JP2004107159A - セラミック複合材料、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな開気孔率と小さな開気孔径とを有し、比表面積の大きいセラミック繊維を提供する。
【解決手段】セラミック繊維の繊維表面に、セラミックウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料及びその製造方法が開示される。セラミック繊維及びセラミックウィスカーは、構成元素としてAl及び/又はSiを含むことが好ましい。セラミックウィスカーのアスペクト比は、10以上が好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック繊維の繊維表面にセラミックウィスカーの一端を結合した複合材料、又はそれを用いた成形体等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、セラミック繊維を原料とする織物や成型体は、耐熱性や耐食性等に優れていることから、種々の分野へ利用することが考えられている。例えば、高温ガスの集塵用フィルターのろ過材料とすることが検討されている。しかし、従来のセラミック繊維は開気孔径が大きいため、50μm以下の微細粒子を捕捉することは困難である。
【0003】
また、開気孔径を小さくすると、同時にろ過材料の開気孔率も小さくなるため、通気ガスの圧力損失が増大する問題がある。従って、開気孔径が小さく、かつ開気孔率の大きな耐熱性ろ過材料が求められている。
【0004】
また、セラミック繊維を、チタニアなどの触媒の担体や、吸着材の担体に利用することも検討されている。
【0005】
しかし、セラミック繊維は、一般に繊維表面が平滑であるため、多量の触媒粒子等を担持させることができず、このため反応効率の高い触媒の製造が困難という問題がある。従って、比表面積の大きなセラミック繊維担体が求められている。
【0006】
一方、セラミックウィスカーには、従来からアルミナウィスカー、炭化ケイ素ウィスカー或は窒化ケイ素ウィスカー等が知られている。
【0007】
その製造方法としては、雰囲気を調製した高温の炉内でPVD又はCVD等の手法により、原料のガスやセラミックを用いて、基板上にウィスカーを生成させる方法がある。また、AlFを高温下に保つことにより、ムライトウィスカーを単独で生成させる方法などが提案されている(特許文献1)。
【0008】
しかしながら、これらのセラミックウィスカーは、セラミックス製品の靭性を高めるためにセラミックス原料に配合されたり、アスベストの代替材料とされることを使用目的としたものであり、上記のセラミック繊維の有する従来の問題点の解決とは全く関係がない。
【0009】
また、繊維の表面にウィスカーを形成することが可能であることも、従来全く知られていなかったことである。
【0010】
まして、成形体において、成型体を構成するセラミック繊維表面にウィスカーを成長させることなどは、想像さえもされていない。
【0011】
【特許文献1】
特開平1−212299号公報(第2−3頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は開気孔径が小さく、かつ開気孔率が大きく、更に表面積が大きい等の各種の好ましい特徴を有する耐熱性のセラミック複合材料を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、セラミック繊維及びセラミック繊維を素材とする織物や成型体等について、上記問題を解決すべく鋭意研究した結果、セラミック繊維の繊維表面に直接セラミックウィスカーを成長させることが可能であることを発見した。
【0014】
また、ウィスカーの形成は、セラミック繊維の繊維束や織物等に対して可能であるばかりでなく、セラミック繊維を基材として製造した成型体であっても可能であることを発見した。即ち、ウィスカーは成形体内部に存在する成型体を構成するセラミック繊維についても、均一に形成できる。
【0015】
更に、このようにウィスカーを形成した本発明複合材料は、大きな開気孔率と小さな開気孔径とを同時に備えることが可能であり、このため本発明複合材料はろ過材料等の用途に有効であることを確認した。
【0016】
また、ウィスカーの形成によってセラミック繊維の比表面積が飛躍的に増大するので、触媒担体として有望であることを確認した。本発明は、上記発見及び確認に基づいて完成するに至ったものである。
【0017】
即ち、本発明は、以下に記載のものである。
【0018】
〔1〕 セラミック繊維の繊維表面に、セラミックウィスカーの一端を結合してなることを特徴とするセラミック複合材料。
【0019】
〔2〕 前記セラミック繊維が、構成元素としてAl及び/又はSiを含む〔1〕に記載のセラミック複合材料。
【0020】
〔3〕 前記セラミックウィスカーが、構成元素としてAl及び/又はSiを含む〔1〕又は〔2〕に記載のセラミック複合材料。
【0021】
〔4〕 前記セラミックウィスカーのアスペクト比が、10以上である〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載のセラミック複合材料。
【0022】
〔5〕 〔1〕乃至〔4〕の何れかに記載の複合材料で構成された糸、織物又は編み物。
【0023】
〔6〕 〔1〕乃至〔4〕の何れかに記載の複合材料の繊維束、或は〔5〕に記載の糸、織物又は編み物を基材とした成型体。
【0024】
〔7〕  アルミニウム及び/又はケイ素を含有するセラミック繊維にアルミナと三フッ化アルミを酸化雰囲気で反応させることを特徴とするセラミック繊維の繊維表面に、アルミナウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料の製造方法。
【0025】
〔8〕 アルミニウム及び/又はケイ素を含有するセラミック繊維に三フッ化アルミと水とを不活性雰囲気で反応させることを特徴とするセラミック繊維の繊維表面に、アルミナウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料の製造方法。
【0026】
〔9〕 アルミニウム及び/又はケイ素を含有するセラミック繊維にベーマイトのゲル化物と三フッ化アルミを酸化雰囲気で反応させることを特徴とするセラミック繊維の繊維表面に、アルミナウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料の製造方法。
【0027】
〔10〕 アルミニウム及び/又はケイ素を含有するセラミック繊維にアルミナ−シリカと三フッ化アルミを酸化雰囲気で反応させることを特徴とするセラミック繊維の繊維表面に、アルミナ−シリカウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料の製造方法。
【0028】
〔11〕 炭化ケイ素セラミック繊維にポリカルボシランをコーティングし、アルキルシラン化合物と水素、又は四塩化ケイ素と炭化水素とを不活性雰囲気で反応させることを特徴とする炭化ケイ素セラミック繊維の繊維表面に、炭化ケイ素ウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料の製造方法。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の複合材料の具体例を図1〜図4に示す。
【0030】
図1はアルミナ繊維の表面にムライトウィスカーを形成した複合材料の顕微鏡写真を示し、図2はその拡大写真である。
【0031】
図2から、ウィスカーのアスペクト比は10以上であり、20〜30のものが多いことが分る。
【0032】
また、多くのウィスカーは、木の枝のように繊維表面を基点として成長しており、ウィスカーの一端はセラミック繊維に結合し容易に剥離しないことが分る。
【0033】
更に、顕微鏡写真から理解できるように、本発明の複合材料は大きな開気孔率、小さな開気孔径、及び大きな比表面積を備えるため、ろ過材料や触媒担体として優れた材料であることが理解できる。
【0034】
本発明で使用するセラミック繊維は特に限定されないが、アルミナ、アルミナ−シリカ、アルミナーシリカ−ボリア、又は炭化ケイ素質繊維(商品名 チラノ繊維、ニカロン等)が好ましい。これらセラミック繊維は、市販品として公知のものが何れも使用可能である。即ち、セラミック繊維の構成元素としてAl及び/又はSiを含むものが好ましい。繊維長、繊維径等も特に制限が無いが、通常市販されている繊維径は5〜100μm程度である。
【0035】
ウィスカーの形成は、これらの繊維束を対象として行うことができる他、これらの繊維を素材とする糸、織物、編み物に対しても行うことができる。更に、これらの繊維束、糸、織物、編み物を基材として形成した成型体に対しても同様にウィスカーの形成を行うことができる。
【0036】
形成するウィスカーの径は0.05μm以上が好ましく、0.2〜0.5μmがより好ましい。ウィスカーの長さは、0.25μm以上が好ましく、2〜20μmがより好ましい。ウィスカーのアスペクト比は5以上が好ましく、10〜40がより好ましい。
【0037】
形成するセラミックウィスカーは特に限定されないが、アルミナ、アルミナーシリカ、又は炭化ケイ素が好ましい。即ち、構成元素としてAl及び/又はSiを含むものが好ましい。
【0038】
ウィスカーを形成する方法は特に限定されない。公知のウィスカー製造方法が、適宜利用できる。
【0039】
例えば、アルミナウィスカーの場合には、酸化物セラミックからなる容器中にセラミック繊維とアルミナ粉末を入れ、AlFを介在させた酸化雰囲気で1200〜1600℃、好ましくは1500℃付近で、0.5〜3時間程度保持することにより形成することができる。
【0040】
アルミナウィスカーを形成する他の方法としては、セラミック繊維をAlF及びHOを介在させた不活性ガス雰囲気の中に置いて、1100〜1500℃、好ましくは1400℃付近で0.5〜3時間程度保持することにより形成することができる。
【0041】
また、Al(OCを加水分解してベーマイト(AlOOH)ゾルを作り、これを60℃で例えば2日間乾燥させてゲル化させたものをアルミナ繊維に塗布し、1000℃付近の温度で20分間程度加熱することにより形成することもできる。
【0042】
また、アルミナ−シリカウィスカーを形成する場合は、アルミナ粉末の代りにアルミナーシリカの粉末を用いて、900〜1300℃、好ましくは1100℃付近で上記と同様な処理により形成することができる。更に、実施例1及び2て゛詳述するように、Al/Si(モル比)が3に近いムライトウィスカーを形成することも可能である。
【0043】
炭化ケイ素繊維表面に、炭化ケイ素ウィスカーを形成する場合は、使用する炭化ケイ素繊維を予めポリカルボシラン等でコーティングする。これを炭化ケイ素をコーティングした炭素ルツボに入れ、ウィスカー原料としてメチルトリクロロシラン等のアルキルハロゲン化シラン化合物及び水素等の還元性ガスを介在させたガス雰囲気で、1500〜1900℃で0.5〜3時間保持することにより形成することができる。
【0044】
また、ウィスカー原料として四塩化ケイ素等のシラン化合物及びメタン等の炭化水素を介在させた一酸化炭素雰囲気中で、1500〜1900℃で0.5〜3時間保持することにより形成することができる。
【0045】
セラミック繊維と、ウィスカー形成原料の配合比は質量基準で1:0.03〜1:5が好ましく、特に1:0.1〜1:2が望ましい。
【0046】
【実施例】
実施例1(繊維束へのムライトウィスカーの形成)
1)セラミック繊維
次の2種類のセラミック繊維を用いた。
【0047】
繊維A:三井鉱山マテリアル(株)製高純度アルミナ繊維 ALMAX
(Al 99.5質量%)
繊維B:三井鉱山マテリアル(株)製セラミック繊維 ALMAX−B
(Al 70質量%、SiO2 30質量%)
2)ウィスカー原料
41.666gのSi(OCと、202.618gのAl(NO・9HOとを エタノールに溶解し、全量を1Lとした。
【0048】
得られた溶液に、5.04gのAlFを分散させ、よく撹拌した。この懸濁液に濃アンモニア水を20ml滴化し、沈殿物を得た。40℃、減圧下、エタノールを留去した後、300℃で、5時間乾燥して粉末状のウィスカーの原料を得た。
【0049】
3)ムライトウィスカーの形成
上記ウィスカー原料10gをエタノール45mLに分散させてスラリー状にした後、これを上記のセラミック繊維に塗布し、これを蓋付きルツボに入れて1000−1200℃の温度で2時間、空気中で焼成した。
【0050】
その結果、いずれもセラミック繊維の表面に、長さ1〜3μm、アスペクト比10以上の単結晶ムライトウィスカーが生成した。使用した繊維の種類によって、生成するムライトウィスカーの形状に顕著な違いは認められなかった。
【0051】
焼成温度については、温度が低いほど、生成するムライトウィスカーのアスペクト比が大きくなる傾向が認められた。
【0052】
繊維Aを用いて、1200℃で2時間焼成して得られた複合材料の電子顕微鏡写真を図1に、その拡大図を図2に示す。また、繊維Bを用いて、1100℃で2時間焼成して得られた複合材料を図3に、1000℃で2時間焼成して得られた複合材料を図4に示す。
【0053】
4)性状の確認など
エネルギー分散型分光器付きの透過型電子顕微鏡を用いて、上記ムライトウィスカーの化学組成を分析した結果、Al/Si=3.4(モル比)であった。
【0054】
また、窒素ガス吸収法により比表面積を測定した。ウィスカー形成後の複合材料の比表面積は、繊維自体の比表面積の約50倍に増大していた。
【0055】
【化1】
6AlF+3O→6AlOF+12F
Al+2F→2AlOF+1/2O
2SiO+8F→2SiF+2O
6AlOF+2SiF+7/2O→3Al・2SiO+14F
なお、ムライトウィスカーの生成反応は上記の通りである。
【0056】
実施例2(成型体にムライトウィスカーの形成)
1)セラミック繊維成型体
セラミック長繊維として実施例1で示した繊維Aを、また成型用アルミナ粒子として住友化学工業(株)製AKP・60を用いた。
【0057】
アルミナ粒子50gに、エタノール450gを添加し、良く撹拌してスラリー状とした。このスラリーにセラミック繊維を浸してセラミック繊維にスラリーを十分含浸させた後、フィラメントワインディング法により外径55mm、内径50mm、長さ100mmの円筒状の成形体に成型した。この成型体を100℃で乾燥させた後、1200℃で2時間、空気中で焼成した。焼結後の成型体の開気孔率は、約50体積%であった。
【0058】
2)ムライトウィスカーの形成
実施例1と同様に調製した粉末状のムライトウィスカー原料を、エタノールに分散させてスラリー状にした。このスラリーに成型体を浸漬させ、減圧にすることにより脱気させ、十分にスラリーを成形体に含浸させた。これを大気中で乾燥させた後、蓋付きルツボに入れて1000〜1200℃の温度で2時間、空気中で焼成した。
【0059】
その結果、成型体を構成する成形体内部のセラミック繊維の表面に、長さ3〜7μm、アスペクト比10以上の単結晶ムライトウィスカーが生成した。ウィスカーの生成は、成型体の表面付近に集中することなく、セラミック繊維全体にわたって均一であった。この成型体の開気孔率は約45体積%であり、大きな開気孔率を維持していることが分った。
【0060】
3)脱塵性能試験
得られた円筒状成型体をろ過材料として脱塵性能試験を行った。ダストを含むガスの流通方向は、成型体の外側から内側に向う方向とし、ダストを成型体の外表面に堆積させた。定期的に、内側から外側に向ってパルス圧を噴射し(逆洗)、成形体外表面に堆積したダストを払い落した。
【0061】
詳細な試験条件を表1に示す。ダストは、(社)日本粉体工業技術協会製のフライアッシュ(JIS・10種)を用いた。
【0062】
比較例1
比較例1として、ムライトウィスカーを形成する前の成型体をろ過材料として用いて同様の試験を行った。これらの試験結果を表2に示す。
【0063】
ここで、捕集効率(%)は、脱塵前のダスト濃度をC、脱塵後のダスト濃度をCとし、計算式(C/C)×100を用いて算出した。また、最大差圧は、脱塵試験中における成型体内外の最大圧力差を示す。ウィスカーを形成したことにより、最大差圧も脱塵後のダスト濃度も大幅に低減され、ろ過材料として極めて高性能であることが確認された。
【0064】
【表1】
Figure 2004107159
【0065】
【表2】
Figure 2004107159
実施例3(アルミナウィスカーの形成)
1)反応炉
図5に示す反応炉を用いて、アルミナ繊維の表面にアルミナウィスカーを形成した。反応炉100は、二つの電気炉(炉A及び炉B)からなり、それぞれの炉内温度を個別に調節できるようになっている。反応炉100内にはアルミナ管2が挿入され、更に、アルミナ管2の内部にグラファイト管4が挿入されている。グラファイト管内には、炉Aによって加熱される室Aと、炉Bによって加熱される室Bが設けられている。グラファイト管4の室A外端部には、小径のアルミナ管からなる湿潤ガス入り口6及びガス出口8が設けられ、室B外端部には、小径のアルミナ管からなる乾燥ガス入り口10が設けられている。
【0066】
2)アルミナウィスカーの形成
反応炉100内の室A内にはアルミナ繊維束(実施例1の繊維A)12を、室B内にはウィスカー原料のAlF粉末14を静置した。
【0067】
キャリアガスとしてアルゴンガスを使用した。湿潤ガス入り口6から室A内に、水蒸気分圧を50Paに調節したアルゴンガスを100ml/分で流入させ、乾燥ガス入り口10から乾燥アルゴンガスを100ml/分で室B内に流入させた。
【0068】
その後、炉Aを1400℃、炉Bを800℃に加熱した。これによって、室B内で発生したAlF ガスは、キャリアガスによって室A内に導入され、室Aでは次の反応によりアルミナ繊維の繊維表面にアルミナウィスカーが析出した。
【0069】
【化2】
2AlF+3HO→Al+6HF
生成したアルミナウィスカーは、長さ2〜20μm、アスペクト比10以上であった。
【0070】
実施例4(炭化ケイ素ウィスカーの形成)
1)反応炉
タンマン炉を使用して、炭化ケイ素繊維の表面に炭化ケイ素ウィスカーを形成した。タンマン炉の炉心管には、予め炭化ケイ素でコーティングしたグラファイト管を使用した。また、使用するボートは、予め炭化ケイ素でコーティングしたカーボンボートを使用した。
【0071】
2)炭化ケイ素ウィスカーの形成(1)
3質量%のポリカルボシランをコーティングした炭化ケイ素繊維束をボートに乗せて炉内にセットした。
【0072】
キャリアガスとしてアルゴンガスを用い、メチルトリクロロシラン(CHSiCl)35体積%、水素3体積%を含むアルゴンガスを100ml/分の流量で炉内に供給した。
【0073】
炉内温度1500℃〜1900℃として、2時間処理を行った。この結果、炭化ケイ素繊維の表面には、アスペクト比約70の炭化ケイ素ウィスカーの成長が認められた。
【0074】
また、また炭化ケイ素繊維束の代りに、炭化ケイ素繊維を基材として焼結した成型体(100g)を用いて同様の操作を行った結果、成型体内部の繊維全体にほぼ同様の炭化ケイ素ウィスカーの生成が認められた。
【0075】
3)炭化ケイ素ウィスカーの形成(2)
キャリアガス及びウィスカー原料を変えた以外は上記の反応炉を用いて同様に操作し、セラミック複合体を製造した。3質量%のポリカルボシランをコーティングした炭化ケイ素繊維束をボートに乗せて炉内にセットした。
【0076】
キャリアガスとして一酸化炭素を用い、四塩化ケイ素30体積%、メタン2体積%を含む一酸化炭素を100ml/分の流量で炉内に供給した。
【0077】
炉内温度1400〜1900℃として、2時間処理を行った。この結果、炭化ケイ素繊維の表面には、アスペクト比約50の炭化ケイ素ウィスカーの成長が認められた。
【0078】
【発明の効果】
本発明のセラミック複合体は、セラミック繊維にウィスカーの一端を連結しているので、ウィスカーがセラミック繊維から脱落し難い。本発明のセラミック複合体は、ウィスカーをセラミック繊維に連結しているので、開気孔径が小さく、割開気孔率が大きい。従って、本セラミック複合体は高温濾過材等の用途に適する。更に、本セラミック複合体は比表面積が大きいので、触媒粒子の担体として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明セラミック複合体の一例を示す図面代用顕微鏡写真である。
【図2】図1の拡大図面代用顕微鏡写真である。
【図3】本発明セラミック複合体の他の例を示す図面代用顕微鏡写真である。
【図4】製造温度を変えた場合の図3のセラミック複合体の図面代用顕微鏡写真である。
【図5】実施例3に於いて使用する反応炉を示す概略構成図である。
【符号の説明】
100  反応炉
2  アルミナ管2
4  グラファイト管
6  湿潤ガス入り口
8  ガス出口
10  乾燥ガス入り口
12  アルミナ繊維束
14  AlF粉末

Claims (11)

  1. セラミック繊維の繊維表面に、セラミックウィスカーの一端を結合してなることを特徴とするセラミック複合材料。
  2. 前記セラミック繊維が、構成元素としてAl及び/又はSiを含む請求項1に記載のセラミック複合材料。
  3. 前記セラミックウィスカーが、構成元素としてAl及び/又はSiを含む請求項1又は2に記載のセラミック複合材料。
  4. 前記セラミックウィスカーのアスペクト比が、10以上である請求項1乃至3の何れかに記載のセラミック複合材料。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の複合材料で構成された糸、織物又は編み物。
  6. 請求項1乃至4の何れかに記載の複合材料の繊維束、或は請求項5に記載の糸、織物又は編み物を基材とした成型体。
  7. アルミニウム及び/又はケイ素を含有するセラミック繊維にアルミナと三フッ化アルミを酸化雰囲気で反応させることを特徴とするセラミック繊維の繊維表面に、アルミナウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料の製造方法。
  8. アルミニウム及び/又はケイ素を含有するセラミック繊維に三フッ化アルミと水とを不活性雰囲気で反応させることを特徴とするセラミック繊維の繊維表面に、アルミナウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料の製造方法。
  9. アルミニウム及び/又はケイ素を含有するセラミック繊維にベーマイトのゲル化物と三フッ化アルミを酸化雰囲気で反応させることを特徴とするセラミック繊維の繊維表面に、アルミナウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料の製造方法。
  10. アルミニウム及び/又はケイ素を含有するセラミック繊維にアルミナ−シリカと三フッ化アルミを酸化雰囲気で反応させることを特徴とするセラミック繊維の繊維表面に、アルミナ−シリカウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料の製造方法。
  11. 炭化ケイ素セラミック繊維にポリカルボシランをコーティングし、アルキルシラン化合物と水素、又は四塩化ケイ素と炭化水素とを不活性雰囲気で反応させることを特徴とする炭化ケイ素セラミック繊維の繊維表面に、炭化ケイ素ウィスカーの一端を結合してなるセラミック複合材料の製造方法。
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