JP4231220B2 - 形状可変鏡及びその制御方法並びに光ディスク情報入出力装置 - Google Patents

形状可変鏡及びその制御方法並びに光ディスク情報入出力装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状可変鏡、光ディスク情報入出力装置、及び、制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に光ディスクを用いた情報記憶装置としてCDやDVDなどがある。DVDなどはCDに比べ記録密度が高い為、情報の読み書きに関する条件がより厳しくなっている。例えば光ピックアップ装置の光軸とディスク面は垂直であることが理想であるが、実際には光ディスクが樹脂製である為、ディスク面はかなりうねりを持っていて、これを回転させると光ピックアップ装置の光軸とディスク面は常には垂直ではなく、ディスク面が光軸に対して傾きを持つことがある(以下、光軸に対するディスク面の傾きをチルトと表現する)。またCD、DVD共に光ディスクにおいては、図1に示すように、記録層108が樹脂層102a、102bを介在している為、チルトすなわちディスク面が傾くとレーザー光の光路が曲げられてコマ収差が発生し、図1の103a、103bに示すように光ディスク上に正しくスポットを絞れなくなる。このコマ収差が許容される量よりも大きくなると、情報を正しく読み書きできなくなるという不具合が生じる。
【0003】
チルトにより発生する収差を低減する手段としては、対物レンズと記録層との間にある樹脂層の厚さを薄くする方法がある。実際に図1(b)に示すようなDVDにおいて、対物レンズ101bと記録層108との間の樹脂層102bの厚さを、図1(a)に示すCDの場合に比較して半分にしてあるのは、コマ収差の低減を意図したものである。しかしこの方法では、DVDよりも記録密度を高くしようとした場合には樹脂層の厚さをさらに薄くしてチルトの影響を低減することになるが、今度は光ディスク上にゴミや傷が付いた場合に信号を正しく読み書きできなくなるという不具合が生じる。このため、アクチュエータによって光ピックアップ装置の光軸を傾けて対応しているのが現状である。
【0004】
チルトによる影響を光学的に補正する手段として、まず図2に示すような特開平10−79135に記載の液晶板を用いる方法がある。また圧電素子を用いたチルトによるコマ収差などの補正手段として、図3に示すような特開平5−144056に記載のレーザー光の光路中に透明圧電素子を用いる方法や、図4に示すような特開平5−333274に記載の複数のアクチェータを利用した形状可変鏡を用いる方法などが提案されている。
【0005】
しかしながら、特開平10−79135のように液晶板を用いて位相を制御することでコマ収差を補正する方法では、レーザーが液晶板を通過するために光量が減衰して書き込みに必要なエネルギーを得ることが困難であり、また液晶の特性から、特にタンジェンシャルチルトの制御に要求される高周波動作に使用することは困難である。
【0006】
また、特開平5−144056のように透明圧電素子単独で必要な厚さの変化を得るためには、実際には高電圧が必要となり光ピックアップ装置などに用いるには現実的ではない。
【0007】
さらに、特開平5−333274のように形状可変鏡の鏡自体を積層型圧電素子で変形させ位相制御する方法は、光ピックアップ装置などの小さい部品に用いるには配線などの考慮がされておらず、複雑になり、かつ組み付けコストも高くなる。また、配線などの問題が解決できたとしても、積層型圧電素子を小型化することは、技術的にもコスト的にも困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術の問題点を解決する為、チルトなどにより発生する波面収差(主としてコマ収差)を、圧電基板を使用したユニモルフ又はバイモルフ形状の形状可変鏡で低減する方法が考えられる。これは例えば図5に示すような鏡面の形状が可変な形状可変鏡である。ここで図5(a)は形状可変鏡の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)におけるA−A’方向の断面図である。この形状可変鏡は、鏡基板6の片面に鏡材1が、他方の面には絶縁層7が取り付けてある。鏡面のある側を上と表現すると、絶縁層7の下には、共通電極4、その下に圧電基板2、さらにその下に個別電極5があり、共通電極4と個別電極5間に電圧を印加して圧電基板2を変形させ、結果として鏡面の形状を変形させる。ここで圧電基板2は、圧電材料で構成される基板である。上述の鏡材1、鏡基板6、絶縁層7、共通電極4、圧電基板2、個別電極5を、上からこの順に構成した部分は、図5(a)、(b)に示すように接着剤などを用いて鏡固定用部材8に固定される。なお、説明の為に、鏡材1、鏡基板6、絶縁層7(ただし絶縁層7を設けることは必須ではない)を含む部分を鏡部、圧電基板2、共通電極4、個別電極5で構成される部分を圧電基板部と呼ぶことにする。
【0009】
ここで、圧電基板2に低電圧を印加して形状可変鏡の鏡面を変形させる為には、鏡部の鏡面形状が変形し易いことが必要である。鏡部の鏡面形状を容易に変形させることを可能とする為には、形状可変鏡の鏡基板6の厚さを薄くすることが有効である。
【0010】
しかしながら、図5(a)、(b)に示すような従来の形状可変鏡の場合、鏡基板6の厚さを薄くすると、実際には鏡基板6に対する鏡材1や共通電極4、個別電極5などの成膜による応力の影響や、圧電基板部を設置した鏡部を接着剤などを用いて鏡固定用部材8に固定する際の鏡部と圧電基板部にかかる重力や接着剤の収縮などの影響によって、例えば図5(c)のように鏡部の鏡面形状が歪んでしまう可能性がある。ただし図5(c)は、簡単の為に絶縁層7及び圧電基板部を省略して描いてある。また、鏡基板6の厚さが薄い場合には、歪みが少なく平面度の良好な鏡基板6を製造することが困難である可能性がある為、平面度の良好な鏡面を有する形状可変鏡を提供することが困難である可能性がある。従って、レーザー光の効果的な収差の低減ができなくなるという不具合を生じる可能性がある
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、鏡部における初期の鏡面形状の平面度を良好に制御することが可能な形状可変鏡、及び該形状可変鏡を有する光ピックアップ装置を備えた光情報入出力装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、形状可変鏡の鏡部における初期の鏡面形状の平面度を良好に制御する制御方法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様は、鏡基板と、該鏡基板上に設けられた鏡材とを備えた鏡部と、前記鏡基板に対して前記鏡材と反対側に設けられる電極と、該電極に設けられる圧電極性が一方向の圧電基板と、該圧電基板に対して前記電極と反対側に設けられる2つの個別電極とを備えた圧電基板部と、鏡固定用部材と、を有し、前記圧電基板部を取り付けた前記鏡部を前記鏡固定用部材に固定した形状可変鏡において、前記鏡部に加わる面圧力を制御することにより、前記鏡面の初期の形状を平面にする手段と、前記個別の圧電電極の各々に電圧を印加することにより、形状が平面になった前記鏡面の形状を変形する手段と、を有することを特徴とする形状可変鏡である。
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様である形状可変鏡を有する光ピックアップ装置を備えることを特徴とする光ディスク情報入出力装置である。
本発明の第三の態様は、鏡基板と、該鏡基板上に設けられた鏡材と、を備えた鏡部と、前記鏡基板に対して前記鏡材と反対側に設けられる電極と、該電極に設けられる圧電極性が一方向の圧電基板と、該圧電基板に対して前記電極と反対側に設けられる2つの個別電極とを備えた圧電基板部と、鏡固定用部材と、前記鏡部に加わる面圧力を制御することにより、前記鏡部の鏡面の初期の形状を平面にする手段とを有し、前記圧電基板部を取り付けた前記鏡部を前記鏡固定用部材に固定した形状可変鏡における前記鏡部の鏡面の制御方法において、前記鏡部に加わる面圧力を制御することにより、前記鏡部の鏡面の初期の形状を平面にする手段によって、前記鏡面の初期の形状を平面にする工程と、前記鏡面の形状を平面にした後、前記個別の圧電電極の各々に電圧を印加することにより前記鏡面の形状を変形する工程と、を有することを特徴とする制御方法である。
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施形態は、鏡部の鏡面の形状が可変な形状可変鏡において、前記鏡部に加わる面圧力を制御することにより、前記鏡面の初期の形状を平面にする手段を有することを特徴とする形状可変鏡である。
【0014】
本発明の第一の実施形態によれば、前記鏡部に加わる面圧力を制御することにより、前記鏡面の初期の形状を平面にする手段を有するので、鏡部における初期の鏡面形状の平面度を良好に制御することが可能な形状可変鏡を提供することができる。
【0015】
本発明の第二の実施形態は、本発明の第一の実施形態の形状可変鏡において、前記鏡部と該鏡部を支持する鏡用固定部材との間に密閉空間を有し、該密閉空間は、流動性物質で充填されることを特徴とする形状可変鏡である
【0016】
本発明の第二の実施形態によれば、前記鏡部と該鏡部を支持する鏡用固定部材との間に密閉空間を有し、該密閉空間は、流動性物質で充填されるので、簡単な構成で、鏡部における初期の鏡面形状の平面度を良好に制御することができる。
【0017】
本発明の第三の実施形態は、本発明の第二の実施形態の形状可変鏡において、密閉空間は、隔壁によって複数に分割されていることを特徴とする形状可変鏡である
【0018】
本発明の第三の実施形態によれば、密閉空間は、隔壁によって複数に分割されているので、鏡部における初期の鏡面形状の平面度を、鏡面全体に亘って精度良く制御することができる。
【0019】
本発明の第四の実施形態は、本発明の第三の実施形態の形状可変鏡において、前記隔壁の少なくとも一部分は、弾性物質で形成されることを特徴とする形状可変鏡である
【0020】
本発明の第四の実施形態によれば、前記隔壁の少なくとも一部分は、弾性物質で形成されるので、鏡部における初期の鏡面形状の平面度を、鏡面全体に亘って精度良く制御すると共に、微細に調整することができる。
【0021】
本発明の第五の実施形態は、本発明の第二乃至第四の実施形態のうちいずれかの形状可変鏡において、前記流動性物質は、液体、気体、及びゲル状物質のうち少なくとも一つの物質であることを特徴とする形状可変鏡である
【0022】
本発明の第五の実施形態によれば、前記流動性物質が、液体である場合には、流動性物質内の圧力を容易かつ効率良く制御することができ、前記流動性物質が、気体である場合には、形状可変鏡の鏡面形状における周期的な変形の性能を向上させることができ、前記流動性物質が、ゲル状物質である場合には、形状可変鏡における密閉空間の密閉度がやや劣るような構造でも、流動性物質のリークを避けることができる。また、流動性物質が、液体、気体、及びゲル状物質の一又は複数を利用できるので、形状可変鏡の仕様に応じて流動性物質を選択し、鏡部における初期の鏡面形状の平面度を適切に制御することができる。
本発明の第六の実施形態は、本発明の第二乃至第五の実施形態のうちいずれかの形状可変鏡において、前記鏡用固定部材は、前記流動性物質内の圧力を制御する圧力制御手段を有することを特徴とする形状可変鏡である
【0023】
本発明の第六の実施形態によれば、前記鏡用固定部材は、前記流動性物質内の圧力を制御する圧力制御手段を有するので、形状可変鏡を小型化することができる。
【0024】
本発明の第七の実施形態は、本発明の第六の実施形態の形状可変鏡において、前記圧力制御手段は、穴、及び該穴を貫通して出入する圧力調整用部材を有し、該穴を貫通した該圧力調整用部材の出入りによって前記流動性物質内の圧力を制御することを特徴とする形状可変鏡である
【0025】
本発明の第七の実施形態によれば、前記圧力制御手段は、穴、及び該穴を貫通して出入する圧力調整用部材を有し、該穴を貫通した該圧力調整用部材の出入りによって前記流動性物質内の圧力を制御するので、簡単な構造で流動性物質内の圧力を制御することができる。
【0026】
本発明の第八の実施形態は、本発明の第六の実施形態の形状可変鏡において、前記圧力制御手段は、厚さの薄い部分、及び該厚さの薄い部分を変形する圧力調整用部材を有し、該圧力調整用部材による前記厚さの薄い部分の変形によって前記流動性物質内の圧力を制御することを特徴とする形状可変鏡である
【0027】
本発明の第八の実施形態によれば、前記圧力制御手段は、厚さの薄い部分、及び該厚さの薄い部分を変形する圧力調整用部材を有し、該圧力調整用部材による前記厚さの薄い部分の変形によって前記流動性物質内の圧力を制御するので、流動性物質内の圧力を制御することができると共に、流動性物質の密閉度も向上させることができる。
【0028】
本発明の第九の実施形態は、本発明の第七又は第八の実施形態の形状可変鏡において、前記圧力調整用部材は、ネジであることを特徴とする形状可変鏡である
【0029】
本発明の第九の実施形態によれば、前記圧力調整用部材は、ネジであるので、圧力制御手段を簡単な構造かつ低コストで作製することができる。
【0030】
本発明の第十の実施形態は、本発明の第六の実施形態の形状可変鏡において、前記圧力制御手段は、圧電基板を有し、該圧電基板を伸縮させることによって前記流動性物質内の圧力を制御することを特徴とする形状可変鏡である
【0031】
本発明の第十の実施形態によれば、前記圧力制御手段は、圧電基板を有し、該圧電基板を伸縮させることによって前記流動性物質内の圧力を制御するので、鏡部の鏡面形状の経時変化や温度変化が起こった場合でも、鏡部の鏡面形状を短時間で制御すると共に、常に鏡部の初期の鏡面を平面に保つことができる。
【0032】
本発明の第十一の実施形態は、本発明の第六の実施形態の形状可変鏡において、前記圧力制御手段は、前記流動性物質の温度を制御する温度制御素子であることを特徴とする形状可変鏡である
【0033】
本発明の第十一の実施形態によれば、前記圧力制御手段は、前記流動性物質の温度を制御する温度制御素子であるので、鏡部の鏡面形状の経時変化や温度変化が起こった場合でも、鏡部の鏡面形状を微細に調整すると共に、常に鏡部の初期の鏡面を平面に保つことができる。
【0034】
本発明の第十二の実施形態は、光ディスク情報入出力装置において、本発明の第一乃至第十一の実施形態のうちいずれかの形状可変鏡を有する光ピックアップ装置を備えることを特徴とする光ディスク情報入出力装置である
【0035】
本発明の第十二の実施形態によれば、本発明の第一乃至第十一の実施形態のうちいずれかの形状可変鏡を有する光ピックアップ装置を備えるので、鏡部における初期の鏡面形状の平面度を良好に制御することが可能な形状可変鏡を有する光ピックアップ装置を備えた光情報入出力装置を提供することができる。
【0036】
本発明の第十三の実施形態は、鏡部の鏡面の形状が可変な形状可変鏡における前記鏡面の初期形状の制御方法において、前記鏡部に加わる面圧力を制御することを有することを特徴とする制御方法である
【0037】
本発明の第十三の実施形態によれば、前記鏡部に加わる面圧力を制御することを有するので、形状可変鏡の鏡部における初期の鏡面形状の平面度を良好に制御する制御方法を提供することができる。
【0038】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0039】
本発明の各実施例に使用する形状可変鏡は、従来技術で使用している形状可変鏡と基本的な構造が共通しているので、本発明にも使用される形状可変鏡の基本的な構造について、再度、図5を用いて説明する。図5(a)は、本発明の各実施例に共通する基本的構造のみを有する形状可変鏡の斜視図であり、図5(b)は、A−A’方向の断面図である。
【0040】
図5(a)、(b)に示すように、本発明の形状可変鏡は、鏡面側を上側、鏡面と反対側を下側と呼ぶことにすると、鏡基板6の片面に鏡材1が、鏡材1と反対側の面に絶縁層7が取り付けられている。ここで、鏡面を外側にして鏡材、鏡基板、絶縁層を順次積層した部分を鏡部と定義する。ただし鏡部に絶縁層を設けることは必須ではない。絶縁層7の下には共通電極4が設置されており、共通電極4の下には圧電極性が一方向の圧電基板2が取り付けられており、圧電基板2の下には2個の個別電極5が設置されている。ここで、圧電基板2、共通電極4、個別電極5で構成される部分を圧電基板部と定義する。圧電基板部を取り付けた鏡部は、鏡固定用部材8に鏡部の両端で固定される。鏡部の鏡面の形状を容易に変形させる為には、鏡基板6の厚さは薄いことが望ましい。
【0041】
次に本発明の形状可変鏡の動作について説明する。図5(a)、(b)に示すような構造の形状可変鏡において、共通電極4を接地し、圧電基板2を挟んだ2個の個別電極5の、片方にプラスの電圧、他方にマイナスの電圧を印加したとする。鏡基板6自体は電圧を印加しても伸縮しないが、圧電基板2は、電圧を印加すれば伸縮する。個別電極5にプラスの電圧を印加した場合に、個別電極5の設置部分の圧電基板2が縮むとすると、マイナスの電圧を印加した場合にはその部分の圧電基板2は伸びることとなり、個別電極5にプラスの電圧を印加した場合には鏡基板6上の鏡材1の鏡面は凸面に、個別電極5にマイナスの電圧を印加した場合には鏡基板6上の鏡材1の鏡面は凹面になる。その結果図5(a)、(b)に示す形状可変鏡の鏡面の形状は、A−A’方向に鏡面の中心を挟んで凸面と凹面を有し、A−A’方向の断面は鏡面の中心が節に相当する波型の形状になる。また2個の個別電極5に前述と逆の電圧を印加した場合には、逆の波型の形状になる。このような形状可変鏡を、図6に示すような光ピックアップ装置の光軸上に設置し、鏡面の形状を制御することによって、チルトによるコマ収差を低減することが可能になる。
【0042】
次に本発明の形状可変鏡を用いた光ディスク情報入出力装置の構成について説明する。図6に、本発明の光ディスク情報入出力装置のブロック図を示す。図6に示すように本発明の光ディスク情報入出力装置は、本発明の形状可変鏡10、光ディスク11、対物レンズ及び対物光学系12、立ち上げ鏡13、偏光ビームスプリッター14、レーザー素子及びレーザー光学系15、光検出素子及び光検出光学系16を含む。レーザー素子から発光するレーザー光は、レーザー光学系によって平行光となり、偏光ビームスプリッター14を通り、形状可変鏡10で反射され、立ち上げ鏡13でさらに反射され、対物レンズ及び対物光学系12で集光され、光ディスク11に焦点を結ぶ。また、光ディスク11から反射したレーザー光は、対物レンズ及び対物光学系12を通り、立ち上げ鏡13で反射され、形状可変鏡10で再度反射され、偏光ビームスプリッター14を通り、光検出光学系で集光され、光検出素子で検出する。光検出素子にはチルト検出用の検出素子も設置されている。なお図7において、光ディスク11以外の部分が、光ピックアップ装置に対応する。
【0043】
次に本発明の形状可変鏡を設置した光ディスク情報入出力装置におけるレーザー光の波面収差の低減について説明する。図6に示す本発明の光ディスク情報入出力装置において、光ディスク11にチルト、即ちレーザー光の光軸に対して垂直な方向を基準とした光ディスク11の傾き、が起こると、光ディスク11から反射して戻ってきたレーザー光の波面は乱れコマ収差が発生する。チルトした光ディスク11から戻ってきて形状可変鏡10の鏡面に入射するレーザー光の波面収差は、レーザー光の光束の断面に対して図7に示すような等高線で表わされる。ここで、レーザーの光束の断面において、光ディスク11がチルトした方向に対応する方向が図7のA−A’方向である。すなわちA−A’方向に沿って符号が変わる波面収差(コマ収差)が発生する。
【0044】
このようなチルトにより発生する波面収差を低減する為に、図5に示す本発明の形状可変鏡を、図5(a)のA−A’方向と図7のA−A’方向とを一致させて図6のように光ピックアップ装置の光軸上に設置する。前述した本発明の形状可変鏡の動作により、A−A’方向について凸面と凹面とが生じるように、鏡面の形状を適切に制御すれば、チルトによる波面収差(コマ収差)の補正又は低減が可能となる。ここで簡単の為に図7におけるA−A’方向についてのみ注目して、レーザー光の波面収差の低減を、図8を用いて説明する。
【0045】
図8(a)は、光ディスク11がチルトした場合に発生するレーザー光の波面収差に関する、図7のA−A’方向に対する波面収差図である。ここで、図8における縦軸は波面収差であり、図8における横軸は、図5に示す本発明の形状可変鏡を図5(a)のA−A’方向と図7のA−A’方向とを一致させて設置したとすれば、図5(a)で示した形状可変鏡のA−A’方向の軸と同一である。なお、光ディスク11がチルトせずレーザー光の光軸に対し垂直であれば、図8(a)に示すような波面収差は発生せず、波面は図8(a)の横軸に一致する。図8(b)は、図6に示した形状可変鏡を故意に収差を発生させるように動作させ、無収差の光を形状可変鏡に照射した場合の反射光の波面収差を示した図である。今、光ディスク11にチルトが生じ、光ディスク11からの反射光の波面収差が図8(a)であったとして、光ディスク11にチルトが生じていない場合に形状可変鏡で反射した光の波面収差が図8(b)となるように形状可変鏡の鏡面の形状を制御する。このときには、図8(a)と図8(b)の波面収差が互いに相殺する関係となって形状可変鏡からの反射光の波面収差は、図8(c)のようになり、8(a)と比較して波面収差を低減させることができる。
【0046】
ここで鏡基板6の厚さを薄くした場合、実際には鏡基板6に対する鏡材1や共通電極4、個別電極5などの成膜による応力の影響や、圧電基板部を設置した鏡部を接着剤などを用いて鏡固定用部材8に固定する際の鏡部と圧電基板部にかかる重力や接着剤の収縮などの影響によって、例えば図5(c)のように鏡部の鏡面の形状が歪んでしまう。ただし図5(c)は、簡単の為に絶縁層7及び圧電基板部を省略して描いてある。また、鏡基板6の厚さが薄い場合には、歪みの少ない平面度の良好な鏡基板6自体を製造することが困難である。このようにして平面度の良好な鏡面を有する形状可変鏡を提供することは困難である為、レーザー光の効果的な収差の低減ができなくなる。
【0047】
そこで本発明の形状可変鏡においては、以下の実施例で説明するように、鏡部や圧電基板部と鏡固定用部材8との間を密閉空間として流動性物質で満たし、その流動性物質を介して鏡部に直接又は間接的に圧力を加えることで、鏡部の初期の鏡面形状が平面となるように制御することを可能にする。なお本明細書中における平面とは、完全な平面だけでなく、完全な平面に対して凹凸の大きさが要求される精度の範囲内にある面を表す。
【0048】
次に本発明における第1の実施例を図9と共に説明する。
【0049】
まず、本実施例の形状可変鏡の構造について説明する。図9(a)は、本実施例の形状可変鏡の一部である鏡基板6と鏡固定用部材8とを分解した状態の図であり、図9(b)は、鏡基板6と鏡固定用部材8とを組み付けた状態の図である。本実施例においては、図9(a)に示すように鏡固定用部材8は凹部を有する。この凹部の空間は、図9(b)のように圧電基板部を取り付けた鏡部を組み付けると密閉され、圧電基板部などを収納する為の空間や流動性物質を充填する為の空間である密閉空間9となる。図9(c)は、本実施例の形状可変鏡における図9(b)に示したA−A’方向の断面図である。本実施例では、図5に示した本発明の形状可変鏡における各実施例に共通な基本的構造に加えて、図9(c)に示すように、鏡部(及び圧電基板部)と鏡用固定部材8との間の空間である密閉空間9を、流動性物質3で充填する。
【0050】
次に本実施例の形状可変鏡の動作を、従来の形状可変鏡と比較しながら説明する。図9(d)、(e)は、それぞれ従来の形状可変鏡のA−A’方向の断面図、本実施例の形状可変鏡のA−A’方向の断面図である。ここでは簡単の為に、圧電基板2、流動性物質3、個別電極5、鏡基板6、鏡固定用部材8のみを図示してある。また図9(f)、(g)は、それぞれ従来の形状可変鏡、本実施例の形状可変鏡において鏡部の鏡面形状を変形させた場合のA−A’方向の断面形状を示す図であり、横軸は、鏡面の中心を原点とした鏡部のA−A’方向の座標を表し、縦軸は、平面を基準とした鏡面形状の変位を表す。
【0051】
従来の形状可変鏡においては、前述したように鏡基板6の厚さが薄い場合には、平面度の良好な鏡基板6自体を製造することが困難であるので、組み付けしたとき図9(d)のように鏡部の鏡面形状が歪んでしまう。このように組み付けられた従来の形状可変鏡において光ディスク11のチルトによって発生するレーザー光の波面収差を低減させる為に、圧電基板2に電圧を印可すると、鏡部の鏡面形状は、図9(f)における実線で示されるようになる。レーザー光の波面収差を補正する為に必要な鏡面形状が図9(f)における点線で示されるような形状であるとすると、実線で表される鏡面形状の変位と点線で表される鏡面形状の変位との差によって波面収差補正に誤差を生じ、この誤差分に相当する波面収差がレーザー光に残留しまう。
【0052】
これに対して本実施例の形状可変鏡のように、図9(e)に示すように鏡部の鏡面形状が平面となるように、予め密閉空間9に流動性物質3を充填しておく。ここで図9(e)において矢印で表した、流動性物質3が、密閉空間9を取り囲む全ての面に加える圧力(以下、簡単の為に面圧力と呼ぶことにする)、即ち鏡部、圧電基板部、鏡固定用部材などに加える圧力を、鏡部の鏡面形状が平面になるように制御して与えておく。このように鏡部に面圧力を加えて鏡面形状を平面とした後、2つの個別電極5を通じて圧電基板2に所望の電圧を印加すると、図9(g)に示すように、図9(e)の点線で示した鏡面形状とほぼ等しい鏡面形状を得ることができる。これにより、レーザー光の波面収差を低減することができる。
【0053】
流動性物質3は、共通電極4及び2つの個別電極の間における短絡を防止する為に絶縁性の材料である必要がある。また流動性物質3に機械的な外力を加え、その外力を面圧力に変換する機構を用いる場合には、流動性物質3は、液体であることが望ましい。流動性物質3が液体である場合には、機械的外力が加わった場合に、流動性物質3の容積の膨張/収縮をほとんど伴わずに機械的外力を面圧力に変換できる。流動性物質3は、例えばシリコンオイルなどのような不揮発性物質であれば、長期間に亘り容積の変動が小さく、従って機械的外力と面圧力との関係が安定するのでさらに望ましい。
【0054】
しかしながら、周波数特性がより高い形状可変鏡を望む場合には、流動性物質3は、例えば容易に入手可能な空気や窒素などのような、気体であることが望ましい。
【0055】
ここで形状可変鏡の周波数特性について簡単に説明する。図6のような光ディスク情報入出力装置において光ディスク11がチルトした場合には、光ディスク11が回転している為に、光ディスク11におけるレーザー光が当たる部分の傾きが周期的に変化する。この為、レーザー光の反射光に生じるコマ収差も光ディスクの回転周期と同じ周期で変動する。よって、レーザー光の波面収差(コマ収差)を低減する為には、形状可変鏡の鏡面形状を光ディスクの回転周期と同期させて制御する必要がある。このような形状可変鏡の鏡面形状における周期的な変形の性能を周波数特性と呼ぶ。短周期で鏡面形状を変形させることができるほど、周波数特性が高く望ましい。
【0056】
流動性物質3の粘性及び/又は密度が高い場合には、粘性による抵抗が高く及び/又は慣性が大きいので、鏡部の変形が起こりにくく圧電基板2に印加する電圧の変動に対して、鏡面形状の変動の応答が遅くなり、周波数特性は低くなる。よって、形状可変鏡が高い周波数特性を要求される場合には、粘性や密度の低い気体であることが望ましい。
【0057】
ただし、密閉空間9の密閉度がやや劣るような構造の場合には、気体の流動性物質3は、リークにより機械的外力を面圧力に適切に変換できないので、使用できない。この場合には、流動性物質3は、例えばシリコンゲルなどのような絶縁性のゲル状物質が望ましく、流動性物質3のリークを避けることができる。
【0058】
なお本実施例の形状可変鏡における鏡面形状を変形する前の構造は、図9(e)に示すように、鏡面の中心を通り鏡面に垂直な軸に対して点対称である。また、チルトにより発生したレーザー光のコマ収差を低減する為の形状可変鏡の鏡面形状は、図9(g)に示すように、鏡面の中心を通り鏡面に平行でA−A’方向に垂直な軸に対して点対称である。従って本実施例では、レーザー光のコマ収差を低減する図9(g)の鏡面形状については、この軸を境界にして密閉空間9の片側の容積が減少しても、反対側の容積がその分増加するため、コマ収差低減の為の変形動作を行っても密閉空間9の全容積は変化せず、よって面圧力も変化しないことを前提としている。すなわち、コマ収差低減の為の変形動作を行っても面圧力が変化しないので、逆に面圧力を制御することで、コマ収差低減に関する鏡面形状の変形に影響を及ぼさず、鏡面の初期の平面度のみを制御することができる。
【0059】
次に本発明における第2の実施例を図10と共に説明する。
【0060】
図10は、本実施例における形状可変鏡のA−A’方向の断面図である。本実施例の形状可変鏡の基本的構造は、図9を用いて説明した実施例1の形状可変鏡と同じであるが、本実施例では、圧力調整用ネジ23を使用し、鏡固定用部材8に圧力調整用ネジ23に合わせてねじ切り又はねじ立てし貫通させた圧力調整用ネジ穴21を設けてある。なお、本明細書における特許請求の範囲で使用している圧力調整用部材は、流動性物質内の圧力を増減させる為の部材であって、例えば本実施例における圧力調整用ネジ23が該当する。図10では簡単の為に、圧電基板2、個別電極5、鏡基板6、鏡固定用部材8、密閉空間9に充填された流動性物質3、圧力調整用ネジ穴21、圧力調整用ネジ23のみを示してある。
【0061】
ここで圧力調整用ネジ穴21は、密閉度の高いネジ穴になっている。このような構造の形状可変鏡において、圧力調整用ネジ23を図中の矢印に示すように動かして、鏡部の鏡面形状が平面になるように面圧力を制御する。ここでネジを鏡部や圧電基板部などに直接接触させて鏡部の鏡面の平面度を調整することも原理的には可能であるが、形状可変鏡における鏡面の平面度の調節は非常に微細な調整が求められる為に、鏡部や圧電基板部に直接接触させたネジによる調整は、実際にはほとんど不可能である。
【0062】
本実施例では、圧力調整用ネジ23を鏡部や圧電基板部に直接接触させることなく、圧力調整用ネジ23を締めたり緩めたりすることによって、密閉空間9に充填された流動性物質3を膨張又は圧縮する。このように圧力調整用ネジ23の変位に応じて流動性物質3の容積が増加又は減少し、流動性物質3による面圧力が減少又は増加するので、面圧力の微細な調整が可能となる。
【0063】
以上のようにしてチルトによるコマ収差低減前すなわち初期の形状可変鏡の鏡面形状を平面とした後、2つの個別電極5を通じて圧電基板2に適切な電圧を印加すれば、図9(g)に示す形状にほぼ等しい鏡面形状を得ることができ、チルトによるコマ収差を低減できる。
【0064】
次に本発明における第3の実施例を図11と共に説明する。
【0065】
図11は、本実施例における形状可変鏡のA−A’方向の断面図である。本実施例の形状可変鏡の基本的構造は、図9を用いて説明した実施例1の形状可変鏡と同じであるが、本実施例では、圧力調整用ネジ23を使用し、鏡固定用部材8に圧力調整用ネジ23に合わせてねじ切り又はねじ立てしてある凹部を設けてある。また図11では、圧力調整用ネジ23の長さに応じて、鏡固定用部材8の凹部周辺の厚さを厚くしてある。鏡固定用部材8の凹部の底部分(図では凹部の上側部分)は、厚さが薄く変形し易い薄肉部22となっている。なお図11では簡単の為に、圧電基板2、個別電極5、鏡基板6、鏡固定用部材8、密閉空間9に充填された流動性物質3、薄肉部22、圧力調整用ネジ23のみを示してある。
【0066】
このような構造の形状可変鏡において、圧力調整用ネジ23を図中の矢印に示すように動かして、鏡部の鏡面形状が平面になるように面圧力を制御する。
【0067】
本実施例では、圧力調整用ネジ23を締めたり緩めたりすることによって、鏡固定用部材8の薄肉部22を変形させて、密閉空間9に充填された流動性物質3をわずかに膨張又は圧縮する。このように薄肉部22の変形に応じて、流動性物質3の容積がわずかに増加又は減少し、流動性物質3による面圧力がわずかに減少又は増加するので、面圧力の非常に微細な調整が可能となる。また、実施例2のように圧力調整用ネジ穴21を鏡固定用部材に設ける必要がないので、密閉空間9の密閉度に関する信頼性が向上する。
【0068】
以上のようにしてチルトによるコマ収差低減前すなわち初期の形状可変鏡の鏡面形状を平面とした後、2つの個別電極5を通じて圧電基板2に適切な電圧を印加すれば、図9(g)に示す形状にほぼ等しい鏡面形状を得ることができ、チルトによるコマ収差を低減できる。
【0069】
なお実施例2及び3において、図10及び11で示した形状可変鏡では、圧力調整用ネジ穴21、薄肉部22、圧力調整用ネジ23を、鏡固定用部材8の底部(図の下側)の中心付近に設けているが、図12(a)、(b)に示すように鏡固定用部材8の側面などに設けても効果は全く同じであり、同様に鏡固定用部材8のどこに設けてもよいことはいうまでもない。
【0070】
次に本発明における第4の実施例を図13と共に説明する。
【0071】
図13(a)は、本実施例における形状可変鏡のA−A’方向の断面図である。本実施例の形状可変鏡の基本的構造は、図9を用いて説明した実施例1の形状可変鏡と同じであるが、本実施例では、鏡固定用部材8の底部(図の下側)が刳り貫かれて枠状になっており、鏡部と反対側に圧力調整用圧電基板部24を取り付けてある。ここで圧力調整用圧電基板部24は、図13(a)のように、圧力調整用圧電基板用基板6a、圧力調整用圧電基板2a、圧力調整用圧電基板用電極5aを、下側(鏡部と反対側)から上側(鏡部のある側)に順次積層して構成されている。圧力調整用圧電基板部24は、圧力調整用圧電基板用基板6aの端部で鏡固定用部材8に取り付けられる。なお図13では簡単の為に、圧電基板2、個別電極5、鏡基板6、鏡固定用部材8、密閉空間9に充填された流動性物質3、圧力調整用圧電基板2a、圧力調整用圧電基板用電極5a、圧力調整用圧電基板用基板6aのみを示してある。
【0072】
このような構造の形状可変鏡において、圧力調整用圧電基板部24を図中の矢印に示すように動かして、鏡部の鏡面形状が平面になるように面圧力を制御する。
【0073】
この際に、例えば初期の鏡面形状が凹形状である場合には、図13(b)に示すように圧力調整用圧電基板部24を矢印のように、即ち流動性物質3を圧縮するように変形させ、面圧力を増加させることで鏡部の初期の鏡面形状を平面にすることができる。逆に初期の鏡面が凸形状である場合には、図13(c)に示すように圧力調整用圧電基板部24を矢印のように、即ち流動性物質3を膨張するように変形させ、面圧力を減少させることで鏡部の初期の鏡面形状を平面にすることができる。
【0074】
以上のようにしてチルトによるコマ収差低減前すなわち初期の形状可変鏡の鏡面形状を平面とした後、2つの個別電極5を通じて圧電基板2に適切な電圧を印加すれば、図9(g)に示す形状にほぼ等しい鏡面形状を得ることができ、チルトによるコマ収差を低減できる。
【0075】
図に示してはいないが、鏡部の鏡面の平面度をモニターすることができる鏡面平面度検知手段を用いれば、鏡部の鏡面形状の経時変化や温度変化が起こった場合でも、圧力調整用圧電基板用電極5aを通じて圧力調整用圧電基板2aに印加する電圧を適切に制御することにより、上述のように圧力調整用圧電基板部24を変形させて、鏡部の鏡面形状を短時間で制御すると共に、常に鏡部の初期の鏡面を平面に保つことが可能となる。
【0076】
次に本発明における第5の実施例を図14と共に説明する。
【0077】
図14は、本実施例における形状可変鏡のA−A’方向の断面図である。本実施例の形状可変鏡の基本的構造は、図9を用いて説明した実施例1の形状可変鏡と同じであるが、本実施例では、鏡固定用部材8の凹部の底面に第一の温度制御素子25a、及び第二の温度制御素子25bを設置してある。なお図14では簡単の為に、圧電基板2、個別電極5、鏡基板6、鏡固定用部材8、密閉空間9に充填された流動性物質3、第一の温度制御素子25a、第二の温度制御素子25bのみを示してある。
【0078】
このような構造の形状可変鏡において、第一の温度制御素子25a及び/又は第二の温度制御素子25bによって流動性物質3の温度を制御し、鏡部の鏡面形状が平面になるように面圧力を制御する。例えば第一の温度制御素子25aをヒーターなどのような加熱する素子、第二の温度制御素子25bをペルチェ素子などのような冷却する素子で構成する。ここで例えば初期の鏡面形状が凹形状である場合には、第一の温度制御素子25aを用いて流動性物質3を加熱し温度を上げることによって流動性物質3の容積を増加させる。その結果、面圧力が増加して鏡部の初期の鏡面形状を平面にすることができる。逆に初期の鏡面が凸形状である場合には、第二の温度制御素子25bを用いて流動性物質3を冷却し温度を下げることによって、流動性物質3の容積を減少させる。その結果、面圧力が減少して鏡部の初期の鏡面形状を平面にすることができる。
【0079】
以上のようにしてチルトによるコマ収差低減前すなわち初期の形状可変鏡の鏡面形状を平面とした後、2つの個別電極5を通じて圧電基板2に適切な電圧を印加すれば、図9(g)に示す形状にほぼ等しい鏡面形状を得ることができ、チルトによるコマ収差を低減できる。
【0080】
図に示してはいないが、鏡部の鏡面の平面度を随時検知することができる鏡面平面度検知手段を用いれば、鏡部の鏡面形状の経時変化や温度変化が起こった場合でも、第一の温度制御素子25a及び/又は第二の温度制御素子25bによって流動性物質3の温度を制御することにより、上述のように流動性物質3の容積の増減を通じて面圧力を適切に制御して、鏡部の鏡面形状を微細に調整すると共に、常に鏡部の初期の鏡面を平面に保つことが可能となる。
【0081】
また本実施例において、鏡部の鏡面形状の変形と鏡部の温度との関係が予め既知である場合には、上述の鏡面平面度検知手段を使用する代わりに、適当な温度検知手段で鏡部の温度を検知し、次に鏡部の初期の鏡面形状が平面となるような温度になるまで第一の温度制御素子25a及び/又は第二の温度制御素子25bによって流動性物質3の温度を制御する。このようにして、鏡部の鏡面形状の温度変化が起こった場合でも、上述のように温度制御素子25a、25bにより流動性物質3の容積の増減を通じて面圧力を適切に制御し、常に鏡部の初期の鏡面形状を平面にすることができる。
【0082】
次に本発明における第6の実施例を図15と共に説明する。
【0083】
図15は、本実施例における形状可変鏡のA−A’方向の断面図である。本実施例の形状可変鏡の基本的構造は、図9を用いて説明した実施例1の形状可変鏡と同じであるが、本実施例では、鏡部や圧電基板部と鏡固定用部材8とで密閉された空間を、一又は複数の変形可能な隔壁26で複数の密閉空間9に分割し、分割された各密閉空間9に流動性物質3を充填してある。なお図15では簡単の為に、圧電基板2、個別電極5、鏡基板6、鏡固定用部材8、密閉空間9に充填された流動性物質3、隔壁26のみを示してある。
【0084】
このような形状可変鏡において、図に示してはいないが、図10乃至図14を用いて説明した実施例2乃至5の手段の一つ、又はそれらの手段の組み合わせによって、鏡部の鏡面形状が平面になるように、変形可能な隔壁26で分割された複数の密閉空間9ごとに異なる面圧力を及ぼすように制御する。この場合、隔壁26は変形可能であるので、分割された各密閉空間9ごとに完全に独立して面圧力を制御できるわけではないが、レーザー光の波面収差を低減させる際の鏡部の変形を妨げない程度に硬い隔壁26を使用すれば、分割された各密閉空間9ごとに異なる面圧力を及ぼすことができる。よって隔壁26で分割された各密閉空間9と直接的に、又は圧電基板部などを介在して間接的に、接する鏡部の部分ごとに鏡面形状を制御することができる。これにより、(鏡固定用部材3で固定されている部分を除く)鏡部全体の初期の鏡面形状が凸部と凹部の両方を有していても、隔壁の数と配置する位置を適切にすることによって、鏡部の初期の鏡面形状を精度良く平面にすることができる。すなわち、初期の鏡面形状が凸形状である鏡部の部分に関しては、直接又は間接的に接する密閉空間9の面圧力を減少させ、初期の鏡面形状が凹形状である鏡部の部分に関しては、直接又は間接的に接する密閉空間9の面圧力を増加させることによって、鏡部全体の初期の鏡面形状を平面にすることができる。
【0085】
以上のようにしてチルトによるコマ収差低減前すなわち初期の形状可変鏡の鏡面形状を平面とした後、2つの個別電極5を通じて圧電基板2に適切な電圧を印加すれば、隔壁26は変形可能であるので鏡部の変形を妨げずに、図9(g)に示す形状にほぼ等しい鏡面形状を得ることができ、チルトによるコマ収差を低減できる。
【0086】
次に本発明における第7の実施例を図16と共に説明する。
【0087】
図16は、本実施例における形状可変鏡のA−A’方向の断面図である。本実施例の形状可変鏡の基本的構造は、図15を用いて説明した実施例6の形状可変鏡と同じであるが、本実施例では、各隔壁26における鏡部又は圧電基板部に直接的に接触する部分を弾性物質27にしてある。なお図16では簡単の為に、圧電基板2、個別電極5、鏡基板6、鏡固定用部材8、密閉空間9に充填された流動性物質3、隔壁26、弾性物質27のみを示してある。
【0088】
このような形状可変鏡において、図15を用いて説明した実施例6と同様に、図に示してはいないが図10乃至図14を用いて説明した実施例2乃至5の手段の一つ、又はそれらの手段の組み合わせによって、鏡部の鏡面形状が平面になるように、隔壁26で分割された複数の密閉空間9ごとに異なる面圧力を及ぼすように制御する。ここで、隔壁26は、実施例6と同様に鏡部の変形を妨げない程度の硬さを有して変形可能であってもよく、また硬質で変形しなくてもよい。ただし、隔壁26が硬質であって変形しない場合には、レーザー光の波面収差を低減させる際に鏡部の変形を可能にする為に、図16に示すように弾性物質27が鏡部や圧電基板部に直接接触してなければならない。各隔壁26の少なくとも一部分が弾性物質27である場合には、弾性物質27の変形により、各隔壁で分割された各密閉空間9における面圧力を緩やかに増減させることができる。また、弾性物質27が隔壁26の鏡部又は圧電基板部に直接接触する部分に設けられている場合には、レーザー光の波面収差を低減する際の鏡部及び圧電基板部の変形を容易にする。よって、隔壁26で分割されたそれぞれの密閉空間9と直接的に、又は圧電基板部などを介在して間接的に、接する鏡部の部分ごとに、鏡面形状を微細に調整することができる。これにより、(鏡固定用部材3で固定されている部分を除く)鏡部全体の初期の鏡面形状が凸部と凹部の両方を有していても、鏡部の初期の鏡面形状をさらに精度良く平面にすることができる。
【0089】
以上のようにしてチルトによるコマ収差低減前すなわち初期の形状可変鏡の鏡面形状を平面とした後、2つの個別電極5を通じて圧電基板2に適切な電圧を印加すれば、隔壁26又は弾性物質27が変形可能であるので鏡部の変形を妨げずに、図9(g)に示す形状にほぼ等しい鏡面形状を得ることができ、チルトによるコマ収差を低減できる。
【0090】
本発明の実施例において、鏡材1は、例えば金(Au)の蒸着膜や誘電体多層膜などであり、絶縁層7は、熱酸化膜やCVD法(気相化学析出法)などで堆積させた絶縁性の材料である。共通電極4や個別電極5などの電極は、導電性の高い材料や金属膜であり、形状可変鏡を作製する工程の中で高温処理をする工程を用いる場合には、白金(Pt)など耐熱性の高い膜が望ましい。圧電基板2の材料は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti1−x)O)材料)のような圧電セラミックスでもPVDF(ポリフッ化ビニリデン)のような圧電高分子でもよい。圧電基板2は、圧電材料の薄板を取り付けてもよく、圧電材料の膜を鏡基板6の鏡面と反対側に成膜してもよい。また鏡基板6は、シリコン、セラミックス、及びガラスなどの硬い材料や、PET(ポリエチレンテレフタラート)やポリイミドのような高分子材料でもよく、鏡基板6の抵抗率が高くて絶縁体に近ければ、絶縁層7は省略できる。
【0091】
以上、本発明を説明するため実施例を示してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、あらゆる実施例の組み合わせや種々の応用ができることは言うまでもない。例えば、実施例では、圧電基板2を使用した鏡部の鏡面が変形する形状可変鏡で説明したが、静電力や電磁力や他の力を利用した鏡部の鏡面が変形する形状可変鏡にも応用できる。また、実施例の形状可変鏡における共通電極4の部分は、個別電極5に対して共通ではなく、各々の個別電極5に対応した別個の電極としてもよいことは言うまでもない。
【0092】
さらに本発明は、鏡面形状の平面度を良好にする為に面圧力を制御するだけでなく、面圧力を制御して逆に鏡面形状の平面度を平面から崩す、即ち鏡面を凸面又は凹面とすることによって、レーザー光の球面収差などの低減に応用することもできる。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、鏡部における初期の鏡面形状の平面度を良好に制御することが可能な形状可変鏡、及び該形状可変鏡を有する光ピックアップ装置を備えた光情報入出力装置を提供することができる。
【0094】
また、本発明は、形状可変鏡の鏡部における初期の鏡面形状の平面度を良好に制御する制御方法を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
本発明は、鏡部の鏡面の形状が可変な形状可変鏡及び光ピックアップ装置を備えた光情報入出力装置に適用することができる。
【0095】
【図面の簡単な説明】
【図1】 光ディスクのチルトによるコマ収差の発生を説明する図であり、(a)は、CDにおける図、(b)は、DVDにおける図である。
【図2】 従来の液晶板の図である。
【図3】 従来の透明圧電素子の図である。
【図4】 従来の複数のアクチュエータを利用した形状可変鏡の図である。
【図5】 従来の形状可変鏡を説明する図であり、(a)は、斜視図、(b)は、A−A’方向の断面図、(c)は、鏡部の歪みを示す図である。
【図6】 本発明の形状変化鏡を含めた光ディスク情報入出力装置全体のブロック図である。
【図7】 チルトによって生じたレーザー光の波面収差の等高線図である。
【図8】 本発明の形状可変鏡のA−A’方向の断面における波面収差の低減を説明する図であり、(a)は、チルトにより発生したレーザー光の波面収差図、(b)は、本発明の形状可変鏡により発生させた波面収差図、(c)は、本発明の形状可変鏡で低減した後のレーザー光の波面収差図である。
【図9】 本発明における形状可変鏡の第1の実施例を示す図であり、(a)は、鏡基板と鏡固定用部材とを分解した状態の図、(b)は、鏡基板と鏡固定用部材とを組み付けた状態の図、(c)は、A−A’方向の断面図、(d)は、比較用の従来の形状可変鏡におけるA−A’方向の断面図、(e)は、本実施例の形状可変鏡における作用を示したA−A’方向の断面図、(f)は、比較用の従来の形状可変鏡において鏡部の鏡面形状を変形させた場合のA−A’方向の断面形状を示す図、(g)は、本実施例の形状可変鏡において鏡部の鏡面形状を変形させた場合のA−A’方向の断面形状を示す図、である。
【図10】 本発明における形状可変鏡の第2の実施例を示す図である。
【図11】 本発明における形状可変鏡の第3の実施例を示す図である。
【図12】 本発明における形状可変鏡の第2及び第3の実施例に関する変形例を示す図であり、(a)は、第2の実施例の変形例を示す図、(b)は、第3の実施例の変形例を示す図である。
【図13】 本発明における形状可変鏡の第4の実施例を示す図であり、(a)は、A−A’方向の断面図、(b)は、鏡部の初期の鏡面形状が凹形状である場合の作用を説明する図、(c)は、鏡部の初期の鏡面形状が凸形状である場合の作用を説明する図、である。
【図14】 本発明における形状可変鏡の第5の実施例を示す図である。
【図15】 本発明における形状可変鏡の第6の実施例を示す図である。
【図16】 本発明における形状可変鏡の第7の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 鏡材
2 圧電基板
2a 圧力調整用圧電基板
3 流動性物質
4 共通電極
5 個別電極
5a 圧力調整用圧電基板用電極
6 鏡基板
6a 圧力調整用圧電基板用基板
7 絶縁層
8 鏡固定用部材
9 密閉空間
10 形状可変鏡
11 光ディスク
12 対物レンズ及び対物光学系
13 立ち上げ鏡
14 偏光ビームスプリッター
15 レーザー素子及びレーザー光学系
16 光検出素子及び光検出光学系
21 圧力調整用ネジ穴
22 薄肉部
23 圧力調整用ネジ
24 圧力調整用圧電基板部
25a 第一の温度制御素子
25b 第二の温度制御素子
26 隔壁
27 弾性物質
101a 対物レンズ(CD用)
101b 対物レンズ(DVD用)
102a 樹脂層(CD用)
102b 樹脂層(DVD用)
103a CDにおけるスポット
103b DVDにおけるスポット
108 記録層

Claims (13)

  1. 鏡基板と、該鏡基板上に設けられた鏡材とを備えた鏡部と、
    前記鏡基板に対して前記鏡材と反対側に設けられる電極と、該電極に設けられる圧電極性が一方向の圧電基板と、該圧電基板に対して前記電極と反対側に設けられる2つの個別電極とを備えた圧電基板部と、
    鏡固定用部材と、
    を有し、
    前記圧電基板部を取り付けた前記鏡部を前記鏡固定用部材に固定した形状可変鏡において、
    前記鏡部に加わる面圧力を制御することにより、前記鏡面の初期の形状を平面にする手段と、
    前記個別の圧電電極の各々に電圧を印加することにより、形状が平面になった前記鏡面の形状を変形する手段と、
    を有することを特徴とする形状可変鏡。
  2. 前記鏡部と該鏡部を支持する鏡用固定部材との間に密閉空間を有し、
    該密閉空間は、流動性物質で充填されることを特徴とする請求項1記載の形状可変鏡。
  3. 前記密閉空間は、隔壁によって複数に分割されていることを特徴とする請求項2記載の形状可変鏡。
  4. 前記隔壁の少なくとも一部分は、弾性物質で形成されることを特徴とする請求項3記載の形状可変鏡。
  5. 前記流動性物質は、液体、気体、及びゲル状物質のうち少なくとも一つの物質であることを特徴とする請求項2乃至4記載の形状可変鏡。
  6. 前記鏡用固定部材は、前記流動性物質内の圧力を制御する圧力制御手段を有することを特徴とする請求項2乃至5記載の形状可変鏡。
  7. 前記圧力制御手段は、穴、及び該穴を貫通して出入する圧力調整用部材を有し、
    該穴を貫通した該圧力調整用部材の出入りによって前記流動性物質内の圧力を制御することを特徴とする請求項6記載の形状可変鏡。
  8. 前記圧力制御手段は、厚さの薄い部分、及び該厚さの薄い部分を変形する圧力調整用部材を有し、
    該圧力調整用部材による前記厚さの薄い部分の変形によって前記流動性物質内の圧力を制御することを特徴とする請求項6記載の形状可変鏡。
  9. 前記圧力調整用部材は、ネジであることを特徴とする請求項7又は8記載の形状可変鏡。
  10. 前記圧力制御手段は、圧電基板を有し、
    該圧電基板を伸縮させることによって前記流動性物質内の圧力を制御することを特徴とする請求項6記載の形状可変鏡。
  11. 前記圧力制御手段は、前記流動性物質の温度を制御する温度制御素子であることを特徴とする請求項6記載の形状可変鏡。
  12. 請求項1乃至11記載の形状可変鏡を有する光ピックアップ装置を備えることを特徴とする光ディスク情報入出力装置。
  13. 鏡基板と、該鏡基板上に設けられた鏡材と、を備えた鏡部と、
    前記鏡基板に対して前記鏡材と反対側に設けられる電極と、該電極に設けられる圧電極性が一方向の圧電基板と、該圧電基板に対して前記電極と反対側に設けられる2つの個別電極とを備えた圧電基板部と、
    鏡固定用部材と、
    前記鏡部に加わる面圧力を制御することにより、前記鏡部の鏡面の初期の形状を平面にする手段と
    を有し、
    前記圧電基板部を取り付けた前記鏡部を前記鏡固定用部材に固定した形状可変鏡における前記鏡部の鏡面の制御方法において、
    前記鏡部に加わる面圧力を制御することにより、前記鏡部の鏡面の初期の形状を平面にする手段によって、前記鏡面の初期の形状を平面にする工程と、
    前記鏡面の形状を平面にした後、前記個別の圧電電極の各々に電圧を印加することにより前記鏡面の形状を変形する工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
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