JP2004107204A - 水系シリカ分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の基材表面のコーティングのための、コーティング材または含浸材として使用しうる、塗膜性および形成された塗膜の耐久性に優れる水系シリカ分散液を提供すること。
【解決手段】固形分の含有量が5〜75重量%であり、該固形分中のシリカ成分の含有量が97〜99重量%である水系シリカ分散液。
【選択図】なし

Description

 本発明は、塗布、含浸等により、種々の基材表面のコーティングに使用される水系シリカ分散液に関する。
 従来、コンクリート、窯業建材等の無機系基材、有機系基材、金属材等の劣化を防ぐために合成樹脂エマルジョン系のコーティング材が使用されている。塗布直後においては、該コーティング材は物理的な接着により強固な塗膜を形成する。しかしながら、塗膜と基材表面の間には一般に化学的な結合は形成されず、また合成樹脂は疎水性であるため、特に親水性の高い無機系基材や金属材の表面との親和性が低く、長時間良好な塗膜状態を保ち難い。さらに熱、紫外線等により合成樹脂そのものが劣化するため、塗膜の耐久性の点にも大きな問題がある。また、火災等により熱分解し、有害なガスを発生する。廃棄する場合もそのままでは環境になじむことはないので好ましくない。
 一方、シリカは合成樹脂に比べ親水性が高く、不燃性であり、地殻構成金属酸化物の第1位に位置する金属酸化物であるので、環境、資源的にも好適な材料である。
 そこで、これまでにシリカを主体とする分散液やコーティング材が提案されている。たとえば、シリカゾル溶液や水ガラス溶液、およびそれらの混合液が提案されている(たとえば、特許文献1および2参照)。
 しかしながら、上記文献に開示された分散液等は、液中でゲルを生じたりするなど、安定性が低い点、ならびに塗膜性および形成された塗膜の耐久性が低い点で改善が望まれていた。
特開平10−158585号公報 特開2000−109722号公報
 本発明は、 種々の基材表面のコーティングのための、コーティング材または含浸材として使用しうる、塗膜性および形成された塗膜の耐久性に優れる水系シリカ分散液を提供することを課題とする。
 特定の固形分シリカ含有量の水系シリカ分散液が塗膜性および形成された塗膜の耐久性に優れており、種々の基材表面のコーティングのための、コーティング材または含浸材として好適であることを見出した。また、塗膜性および耐久性にはシリカ成分の化学的構造ならびに水分散している粒子の平均粒径が影響することを見出した。かかる知見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
〔1〕 固形分の含有量が5〜75重量%であり、該固形分中のシリカ成分の含有量が97〜99重量%である水系シリカ分散液、
〔2〕 前記〔1〕に記載の水系シリカ分散液を用いて形成されたコーティング膜、
並びに
〔3〕 前記〔1〕に記載の水系シリカ分散液からなる無機多孔体吸水抑制剤、
に関する。
 本発明のシリカ分散液は塗膜性や形成された塗膜の耐久性に優れており、 種々の基材表面のコーティングのための、コーティング材または含浸材として使用することができる。また、得られる塗膜は吸水抑制能を有することから、該シリカ分散液は無機多孔体吸水抑制剤として機能しうる。
 本発明の水系シリカ分散液(以下、シリカ分散液という)は、固形分の含有量が5〜75重量%であり、該固形分中のシリカ成分の含有量が97〜99重量%であることを1つの大きな特徴とする。かかる構成を有することから、無機系基材、有機系基材、金属材等の種々の基材表面への塗膜性および該表面に形成された塗膜の耐久性(以下、単に耐久性という場合がある)に優れる。本発明の所望の効果の発現の観点から、固形分の含有量としては、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜45重量%である。また、該固形分中のシリカ成分の含有量としては、好ましくは97.5〜98.5重量%である。ここで、固形分の含有量(重量%)は、シリカ分散液をガラスシャーレ(フラットシャーレ、品番:70、直径75mm)に入れ、乾燥機(ADVANTEC社製、型番:FC−410)中で50℃にて一日乾燥させて得られる乾燥物の重量を測定し、乾燥物の重量を、予め測定しておいたシリカ分散液の重量で割って100を乗ずることにより求める。
本発明のシリカ分散液は水系の媒質に固形分粒子が均一に分散したゾルからなる。ここで、分散とは、媒質中に固形分粒子の凝集に由来するゲル状物が存在しない状態をいい、分散状態であるか否かは目視によるゲル状物の存在の有無により判断できる。より具体的には、シリカ分散液を1mmメッシュのふるいに供し、当該分散液の全量がふるいを通過することを目視により確認することによって、該分散液は分散状態にあると判断することができる。本発明のシリカ分散液では固形分粒子がゲルを形成せず均一に分散しているので、塗膜性に優れ、従って、製膜時の膜厚や膜密度を均一にでき、このことは形成された塗膜の耐久性の向上に寄与する。
前記水系の媒質としては、たとえば、水単独または水と、たとえば、後述するアルコール、界面活性剤、シリコネート等の水性有機物との混合物が挙げられる。該混合物中の水の量としては、好ましくは25〜95重量%である。
固形分は主として不溶性のシリカ成分からなる。本発明でいうシリカ成分とはSiを含んでなる化合物をいう。なお、本明細書においてシリカ成分には、シリカ分散液の調製時に使用するアルカリケイ酸塩等も含む。シリカ成分以外の固形分としては、たとえば、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属塩、ならびにリン、ホウ素、アルミニウム、ゲルマニウム等の3B族、4B族、5B族元素の酸化物および塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。より具体的には、当該固形分としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属塩、リン酸化物およびホウ素酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらのシリカ成分以外の固形分は、塗膜形成過程でのシリカ成分によるネットワーク構造の形成や当該ネットワーク構造の修飾に寄与する。
本発明のシリカ分散液に含まれるシリカ成分は、シリカ分散液の塗膜性および耐久性の向上の観点から、特定の化学的構造を有するのが望ましい。具体的には、シリカ分散液の乾燥物(たとえば、25℃で72時間維持して媒質を除去したもの)について29Si−NMR測定を行った場合、シリカ成分の29Si−NMRによるスペクトルの帰属において、Qn (n=0〜4)構造を示すシグナルの総面積に対するQ2 構造を示すシグナルの面積の割合(以下、Q2 構造の相対量という)が好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下であり、Q3 構造を示すシグナルの面積とQ4 構造を示すシグナルの面積との比(以下、Q3 /Q4 比という)が好ましくは0.1≦Q3 /Q4 ≦0.6、より好ましくは0.1≦Q3 /Q4 ≦0.5である化学的構造を有するのが望ましい。
ここで、Qn 構造とは、シリカの構成単位であるSiO4 四面体単位の酸素原子のうちの架橋酸素原子(二つのSiと結合している酸素原子)の数に応じて決まる化学的構造をいい、Qn はSiO4 単位の結合度であり、nは架橋酸素原子の数である。29Si−NMR測定によるかかる構造を示すシグナルの化学シフトは、結合度Qn によって変化することが知られている。Qn 構造を示すシグナルの化学シフト(TMS基準)は液体と固体、化合物種によって幅があるが概ね次のように帰属されている〔「ガラス科学の基礎と応用」作花済夫著、出版社:内田老鶴圃、1997年〕。
構造 化学シフト
0 : −65 〜 −75ppm
1 : −76 〜 −84ppm
2 : −85 〜 −90ppm
3 : −92 〜 −100ppm
4 :−105 〜 −115ppm
良好な製膜性を得るためにはSiO2 が適度なネットワーク構造を形成することが必要である。Q0 、Q1 、Q2 の構造は点又は線状の結合であり、ネットワーク構造を形成しない。また、水にも溶解する傾向にある。Q3 、Q4 構造はネットワーク構造を形成するが、Q4 構造のみでは構造が剛直化する傾向にあり、塗膜性の点でQ3 構造とQ4 構造のバランスが重要になる。この点から、Q3 /Q4 比は0.1〜0.6の範囲が好ましい。
すなわち、シリカ成分によるネットワーク構造の形成による耐久性(たとえば、耐水性、耐候性等)の向上の観点から、Q0 、Q1 およびQ2 構造は少ないことが好ましい。Q0 、Q1 およびQ2 の中でも、Q0 とQ1 の存在量はそれぞれQ2 の半分以下であるので、これらを代表してQ2 構造の相対量を表すと、Q2 構造の相対量は5%以下が好ましい。また、シリカ成分間の長距離ネットワーク構造形成による塗膜性の向上の観点から、Q4 構造が過剰な割合で存在しないことが好ましい。本発明においては、シリカ分散液の塗膜性と耐久性の両特性の向上の観点から、Qn 構造個々の存在割合の最適条件を見出した。それによりシリカ成分の化学的構造の最適化を達成することができ、塗膜性と耐久性に非常に優れたシリカ分散液の提供が可能となった。
 さらに、本発明のシリカ分散液中に分散している固形分粒子(固形分粒子は実質的にシリカ成分からなる)の平均粒径は、シリカ分散液の塗膜性と耐久性の両特性の向上の観点から、0.01〜0.8μmの範囲にあるのが好ましく、0.05〜0.5μmの範囲にあるのがより好ましく、0.05〜0.2μmの範囲にあるのがさらに好ましい。固形分粒子の平均粒径は、通常、0.01μm以上あればよく、シリカ成分のネットワーク構造形成による塗膜の耐久性の向上の観点から0.05μm以上が好ましく、塗膜の均一性の向上の観点から0.8μm以下が好ましい。なお、固形分粒子の平均粒径は、たとえば、レーザー回折式粒径分布測定装置(堀場製作所製LA−920)にて、循環速度4、超音波強度7、超音波時間1分、相対屈折率1.1の条件でシリカ分散液を測定することにより得られる。
 また、本発明のシリカ分散液の耐久性をより向上させる観点から、シリカ成分に、形成された塗膜に撥水性を付与しうる性質を持たせるのが好ましい。かかる性質の付与の方法は、特に限定されるものではないが、Si−C結合を形成するSiをシリカ成分中に導入するのが、簡便性及び有効性の観点から、好適である。
 本発明のシリカ分散液は耐久性に優れたものであるので、シリカ成分は必ずしもSi−C結合を形成するSiを含まないものであってもよいが、撥水性を塗膜に付与して塗膜の耐久性をより向上させる観点からは、シリカ成分は、Si−C結合を形成するSiを構造単位として含むシリカ成分と、Si−C結合を形成するSiを構造単位として含まないシリカ成分とからなるか、又はSi−C結合を形成するSiを構造単位として含むシリカ成分からなるのが好ましい。
 具体的には、例えば、本発明のシリカ分散液には、シリカ成分中、形成された塗膜に撥水性を付与する観点から、親水性基と適度な疎水性を付与するアルキル基とをあわせもつ化合物(Si−C結合を有する化合物)を含有させてもよい。また、本発明のシリカ分散液を、それに使用されるシリカゾルと該化合物とを混合後、縮合反応を行って調製してもよい。
 Si−C結合を有する化合物としては、例えば、アルキルシリコネートやアルキルシラン等が挙げられる。
たとえば、アルキルシリコネートとしては、下記一般式で表される化合物の使用が好適である。
              Rn −Si−(OM)4-n
式中、nはRのSiとの結合数を示し、1、2または3である。Rはアルキル基を示し、当該アルキル基の炭素数は好ましくは1〜2である。Mは水素原子、アルカリ金属原子のいずれかを示す。具体的に当該化合物を例示すれば、ナトリウムメチルシリコネート〔CH3 Si(OH)2 (ONa)〕やカリウムエチルシリコネート〔C2 5 Si(OH)2 (OK)〕が挙げられる。
 また、アルキルシランとしては、下記一般式で表される化合物の使用が好適である。
              R1 −Si(OR2 3
式中、R1 とR2 は同一または異なるアルキル基を示し、R1 の炭素数は好ましくは1〜3、R2 の炭素数は好ましくは1〜2である。具体的に当該化合物を例示すれば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
 Si−C結合を形成するSiのシリカ成分中への導入は、例えば、シリカ分散液の調製時にまたは調製後にアルキルシリコネートを添加して均一に混合することにより行うことができる。アルキルシリコネートの添加量としては、アルキルシリコネート添加前の調製時または調製後のシリカ分散液中のシリカ成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。また、例えば、アルキルシランを酸(例えば、0.005N塩酸溶液中)もしくはアルカリ(例えば、0.02(v/v)%アンモニア水溶液中)を触媒として縮合反応化後、得られた縮合反応物をシリカ分散液の調製時にまたは調製後に均一に混合することにより行うことができる。縮合反応物の添加量としては、縮合反応物添加前の調製時または調製後のシリカ分散液中のシリカ成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。さらに、例えば、上記縮合反応物を市販の水ガラスと混合後、脱アルカリ処理することによっても行うことができる。縮合反応物の添加量としては、水ガラス中のシリカ成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。このようにして得られるSi−C結合を形成するSiを含有してなるシリカ分散液は、その乾燥膜が撥水性を示し、塗膜の耐久性がより向上する。
 シリカ分散液がSi−C結合を形成するSiを含有してなる場合、Si−C結合を形成するSiの含有量としては、該シリカ分散液に含まれる全Si中、好ましくは0.01〜30モル%、より好ましくは0.01〜10モル%、さらに好ましくは0.1〜5モル%である。
 かかる場合の、全Si中のSi−C結合を形成するSiの含有量は、例えば、以下の方法により測定することができる。
 すなわち、シリカ分散液を25℃で72時間維持して媒質を除去した乾燥物を29Si−NMR測定に供する。ここで、29Si−NMRによるスペクトルの帰属において、Si−C結合を形成するSi(R−SiO3 ;Rはアルキル基を示す)の化学シフトは−40〜−70ppmの範囲にあり、Si−O結合のみを形成するSi(SiO4 )の化学シフトは−65〜−115ppmの範囲にあり、両ピークは分離して帰属が可能である〔Encyclopedia of nuclear magnetic resonance, Vol.7, pp4386-4398; John Wiley & Sons Ltd. (1996) 〕。そこで、両Siに帰属されるシグナルの総面積(全Siに帰属されるシグナルの面積)の内の、Si−C結合を形成するSiに帰属されるシグナルの面積の割合(P)を以下の式:
Figure 2004107204
により求める。Pの値は、全Siを100モル%とした場合の、全Si中のSi−C結合を形成するSiの割合(モル%)の値に相当するので、Pを求めることにより全Si中のSi−C結合を形成するSiの含有量(モル%)が得られる。
 なお、本発明のシリカ分散液がSi−C結合を形成するSiを含有してなる場合には、シリカ分散液中の固形分の含有量としては、好ましくは5〜30重量%である。
 本発明のシリカ分散液としては、その基材への浸透性の向上の観点から、界面活性剤および/またはアルコールを含むものが好適である。
界面活性剤としては、陽イオン型界面活性剤、陰イオン型界面活性剤、両性型界面活性剤、非イオン型界面活性剤のいずれを用いてもよい。陽イオン型界面活性剤としては、たとえば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン付加アルコール硫酸塩、硫酸アルキル塩が好ましく、陰イオン型界面活性剤としては、たとえば、アルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩が好ましく、両性型界面活性剤としては、たとえば、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタインが好ましく、非イオン型界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミドが好ましい。なお、前記アルキルとしては炭素数6〜22のものが好ましく、炭素数8〜14のものがより好ましい。
アルコールは親水性のものであればいずれも使用可能であり、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
界面活性剤および/またはアルコールのシリカ分散液中の含有量としては、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。
さらに本発明のシリカ分散液には、用途や所望する機能に応じて種々のセラミックス粉末および/または着色顔料を含有させてもよい。
セラミックス粉末の種類は特に限定しないが、 たとえば、アルミナ、 マグネシア、 ジルコニア、 チタニア、 酸化鉄、 酸化亜鉛、 シリカ、 マイカ、タルク等の酸化物、 スピネル、 ペロブスカイト等の結晶系をもつ複酸化物、 炭化ケイ素、 炭化チタン、 炭化ホウ素、 窒化ホウ素、 窒化ケイ素、 窒化アルミニウム等の非酸化物の粉末が挙げられ、それらの少なくとも1種が好適に使用される。着色顔料の種類は特に限定しないが、無機顔料、有機顔料、蓄光顔料等の使用が好適である。
セラミックス粉末および着色顔料の平均粒径としては、その分散性の観点から、0.01〜100μmが好ましい。当該平均粒径は前記固形分粒子の場合と同様にして測定することができる。
セラミックス粉末および/または着色顔料のシリカ分散液中の含有量としては、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
本発明のシリカ分散液は、シリカゾルを調製後、固形分含有量および該固形分中のシリカ成分含有量が所定の割合となるように、当該ゾルを適宜混合し、さらに所望によりその他の成分を添加、混合することにより調製することができる。本発明のシリカ分散液は、たとえば、シリカゾルを得た後、当該ゾルにアルカリケイ酸塩水溶液またはアルカリ金属塩水溶液を添加、混合して調製するのが好ましい。アルカリケイ酸塩として、例えば、ナトリウムケイ酸塩、カリウムケイ酸塩、リチウムケイ酸塩等が挙げられる。シリカ分散液の媒質となる水は、本発明の所望の効果の発現を阻害しない限り特に限定されるものではなく、たとえば、水道水、蒸留水、イオン交換水等の任意の水を使用することができる。
シリカゾルの調製は、たとえば、「無機化学全書」(丸善発行、1986年)p292に記載の方法により行うことができる。シリカゾルの製法としては、種々の方法が提案されており、アルカリケイ酸塩の中和法、イオン交換法、四塩化ケイ素の加水分解法等が報告されている。本発明のシリカゾルの調製はこれらの製法のいずれを用いても可能である。
例えば、(a)濃度が5(w/v)%であるナトリウムケイ酸塩水溶液を水素型陽イオン交換樹脂と接触させて脱アルカリすることによりケイ酸液を調製し、(b)このケイ酸液に塩酸を加え、pH 2.5以下、温度0 〜90℃の条件でケイ酸液を酸処理し、(c)得られた酸性ケイ酸コロイド液中の不純物を分画分子量500 〜10000 の限外ろ過膜にて除去してオリゴケイ酸溶液を調製し、(d)このオリゴケイ酸溶液の一部にアンモニア水を加え、pH 7〜10で60〜90℃の温度に加熱しながら、(e)オリゴケイ酸溶液の残部を、徐々に滴下することによりシリカゾルを調製することができる。一方、(a)〜(c)までの工程により得られたオリゴケイ酸溶液に対して、(d’)その一部にアンモニア水を加え、pH 7〜10で90〜150 ℃の温度に加熱しながら、(e’)オリゴケイ酸溶液の残部を、徐々に滴下することによってもシリカゾルを調製することができる。
シリカゾルとしては、さらに市販のシリカゾル(例えば、市販の水ガラス)をそのまま用いることもできる。本発明に使用するシリカゾルのシリカ濃度としては、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜45重量%である。
シリカ成分に対し前記したような所望の化学的構造を付与する観点から、たとえば、シリカ分散液の調製過程において、シリカゾルを得た後、該ゾルにアルカリケイ酸塩の添加を行い、この際、得られる混合液のpHを10〜11.4の範囲内に調整するのが好ましい。シリカ成分をゲル化させない観点からは局所的にもこのpHの範囲を外れないように調整するのが好ましく、たとえば、アルカリケイ酸塩の添加では、任意の量の水との混合物としてシリカゾルに添加するのが好ましい。pHの調整は、このように水を用いて適宜希釈することにより行うことが可能であるが、たとえば、前述した3B族、4B族、5B族元素を含む酸等を用いて行ってもよい。
 また、本発明のシリカ分散液の別の製造方法としては、ケイ砂、水およびアルカリ金属含有化合物を含んでなる混合物を水熱処理し、前記ケイ砂を溶解する工程を含む製造方法が挙げられる。本発明のシリカ分散液は、例えば、ケイ砂、アルカリ金属含有化合物および水を混合後、水熱処理によって該ケイ砂を溶解することにより、または、ケイ砂、アルカリ金属含有化合物および水を混合後、水熱処理し、次いで焼成することで得られる無水ケイ酸アルカリを所望により粉砕後、再度水熱処理によって該ケイ砂を溶解することにより得られ得る。この際、例えば、水とケイ砂の量を調整することにより、固形分やシリカ成分の含有量を所望のものにすることができる。
 ケイ砂のSiO2 含有量は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に好ましくは97重量%以上である。ケイ砂の形状、平均粒径などは特に限定されない。ケイ砂としては、例えば、オーストラリア産のパールサンドおよびフラッタリーサンド、インドネシア産のサラワクサンド、ケイ石を粉砕したケイ砂などが挙げられる。
 アルカリ金属含有化合物としては、例えば、アルカリ金属原子の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩などが挙げられ、アルカリ金属原子としてはナトリウムが好適である。アルカリ金属含有化合物の好適な例としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウムが挙げられる。
 本明細書にいう水熱処理とは、例えば、ニッケル坩堝において、アルカリ水溶液中、加圧下でケイ砂を溶解する操作をいい、圧力条件は、好ましくは0.5〜1.8MPaであり、より好ましくは0.7〜1.7MPaであり、特に好ましくは0.9〜1.7MPaである。処理温度は、好ましくは150〜220℃であり、より好ましくは160〜200℃であり、特に好ましくは170〜200℃であり、処理時間は特に限定されないが、好ましくは1〜24時間である。
 焼成の方法としては、通常、公知の方法が用いられ、好ましくは300〜1500℃、より好ましくは500〜1300℃の範囲で焼成する方法が挙げられる。加熱時間は、通常0.1〜24時間である。このような焼成は、通常、電気炉、ガス炉などの加熱炉で行うことができる。
 焼成後、得られた無水ケイ酸アルカリは所望により粉砕され、所定の粒度に調整される。粉砕には、例えば、ボールミル、ローラーミルなどの粉砕機が用いられる。
なお、固形分粒子の平均粒径の調整は、たとえば、シリカゾル調整時の熟成温度、熟成時間の制御やアルカリケイ酸塩等の添加時にpH、添加濃度を適宜制御することにより行うことができる。
前記したその他の種々の成分は、たとえば、シリカゾルへのアルカリケイ酸塩等の添加の際同時に、もしくは添加後、シリカゾルに適宜添加して混合すればよい。
本発明のシリカ分散液は以上のようにして調製することができ、得られたシリカ分散液は水系の媒質に固形分粒子が均一に分散したゾルを形成する。
 得られたシリカ分散液は、無機系基材、有機系基材、金属材等の種々の基材表面のコーティングのための、コーティング材または含浸材として優れたものであり、基材表面に塗工して使用される。無機系基材としては、たとえば、コンクリート、ガラスが、有機系基材としては、たとえば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂が、金属材としては、たとえば、メッキ鋼板が挙げられる。これらの内、特に無機系基材に適している。
本発明のシリカ分散液の基材上への塗工は、刷毛塗り法、ローラー法、噴霧法、 吹き付け法、含浸法、充填法等の公知の方法から選択される、用途に応じた好適な方法により施工可能である。施工後、適宜乾燥、 養生することにより、基材表面に良好な塗膜(コーティング膜)が形成される。コーティング膜の形成は、基材表面の、および/または基材中に一部含浸したシリカ分散液の乾燥に伴って形成される主としてシリカ成分によるネットワーク構造の発達により生ずる。コーティング膜の形成は、基材の耐久性の向上に寄与する。
本発明は、本発明のシリカ分散液を基材上に上記施工法のいずれか、たとえば、刷毛塗り法で塗工した後、室温にて乾燥、養生して得られるコーティング膜をも提供する。該コーティング膜は、耐水性、耐候性等に優れ、従って、耐久性に優れたものである。本発明のコーティング膜の高耐水性を利用して、たとえば、コンクリートの硫酸化防止、塩素化防止が可能である。また、該コーティング膜はガスバリアー能に優れており、たとえば、コンクリート表面にコーティング膜が形成された場合、当該コンクリートの中性化防止効果が発揮される。二酸化炭素等の防ガス効果も高く、かかる性質はコンクリートの中性化防止に寄与する。
 また、本発明のシリカ分散液からなるコーティング膜は無機多孔体の吸水抑制効果を有する。従って、本発明は、その一態様として、無機多孔体吸水抑制剤をも提供する。無機多孔体としては、コンクリート、モルタル、軽量骨材等を含む。当該抑制剤は本発明のシリカ分散液からなり、その使用方法もシリカ分散液の場合に準じればよい。骨材、特に再生骨材に対しては含浸法により塗工するのが好適であり、コーティング膜の形成により、該骨材の吸水量が低下する。それゆえ、本発明の無機多孔体吸水抑制剤の使用は骨材の耐久性の向上に寄与する。
以下においては特段の事情がないかぎり「部」および「%」は重量基準である。
シリカ分散液の調製には、以下の市販品(日産化学社製、スノーテックスシリーズ)を用いた。
(a)−1液:一次粒径 1〜30nmのコロイド粒子を含むシリカゾル
(a)−2液:一次粒径30〜100nm のコロイド粒子を含むシリカゾル
(a)−1液および(a)−2液の最終的なシリカ濃度はイオン交換水を用いて適宜希釈することにより20%に調整した。
実施例1
 市販のナトリウムケイ酸塩(3号水ガラス:ケイ素化合物30%、ナトリウム化合物10%;大阪珪曹株式会社製)5 部およびイオン交換水5 部を混合後、上記(a)−2液100 部に添加して試験液を調製した。本試験液の固形分含有量は20%、該固形分中のシリカ成分含有量は98%であった。また、Q2 構造の相対量は1%、Q3 /Q4 比は0.47であり、固形分粒子の平均粒径は0.12μmであった。
実施例2
 市販のナトリウムケイ酸塩(3号水ガラス)5 部およびイオン交換水5 部を混合後、上記(a)−1液50部と(a)−2液50部の混合液に添加して試験液を調製した。本試験液の固形分含有量は20%、該固形分中のシリカ成分含有量は98%であった。また、Q2 構造の相対量は0%、Q3 /Q4 比は0.47であり、固形分粒子の平均粒径は0.11μmであった。
実施例3
 市販のナトリウムケイ酸塩(3号水ガラス)10部およびイオン交換水10部を混合後、上記(a)−1液50部と(a)−2液50部の混合液に添加して試験液を調製した。本試験液の固形分含有量は19%、該固形分中のシリカ成分含有量は98%であった。また、Q2 構造の相対量は3%、Q3 /Q4 比は0.48であり、固形分粒子の平均粒径は0.11μmであった。
実施例4
 陰イオン型界面活性剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(商品名:エマール20C;花王株式会社製)を有効分として100 ppmおよびイソプロパノール5000ppmを混合後、実施例2記載のシリカ分散液に添加して試験液を調製した。
実施例5
 実施例2記載のシリカ分散液にMgO粉末2%を添加後、超音波分散機にて均一分散して試験液を調製した。
実施例6
 市販のナトリウムケイ酸塩(3号水ガラス)5 部およびイオン交換水5 部を混合後、上記(a)−1液100 部に添加して試験液を調製した。本試験液の固形分含有量は20%、該固形分中のシリカ成分含有量は98%であった。また、Q2 構造の相対量は0%、Q3 /Q4 比は0.69であり、固形分粒子の平均粒径は0.26μmであった。
実施例7
 市販のナトリウムケイ酸塩(3号水ガラス)5 部およびイオン交換水5 部を混合後、市販のコロイダルシリカ(商品名:スフェリカスラリー550;触媒化成工業社製)100 部に添加して試験液を調製した。本試験液の固形分含有量は20%、該固形分中のシリカ成分含有量は98%であった。また、Q2 構造の相対量は0%、Q3 /Q4 比は0.15であり、固形分粒子の平均粒径は0.65μmであった。
実施例1〜7のシリカ分散液のpHは10〜11.4の範囲にあり、均一な分散液が得られた。
比較例1
 上記(a)−1液をそのまま試験液とした。本試験液の固形分含有量は20%、該固形分中のシリカ成分含有量は99.3%であった。また、該試験液のpHは9.7であった。
比較例2
 市販のナトリウムケイ酸塩(3号水ガラス)50部とイオン交換水50部を混合して試験液を調製した。本試験液の固形分含有量は20%、該固形分中のシリカ成分含有量は75%であった。また、該試験液のpHは11.5であった。
比較例3
ナトリウムケイ酸塩5部を上記(a)−2液100部に混合した後、イオン交換水5部を混合した以外は実施例1と同一条件で調製した。しかし、ゲルを生じ均一な分散液とはならず、以後の評価は行わなかった。
試験例1 塗膜性試験
実施例1〜7および比較例1〜2で得られた各試験液の塗膜性(製膜性)を評価した。すなわち、該試験液約0.1gをガラス板(25mm×75mm)上に刷毛塗り法にて塗工し、乾燥後の製膜状態を、光学顕微鏡による観察下、目視により以下の評価基準に基づいて評価し、塗膜性の評価とした。各試験液の塗膜性試験の結果を表1に示す。
〔評価基準〕
◎: 十分な製膜性を示し、 亀裂なし
○: 製膜性はあるが、 やや亀裂あり(幅1mm内に5本以上の亀裂あり)
△: 製膜性がなく、 亀裂あり
試験例2 耐水性試験
実施例1〜7および比較例1〜2で得られた各試験液を用いて形成された塗膜の耐水性を評価した。すなわち、該試験液約0.1gをガラス板(25mm×75mm)上に刷毛塗り法にて塗工し、乾燥後、得られた膜を水中に24時間浸漬し、ガラス板上に残存する膜量を、光学顕微鏡による観察下、目視により以下の評価基準に基づいて評価し、耐水性の評価とした。各試験液により得られた塗膜の耐水性試験の結果を表1に示す。
〔評価基準〕
◎:ほぼ残存する(80%以上残存する)
○:半分以上残存する
△:ほぼ溶解する(50%以上溶解する)
Figure 2004107204
表1の結果より、実施例1〜7で得られた試験液は、比較例1〜2で得られた試験液と比較して、いずれも良好な塗膜性を示し、また、塗膜は優れた耐水性を示すことが分かる。図1に実施例2の試験液(本発明のシリカ分散液)と比較例1の試験液(比較組成物)をそれぞれ用いて得られた塗膜の状態(倍率50倍)を示す。
試験例3 吸水抑制能試験
 実施例1〜7および比較例1〜2で得られた各試験液を用いて形成された塗膜の吸水抑制能を評価した。すなわち、平均粒径0.2mm の標準砂(山口県豊浦産)、普通ポルトランドセメントおよび水を1 :1 :0.3 の割合(重量比)で配合し、直径5cm 、高さ0.5cm のモルタル試供体を作製し、各試験液中に5分間浸漬後引き上げ、室温にて24時間の乾燥を行った。乾燥後、モルタル試供体をイオン交換水中に30分間浸漬した。イオン交換水中への浸漬前後でのモルタル試供体の重量変化率を吸水率として求め、当該吸水率により吸水抑制能を評価した。吸水率が低い程、吸水抑制能に優れる。なお、ブランクとして、試験液に浸漬しないモルタル試供体についてもイオン交換水中への浸漬前後で吸水率を求めた。各試験液により得られた塗膜の吸水抑制能試験の結果を表2に示す。
Figure 2004107204
表2の結果より、実施例1〜7で得られた試験液は、比較例1〜2で得られた試験液と比較して、得られる塗膜が優れた吸水抑制能を示すことが分かる。特に実施例4で得られた試験液からなる塗膜において著しい吸水抑制能が認められた。
実施例8
 Si−C結合を有する化合物としてナトリウムメチルシリコネート(化学式:CH5 NaO 3 Si)を使用した。実施例2記載のシリカ分散液100部に対し、攪拌下、30%ナトリウムメチルシリコネート水溶液を3.1部添加、混合し、ナトリウムメチルシリコネート含有シリカ分散液を調製した。該シリカ分散液の固形分含有量は21%、該固形分中のシリカ成分含有量は98%であった。Q2 構造の相対量は0%、Q3 /Q4 比は0.47であり、固形分粒子の平均粒径は0.11μmであった。また、当該シリカ分散液において、Si−C結合を形成するSiの含有量は、全Si中、2.3モル%であった。
 試験例1と同じ条件で塗膜性試験を行った処、ガラス板上の成膜性は良好(◎)であった。また、試験例1と同じ条件で得られたガラス板上の乾燥膜と水との接触角を接触角測定装置(協和界面科学株式会社製)により測定した。表3に、実施例2のシリカ分散液の場合と比較して、乾燥膜形成直後からのガラス板上の乾燥膜と水との接触角の経時変化を示す。
Figure 2004107204
 さらに、試験例3で作製したモルタル試供体表面上にシリカ分散液約0.2gを刷毛塗り法にて塗布した後1日乾燥後に接触角を測定した。表4に、実施例2のシリカ分散液の場合および未塗布の場合と比較して、その結果を示す。
Figure 2004107204
 表3の結果より、シリカ分散液にナトリウムメチルシリコネートを含有させることで乾燥膜の撥水性が持続的に向上することが分かる。本試験では、1時間までの撥水性の持続を観察したが、かかる撥水性は塗膜が消失するまで保持される。また、表4の結果より、乾燥膜の撥水性は、該乾燥膜がモルタル試供体表面上に形成された場合であっても同様に発揮されることが分かる。それゆえ、例えば、コンクリート表面上に耐久性に優れる撥水膜を形成することにより、コンクリートの耐久性向上が期待できる。
 本発明により、 種々の基材表面のコーティングのための、コーティング材または含浸材として好適に使用される、塗膜性および形成された塗膜の耐久性に優れる水系シリカ分散液が提供される。
図1は、実施例2の試験液(本発明のシリカ分散液)と比較例1の試験液(比較組成物)をそれぞれ用いて得られた、ガラス板上に形成された塗膜の状態を示す光学顕微鏡写真(倍率50倍)である。

Claims (8)

  1. 固形分の含有量が5〜75重量%であり、該固形分中のシリカ成分の含有量が97〜99重量%である水系シリカ分散液。
  2. シリカ成分の29Si−NMRによるスペクトルの帰属において、Qn (n=0〜4)構造を示すシグナルの総面積に対するQ2 構造を示すシグナルの面積の割合が5%以下であり、Q3 構造を示すシグナルの面積とQ4 構造を示すシグナルの面積との比が0.1≦Q3 /Q4 ≦0.6である請求項1記載の水系シリカ分散液。
  3. 固形分粒子の平均粒径が0.01〜0.8μmの範囲にある請求項1または2記載の水系シリカ分散液。
  4.  シリカ成分がSi−C結合を形成するSi及び/又はSi−C結合を形成しないSiを含有してなるものであり、Si−C結合を形成するSiを含有してなる場合、Si−C結合を形成するSiの含有量が全Si中の0.01〜30モル%である、請求項1〜3いずれか記載の水系シリカ分散液。
  5. 界面活性剤および/またはアルコールをさらに含有してなる請求項1〜4いずれか記載の水系シリカ分散液。
  6. セラミックス粉末および/または着色顔料をさらに含有してなる請求項1〜5いずれか記載の水系シリカ分散液。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の水系シリカ分散液を用いて形成されたコーティング膜。
  8. 請求項1〜6いずれかに記載の水系シリカ分散液からなる無機多孔体吸水抑制剤。
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