JP2004109277A - 波面収差補正ミラーおよび光ピックアップ - Google Patents
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Abstract
【課題】ミラー歪み補正及び温度特性の補正と波面収差補正を低電圧で駆動できる波面収差補正ミラーおよび光ピックアップを提供する。
【解決手段】この波面収差補正ミラーでは、ミラー基板(6)の裏側に配線電極(4b)が形成されており、配線電極(4b)には第1の圧電素子(2a)が接着され、さらに第1の圧電素子(2a)には第1の圧電素子(2a)よりも外形寸法が小さい第2の圧電素子(2b)が接着されている。
【選択図】 図6
【解決手段】この波面収差補正ミラーでは、ミラー基板(6)の裏側に配線電極(4b)が形成されており、配線電極(4b)には第1の圧電素子(2a)が接着され、さらに第1の圧電素子(2a)には第1の圧電素子(2a)よりも外形寸法が小さい第2の圧電素子(2b)が接着されている。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波面収差補正ミラーおよび光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスクを用いた情報記憶装置として、CDやDVDなどがある。DVDなどは、CDに比べて記録密度が高いため、情報を読み書きするときの条件が厳しくなっている。
【0003】
例えば、光ピックアップの光軸とディスク面は垂直であることが理想であるが、実際にはディスクが樹脂製のため、かなりうねりを持っていて、これを回転させると、光ピックアップの光軸とディスク面は常に垂直ではなくなる(これを以降、チルトと表現する)。また、ディスクは、図1(a),(b)に示すように、記録層(108)が樹脂層(102)を介しているため、ディスク面が垂直でなくなると光路が曲げられディスク上に正しくスポットを絞れなくなり、コマ収差(103)が発生する。この収差が許容される量よりも大きくなると、正しく読み書きが出来なくなるという不具合が生じる。なお、図1(a),(b)はディスクがそれぞれCD,DVDの場合である。
【0004】
チルトの影響を少なくする手段としては、対物レンズと記録層との間の樹脂層を薄くすることがある。実際に、DVD(図1(b))が、CD(図1(a))に比較して、対物レンズ(101)と記録層(108)との間の樹脂層(102)の厚さを半分にしたのは、この効果を狙ったものである。しかし、この方法の場合、DVDよりも高密度記録をしようとした場合には樹脂層をもっと薄くしてさらにチルトの影響を少なくすることになるが、今度はディスク上にごみや傷がついた場合に、信号が正しく読み書きできなくなるという不具合が生じる。このため、アクチュエータによって光軸を傾けて(チルト)対応しているのが現状である。
【0005】
チルトを光学的に補正するため、液晶を用いたり(例えば、特許文献1参照。)、透明圧電素子を用いたり(例えば、特許文献2参照。)、可変ミラーを用いたりする(例えば、特許文献3参照。)ことが提案されている。
【0006】
具体的に、特許文献1では、液晶板を用いて位相制御することによりコマ収差を補正している。しかし、この方法では、レーザーが液晶板を通過するために光量が減衰し、書き込みに必要なエネルギーを得ることが困難であり、また液晶の特性から、特にタンジェンシャルチルト制御に要求される高周波動作に使用するのは困難であると思われる。
【0007】
また、特許文献2では、実際に透明圧電素子単体で必要な変位量を得るためには高電圧が必要となり、光ピックアップなどに用いるには現実的ではない。
【0008】
また、特許文献3は、ミラー自体を積層型圧電素子で変形させ位相制御するようにしている。しかし、光ピックアップなどの小さい部品に用いるには配線などの考慮がされておらず、複雑になりかつ組み付けコストも高くなる。また、配線などの問題が解決できたとしても、積層型圧電素子をかなり小さくしなければならなくなるため、技術的にもコスト的にもなかなか困難である。
【0009】
このように情報を読み書きするときに不具合を生じさせるチルトの影響を、圧電素子を使用したユニモルフまたはバイモルフ形状の波面収差補正ミラーで波面収差を補正する方法が、低電圧で小型化にも有利であると考えられる。
【0010】
図2は波面収差補正ミラーの一例を示す図である。図2の波面収差補正ミラーは、ユニモルフ形状のものであって、ミラー基板(6)の裏側に配線電極(4b)が形成され、圧電素子(2)が接着されており、ミラー基板(6)は、符号3の部分でベース基板(8)に固定されている。
【0011】
このような構成の波面収差補正ミラーでは、圧電素子(2)に電位を加えることで、変位を発生させ、ミラー基板(6)の表面を変位させることができる。このとき、圧電素子電極(5a)は中心から左右に分割しているため、極性や電圧を変えることで、別々の変位を発生させることができる。
【0012】
また、図3(a),(b)は波面収差補正ミラーの他の例を示す図である。なお、図3(a)は断面図、図3(b)は平面図である。図3(a),(b)の波面収差補正ミラーは、基板をエッチングしてミラー部を薄く形成し、圧電素子を使用した波面収差補正ミラーであり、このタイプの波面収差補正ミラーを以後、Membrane構造という。このタイプの波面収差補正ミラーは、ミラーを取り囲む厚い部分,すなわち梁の部分14で、ベース基板(8)に取り付けられる。このタイプの波面収差補正ミラーは、ミラー部分が薄く形成されているので、少ない電圧で駆動することができる。ミラー基板(6)の裏側がエッチングにより薄く形成され、配線電極(4b,5b)がそれぞれ形成されており、圧電素子(2)がミラー基板(6)の裏面に接着されている。この波面収差補正ミラーでは、圧電素子(2)に電位を加えることで、変位を発生させ、ミラー基板(6)の表面を変位させることができる。このとき、圧電素子電極(5a)は、中心から左右に分割されているので、極性や電圧を変えることで、別々の変位を発生できる。
【0013】
このような構造で、配線電極(4b)を接地し(GNDとし)、圧電素子(2)の個別電極(5a)の一方にプラス、他方にマイナスの電圧を印加したとすると、ミラー面は、例えば図4(d)に示すような断面形状になる。個別電極(5a)に逆電圧を印加した場合には、その逆の形状になる。
【0014】
つまり、ミラー基板(6)は電圧がかかっても伸び縮みしないが、圧電素子(2)は電圧がかかれば伸び縮みするため、個別電極(5a)にプラスの電圧を加えた場合にその部分の圧電素子(2)が縮むとすると、個別電極(5a)にマイナスの電圧を加えた場合にはその部分の圧電素子(2)は伸びることになる。従って、個別電極(5a)にプラスの電圧を加えた場合にはミラー基板(6)の面,すなわち反射膜(1)の面は凸になり、個別電極(5a)にマイナスの電圧を加えた場合にはミラー基板(6)の面,すなわち反射膜(1)の面は凹になる。これは波面を面として見た場合、図5に示すような等高線で表したようになっている。このような波面を打ち消すような変形形状にしようとする場合に、ミラー基板(6)のミラー面は凹凸が逆になるため、チルト補正が可能になる。
【0015】
光ディスクがレーザ光の光軸に対し垂直な位置から傾くと、光ディスクから反射して戻ってきたレーザ光の波面は乱れ、例えば図4(a)に示すような波面収差(コマ収差)が発生する。ここで、図4(a)の横軸は図3(b)で示した波面収差補正ミラーのA−A’断面と同一断面であり、縦軸は波面収差である。ディスクがチルトしたときに波面収差補正ミラーのミラー基板のミラー面は平らであり、そこで反射した反射光は波面収差をもっている。ちなみに、光ディスクがレーザ光の光軸に対し垂直であれば、波面は、図4(a)で示したような収差は発生せず、横軸と同じでまっすぐになる。
【0016】
図4(b)は図3(a),(b)に示した波面収差補正ミラーを故意に収差を発生させるよう動作させ、その反射光の波面収差を表した例である。ここで、横軸は図3(b)で示した波面収差補正ミラー表面のA−A’断面と同一断面であり、縦軸は波面収差である。
【0017】
いま仮に、光ディスクが傾き、ディスクからの反射光の波面が図4(a)のようなものであったとする。ディスクが傾いていない時の反射光の理想的な波面が図4(b)のようになるよう波面収差補正ミラーを制御すれば、波面収差補正ミラーから反射した反射光の波面は図4(c)のようになり、図4(a)にくらべ波面収差を低減させることが可能となる。
【0018】
このとき、ミラー基板(6)は変位しやすいように薄いものが求められるが、ミラー基板(6)を薄くすることにより、ミラー基板(6)の裏面に形成された配線電極(4b)の応力によりミラー表面が歪んでしまうという不具合が発生するため、オフセット電圧により補正する必要がある。
【0019】
また、環境温度の変化により、ミラー基板と圧電素子の熱膨張係数の違いでミラー表面がたわむ、いわゆる温度特性を持つことが知られており、環境温度に対する補正をかける必要がある。
【0020】
さらに、ノート型パソコンに搭載することを考慮すると、バッテリー駆動を実現する必要があり、低駆動電圧が必須となる。
【0021】
【特許文献1】
特開平10−79135号公報
【0022】
【特許文献2】
特開平5−144056号公報
【0023】
【特許文献3】
特開平5−333274号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ミラー歪み補正及び温度特性の補正と波面収差補正を低電圧で駆動できる波面収差補正ミラーおよび光ピックアップを提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、圧電素子によってミラー基板のミラー面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー基板の裏面には、ミラー基板の裏面側から第1の圧電素子,第2の圧電素子が、互いの接着面電極が同極となるように接着され、第1の圧電素子の外形寸法が第2の圧電素子の外形寸法よりも大きいものとなっていることを特徴としている。
【0026】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第1の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第4の電極を左右に電気的に分離していることを特徴としている。
【0027】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第2の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第3の電極を左右に電気的に分離していることを特徴としている。
【0028】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は、四角以上の多角形もしくは楕円形の形状のものであることを特徴としている。
【0029】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は左右2つに分離され、2つに分離された第2の圧電素子は、それぞれ第1の圧電素子に接着されていることを特徴としている。
【0030】
また、請求項6記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とは左右2つに分離され、2つに分離された第1の圧電素子および第2の圧電素子は、それぞれミラー裏面に積層して接着されていることを特徴としている。
【0031】
また、請求項7記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子および第2の圧電素子の各電極とミラー基板の裏面に形成された配線電極とは、ワイヤボンディングにより電気的に接続されていることを特徴としている。
【0032】
また、請求項8記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とを別々に駆動することを特徴としている。
【0033】
また、請求項9記載の発明は、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子または第2の圧電素子の一方の圧電素子を温度特性の補正用または初期平面度補正用とし、他方の圧電素子を波面収差補正用とすることを特徴としている。
【0034】
また、請求項10記載の発明は、レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーを用いることを特徴とする光ピックアップである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
(第1の実施形態)
図6(a),(b)は本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。図6(a),(b)を参照すると、この波面収差補正ミラーでは、ミラー基板(6)の裏側に配線電極(4b)が形成されており、配線電極(4b)には第1の圧電素子(2a)が接着され、さらに第1の圧電素子(2a)には第1の圧電素子(2a)よりも外形寸法が小さい第2の圧電素子(2b)が接着されている。
【0037】
ここで、ミラー基板(6)は、Si基板等からなり、ミラー基板(6)の表面は研磨等により平滑に処理され、必要に応じて誘電体多層膜(図示せず)等の反射膜が形成されている。また、ミラー基板(6)の裏側に形成された配線電極(4b)は、Al膜等をスパッタ法等によって作製されたもので、基板(6)の中央部にて左右に電気的に絶縁されている。
【0038】
そして、第1の圧電素子(2a)には、第1の電極(10),第2の電極(11)が形成されており、配線電極(4b)側に接着される側の第1の電極(10)は、中央部から左右に電気的に絶縁されている。
【0039】
また、第2の圧電素子(2b)には、第3の電極(12),第4の電極(13)が形成されており、第1の圧電素子(2a)の第2の電極(11)側に接着される電極を第3の電極(12)とし、反対側を第4の電極(13)とした場合、第4の電極(13)は、中央部から左右に電気的に絶縁されている。
【0040】
また、第1の圧電素子(2a)と第2の圧電素子(2b)とは、向き合う側の極性が同じになるように接着されている。
【0041】
また、それぞれの電極の配線はワイヤボンディング(14)によって行われ、ワイヤボンディング(14)によって外部との電気的な接続がなされる。この時、第1の圧電素子(2a)の外形寸法は第2の圧電素子(2b)の外形寸法より大きいので、図6(a)に示すように配線を容易に行うことが可能となる。
【0042】
このような構成の波面収差補正ミラーは、例えば図6(b)に示すように、第1の電極(10)と第4の電極(13)とを同電位とし、第2の電極(11)と第3の電極(12)とを同電位にして、この間に電位を加えることで、ミラー基板(6)を変位させることができる。図6(b)の例では、第1の電極(10)と第4の電極(13)とは中央部から左右に電気的に絶縁されており、左右のそれぞれに逆方向の電位を与えることで、ミラー基板(6)の面を図4(d)のように変位させることが可能となる。なお、これとは逆に、第2の電極(11)と第3の電極(12)とを中央部から左右に電気的に絶縁した構造のものにしてもよい。
【0043】
本発明では、圧電素子を複数枚接着しており、圧電素子を複数枚接着することで、圧電素子が一枚の場合よりもミラー基板の変位量を大きくすることが可能となるが、消費電力の変化はほとんどない。これは、圧電素子には電流が流れず、両面の電極にかかる電圧により収縮するするため、圧電素子の枚数が増えても電力消費量には変化がないという特徴をもっている。
【0044】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の波面収差補正ミラーも、基本的には、図6(a),(b)に示した第1の実施形態の波面収差補正ミラーと同様の構成となっているが、第2の実施形態では、図7に示すように、第2の圧電素子(2b)の形状が四角以上の多角形もしくは楕円形のものとなっている。
【0045】
このように、第2の圧電素子(2b)を四角以上の多角形もしくは楕円形のものとすることで、第2の電極(11)の配線取出しが容易になると共に、外形寸法を大きくすることなく第2の圧電素子(2b)はレーザーの有効エリア(ビームが反射されるエリア)全体をカバーできる構造となる。
【0046】
圧電素子を四角以上の多角形もしくは楕円形にするには、型による打ち抜き等によって簡単に行なうことができる。電気的な配線も、図7のように、第1の圧電素子(2a)の電極が露出している部分で容易に接続できる。
【0047】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態の波面収差補正ミラーは、図8に示すように、第2の圧電素子(2b)を左右2つに分離し、2つに分離した第2の圧電素子(2b)のそれぞれを第1の圧電素子(2a)に接着したものとなっている。
【0048】
圧電素子の電極は、左右に電気的に分割されており、電極の分割の加工にはダイシングソーによる切削等が行われるが、圧電素子自体が薄くもろいものなので、壊れやすく歩留まりに問題がある。また、別の方法では、電極を形成する際に予め分割ラインをマスクして電極を形成することが行われるが、マスク材を形成する工程とマスク材を取り除く工程が必要となり、コストの増大をもたらす。
【0049】
この第3の実施形態のように、図8に示す構造とすることで、第2の圧電素子の電極を分割する工程が省け、第2の圧電素子を打ち抜きだけで加工することが可能となる。第2の圧電素子は、図8のように短冊状のものでも良く、大きさや配置等を自由に設計できるものである。
【0050】
また、第1の圧電素子と第2の圧電素子とをそれぞれ分割配置しても良く、この場合には、工程の簡略化が可能となる。
【0051】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態は、上述した本発明の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とを別々に駆動するものである。
【0052】
波面収差補正ミラーは、環境温度によって初期平面度が変化し、温度に対してミラー平面度を補正する必要がある。ミラー平面度は、圧電素子にオフセット電圧(補正電圧)を加えることで補正でき、動作するときはオフセット電圧+動作電圧となる。
【0053】
オフセット電圧と動作電圧はそれぞれテーブルが作られており、環境温度に適した補正値(オフセット電圧)をテーブルから選択して動作電圧に加えてミラーを動作している。
【0054】
この例では、第1の圧電素子を温度補正用とし、第2の圧電素子をミラー動作用としている(この逆でも良い)。この構成では、環境温度が変化した場合、温度補正テーブルから補正値を選択して第1の圧電素子に補正電圧を印加して、ミラー面が平面になるよう補正する。また、収差が発生した場合は、収差を補正するための電圧を収差補正テーブルより選択して、第2の圧電素子に駆動電圧を印加して波面収差を補正している。
【0055】
このような構成とすることで、補正と動作を別々に駆動できるため、演算処理が不要となり、回路が簡略化される。
【0056】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態は、上述した本発明の波面収差補正ミラーを用いた光ピックアップ(CD及びDVD装置)である。
【0057】
本発明による波面収差補正ミラーは、ミラー基板の裏面の圧電素子を複数枚接着しているので、動作電圧が低くてもミラー変位量を大きくできて、低電圧化を実現できる。
【0058】
具体的に、接着される面が同極となるよう圧電素子を2枚貼り合わせ、第1の電極と第4の電極と第2の電極と第3の電極に電圧を印加すると圧電素子は伸びる(逆電位では縮む)が、1枚の場合と違い、延び量は同じでも発生する力は倍になる。この圧電素子をミラー基板の裏面に接着して同じように動作させると、ミラー基板はそのままだが圧電素子は延びるため、ミラー面は凹状(逆電位では凸)に変位する。そのとき、ミラー基板の硬度と圧電素子の延びる力のバランスによってミラー面の変位量が決まる。圧電素子が1枚の場合よりも2枚の方が発生力が強いため、同じ電圧でもミラー変位量が大きくとれることとなる。
【0059】
このような波面収差補正ミラーを光ピックアップ(CD及びDVD装置)に用いることで、装置の省電力化及び小型化が実現できると共に安価な装置を提供することが可能となる。
【0060】
上述したように、本発明は、圧電素子によってミラー基板の面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー基板の裏面には、ミラー基板の裏面側から第1の圧電素子,第2の圧電素子が、互いの接着面電極が同極となるように接着され、第1の圧電素子の外形寸法が第2の圧電素子の外形寸法よりも大きいものとなっていることを特徴としている。
【0061】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第1の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第4の電極を左右に電気的に分離していることを特徴としている。
【0062】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第2の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第3の電極を左右に電気的に分離していることを特徴としている。
【0063】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は、四角以上の多角形もしくは楕円形の形状のものであることを特徴としている。
【0064】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は左右2つに分離され、2つに分離された第2の圧電素子は、それぞれ第1の圧電素子に接着されていることを特徴としている。
【0065】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とは左右2つに分離され、2つに分離された第1の圧電素子および第2の圧電素子は、それぞれミラー裏面に積層して接着されていることを特徴としている。
【0066】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子および第2の圧電素子の各電極とミラー基板の裏面に形成された配線電極とは、ワイヤボンディングにより電気的に接続されていることを特徴としている。
【0067】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とを別々に駆動することを特徴としている。
【0068】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子または第2の圧電素子の一方の圧電素子を温度特性の補正用または初期平面度補正用とし、他方の圧電素子を波面収差補正用とすることを特徴としている。
【0069】
また、本発明の光ピックアップは、レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーを用いることを特徴としている。
【0070】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1記載の発明によれば、圧電素子によってミラー基板の面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー基板の裏面には、ミラー基板の裏面側から第1の圧電素子,第2の圧電素子が、互いの接着面電極が同極となるように接着され、第1の圧電素子の外形寸法が第2の圧電素子の外形寸法よりも大きいものとなっており、ミラー裏面には複数の圧電素子が互いの接着面電極が同極となるよう接着されているので、低電圧化に適している。
【0071】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第1の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第4の電極を左右に電気的に分離しており、ミラー裏面側の圧電素子電極と対向する位置にある圧電素子電極を左右に分割しているので、電気的な接続を容易にすることができる。
【0072】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第2の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第3の電極を左右に電気的に分離しており、複数の圧電素子の対向する電極を左右に分割しているので、電気的な接続を容易にすることができる。
【0073】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は、四角以上の多角形もしくは楕円形の形状のものであるので、占有面積を小さくすることができる。
【0074】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は左右2つに分離され、2つに分離された第2の圧電素子は、それぞれ第1の圧電素子に接着されており、第2の圧電素子は左右に分割されているので、製造工程を少なくすることができる。
【0075】
また、請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とは左右2つに分離され、2つに分離された第1の圧電素子および第2の圧電素子は、それぞれミラー裏面に積層して接着されており、第1の圧電素子と第2の圧電素子とは左右に分割されているので、製造工程を少なくすることができる。
【0076】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子および第2の圧電素子の各電極とミラー基板の裏面に形成された配線電極とは、ワイヤボンディングにより電気的に接続されているので、配線を容易にすることができる。
【0077】
また、請求項8記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とを別々に駆動するので、駆動回路を簡略化することができる。
【0078】
また、請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子または第2の圧電素子の一方の圧電素子を温度特性の補正用または初期平面度補正用とし、他方の圧電素子を波面収差補正用とするので、駆動回路を簡略化することができる。
【0079】
また、請求項10記載の発明によれば、レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーを用いることを特徴とする光ピックアップであるので、光ピックアップの省電力及び小型化を実現できると共に、光ピックアップを安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CD,DVDのディスクを示す図である。
【図2】波面収差補正ミラーの一例を示す図である。
【図3】波面収差補正ミラーの他の例を示す図である。
【図4】波面収差を説明するための図である。
【図5】反射膜の面を等高線で表した図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【符号の説明】
2a,2b 圧電素子
4b 配線電極
6 ミラー基板
10 第1の電極
11 第2の電極
12 第3の電極
13 第4の電極
14 ワイヤボンディング
【発明の属する技術分野】
本発明は、波面収差補正ミラーおよび光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスクを用いた情報記憶装置として、CDやDVDなどがある。DVDなどは、CDに比べて記録密度が高いため、情報を読み書きするときの条件が厳しくなっている。
【0003】
例えば、光ピックアップの光軸とディスク面は垂直であることが理想であるが、実際にはディスクが樹脂製のため、かなりうねりを持っていて、これを回転させると、光ピックアップの光軸とディスク面は常に垂直ではなくなる(これを以降、チルトと表現する)。また、ディスクは、図1(a),(b)に示すように、記録層(108)が樹脂層(102)を介しているため、ディスク面が垂直でなくなると光路が曲げられディスク上に正しくスポットを絞れなくなり、コマ収差(103)が発生する。この収差が許容される量よりも大きくなると、正しく読み書きが出来なくなるという不具合が生じる。なお、図1(a),(b)はディスクがそれぞれCD,DVDの場合である。
【0004】
チルトの影響を少なくする手段としては、対物レンズと記録層との間の樹脂層を薄くすることがある。実際に、DVD(図1(b))が、CD(図1(a))に比較して、対物レンズ(101)と記録層(108)との間の樹脂層(102)の厚さを半分にしたのは、この効果を狙ったものである。しかし、この方法の場合、DVDよりも高密度記録をしようとした場合には樹脂層をもっと薄くしてさらにチルトの影響を少なくすることになるが、今度はディスク上にごみや傷がついた場合に、信号が正しく読み書きできなくなるという不具合が生じる。このため、アクチュエータによって光軸を傾けて(チルト)対応しているのが現状である。
【0005】
チルトを光学的に補正するため、液晶を用いたり(例えば、特許文献1参照。)、透明圧電素子を用いたり(例えば、特許文献2参照。)、可変ミラーを用いたりする(例えば、特許文献3参照。)ことが提案されている。
【0006】
具体的に、特許文献1では、液晶板を用いて位相制御することによりコマ収差を補正している。しかし、この方法では、レーザーが液晶板を通過するために光量が減衰し、書き込みに必要なエネルギーを得ることが困難であり、また液晶の特性から、特にタンジェンシャルチルト制御に要求される高周波動作に使用するのは困難であると思われる。
【0007】
また、特許文献2では、実際に透明圧電素子単体で必要な変位量を得るためには高電圧が必要となり、光ピックアップなどに用いるには現実的ではない。
【0008】
また、特許文献3は、ミラー自体を積層型圧電素子で変形させ位相制御するようにしている。しかし、光ピックアップなどの小さい部品に用いるには配線などの考慮がされておらず、複雑になりかつ組み付けコストも高くなる。また、配線などの問題が解決できたとしても、積層型圧電素子をかなり小さくしなければならなくなるため、技術的にもコスト的にもなかなか困難である。
【0009】
このように情報を読み書きするときに不具合を生じさせるチルトの影響を、圧電素子を使用したユニモルフまたはバイモルフ形状の波面収差補正ミラーで波面収差を補正する方法が、低電圧で小型化にも有利であると考えられる。
【0010】
図2は波面収差補正ミラーの一例を示す図である。図2の波面収差補正ミラーは、ユニモルフ形状のものであって、ミラー基板(6)の裏側に配線電極(4b)が形成され、圧電素子(2)が接着されており、ミラー基板(6)は、符号3の部分でベース基板(8)に固定されている。
【0011】
このような構成の波面収差補正ミラーでは、圧電素子(2)に電位を加えることで、変位を発生させ、ミラー基板(6)の表面を変位させることができる。このとき、圧電素子電極(5a)は中心から左右に分割しているため、極性や電圧を変えることで、別々の変位を発生させることができる。
【0012】
また、図3(a),(b)は波面収差補正ミラーの他の例を示す図である。なお、図3(a)は断面図、図3(b)は平面図である。図3(a),(b)の波面収差補正ミラーは、基板をエッチングしてミラー部を薄く形成し、圧電素子を使用した波面収差補正ミラーであり、このタイプの波面収差補正ミラーを以後、Membrane構造という。このタイプの波面収差補正ミラーは、ミラーを取り囲む厚い部分,すなわち梁の部分14で、ベース基板(8)に取り付けられる。このタイプの波面収差補正ミラーは、ミラー部分が薄く形成されているので、少ない電圧で駆動することができる。ミラー基板(6)の裏側がエッチングにより薄く形成され、配線電極(4b,5b)がそれぞれ形成されており、圧電素子(2)がミラー基板(6)の裏面に接着されている。この波面収差補正ミラーでは、圧電素子(2)に電位を加えることで、変位を発生させ、ミラー基板(6)の表面を変位させることができる。このとき、圧電素子電極(5a)は、中心から左右に分割されているので、極性や電圧を変えることで、別々の変位を発生できる。
【0013】
このような構造で、配線電極(4b)を接地し(GNDとし)、圧電素子(2)の個別電極(5a)の一方にプラス、他方にマイナスの電圧を印加したとすると、ミラー面は、例えば図4(d)に示すような断面形状になる。個別電極(5a)に逆電圧を印加した場合には、その逆の形状になる。
【0014】
つまり、ミラー基板(6)は電圧がかかっても伸び縮みしないが、圧電素子(2)は電圧がかかれば伸び縮みするため、個別電極(5a)にプラスの電圧を加えた場合にその部分の圧電素子(2)が縮むとすると、個別電極(5a)にマイナスの電圧を加えた場合にはその部分の圧電素子(2)は伸びることになる。従って、個別電極(5a)にプラスの電圧を加えた場合にはミラー基板(6)の面,すなわち反射膜(1)の面は凸になり、個別電極(5a)にマイナスの電圧を加えた場合にはミラー基板(6)の面,すなわち反射膜(1)の面は凹になる。これは波面を面として見た場合、図5に示すような等高線で表したようになっている。このような波面を打ち消すような変形形状にしようとする場合に、ミラー基板(6)のミラー面は凹凸が逆になるため、チルト補正が可能になる。
【0015】
光ディスクがレーザ光の光軸に対し垂直な位置から傾くと、光ディスクから反射して戻ってきたレーザ光の波面は乱れ、例えば図4(a)に示すような波面収差(コマ収差)が発生する。ここで、図4(a)の横軸は図3(b)で示した波面収差補正ミラーのA−A’断面と同一断面であり、縦軸は波面収差である。ディスクがチルトしたときに波面収差補正ミラーのミラー基板のミラー面は平らであり、そこで反射した反射光は波面収差をもっている。ちなみに、光ディスクがレーザ光の光軸に対し垂直であれば、波面は、図4(a)で示したような収差は発生せず、横軸と同じでまっすぐになる。
【0016】
図4(b)は図3(a),(b)に示した波面収差補正ミラーを故意に収差を発生させるよう動作させ、その反射光の波面収差を表した例である。ここで、横軸は図3(b)で示した波面収差補正ミラー表面のA−A’断面と同一断面であり、縦軸は波面収差である。
【0017】
いま仮に、光ディスクが傾き、ディスクからの反射光の波面が図4(a)のようなものであったとする。ディスクが傾いていない時の反射光の理想的な波面が図4(b)のようになるよう波面収差補正ミラーを制御すれば、波面収差補正ミラーから反射した反射光の波面は図4(c)のようになり、図4(a)にくらべ波面収差を低減させることが可能となる。
【0018】
このとき、ミラー基板(6)は変位しやすいように薄いものが求められるが、ミラー基板(6)を薄くすることにより、ミラー基板(6)の裏面に形成された配線電極(4b)の応力によりミラー表面が歪んでしまうという不具合が発生するため、オフセット電圧により補正する必要がある。
【0019】
また、環境温度の変化により、ミラー基板と圧電素子の熱膨張係数の違いでミラー表面がたわむ、いわゆる温度特性を持つことが知られており、環境温度に対する補正をかける必要がある。
【0020】
さらに、ノート型パソコンに搭載することを考慮すると、バッテリー駆動を実現する必要があり、低駆動電圧が必須となる。
【0021】
【特許文献1】
特開平10−79135号公報
【0022】
【特許文献2】
特開平5−144056号公報
【0023】
【特許文献3】
特開平5−333274号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ミラー歪み補正及び温度特性の補正と波面収差補正を低電圧で駆動できる波面収差補正ミラーおよび光ピックアップを提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、圧電素子によってミラー基板のミラー面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー基板の裏面には、ミラー基板の裏面側から第1の圧電素子,第2の圧電素子が、互いの接着面電極が同極となるように接着され、第1の圧電素子の外形寸法が第2の圧電素子の外形寸法よりも大きいものとなっていることを特徴としている。
【0026】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第1の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第4の電極を左右に電気的に分離していることを特徴としている。
【0027】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第2の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第3の電極を左右に電気的に分離していることを特徴としている。
【0028】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は、四角以上の多角形もしくは楕円形の形状のものであることを特徴としている。
【0029】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は左右2つに分離され、2つに分離された第2の圧電素子は、それぞれ第1の圧電素子に接着されていることを特徴としている。
【0030】
また、請求項6記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とは左右2つに分離され、2つに分離された第1の圧電素子および第2の圧電素子は、それぞれミラー裏面に積層して接着されていることを特徴としている。
【0031】
また、請求項7記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子および第2の圧電素子の各電極とミラー基板の裏面に形成された配線電極とは、ワイヤボンディングにより電気的に接続されていることを特徴としている。
【0032】
また、請求項8記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とを別々に駆動することを特徴としている。
【0033】
また、請求項9記載の発明は、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子または第2の圧電素子の一方の圧電素子を温度特性の補正用または初期平面度補正用とし、他方の圧電素子を波面収差補正用とすることを特徴としている。
【0034】
また、請求項10記載の発明は、レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーを用いることを特徴とする光ピックアップである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
(第1の実施形態)
図6(a),(b)は本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。図6(a),(b)を参照すると、この波面収差補正ミラーでは、ミラー基板(6)の裏側に配線電極(4b)が形成されており、配線電極(4b)には第1の圧電素子(2a)が接着され、さらに第1の圧電素子(2a)には第1の圧電素子(2a)よりも外形寸法が小さい第2の圧電素子(2b)が接着されている。
【0037】
ここで、ミラー基板(6)は、Si基板等からなり、ミラー基板(6)の表面は研磨等により平滑に処理され、必要に応じて誘電体多層膜(図示せず)等の反射膜が形成されている。また、ミラー基板(6)の裏側に形成された配線電極(4b)は、Al膜等をスパッタ法等によって作製されたもので、基板(6)の中央部にて左右に電気的に絶縁されている。
【0038】
そして、第1の圧電素子(2a)には、第1の電極(10),第2の電極(11)が形成されており、配線電極(4b)側に接着される側の第1の電極(10)は、中央部から左右に電気的に絶縁されている。
【0039】
また、第2の圧電素子(2b)には、第3の電極(12),第4の電極(13)が形成されており、第1の圧電素子(2a)の第2の電極(11)側に接着される電極を第3の電極(12)とし、反対側を第4の電極(13)とした場合、第4の電極(13)は、中央部から左右に電気的に絶縁されている。
【0040】
また、第1の圧電素子(2a)と第2の圧電素子(2b)とは、向き合う側の極性が同じになるように接着されている。
【0041】
また、それぞれの電極の配線はワイヤボンディング(14)によって行われ、ワイヤボンディング(14)によって外部との電気的な接続がなされる。この時、第1の圧電素子(2a)の外形寸法は第2の圧電素子(2b)の外形寸法より大きいので、図6(a)に示すように配線を容易に行うことが可能となる。
【0042】
このような構成の波面収差補正ミラーは、例えば図6(b)に示すように、第1の電極(10)と第4の電極(13)とを同電位とし、第2の電極(11)と第3の電極(12)とを同電位にして、この間に電位を加えることで、ミラー基板(6)を変位させることができる。図6(b)の例では、第1の電極(10)と第4の電極(13)とは中央部から左右に電気的に絶縁されており、左右のそれぞれに逆方向の電位を与えることで、ミラー基板(6)の面を図4(d)のように変位させることが可能となる。なお、これとは逆に、第2の電極(11)と第3の電極(12)とを中央部から左右に電気的に絶縁した構造のものにしてもよい。
【0043】
本発明では、圧電素子を複数枚接着しており、圧電素子を複数枚接着することで、圧電素子が一枚の場合よりもミラー基板の変位量を大きくすることが可能となるが、消費電力の変化はほとんどない。これは、圧電素子には電流が流れず、両面の電極にかかる電圧により収縮するするため、圧電素子の枚数が増えても電力消費量には変化がないという特徴をもっている。
【0044】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の波面収差補正ミラーも、基本的には、図6(a),(b)に示した第1の実施形態の波面収差補正ミラーと同様の構成となっているが、第2の実施形態では、図7に示すように、第2の圧電素子(2b)の形状が四角以上の多角形もしくは楕円形のものとなっている。
【0045】
このように、第2の圧電素子(2b)を四角以上の多角形もしくは楕円形のものとすることで、第2の電極(11)の配線取出しが容易になると共に、外形寸法を大きくすることなく第2の圧電素子(2b)はレーザーの有効エリア(ビームが反射されるエリア)全体をカバーできる構造となる。
【0046】
圧電素子を四角以上の多角形もしくは楕円形にするには、型による打ち抜き等によって簡単に行なうことができる。電気的な配線も、図7のように、第1の圧電素子(2a)の電極が露出している部分で容易に接続できる。
【0047】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態の波面収差補正ミラーは、図8に示すように、第2の圧電素子(2b)を左右2つに分離し、2つに分離した第2の圧電素子(2b)のそれぞれを第1の圧電素子(2a)に接着したものとなっている。
【0048】
圧電素子の電極は、左右に電気的に分割されており、電極の分割の加工にはダイシングソーによる切削等が行われるが、圧電素子自体が薄くもろいものなので、壊れやすく歩留まりに問題がある。また、別の方法では、電極を形成する際に予め分割ラインをマスクして電極を形成することが行われるが、マスク材を形成する工程とマスク材を取り除く工程が必要となり、コストの増大をもたらす。
【0049】
この第3の実施形態のように、図8に示す構造とすることで、第2の圧電素子の電極を分割する工程が省け、第2の圧電素子を打ち抜きだけで加工することが可能となる。第2の圧電素子は、図8のように短冊状のものでも良く、大きさや配置等を自由に設計できるものである。
【0050】
また、第1の圧電素子と第2の圧電素子とをそれぞれ分割配置しても良く、この場合には、工程の簡略化が可能となる。
【0051】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態は、上述した本発明の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とを別々に駆動するものである。
【0052】
波面収差補正ミラーは、環境温度によって初期平面度が変化し、温度に対してミラー平面度を補正する必要がある。ミラー平面度は、圧電素子にオフセット電圧(補正電圧)を加えることで補正でき、動作するときはオフセット電圧+動作電圧となる。
【0053】
オフセット電圧と動作電圧はそれぞれテーブルが作られており、環境温度に適した補正値(オフセット電圧)をテーブルから選択して動作電圧に加えてミラーを動作している。
【0054】
この例では、第1の圧電素子を温度補正用とし、第2の圧電素子をミラー動作用としている(この逆でも良い)。この構成では、環境温度が変化した場合、温度補正テーブルから補正値を選択して第1の圧電素子に補正電圧を印加して、ミラー面が平面になるよう補正する。また、収差が発生した場合は、収差を補正するための電圧を収差補正テーブルより選択して、第2の圧電素子に駆動電圧を印加して波面収差を補正している。
【0055】
このような構成とすることで、補正と動作を別々に駆動できるため、演算処理が不要となり、回路が簡略化される。
【0056】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態は、上述した本発明の波面収差補正ミラーを用いた光ピックアップ(CD及びDVD装置)である。
【0057】
本発明による波面収差補正ミラーは、ミラー基板の裏面の圧電素子を複数枚接着しているので、動作電圧が低くてもミラー変位量を大きくできて、低電圧化を実現できる。
【0058】
具体的に、接着される面が同極となるよう圧電素子を2枚貼り合わせ、第1の電極と第4の電極と第2の電極と第3の電極に電圧を印加すると圧電素子は伸びる(逆電位では縮む)が、1枚の場合と違い、延び量は同じでも発生する力は倍になる。この圧電素子をミラー基板の裏面に接着して同じように動作させると、ミラー基板はそのままだが圧電素子は延びるため、ミラー面は凹状(逆電位では凸)に変位する。そのとき、ミラー基板の硬度と圧電素子の延びる力のバランスによってミラー面の変位量が決まる。圧電素子が1枚の場合よりも2枚の方が発生力が強いため、同じ電圧でもミラー変位量が大きくとれることとなる。
【0059】
このような波面収差補正ミラーを光ピックアップ(CD及びDVD装置)に用いることで、装置の省電力化及び小型化が実現できると共に安価な装置を提供することが可能となる。
【0060】
上述したように、本発明は、圧電素子によってミラー基板の面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー基板の裏面には、ミラー基板の裏面側から第1の圧電素子,第2の圧電素子が、互いの接着面電極が同極となるように接着され、第1の圧電素子の外形寸法が第2の圧電素子の外形寸法よりも大きいものとなっていることを特徴としている。
【0061】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第1の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第4の電極を左右に電気的に分離していることを特徴としている。
【0062】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第2の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第3の電極を左右に電気的に分離していることを特徴としている。
【0063】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は、四角以上の多角形もしくは楕円形の形状のものであることを特徴としている。
【0064】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は左右2つに分離され、2つに分離された第2の圧電素子は、それぞれ第1の圧電素子に接着されていることを特徴としている。
【0065】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とは左右2つに分離され、2つに分離された第1の圧電素子および第2の圧電素子は、それぞれミラー裏面に積層して接着されていることを特徴としている。
【0066】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子および第2の圧電素子の各電極とミラー基板の裏面に形成された配線電極とは、ワイヤボンディングにより電気的に接続されていることを特徴としている。
【0067】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とを別々に駆動することを特徴としている。
【0068】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子または第2の圧電素子の一方の圧電素子を温度特性の補正用または初期平面度補正用とし、他方の圧電素子を波面収差補正用とすることを特徴としている。
【0069】
また、本発明の光ピックアップは、レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーを用いることを特徴としている。
【0070】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1記載の発明によれば、圧電素子によってミラー基板の面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー基板の裏面には、ミラー基板の裏面側から第1の圧電素子,第2の圧電素子が、互いの接着面電極が同極となるように接着され、第1の圧電素子の外形寸法が第2の圧電素子の外形寸法よりも大きいものとなっており、ミラー裏面には複数の圧電素子が互いの接着面電極が同極となるよう接着されているので、低電圧化に適している。
【0071】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第1の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第4の電極を左右に電気的に分離しており、ミラー裏面側の圧電素子電極と対向する位置にある圧電素子電極を左右に分割しているので、電気的な接続を容易にすることができる。
【0072】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第2の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第3の電極を左右に電気的に分離しており、複数の圧電素子の対向する電極を左右に分割しているので、電気的な接続を容易にすることができる。
【0073】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は、四角以上の多角形もしくは楕円形の形状のものであるので、占有面積を小さくすることができる。
【0074】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は左右2つに分離され、2つに分離された第2の圧電素子は、それぞれ第1の圧電素子に接着されており、第2の圧電素子は左右に分割されているので、製造工程を少なくすることができる。
【0075】
また、請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とは左右2つに分離され、2つに分離された第1の圧電素子および第2の圧電素子は、それぞれミラー裏面に積層して接着されており、第1の圧電素子と第2の圧電素子とは左右に分割されているので、製造工程を少なくすることができる。
【0076】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子および第2の圧電素子の各電極とミラー基板の裏面に形成された配線電極とは、ワイヤボンディングにより電気的に接続されているので、配線を容易にすることができる。
【0077】
また、請求項8記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とを別々に駆動するので、駆動回路を簡略化することができる。
【0078】
また、請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子または第2の圧電素子の一方の圧電素子を温度特性の補正用または初期平面度補正用とし、他方の圧電素子を波面収差補正用とするので、駆動回路を簡略化することができる。
【0079】
また、請求項10記載の発明によれば、レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーを用いることを特徴とする光ピックアップであるので、光ピックアップの省電力及び小型化を実現できると共に、光ピックアップを安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CD,DVDのディスクを示す図である。
【図2】波面収差補正ミラーの一例を示す図である。
【図3】波面収差補正ミラーの他の例を示す図である。
【図4】波面収差を説明するための図である。
【図5】反射膜の面を等高線で表した図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【符号の説明】
2a,2b 圧電素子
4b 配線電極
6 ミラー基板
10 第1の電極
11 第2の電極
12 第3の電極
13 第4の電極
14 ワイヤボンディング
Claims (10)
- 圧電素子によってミラー基板のミラー面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー基板の裏面には、ミラー基板の裏面側から第1の圧電素子,第2の圧電素子が、互いの接着面電極が同極となるように接着され、第1の圧電素子の外形寸法が第2の圧電素子の外形寸法よりも大きいものとなっていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
- 請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第1の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第4の電極を左右に電気的に分離していることを特徴とする波面収差補正ミラー。
- 請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子の電極は、ミラー基板の裏面に接着される側を第1の電極とし、第1の電極とは反対側の電極を第2の電極とし、また、第2の圧電素子の電極は、第1の圧電素子に接着される側を第3の電極とし、第3の電極とは反対側の電極を第4の電極とするとき、第2の電極を左右に電気的に分離し、かつ、第3の電極を左右に電気的に分離していることを特徴とする波面収差補正ミラー。
- 請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は、四角以上の多角形もしくは楕円形の形状のものであることを特徴とする波面収差補正ミラー。
- 請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第2の圧電素子は左右2つに分離され、2つに分離された第2の圧電素子は、それぞれ第1の圧電素子に接着されていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
- 請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とは左右2つに分離され、2つに分離された第1の圧電素子および第2の圧電素子は、それぞれミラー裏面に積層して接着されていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
- 請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子および第2の圧電素子の各電極とミラー基板の裏面に形成された配線電極とは、ワイヤボンディングにより電気的に接続されていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
- 請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子と第2の圧電素子とを別々に駆動することを特徴とする波面収差補正ミラー。
- 請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、第1の圧電素子または第2の圧電素子の一方の圧電素子を温度特性の補正用または初期平面度補正用とし、他方の圧電素子を波面収差補正用とすることを特徴とする波面収差補正ミラー。
- レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーを用いることを特徴とする光ピックアップ。
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JP2009116241A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-05-28 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光スイッチ |
JP4796657B1 (ja) * | 2010-12-03 | 2011-10-19 | 株式会社アドバンテスト | スイッチ装置および試験装置 |
-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002269407A patent/JP2004109277A/ja active Pending
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JP2012119595A (ja) * | 2010-12-03 | 2012-06-21 | Advantest Corp | スイッチ装置および試験装置 |
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