JP2003075747A - 形状可変鏡及び光ディスク情報入出力装置 - Google Patents

形状可変鏡及び光ディスク情報入出力装置

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JP2003075747A
JP2003075747A JP2001262905A JP2001262905A JP2003075747A JP 2003075747 A JP2003075747 A JP 2003075747A JP 2001262905 A JP2001262905 A JP 2001262905A JP 2001262905 A JP2001262905 A JP 2001262905A JP 2003075747 A JP2003075747 A JP 2003075747A
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Masaki Hiroi
正樹 廣居
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鏡部の鏡面の形状が可変な形状可変鏡におい
て、鏡部の鏡面の変形する部分に対する固定材の収縮応
力の影響を減少させ、鏡部の鏡面の歪みを削減する。さ
らに、前記形状可変鏡を有する光ピックアップ装置を備
えた光情報入出力装置を提供する。 【解決手段】形状可変鏡の鏡部を、鏡部を固定する鏡固
定用部材の鏡支持部に固定材を使用して鏡部の鏡面の変
形する部分よりも外側で固定するか、形状可変鏡の鏡部
を、鏡固定用部材に柔軟な材質の固定材で固定するか、
又は、形状可変鏡の鏡固定用部材が、鏡固定用部材で固
定される部分の重心に対応する位置に、鏡固定用部材で
固定される部分に点接触可能な1つの突起を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鏡部の鏡面の形状
が可変な形状可変鏡及び光ピックアップ装置を備えた光
情報入出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に光ディスクを用いた情報記憶装置
としてCDやDVDなどがある。DVDなどはCDに比
べ記録密度が高いため、情報の読み書きに関する条件が
より厳しくなっている。例えば光ピックアップ装置の光
軸とディスク面は垂直であることが理想であるが、実際
には光ディスクが樹脂製である為、ディスク面はかなり
うねりを持っていて、これを回転させると光ピックアッ
プ装置の光軸とディスク面は常には垂直ではなく、ディ
スク面が光軸に対して傾きを持つことがある(以下、デ
ィスク面の光軸に対する傾きをチルトと表現する)。ま
たCD、DVD共に光ディスクにおいては、図1に示す
ように、記録層108が樹脂層102a、102bを介
在しているため、チルトすなわちディスク面が傾くとレ
ーザ光の光路が曲げられてコマ収差が発生し、図1の1
03a、103bに示すようにディスク上に正しくスポ
ットを絞れなくなる。このコマ収差が許容される量より
も大きくなると、情報を正しく読み書きできなくなると
いう不具合が生じる。
【0003】チルトにより発生する収差を低減する手段
としては、対物レンズと記録層との間の樹脂層の厚みを
薄くする方法がある。実際に図1(b)に示すようなD
VDにおいて、対物レンズ101bと記録層108との
間の樹脂層102bの厚みを、図1(a)に示すCDの
場合に比較して半分にしてあるのは、コマ収差の低減を
意図したものである。しかしこの方法では、DVDより
も記録密度を高くしようとした場合には樹脂層をさらに
薄くしてチルトの影響を低減することになるが、今度は
ディスク上にゴミや傷が付いた場合に信号を正しく読み
書きできなくなるという不具合が生じる。このため、ア
クチュエータによって光ピックアップ装置の光軸を傾け
て対応しているのが現状である。
【0004】チルトを光学的に補正する手段として、ま
ず図2に示すような特開平10−79135に記載の液
晶板を用いる方法がある。また圧電素子を用いたチルト
によるコマ収差などの補正手段として、図3に示すよう
な特開平5−144056に記載のレーザ光の光路中に
透明圧電素子を用いる方法や、図4に示すような特開平
5−333274に記載の複数のアクチェータを利用し
た形状可変鏡を用いる方法などが提案されている。
【0005】しかしながら、特開平10−79135の
ように液晶板を用いて位相を制御することでコマ収差を
補正する方法では、レーザーが液晶板を通過するために
光量が減衰して書き込みに必要なエネルギーを得ること
が困難であり、また液晶の特性から、特にタンジェンシ
ャルチルトの制御に要求される高周波動作に使用するこ
とは困難である。
【0006】また、特開平5−144056のように透
明圧電素子単体で必要な厚み変化を得るためには、実際
には高電圧が必要となり光ピックアップ装置などに用い
るには現実的ではない。
【0007】さらに、特開平5−333274のように
形状可変鏡の鏡自体を積層型圧電素子で変形させ位相制
御する方法は、光ピックアップ装置などの小さい部品に
用いるには配線などの考慮がされておらず、複雑にな
り、かつ組み付けコストも高くなる。また、配線などの
問題が解決できたとしても、積層型圧電素子を小型化す
ることは、技術的にもコスト的にも困難である。
【0008】これらの公報に記載された発明の問題点を
解決する為、ディスク面のチルトなどにより発生する波
面収差(主としてコマ収差)を、圧電材料を使用したユ
ニモルフ又はバイモルフ形状の形状可変鏡で補正する方
法が考えられる。これは例えば図5に示すような鏡面の
形状が可変な形状可変鏡である。ここで図5(a)は形
状可変鏡の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に
おけるA−A’方向の断面図である。この形状可変鏡
は、鏡基板6の片面に鏡材1が、他方の面には絶縁層7
が取り付けてある。鏡面のある側を上と表現すると、絶
縁層7の下には、共通電極4、その下に圧電材料2、さ
らにその下に個別電極5があり、共通電極4と個別電極
5間に電圧を印加して圧電材料2を変形させ、結果とし
て鏡面の形状を変形させる。上述の鏡材1、鏡基板6、
絶縁層7、共通電極4、圧電材料2、個別電極5を、上
からこの順に接着した部分は、図5(b)に示すように
接着剤などの固定材9を用いて鏡固定用部材8に固定さ
れる。
【0009】ここで、形状可変鏡の鏡面を変形させる為
に、圧電材料2に印加する電圧を、低電圧とする為に
は、鏡面の形状が変形し易いことが必要である。鏡面の
形状の変形を容易とする為には、形状可変鏡の鏡部(鏡
材、鏡基板、絶縁層を含めた部分、ただし絶縁層は無く
ても良い)の厚みを薄くすることが最も効果的である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図5
(b)に示すように、形状可変鏡の鏡固定用部材8の対
向した2辺の凸部の上面に固定材9を塗布し、鏡基板6
を含む鏡部を一定の圧力で押しつけて固定しているが、
実際には固定材9が鏡固定用部材8の内側にも外側にも
はみ出す。特に内側にはみ出した固定材9は、硬化する
ときに鏡部に収縮応力を与え、鏡部を形状可変鏡の両端
方向に引っ張る。ここで鏡部は固定材9の収縮応力によ
る変形が起こり易く、図5(c)に示すように形状可変
鏡の両端方向に引っ張られて、鏡面が点線で示す理想的
な鏡面から歪んでしまうという不具合があった。特に、
鏡部の厚みを薄くすると、固定材9の収縮応力による鏡
面の歪みは顕著になる。固定材9の収縮応力により、図
5(c)においては鏡固定用部材8の対向した2辺の凸
部よりも内側である鏡部の鏡面の変形する部分が歪む場
合には、形状可変鏡の鏡面の形状を圧電材料2により制
御することが複雑又は困難になる。
【0011】本発明は、上記問題に鑑みなされたもので
あり、鏡部の鏡面の変形する部分に対する固定材の収縮
応力の影響を減少させ、鏡部の鏡面の歪みを削減した形
状可変鏡を提供することを目的とする。
【0012】さらに本発明は、レーザ光の収差補正が可
能な前記形状可変鏡を有する光ピックアップ装置を備え
た光情報入出力装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
鏡部の鏡面の形状が可変な形状可変鏡において、前記鏡
部は、前記鏡面の変形する部分よりも外側で固定される
ことを特徴とする。
【0014】請求項1記載の発明によれば、鏡部が、鏡
部の鏡面の変形する部分よりも外側で固定されるので、
鏡部の鏡面の歪みを削減した形状可変鏡を提供すること
ができる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の形
状可変鏡において、前記鏡部を固定する鏡固定用部材を
有し、前記鏡部は、前記鏡固定用部材の鏡支持部に、固
定材で固定されることを特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明によれば、鏡部を固定
する鏡固定用部材を有し、鏡部が、鏡固定用部材の鏡支
持部に、固定材で固定されるので、鏡部の鏡面の変形す
る部分に対する固定材の収縮応力の影響を減少させ、鏡
部の鏡面の歪みを削減した形状可変鏡を提供することが
できる。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項2記載の形
状可変鏡において、前記鏡支持部は、段差又は溝を有す
ることを特徴とする。
【0018】請求項3記載の発明によれば、鏡支持部
が、段差又は溝を有するので、鏡部の鏡面の変形する部
分に対する固定材による収縮応力の影響を減少させ、鏡
部の鏡面の歪みを削減することができ、かつ固定材が鏡
支持部内にほぼ収まり鏡固定用部材の外側に塗布する必
要がほとんど無い為、鏡基板の面積を小さくすることが
できる。さらに鏡支持部が溝を有する場合は、溝に塗布
した固定部材が形状可変鏡の外部に露呈する部分は固定
剤の端部のみであるので、外部からの衝撃に対して固定
材を保護し、形状可変鏡の耐久性を向上させることがで
きる。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項3記載の形
状可変鏡において、前記鏡支持部が段差を有する場合、
前記段差の境界部分は、曲面又は斜面であることを特徴
とする。
【0020】請求項4記載の発明によれば、段差の境界
部分が、曲面又は斜面であるので、固定材が鏡固定用部
材の凸部の外側にはみ出す量を減少させると共に、鏡部
の鏡面の変形する部分に対する固定材による収縮応力の
影響を小さくし、鏡部の鏡面の歪みを削減することが容
易にできる。さらに段差の境界部分が斜面である場合
は、鏡固定用部材の加工が容易になる。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項3記載の形
状可変鏡において、前記鏡支持部が溝を有する場合、前
記溝は、凹凸部を有することを特徴とする。
【0022】請求項5記載の発明によれば、溝が、凹凸
部を有するので、凹凸部に固定材が流動することがで
き、鏡部の鏡面の変形する部分に対する固定材の収縮応
力の影響を減少させ、鏡部の鏡面の歪みを削減すること
を確実にすると同時に、外部からの衝撃に対して固定材
を保護し、形状可変鏡の耐久性を向上させることができ
る。請求項6記載の発明は、請求項2記載の形状可変鏡
において、前記鏡支持部は、前記鏡固定用部材の隅にあ
ることを特徴とする。
【0023】請求項6記載の発明によれば、鏡支持部
が、鏡固定用部材の隅にあるので、鏡部の鏡面の変形す
る部分に対する固定材の収縮応力の影響を減少させ、鏡
部の鏡面の歪みを削減することができる。また鏡固定用
部材の鏡支持部を小型化し、形状可変鏡を軽量化するこ
とができる。
【0024】請求項7記載の発明は、請求項2記載の形
状可変鏡において、前記鏡支持部は、前記鏡部と接触す
る面の一部に前記固定材が塗布されることを特徴とす
る。
【0025】請求項7記載の発明によれば、鏡支持部
が、鏡部と接触する面の一部に固定材が塗布されるの
で、鏡部の鏡面の変形する部分に対する固定材の収縮応
力の影響を減少させ、鏡部の鏡面の歪みを削減すること
ができ、固定材の使用量が少なくて済む。また同じ固定
材を使用する場合には、固定材を塗布する部分が少ない
ほど、固定材による収縮応力の影響を減少させることが
できる。
【0026】請求項8記載の発明は、請求項7記載の形
状可変鏡において、前記鏡支持部は、前記鏡部と接触す
る面の一部の両側に段差又は溝を有することを特徴とす
る。
【0027】請求項8記載の発明によれば、鏡支持部
が、鏡部と接触する面の一部の両側に段差又は溝を有す
るので、固定材が段差又は溝にも流動することができ、
鏡部の鏡面の変形する部分に対する固定材の収縮応力の
影響を減少させ、鏡部の鏡面の歪みを削減することをよ
り効果的に行うことができる。
【0028】請求項9記載の発明は、鏡部の鏡面の形状
が可変な形状可変鏡において、前記鏡部を固定する鏡固
定用部材を有し、前記鏡部は、前記鏡固定用部材に、柔
軟な材質の固定材で固定されることを特徴とする。
【0029】請求項9記載の発明によれば、鏡部を固定
する鏡固定用部材を有し、鏡部が、鏡固定用部材に柔軟
な材質の固定材で固定されるので、固定材の収縮応力が
固定材の内部で緩和される為、固定材の収縮応力による
鏡部の鏡面への影響を小さくし、鏡部の鏡面の歪みを削
減することを、固定材の材質を選択するだけで簡便に行
うことができる。
【0030】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
形状可変鏡において、前記鏡固定用部材の鏡支持部は、
前記鏡部に点接触可能な突起を有することを特徴とす
る。請求項10記載の発明によれば、鏡固定用部材の鏡
支持部が、鏡部に点接触可能な突起を有するので、固定
材の収縮応力による鏡面への影響を減少させ、鏡部の鏡
面の歪みを削減することができる。また鏡面の形状が変
形したとき、突起によって、鏡部の位置が鏡面の変形前
における基準位置から変位することを抑制することがで
きる。
【0031】請求項11記載の発明は、鏡部の鏡面の形
状が可変な形状可変鏡において、前記鏡部を固定する鏡
固定用部材を有し、前記鏡固定用部材で固定される部分
の重心に対応する位置に、前記鏡固定用部材で固定され
る部分に点接触可能な1つの突起を有することを特徴と
する。
【0032】請求項11記載の発明によれば、鏡部を固
定する鏡固定用部材を有し、鏡固定用部材で固定される
部分の重心に対応する位置に、鏡固定用部材で固定され
る部分に点接触可能な1つの突起を有するので、固定材
の収縮応力による鏡部の鏡面への影響を減少させ、鏡部
の鏡面の歪みを削減することができる。また鏡面の形状
が変形したとき、突起によって、鏡部の位置が、鏡面の
変形前における基準位置から変位することを抑制するこ
とができる。さらに突起は一つなので、鏡面の形状を収
差補正の為に、より理想的な形状に近づけることが可能
となる。また鏡固定用部材で固定される部分の重心に対
応する位置に突起を有するので、鏡固定用部材で固定さ
れる部分を安定に固定できる。
【0033】請求項12記載の発明は、光ディスク情報
入出力装置において、請求項1乃至11記載の形状可変
鏡を有する光ピックアップ装置を備えることを特徴とす
る。
【0034】請求項12記載の発明によれば、請求項1
乃至11記載の形状可変鏡を有するので、鏡部の鏡面の
歪みを削減した形状可変鏡を有する光ピックアップ装置
を備える光ディスク情報入出力装置を提供することがで
きる。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。以後、形状可変鏡の鏡面側を上
として説明する。
【0036】まず、本発明の形状可変鏡の形態に関する
第1の実施例を、図6を用いて説明する。鏡基板6の片
面には鏡材1が、その反対側の面には絶縁層7が取り付
けられている。ここで本明細書中において説明の都合
上、鏡材、鏡基板、絶縁層を順番に接着し、鏡材の鏡面
は外側にある部品を鏡部と定義する。ただし鏡部に絶縁
層を設けることは必須ではない。
【0037】絶縁層7の下には共通電極4が設置されて
おり、共通電極4の下には圧電極性が一方向の圧電材料
2が取り付けられており、圧電材料2の下には2個の個
別電極5が設置されている。ここで本明細書中において
は、鏡部、共通電極、圧電材料、個別電極の全てを含
み、鏡部の鏡面を外側にして各々を順番に接着した部品
を被固定部と呼ぶことにする。
【0038】以上の構造を有する形状可変鏡の被固定部
における鏡部は、鏡固定用部材8に鏡支持部3で固定さ
れる。ここで、鏡支持部とは、形状可変鏡の鏡部を支持
する鏡固定用部材の部分である。本実施例では、鏡支持
部は、鏡固定用部材の対向した2辺にある凸部を表わ
す。また、鏡固定用部材による形状可変鏡の鏡部の固定
は、鏡固定用部材の鏡支持部で直接固定されるだけでな
く、被固定部の鏡部以外の部分を通じて間接的に固定さ
れる場合も含む。
【0039】図6に示すように鏡部は、鏡固定用部材8
の対向した2辺の凸部である鏡支持部3で接触し、固定
材9で固定されることになる。ここで本明細書における
固定材とは、形状可変鏡の被固定部を鏡固定用部材に固
定する為に使用される材料で、接着剤などを意味する。
なお、本明細書中において、形状可変鏡とは、被固定
部、鏡固定用部材、及び固定材の全てを含む全体を意味
する。
【0040】このとき図6に示すように固定材9は、鏡
部の鏡面の形状が変形しない部分である鏡部の鏡支持部
3より外側の部分と鏡固定用部材8の外側部分に塗布さ
れ、鏡部を固定している。この為、鏡基板の厚みが薄く
ても、鏡面の変形する部分に対する固定材9の収縮応力
の影響を減少させ、鏡面の歪みを削減した形状可変鏡を
提供することができる。
【0041】次に本発明の形状可変鏡の動作について図
7を用いて説明する。図6に示すような構造の形状可変
鏡において、共通電極4を接地し、圧電材料2を挟んだ
2個の個別電極5の、片方にプラスの電圧、他方にマイ
ナスの電圧を印加するとする。 鏡基板6自体は電圧を
印加しても伸縮しないが、圧電材料2は、電圧を印加す
れば伸縮する。図7に示すように、個別電極5にプラス
の電圧を印加した場合に、個別電極5の設置部分の圧電
材料2が縮むとすると、マイナスの電圧を印加した場合
にはその部分の圧電材料2は伸びることとなり、個別電
極5にプラスの電圧を印加した場合には鏡基板6上の鏡
材1の鏡面は凸面に、個別電極5にマイナスの電圧を印
加した場合には鏡基板6上の鏡材1の鏡面は凹面にな
る。その結果図6に示す形状可変鏡の鏡面の形状は、図
7に示すような断面形状の曲面になる。また2個の個別
電極5に、前述と逆の電圧をかけた場合には、図7と逆
の断面形状になる。なお図7は簡単の為、絶縁層7、共
通電極4は省略して描いている。このような形状可変鏡
を、図8に示すような光ピックアップ装置の光軸上に設
置し、鏡面の形状を制御することによって、チルトによ
るコマ収差を低減することが可能になる。
【0042】次に本発明の形状可変鏡を用いた本発明の
光ディスク情報入出力装置の構成について説明する。図
8に、本発明の光ディスク情報入出力装置のブロック図
を示す。図8に示すように本発明の光ディスク情報入出
力装置は、本発明の形状可変鏡10、光ディスク11、
対物レンズ及び対物光学系12、立ち上げ鏡13、偏光
ビームスプリッタ14、レーザ素子及びレーザ光学系1
5、光検出素子及び光検出光学系16から成る。レーザ
ー素子から発光するレーザー光は、レーザ光学系によっ
て平行光となり、偏光ビームスプリッタ14を通り、形
状可変鏡10で反射され、立ち上げ鏡13でさらに反射
され、対物レンズ及び対物光学系12で集光され、光デ
ィスク11に焦点を結ぶ。また、光ディスク11から反
射したレーザ光は、対物レンズ及び対物光学系12を通
り、立ち上げ鏡13で反射され、形状可変鏡10で再度
反射され、偏光ビームスプリッタ14を通り、光検出光
学系で集光され、光検出素子で検出する。光検出素子に
はチルト検出用の検出素子も設置されている。なお図8
において、光ディスク11以外の部分が、光ピックアッ
プ装置に対応する。
【0043】次に本発明の形状可変鏡を設置した光ディ
スク情報入出力装置におけるレーザ光の波面収差補正に
ついて説明する。図8に示す本発明の光ディスク情報入
出力装置において、光ディスク11にチルトが起こる
と、光ディスク11から反射して戻ってきたレーザ光の
波面は乱れコマ収差が発生する。チルトした光ディスク
11から戻ってきて形状可変鏡10の鏡面に入射するレ
ーザ光の波面収差は、レーザ光の光束の断面に対して図
9に示すような等高線で表わされる。ここで、光ディス
ク11がチルトした方向に対応するレーザ光束断面の方
向が図9のA−A’方向である。すなわちA−A’方向
に沿って符号が変わる波面収差が発生する。
【0044】このようなチルトにより発生する波面収差
を打ち消すために、図6に示す本発明の形状可変鏡を、
図6のA−A’方向と図9のA−A’方向とを一致させ
て図8のように光ピックアップ装置の光軸上に設置す
る。前述した本発明の形状可変鏡の動作により、鏡面の
形状を図7のようにA−A’方向について凸面と凹面が
生じるように鏡面の形状を適切に制御すれば、チルトに
よる波面収差(コマ収差)の補正又は低減が可能とな
る。ここで簡単の為に図9におけるA−A’方向につい
てのみ注目して、レーザ光の波面収差補正を、図10を
用いて説明する。
【0045】図10(a)は、図9のA−A’方向に対
するレーザ光の波面収差図である。ここで、図10の縦
軸は波面収差であり、横軸は図6に示す本発明の形状可
変鏡を図6のA−A’方向と図9のA−A’方向とを一
致させて設置したとすれば、図10の横軸は図6で示し
た形状可変鏡のA−A’方向の軸と同一である。なお、
光ディスク11がチルトせずレーザ光の光軸に対し垂直
であれば、図10(a)に示すような波面収差は発生せ
ず、波面は横軸に一致する。図10(b)は、図6に示
した形状可変鏡を故意に収差を発生させるように動作さ
せ、無収差の光を形状可変鏡に照射した場合の反射光の
波面収差を表した図である。今、光ディスクにチルトが
生じ、光ディスクからの反射光の波面収差が図10
(a)であったとして、形状可変鏡の形状を、光ディス
クにチルトが生じていない場合に形状可変鏡で反射した
光の波面収差が図10(b)となるように制御する。こ
のときには、図10(a)と図10(b)の波面収差が
互いに相殺する関係となって形状可変鏡からの反射光の
波面収差は図10(c)のようになり、10(a)と比
較して波面収差を低減させることができる。
【0046】次に本発明の第2の実施例を図11に示
す。図11(a)はA−A’方向の断面図、図11
(b)は鏡面側から見たときの鏡固定用部材8の平面図
である。基本的な構造は図6で示した実施例1の形状可
変鏡と同じで、鏡基板6の片面には鏡材1が、その反対
側の面には絶縁層7が取り付けられている。絶縁層7の
下には共通電極4が設置されており、共通電極4の下に
は圧電極性が一方向の圧電材料2が取り付けられてお
り、圧電材料2の下には2個の個別電極5が設置されて
いる。以上の構造を有する形状可変鏡の被固定部におけ
る鏡部は、鏡固定用部材8の鏡支持部3で固定される。
図11(a)に示すように鏡部は、鏡固定用部材8の対
向した2辺の凸部である鏡支持部3で接触し、固定材9
で固定される。
【0047】このとき鏡固定用部材8の鏡支持部には、
図11(a)、(b)に示すように、段差を設けてあ
り、その段差部分に固定材9を塗布し、鏡部を固定す
る。本実施例の図11(a)において、鏡部の鏡面の変
形しない部分は、鏡部の鏡支持部3と接触する部分であ
り、固定材9を塗布する段差部分は、鏡部の鏡面の変形
しない部分の下にある。ここで鏡部を鏡支持部3に固定
する際に、鏡部に圧力を加えても、固定材9は図11
(a)、(b)の矢印方向に流動する為、固定材9が鏡
部の鏡面の変形する部分である鏡支持部3より内側に入
り込むことを減少させることができる。よって鏡面の変
形する部分に対する固定材9による収縮応力の影響を減
少させ、鏡面の歪みを削減することができる。また固定
材9は、鏡固定用部材8の鏡支持部内にほぼ収まる為、
鏡固定用部材8の外側に塗布する必要がほとんど無く、
鏡部を小さくすることができる。
【0048】次に本発明の第3の実施例を図12に示
す。基本的な構造は図11で示した形状可変鏡と同じで
ある。図12に示すように鏡固定用部材8の鏡支持部3
には、鏡支持部3より内側である鏡面の変形する部分よ
りも外側に、段差を設けてあり、段差の境界部分は垂直
な面ではなく曲面となっている。ここで本明細書中、段
差の境界部分とは、段差の上面と下面との間を接続する
面を意味している。本実施例では、段差の境界部分が、
図11に示したA−A’方向の断面が円弧状、つまり円
柱面になっている例を示す。この断面図における円弧状
の曲線上における一点の近傍で、形状可変鏡の鏡部が鏡
固定用部材8と接触する。つまり鏡部と鏡固定用部材8
は、略直線状の細長い面で互いに接触することになる。
このように鏡部と鏡固定用部材8の接触面積が小さい
分、段差の境界部分が垂直である場合よりも、段差にお
ける固定材9を塗布する空間に余裕ができる。この為、
固定材9を塗布して鏡部を固定する際に鏡部に圧力を加
えても、固定材9が、鏡部の変形する部分である鏡支持
部3より内側部分に入り込むことを減少させることがで
きる。つまり、固定材9を塗布する部分は、鏡部の鏡支
持部3で支持される部分、すなわち鏡部の鏡面の変形し
ない部分のみである。また、固定材9は図12の矢印の
向きに流動するが、固定材9の塗布する空間に余裕があ
る分、鏡固定用部材8の外側にはみ出す量も減少する。
このようにして鏡面の変形する部分に対する固定材9に
よる収縮応力の影響を減少させ、鏡面の歪みを削減する
ことをより容易に行うことができる。
【0049】次に本発明の第4の実施例を図13に示
す。基本的な構造は図11で示した形状可変鏡と同じで
ある。図13に示すように鏡固定用部材8の鏡支持部3
には、鏡支持部3より内側の鏡面の変形する部分よりも
外側に、段差を設けてあり、段差の境界部分は垂直な面
ではなく斜面となっている。形状可変鏡の鏡部は、段差
の斜面の上端近傍で鏡固定用部材8と接触する。つまり
形状可変鏡の鏡部と鏡固定用部材8は、略直線状の細長
い面で互いに接触することになる。このように鏡部と鏡
固定用部材8の接触面積が小さい分、段差の境界部分が
垂直である場合よりも、固定材9を塗布する空間に余裕
ができる。この為、固定材9を塗布して鏡部を固定する
際に、鏡部に圧力を加えても、固定材9が、鏡部の鏡面
の変形する部分である鏡支持部3の内側に入り込むこと
を減少させることができる。つまり、固定材9を塗布す
る部分は、鏡部の鏡支持部3に支持される部分、すなわ
ち鏡部の鏡面の変形しない部分のみである。また、固定
材9は図12の矢印の向きに流動するが、固定材9を塗
布する空間に余裕がある分、鏡固定用部材8の外側には
み出す量も減少する。このようにして鏡面の変形する部
分に対する固定材9による収縮応力の影響を減少させ、
鏡面の歪みを削減することが容易にできる。また、段差
の境界部分が曲面であるよりも斜面である方が、鏡固定
用部材8の加工も容易である。
【0050】次に本発明の第5の実施例を図14に示
す。図14(a)は、図14(b)に示すA−A’方向
における形状可変鏡の断面図、図14(b)は鏡面側か
ら見たときの鏡固定用部材8の平面図である。基本的な
構造は図6に示した形状可変鏡と同じで、鏡基板6の片
面には鏡材1が、その反対側の面には絶縁層7が取り付
けられている。絶縁層7の下には共通電極4が設置され
ており、共通電極4の下には圧電極性が一方向の圧電材
料2が取り付けられており、圧電材料2の下には2個の
個別電極5が設置されている。以上の構造を有する形状
可変鏡の被固定部における鏡部は、鏡固定用部材8に鏡
支持部3で固定される。図14(a)に示すように、鏡
部は、鏡固定用部材8の対向した2辺の凸部である鏡支
持部3で接触し、固定材9で固定される。
【0051】このとき鏡固定用部材8の鏡支持部3に
は、図14(a)、(b)に示すように、鏡支持部3よ
り内側の鏡面の変形する部分よりも外側に、溝が設けら
れており、その溝部分に固定材9を塗布して鏡部を固定
する。鏡部を固定する際、鏡部に圧力を加えても、固定
材9は図14(b)の矢印方向に流動する為、鏡支持部
3の内側に入り込むことを減少させることができる。従
って鏡面の変形する部分に対する固定材9による収縮応
力の影響を減少させ、鏡面の歪みを削減することができ
る。また本実施例では鏡固定用部材8の溝中に固定材9
を塗布させる為、固定材9が形状可変鏡の外部に露呈す
る部分は、固定材9の端部のみである。よって外部から
の衝撃に対して固定材9を保護することができ、形状可
変鏡の耐久性を向上させることができる。
【0052】次に本発明の第6の実施例を図15に示
す。基本的な構造は図14で示した形状可変鏡と同じで
ある。鏡固定用部材8の鏡支持部3には、図15に示す
ように、鏡支持部3より内側の鏡面の変形する部分より
も外側に、鏡面の面方向に凹凸部のある溝が設けられて
おり、その溝の中央部分に固定材9を塗布して鏡部を固
定する。鏡部に圧力を加えても、固定材9は図15の矢
印方向及び凹凸部にも流動することができる為、固定材
9が鏡支持部3の内側に入り込むことを抑制できる。従
って鏡面の変形する部分に対する固定材9の収縮応力の
影響を減少させ、鏡面の歪みを削減することが確実にで
きる。また鏡固定用部材8の溝中に固定材9を塗布する
為、固定材9が形状可変鏡の外部に露呈する部分は固定
材9の端部のみとなり、外部からの衝撃に対して固定材
9を保護することができ、形状可変鏡の耐久性を向上さ
せることができる。
【0053】次に本発明の第7の実施例を図16に示
す。図16(a)は、本実施例の形状可変鏡の斜視図、
図16(b)は鏡面側から見たときの鏡固定用部材8の
平面図である。図16(b)の平面図に描かれている点
線の長方形は、鏡基板6の貫通した穴20aの位置を表
している。鏡基板6には鏡材1及び絶縁層7が取り付け
られており、鏡基板6、鏡材1、及び絶縁層7には貫通
した穴20aが存在する。これらの穴20aの存在によ
り、鏡部の穴20a及び梁部20bより内側が、鏡部の
鏡面の変形する部分となる。このような構造を有する形
状可変鏡において、図16(b)に示すように鏡部は、
鏡固定用部材8の対向した2辺の凸部である鏡支持部3
で接触し、固定材9で固定されるが、固定材9が塗布さ
れる部分は鏡支持部3の鏡部との接触面全体ではなく一
部分である。鏡部は、この鏡支持部3との接触面の一部
分で固定される。つまり、鏡部は、鏡部の鏡面の変形し
ない部分である鏡部の穴20a及び梁部20bより外側
の一部分で固定される。ここで鏡部に圧力を加えても、
固定材9はほとんどが図16(b)の矢印方向に流動
し、穴20aが存在する為、固定材9は、鏡面の変形す
る部分である穴20aより中心側には流動しない。また
同じく鏡面の変形する部分である梁部20bに流動する
ことも少ない。よって鏡面の変形する部分に対する固定
材9の収縮応力の影響を減少させ、鏡面の歪みを削減す
ることができる。また、鏡支持部3の一部のみに固定材
9を塗布させれば良いので、固定材9の使用量が少なく
て済む。さらに、同じ固定材を使用する場合には、固定
材9の塗布する部分が少ないほど、固定材9による収縮
応力の影響を減少させることができる。
【0054】次に本発明の第8の実施例を図17に示
す。図17(a)は本実施例の形状可変鏡における鏡固
定用部材8の斜視図、図17(b)は図17(a)の鏡
固定用部材8を鏡面側から見たときの平面図であり、図
17(b)の平面図に描かれている点線の長方形は、鏡
基板6、鏡材1、絶縁層7を貫通する穴20aの位置を
表している。基本的な構造は図16と同じであり、鏡固
定用部材8は図17(a)、(b)に示すように、鏡部
は、鏡固定用部材8の対向した2辺の凸部である鏡支持
部3で接触し、固定材9で固定されるが、固定材9が塗
布される部分は鏡支持部3の鏡部との接触面全体ではな
く一部分である。また、この固定材9を塗布する接触面
の一部分の両側には逃げ溝21aを設けてある。このよ
うな構造の鏡支持部3に、固定材9を塗布して鏡部を固
定する。ここで鏡部に圧力を加えても、固定材9はほと
んどが図17(b)の矢印方向及び逃げ溝21aに流動
し、固定材9は、鏡面の変形する部分である穴20aよ
り中心側には流動せず、また同じく鏡面の変形する部分
である梁部20bに流動することも少ない。つまり鏡部
の固定材9で固定される部分は、穴20a及び梁部20
bより外側にある鏡面の変形しない部分の一部である。
特に本実施例においては、逃げ溝21aが存在する為
に、固定材9が鏡面の梁部20bまで流動することを、
より効果的に回避することができる。よって鏡面の変形
する部分に対する固定材9の収縮応力の影響を減少さ
せ、鏡面の歪みを削減することができる。なお、図17
(c)に示すように、図17(a)、(b)に示す逃げ
溝21aを鏡支持部3の端部まで広げて、その端部の凸
部分を無くし、段差21bとした鏡固定用部材8でも同
様の効果が得られる。ただし段差21bの方が逃げ溝2
1aよりも固定材9が流動可能な容量が多いので、固定
材9の梁部20bに対する影響をより効果的に減少させ
ることができる。
【0055】次に本発明の第9の実施例を図18に示
す。図18(a)は、本実施例の形状可変鏡の斜視図、
図18(b)は、図18(a)の形状可変鏡の鏡固定用
部材8を鏡面側から見たときの平面図であり、平面図に
描かれている点線の長方形は、鏡基板6などを貫通した
切り溝22aの位置を表している。図18(c)は、鏡
固定用部材8の斜視図である。本発明の形状可変鏡の鏡
基板6には鏡材1、及び絶縁層7が取り付けてあり、こ
れらの四隅には鏡面の周辺から鏡面の内側に向かって入
る貫通した小さな切り溝22aが存在する。これらの切
り溝22aが存在することにより、鏡側固定部分22b
は鏡部の鏡面の変形しない部分となる。このような構造
の形状可変鏡の場合には、図18に示すように、鏡固定
用部材8の四隅に凸部があり、この四隅の凸部が鏡支持
部3を形成する。鏡支持部3の上面の面積は、鏡部の切
り溝22aによって決まる鏡側固定部分22bの面積よ
りも小さい。鏡支持部3の上面に固定材9を塗布して、
この鏡側固定部分22bの一部で鏡部を固定する。鏡部
を固定する際に、鏡部に圧力を加えても、鏡支持部3の
上面が鏡側固定部分22bより面積が小さい為、固定材
9が、鏡面の変形する部分である切り溝22aより内側
に固定材9が流動することを回避することができる。ま
た、鏡部の切り溝22aが存在するので、鏡支持部3に
塗布した固定材9が鏡面の変形する部分にはみ出すこと
を防ぎ、固定材の流動を鏡側の固定部分22b内に収め
ることができる。つまり鏡面の変形する部分に固定材9
が流動することを減少させることができる。よって鏡面
の変形する部分に対する固定材9の収縮応力の影響を減
少させ、鏡面の歪みを削減することができる。また、鏡
支持部3は四隅だけで良く小型化することができる為、
形状可変鏡を軽量化することができる。さらに切り溝2
2aは鏡面の周辺から内側に向かって入れれば良いの
で、鏡部の加工が容易となる。
【0056】次に本発明の第10の実施例を図19に示
す。鏡基板6の片面には鏡材1が、その反対側の面には
絶縁層7が取り付けられており、絶縁層7の下には共通
電極4が設置されており、共通電極4の下には圧電極性
が一方向の圧電材料2が取り付けられており、圧電材料
2の下には2個の個別電極5が設置されている。以上の
構造を有する形状可変鏡の被固定部における鏡部は、鏡
固定用部材8に鏡支持部3で固定される。図19に示す
ように鏡部は、鏡固定用部材8の対向した2辺の凸部で
ある鏡支持部3で接触し、固定材9で固定される。ここ
で固定材9として柔軟な材質の材料を使用する。固定材
9に柔軟な材質の材料を使用することにより、固定材9
の収縮応力が発生しても、固定材9の内部で緩和され
る。従って固定材9の収縮応力による鏡面への影響は小
さくなり、固定材9として柔軟な材質の材料を選択する
だけで簡便に、鏡面の歪みを削減することができる。
【0057】次に本発明の第11の実施例を図20に示
す。図20(a)は本実施例の形状可変鏡における鏡固
定用部材8の斜視図、図20(b)は、図20(a)の
鏡固定用部材8を鏡面側から見たときの平面図であり、
図20(c)は本実施例の形状可変鏡の断面図である。
本実施例の形状可変鏡における基本的な構造は、図19
で示した実施例10と同じである。鏡固定用部材8の凸
部である鏡支持部3の鏡部と接触する面には、図20に
示すように点接触可能な突起23が存在し、また鏡基板
6の鏡面と反対側にある絶縁層7には、この突起23に
対応した窪みがある。ここで点接触とは、一点に限定す
るものではなく、点状すなわち微小な面積を有する部分
で接触することを意味する。鏡支持部3の突起23と鏡
基板の窪みを組み合わせるようにし、さらに鏡支持部3
に柔軟な材質の固定材9を塗布して、鏡基板6を固定す
る。ここで、固定材9に柔軟な材質の材料を使用してい
る為、固定材9の収縮応力が発生しても、固定材9の内
部で緩和され、固定材9の収縮応力による鏡面への影響
は小さくなり、鏡面の歪みを削減することができる。ま
た鏡固定用部材8に対する鏡部の位置は、点接触可能な
突起23によって固定されており、鏡部は突起23を支
点として変形する。よって鏡面の形状が変形したとき、
固定材9が柔軟な材質の材料であるにもかかわらず、鏡
部の位置が鏡面の変形前における基準位置から変位する
ことを抑制することができる。従って鏡面の位置ずれが
小さく、レーザー光の波面収差補正を的確に行うことが
できる。
【0058】次に本発明の第12の実施例を図21に示
す。図21(a)は本実施例の形状可変鏡における鏡固
定用部材8の斜視図、図21(b)は、図20(a)の
鏡固定用部材8を鏡面側から見たときの平面図であり、
図21(c)は本実施例の形状可変鏡の断面図である。
本実施例の形状可変鏡における基本的な構造は、図19
で示した実施例10と同じである。本実施例の鏡固定用
部材8には、対向した2辺の凸部は無く、図21に示す
ように形状可変鏡の被固定部の重心に対応する位置に点
接触可能な1つの突起23が存在する。また被固定部の
鏡面と反対側のには、この突起23と位置が対応した窪
みがある。ここで、形状可変鏡の鏡部の重心に対応する
位置とは、形状可変鏡の被固定部の重心から鏡固定用部
材に垂線を下ろしていき、鏡固定用部材と最初に交わる
面との交点及びその近傍の位置を表わす。また点接触と
は、一点に限定するものではなく、点状すなわち微小な
面積を有する部分で接触することを意味する。鏡固定用
部材8の突起23と被固定部の窪みを組み合わせるよう
にし、さらに鏡支持部3に柔軟な材質の固定材9を塗布
して、鏡部を間接的に固定する。ここで、固定材9に柔
軟な材質の材料を使用している為、固定材9の収縮応力
が発生しても、固定材9の内部で緩和され、固定材9の
収縮応力による鏡面への影響は小さくなり、鏡面の歪み
を削減することができる。また鏡固定用部材8に対する
被固定部、従って鏡部の位置は、点接触可能な突起23
によって固定されており、被固定部、従って鏡部は突起
23を支点として変形する。よって鏡面の形状が変形し
たとき、固定材9が柔軟な材質の材料であるにもかかわ
らず、鏡部が鏡面の変形前における基準位置から変位す
ること、すなわち鏡面の位置ずれを抑制することができ
る。さらに鏡基板6は中心部分の鏡支持部3以外は、鏡
部の固定の為に拘束されておらず自由端であるので、鏡
面の形状を収差補正の為に、より理想的な形状に近づけ
ることが可能となる。また、被固定部の重心に対応する
位置に突起23を設けているので、この突起23の位置
まわりの被固定部にかかる力のモーメントは小さく、固
定材9を使用して安定に固定できる。
【0059】以上、本発明を説明するため実施例を示し
てきたが、本発明はこれらの実施例にとどまることなく
応用できることは言うまでもない。例えば図15の実施
例では溝の凹凸が規則正しくなっていたが、必要な部分
だけあっても良いし、凹凸の形状が実施例と違っていて
も良い。図16,17、18の実施例では鏡基板側に貫
通した穴や切り溝がある例を示したが、穴や切り溝がな
い基板でも効果は得られるし、穴や切り溝の形状は実施
例に示した形態と異なっても良い。図19の実施例にお
いては点接触可能な突起は2つであるが、突起の数は任
意に選択できる。また実施例を互いに組み合わせた形態
の形状可変鏡でも良いことは言うまでもない。
【0060】また、実施例ではチルトにより発生するレ
ーザ光の波面収差として主としてコマ収差を補正するた
めの形状可変鏡として述べてきたが、電極などの配置や
電圧の印加方法、圧電材料の極性などを工夫して、球面
収差や非点収差の収差補正用として使用してもよい。
【0061】本発明において、鏡材は、例えば金(A
u)の蒸着膜や誘電体多層膜などであり、絶縁層は熱酸
化膜やCVD法(気相化学析出法)などで堆積させた絶
縁材料である。共通電極や個別電極は導電性の高い材料
や金属膜であり、形状可変鏡を作製する工程で、高温処
理をする工程を用いる場合には、白金(Pt)など高温
に強い膜が望ましい。圧電材料は、PZT(Pb(Zr
,Ti1−x)O:チタン酸ジルコン酸鉛)のよう
な圧電セラミックスでもPVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)のような圧電高分子でも良く、圧電材料の薄板を貼
り付けても良く、圧電材料の膜を鏡基板側に成膜しても
良い。また鏡基板6はシリコン、セラミックス、及びガ
ラスなど硬い材料や、PET(ポリエチレンテレフタラ
ート)やポリイミドのような高分子材料でも良く、鏡基
板6の抵抗率が高くて絶縁体に近ければ、絶縁層7は省
略できる。さらに、固定材は、収縮率の小さいエポキシ
樹脂が望ましいが、UV嫌気性の接着剤、柔らかいゴム
状及びゲル状の接着剤及び充填材、収縮率が小さくない
溶剤系の一般的な接着剤でも良く、さらにこれらを必要
に応じ組み合わせて使用しても良い。本発明における柔
軟な材質の固定材には、ゴム状及びゲル状の接着剤及び
充填材などが使用できる。
【0062】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、鏡部の鏡面
の変形する部分に対する固定材の収縮応力の影響を減少
させ、鏡部の鏡面の歪みを削減した形状可変鏡を提供す
ることができる。さらに、レーザ光の収差補正が可能な
前記形状可変鏡を有する光ピックアップ装置を備えた光
情報入出力装置を提供することができる。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】光ディスクのチルトによるコマ収差の発生を説
明する図であり、(a)はCD、(b)はDVDにおけ
る図である。
【図2】従来の液晶板の図である。
【図3】従来の透明圧電素子の図である。
【図4】従来の複数のアクチュエータを利用した形状可
変鏡の図である。
【図5】従来の形状可変鏡を説明する図であり、(a)
は斜視図、(b)はA−A’方向の断面図、(c)は固
定剤により変形した後のA−A’方向の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例における形状可変鏡の断
面図である。
【図7】本発明の第1の実施例における形状可変鏡の動
作を説明する図である。
【図8】本発明の形状変化鏡を含めた光ディスク情報入
出力装置全体のブロック図である。
【図9】チルトによって生じたレーザ光の波面収差の等
高線図である。
【図10】本発明の形状可変鏡のA−A’方向の断面に
おける波面収差の補正を説明する図であり、(a)はチ
ルトにより発生したレーザ光の波面収差図、(b)は本
発明の形状可変鏡により発生させた波面収差図、(c)
は本発明の形状可変鏡で補正した後の波面収差図であ
る。
【図11】本発明の第2の実施例における形状可変鏡を
説明する図であり、(a)はA−A’方向の断面図であ
り、(b)は鏡固定用部材の鏡面側から見た平面図であ
る。
【図12】本発明の第3の実施例における形状可変鏡の
A−A’方向の断面図である。
【図13】本発明の第4の実施例における形状可変鏡の
A−A’方向の断面図である。
【図14】本発明の第5の実施例における形状可変鏡を
説明する図であり、(a)はA−A’方向の断面図であ
り、(b)は鏡固定用部材の鏡面側から見た平面図であ
る。
【図15】本発明の第6の実施例における形状可変鏡の
鏡固定用部材の鏡面側から見た平面図である。
【図16】本発明の第7の実施例における形状可変鏡を
説明する図であり、(a)は斜視図であり、(b)は鏡
固定用部材の鏡面側から見た平面図である。
【図17】本発明の第8の実施例における形状可変鏡を
説明する図であり、(a)は鏡固定用部材の斜視図であ
り、(b)は鏡固定用部材の鏡面側から見た平面図であ
り、(c)は(a)と異なる鏡固定用部材の斜視図であ
る。
【図18】本発明の第9の実施例における形状可変鏡を
説明する図であり、(a)は斜視図であり、(b)は鏡
固定用部材の鏡面側から見た平面図であり、(c)は鏡
固定用部材の斜視図である。
【図19】本発明の第10の実施例における形状可変鏡
のA−A’方向の断面図である。
【図20】本発明の第11の実施例における形状可変鏡
を説明する図であり、(a)は鏡固定用部材の斜視図で
あり、(b)は鏡固定用部材の鏡面側から見た平面図で
あり、(c)は形状可変鏡のA−A’方向の断面図であ
る。
【図21】本発明の第12の実施例における形状可変鏡
を説明する図であり、(a)は鏡固定用部材の斜視図で
あり、(b)は鏡固定用部材の鏡面側から見た平面図で
あり、(c)は形状可変鏡のA−A’方向の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 鏡材 2 圧電材料 3 鏡支持部 4 共通電極 5 個別電極 6 鏡基板 7 絶縁層 8 鏡固定用部材 9 固定材 10 形状可変鏡 11 光ディスク 12 対物レンズ及び対物光学系 13 立ち上げ鏡 14 偏光ビームスプリッタ 15 レーザ素子及びレーザ光学系 16 光検出素子及び光検出光学系 20a 貫通した穴 20b 梁部 21a 逃げ溝 21b 段差 22a 貫通した切り溝 22b 鏡側固定部分 23 突起 101a 対物レンズ(CD用) 101b 対物レンズ(DVD用) 102a 樹脂層(CD用) 102b 樹脂層(DVD用) 103a CDにおけるスポット 103b DVDにおけるスポット 108 記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H041 AA12 AB12 AB38 AC06 AZ01 AZ05 5D118 AA13 BA01 DB22 EA11 FB10 5D119 AA20 BA01 EC04 EC15 JA54 JC07 LB05 5D789 AA20 BA01 EC04 EC15 JA54 JC07 LB05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡部の鏡面の形状が可変な形状可変鏡に
    おいて、 前記鏡部は、前記鏡面の変形する部分よりも外側で固定
    されることを特徴とする形状可変鏡。
  2. 【請求項2】 前記鏡部を固定する鏡固定用部材を有
    し、 前記鏡部は、前記鏡固定用部材の鏡支持部に、固定材で
    固定されることを特徴とする請求項1記載の形状可変
    鏡。
  3. 【請求項3】 前記鏡支持部は、段差又は溝を有するこ
    とを特徴とする請求項2記載の形状可変鏡。
  4. 【請求項4】 前記鏡支持部が段差を有する場合、 前記段差の境界部分は、曲面又は斜面であることを特徴
    とする請求項3記載の形状可変鏡。
  5. 【請求項5】 前記鏡支持部が溝を有する場合、 前記溝は、凹凸部を有することを特徴とする請求項3記
    載の形状可変鏡。
  6. 【請求項6】 前記鏡支持部は、前記鏡固定用部材の隅
    にあることを特徴とする請求項2記載の形状可変鏡。
  7. 【請求項7】 前記鏡支持部は、前記鏡部と接触する面
    の一部に前記固定材が塗布されることを特徴とする請求
    項2記載の形状可変鏡。
  8. 【請求項8】 前記鏡支持部は、前記鏡部と接触する面
    の一部の両側に段差又は溝を有することを特徴とする請
    求項7記載の形状可変鏡。
  9. 【請求項9】 鏡部の鏡面の形状が可変な形状可変鏡に
    おいて、 前記鏡部を固定する鏡固定用部材を有し、 前記鏡部は、前記鏡固定用部材に、柔軟な材質の固定材
    で固定されることを特徴とする形状可変鏡。
  10. 【請求項10】 前記鏡固定用部材の鏡支持部は、前記
    鏡部に点接触可能な突起を有することを特徴とする請求
    項9記載の形状可変鏡。
  11. 【請求項11】 鏡部の鏡面の形状が可変な形状可変鏡
    において、 前記鏡部を固定する鏡固定用部材を有し、 前記鏡固定用部材で固定される部分の重心に対応する位
    置に、前記鏡固定用部材で固定される部分に点接触可能
    な1つの突起を有することを特徴とする形状可変鏡。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11記載の形状可変鏡を
    有する光ピックアップ装置を備えることを特徴とする光
    ディスク情報入出力装置。
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