JP2004107289A - ビニルスルフィド化合物の製造法 - Google Patents

ビニルスルフィド化合物の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004107289A
JP2004107289A JP2002274799A JP2002274799A JP2004107289A JP 2004107289 A JP2004107289 A JP 2004107289A JP 2002274799 A JP2002274799 A JP 2002274799A JP 2002274799 A JP2002274799 A JP 2002274799A JP 2004107289 A JP2004107289 A JP 2004107289A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
group
lower alkyl
lewis acid
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002274799A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Tanabe
田辺 陽
Jun Sunakawa
砂川 洵
Akira Sasaki
佐々木 章
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd filed Critical Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Priority to JP2002274799A priority Critical patent/JP2004107289A/ja
Publication of JP2004107289A publication Critical patent/JP2004107289A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】下記式(II)で表わされるビニルスルフィド化合物の工業的製法。
【解決手段】式:
【化1】
Figure 2004107289

(式中、RおよびRは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を、Rはエステル残基を、XおよびYはCHまたは窒素原子を、RおよびRは水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、またはXあるいはYが窒素原子である場合のアミノ基の保護基を表すか、あるいはR、R、XおよびYが一緒になって置換基を有していてもよい4〜7員の環状構造を表す。)
で表される化合物をルイス酸とルイス塩基、およびメルカプタン化合物(R−SH)(式中、Rは有機基を表す。)で処理することを特徴とする
式:
【化2】
Figure 2004107289

(式中、R、R、R、R、X、Y、RおよびRは前掲に同じ。)
で表されるビニルスルフィド化合物の製造法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、β−ケトカルボン酸エステルを原料とし、種々の合成中間体、医薬品原料等として工業的に非常に有用なビニルスルフィド化合物を製造する方法に関する。特に、本方法はカルバペネム系抗菌剤の合成中間体として有用なカルバペネム誘導体を製造するのに適している。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビニルスルフィド化合物をカルボニル化合物より直接合成することは必ずしも容易ではなかった。例えば、非特許文献1には、各種ケトンを四塩化チタンとトリエチルアミンの存在下にメルカプタン化合物と縮合することで目的とするビニルスルフィド化合物を合成する方法が報告されているが、β−ケトカルボン酸エステルを反応基質とした反応例については記載されていない。一方、一般式(IV)で表されるビニルスルフィド化合物は抗菌剤として有用なカルバペネム誘導体であって一般式(III)で表されるβ−ケトカルボン酸エステルから対応するエノール誘導体を経て合成されるのが一般的であり、たとえば非特許文献2、非特許文献3、あるいは非特許文献4に記載の方法が公知である。しかしながら、エノール誘導体は化学的安定性に乏しい場合があって合成に低温条件を必要としたり、単離収率が低下したりする場合があった。
【0003】
【非特許文献1】
ケミストリー レターズ(Chemistry Letters)479−482頁(1973年)
【非特許文献2】
テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)21巻,2783−2786頁(1980年)
【非特許文献3】
テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)23巻,4903−4906頁(1982年)
【非特許文献4】
ヘテロサイクルズ(Heterocycles)21巻,29−40頁(1984年)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、β−ケトカルボン酸エステルからビニルスルフィド化合物を直接製造する工業的に有利な方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記式:
【化5】
Figure 2004107289
(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を、Rはエステル残基を、XおよびYは同一または異なって、CHまたは窒素原子を、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、またはXあるいはYが窒素原子である場合のアミノ基の保護基を表すか、あるいはR、R、XおよびYが一緒になって置換基を有していてもよい4〜7員の環状構造を表す。)
で表される五員環化合物をルイス酸とルイス塩基、およびメルカプタン化合物(R−SH)(式中、Rは有機基を表す。)で処理することを特徴とする
式:
【化6】
Figure 2004107289
(式中、R、R、R、R、X、Y、RおよびRは前掲に同じ。)
で表されるビニルスルフィド化合物の製造法に関する。
【0006】
本発明は、また下記式:
【化7】
Figure 2004107289
(式中、Rは水酸基の保護基、R、RおよびR前掲に同じ。)
で表されるβ−ラクタム化合物をルイス酸とルイス塩基、およびメルカプタン化合物(R−SH)(式中、Rは有機基を表す。)で処理することを特徴とする
式:
【化8】
Figure 2004107289
(式中、R、R、R、RおよびRは前掲に同じ。)
で表されるカルバペネム化合物の製造法にも関する。
本発明方法によれば、化合物(I)を、ルイス酸とルイス塩基、およびメルカプタン化合物(R−SH)で置換反応させることにより実施することができる。
本発明方法を反応式で示すと以下のとおりである。
【化9】
Figure 2004107289
(式中、R、R、R、R、X、Y、RおよびRは前掲に同じ。)
化合物(I)にルイス酸およびルイス塩基を作用させると、たとえば以下のような中間体が生成し、これを経由して本反応が進行するものと考えられる。
【化10】
Figure 2004107289
(式中、Mはルイス酸の金属原子部分、nは2−5を意味し、R、R、R、X、Y、RおよびRは前掲に同じ。)
β−ラクタム化合物(III)を原料に用いた場合もまったく同様である。
【化11】
Figure 2004107289
(式中、R、R、R、RおよびRは前掲に同じ。)
【0007】
以下に原料として用いられる式(I)あるいは(III)で表される化合物の置換基について説明する。
、R、RおよびRで示される低級アルキル基としてはメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル等の直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキルがあげられる。R、R、RおよびRにおける「置換されていてもよい低級アルキル基」の置換基としては、例えば水酸基、メルカプト基、(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)オキシ、(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)チオ、ホルミル、(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)カルボニル、ホルミルオキシ、(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)カルボニルオキシ、カルボキシル、(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)オキシカルボニル、炭素数3〜7の低級シクロアルキル、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、モノ−あるいはジ−(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ−あるいはジ−(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)アミド、カルバモイルオキシ、モノ−あるいはジ−(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)アミノカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0008】
これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。RおよびRにおけるアミノ基の保護基の例としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル等の炭素数1〜5の低級アルカノイル、クロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフロロアセチル等の炭素数2〜5のハロゲノアルカノイル、ベンゾイル、2−ピリジルカルボキシ、3−ピリジルカルボキシ等のアリールカルボニル、フェニルアセチル、3−フェニルプロピオニル等のアラルキルカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル等の(炭素数1〜5の低級アルキル)オキシカルボニル、例えば2−ヨウ化エチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル等の(炭素数1〜5のハロゲノアルキル)オキシカルボニル、例えばアリルオキシカルボニル等の置換または無置換の(炭素数3〜7の低級アルケニル)オキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メチルオキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオキシカルボニル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル等が挙げられる。さらに生体内で加水分解されてアミノ基を再生する各種保護基を用いることも可能であって、好適には例えば、(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メチルオキシカルボニル等が挙げられる。さらに、R、R、XおよびYが一緒になって置換基を有していてもよい4〜7員の環状構造を表す場合の「4〜7員の環状構造」としては、以下に示すようなものがあげられる。
【0009】
【化12】
Figure 2004107289
好適なものとしてシクロペンタン、シクロペンタノン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、アゼチジン、アゼチジノン、ピロリジン、ピロリジノン、ピペリジン、ピペリジノン等が挙げられる。
これら4〜7員の環状構造の置換基としては、例えば水酸基、メルカプト基、(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)オキシ、(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)チオ、ホルミル、(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)カルボニル、ホルミルオキシ、(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)カルボニルオキシ、カルボキシル、(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)オキシカルボニル、炭素数3〜7の低級シクロアルキル、ハロゲン原子、シアノ、アミノ、モノ−あるいはジ−(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ−あるいはジ−(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)アミド、カルバモイルオキシ、モノ−あるいはジ−(直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル)アミノカルボニルオキシ等が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。
【0010】
で示されるエステル残基の例としては、生体内で代謝を受け加水分解されるエステル残基か、或いはカルボキシル基の保護基となりうるエステル残基が挙げられる。
前者のエステル残基としては、生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する限りいかなるものも含み、プロドラッグと総称される化合物群に誘導する際に使用される基が挙げられる。好ましい基としては、低級アルカノイルオキシ低級アルキル、シクロアルキルカルボニルオキシ低級アルキル、低級アルケノイルオキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルカノイルオキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル、低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル、(5−低級アルキル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メチル等が挙げられる。
【0011】
また後者のエステル残基としては通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル等の直鎖状または分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル、例えば2−ヨウ化エチル、2,2,2−トリクロロエチル等の炭素数1〜5のハロゲノ低級アルキル、例えばメチルオキシメチル、エチルオキシメチル、イソブチルオキシメチル等の炭素数1〜5の低級アルキルオキシメチル、例えばアセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル,ピバロイルオキシメチル等の炭素数1〜5の低級脂肪族アシルオキシメチル、例えば1−エチルオキシカルボニルオキシエチル等の1−(炭素数1〜5の)低級アルキルオキシカルボニルオキシエチル、例えばベンジル、p−メチルオキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル等のアラルキル基、例えばアリル、3−メチルアリル等の炭素数3〜7の低級アルケニル、ベンズヒドリル、フタリジル等が挙げられる。
【0012】
で示される有機基について説明すると、既知カルバペネム系抗菌剤で使用されている有機基であれば、特に制約が無く、例えば米国特許第4194047号、特開昭60−19787号、特開昭60−104088号、特開昭60−202886号、特開昭61−5081号、特開平2−49783号、特開平4−279588号、Journal of Organic Chemistry 第57巻,4243−4249頁(1992年)、Journal of Antibiotics 第46巻, 1866−1882頁(1993年)、Heterocycles 第54巻,497−528頁(2001年)等に記載の既知カルバペネム系抗菌剤で使用されている有機基を用いることができる。かかる基の例としては低級アルキル、シクロアルキル、6〜10員アリール、6〜10員アリール低級アルキル、4〜10員脂肪族複素環式基、4〜10員芳香族複素環式基等が挙げられる。さらにこれらの基は一つ以上の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、低級アルキル、水酸基、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、メルカプト、低級アルキルチオ、アミジノ、グアニジノ、カルバモイル、チオカルバモイル、スルファモイル、シアノ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、オキソ、ハロゲノ、シクロアルキル、6〜10員アリール、4〜10員脂肪族複素環式基、4〜10員芳香族複素環式基等が挙げられる。これら置換基に含まれる官能基は必要に応じて保護基によって保護することができる。用いられる保護基は常法により容易に除去し得るものであれば特に制約が無く、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts: Protective Groups In Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York (1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
【0013】
で示される水酸基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、tert−ブチルオキシカルボニル等の炭素数1〜5の低級アルキルオキシカルボニル、例えば2−ヨウ化エチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル等の炭素数1〜5のハロゲノアルキルオキシカルボニル、例えばアリルオキシカルボニル等の置換または無置換の炭素数3〜7の低級アルケニルオキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メチルオキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオキシカルボニル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル等が挙げられる。
【0014】
本発明で用いられるルイス酸としては、アルミニウム、スズ、ジルコニウム、マグネシウム、ホウ素、チタン、亜鉛、ケイ素、鉄、ゲルマニウム、アンチモン、ハフニウム、ビスマス、スカンジウム、イットリビウム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、サマリウム、セリウム、バナジウムあるいはタングステン等を中心元素とする塩化物、臭化物、ヨウ化物、低級アルキル化物および錯体を挙げることができる。好ましくは、アルミニウム、スズ、ジルコニウム、マグネシウム、ホウ素、チタン、亜鉛、ケイ素あるいはスズを中心元素とする塩化物、臭化物、ヨウ化物、低級アルキル化物および錯体を挙げることができる。特に好ましくはチタン、ジルコニウムあるいはアルミニウムを中心元素とする塩化物、臭化物、ヨウ化物、低級アルキル化物および錯体を挙げることができる。また、その使用量は、原料化合物(I)あるいは(III)1モルに対して0.1〜5.0モル用いることができるが、好ましくは0.5〜4.0 モル、とりわけ1.0〜3.0 モルであるのが好ましい。
【0015】
本発明で用いられるルイス塩基としては、有機アミン化合物を挙げることができる。好ましくは、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のトリ低級アルキルアミンあるいはジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−sec−ブチルアミン等のジ低級アルキルアミンを挙げることができる。また、その使用量は、原料化合物(I)または(III)1モルに対して0.1〜6.0モル用いることができるが、好ましくは0.5〜5.0 モル、とりわけ1.0〜4.0 モルであるのが好ましい。
【0016】
本発明で用いられるメルカプタン化合物(R−SH)の使用量は、原料化合物(I)または(III)1モルに対して0.1〜6.0モル用いることができるが、好ましくは0.5〜5.0 モル、とりわけ1.0〜4.0 モルであるのが好ましい。
この反応は溶媒中で実施することができ、溶媒としては反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に制約が無いが、好ましいものとして例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、またはそれらの混合溶媒を挙げることができる。反応は、冷却〜室温下、例えば−75℃〜40℃、とりわけ−40℃〜30℃で好適に実施できる。
【0017】
本発明方法によれば、緩和な反応条件で化合物(II)あるいは(IV)が得られる。原料化合物(I)あるいは(III)にはその不斉炭素に基づく光学異性体が存在しうるが、原料として光学活性な化合物を用いた場合、反応は立体構造を保持したまま進行し、エピマー化することなく化合物(II)あるいは(IV)へそれぞれ変換することもできる。
【0018】
化合物(IV)において、必要に応じて公知の方法に従いR、Rおよび/またはRにおける保護基を脱離せしめることによって、直接カルバペネム系抗菌剤に導くことができ、このような中間体(IV)は殊に重要である。
原料として用いられる式(I)あるいは(III)の一部は新規化合物であるが、実施例および参考例に示した方法あるいはこれに準じた方法で製造できる。次に実施例および参考例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれらによって何ら限定されるものではない。
なお以下の実施例および参考例で用いている略号の意味は次の通りである。
Et:エチル基
Ph:フェニル基
Me:メチル基
DMF: ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
TBDMS: tert−ブチル(ジメチル)シリル基
ALOC:アリルオキシカルボニル基
ATR:全反射吸収法
【0019】
【発明の実施の形態】
【0020】
【実施例】
実施例1
2−(シクロヘキシルチオ)シクロペント−1−エン−1−カルボン酸エチル
【化13】
Figure 2004107289
シクロペンタノン−2−カルボン酸エチル(31mg,0.2mmol)の塩化メチレン(0.5ml)溶液に室温で1M 四塩化チタン/トルエン溶液(0.6ml)を滴下した。次いで、トリブチルアミン(122mg,0.66mmol)およびシクロヘキサンチオール(23mg,0.2mmol)の塩化メチレン(0.5ml)溶液を滴下した。1時間攪拌した後、さらに、トリブチルアミン(122mg,0.66mmol)およびシクロヘキサンチオール(23mg,0.2mmol)の塩化メチレン(0.5ml)溶液を滴下した。引続いて1時間攪拌した後、反応液を氷水にあけて酢酸エチル抽出を行い、有機層を水洗、飽和食塩水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、2−(シクロヘキシルチオ)シクロペント−1−エン−1−カルボン酸エチル(33mg,収率65%)を得た。
H NMR (400MHz, CDCl): δ = 1.29 (3H,t,J=7.1Hz), 1.17−1.50 (5H,m), 1.57−1.67 (1H,m), 1.73−1.84 (2H,m), 1.88−2.05 (4H,m), 2.60−2.68 (2H,m), 2.80−2.88 (2H,m), 3.03−3.13 (1H,m), 4.20 (2H,q,J=7.1Hz).
【0021】
実施例2
1−ベンゾイル−4,5−ジヒドロ−3−フェニルチオ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル
【化14】
Figure 2004107289
メチル 1−ベンゾイル−3−オキソプロリネート(25mg,0.10mmol)を塩化メチレン(0.5ml)に溶解し、−50〜−40℃にて1M 四塩化チタン/トルエン溶液(0.3ml)を滴下した。15分攪拌後、同温度でチオフェノール(11mg,0.1mmol)の塩化メチレン(0.5ml)溶液、トリブチルアミン(56mg,0.3mmol)の塩化メチレン(0.5ml)溶液の順に滴下し、20分攪拌した。反応液を酢酸エチル/冷りん酸二水素ナトリウム水にあけ、分液、塩水洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、減圧濃縮した残渣物を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー精製(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)して1−ベンゾイル−4,5−ジヒドロ−3−フェニルチオ−1H−ピロール−2−カルボン酸メチル(2.5mg,収率7.4%)を得た。
H NMR (400MHz, CDCl):δ = 2.55 (2H,t,J=8.3Hz), 3.64 (3H,br.s), 3.98 (2H, t,J=8.3Hz), 7.32−7.57 (8H,m), 7.57−7.68 (2H,m).
【0022】
実施例3
アリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3−(オクチルチオ)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート
【化15】
Figure 2004107289
実施例2と同様にして、アリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3,7−ジオキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボキシレートからアリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3−(オクチルチオ)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートを得る。
【0023】
実施例4
アリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3−(シクロヘキシルチオ)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート
【化16】
Figure 2004107289
実施例2と同様にして、アリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3,7−ジオキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボキシレートからアリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3−(シクロヘキシルチオ)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートを得る。
【0024】
実施例5
アリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3−(フェニルチオ)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート
【化17】
Figure 2004107289
実施例2と同様にして、アリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3,7−ジオキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボキシレートからアリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−7−オキソ−3−(フェニルチオ)−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートを得る。
【0025】
実施例6
アリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3−[(3S,5S)−5−ジメチルアミノカルボニル−1−(アリルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート
【化18】
Figure 2004107289
実施例2と同様にして、アリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3,7−ジオキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボキシレートからアリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3−[(3S,5S)−5−ジメチルアミノカルボニル−1−(アリルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートを得る。
【0026】
参考例1
3−ブロモ−N−メトキシ−N−メチルプロパンアミド
【化19】
Figure 2004107289
N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(4.88g,0.50mmol)とトリエチルアミン(11.13g,110mmol)を乾燥DMF(80ml)に懸濁し、氷冷下3−ブロモプロピオン酸クロリド(8.57g,50mmol)を滴下した。同温度で30分間攪拌した後、反応液を氷水にあけ、塩水を加えてから酢酸エチル抽出、塩水洗浄(5回)、無水硫酸マグネシウム乾燥、減圧濃縮して3−ブロモ−N−メトキシ−N−メチルプロパンアミド(5.882g,収率60%)を得た。
【0027】
参考例2
N−ベンゾイル−N−メトキシカルボニルメチル−β−アラニン N’−メトキシ−N’−メチルアミド
【化20】
Figure 2004107289
グリシンメチルエステル塩酸塩(3.64g,29mmol)のメタノール(29ml)溶液に氷冷下トリエチルアミン(5.87g,58mmol)を滴下した。次いで3−ブロモ−N−メトキシ−N−メチルプロパンアミド(5.69g,29mmol)のメタノール(29ml)溶液を滴下して徐々に室温まで昇温した。3.5時間後不溶物を濾別し、メタノール洗浄した濾液・洗液を減圧濃縮した。濃縮残渣をクロロホルム(60ml)に懸濁し、氷冷下ベンゾイルクロリド(2.109g,15mmol)を滴下した。15分攪拌後、トリエチルアミン(2.94g,29mmol)を滴下した。反応液を氷水にあけ、5%硫酸水素カリウム水を加えて弱酸性とした後分液した。無水硫酸マグネシウム乾燥、減圧濃縮して粗製物(7.313g)を得た。このうち149mgを分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー精製(展開溶媒:酢酸エチル)してN−ベンゾイル−N−メトキシカルボニルメチル−β−アラニン N’−メトキシ−N’−メチルアミド(79mg,計算収率84%)を得た。
H NMR (400MHz, CDCl):δ = 2.57−2.70 (1H,m), 2.87−3.01 (1H,m), 3.12と3.20 (合わせて3H,それぞれs), 3.53−3.89 (8H,m), 4.11−4.36 (2H,m), 7.31−7.52(5H,m).
【0028】
参考例3
メチル 1−ベンゾイル−3−オキソプロリネート
【化21】
Figure 2004107289
Tetrahedron Letters 36巻, 6209−6212頁 (1995年)に記載の方法に従って、1M リチウム ヘキサメチルジシラジド/THF溶液(2.3ml)を−78℃に冷却し、N−ベンゾイル−N−メトキシカルボニルメチル−β−アラニン N’−メトキシ−N’−メチルアミド(589mg,1.91mmol)の乾燥THF(16ml)溶液を滴下した。原料消失後、酢酸(414mg,6.9mmol)のTHF(2ml)溶液を滴下し、次いで10%りん酸二水素ナトリウム水とクロロホルムで希釈した。分液、無水硫酸マグネシウム乾燥、減圧濃縮した残渣物をシリカゲル(20g)カラムクロマトグラフィー精製(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)してメチル 1−ベンゾイル−3−オキソプロリネート(486mg,定量的収率)を得た。
H NMR (400MHz, CDCl):δ = 2.59−2.87 (2H,m), 3.49−4.10 (2H,m), 3.86 (3H,s), 5.06 (0.65H,br.s, ケト体), 7.31−7.73 (5H,m).
IR(ATR): 1770, 1736, 1635, 1402, 1130, 702 cm−1
MS(EI):m/z247(M
【0029】
参考例4
アリル 2−ジアゾアセトアセテート
【化22】
Figure 2004107289
アセト酢酸アリルエステル(1.42g,10mmol)とドデシルベンゼンスルホン酸アジド(4.218g,12mmol)の乾燥アセトニトリル(30ml)溶液に室温でトリエチルアミン(1.21g, 12mmol)を加え同温度で5.5時間攪拌した。減圧濃縮した残渣をシリカゲル(70g)カラムクロマトグラフィー精製(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)し、アリル 2−ジアゾアセトアセテート(1.63g,97%)を得た。
H NMR (400MHz, CDCl):δ = 2.49 (3H,s), 4.70−4.77 (2H,m), 5.27−5.40 (2H,m), 5.89−6.02 (1H,m).
【0030】
参考例5
(3S,4R)−3−[(1R)−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[3−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−3−ジアゾプロピル]アゼチジン−2−オン
【化23】
Figure 2004107289
アリル 2−ジアゾアセトアセテート(1.63g,9.7mmol)とヨウ化ナトリウム(2.1g,12mmol)に乾燥アセトニトリル(50ml)を加え、室温で攪拌しながらトリエチルアミン(1.62g, 16mmol)、次いでクロロトリメチルシラン(1.63g,15mmol)を添加した。同温度で1時間攪拌した後減圧濃縮した残渣にヘキサン(100ml)を加え、不溶物を濾過により除去した。濾液を減圧濃縮して得たシリルエノールエーテルと(3S,4R)−3−[(1R)−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−アセトキシアゼチジン−2−オン(2.39g,8.33mmol)の乾燥アセトニトリル(40ml)溶液に室温でヨウ化亜鉛(664mg,2.08mmol)を添加し、同温度で2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、冷やした飽和重曹水を加えて抽出、食塩水洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル(75g)カラムクロマトグラフィー精製(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)し、(3S,4R)−3−[(1R)−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[3−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−3−ジアゾプロピル]アゼチジン−2−オン(2.445g,62%)を得た。
H NMR (400MHz, CDCl):δ = 0.067 (3H,s), 0.070 (3H,s), 0.87 (9H,s), 1.21 (3H,d,J=6.3Hz), 2.87 (1H,dd,J=2.2Hzと4.7Hz), 2.95−3.05 (1H,m), 3.35−3.45 (1H,m), 4.00−4.06 (1H,m), 4.71−4.77 (2H,m), 5.29−5.41 (2H,m), 5.88−6.03 (2H,m).
IR(ATR): 2135, 1757, 1716, 1651 cm−1
【0031】
参考例6
(3S,4R)−3−[(1R)−ヒドロキシエチル]−4−[3−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−3−ジアゾプロピル]アゼチジン−2−オン
【化24】
Figure 2004107289
(3S,4R)−3−[(1R)−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−4−[3−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−3−ジアゾプロピル]アゼチジン−2−オン(0.791g,2mmol)のTHF(8ml)溶液を氷冷下攪拌しながら酢酸(1.20g,20mmol)、1M フッ化テトラブチルアンモニウム/ THF(7ml)の順に滴下した。室温まで昇温して3日間静置した後、反応液を氷水にあけて酢酸エチル抽出、冷飽和重曹水洗浄、食塩水洗浄(2回)、無水硫酸マグネシウム乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)精製し、(3S,4R)−3−[(1R)−ヒドロキシエチル]−4−[3−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−3−ジアゾプロピル]アゼチジン−2−オン(0.409g,73%)を得た。
H NMR (400MHz, CDCl):δ = 1.33 (3H,d,J=6.3Hz), 2.90 (1H,dd,J=2.2Hzと7.3Hz), 3.17−3.37 (2H,m), 3.98 (1H,dt,J=2.1Hzと6.7Hz), 4.13−4.23 (1H,m), 4.71−4.78 (2H,m), 5.88−6.00 (1H,m), 6.04 (1H,br.s).
IR(ATR): 3352 (br.), 2139, 1740(sh.), 1716, 1647 cm−1
【0032】
参考例7
(3S,4R)−3−[(1R)−アリルオキシカルボニルオキシエチル]−4−[3−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−3−ジアゾプロピル]アゼチジン−2−オン
【化25】
Figure 2004107289
(3S,4R)−3−[(1R)−ヒドロキシエチル]−4−[3−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−3−ジアゾプロピル]アゼチジン−2−オン(56mg,0.2mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(54mg,0.44mmol)に塩化メチレン(0.5ml)を加え、氷冷下攪拌しながらクロロギ酸アリル(48mg,0.4mmol)の塩化メチレン(0.3ml)溶液を添加した。徐々に室温まで昇温しながら2.5時間攪拌した後、反応液を氷水にあけて酢酸エチル抽出(2回)、水洗(2回)、無水硫酸マグネシウム乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)精製し、(3S,4R)−3−[(1R)−アリルオキシカルボニルオキシエチル]−4−[3−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−3−ジアゾプロピル]アゼチジン−2−オン(34.6mg,47%)を得た。
H NMR (400MHz, CDCl):δ = 1.44 (3H,d,J=6.3Hz), 2.95−3.11 (2H,m), 3.35−3.48 (1H,m), 3.95−4.05 (1H,m), 4.53−4.69 (2H,m), 4.69−4.81 (2H,m), 5.03−5.17 (1H,m), 5.22−5.45 (4H,m), 5.86−6.02 (2H,m), 6.16 (1H,br.s).
IR(ATR): 2139, 1741, 1713, 1647 cm−1
【0033】
参考例8
アリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3,7−ジオキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボキシレート
【化26】
Figure 2004107289
(3S,4R)−3−[(1R)−アリルオキシカルボニルオキシエチル]−4−[3−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−3−ジアゾプロピル]アゼチジン−2−オンから公知の方法(例えば、Tetrahedron Letters 21巻,31−34頁(1980年)に記載の方法)によってアリル (5R,6S)−6−(1−{[(アリルオキシ)カルボニル]オキシ}エチル)−3,7−ジオキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボキシレートを得た。このものは精製することなく更なる工程に用いた。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、式(II)で表わされるビニルスルフィド化合物を、高収率で製造することができる。

Claims (7)

  1. 式:
    Figure 2004107289
    (式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基を、Rはエステル残基を、XおよびYは同一または異なって、CHまたは窒素原子を、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、またはXあるいはYが窒素原子である場合のアミノ基の保護基を表すか、あるいはR、R、XおよびYが一緒になって置換基を有していてもよい4〜7員の環状構造を表す。)
    で表される五員環化合物をルイス酸とルイス塩基、およびメルカプタン化合物(R−SH)(式中、Rは有機基を表す。)で処理することを特徴とする
    式:
    Figure 2004107289
    (式中、R、R、R、R、X、Y、RおよびRは前掲に同じ。)
    で表されるビニルスルフィド化合物の製造法。
  2. 式:
    Figure 2004107289
    (式中、Rは水酸基の保護基、R、RおよびRは前掲に同じ。)
    で表されるβ−ラクタム化合物をルイス酸とルイス塩基、およびメルカプタン化合物(R−SH)(式中、Rは有機基を表す。)で処理することを特徴とする
    式:
    Figure 2004107289
    (式中、R、R、R、RおよびRは前掲に同じ。)
    で表されるカルバペネム化合物の製造法。
  3. ルイス酸がアルミニウム、スズ、ジルコニウム、マグネシウム、ホウ素、チタン、亜鉛、ケイ素、鉄、ゲルマニウム、アンチモン、ハフニウム、ビスマス、スカンジウム、イットリビウム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、サマリウム、セリウム、バナジウムまたはタングステンを中心元素とする塩化物、臭化物、ヨウ化物、低級アルキル化物または錯体である請求項1〜2に記載の製造法。
  4. ルイス酸がアルミニウム、スズ、ジルコニウム、マグネシウム、ホウ素、チタン、亜鉛、ケイ素またはスズを中心元素とする塩化物、臭化物、ヨウ化物、低級アルキル化物または錯体である請求項1〜2に記載の製造法。
  5. ルイス酸がチタン、ジルコニウムまたはアルミニウムを中心元素とする塩化物、臭化物、ヨウ化物、低級アルキル化物または錯体である請求項1〜2に記載の製造法。
  6. ルイス酸がチタンを中心元素とする塩化物、臭化物、ヨウ化物、低級アルキル化物または錯体である請求項1〜2に記載の製造法。
  7. ルイス塩基が有機アミン化合物である請求項1〜6に記載の製造法。
JP2002274799A 2002-09-20 2002-09-20 ビニルスルフィド化合物の製造法 Pending JP2004107289A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002274799A JP2004107289A (ja) 2002-09-20 2002-09-20 ビニルスルフィド化合物の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002274799A JP2004107289A (ja) 2002-09-20 2002-09-20 ビニルスルフィド化合物の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004107289A true JP2004107289A (ja) 2004-04-08

Family

ID=32271171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002274799A Pending JP2004107289A (ja) 2002-09-20 2002-09-20 ビニルスルフィド化合物の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004107289A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102351622A (zh) * 2011-08-19 2012-02-15 浙江大学 一种由金属铜盐催化制备(z)-1,2-二硫醚-1-烯烃的方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102351622A (zh) * 2011-08-19 2012-02-15 浙江大学 一种由金属铜盐催化制备(z)-1,2-二硫醚-1-烯烃的方法
CN102351622B (zh) * 2011-08-19 2013-12-25 浙江大学 一种由金属铜盐催化制备(z)-1,2-二硫醚-1-烯烃的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4631150A (en) Process for the preparation of penems
US4960879A (en) Process for carbapenem intermediates
JPH0557980B2 (ja)
EP0146730B1 (en) Process for the production of penems
KR880002512B1 (ko) 페넴 화합물 및 이의 제조방법
Fujimoto et al. From Penicillin to Penem and Carbapenem. VII.: Synthesis and Antibacterial Activity of Penem Derivatives
KR100886347B1 (ko) 키랄 보조제를 이용한 4-비엠에이의 입체선택적 제조방법
HU192819B (en) Process for preparing antibacterial penemic derivatives
JP2004107289A (ja) ビニルスルフィド化合物の製造法
EP0091576B1 (en) 7-oxo-4-thia-1-azabicyclo(3,2,0)heptane derivatives
JP4481829B2 (ja) 経口投与用カルバペネム化合物の新規合成中間体及びその製造方法
JPH03383B2 (ja)
JP2004107288A (ja) α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造法
KR20010029454A (ko) 신규한 β-락탐 화합물 및 이의 제조 방법
US6867297B1 (en) Process for synthesizing 4-substituted azetidinone derivatives
JPWO2004043961A1 (ja) 経口投与用カルバペネム化合物の製造方法
NO863304L (no) 7-okso-4-tia-1-azabicyklo(3,2,0)hept-2-en-derivater.
JPH06104672B2 (ja) ペネム類の製造方法
JPWO2003089432A1 (ja) カルバペネム誘導体の製造法
EP0066301B1 (en) Intermediates for the preparation of thienamycin and process for preparing the same
EP0638552B1 (en) Process for synthesizing 4-substituted azetidinone derivative
US4698339A (en) Carbapenems, their production and use
WO2001053305A1 (fr) Procédés de préparation de dérivés de carbapenem
JP2003064087A (ja) アゼチジノン化合物の結晶
JP3003002B2 (ja) 三環性カルバペネム化合物