等のデータをEEPROM107等の不揮発性メモリより読み出して、CPU108内のRAM(不図示)に展開する。
【0024】
S102にて、その電源スイッチの状態を判定し、もしその電源スイッチがON状態であれば次のS103へ進む。一方、その電源スイッチがOFF状態であれば当該レリーズシーケンスを終了する。
【0025】
S103にて、1RSW109がON状態であればS104に進み、OFF状態であればS102へ戻る。
S104では、所定の測光を行い、撮影画面内の複数の各測光エリアに関する測光データを演算する。
【0026】
S105では、所定の測距を行い、撮影画面内の複数の各測距エリアに関する測距データを演算する。
S106では、上記S104における測光結果、及び上記S105における測距結果に基づいてサブルーチン「逆光判定」を実行して逆光の判定を行う(詳細後述)。
【0027】
S107にて、上記S106における「逆光判定」で設定された露出演算用データに基づいて露出演算を行い、露出制御データを算出する。
S108にて、上記S107で求めた被写体距離データを基にしてピント調節用レンズ(不図示)の繰出し量を演算する。
【0028】
S109において、1RSW109がON状態であれば次のS110に進み、OFF状態であれば上記S102に戻る。
S110では、2RSW110がON状態であれば次のS111に進み、OFF状態であれば上記S109へ戻る。
【0029】
S111にて、レンズ駆動手段103により、上記S108で求めたレンズ繰出し量に応じてそのピント調節用レンズを繰り出す。
S112にて、シャッタ手段104により、上記S107で求めた露出制御データに応じて露光を行う。
S113にて、フィルム給送手段105により内蔵したフィルムの1コマ巻上げを行い、その後再び上記S102へ戻る。
【0030】
図7には、第1実施形態における特徴的なサブルーチン「逆光判定」の手順をフローチャートで示す。
S121において、図6中の前記S105で測定した撮影画面内の複数の各測距エリアに関する測距データから最至近測距データを求め、最至近測距データである測距エリアを選択する。
【0031】
S122にて、上記S121で選択した測距エリアに対応する測光エリアを選択する。
S123にて、上記S122で選択した測光エリアとその隣接測光エリアの中から最低輝度の測光データを選択する。
【0032】
S124にて、図6中の前記S104の各測光エリアに関する測光データから撮影画面内の平均測光データ(BVAEAVE)を求める。
S125にて、上記S123で選択した最低輝度の測光データと、上記S124で求めた平均測光データとの差を求める。
【0033】
S126において、上記S125で求めた最低輝度の測光データと平均測光データの差と、所定の逆光判定値(閾値:GBVTH = 2EV)とを、式(1)に従って比較し、もしこの測光データの差がその逆光判定値(この場合2)よりも大きければ、逆光であると判断して続くS127へ進み、小さければ逆光ではないと判断しS128へ進む。
【0034】
S127にて、逆光状態に対処する為に、上記S123で選択した最低輝度の測光データを露出演算用データに設定する。その後、図6中の前記S107にリターンする。
S128においては、逆光でない故に、上記S124で求めた撮影画面内の平均測光データBVAEAVEをそのまま露出演算用データに設定する。
その後、図6中の前記S107にリターンする。
【0035】
このように実施したことで、第1実施形態によれば、確実に逆光シーンを検出し、主要被写体の露出が適正となる撮影を行うことができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
前述の第1実施形態と同様な構成の測光装置において、第1実施形態では逆光判定に用いる主要被写体の測光データを測光手段101で求めていた形態であるのに対して、この第2実施形態は、測距手段102で求めるように実施したことを特徴としたものである。
そこで、この第2実施形態の特徴を詳しく説明する為、測光および測距における被写体像とこの像が検知できる領域について説明する。
【0037】
図5には、この第2実施形態における測光エリアと測距エリアの関係を示す。被写体を撮影する際の測光・測距の為の領域に、図示の如く撮影対象の主要被写体である人物像241が投影される。この測光・測距の為の領域は同様に格子状にエリア分割され次の種類のエリアから構成されている。すなわち、測距対象として測距され得られた各測距エリアの測距データに関して、例えば、測距データが最も近距離である値を示す測距エリア242と、その測距データが最も近距離である値を示す測距エリア242の隣接測距エリア243と、その測距データが最も近距離である値を示す測距エリア242の隣接測距エリア244と、が存在する。
【0038】
更に詳しく、逆光判定までの処理に係わるアルゴリズムについて説明すると、例えば、図5において破線で示す長手方向中央に並ぶ複数の矩形のエリアのうちで、測距エリア242の測距データが最も近距離である場合、この測距エリア242とその隣接測距エリア243、244でそれぞれ測光データBVAF242、BVAF243、BVAF244を求め、その輝度レベルの大小関係が、BVAF244 < BVAF242 < BVAF243 である場合には、測光データが最も低輝度である測距エリア244の測光データBVAF244が選択される。
【0039】
次に、各測光エリアの平均測光データBVAEAVEを求め、上記のように選択された測光データBVAE145との差が、逆光判定値GBVTHよりも大きい場合、逆光状態であると判定する。
即ち、逆光判定値GBVTH = 2EV とすると、
BVAEAVE − BVAF244 > 2 …(2)
の場合に逆光であると判定する。
【0040】
そして、上記の例の場合、撮影シーンが逆光と判定された場合は、露光時にストロボ装置を発光させるように制御し、逆光でないと判定された場合は、撮影画面内の平均測光データBVAEAVEを、露出演算に用いる測光データとする。
【0041】
ここで第2実施形態における動作と制御について説明する。
図8には、第2実施形態として特徴的なサブルーチン「逆光判定」の手順をフローチャートで示す。
まずS221において、図6中の前記S105で測定した撮影画面内の複数の各測距エリアに関する測距データから最至近測距データを求め、その最至近測距データである測距エリアを選択する。
【0042】
S222では、上記S221で選択した測距エリアとその隣接測距エリアの測光データを求める。
S223にて、上記S222で求めた測光データの中から最低輝度の測光データを選択する。
【0043】
S224にて、図6中の前記S104の各測光エリアの測光データから、撮影画面内の平均測光データ(BVAEAVE)を求める。
S225にて、上記S223で選択した最低輝度の測光データと、上記S224で求めた平均測光データとの差を求める。
【0044】
S226においては、上記S225で求めた最低輝度の測光データと平均測光データの差と逆光判定値(GBVTH = 2EV)とを、式(2)に従って比較する。もし、逆光判定値(この場合2)よりも測光データの差が大きければ、逆光であると判断して続くS227へ進み、逆光ではないと判断して小さければS228に進む。
【0045】
S227では、逆光状態に対処する為に、ストロボ装置106のストロボ発光要求フラグをセットする等の方法によってストロボ発光要求設定を行う。その後、図6中の前記S107にリターンする。
S228においては、逆光でない故に、上記S224で求めた撮影画面内の平均測光データをそのまま露出演算用データに設定する。その後、図6中の前記S107にリターンする。
【0046】
このように第2実施形態によれば、逆光判定時の主要被写体輝度を、測距手段102を用いて求めることにより、前述の第1実施形態と同様な効果を得られるばかりでなく、測光手段101に多分割測光素子122(図2)を用いなくても、同様な逆光判定を行うことが可能となる。
【0047】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第1、第2実施形態では、逆光シーンであると判定した場合に、露光時にストロボ装置106を発光させるように実施したが、実際にカメラ10を使用すると、例えば撮影レンズのFNo.が大きいとか、被写体距離が遠い場合とか、或いは使用するフィルム感度が低い等の諸々の理由で、補助光としてストロボ装置106を発光駆動させてもその効果が得られない場合がある。
【0048】
そこでこの第3実施形態では、第1実施形態と同様な構成の測光装置において、逆光シーンであると判定した場合に、ストロボ装置106を発光駆動させても効果が無いような場合は特に、最至近測距エリアに対応する測光エリアとその隣接測光エリアの中から選択される最低輝度の測光データに基づいて露出制御を行うように実施することを特徴とする。
【0049】
図9には、第3実施形態における逆光判定の手順をフローチャートで示す。まずS321においては、図6中の前記S105で測定した撮影画面内の複数の各測距エリアに関する測距データから最至近測距データを求め、最至近測距データである値を示す測距エリアを選択する。
【0050】
S322では、上記S321で選択した測距エリアに対応する測光エリアを選択する。
S323では、上記S322で選択した測光エリアとその隣接測光エリアの中から最低輝度の測光データを選択する。
【0051】
S324にて、図6中の前記S104の各測光エリアに関する測光データから、撮影画面内の平均測光データを求める。
S325にて、上記S323で選択した最低輝度の測光データと、上記S324で求めた平均測光データとの差を求める。
【0052】
S326において、上記S325で求めた最低輝度の測光データと平均測光データの差と逆光判定値とを比較し、逆光判定値よりも測光データの差が大きければ逆光であると判断して続くS327へ進み、小さければ逆光ではないと判断してS330へ進む。
【0053】
S327にて、逆光状態に対処する為、ストロボ発光の効果を予測判定する。即ち、上記S321で求めた最至近測距データがストロボ光の到達距離以近であるかどうかを、撮影レンズのFNo.やフィルム感度等を考慮して判定する。もし、最至近測距データがストロボ光の到達距離以近であれば発光効果ありと予想して次のS328へ進み、ストロボ光の到達距離以遠であれば発光効果なしとしてS329へ進む。
【0054】
S328において、ストロボ発光要求フラグをセットする等の方法により、ストロボ発光要求設定を行う。その後、図6中の前記S107にリターンする。 S329では、上記S323で選択した最低輝度の測光データを露出演算用データに設定する。その後、図6中の前記S107にリターンする。
S330においては、上記S324で求めた撮影画面内の平均測光データを露出演算用データに設定する。その後、図6中の前記S107にリターンする。
【0055】
このように第3実施形態によれば、求めて得た最至近測距データの値がストロボ光の到達距離以近であるか否かを、撮影レンズのFNo.やフィルム感度等を考慮に入れて判定しているので、ストロボ発光の効果を予測できる。よって、逆光シーンにおいてストロボ装置106を発光駆動させても効果が無いような場合であっても、最低輝度の測光データを露出演算用データに設定することで、その主要被写体の露出が可能な限り適正となる撮影を行うことができる。
【0056】
(第4実施形態)
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。
図10には、第4実施形態における測光手段及び測距手段の構成を概略的に示す。この第4実施形態としての特徴は、前述の測距手段102をここでは図10に例示するような一対から成るエリアセンサ432a,432bを用いた構成とし、これらエリアセンサ432a,432bの一方を用いて測光も行うように実施したものである。すなわち、被写体輝度データの測定、及び被写体像データの測定を行う測光・測距手段435は、前述の測光手段101と測距手段102との機能を有し、これはセンサ機能を共用した一体型の測光・測距ユニットであり、詳しくは次のように構成されている。
【0057】
被写体像をエリアセンサ432a,432b上に結像させる為の一組の受光レンズ431a,431bと、これら受光レンズ431a,431bにより結像された被写体像をその光強度に応じて光電変換し電気信号を生成する一組のエリアセンサ432b,432aと、これらエリアセンサ432a,432bの積分動作に係わる制御を行う積分制御手段433と、それらエリアセンサ432a,432bより測光データまたは被写体像信号を読み出し、それをアナログからデジタルへ変換する読出し手段としてのA/D変換部434とから構成されている。
【0058】
つまり、前述の測距手段102で採用されていたラインセンサ(132a,132b)の代わりに、エリアセンサ432a,432bが採用されており、これらエリアセンサ432a,432bが測距に使われると共に、少なくとも一方のエリアセンサが測光にも使われるようになっている。
【0059】
そして、前述同様に測距および測光が行われる。尚、その処理手順は前述した実施形態に準ずるので、詳細な説明はここでは省略する。但し、測光の場合は、エリアセンサを利用した二次元的な測光処理も可能にする。したがって、例えば主要被写体の測光エリアは二次空間(平面的)に任意に設定できるようにしてもよい。また、測光ポイントも所望によりマルチポイントにも対応できるようにしてもよい。
【0060】
このように第4実施形態によれば、前述した測光手段101が不要になり、測光手段と測距手段とで受光素子(エリアセンサ)を共用できるので、一体型の測光・測距ユニットとして提供可能となる。また、受光素子を共用したことで、測光視野と測距視野のパララックスも無くなる。よって、スペースメリットが有り、しかも従来よりも高精度な逆光判定を行うことのできる測光装置を提供することが可能となる。
【0061】
(その他の変形例)
測光および測距を行うカメラを例にして説明してきたが、本発明の要旨はカメラ以外にも同様に適用可能である。また勿論、測光測距装置というような単体の装置ユニットであっても同様に適用可能である。
このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0062】
以上、実施形態に基づき説明したが、本明細書中には次の発明が含まれる。
(1) 撮影画面内の複数エリアの被写体輝度を測定する測光手段と、撮影画面内の複数エリアの被写体距離を測定する測距手段と、これら測光手段および測距手段を制御する制御手段と、を有するカメラにおいて、
上記制御手段は、上記測距手段が測定した各測距エリアに関する測距データに基づき一つの測距エリアを選択し、この選択された測距エリアに対応する測光エリアとその隣接測光エリアの中から各測光エリアの測光データに基づき一つの測光エリアを選択し、この選択された測光エリアと各測光エリアの測光データを比較して、逆光判定を行うことを特徴とする測光機能を有するカメラを提供できる。
【0063】
(2) 上記制御手段は、測距エリア選択手段(第1選択手段)と、測光エリア選択手段(第2選択手段)と、逆光判定手段とを制御プログラムとして具備し、
上記第1選択手段が一つの測距エリアを選択した後、上記第2選択手段がその測距エリアに対応する測光エリアとその隣接測光エリアの中から各測光エリアの測光データに基づき選択した一つの測光エリアと、その測光エリアと各測光エリアの測光データを上記逆光判定手段が比較して得た結果に従って、撮影対象の被写体が逆光状態であるか否かを所定のアルゴリズムに基づき判定することを特徴とする(1)に記載のカメラを提供できる。
【0064】
(3) 上記逆光判定手段が行う比較演算における上記アルゴリズムは、選択された一つの測光エリアとこれに隣接する二つの測光エリアの測光データの大小関係において最も小さい低輝度測光データと、上記三つの測光エリアの平均測光データとの差が所定の逆光判定値(閾値:例えば2)よりも大きい場合に、逆光であると判定することを特徴とする(2)に記載のカメラを提供できる。
【0065】
(4) 主要被写体の背景で低輝度部が占める割合が大きく、主要被写体自体が逆光状態にも係わらず逆光と判定されないように、逆光判定の際は、撮影画面内の平均測光データの代わりとして、撮影画面内の複数の測光エリア中の最大測光データを用いることを特徴とする(2)に記載のカメラを提供できる。
(5) 主要被写体に関しては補助光によって露出が適正となるように、背景に関しては露光時間により露出が適正となるように、逆光判定の際は、最低測光データに基づいて露出制御を行う代わりとして、補助光を発光駆動させて露出制御を行うことを特徴とする(2)に記載のカメラを提供できる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来よりも精度の高い逆光判定を行うことができ、逆光の撮影シーンであっても主要被写体の露出が適正となるような測光機能付きカメラを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測光機能付きカメラの主要部を示すブロック構成図。
【図2】本発明の第1〜3実施形態に係わる測光手段の構成を概略的に示す構成図。
【図3】本発明の第1〜3実施形態に係わる測距手段の構成を概略的に示す構成図。
【図4】第1実施形態における測光エリアと測距エリアの関係を示す説明図。
【図5】第2実施形態における測光エリアと測距エリアの関係を示す説明図。
【図6】本発明の測光装置を搭載するカメラのレリーズシーケンスの手順を示すフローチャート。
【図7】本発明に係わる第1実施形態の「逆光判定」の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明に係わる第2実施形態の「逆光判定」の手順を示すフローチャート。
【図9】本発明に係わる第3実施形態の「逆光判定」の手順を示すフローチャート。
【図10】本発明に係わる第4実施形態の測光及び測距手段の構成を概略的に示す構成図。
【符号の説明】
10…カメラ、
101…測光手段(測光装置)、
102…測距手段(測距装置)、
103…レンズ駆動手段、
104…シャッタ手段、
105…フィルム給送手段、
106…ストロボ装置(閃光発光手段)、
107…EEPROM(不揮発性メモリ)、
108…CPU(制御プログラムを含む)、
109…ファーストレリーズスイッチ(1RSW)、
110…セカンドレリーズスイッチ(2RSW)、
111…第1選択手段(S121等)、
112…第2選択手段(S122等)、
113…逆光判定手段(S126等)、
121…測光レンズ、
122…多分割測光センサ、
123…測光用積分制御手段、
124,134…A/D変換部、
131a,131b…受光レンズ、
132a,132b…ラインセンサ、
133…測距用積分制御手段、
141,241…主要被写体(人物像)、
142,242…測距エリア(最近距離)、
143,243…その測距エリアに対応する隣接測光エリア、
144,244…測光エリア(最近距離)、
145,245…その測距エリアに対応する隣接測光エリア、
431a,431b…受光レンズ、
432a,432b…エリアセンサ、
433…積分制御手段、
434…A/D変換部(読出し手段)、
435…測光・測距手段(測光・測距兼用ユニット)。
S101〜S113…レリーズシーケンス、
S121〜S128…逆光判定ルーチン(第1実施形態)、
S221〜S228…逆光判定ルーチン(第2実施形態)、
S321〜S330…逆光判定ルーチン(第3実施形態)。
Claims (11)
- 撮影画面内の複数の領域の被写体輝度を測定する測光手段と、
撮影画面内の複数の領域の被写体距離を測定する測距手段と、
撮影画面内の複数の測距領域の中から各測距領域の測距データに基づいて一つの測距領域を選択する第1選択手段と、
上記第1選択手段により選択された測距領域に対応する測光領域とその隣接測光領域の中から各測光領域の測光データに基づいて一つの測光領域を選択する第2選択手段と、
上記第2選択手段により選択された測光領域と各測光領域の測光データを比較し、逆光判定を行う逆光判定手段と、
を具備することを特徴とする測光機能付きカメラ。 - 撮影画面内の複数の領域の被写体輝度を測定する測光手段と、
撮影画面内の複数の領域の被写体距離、及び被写体輝度を測定する測距手段と、
撮影画面内の複数の測距領域の中から各測距領域の測距データに基づいて一つの測距領域を選択する第1選択手段と、
上記第1選択手段により選択された測距領域とその隣接する測距領域の中から各測距領域の測光データに基づいて一つの測距領域を選択する第2選択手段と、上記第2選択手段により選択された測距領域と各測光領域の測光データを比較し、逆光判定を行う逆光判定手段と、
を具備することを特徴とする測光機能付きカメラ。 - 上記第1選択手段により選択される測距領域は、測距データが最も近距離の測距領域であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカメラ。
- 上記第2選択手段により選択される測光領域は、測光データが最も低輝度の測光領域であることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ。
- 上記第2選択手段により選択される測距領域は、測光データが最も低輝度の測距領域であることを特徴とする、請求項2に記載のカメラ。
- 上記逆光判定手段による逆光判定は、選択された領域の測光データと各測光領域の平均測光データとの差が所定値以上の場合に逆光であると判定するものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカメラ。
- 上記逆光判定手段による逆光判定は、選択された領域の測光データと各測光領域の最大測光データとの差が所定値以上の場合に逆光であると判定するものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカメラ。
- 上記測光手段と上記測距手段は、受光素子を共用することを特徴とする、請求項1又は2に記載のカメラ。
- 上記逆光判定手段により逆光であると判定された場合には、選択された領域の測光データに基づいて露出制御を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載のカメラ。
- 閃光発光手段を有し、上記逆光判定手段により逆光であると判定された場合には、上記閃光発光手段を発光させて露出制御を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載のカメラ。
- 上記逆光判定手段により逆光であると判定された場合でも、上記閃光発光手段が有効でないと判定した場合には閃光発光を行わずに露出制御を行うことを特徴とする、請求項10に記載のカメラ。
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- 2002-09-18 JP JP2002271816A patent/JP2004109476A/ja active Pending
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