JP2004109561A - 波面収差補正ミラーおよび光ピックアップ - Google Patents

波面収差補正ミラーおよび光ピックアップ Download PDF

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廣居 正樹
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Abstract

【課題】温度によるミラーの平面度への影響を少なくすることの可能な波面収差補正ミラーおよび光ピックアップを提供する。
【解決手段】ミラー基板(6)のミラー面を圧電材料によって変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板(6)の変形を抑制するための層(21)が設けられている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波面収差補正ミラーおよび光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスクを用いた情報記憶装置として、CDやDVDなどがある。DVDなどは、CDに比べて記録密度が高いため、情報を読み書きするときの条件が厳しくなっている。
【0003】
例えば、光ピックアップの光軸とディスク面は垂直であることが理想であるが、実際にはディスクが樹脂製のため、かなりうねりを持っていて、これを回転させると、光ピックアップの光軸とディスク面は常に垂直ではなくなる(これを以降、チルトと表現する)。また、ディスクは、図18(a),(b)に示すように、記録層(108)が樹脂層(102)を介しているため、ディスク面が垂直でなくなると光路が曲げられディスク上に正しくスポットを絞れなくなり、コマ収差(103)が発生する。この収差が許容される量よりも大きくなると、正しく読み書きが出来なくなるという不具合が生じる。なお、図18(a),(b)はディスクがそれぞれCD,DVDの場合である。
【0004】
チルトの影響を少なくする手段としては、対物レンズと記録層との間の樹脂層を薄くすることがある。実際に、DVD(図18(b))が、CD(図18(a))に比較して、対物レンズ(101)と記録層(108)との間の樹脂層(102)の厚さを半分にしたのは、この効果を狙ったものである。しかし、この方法の場合、DVDよりも高密度記録をしようとした場合には樹脂層をもっと薄くしてさらにチルトの影響を少なくすることになるが、今度はディスク上にごみや傷がついた場合に、信号が正しく読み書きできなくなるという不具合が生じる。このため、アクチュエータによって光軸を傾けて(チルト)対応しているのが現状である。
【0005】
チルトを光学的に補正するため、液晶を用いたり(例えば、特許文献1参照。)、透明圧電素子を用いたり(例えば、特許文献2参照。)、可変ミラーを用いたりする(例えば、特許文献3参照。)ことが提案されている。
【0006】
具体的に、特許文献1(図15)では、液晶板を用いて位相制御することによりコマ収差を補正している。しかし、この方法では、レーザーが液晶板を通過するために光量が減衰し、書き込みに必要なエネルギーを得ることが困難であり、また液晶の特性から、特にタンジェンシャルチルト制御に要求される高周波動作に使用するのは困難であると思われる。
【0007】
また、特許文献2(図16)では、実際に透明圧電素子単体で必要な変位量を得るためには高電圧が必要となり、光ピックアップなどに用いるには現実的ではない。
【0008】
また、特許文献3(図17)は、ミラー自体を積層型圧電素子で変形させ位相制御するようにしている。しかし、光ピックアップなどの小さい部品に用いるには配線などの考慮がされておらず、複雑になりかつ組み付けコストも高くなる。また、配線などの問題が解決できたとしても、積層型圧電素子をかなり小さくしなければならなくなるため、技術的にもコスト的にもなかなか困難である。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−79135号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平5−144056号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平5−333274号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような情報を読み書きするときに不具合を生じさせるチルトの影響を、圧電素子を使用したユニモルフまたはバイモルフ形状の波面収差補正ミラーで波面収差を補正する方法が、低電圧で小型化にも有利であると考えられるが、ミラー基板のミラー面を変形させる場合、低電圧で駆動させるためには変形しやすくなくてはならない。
【0013】
このためにはミラー基板を薄くすることが一番効果的であるが、図12(a),(b)に示すような波面収差補正ミラーの場合、ミラー基板を薄くすると、その非対称な形状から温度の影響を受けやすくなり、例えば室温から温度が上昇したとき図12(c)に示すように平面度は悪くなってしまう。
【0014】
本発明は、温度によるミラーの平面度への影響を少なくすることの可能な波面収差補正ミラーおよび光ピックアップを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ミラー基板のミラー面を圧電材料によって変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が設けられていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層の熱膨張率は、ミラー基板のミラー面を変位させる圧電材料の熱膨張率とは異なることを特徴としている。
【0017】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、ミラー基板のミラー面側に設けられていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、使用する光源の波長に対して透明であることを特徴としている。
【0019】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、透明なガラスであることを特徴としている。
【0020】
また、請求項6記載の発明は、請求項4記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、透明な高分子樹脂であることを特徴としている。
【0021】
また、請求項7記載の発明は、請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、ミラー材そのものであることを特徴としている。
【0022】
また、請求項8記載の発明は、請求項2記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、圧電材料とミラー基板との間に設けられていることを特徴としている。
【0023】
また、請求項9記載の発明は、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層と圧電材料とミラー基板の熱膨張率の関係が、
抑制するための層の熱膨張率<ミラー基板の熱膨張率<圧電材料の熱膨張率
であることを特徴としている。
【0024】
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、石英(SiO)であることを特徴としている。
【0025】
また、請求項11記載の発明は、請求項9記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、鉄ニッケル合金であることを特徴としている。
【0026】
また、請求項12記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、圧電材料とミラー基板との間に設けられており、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が伸縮コントロールできる材料であることを特徴としている。
【0027】
また、請求項13記載の発明は、請求項12記載の波面収差補正ミラーにおいて、伸縮コントロールできる材料は、圧電材料であることを特徴としている。
【0028】
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載の波面収差補正ミラーにおいて、圧電材料がPZTであることを特徴としている。
【0029】
また、請求項15記載の発明は、請求項13記載の波面収差補正ミラーにおいて、圧電材料が圧電性高分子であることを特徴としている。
【0030】
また、請求項16記載の発明は、請求項12記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が複数に分割されているか、または、電極が複数に分割されていることを特徴としている。
【0031】
また、請求項17記載の発明は、レーザ光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーが用いられていることを特徴とする光ピックアップである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図12(a),(b)はミラー面が変位する波面収差補正ミラーの一例を示す図である。なお、図12(a)は斜視図であり、図12(b)は図12(a)のA−A’における断面図である。
【0034】
図12(a),(b)を参照すると、ミラー基板(6)にはミラー材(1)が付いており、その反対側の面には、絶縁層(7)が付いている。絶縁層(7)の下には、共通電極(4)が付いており、その下に、圧電極性が一方向の圧電材料(2)が付いて、さらにその下に、左右に分かれた個別電極(5)が付いている(なお、ここで、上下の表現は断面図でミラー基板(6)のミラー面を上として表現している)。このような構造のミラー部は、ミラー固定用ベース(8)に両端で固定されている。
【0035】
ところで、このような構造で、電極(4)を接地し、左右に分かれた個別電極(5)の−方にプラスの電圧をかけ、他方にマイナスの電圧をかけたとすると、ミラー基板(6)の断面にあたる部分は、例えば図14(b)に示すような断面形状になる。個別電極(5)に逆電圧をかけた場合には、その逆の形状になる。
【0036】
つまり、ミラー基板(6)は電圧がかかっても伸び縮みしないが、圧電材料(2)は電圧がかかれば伸び縮みするため、個別電極(5)にプラスの電圧を加えた場合、その部分の圧電材料(2)が横方向に縮むとすると、マイナス電圧をかけた場合には、その部分の圧電材料(2)は横方向に伸びることになり、個別電極(5)にプラスの電圧を加えた場合には、ミラー基板(6)のミラー材(1)の面は凸になり、個別電極(5)にマイナスの電圧を加えた場合には、ミラー基板(6)のミラー材(1)の面は凹になる。
【0037】
このような波面収差補正ミラーを図13に示すような光ピックアップの光軸上に設け制御することにより、チルトによるコマ収差を低減することが可能になる。
【0038】
なお、図13において、(10)は波面収差補正ミラー、(11)は光ディスク、(12)は対物レンズ及び対物光学系、(13)立ち上げミラー、(14)は偏光ビームスプリッタ、(15)はレーザ素子及びレーザ光学系、(16)は光検出素子及び光検出光学系である。
【0039】
図13の光ピックアップでは、レーザー素子(15)から発せられたレーザー光は、レーザ光学系により平行光にされ偏光ビームスプリッタ(14)を通り、波面収差補正ミラー(10)で反射され、立ち上げミラー(13)でさらに反射され、対物レンズ及び対物光学系(12)で集光され、光ディスク(11)に焦点を結ぶ。
【0040】
また、光ディスク(11)から反射したレーザ光は、対物レンズ及び対物光学系(12)を通り、立ち上げミラー(13)で反射され、波面収差補正ミラー(10)で反射され、偏光ビームスプリッタ(14)を通り、光検出光学系で集光され、光検出素子(16)で検出される。この検出素子にはチルト検出用の検出素子も設置されている。
【0041】
このような光学系で、光ディスク(11)がレーザ光の光軸に対し垂直な位置から傾くと、光ディスクから反射して戻ってきたレーザ光の波面は乱れ、例えば図14(a)に示すような波面収差(コマ収差)が発生する。ここで横軸は例えば図12(a)に示す波面収差補正ミラーのA−A’断面と同一断面であり、縦軸は波面収差である。つまり、図13の光学系で、光ディスク(11)がチルトしたときに波面収差補正ミラー(10)のミラー面は平らであり、そこで反射した反射光の波面収差である。ちなみに、光ディスク(11)がレーザ光の光軸に対し垂直であれば、波面は図14(a)に示すような収差は発生せず、横軸と同じでまっすぐになる。図19は波面の面方向を等高線で表した図であり、A−A’断面が図14(a)のようになっている。
【0042】
図14(b)は波面収差補正ミラー(10)を故意に収差を発生させるよう動作させ、その反射光の波面収差を表した例である。ここで、横軸は例えば図12(a)に示す波面収差補正ミラーのミラー表面のA−A’断面と同一断面であり、縦軸は波面収差である。
【0043】
いま仮に、光ディスクが傾き、ディスクからの反射光の波面が図14(a)であったとする。ディスクが傾いていない時の反射光の波面が図14(b)のようになるよう波面収差補正ミラーを制御すれば、波面収差補正ミラーから反射された反射光の波面は図14(c)のようになり、図14(a)にくらべ波面収差を低減させることが可能となる。
【0044】
しかし、このような構造の波面収差補正ミラーは、ミラー基板(6)を薄くすると、その非対称な形状から温度の影響を受けやすくなり、例えば室温から温度が上昇したとき図12(c)に示すように平面度は悪くなってしまうという不具合を生じる。平面度が悪くなると、本来波面収差を低減させたい変形形状に変形させることができなくなる。例えば、図12(c)のように変形したミラーで波面収差補正の形状に変形させようとすると、図20(a)のような変形形状になってしまい、本来変形したい形状の20(b)とは違う形状になってしまう。
【0045】
最近のPC(パーソナルコンピューター)などは室温から60℃くらいまで温度上昇するため、このような不具合が出る可能性が高い。
【0046】
このため、電極に直接オフセット電圧などを与えることで平面度を良くする方法もあるが、本発明では、これらの温度によるミラーの平面度への影響を少なくするため、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための構造を設けている。
【0047】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図12(a),(b)に示したミラー面が変位する波面収差補正ミラーの例と同じである。
【0048】
図1を参照すると、図12(a),(b)に示したものと同様に、ミラー基板(6)には、ミラー材(図示せず)が付いており、その反対側の面には絶縁層(図示せず)が付いている。そして、絶縁層の下には、共通電極(図示せず)が付いており、その下に、圧電極性が一方向の圧電材料(2)が付いて、さらにその下に、左右に分かれた個別電極(5)が付いている(なお、ここで、上下の表現は断面図でミラー基板(6)のミラー面を上として表現している)。このような構造のミラー部は、ミラー固定用ベース(8)に両端のミラー固定部(3)で固定されている。
【0049】
ところで、図1の波面収差補正ミラーでは、ミラー基板(6)のミラー面側には、圧電材料(2)とほぼ同形状(ただし厚さは違う)の透明な抑制層(21)が設けられている。
【0050】
図2は熱膨張によるミラー基板の変形を説明するための図である。なお、図2では、見やすくするため、厚さをより誇張し、ミラー固定用ベース(8)は省略した。また、使用しているミラー固定用ベース(8)はミラー基板(6)と同じ材質である。
【0051】
図12(a),(b)に示したような従来構造の場合、ミラー基板(6)と圧電材料(2)との熱膨張率がミラー基板(6)<圧電材料(2)のように違っているとすると、温度上昇が起きると、図2のように、圧電材料(2)のほうが大きく横に伸びるためミラー面は凹になるように撓む(矢印の長さは熱膨張率の大きさを表している)。一方、図3のように、ミラー基板(6)の反対側に同じ形状の同じ材料(例えば圧電材料)を設けると、ミラー基板(6)が撓むことはないが、圧電材料(2)のように組成が粗い材料では研磨してもミラーとして使えない。また、図4のように、ミラー基板(6)として、圧電材料(2)とほぼ同じ熱膨張率の基板を使用すれば、ミラー基板(6)はほとんど撓まないが、そのように都合の良い材料はなかなかなく、あったとしてもかなり限定される可能性が高い。
【0052】
これに対し、図1で示した本発明の構造であれば、図5に示すように、温度上昇が起きて、圧電材料(2)がミラー基板(6)より横に伸びようとする力が発生しても、ミラー基板(6)の反対側に、それをキャンセルするするような抑制層(21)が最適な厚さで設けられているため(この抑制層(21)の熱膨張率はミラー基板(6)<抑制層(21)にしている)、抑制層(21)がミラー基板(6)より横に伸びようとする力が発生することで、お互いの力がキャンセルし合い、ミラー基板(6)はほとんど撓まなくなる。
【0053】
なお、このような抑制層(21)を設ける場合にも、光源からの光がミラー基板(6)のミラー面で直接反射するようにミラー面側の抑制層(21)には光源の波長に対して透明な材料を使用しているため、図3に示したようにミラーとして使えなくなるようなことはない。また、使用する抑制層(21)は透明であれば良いので、抑制層(21)に使用する材料の熱膨張率に応じて抑制層(21)の厚さをコントロールすることで、ミラー基板(6)をほとんど撓まなくすることが可能となる。
【0054】
なお、一例として、ミラー基板(6)としてはSi(シリコン)を用い、また、圧電材料(2)としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、抑制層(21)としてはガラスであるBK7を用いることができる。ここで、ガラスの熱膨張率はPZTよりも大きいため、ガラスの厚さをPZTよりも薄くできる。
【0055】
また、別の例として、ミラー基板(6)としてはSi(シリコン)を用い、圧電材料(2)としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、抑制層(21)としては高分子樹脂であるPET(ポリエチレンテレフタレート)を用いることもできる。ここで、PETはガラスよりも熱膨張率が大きいので、抑制層(21)の厚さをさらに薄くでき、抑制層(21)の厚さによるミラー反射面の光学的劣化の影響を最小限に抑えることができる。また、PETはガラスよりも柔らかいため、収差補正するためにミラー基板(6)を変形させてもその変形量にほとんど影響を及ばさない。PETはフィルムとしていろいろな厚さに作製しやすいので、抑制層(21)によって、熱膨張におけるミラー基板(6)の変形を最低限に抑えることが可能となる。
【0056】
(第2の実施形態)
図6は本発明の第2の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。図6の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図12(a),(b)に示したミラー面が変位する波面収差補正ミラーの例と同じである。
【0057】
図6を参照すると、図12(a),(b)に示したものと同様に、ミラー基板(6)にはミラー材(図示せず)が付いており、その反対側の面には、絶縁層(図示せず)が付いている。そして、絶縁層の下には、共通電極(図示せず)が付いており、その下に、圧電極性が一方向の圧電材料(2)が付いて、さらにその下に、左右に分かれた個別電極(5)が付いている(なお、ここで、上下の表現は断面図でミラー基板(6)のミラー面を上として表現している)。このような構造のミラー部はミラー固定用ベース(8)に両端のミラー固定部(3)で固定されている。
【0058】
ところで、図6の波面収差補正ミラーでは、ミラー基板(6)のミラー面側には、圧電材料(2)とほぼ同形状(ただし厚さは違う)の抑制層(1)が設けられている。
【0059】
この図6の構成例も、図5で示した構成例と同様に、ミラー基板(6)と圧電材料(2)との熱膨張率が違い、熱膨張率がミラー基板(6)< 圧電材料(2)の関係であるとすると、温度上昇が起き、圧電材料(2)がミラー基板(6)より横に伸びようとする力が発生しても、ミラー基板(6)の反対側に、それをキャンセルするような抑制層(1)が最適な厚さで設けられているため(この抑制層(1)の熱膨張率はミラー基板(6)<抑制層(1)にしている)、抑制層(1)がミラー基板(6)より横に伸びようとする力が発生することで、お互いの力がキャンセルし合いミラー基板(6)はほとんど撓まなくなる。
【0060】
ところで、この第2の実施形態では、光源からの光が抑制層(1)の表面で反射するように、抑制層(1)はミラー材で形成されている。すなわち、第2の実施形態では、抑制層(1)として、表面をミラー面として使用できるミラー材を使用しているため、図3に示したようなミラーとして使えなくなるようなことはない。また、使用する抑制層(1)としてのミラー材は平面度が良く反射率が高ければ良いので、ミラー材に使用する材料の熱膨張率に応じてミラー材の厚さをコントロールすることで、ミラー基板(6)をほとんど撓まなくすることが可能となる。
【0061】
なお、ミラー基板(6)としてはSi(シリコン)を用い、圧電材料(2)としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、抑制層(1)としてのミラー材としてはアルミニュウムを用いることができる。
【0062】
(第3の実施形態)
図7は本発明の第3の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。図7の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図12(a),(b)に示したミラー面が変位する波面収差補正ミラーの例と同じである。
【0063】
図7を参照すると、ミラー基板(6)には、ミラー材(図示せず)が付いており、その反対側の面には、絶縁層(図示せず)が付いている。そして、絶縁層の下には、圧電材料(2)とほぼ同じ形状(厚さは除く)の抑制層(22)が設けられている。そして、その下には、共通電極(図示せず)が付いており、その下に、圧電極性が一方向の圧電材料(2)が付いて、さらにその下に、左右に分かれた個別電極(5)が付いている(なお、ここで、上下の表現は断面図でミラー基板(6)のミラー面を上として表現している)。このような構造のミラー部はミラー固定用ベース(8)に両端のミラー固定部(3)で固定されている。
【0064】
図7の波面収差補正ミラーでは、図8に示すように、ミラー基板(6)と圧電材料(2)との熱膨張率が違い、熱膨張率がミラー基板(6)<圧電材料(2)の関係であるとすると、温度上昇が起き、圧電材料(2)がミラー基板(6)より横に伸びようとしても、ミラー基板(6)と圧電材料(2)との間に、それをキャンセルするするような抑制層(22)が最適な厚さで設けられているため(この抑制層(22)の熱膨張率は、抑制層(22)<ミラー基板(6)<圧電材料(2)にしている)、圧電材料(2)が横に伸びようとしても抑制層(22)で抑えられるのでミラー面を凹にする力が発生し、かつ、ミラー基板(6)が伸びようとしても抑制層(22)で抑えられので、ミラー面を凸にする力が発生しても、お互いの力がキャンセルし合う方向にはたらくので、ミラー基板(6)はほとんど撓まなくなる。ここで、抑制層(22)に使用する材料の熱膨張率によって抑制層(22)の厚さをコントロールすることで、ミラー基板(6)をほとんど撓まなくすることが可能となる。
【0065】
なお、一例として、ミラー基板(6)としてはSi(シリコン)を用い、圧電材料(2)としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、抑制層(22)としてはSiOである石英を用いることができる。
【0066】
また、別の例として、ミラー基板(6)としてはSi(シリコン)を用い、圧電材料(2)としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、抑制層(22)としては鉄ニッケル合金(Fe64,Ni36)であるアンバを用いることもできる。ここで、鉄ニッケル合金は金属であり、薄く伸ばしやすいため、いろいろな厚さに作製しやすいので、抑制層(22)によって、熱膨張におけるミラー基板(6)の変形を最低限に抑えることが可能となる。
【0067】
(第4の実施形態)
図9は本発明の第4の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。図9の波面収差補正ミラーも、基本構造は、図12(a),(b)に示したミラー面が変位する波面収差補正ミラーの例と同じである。
【0068】
図9を参照すると、ミラー基板(6)には、ミラー材(図示せず)が付いており、その反対側の面には、絶縁層(図示せず)が付いている。そして、絶縁層の下には、圧電材料(2)とほぼ同じ形状(厚さは除く)の抑制層(23)が設けられている。そして、その下には、共通電極(図示せず)が付いており、その下に、圧電極性が一方向の圧電材料(2)が付いて、さらにその下に、左右に分かれた個別電極(5)が付いている(なお、ここで、上下の表現は断面図でミラー基板(6)のミラー面を上として表現している)。さらにその下には、ミラー基板(6)の変形が検知できるように変形度検知センサ(24)が設けられている。このような構造のミラー部はミラー固定用ベース(8)に両端のミラー固定部(3)で固定されている。
【0069】
図9の波面収差補正ミラーでは、図10に示すように、ミラー基板(6)と圧電材料(2)との熱膨張率が違い、熱膨張率がミラー基板(6)<圧電材料(2)の関係であるとすると、温度上昇が起き、圧電材料(2)がミラー基板(6)より横に伸びようとしても、ミラー基板(6)と圧電材料(2)との間に、それをキャンセルするするような伸縮コントロールできる抑制層(23)が設けられているため(この抑制層(23)は、変形度検知センサ(24)からミラー基板(6)の変形情報を得て、それを補正するよう横方向に伸縮変形する)、圧電材料(2)が横に伸びようとしても抑制層(23)で抑えられるのでミラー面を凹にする力が発生し、かつ、ミラー基板(6)が横に伸びようとしても抑制層(23)で抑えられるので、ミラー面を凸にする力が発生しても、お互いの力がキャンセルし合う方向にはたらき、ミラー基板(6)はほとんど撓まなくなる。ここで、抑制層(23)に使用する材料の伸縮によって、ミラー基板(6)をほとんど撓まなくすることが可能となる。
【0070】
なお、一例として、ミラー基板(6)としてはSi(シリコン)を用い、圧電材料(2)としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、抑制層(23)としてはPZTを用いることができる。
【0071】
また、別の例として、ミラー基板(6)としてはSi(シリコン)を用い、圧電材料(2)としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用い、抑制層(23)としては圧電性高分子であるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いることができる。ここで、PVDFは薄く伸ばしやすいためいろいろな厚さに作製しやすく、さらにPZTよりも柔らかいので、収差補正するためにミラー基板(6)を変形させてもその変形量にほとんど影響を及ばさない。抑制層(23)によって、熱膨張におけるミラー基板(6)の変形を最低限に抑えることが可能となる。
【0072】
(第5の実施形態)
図11は本発明の第5の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。図11の波面収差補正ミラーも、層構成は図9に示したものと同じであるが、図11の波面収差補正ミラーでは、抑制層(23)が複数に分割されている。これにより、変形度検知センサ(24)で得られた情報に基づき、さらに細かい伸縮コントロールができるので、抑制層(23)によって、熱膨張におけるミラー基板(6)の変形をさらに最低限に抑えることが可能となる。
【0073】
以上、本発明の各構成例を示したが、本発明はこれらの構成例にとどまることなく、あらゆる組み合わせや応用ができることはいうまでもない。例えば、ミラー構造として、ミラー4辺の内の2辺を固定しているミラー構造を示したが、4辺固定の構造のものでも良いし、ミラー中心付近の一点固定構造のものでも良い。また、共通電極としたところは個別電極でも良いし、圧電材料はミラー基板と同じ大きさにして電極だけ必要なサイズにしても良いし、電極と同じ大きさの圧電材料を複数個用いても良い。また、上述した例では、変形度検知センサ(24)の位置を厚み方向に設置していたが、平面方向に設置しても良い。また、温度とミラー基板(6)の変形度との関係があらかじめわかっていれば、変形度検知センサ(24)ではなく、温度センサを使用しても良い。さらに、使用光学系の説明として、波面収差補正ミラー(10)と立ち上げミラー(13)を別々にした例で説明したが、立ち上げミラーに波面収差補正ミラーを直接用いても良い。また、レーザ光学系(15)と光検出光学系(16)を別々にした例で説明したが、レーザ光学系(15)と光検出光学系(16)が一体になっている光学系でも良い。
【0074】
このように、本発明は、ミラー基板のミラー面を圧電材料によって変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が設けられていることを特徴としている。
【0075】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層の熱膨張率は、ミラー基板を変位させる圧電材料の熱膨張率とは異なることを特徴としている。
【0076】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、ミラー基板のミラー面側に設けられていることを特徴としている。
【0077】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、使用する光源の波長に対して透明であることを特徴としている。
【0078】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、透明なガラスであることを特徴としている。
【0079】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、透明な高分子樹脂であることを特徴としている。
【0080】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、ミラー材そのものであることを特徴としている。
【0081】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、圧電材料とミラー基板の間に設けられていることを特徴としている。
【0082】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層と圧電材料とミラー基板の熱膨張率の関係が、
抑制するための層の熱膨張率<ミラー基板の熱膨張率<圧電材料の熱膨張率
であることを特徴としている。
【0083】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、石英(SiO)であることを特徴としている。
【0084】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、鉄ニッケル合金であることを特徴としている。
【0085】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、圧電材料とミラー基板との間に設けられており、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が伸縮コントロールできる材料であることを特徴としている。
【0086】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、伸縮コントロールできる材料は、圧電材料であることを特徴としている。
【0087】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、圧電材料がPZTであることを特徴としている。
【0088】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、圧電材料が圧電性高分子であることを特徴としている。
【0089】
また、本発明は、上述の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が複数に分割されているか、または、電極が複数に分割されていることを特徴としている。
【0090】
このような構成により、本発明の波面収差補正ミラーは、温度変化に対しミラー基板の変形が少なくなり、ミラー面の平面度を良い状態に保つことができる。
【0091】
また、本発明の光ピックアップは、レーザ光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、上述した本発明の波面収差補正ミラーを用いることを特徴としている。
【0092】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1記載の発明によれば、ミラー基板のミラー面を圧電材料によって変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が設けられているので、熱膨張が発生してミラー基板を変形させる力が発生しても、全体でキャンセルするようになり、温度変化に対してミラーの平面度の変化を小さくすることができる。
【0093】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層の熱膨張率は、ミラー基板を変位させる圧電材料の熱膨張率とは異なるので、材料の種類が選べ、抑制層の厚さも薄くすることができる。
【0094】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、ミラー基板のミラー面側に設けられているので、抑制層の厚さをコントロールすれば熱膨張率をそれほど気にせずに材料が選ぶことができる。
【0095】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、使用する光源の波長に対して透明であるので、光源からの光を本来のミラー面で反射することができる。
【0096】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、透明なガラスであるので、光源からの光を本来のミラー面で反射することができる。
【0097】
また、請求項6記載の発明によれば、請求項4記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、透明な高分子樹脂であるので、光源からの光を本来のミラー面で反射することができ、さらに柔らかいので、補正のためのミラー変位量への影響も少なくすることができる。
【0098】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、ミラー材そのものであるので、透明抑制層よりも光学的な悪影響が小さい。
【0099】
また、請求項8記載の発明によれば、請求項2記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、圧電材料とミラー基板との間に設けられているので、反射面として本来のミラー面がそのまま使え、かつ、温度変化による平面度の劣化を抑えることができる。
【0100】
また、請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層と圧電材料とミラー基板の熱膨張率の関係が、
抑制するための層の熱膨張率<ミラー基板の熱膨張率<圧電材料の熱膨張率
であるので、温度変化による平面度の劣化を抑えることができる。
【0101】
また、請求項10記載の発明によれば、請求項9記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、石英(SiO)であるので、熱膨張が小さく、温度変化による平面度の劣化を抑えることができる。
【0102】
また、請求項11記載の発明によれば、請求項9記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、鉄ニッケル合金であるので、熱膨張が小さく、温度変化による平面度の劣化を抑えることができる。
【0103】
また、請求項12記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、圧電材料とミラー基板との間に設けられており、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が伸縮コントロールできる材料であるので、温度変化に対し、ミラー面の平面度のコントロールすることができる。
【0104】
また、請求項13記載の発明によれば、請求項12記載の波面収差補正ミラーにおいて、伸縮コントロールできる材料は、圧電材料であるので、温度変化に対し、ミラー面の平面度を電圧によってコントロールすることができる。
【0105】
また、請求項14記載の発明によれば、請求項13記載の波面収差補正ミラーにおいて、圧電材料がPZTであるので、温度変化に対し、ミラー面の平面度のコントロールができ、材料も補正用PZTと同じ材料を使うことができる。
【0106】
また、請求項15記載の発明によれば、請求項13記載の波面収差補正ミラーにおいて、圧電材料が圧電性高分子であるので、温度変化に対し、ミラー面の平面度のコントロールができ、さらに柔らかいので、補正のためのミラー変位量への影響も少なくすることができる。
【0107】
また、請求項16記載の発明によれば、請求項12記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が複数に分割されているか、または、電極が複数に分割されているので、より細かいミラー面の平面度のコントロールが可能となる。
【0108】
また、請求項17記載の発明によれば、レーザ光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーを用いることを特徴とする光ピックアップであるので、温度変化に対し、信頼性の良い光ピックアップを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図2】熱膨張によるミラー基板の変形を説明するための図である。
【図3】ミラー基板の反対側に同じ形状の同じ材料(例えば圧電材料)を設けた場合を示す図である。
【図4】ミラー基板として、圧電材料とほぼ同じ熱膨張率の基板を使用する場合を示す図である。
【図5】図1の波面収差補正ミラーの動作を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図8】図7の波面収差補正ミラーの動作を説明するための図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図10】図9の波面収差補正ミラーの動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第5の実施形態の波面収差補正ミラーの構成例を示す図である。
【図12】ミラー面が変位する波面収差補正ミラーの一例を示す図である。
【図13】光ピックアップの構成例を示す図である。
【図14】波面収差を説明するための図である。
【図15】従来技術を説明するための図である。
【図16】従来技術を説明するための図である。
【図17】従来技術を説明するための図である。
【図18】CV,DVDのディスクを示す図である。
【図19】反射膜の面を等高線で表した図である。
【図20】波面収差補正の形状変形を説明するための図である。
【符号の説明】
1     ミラー材
2     圧電材料
3     ミラー固定部
4     共通電極
5     個別電極
6     ミラー基板
7     絶縁層
8     ミラー固定用ベース
10    波面収差補正ミラー
11    光ディスク
12    対物レンズ及び対物光学系
13    立ち上げミラー
14    偏光ビームスプリッタ
15    レーザ素子及びレーザ光学系
16    光検出素子及び光検出光学系
21,22,23    抑制層
101a, 101b     対物レンズ
102a,102b     ディスク
103a,103b     スポット(コマ収差)
108     記録層

Claims (17)

  1. ミラー基板のミラー面を圧電材料によって変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が設けられていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  2. 請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層の熱膨張率は、ミラー基板のミラー面を変位させる圧電材料の熱膨張率とは異なることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  3. 請求項2記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、ミラー基板のミラー面側に設けられていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  4. 請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、使用する光源の波長に対して透明であることを特徴と波面収差補正ミラー。
  5. 請求項4記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、透明なガラスであることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  6. 請求項4記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、透明な高分子樹脂であることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  7. 請求項3記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、ミラー材そのものであることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  8. 請求項2記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、圧電材料とミラー基板との間に設けられていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  9. 請求項8記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層と圧電材料とミラー基板の熱膨張率の関係が、
    抑制するための層の熱膨張率<ミラー基板の熱膨張率<圧電材料の熱膨張率
    であることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  10. 請求項9記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、石英(SiO)であることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  11. 請求項9記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、鉄ニッケル合金であることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  12. 請求項1記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層は、圧電材料とミラー基板との間に設けられており、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が伸縮コントロールできる材料であることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  13. 請求項12記載の波面収差補正ミラーにおいて、伸縮コントロールできる材料は、圧電材料であることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  14. 請求項13記載の波面収差補正ミラーにおいて、圧電材料がPZTであることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  15. 請求項13記載の波面収差補正ミラーにおいて、圧電材料が圧電性高分子であることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  16. 請求項12記載の波面収差補正ミラーにおいて、熱膨張によるミラー基板の変形を抑制するための層が複数に分割されているか、または、電極が複数に分割されていることを特徴とする波面収差補正ミラー。
  17. レーザ光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段を有し、該収差補正手段として、請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーが用いられていることを特徴とする光ピックアップ。
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