JP2004109769A - 波面収差補正ミラーおよび光ピックアップ - Google Patents

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Masaki Hiroi
廣居 正樹
Hiroyoshi Shoji
庄子 浩義
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Abstract

【課題】温度によるミラーの平面度への影響を少なくすることの可能な波面収差補正ミラーおよび光ピックアップを提供する。
【解決手段】ミラー基板6のミラー面を圧電材を使用して変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー側電極4aと圧電材側電極4とが直接接触しない程度の厚さの接着層21が設けられている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波面収差補正ミラーおよび光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスクを用いた情報記憶装置として、CDやDVDなどがある。DVDなどは、CDに比べて記録密度が高いため、情報を読み書きするときの条件が厳しくなっている。
【0003】
例えば、光ピックアップの光軸とディスク面は垂直であることが理想であるが、実際にはディスクが樹脂製のため、かなりうねりを持っていて、これを回転させると、光ピックアップの光軸とディスク面は常に垂直ではなくなる(これを以降、チルトと表現する)。また、ディスクは、図18(a),(b)に示すように、記録層(108)が樹脂層(102)を介しているため、ディスク面が垂直でなくなると光路が曲げられディスク上に正しくスポットを絞れなくなり、コマ収差(103)が発生する。この収差が許容される量よりも大きくなると、正しく読み書きが出来なくなるという不具合が生じる。なお、図18(a),(b)はディスクがそれぞれCD,DVDの場合である。
【0004】
チルトの影響を少なくする手段としては、対物レンズと記録層との間の樹脂層を薄くすることがある。実際に、DVD(図18(b))が、CD(図18(a))に比較して、対物レンズ(101)と記録層(108)との間の樹脂層(102)の厚さを半分にしたのは、この効果を狙ったものである。しかし、この方法の場合、DVDよりも高密度記録をしようとした場合には樹脂層をもっと薄くしてさらにチルトの影響を少なくすることになるが、今度はディスク上にごみや傷がついた場合に、信号が正しく読み書きできなくなるという不具合が生じる。このため、アクチュエータによって光軸を傾けて(チルト)対応しているのが現状である。
【0005】
チルトを光学的に補正するため、液晶を用いたり(例えば、特許文献1参照。)、透明圧電素子を用いたり(例えば、特許文献2参照。)、可変ミラーを用いたりする(例えば、特許文献3参照。)ことが提案されている。
【0006】
具体的に、特許文献1(図15)では、液晶板を用いて位相制御することによりコマ収差を補正している。しかし、この方法では、レーザーが液晶板を通過するために光量が減衰し、書き込みに必要なエネルギーを得ることが困難であり、また液晶の特性から、特にタンジェンシャルチルト制御に要求される高周波動作に使用するのは困難であると思われる。
【0007】
また、特許文献2(図16)では、実際に透明圧電素子単体で必要な変位量を得るためには高電圧が必要となり、光ピックアップなどに用いるには現実的ではない。
【0008】
また、特許文献3(図17)は、ミラー自体を積層型圧電素子で変形させ位相制御するようにしている。しかし、光ピックアップなどの小さい部品に用いるには配線などの考慮がされておらず、複雑になりかつ組み付けコストも高くなる。また、配線などの問題が解決できたとしても、積層型圧電素子をかなり小さくしなければならなくなるため、技術的にもコスト的にもなかなか困難である。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−79135号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平5−144056号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平5−333274号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような情報を読み書きするときに不具合を生じさせるチルトの影響を、圧電素子を使用したユニモルフまたはバイモルフ形状の波面収差補正ミラーで波面収差を補正する方法が、低電圧で小型化にも有利であると考えられるが、ミラー基板のミラー面を変形させる場合、低電圧で駆動させるためには変形しやすくなくてはならない。
【0013】
このためにはミラー基板を薄くすることが一番効果的であるが、図12(a),(b)に示すような波面収差補正ミラーの場合、ミラー基板を薄くすると、その非対称な形状から温度の影響を受けやすくなり、例えば室温から温度が上昇したとき図12(c)に示すように平面度は悪くなってしまう。
【0014】
本発明は、温度によるミラーの平面度への影響を少なくすることの可能な波面収差補正ミラーおよび光ピックアップを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ミラー基板のミラー面を圧電材を使用して変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー側電極と圧電材側電極とが直接接触しない程度の厚さの接着層が設けられていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、接着層は、絶縁性の接着層と導電性の接着層とにより構成されていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性の接着層が絶縁性の接着層に平面的に囲まれており、ミラー側電極と圧電材側電極とが導電性接着層によって電気的に接続されていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層が絶縁性接着層内に平面的に点在していることを特徴としている。
【0019】
また、請求項5記載の発明は、請求項2または請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層がミラーの中心部のみにあることを特徴としている。
【0020】
また、請求項6記載の発明は、請求項2または請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層がコマ収差補正をするために変形するミラーの変曲点部にあることを特徴としている。
【0021】
また、請求項7記載の発明は、請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層には、導電性接着剤の代わりにインジュウムが用いられることを特徴としている。
【0022】
また、請求項8記載の発明は、ミラー基板のミラー面を圧電材を使用して変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー側電極と圧電材側電極とが直接接触しない程度の厚さの接着層が設けられており、ミラー基板側に突起を設け、突起部分のミラー側電極が圧電材側電極と電気的に接続されていることを特徴としている。
【0023】
また、請求項9記載の発明は、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、突起がミラーの中心部のみにあることを特徴としている。
【0024】
また、請求項10記載の発明は、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、突起がコマ収差補正をするために変形するミラーの変曲点部にあることを特徴としている。
【0025】
また、請求項11記載の発明は、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、接着層に圧着型導電性接着剤を使用することを特徴としている。
【0026】
また、請求項12記載の発明は、請求項1または請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、絶縁性接着層として弾性接着剤を用いることを特徴としている。
【0027】
また、請求項13記載の発明は、レーザ光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーが用いられていることを特徴とする光ピックアップである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図12(a),(b)はミラー面が変位する波面収差補正ミラーの一例を示す図である。なお、図12(a)は斜視図であり、図12(b)は図12(a)のA−A’における断面図である。
【0030】
図12(a),(b)を参照すると、ミラー基板(6)にはミラー材(1)が付いており、その反対側の面には、絶縁層(7)が付いている。絶縁層(7)の下には、共通電極(4)が付いており、その下に、圧電極性が一方向の圧電材料(2)が付いて、さらにその下に、左右に分かれた個別電極(5)が付いている(なお、ここで、上下の表現は断面図でミラー基板(6)のミラー面を上として表現している)。このような構造のミラー部は、ミラー固定用ベース(8)に両端で固定されている。
【0031】
ところで、このような構造で、電極(4)を接地し、左右に分かれた個別電極(5)の−方にプラスの電圧をかけ、他方にマイナスの電圧をかけたとすると、ミラー基板(6)の断面にあたる部分は、例えば図14(b)に示すような断面形状になる。個別電極(5)に逆電圧をかけた場合には、その逆の形状になる。
【0032】
つまり、ミラー基板(6)は電圧がかかっても伸び縮みしないが、圧電材料(2)は電圧がかかれば伸び縮みするため、個別電極(5)にプラスの電圧を加えた場合、その部分の圧電材料(2)が横方向に縮むとすると、マイナス電圧をかけた場合には、その部分の圧電材料(2)は横方向に伸びることになり、個別電極(5)にプラスの電圧を加えた場合には、ミラー基板(6)のミラー材(1)の面は凸になり、個別電極(5)にマイナスの電圧を加えた場合には、ミラー基板(6)のミラー材(1)の面は凹になる。
【0033】
このような波面収差補正ミラーを図13に示すような光ピックアップの光軸上に設け制御することにより、チルトによるコマ収差を低減することが可能になる。
【0034】
なお、図13において、(10)は波面収差補正ミラー、(11)は光ディスク、(12)は対物レンズ及び対物光学系、(13)立ち上げミラー、(14)は偏光ビームスプリッタ、(15)はレーザ素子及びレーザ光学系、(16)は光検出素子及び光検出光学系である。
【0035】
図13の光ピックアップでは、レーザー素子(15)から発せられたレーザー光は、レーザ光学系により平行光にされ偏光ビームスプリッタ(14)を通り、波面収差補正ミラー(10)で反射され、立ち上げミラー(13)でさらに反射され、対物レンズ及び対物光学系(12)で集光され、光ディスク(11)に焦点を結ぶ。
【0036】
また、光ディスク(11)から反射したレーザ光は、対物レンズ及び対物光学系(12)を通り、立ち上げミラー(13)で反射され、波面収差補正ミラー(10)で反射され、偏光ビームスプリッタ(14)を通り、光検出光学系で集光され、光検出素子(16)で検出される。この検出素子にはチルト検出用の検出素子も設置されている。
【0037】
このような光学系で、光ディスク(11)がレーザ光の光軸に対し垂直な位置から傾くと、光ディスクから反射して戻ってきたレーザ光の波面は乱れ、例えば図14(a)に示すような波面収差(コマ収差)が発生する。ここで横軸は例えば図12(a)に示す波面収差補正ミラーのA−A’断面と同一断面であり、縦軸は波面収差である。つまり、図13の光学系で、光ディスク(11)がチルトしたときに波面収差補正ミラー(10)のミラー面は平らであり、そこで反射した反射光の波面収差である。ちなみに、光ディスク(11)がレーザ光の光軸に対し垂直であれば、波面は図14(a)に示すような収差は発生せず、横軸と同じでまっすぐになる。図19は波面の面方向を等高線で表した図であり、A−A’断面が図14(a)のようになっている。
【0038】
図14(b)は波面収差補正ミラー(10)を故意に収差を発生させるよう動作させ、その反射光の波面収差を表した例である。ここで、横軸は例えば図12(a)に示す波面収差補正ミラーのミラー表面のA−A’断面と同一断面であり、縦軸は波面収差である。
【0039】
いま仮に、光ディスクが傾き、ディスクからの反射光の波面が図14(a)であったとする。ディスクが傾いていない時の反射光の波面が図14(b)のようになるよう波面収差補正ミラーを制御すれば、波面収差補正ミラーから反射された反射光の波面は図14(c)のようになり、図14(a)にくらべ波面収差を低減させることが可能となる。
【0040】
しかし、このような構造の波面収差補正ミラーは、ミラー基板(6)を薄くすると、その非対称な形状から温度の影響を受けやすくなり、例えば室温から温度が上昇したとき図12(c)に示すように平面度は悪くなってしまうという不具合を生じる。平面度が悪くなると、本来波面収差を低減させたい変形形状に変形させることができなくなる。例えば、図12(c)のように変形したミラーで波面収差補正の形状に変形させようとすると、図20(a)のような変形形状になってしまい、本来変形したい形状の20(b)とは違う形状になってしまう。
【0041】
最近のPC(パーソナルコンピューター)などは室温から60℃くらいまで温度上昇するため、このような不具合が出る可能性が高い。
【0042】
このため、電極に直接オフセット電圧などを与えることで平面度を良くする方法もあるが、本発明では、これらの温度によるミラーの平面度への影響を少なくするため、接着層を従来よりも厚くしている。
【0043】
(第1の実施形態)
図1(a),(b)は本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。なお、図1(b)は図1(a)の拡大図(接着層2(21)付近(図1(a)のB部)の拡大図)である。本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図12(a),(b)に示したミラー面が変位する波面収差補正ミラーの例と同じである。
【0044】
図1(a),(b)を参照すると、ミラー基板(6)には、ミラー材(1)が付いており、その反対側の面には、絶縁層(7)が付いている。そして、絶縁層の下には、ミラー側共通電極(4a)が付いており、その下に、接着層(21)が設けられている。さらにその下には、圧電材側共通電極(4)が設けられており、その下には、圧電極性が一方向の圧電材料(2)が付いて、さらにその下に、個別電極(5)が付いている(上下の表現は断面図でミラー面を上として表現している)。このような構造のミラー部は、ミラー固定用ベース(図示せず)に固定されている。
【0045】
ところで、本発明では、接着層(21)は、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)とが接触しない程度の厚さになっている(厚くなっている)。
【0046】
図7(a),(b)は、在来の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。なお、図7(b)は図7(a)の拡大図(接着層(9)付近(図7(a)の点線の丸の部分)の拡大図)である。在来の波面収差補正ミラー構造は、図7(a),(b)に示すように、ミラー側共通電極(4a)の下に、接着層(9)が設けられて、さらにその下には、圧電材側共通電極(4)が設けられており、接着層(9)は、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)とが接触するようにできるだけ厚さが薄くなっている(つまり、圧電材(2)の主に凹凸部分に接着剤が入っている状態となっている)。
【0047】
図8は熱膨張によるミラー基板の変形を説明するための図である。なお、図8では、見やすくするため、ミラー基板(6),圧電材料(2),個別電極(5)以外は省略した。また、使用しているミラー固定用ベース(8)はミラー基板(2)と同じ材質である。
【0048】
図12(a),(b),図7(a),(b)に示したような従来構造であると、ミラー基板(6)と圧電材料(2)との熱膨張率がミラー基板(6)<圧電材料(2)のように違っているとすると、温度上昇が起きると、図8のように、圧電材料(2)の方が大きく横に伸び、この場合、接着層(9)が薄いので、この影響がそのまま出て、ミラー面は凹になるように撓む(矢印の長さは熱膨張率の大きさを表している)。一方、図9のように、ミラー基板(6)の反対側に同じ形状の同じ材料(例えば圧電材料)を設けると、ミラー基板(6)が撓むことはないが、圧電材料(2)のように組成が粗い材料では研磨してもミラーとして使えない。また、図10のように、ミラー基板(6)として、圧電材料(2)とほぼ同じ熱膨張率の基板を使用すれば、ほとんど撓むことはないが、そのように都合の良い材料はなかなかなく、あったとしてもかなり限定される可能性が高い。
【0049】
これに対し、図1(a),(b)で示した本発明の構造では、接着層(21)が厚いことと圧電材側共通電極(4)に直接電圧がかからないので、圧電効果によるミラー基板(6)の変形量は多少小さくなるものの、温度上昇が起きて圧電材料(2)がミラー基板(6)より例えば横に伸びようとする力(あるいは横に縮もうとする力)が発生しミラー面が凹面(あるいは凸面)になろうとしても、接着層(21)がある程度厚いために、お互いの熱膨張の差をある程度吸収することができ、ミラー基板(6)の撓みを小さく抑えることができる。
【0050】
なお、一例として、ミラー基板(6)としてはSi(シリコン)を用い、また、圧電材料(2)としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、接着層(21)としては嫌気性接着剤を用いることができる。
【0051】
(第2の実施形態)
図2(a),(b)は本発明の第2の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。なお、図2(a)は断面図、図2(b)は平面図である。図2(a),(b)の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図12(a),(b),図7(a),(b)に示したミラー面が変位する波面収差補正ミラーの例とほぼ同じである。
【0052】
図2(a),(b)を参照すると、ミラー基板(6)には、ミラー材(1)が付いており、その反対側の面には、絶縁層(7)が付いている。そして、絶縁層の下には、ミラー側共通電極(4a)が付いており、その下に、接着層(21)が設けられており、接着層(21)は、絶縁性接着剤(21a)と導電性接着剤(22)とにより構成されている。さらにその下には、圧電材側共通電極(4)が設けられており、その下には、圧電極性が一方向の圧電材料(2)が付いて、さらにその下に、個別電極(5)が付いている(上下の表現は断面図でミラー面を上として表現している)。このような構造のミラー部は、ミラー固定用ベース(図示せず)に固定されている。
【0053】
ところで、本発明では、接着層(21)はミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)とが接触しない程度の厚さになっており(厚くなっており)、さらに、接着層(21)は、絶縁性接着剤(21a)と、絶縁性接着剤(21a)で平面的に囲まれた導電性接着剤(22)とにより構成されている。
【0054】
圧電材(2)に直接電圧がかかった方が望ましいため、接着層(21)としては導電性接着剤だけを使用すれば良いと思われるが、導電性接着剤だけであると、次のような不具合が生じる。図11はその不具合を説明するための図である。図11に示すように、接着剤(9a)の量が多すぎると接着剤がはみ出してしまい、この接着剤が導電性接着剤の場合、圧電側共通電極(4)と個別電極(5)とが接触してショートしてしまうという不具合が起きることが多い。接着剤がはみ出ないようにコントロールすれば良いと思われるが、これもコントロールすることは大変困難である。
【0055】
これに対し、図2(a),(b)で示した本発明の構造であれば、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)とは導電性接着剤(22)によって電気的に接触しており、電圧が圧電材側共通電極(4)に直接かかるため、図1(a),(b)に示した構成例よりも圧電効果によるミラーの変形量は大きくなり、また、温度上昇が起きて圧電材料(2)がミラー基板(6)より例えば横に伸びようとする力(あるいは横に縮もうとする力)が発生しミラー面が凹面(あるいは凸面)になろうとしても、接着層が厚いため、お互いの熱膨張の差をある程度吸収することができ、ミラー基板(6)の撓みを小さく抑えることができる。さらに図2(a),(b)で示した本発明の構造では、導電性接着剤(22)は、絶縁性接着剤(21a)で平面的に囲まれでいるので、導電性接着剤(22)がはみ出して圧電側共通電極(4)と個別電極(5)とが接触してショートしてしまうという不具合が起きるのを有効に防止できる。
【0056】
なお、一例として、ミラー基板(6)としてはSi(シリコン)を用い、圧電材料(2)としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、絶縁性接着剤(21a)としては嫌気性接着剤を用い、導電性接着剤(22)としては銀ペーストを用いることができる。
【0057】
(第3の実施形態)
図3(a)は本発明の第3の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図(平面図)である。図3(a)の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図12(a),(b),図7(a),(b)に示したミラー面が変位する波面収差補正ミラーの例とほぼ同じである。
【0058】
図3(a)は平面図であるが、断面の構成としては、ミラー基板(6)には、ミラー材(1)が付いており、その反対側の面には、絶縁層(図示せず)が付いている。そして、絶縁層の下には、ミラー側共通電極(4a)が付いており、その下に、接着層が設けられており、接着層は、絶縁性接着剤(21a)と導電性接着剤(22a)とにより構成されている。さらにその下には、圧電材側共通電極(図示せず)が設けられており、その下には、圧電極性が一方向の圧電材料(図示せず)が付いて、さらにその下に、個別電極(図示せず)が付いている(上下の表現は断面図でミラー面を上として表現している)。
【0059】
このような構造のミラー部は、ミラー固定用ベース(図示せず)に固定されている。なお、接着層(21a,22a)はミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極とが接触しない程度の厚さになっており(厚くなっており)、さらに、接着層は、絶縁性接着剤(21a)と、絶縁性接着剤(21a)で平面的に囲まれ、かつ、複数に点在した導電性接着剤(22a)とにより構成されている。
【0060】
図3(a)に示した本発明の構造であれば、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極とは、導電性接着剤(22a)によって電気的に複数点で安定して接触しており、電圧が圧電材側共通電極に直接かかるため、図1(a),(b)に示した構成例よりも圧電効果によるミラーの変形量は大きくなり、また、温度上昇が起きて圧電材料がミラー基板(6)より例えば横に伸びようとする力(あるいは横に縮もうとする力)が発生しミラー面が凹面(あるいは凸面)になろうとしても、接着層が厚いため、お互いの熱膨張の差をある程度吸収することができ、ミラー基板(6)の撓みを小さく抑えることができる。さらに、図3(a)に示した本発明の構造では、導電性接着剤(22)は、絶縁性接着剤(21a)で平面的に囲まれているので、導電性接着剤(22)がはみ出して圧電側共通電極(4)と個別電極(5)とが接触してショートしてしまうという不具合が起きるのを有効に防止できる。
【0061】
図3(b)は、図3(a)の波面収差補正ミラーの変形例を示す図であり、基本構造は図3(a)の例とほぼ同じである。
【0062】
図3(b)の例では、接着層は、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極が接触しない程度の厚さになっており(厚くなっており)、さらに、接着層は、絶縁性接着剤(21a)と、絶縁性接着剤(21a)で平面的に囲まれ、かつ、ミラー基板(6)の中心部の一点にある導電性接着剤(22b)とにより構成されている。
【0063】
図3(b)に示した構造であれば、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極とは、導電性接着剤(22b)によって電気的に接触しており、電圧が圧電材側共通電極に直接かかるため、図1(a),(b)に示した構成例よりも圧電効果によるミラーの変形量は大きくなり、また、温度上昇が起きて圧電材料がミラー基板(6)より例えば横に伸びようとする力(あるいは横に縮もうとする力)が発生しミラー面が凹面(あるいは凸面)になろうとしても、接着層が厚いため、お互いの熱膨張の差をある程度吸収することができ、ミラー基板(6)の撓みを小さく抑えることができる。また、導電性接着剤(22b)がミラー基板(6)の中心部の一点のみにあるため、それ以外のところでは導電性接着剤(22b)の熱膨張の影響を受けることなく、絶縁性接着剤(21a)の熱膨張の差を吸収する効果を有効に得ることができる。
【0064】
また、図3(c)は、図3(a)の波面収差補正ミラーの他の変形例を示す図であり、基本構造は図3(a)の例とほぼ同じである。
【0065】
図3(c)の例では、接着層は、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極が接触しない程度の厚さになっており(厚くなっており)、さらに、接着層は、絶縁性接着剤(21a)と、絶縁性接着剤(21a)で平面的に囲まれ、かつ、コマ収差補正をするために変形するミラーの変曲点部にある導電性接着剤(22c)とにより構成されている。
【0066】
図3(c)に示した構造であれば、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極とは導電性接着剤(22c)によって電気的に接触しており、電圧が圧電材側共通電極(4)に直接かかるため、図1(a),(b)に示した構成例よりも圧電効果によるミラーの変形量は大きくなり、また、温度上昇が起きて圧電材料がミラー基板(6)より例えば横に伸びようとする力(あるいは横に縮もうとする力)が発生しミラー面が凹面(あるいは凸面)になろうとしても、接着層が厚いため、お互いの熱膨張の差をある程度吸収することができ、ミラー基板(6)の撓みを小さく抑えることができる。また、導電性接着剤(22c)がコマ収差補正をするために変形するミラーの変曲点部にあるため、それ以外のところでは導電性接着剤(22c)の熱膨張の影響を受けることなく、圧電効果による変形量も図3(b)よりも大きくでき、絶縁性接着剤(21a)の熱膨張の差を吸収する効果を有効に得ることができる。
【0067】
なお、図3(a),(b),(c)の構成例では、一例として、ミラー基板(6)としてはSi(シリコン)を用い、圧電材料としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、絶縁性接着剤としては嫌気性接着剤を用い、導電性接着剤としては銀ペーストを用いることができる。
【0068】
また、上述した各構成例では、導電性接着剤を用いているが、導電性接着剤のかわりにインジウムを用いることもでき、インジウムでも同様の効果を得ることができる。さらに、インジウムの方が面方向の広がりに対して制御がしやすい。
【0069】
(第4の実施形態)
図4は本発明の第4の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。図4の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図12(a),(b),図7(a),(b)に示したミラー面が変位する波面収差補正ミラーの例とほぼ同じである。
【0070】
図4を参照すると、ミラー基板(6)には、ミラー材(1)が付いており、その反対側の面には、絶縁層(7)が付いている。そして、絶縁層(7)の下には、ミラー側共通電極(4a)が付いており、その下に、接着層(21)が設けられている。さらにその下には、圧電材側共通電極(4)が設けられており、その下には、圧電極性が一方向の圧電材料(2)が付いて、さらにその下に、個別電極(5)が付いている(上下の表現は断面図でミラー面を上として表現している)。
【0071】
ここで、ミラー基板(6)には、図に示すように突起部(23a)が複数設けられており、その突起部分のミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)とは電気的に接触している。このような構造のミラー部は、ミラー固定用ベース(図示せず)に固定されている。
【0072】
図4に示した構造では、ミラー側共通電極(4a)と圧電側共通電極(4)とは、突起部(23a)によって電気的に複数点で安定して接触しており、電圧が圧電材側共通電極(4)に直接かかるため、図1(a),(b)に示した構成例よりも圧電効果によるミラーの変形量は大きくなり、また、温度上昇が起きて圧電材料(2)がミラー基板(6)より例えば横に伸びようとする力(あるいは横に縮もうとする力)が発生しミラー面が凹面(あるいは凸面)になろうとしても、接着層(21)が厚いため、お互いの熱膨張の差をある程度吸収することができ、ミラー基板(6)の撓みを小さく抑えることができる。
【0073】
(第5の実施形態)
図5(a)は本発明の第5の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図であるが、図5(a)の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図4の例とほぼ同じである。接着層(21)は、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)が接触しない程度の厚さになっており(厚くなっており)、突起部(23b)は、ミラー基板(6)の中心部の一点で構成されており、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)はこの部分でのみ電気的に接触している。
【0074】
図5(a)に示した構造では、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)とは、突起部(23b)によって電気的に接触しており、電圧が圧電材側共通電極(4)に直接かかるため、図1(a),(b)に示した構成例よりも圧電効果によるミラーの変形量は大きくなり、また、温度上昇が起きて圧電材料(2)がミラー基板(6)より例えば横に伸びようとする力(あるいは横に縮もうとする力)が発生しミラー面が凹面(あるいは凸面)になろうとしても、接着層(21)が厚いため、お互いの熱膨張の差をある程度吸収することができ、ミラー基板(6)はほとんど撓まなくなる。また、突起部(23b)がミラー基板(6)の中心部の一点のみにあるため、それ以外のところでは熱膨張の影響をほとんど受けることなく、絶縁性接着剤の熱膨張の差を吸収する効果を有効に得ることができる。
【0075】
(第6の実施形態)
図5(b)は本発明の第6の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図であるが、図5(b)の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図4の例とほぼ同じである。接着層(21)は、ミラー側共通電極(4a)と圧電側共通電極(4)とが接触しない程度の厚さになっており(厚くなっており)、突起部(23c)は、コマ収差補正をするために変形するミラーの変曲点部分でのみ電気的に接触している。
【0076】
図5(b)に示した構造では、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)とは、突起部(23c)によって電気的に接触しており、電圧が圧電側共通電極(4)に直接かかるため、図1(a),(b)に示した構成例よりも圧電効果によるミラーの変形量は大きくなり、また、温度上昇が起きて圧電材料(2)がミラー基板(6)より例えば横に伸びようとする力(あるいは横に縮もうとする力)が発生しミラー面が凹面(あるいは凸面)になろうとしても、接着層(21)が厚いため、お互いの熱膨張の差をある程度吸収することができ、ミラー基板(6)の撓みを小さく抑えることができる。また、突起部(23b)がコマ収差補正をするために変形するミラーの変曲点部にあるため、それ以外のところでは熱膨張の影響をほとんど受けることなく、絶縁性接着剤の熱膨張の差を吸収する効果を有効に得ることができる。
【0077】
なお、図4,図5(a),(b)に示した構成例では、ミラー基板(6)としてSi(シリコン)を用い、圧電材料(2)としてPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、絶縁性接着剤として嫌気性接着剤を用い、導電性接着剤として銀ペーストを用いることができる。また、ミラー基板の突起は、異方性エッチングにより形成することができる。
【0078】
(第7の実施形態)
図6(a),(b)は本発明の第7の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。図6(a),(b)の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図12(a),(b),図7(a),(b)に示したミラー面が変位する波面収差補正ミラーの例とほぼ同じである。
【0079】
図6(a)を参照すると、ミラー基板(6)には、ミラー材(1)が付いており、その反対側の面には、絶縁層(7)が付いている。そして、絶縁層の下には、ミラー側共通電極(4a)が付いており、その下に、接着層(21)が設けられている。さらにその下には、圧電材側共通電極(4)が設けられており、その下には、圧電極性が一方向の圧電材料(2)が付いて、さらにその下に、個別電極(5)が付いている(上下の表現は断面図でミラー面を上として表現している)。
【0080】
ここで、ミラー基板(6)には、図に示すように突起部(23)が設けられており、その突起部分のミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)とは電気的に接触している。また、接着層(21)には圧着型導電性接着剤(21b)を使用している。このような構造であるミラー部は、ミラー固定用ベース(図示せず)に固定されている。
【0081】
図6(b)は圧着型導電性接着剤(21b)を説明するための図である。圧着型導電性接着剤(21b)は、塗布しただけでは絶縁性であり、集中圧力をかけた部分のみが導電性になる接着剤である。すなわち、圧着型導電性接着剤(21b)は、絶縁カプセルの中に導電性接着剤が入っており、絶縁性接着剤の中にカプセルが分散されている。図6(b)の左側の図のように圧着性導電性接着剤(21b)を接着層として塗布し圧電部を接着し、さらに圧力をかけることにより、突起部分の接着層は薄くなり、カプセルが破壊され導電性接着剤が出て、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)とを電気的に接触させることができる。
【0082】
このため、図6(a)に示した構造であれば、ミラー側共通電極(4a)と圧電材側共通電極(4)とは突起部(23a)において圧着型導電性接着剤(21b)によって電気的に接触しており、電圧が圧電材側共通電極(4)に直接かかるため、図1(a),(b)に示した構成例よりも圧電効果によるミラーの変形量は大きくなり、また、温度上昇が起きて圧電材料(2)がミラー基板(6)より例えば横に伸びようとする力(あるいは横に縮もうとする力)が発生しミラー面が凹面(あるいは凸面)になろうとしても、接着層(21)が厚いため、お互いの熱膨張の差をある程度吸収することができ、ミラー基板(6)の撓みを小さく抑えることができる。
【0083】
なお、図6(a)の構成例では、一例として、ミラー基板(6)としては、Si(シリコン)を用い、圧電材料(2)としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、接着剤としては圧着型導電性接着剤を用いることができる。また、ミラー基板の突起は、異方性エッチングにより形成することができる。
【0084】
さらに、上述の各構成例において、絶縁性接着剤として弾性接着剤を用いることができる。絶縁性接着剤として弾性接着剤を用いる場合、弾性接着剤は、通常の絶縁性接着剤よりも柔らかいので、熱膨張差の吸収効果をさらに上げることが可能となる。
【0085】
以上、本発明の各構成例を示したが、本発明は、これらの構成例にとどまることなく、あらゆる組み合わせや応用ができることはいうまでもない。
【0086】
例えば、突起部に電気的密着性を上げるためインジウムをあらかじめ成膜しても良い。また、共通電極としたところは個別電極でも良いし、圧電材料はミラー基板と同じ大きさにして電極だけ必要なサイズにしても良いし、電極と同じ大きさの圧電材料を複数個用いても良い。さらに、上述した例では、使用光学系の説明として、波面収差補正ミラー(10)と立ち上げミラー(13)とを別々にした例で説明したが、立ち上げミラーに波面収差補正ミラーを直接用いても良い。また、レーザ光学系(15)と光検出光学系(16)とを別々にした例で説明したが、レーザ光学系(15)と光検出光学系(16)とが一体になっている光学系でも良い。
【0087】
以上述べてきたように、本発明の構成によって、温度変化に対する変形が少なくなり、ミラー面の平面度を良い状態に保つことができる。
【0088】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1記載の発明によれば、ミラー基板のミラー面を圧電材を使用して変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー側電極と圧電材側電極とが直接接触しない程度の厚さの接着層が設けられているので、接着層で熱膨張差をある程度吸収でき、温度変化に対するミラーの平面度の変化を小さくすることができる。
【0089】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、接着層は、絶縁性の接着層と導電性の接着層とにより構成されているので、圧電材に直接電圧をかけることが可能となり、圧電効果によるミラー面の変位の損失が少なくてすむ。
【0090】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性の接着層が絶縁性の接着層に平面的に囲まれており、ミラー側電極と圧電材側電極とが導電性接着層によって電気的に接続されているので、導電性接着剤が圧電材の反対側面の電極とショートすることなく圧電材に直接電圧をかけることができる。
【0091】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項2または請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層が絶縁性接着層内に平面的に点在しているので、接触部分が増え、確実に圧電材に直接電圧をかけることができる。
【0092】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項2または請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層がミラーの中心部のみにあるので、それ以外のところは導電性接着剤の熱膨張の影響を受けることなく、接着層における熱膨張の差を吸収することができる。
【0093】
また、請求項6記載の発明によれば、請求項2または請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層がコマ収差補正をするために変形するミラーの変曲点部にあるので、それ以外のところは導電性接着剤の熱膨張の影響を受けることなく、接着層における熱膨張の差を吸収することができる。
【0094】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層には、導電性接着剤の代わりにインジュウムが用いられるので、導電性部分の面方向の広がりを制御しやすくすることができる。
【0095】
また、請求項8記載の発明によれば、ミラー基板のミラー面を圧電材を使用して変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー側電極と圧電材側電極とが直接接触しない程度の厚さの接着層が設けられており、ミラー基板側に突起を設け、突起部分のミラー側電極が圧電材側電極と電気的に接続されているので、圧電材に直接電圧をかけることが可能となり、圧電効果によるミラー面の変位の損失が少なくてすむ。
【0096】
また、請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、突起がミラーの中心部のみにあるので、それ以外のところは導電性接着剤の熱膨張の影響を受けることなく、接着層における熱膨張の差を吸収することができる。
【0097】
また、請求項10記載の発明によれば、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、突起がコマ収差補正をするために変形するミラーの変曲点部にあるので、それ以外のところは導電性接着剤の熱膨張の影響を受けることなく、接着層における熱膨張の差を吸収することができる。
【0098】
また、請求項11記載の発明によれば、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、接着層に圧着型導電性接着剤を使用するので、突起部分のみ導電性になり圧電材に直接電圧をかけることが可能となって、圧電効果によるミラー面の変位の損失が少なくてすむと同時に、絶縁部分と導電部分とを気にしないで接着することができる。
【0099】
また、請求項12記載の発明によれば、請求項1または請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、絶縁性接着層として弾性接着剤を用いるので、通常の絶縁性接着剤よりも柔らかいため熱膨張差の吸収効果をさらに上げることができる。
【0100】
また、請求項13記載の発明によれば、レーザ光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーが用いられていることを特徴とする光ピックアップであるので、温度変化に対し、信頼性の良い光ピックアップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図5】本発明の第5,6の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図6】本発明の第7の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図7】在来の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図8】熱膨張によるミラー基板の変形を説明するための図である。
【図9】ミラー基板の反対側に同じ形状の同じ材料(例えば圧電材料)を設けた場合を示す図である。
【図10】ミラー基板として、圧電材料とほぼ同じ熱膨張率の基板を使用する場合を示す図である。
【図11】接着剤が導電性接着剤だけの場合の不具合を説明するための図である。
【図12】ミラー面が変位する波面収差補正ミラーの一例を示す図である。
【図13】光ピックアップの構成例を示す図である。
【図14】波面収差を説明するための図である。
【図15】従来技術を説明するための図である。
【図16】従来技術を説明するための図である。
【図17】従来技術を説明するための図である。
【図18】CV,DVDのディスクを示す図である。
【図19】反射膜の面を等高線で表した図である。
【図20】波面収差補正の形状変形を説明するための図である。
【符号の説明】
1     ミラー材
2     圧電材料
3     ミラー固定部
4     共通電極
5     個別電極
6     ミラー基板
7     絶縁層
8     ミラー固定用ベース
9     接着層
10    波面収差補正ミラー
11    光ディスク
12    対物レンズ及び対物光学系
13    立ち上げミラー
14    偏光ビームスプリッタ
15    レーザ素子及びレーザ光学系
16    光検出素子及び光検出光学系
21    接着層
21a   絶縁性接着剤
21b   圧着型導電性接着剤
22    導電性接着剤
22a   導電性接着剤
22b   導電性接着剤
22c   導電性接着剤
23    突起部
23a   突起部
23b   突起部
23c   突起部
101a,101b   対物レンズ
102a,102b   ディスク
103a,103b   スポット(コマ収差)
108    記録層

Claims (13)

  1. ミラー基板のミラー面を圧電材を使用して変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー側電極と圧電材側電極とが直接接触しない程度の厚さの接着層が設けられていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  2. 請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、接着層は、絶縁性の接着層と導電性の接着層とにより構成されていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  3. 請求項2記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性の接着層が絶縁性の接着層に平面的に囲まれており、ミラー側電極と圧電材側電極とが導電性接着層によって電気的に接続されていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  4. 請求項2または請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層が絶縁性接着層内に平面的に点在していることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  5. 請求項2または請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層がミラーの中心部のみにあることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  6. 請求項2または請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層がコマ収差補正をするために変形するミラーの変曲点部にあることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  7. 請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーにおいて、導電性接着層には、導電性接着剤の代わりにインジュウムが用いられることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  8. ミラー基板のミラー面を圧電材を使用して変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、ミラー側電極と圧電材側電極とが直接接触しない程度の厚さの接着層が設けられており、ミラー基板側に突起を設け、突起部分のミラー側電極が圧電材側電極と電気的に接続されていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  9. 請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、突起がミラーの中心部のみにあることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  10. 請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、突起がコマ収差補正をするために変形するミラーの変曲点部にあることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  11. 請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、接着層に圧着型導電性接着剤を使用することを特徴とする波面収差補正ミラー。
  12. 請求項1または請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、絶縁性接着層として弾性接着剤を用いることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  13. レーザ光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーが用いられていることを特徴とする光ピックアップ。
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