JP2004107831A - 再生セルロース系繊維 - Google Patents

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Masanori Nakagawa
中川 政則
Terutake Jitsumatsu
實松 照剛
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Abstract

【課題】再生セルロース系繊維の染色性を損なうことのない、難フィブリル化再生セルロース系繊維及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】洗濯及び乾燥のサイクルを10回繰り返した後のフィブリル化度が3級以上であることを特徴とする再生セルロース系繊維、及び再生セルロース系繊維のセルロース末端基を、末端にクロルヒドリン基を有する化合物と反応させてセルロースを架橋させることを特徴とする再生セルロース系繊維の製造方法。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生セルロース系繊維及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、繊維製品の製造段階及び家庭洗濯等で発生するフィブリル化によるスレ又はスレによる白化が抑制された再生セルロース系繊維及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銅アンモニア法レーヨン繊維(以下、キュプラ繊維、ともいう)は、微細構造特性上、セルロース繊維の中でもフィブリル化しやすい。フィブリル化とは、1本の繊維を構成している微細繊維が繊維の長さ方向に割れ、これにより繊維表面が乱反射によって白化する現象であり、一般に「スレ」と呼ばれ、外観品位検査の欠点として挙げられている。
キュプラ繊維は、ビスコースレヨン繊維に比べ強度が強く、セルロース繊維特有の風合いを有している一方、単繊維構造が、ビスコースレヨンのようなスキン−コア構造がなく、均一で密な繊維断面を有しているために、摩耗により、フィブリル化しやすい。
フィブリル化を防止する手段として、繊維自体の化学的処理によるフィブリル化防止方法が多く提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の方法は、通常行われている樹脂加工と同様に、繊維の柔軟性を損なうため、実用的に満足できるものではなかった。
特許文献2には、エポキシ系樹脂、酸性触媒及びポリエチレングリコールを含む水溶液で繊維を処理した後、染色する方法が提案されている。この方法によると、再生セルロース系繊維のフィブリル化は防止されるが、セルロース用染料である直接染料又は反応性染料を用いた染色において、色の再現性に乏しい、リスティング等の濃淡差が発生する、等により、均染化が困難であった。
特許文献3には、カチオン性を有する処理剤で処理する精製セルロース繊維のフィブリル化防止方法が提案されている。この方法によると、繊維のフィブリル化は防止されるが、セルロース用染料である直接染料又は反応性染料を用いた染色において、均染化が困難な場合があり、特に、濃色での発色性の向上はが期待されない、という問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−137384号公報
【特許文献2】
特開平10−237765号公報
【特許文献3】
特開平11−279944号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決し、再生セルロース系繊維の染色性を損なうことのない、難フィブリル化再生セルロース系繊維及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のとおりである。
(1) 洗濯及び乾燥のサイクルを10回繰り返した後のフィブリル化度が3級以上であることを特徴とする再生セルロース系繊維。
(2) 再生セルロース系繊維のセルロース末端基を、末端にクロルヒドリン基を有する化合物と反応させてセルロースを架橋させることを特徴とする再生セルロース系繊維の製造方法。
(3) 再生セルロース系繊維が、綿状又はスライバー状であることを特徴とする(2)に記載の再生セルロース系繊維の製造方法。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の再生セルロース系繊維としては、銅アンモニア法レーヨン繊維、ポリノジックレーヨン繊維等が挙げられる。
本発明の再生セルロース繊維は、洗濯及び乾燥を10回繰り返した後のフィブリル化度が3級以上、好ましくは4級以上である。フィブリル化度が3級未満では、この繊維を用いた製品の使用中及び家庭洗濯によりフィブリル化を生じ、ひいては白化して繊維表面が「スレ」となる。
本発明において、再生セルロース繊維のフィブリル化度は、後に記載する方法により編物に製編し、AATCC124法に準じた方法で洗濯と乾燥を10回繰り返した後のフィブリル化の程度を、変退色グレースケールを用いて判定することによって求められる。
【0008】
次に、本発明の再生セルロース系繊維を製造する方法について説明する。本発明の再生セルロース繊維は、再生セルロース繊維を、末端にクロルヒドリン基を有する化合物(以下、クロルヒドリン化合物、という)により処理することにより、セルロースと反応させ、セルロースを架橋させることによって製造される。
【0009】
クロルヒドリン化合物としては、アルキレングリコールポリ(3−クロロー2−ヒドロキシプロピル)エーテルを含む化合物が好ましく、特に、ポリエチレングリコールポリ(3−クロロー2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ポリプロピレングリコールポリ(3−クロロー2−ヒドロキシプロピル)エーテル、グリセリンポリ(3−クロロー2−ヒドロキシプロピル)エーテルが好ましい。
セルロースの末端基を、クロルヒドリン化合物と反応させてセルロースを架橋させる方法としては、アルカリ剤溶液と再生セルロース繊維とを接触させる方法が用いられる。接触手段としては、クロルヒドリン化合物を含むアルカリ剤溶液をセルロース繊維に吸収させる方法(吸収法)、アルカリ剤溶液中に再生セルロース繊維を浸漬する方法(ディップ法)等が挙げられる。
【0010】
アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム等が挙げられる。
アルカリ剤溶液中の、クロルヒドリン化合物の濃度は10〜120g/Lであることが好ましく、吸収法においては、10〜100g/L、ディップ法においては30〜120g/Lが好ましい。クロルヒドリン化合物の濃度が10g/L未満では、フィブリル抑制効果が不十分な場合があり、120g/Lを越えると、処理による変色が生じやすくなる。アルカリ剤の添加量は、クロルヒドリン化合物に対して1/10〜1/3倍の範囲であることが好ましい。
【0011】
反応温度及び時間は、吸収法の場合、80〜95℃で30〜60分、ディップ法の場合、処理液を付与した後、処理物をポリエチレンシートにてラッピングした後、20〜30℃で10〜20時間処理することが好ましい。
再生セルロース系繊維の形態は、綿状、スライバー状、糸、編織物等であってもよく、綿状、スライバー状又は糸が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
本発明に用いられる評価方法は以下のとおりである。
(1)フィブリル化度測定用編物の製造
(紡績糸の製造)
綿又はスライバーを常法により紡績して40綿番手単糸を作成する。
(フィラメント糸及び紡績糸の製編)
下記に示す所定のゲージにて天竺編物を作成する。
フィラメント糸の場合、22dtex以上、60dtex未満の場合は38ゲージ、60以上、135dtex未満の場合は30ゲージ、135以上、270dtex未満の場合は20ゲージである。紡績糸の場合は20ゲージである。
【0013】
(2)フィブリル化度評価
編物を常法により精練した後、Sumifix Blue BRF150%gran(住化染料テック社製 反応性染料 CI.REACTIVE BLUE221)を5%omf、硫酸ナトリウムを50g/L、炭酸ナトリウムを15g/L、浴比1:20、60℃で60分染色した後、中和・水洗し、80℃で30分乾燥する。次に、染色編物をAATCC−124法に示される下記の試験法に準じて10回の繰り返し洗濯を行った後、フィブリルの度合いを変退色グレースケールを準用して判定し、以下の基準で評価する。
▲1▼AATCC−124法
Machine Cycle:Nomal/Cotton Sturdy(洗濯温度:41±3℃)
乾燥 タンブルドライ:Cotton Sturdy
判定基準は以下の通りとする。
1級:フィブリル化が大きい。
2級:フィブリル化があり。
3級:フィブリル化が僅かに認められる。
4級:フィブリル化がほとんど認められない。
5級:フィブリル化が認められない。の5段階にて表示した。
なお、3級以上を合格とする。
【0014】
【実施例1】
ベンベルグ(登録商標、旭化成(株)製のキュプラ繊維)135dtex/2本(撚数s500t/m)をSSPワインダー(神津(株)製)を用いて、巻密度0.35g/cmでチーズ状に500g巻き上げた。続いて、こおnチーズをパッケージ染色機(日阪製作所製)に装填し、グリセリンポリ(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル30gとステアリルアルコールエチレンオキサイド20gを1Lの水に混合した溶液を添加し、室温で10分処理した。次いで、水酸化ナトリウム3g/L及び硫酸ナトリウム120g/Lの割合で処理液に添加したのち、浴比1:15にて、95℃まで2℃/分で昇温した後、95℃で30分処理し、80℃まで降温し、排液した。続いて、80℃で10分湯洗いした後、酢酸3cc/Lにて、40℃で10分中和した。更に、再度80℃で10分の湯洗いを2回実施した後、加圧脱水して、80℃で60分間乾燥した。
【0015】
得られた処理糸を用いて、(1)フィブリル化度測定用編物の製造方法に準じて15ゲージで天竺編物を試編した。
この編物を(2)フィブリル化度評価法に準じて、精練・染色・乾燥した後、評価した結果、フィブリル化度は3級であった。
【0016】
【実施例2】
スパンベンベルグ(登録商標、旭化成(株)製のキュプラ繊維)40綿番手単糸をワインダーを用いて巻密度0.37g/cmチーズ状に500g巻き上げた。続いて、実施例1と同条件にてフィブリル防止処理を行った。
得られた処理糸を用いて、(1)フィブリル化度測定用編物の製造方法に準じて、20ゲージで天竺編物を試編した。この編物を(2)フィブリル化度評価法に準じて、精練・染色・乾燥した後、評価した結果、フィブリル化度は4級であった。
【0017】
【実施例3】
ベンベルグ(登録商標、旭化成(株)製のキュプラ繊維)1.4dt×38mmのスライバー500gをネットに充填し、続いて、実施例1と同条件にてフィブリル防止処理を行った。
得られた処理綿を用いて上記の方法により紡績し、40綿番手単糸を得た。この紡績糸を用いて、(1)フィブリル化度測定用編物の製造方法に準じて、20ゲージで天竺編物を試編した。この編物を(2)フィブリル化度評価法に準じて、精練・染色・乾燥した後、評価した結果、フィブリル化度は4級であった。
【0018】
【比較例1】
ベンベルグ(登録商標、旭化成(株)製のキュプラ繊維)135dtex/2本(撚数s500t/m)を用いて(1)フィブリル化度測定用編物の製造方法に準じて、20ゲージで天竺編物を試編した。
この編物を(2)フィブリル化度評価法に準じて、精練・染色・乾燥した後、評価した結果、フィブリル化度は2級であった。
【0019】
【比較例2】
スパンベンベルグ(登録商標、旭化成(株)製のキュプラ繊維)40綿番手/単糸を用いて(1)フィブリル化度測定用編物の製造方法に準じて、20ゲージで天竺編物を試編した。この編物を(2)フィブリル化度評価法に準じて、精練・染色・乾燥した後、評価した結果、フィブリル化度は1級であった。
【0020】
【発明の効果】
本発明により、フィブリル化を抑制することのできる再生セルロース系繊維及びその製造方法を提供できる。

Claims (3)

  1. 洗濯及び乾燥のサイクルを10回繰り返した後のフィブリル化度が3級以上であることを特徴とする再生セルロース系繊維。
  2. 再生セルロース系繊維のセルロース末端基を、末端にクロルヒドリン基を有する化合物と反応させてセルロースを架橋させることを特徴とする再生セルロース系繊維の製造方法。
  3. 再生セルロース系繊維が、綿状又はスライバー状であることを特徴とする請求項2記載の再生セルロース系繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102021710A (zh) * 2010-12-20 2011-04-20 孚日集团股份有限公司 一种生产酮氨丝纺织产品的方法

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