JP2009116241A - 光スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】回動角ドリフトの影響を軽減し、出力光パワーの減少を低減することができる光スイッチを提供する。
【解決手段】駆動部51によりマイクロミラー装置3a,3bの全ての電極360a〜360dに所定の電圧を印加して所定時間経過後に、入力ポート1aからの入力光を出力ポート1bから出力させるための駆動電圧を、LUT54bに記憶させる。駆動部51は、そのLUT54bを参照して駆動電圧をマイクロミラー装置3a,3bに供給して、所定の入力ポート1aに入力された入力光を選択的に任意の出力ポート1bから出力させる。これにより、ドリフトの影響を半減できる。また、電極ごとの電圧ドリフト量に対応した誤差補正電圧を印加することが可能となるので、結果として、スイッチング動作時のミラー回動角誤差による光パワー損失の増大を抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロミラー装置を備えた光スイッチに関する。
光スイッチを実現するための技術の1つとして、マイクロミラーを用いたものが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。マイクロミラーを用いた従来の光スイッチを図9に示す。
図9に示す光スイッチは、入力ポート1aと、出力ポート1bと、入力側マイクロミラーアレイ2aと、出力側マイクロミラーアレイ2bとを備えている。入力ポート1aと出力ポート1bは、それぞれ2次元的に配列された複数の光ファイバからなり、マイクロミラーアレイ2a,2bは、それぞれ2次元的に配列された複数のマイクロミラー装置3a,3bからなる。なお、図9における矢印は光ビームの進行方向を示している。
ある入力ポート1aから出射した光信号は、この入力ポート1aに対応する入力側マイクロミラーアレイ2aのマイクロミラー装置3aにより反射偏向される。後述するように、マイクロミラー装置3aのミラーは2軸回りに回動可能に構成されており、マイクロミラー装置3aの反射光を出力側マイクロミラーアレイ2bの任意のマイクロミラー装置3bに向けることができる。同様に、マイクロミラー装置3bのミラーも2軸回りに回動可能に構成されており、ミラーの傾斜角を適当に制御することにより、マイクロミラー装置3bの反射光を任意の出力ポート1bに向けることができる。したがって、入力側マイクロミラーアレイ2aと出力側マイクロミラーアレイ2bのミラーの傾斜角を適当に制御することにより光路の切り替えを行い、2次元的に配列された任意の入力ポート1aと出力ポート1bとの間を接続することができる。
このような光スイッチの構成要素として最も特徴的なものがマイクロミラーアレイ2a,2bを構成するマイクロミラー装置3a,3bである。従来より、マイクローミラー装置は、図10,図11に示すように、ミラーが形成されたミラー基板200と、電極が形成された電極基板300とが並行に配設された構造を有する(非特許文献1参照。)。
ミラー基板200は、板状の枠部210と、枠部210の開口内に配設された可動枠220と、可動枠220の開口内に配設されたミラー230とを有する。枠部210、トーションバネ211a,211b,221a,221b、可動枠220およびミラー230は例えば単結晶シリコンで一体形成されている。ミラー230の表面には例えば3層のTi/Pt/Au層が形成されている。一対のトーションバネ211a,211bは、枠部210と可動枠220とを連結している。可動枠220は、一対のトーションバネ211a,211bを通る図10の可動枠回転軸xを軸として回動することができる。同様に、一対のトーションバネ221a,221bは、可動枠220とミラー230とを連結している。ミラー230は、一対のトーションバネ221a,221bを通る図10のミラー回動軸yを軸として回動することができる。可動枠回動軸xとミラー回動軸yとは、互いに直交している。結果として、ミラー230は、直交する2軸で回動する。
電極基板300は、板状の基部310と、段丘状の突出部320とを有する。基部310と突出部320は例えば単結晶シリコンからなる。突出部320は、基部310の上面に形成された角錐台の形状を有する第2テラス322と、第2テラス322の上面に形成された角錐台の形状を有する第1テラス321と、第1テラス321の上面に形成された柱状の形状を有するピボット330とから構成される。突出部320の四隅とこの四隅に続く基部310の上面には、4つの電極340a〜340dが形成されている。また、基部310の上面には、突出部320を挟むように併設された一対の凸部360a,360bが形成されている。さらに、基部310の上面には、配線370が形成されており、この配線370には、引き出し線341a〜341dを介して電極340a〜340dが接続されている。なお、基部310の表面には酸化シリコン等からなる絶縁層311が形成されており、この絶縁層311の上に電極340a〜340d、引き出し線341a〜341d、配線370が形成されている。
以上のようなミラー基板200と電極基板300とは、ミラー230と電極340a〜340dとが対向配置されるように、枠部210の下面と凸部360a,360bの上面とを接合することにより、図11に示すようなマイクロミラー装置を構成する。このようなマイクロミラー装置においては、ミラー230を接地し、電極340a〜340dに正の駆動電圧を与えて、しかも電極340a〜340d間に非対称な電位差を生じさせることにより、ミラー230を静電引力で吸引し、ミラー230を任意の方向へ回動させることができる。
T.Yamamoto, et al., 「a three-dimensional MEMS optical switching module having 100 input and 100 output ports」, Photonics Technology Letters, IEEE, Volume 15, Issue:10, pp1360-1362
しかしながら、従来のマイクロミラー装置では、電極340a〜340dへ電圧を印加すると、電極340a〜340d自体やこの電極の周囲の絶縁体311などが分極したり帯電したりすることがあった。これが徐々に放電または充電されて、ミラー230と電極340a〜340dとの間の電位差が時間と共に変動すると、ミラー230の傾斜角が時間と共に変動する現象、すなわち回動角ドリフトが発生することがある。
例えば、図12に示すように、ミラー230の回動角と電極340a〜340dの駆動電圧との関係が、回動角ドリフトが発生することにより曲線aの状態から曲線bの状態に移行した場合、同じ駆動電圧V1を印加したとしても、回動角ドリフトが発生後は回動角が△θだけ大きくなってしまう。
このように回動角ドリフトが発生すると、ミラー230の傾斜回動角が変化するため、同じ駆動電圧を印加しても出力光のパワーが減少したり、ミラー230を所望の回動角に駆動できなくなってしまう。
そこで、本願発明は、回動角ドリフトの影響を軽減し、出力光パワーの減少を低減することができる光スイッチを提供することを目的とする。
上述したような課題を解消するために、本発明に係る光スイッチは、入力光を入力する少なくとも1つの入力ポートと、出力光を出力する少なくとも1つの出力ポートと、回動可能に支持されたミラーと、このミラーと対向配置された電極とを有し、この電極に駆動電圧を印加することにより、ミラーを所定の角度に傾斜させるミラー装置と、1の入力ポートからの入力光を偏向させて1の出力ポートから出力させる回動角にミラーを傾斜させるときの駆動電圧を、入力ポートと出力ポートの組み合わせ毎に記録したテーブルと、このテーブルを参照して駆動電圧をミラー装置に供給することにより、所定の入力ポートに入力された入力光を選択的に任意の出力ポートから出力させる駆動手段とを備え、テーブルに記録した駆動電圧は、ミラー装置の電極に所定の電圧を所定時間印加した後に、ミラーを所定の角度に傾斜させる電圧であることを特徴とする光スイッチ。
上記光スイッチにおいて、所定時間は、電極に所定の電圧を印加することによりミラーの傾斜角が時間と共に変動する回動角ドリフト量が飽和状態となるまでの時間であるようにしてもよい。
また、上記光スイッチにおいて、所定の電圧は、駆動電圧の最大値の略1/2以上の値であるようにしてもよい。
上記光スイッチにおいて、1つのミラーに対して複数の電極が設けられ、所定電圧は、1つのミラーに対する複数の電極に共通の値となるうにしてもよい。
上記光スイッチにおいて、駆動手段は、テーブルと、回動角ドリフト量を補正する補正電圧値とに基づいて駆動電圧を供給するようにしてもよい。
上記光スイッチにおいて、出力ポートからの出力光を測定する出力光測定装置と、出力光測定装置により測定される出力光の光強度が最適となるようテーブルを作成するテーブル作成手段と、このテーブル作成手段によりテーブルを作成する際に電極に印加する所定電圧と、電圧テーブルを作成する際に所定電圧を印加する時間に関する所定時間とを記憶した記憶手段とをさらに備えるようにしてもよい。
本発明によれば、ミラー装置の全ての電極に所定の電圧を印加して所定時間経過後に、ミラーを所定の角度に傾斜させるための駆動電圧をテーブルに記憶し、このテーブルを参照して駆動電圧をミラー装置に供給して、所定の入力ポートに入力された入力光を選択的に任意の出力ポートから出力させることにより、ドリフトの影響を半減できるとともに、電極ごとの電圧ドリフト量に対応した誤差補正電圧を印加することが可能となり、結果として、スイッチング動作時のミラー回動角誤差による光パワー損失の増大を抑制することができる。
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態において、図9〜図11を参照して背景技術の欄で説明した構成要素と同等の構成要素については同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
<光スイッチの構成>
図1(a)に示すように、本実施の形態に係る光スイッチは、入力ポート1aと、出力ポート1bと、入力側マイクロミラー装置3aと、出力側マイクロミラー3bと、制御装置5とを備える。
制御装置5は、マイクロミラー装置3a,3bに駆動電圧を供給して、ミラー230を所定の角度に傾斜させる。このような制御装置5は、図1(b)に示すように、駆動部51、記憶部54および誤差補正部55を備えている。
駆動部51は、外部からのスイッチング指令に基づいて記憶部54に記憶されているLUT(Look Up Table)54bを参照して、その指令に対応するパス接続に必要なマイクロミラー装置3a,3bの駆動電圧値を取得し、これを対応するマイクロミラー装置3a,3bに供給することにより、ミラー230を所定の回動角に傾斜させる。
記憶部54は、制御装置5による動作に関する各種情報を記憶しており、初期情報54aと、LUT54bとを少なくとも備えている。
初期情報54aは、マイクロミラーアレイ2a,2bにおける各マイクロミラー装置3a,3bの配置等に関する情報からなる。
LUT54bは、入力ポート1aと出力ポート1bとの接続パス毎に、これらのパス接続に関わるマイクロミラー装置3a,3bについて、接続パスを実現するために必要な回動角にミラー230を回動させるための駆動電圧値を記憶したテーブルからなる。このようなLUT54bの一例を図2に示す。この図2に示すようにLUT54bはマトリックスの構成を有し、行に符号A,B,C,D,E,F,…で示すマイクロミラーアレイ2aを構成するマイクロミラー装置3aのレコードが、列に符号α,β,γ,δ,ε,ζ,…で示すマイクロミラーアレイ2bを構成するマイクロミラー装置3bのレコードが設けられている。行方向のレコードと列方向のレコードとの交点のフィールドは、対応するマイクロミラー装置3a,3bのミラー230の駆動電圧値が格納されており、それぞれは接続パスとして識別番号1,2,3,…が付されている。例えば、接続パス23は、マイクロミラー装置Cとマイクロミラー装置γが関わる接続パスを意味しており、LUT54bの識別番号23のフィールドには、その接続パスを実現するために必要な回動角にマイクロミラー装置Cおよびマイクロミラー装置γのミラー230を駆動させるための駆動電圧値が格納されている。なお、図10,図11に示すようなマイクロミラー装置の場合、1つのマイクロミラー装置に4つの電極340a〜340dが設けられているので、LUT54bには、1つの接続パスのフィールドに8つの駆動電圧値が記憶される。
誤差補正部55は、回動角ドリフトの発生に応じて駆動部51から供給される駆動電圧を補正する。このような誤差補正部55による誤差補正の原理については後述する。
<誤差補正原理>
マイクロミラー装置3a,3bに電圧が印加されると、ミラー230の傾斜角が時間と共に変動する回動角ドリフトが発生する。この回動角ドリフトにより、ミラー230の回動角は、図3の符号cで示すように、時間とともに変化が増加する。しかしながら、回動角ドリフトによる回動角の変化量は、所定の時間だけ経過するとある量で飽和し、定常状態になる。
このような回動角ドリフトは様々な要因によって引き起こされていると考えられている。1つの要因としては、電極周辺の帯電などによる浮遊電荷の影響が挙げられる。電極周辺に浮遊電荷が発生すると、この電荷がミラー230を引っ張ることによってミラー230の回動角が変化する。帯電の傾向は、マイクロミラー装置の構造や製造方法によっても異なるが、一般的に数時間かけてゆっくりと変化する。このように帯電によってミラー230が引っ張られることから、見かけ上は電極に印加される電圧が増加したように見える。したがって、回動角ドリフトは、各電極毎の電圧ドリフトにより引き起こされると見なすことができる。
電圧ドリフトの定常状態(以下、電圧ドリフト量という)は、電極に印加した電圧の大きさとおおよそ比例関係にある。したがって、ミラー230の電圧ドリフト量は、電極360a〜360dごとに異なる値を取り得る。ここで、光スイッチに必要となる回動角の最大値を得るために必要な最大駆動電圧を加えたときに駆動電極に発生する、電圧ドリフト量をΔVmaxとする。電圧ドリフトが発生しない初期状態でLUT54bを作成すると、電圧ドリフト量の初期値は0であるから、LUT54bを基準とした電圧ドリフト量の範囲は0〜ΔVmaxまでとなり、電圧ドリフト量による最大の誤差はΔVmaxとなる。
例えば、光スイッチの最大駆動電圧の1/2を電極360a〜360dに所定時間だけ印加して電圧ドリフトが定常状態になったとすると、ΔVmax/2の電圧ドリフト量が発生する。この状態でLUT54bを作成すると、LUT54bに記録される電圧は、既にΔVmax/2の電圧ドリフト量分の電圧が含まれた状態となるため、LUT54bを基準とした電圧ドリフト量の範囲は、−0.5ΔVmax〜0.5ΔVmaxとなる。電圧ドリフト量による最大の誤差は0.5ΔVmaxであり、事前に電圧ドリフトを発生させずに作成したLUT54bよりも最大の誤差を半分にすることができる。そこで、本実施の形態において、誤差補正部55は、上述したような原理に基づいて回動角ドリフト、すなわち電圧ドリフトを補正する。また、この補正した値に基づいてLUT54bを予め作成する。これにより、電圧ドリフトによる誤差を低減したLUT54bを作成することができる。
<スイッチング動作>
次に、光スイッチのスイッチング動作について説明する。スイッチング動作時において、光スイッチの制御装置5は、駆動部51により、LUT54bに記録された電圧値を参照し、その電圧値を電極360a〜360dに印加することによって、ミラー230の傾斜角度を変えて接続パスを切り替える。このとき、電極360a〜360dには、電圧ドリフトによる見かけ上の余分な電圧が印加されているため、ミラー230は回動角誤差を有した状態で回動する。回動角誤差は、光パワー損失を引き起こすため、電圧ドリフト量を補正する必要がある。
電圧ドリフトによるミラー230の回動角誤差は、スイッチング動作時のみならず、パス接続を維持している最中にも発生するため、その接続中にも常に補正する必要がある。補正の方法としては、ミラー230を摂動させたときの光パワー変動に基づいて、ミラー230の回動角誤差を補正する誤差補正電圧を算出する方法が提案されている。この方法を用いて駆動電圧から誤差補正電圧を減算することにより、各回動軸の回動角度を所望の値に補正することができる。スイッチング動作時にも、その誤差補正電圧を使用することにより、角度ドリフトの影響を抑制することができる。
ここで、回動角誤差の補正方法について説明する。図4に示すような構成の光スイッチの場合、1つの回動軸を制御する電極は2つ存在する。ここで、ミラーの2つの回転軸をx軸およびy軸とすると、それぞれの回転軸を制御する電極は、x軸が340aと340cでy軸が340bと340dである。x軸方向のミラー230の回動角誤差は、340aと340cの2つの電極への印加電圧で補正することが可能である。電圧ドリフトの大きさは、印加電圧によって電極ごとに異なるが、x軸方向のミラー230の回動角誤差は340aと340cのどちらへの印加電圧を変化させても補正することが可能である。つまり、ミラー230の回動角度を最適に補正できたとしても、2つの電極の電圧ドリフト量とそれらの電極に与える誤差補正電圧が一致するとは限らない。このため、誤差補正電圧と電圧ドリフト量が常に一致するように補正することが必要となる。
そこで、駆動部51は、ミラー230がx軸またはy軸周りに回動する場合、回動軸に対して対称に配置された電極に対して共通のバイアス電圧を中心に差動的な駆動電圧を印加する。例えば、x軸回りの操作電圧をVx、x軸回りに関わる2つの電極に印加する電圧をV1およびV2、y軸回りの操作電圧をVy、y軸回りに関わる2つの電極に印加する電圧をV3およびV4とすると、駆動部51は、各電極に印加する電圧を下式(1)〜(4)のように計算する。
V1=Vbias+Vx ・・・(1)
V2=Vbias−Vx ・・・(2)
V3=Vbias+Vy ・・・(3)
V4=Vbias−Vy ・・・(4)
上式(1)〜(4)で表される電圧を各電極に印加すると、回動軸に対して対象に配置された電極が常に差動的な動作をする。図5の符号dで示すように、電圧ドリフトは、電極に印加した電圧にほぼ比例するので、Vbiasを所定時間印加して定常状態としたときを基準とすると、両電極のドリフト量を差動的に発生させることができる。したがって、電極ごとの電圧ドリフト量とほぼ一致させるように誤差補正電圧を決定することができ、この誤差補正電圧を誤差補正部55が操作電圧に加算することによって、スイッチング動作時のミラー回動角誤差による光パワー損失の増大を抑制することができる。
なお、上述した回動角誤差の補正方法は、図10に示すようなミラー230の回動軸と電極360a〜360dの分割線とが一致するような構成のマイクロミラー装置においても、同様の原理を用いて補正することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1の実施の形態にLUT54bの作成機能を付加したものである。したがって、本実施の形態において、上述した第2の実施の形態と同等の構成要素については同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
<光スイッチの構成>
図6(a)に示すように、本実施の形態に係る光スイッチは、入力ポート1aと、出力ポート1bと、入力側マイクロミラー装置3aと、出力側マイクロミラー3bと、出力光測定装置4と、制御装置5とを備える。
出力光測定装置4は、出力ポート1bから出射された出力光の強度を検出し、電気信号に変換する。このような出力光測定装置4の構成例としては、出力光の一部を切り出して、フォトダイオードなどの受光素子で出力光の強度を測定する構成が考えられる。
制御装置5は、マイクロミラー装置3a、3bに駆動電圧を供給して、ミラー230を所定の角度に傾斜させる。また、出力光測定装置4により測定された出力光の光強度のデータを用いて、接続パスの光強度が最も強くなるようなLUT54bを作成する。このような制御装置5は、図6(b)に示すように、駆動部51、検出部52、記憶部54およびLUT作成部56を備えている。
記憶部54は、制御装置5による動作に関する各種情報を記憶しており、初期情報54aと、LUT54bと、作成用電圧情報54cと、印加時間情報54dを少なくとも備えている。ここで、作成用電圧情報54cとは、LUT54bを作成する際に、各マイクロミラー装置に印加する電圧(以下、作成用電圧という)に関する情報である。また、印加時間情報54dとは、LUT54bを作成する際にまでに作成用電圧を印加する時間(以下、印加時間という)に関する情報である。
LUT作成部56は、作成用電圧情報54cおよび印加時間情報54dを参照して駆動部51によりマイクロミラー装置3a,3bに電圧を印加した後、出力光測定装置4により測定された出力光の光強度のデータを参照しながら、駆動部51によりマイクロミラー装置3a、3bに駆動電圧を印加することにより、LUT54bを作成する。
<LUT作成動作>
次に、LUT54bの作成動作について説明する。
まず、LUT作成部56は、記憶部5に記憶された作成用電圧情報54cを参照して作成用電圧を取得し、これを駆動させるマイクロミラー装置の全ての電極に印加する。また、LUT作成部56は、記憶部5に記憶された印加時間情報54dを参照して印加時間を取得し、この印加時間により特定される時間まで、作成用電圧が印加された状態を維持したのち、直ちにLUT54bを作成する。ここで、LUT54bの作成は、電極360a〜360dに印加する電圧値を調整しながら、検出部52から取得した該当する接続パスの出力光の光強度が最も強くなる値を探索することにより行われる。
このとき、LUT54bの作成に関係していないマイクロミラー装置が存在する場合、このマイクロミラー装置には作成用電圧を継続的に印加することが望ましい。マイクロミラー装置毎の電圧ドリフト量は、電圧を印加しないと徐々に電圧ドリフトのない状態に戻っていくからである。
ここで、作成用電圧情報54cに記憶された印加時間情報の設定方法について説明する。この印加時間は、図7の符号eに示すように、ミラー230を傾けたときに時間とともに変化する回動角ドリフト量に基づいて設定される。具体的には、回動角ドリフト量、すなわち電圧ドリフト量が飽和して定常状態となる値を予め規定しておき、この値に電圧ドリフトが到達するまでの時間を計測し、この計測した値を印加時間として設定する。
なお、電圧ドリフトは、印加する電圧の値が高いほど早く進行するため、この特性を用いて印加時間を設定するようにしてもよい。具体的には、図8の符号fで示すように、始めに作成用電圧よりも大きな電圧を電極360a〜360dに印加し、徐々にその値を小さくする。これにより、電圧ドリフトを短時間で生じさせることができるので、電圧ドリフトが定常状態となる値も短時間で検出することが可能となり、結果として、印加時間を短時間で設定することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、回動角ドリフトなどにより発生した回動角誤差を予め考慮したLUT54bを作成することにより、ミラーの回動角誤差を軽減し、スイッチの光パワー変動を抑えることができる。
なお、本実施の形態により作成したLUT54bは、上述した第1の実施の形態に適用するようにしてもよいことは言うまでもない。
本発明は、例えば、光スイッチやこの光スイッチを有する通信システムなどマイクロミラー装置を有する各種装置に適用することができる。
(a)本発明に係る光スイッチの構成を模式的に示す図、(b)制御装置の構成を模式的に示す図である。 LUTの一構成例を模式的に示す図である。 回動角変化量と時間との関係を示す図である。 マイクロミラー装置の構成を模式的に示す斜視図である。 電圧ドリフト量と電圧との関係を示す図である。 (a)本発明に係る他の光スイッチの構成を模式的に示す図、(b)制御装置の構成を模式的に示す図である。 印加時間の設定方法を示す図である。 印加時間の他の設定方法を示す図である。 光スイッチの構成を模式的に示す斜視図である。 マイクロミラー装置の構成を模式的に示す斜視図である。 マイクロミラー装置の構成を模式的に示す断面図である。 ミラーの傾動角と駆動電圧との関係を示す図である。
符号の説明
1a…入力ポート、1b…出力ポート、3a…入力側マイクロミラー装置、3b…出力側マイクロミラー装置、4…出力光測定装置、5…制御装置、51…駆動部、52…検出部、54…記憶部、54a…初期情報、54b…LUT、54c…作成用電圧情報、54d…印加時間情報、55…誤差補正部、56…LUT作成部。

Claims (6)

  1. 入力光を入力する少なくとも1つの入力ポートと、
    出力光を出力する少なくとも1つの出力ポートと、
    回動可能に支持されたミラーと、このミラーと対向配置された電極とを有し、この電極に駆動電圧を印加することにより、前記ミラーを所定の角度に傾斜させるミラー装置と、
    1の前記入力ポートからの入力光を偏向させて1の前記出力ポートから出力させる回動角に前記ミラーを傾斜させるときの前記駆動電圧を、前記入力ポートと前記出力ポートの組み合わせ毎に記録したテーブルと、
    このテーブルを参照して前記駆動電圧を前記ミラー装置に供給することにより、所定の前記入力ポートに入力された入力光を選択的に任意の前記出力ポートから出力させる駆動手段と
    を備え、
    前記テーブルに記録した前記駆動電圧は、前記ミラー装置の電極に所定の電圧を所定時間印加した後に、前記ミラーを前記所定の角度に傾斜させる電圧である
    ことを特徴とする光スイッチ。
  2. 前記所定時間は、前記電極に前記所定の電圧を印加することにより前記ミラーの傾斜角が時間と共に変動する回動角ドリフト量が飽和状態となるまでの時間である
    ことを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
  3. 前記所定の電圧は、前記駆動電圧の最大値の略1/2以上の値である
    ことを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
  4. 1つの前記ミラーに対して複数の前記電極が設けられ、
    前記所定電圧は、1つの前記ミラーに対する複数の前記電極に共通の値となる
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光スイッチ。
  5. 前記駆動手段は、前記テーブルと、回動角ドリフト量を補正する補正電圧値とに基づいて駆動電圧を供給する
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光スイッチ。
  6. 前記出力ポートからの出力光を測定する出力光測定装置と、
    前記出力光測定装置により測定される出力光の光強度が最適となるよう前記テーブルを作成するテーブル作成手段と、
    このテーブル作成手段により前記テーブルを作成する際に前記電極に印加する前記所定電圧と、前記電圧テーブルを作成する際に前記所定電圧を印加する時間に関する前記所定時間とを記憶した記憶手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光スイッチ。
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