JP2004107032A - シート状被搬送体の搬送機構及び画像形成装置 - Google Patents

シート状被搬送体の搬送機構及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】積層されたシート状の被搬送体を分離して搬送するときに被搬送体への傷付きを防止しかつ安定して搬送可能な搬送機構及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】この搬送機構10は、フィルムF1に押し付けられ回転駆動されて回転することでフィルムを送り出す搬送ローラ11と、送り出されたフィルムが接触する摩擦部材14と、摩擦部材との間にフィルムを付勢しながら挟むように配置された従動回転可能な中間ローラ12と、を具備する。中間ローラを通過したフィルムがその先端で当接して撓むように摩擦部材がフィルム搬送方向Hに傾斜しており、フィルムの先端が摩擦部材の傾斜した領域16に当接し撓むので、複数のフィルムが中間ローラを通過しても分離可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状の被搬送体を搬送する搬送機構及びこの搬送機構を備える画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、医用画像記録用の熱現像感光フィルムに画像形成するための画像形成装置では、供給部のトレイに積層されたフィルムを搬送するために真空吸引による吸盤ピックアップ方式を採用していた(例えば、特開2000−275749公報参照)。かかる搬送機構を更にコンパクトにするために、搬送ローラの押付力によりフィルムに摩擦力を与え回転運動により送り出してから一対のニップローラで搬送する公知の搬送機構を適用可能である。かかる従来のフィルムの搬送機構の例を図5に示す。
【0003】
図5の従来例では、トレイT内に積層されたフィルムFの表面BCに所定の押付力P1で当接した搬送ローラ91が回転方向rに回転することで最上位のフィルムFを一対のニップローラ92,93側に送り出す。そして、駆動ニップローラ93側から従動ニップローラ92側にニップ力P2を加えながらフィルムFをニップローラ92,93間に挟んで搬送方向Hに搬送する。
【0004】
上述のようなフィルム搬送時に、最上位のフィルムFとともにその下の1、2枚のフィルムも搬送ローラ91により送り出されてニップローラ92,93で搬送されることがあるので、ニップローラ93をトルクリミッタ付き逆転可能なローラから構成している。一対のニップローラ92,93間に複数枚のフィルムが挟まれることでニップローラ93のトルクが上昇すると、トルクリミッタが検知し、ニップローラ93が逆回転し、余分に搬送されたフィルムを元に戻す。
【0005】
また、熱現像感光性フィルムは多数枚積層され脱気状態でバリア袋に包装されて出荷される。また、フィルムFの表面BC側にはマット剤が配置され、フィルムFの裏面ECには画像を記録する乳剤が塗布され乳剤面が形成されている。フィルムは、表面BCと裏面ECとが対向するように積層されており、表面BC側に配置されたマット剤の突起によりフィルム同士が貼り付き難いようにしているが、バリア袋内に脱気状態で保管され続けると、フィルム間の真空度が大きくなり、フィルム同士の密着が進行する結果、フィルムを1枚づつ分離するのに要する力が大きくなってしまう。
【0006】
また、フィルム搬送時に搬送ローラ91、ニップローラ92,93で所定の力P1、P2で押し付けながら最上位のフィルムFをその下のフィルムに対して搬送するときに、特に上述のようなフィルム分離のためにニップローラ92,93によるニップ力が大きくなり、表面BC側のマット剤が裏面ECの乳剤面を擦るようにして移動するため、フィルムFの裏面ECに傷が発生することがあり、そのため画像記録に影響を及ぼすおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、積層されたシート状の被搬送体を分離して搬送するときに被搬送体への傷付きを防止しかつ安定して搬送可能な搬送機構及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による搬送機構は、シート状の被搬送体に押し付けられ回転駆動されて回転することで前記被搬送体を送り出す搬送ローラと、前記送り出された被搬送体が接触する摩擦部材と、前記摩擦部材との間に前記被搬送体を付勢しながら挟むように配置された従動回転可能な中間ローラと、を具備し、前記中間ローラを通過した前記被搬送体がその先端で当接して撓むように前記摩擦部材が前記被搬送体の搬送方向に傾斜していることを特徴とする。
【0009】
この搬送機構によれば、搬送ローラで送り出された被搬送体が中間ローラで摩擦部材に付勢されながら適度な摩擦力を受けながら搬送されるので、安定した搬送を実現できるとともに、被搬送体が中間ローラを通過すると、その先端が摩擦部材の傾斜した領域に当接し撓むので、複数の被搬送体が中間ローラを通過しても分離可能となる。従って、従来のようなトルクリミッタ付き逆回転ローラを使用しなくとも分離できるので、被搬送体への傷付きを防止できる。
【0010】
上記搬送機構では、前記摩擦部材が少なくとも2段階に傾斜し、前記先端が当接する領域は前記中間ローラの配置された領域よりも大きく傾斜しているように構成できる。これにより、被搬送体は、比較的傾斜の緩やかな領域で中間ローラにより付勢されるので搬送が安定し、また、比較的傾斜の急な領域で先端が当接するので、撓み易く分離が容易となる。
【0011】
また、前記中間ローラは、複数枚の前記被搬送体が前記中間ローラを通過したとき、前記複数枚の被搬送体が前記先端で分離するように前記先端が当接する領域の直前に配置されることが好ましい。
【0012】
また、複数枚の前記被搬送体が前記中間ローラを通過したときに前記被搬送体を戻すように逆回転する戻しローラを設けることが好ましく、これにより、余分に搬送された被搬送体を戻すことができる。
【0013】
また、前記中間ローラにおける前記被搬送体の通過数枚を制限するように前記中間ローラと前記摩擦部材との間の隙間が一定量に管理されていることが好ましい。
【0014】
また、前記被搬送体は複数枚が積層された状態で前記搬送ローラにより送り出されるように構成されることが好ましい。
【0015】
また、前記被搬送体に対する前記搬送ローラによる搬送力は、前記先端が当接する領域における前記被搬送体に対する分離力よりも大きく、好ましくは分離力の2倍以上である。これにより、被搬送体が安定して搬送できかつ分離を確実に行うことができる。なお、ここで、分離力とは、被搬送体の先端が摩擦部材の傾斜した領域に当接したときの衝撃力と摩擦部材から受ける摩擦力との和である。
【0016】
また、前記搬送ローラは、75gf/mm以下の押圧力で前記被搬送体に押し付けられ、ゴム硬度が20°以上でありかつ前記被搬送体に対する動摩擦係数が2以上となるような弾性材料から構成されることが好ましい。
【0017】
また、前記摩擦部材は、前記先端が当接する領域で水平方向に対し23°以上傾斜し、前記被搬送体に対する動摩擦係数が2以上となるような弾性材料から構成されることが好ましい。
【0018】
また、前記被搬送体は前記搬送ローラにより20mm/秒以下の搬送速度で搬送されることが好ましい。
【0019】
また、前記中間ローラの下流側に前記被搬送体の枚数を検知するセンサを配置し、余分な枚数が搬送されたとき、前記戻しローラにより前記余分な被搬送体を戻すように構成できる。この場合、前記搬送ローラによる被搬送体の開始から所定時間内に前記センサにより被搬送体を検知できないときは、前記被搬送体を元に戻す機構(例えば、搬送ローラを逆回転させる機構)を更に備えることが好ましい。
【0020】
本発明による画像形成装置は、上述の搬送機構を備え、前記搬送された被搬送体に対し画像を形成することを特徴とする。上述の搬送機構によりフィルムや記録紙等の記録媒体を安定に搬送できるので画像形成を安定して行うことができるとともに、記録媒体への傷付きを防止できるので記録媒体に形成される画像品質を維持できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態によるフィルム搬送機構を概略的に示す側面図であり、図2は図1の摩擦部材を示す側面図である。
【0022】
図1に示すように、フィルム搬送機構10は、トレイT上に積層されたフィルムFの最上位のフィルムF1に押し付けられる搬送ローラ11と、搬送ローラ11から送り出されたフィルムF1をガイドする平面状のガイド部材17と、ガイド部材17上に形成されフィルムF1が接触しながら搬送される摩擦部材14と、摩擦部材14との間にフィルムF1を挟みながら摩擦部材14に向けて付勢される中間ローラ12と、複数枚のフィルムが中間ローラ12を通過したときの余分なフィルムを逆回転で元に戻すための戻しローラ13と、を備える。
【0023】
被搬送体であるフィルムFは、熱現像感光材料等の感光性フィルムであり、トレイT上に多数枚が積層されており、その最上位のフィルムF1から順次搬送される。フィルムFはPET等を基材とし、図1の表面側にはマット剤が配置され、フィルムFの図1の裏面は画像記録のために乳剤が塗布され乳剤面となっている。トレイTは、水平昇降機構(図示省略)により昇降し、フィルム搬送によりフィルムの積層枚数が減ると上昇し最上位のフィルムが常に一定の高さになるようになっている。
【0024】
搬送ローラ11は、ゴム硬度が20°以上でありかつフィルムに対する動摩擦係数が2以上となるような弾性材料からなり、75gf/mm以下の押圧力S1でフィルムF1に押し付けられながらモータ(図示省略)により回転駆動されるようになっている。搬送ローラ11の回転によりフィルムF1は1kgf以上の搬送力S2を受けることができる。搬送ローラ11は、例えばエラストマ系の熱可塑性樹脂を用い、粉末成形で製造でき、所定の動摩擦係数が得られるように表面粗さを調整して形成できる。
【0025】
搬送ローラ11は、図1のように、回転軸11bから延びたアーム11aの先端側に設けられている。搬送ローラ11の押圧力S1は、搬送ローラ11の自重やアーム11aの長さ等に基づくアーム11aのモーメントから求めることができるが、例えば搬送ローラ11の自重を調整することで、押圧力S1が75gf/mm以下となるようにモーメントが調整される。
【0026】
また、中間ローラ12は、POM等の樹脂材料からなり、搬送ローラ11から送り出されたフィルムを摩擦部材14との間で挟み従動回転しながら更に搬送方向Hに送る。中間ローラ12は、コイルばね等の付勢部材12aにより摩擦部材14に向けてほぼ垂直方向に付勢されているが、その押圧力は75gf/mm未満である。中間ローラ12と摩擦部材14との間のスリットの隙間はフィルム1.5枚乃至2枚分程度となるように調整されており、かかるスリット分離によりフィルム3枚以上の搬送を防止する。このスリット分離のための中間ローラ12と摩擦部材14との間のスリットの隙間は、例えば、製造時に、隙間ゲージ等により一定量になるように管理されており、また、メンテナンス時等に適宜管理することで、調整できる。
【0027】
摩擦部材14は、フィルムに対する動摩擦係数が2以上となるようなエラストマ等の弾性材料からなり、図1、図2に示すように、2段階に傾斜しており、搬送方向Hの上流側から下流側に向けて、比較的緩やかに傾斜した第1の傾斜領域15と、第1の傾斜領域15の終端から比較的急に傾斜した第2の傾斜領域16とを含む。
【0028】
図2のように、摩擦部材14の第1の傾斜領域15は、水平方向に対し傾斜角θ1で傾斜し、第2の傾斜領域16は傾斜角θ2で傾斜し、傾斜角θ2は傾斜角θ1よりも大きく、23°以上である。例えば、傾斜角θ2が23°に設定されたとき傾斜角θ1は12°に設定することができる。
【0029】
図1,図2のように、中間ローラ12は、摩擦部材14の第1の傾斜領域15内に配置され、第2の傾斜領域16の直前に配置される。また、戻しローラ13は中間ローラ12よりも下流側の第1の傾斜領域15と第2の傾斜領域16との遷移部分近傍に配置される。
【0030】
フィルムが搬送されると、比較的傾斜の緩やかな第1の傾斜領域15で中間ローラ12により摩擦部材14に付勢されるので、動摩擦係数が大きいため比較的大きな摩擦力を受けフィルムの搬送が安定し、また、比較的傾斜の急な第2の傾斜領域16でフィルムの先端が当接し同様に比較的大きな摩擦力を受けるので、撓み易く分離が容易となる。フィルムの先端は、第2の傾斜領域16においてフィルムの先端が当接したときの衝撃力と摩擦部材14からの摩擦力とを受け、これらの衝撃力と摩擦力との和が、複数枚のフィルムを分離する当接分離力S3(図3(b))となり、搬送ローラ11による搬送力S2よりも小さくなるように調整される。
【0031】
次に、図1、図2のフィルム搬送機構10のフィルムの搬送及び分離の動作について図3を参照して説明する。図3(a)乃至(c)はフィルム搬送機構10による搬送及び分離動作を示す側面図である。
【0032】
まず、図3(a)のように、搬送ローラ11が回転駆動され回転方向rに回転すると、トレイT上に積載されたフィルムFの最上位のフィルムF1とその下のフィルムF2とが一緒に送り出され搬送方向Hに搬送速度20mm/秒以下で摩擦部材14へと搬送される。
【0033】
そして、図3(b)のように、2枚のフィルムF1,F2が第1の傾斜領域15で摩擦部材14と中間ローラ12との間に挟まれながら中間ローラ12を通過すると、フィルムF1,F2の先端Fa、Fbが第2の傾斜領域16で摩擦部材14と当接する。
【0034】
フィルムF1,F2の先端Fa、Fbが当接する第2の傾斜領域16は傾斜角θ2がより大きく、急に傾斜しているので、図3(c)のように、フィルムF1,F2は、先端Fa、Fbで摩擦部材14との間の摩擦力でその搬送方向Hへの搬送が制限され、弾性的に変形し撓む。そして、上側のフィルムF1の先端Faがまず摩擦部材14から離れ、下側のフィルムF2の先端Fbが未だ摩擦部材14に当接していることで、フィルムF1はフィルムF2から分離する。
【0035】
フィルムF1は搬送ローラ11の搬送力を受けているので、搬送方向Hに更に搬送される。また、フィルムF2は、回転方向r’に逆回転する戻しローラ13により搬送方向Hの反対方向に戻される。なお、戻しローラ13は、常に逆回転させておいてもよく、また、タイミングをとって逆回転させてもよい。
【0036】
図1〜図3のフィルム搬送機構によれば、フィルムは、搬送ローラ11で搬送力S2を受けながらトレイTから送り出され、中間ローラ12で摩擦部材14に対し付勢されながら適度な摩擦力を受けるので、安定して搬送される。
【0037】
また、上述のように、搬送ローラ11から搬送力を受けた複数枚のフィルムF1,F2が中間ローラ12を通過した場合に、その先端Fa、Fbが摩擦部材14の傾斜の大きい第2の傾斜領域16に当接し撓み、分離可能となる。従って、従来のようなトルクリミッタ付き逆回転ローラを使用しなくとも分離できるので、フィルムへの傷付きを防止できる。
【0038】
次に、本実施の形態におけるフィルムの安定搬送及びフィルムへの傷付き防止について更に説明する。上述のように、多数枚積層された感光性フィルムが脱気状態でバリア袋に包装された保管状態が続くと、フィルム同士の密着が進行し、フィルム密着力が大きくなり、フィルムを1枚づつ分離するのに要する力が大きくなってしまうのであるが、本発明者等の実験及び検討によれば、上述のようなフィルム同士が密着するフィルム密着力は、フィルムサイズ、保管期間等の種々の条件を考慮に入れると、最大で700gf程度であることが分かった。
【0039】
従って、本実施の形態では、次式のように、搬送ローラ11によるフィルム搬送力S2をかかるフィルム密着力よりも大きい1kgf以上とし、更に、摩擦部材14における当接による当接分離力S3をフィルム密着力よりも大きい800gf以上とすることで、フィルム搬送及びフィルム分離を確実かつ安定に行うことができる。このため、特に、フィルム間で真空状態による強固な密着力が発生し易い脱気バリア袋中に保管した積層フィルムについて搬送を行う場合に、本実施の形態によるフィルム搬送機構は有効となり、安定なフィルム分離・搬送を行うことができる。
【0040】
フィルム搬送力S2>当接分離力S3>フィルム密着力
【0041】
一方、本発明者等の更なる実験及び検討によれば、フィルムにおける視認可能レベルの傷の発生の有無についてローラのフィルムに対する押圧力とフィルムの搬送速度との関係を図4に示す。図4から、フィルム搬送速度が20mm/秒以下でローラによる押圧力が75gf/cm以下、フィルム搬送速度が10mm/秒以下でローラによる押圧力が100gf/cm以下であれば、フィルムに傷が発生しないことが分かる。
【0042】
図5のような従来のフィルム搬送機構によれば、トルクリミッタ付きニップローラ93による逆回転でフィルムの分離搬送を行うときには100gf/cm以上のニップ力(押付力)が必要であり、図4から分かるように視認可能レベルの傷の発生を防止するには不充分であるのに対し、本実施の形態では、搬送ローラ11によるフィルムへの押圧力S1は75gf/mm以下であるので、フィルムへの視認可能レベル傷付きを確実に防止できる。これは、搬送ローラ11によるフィルムへの押圧力が小さいので、フィルム表面側のマット剤が裏面の乳剤面を擦るように移動することに起因する乳剤面での傷付きが発生しないためと考えられる。
【0043】
以上のように、本実施の形態によるフィルム搬送機構によれば、搬送ローラ11によるフィルムへの押し圧力を比較的小さくしてもフィルムに対する動摩擦係数を大きくしたので、安定した搬送力を得ることができるとともに、フィルムは摩擦部材14に中間ローラ12により付勢されるので、比較的大きな摩擦力を受けて安定して搬送される。そして、2枚のフィルムが中間ローラ12を通過しても、フィルムの先端が摩擦部材14に比較的急な第2の傾斜領域15で当接し比較的大きな摩擦力を受けることでその移動が制限され撓むことで、フィルムが分離される。このようにして、フィルムへの傷付きを防止しながら安定なフィルム搬送及び分離が可能となる。
【0044】
上述のような搬送機構10は、例えば、熱現像感光材料フィルムや液現像感光フィルムにレーザ露光し現像することでフィルムに可視像を形成するようなレーザイメージャ、紙や各種シート材のような記録媒体に画像を形成する複写機、レーザプリンタ及びインクジェットプリンタのような各種の公知の画像形成装置に適用可能である。
【0045】
これらの画像形成装置において紙やフィルム等の記録媒体の保管・供給部分に搬送機構10を設けることで、記録媒体を確実かつ安定に搬送できるので、画像形成を安定して行うことができる。また、傷の付き易い記録媒体であっても、傷の発生を防止して保管・供給部分から搬送することができるので、記録媒体に形成される画像品質を維持できる。
【0046】
また、図1〜図3のような搬送ローラ、中間ローラ及び傾斜した摩擦部材を用いたフィルム搬送機構は、コンパクトに構成できかつ低コストであり、好ましく、このため画像形成装置に適用した場合に、装置の小型化及びコスト減に寄与できる。
【0047】
以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、被搬送体としては、医用画像記録等に用いられる熱現像感光材料や液現像感光材料等の感光性フィルム以外に、感熱フィルム、紙、OHPフィルム、紙以外の各種のシート材等であってもよいことは勿論である。
【0048】
また、摩擦部材14は、2段階に傾斜させたが、3段階以上に順々に傾斜させてもよい。また、摩擦部材14はガイド部材17の上に例えばエラストマ系の熱可塑性樹脂を用いて適度な厚さで所定の動摩擦係数が得られるように表面粗さを調整して形成できる。
【0049】
また、図3(a)に破線で示すように、搬送ローラ11’を追加して設けてもよく、これにより、より充分なフィルム搬送力S2を得ることができる。搬送ローラ11’は、搬送ローラ11と同様に構成してよく、両方を同期しながら回転駆動することが好ましい。
【0050】
また、図6に示すように、発光部と受光部とを有する反射型の光センサ21を中間ローラ12と戻しローラ13との間におけるフィルムの枚数を検知するように配置する。光センサ21がフィルムが複数枚あることを検知すると、戻しローラ13が逆回転し余分なフィルムF2を元に戻す。また、搬送ローラ11を逆回転可能に構成し、戻しローラ13と同期して逆回転させるようにしてもよい。なお、光センサ21は受光部からの信号に基づいてフィルム無し、1枚、2枚の3通りを検知できるように構成できる。また、搬送ローラ11によるフィルムの搬送開始からの時間をタイマで計測し、所定時間を経過しても光センサ21でフィルムを検知できないとき、複数枚が搬送されて中間ローラ12を通過できないものと判断し、搬送ローラ11を逆回転させるように構成してもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、積層されたシート状の被搬送体を分離して搬送するときに被搬送体への傷付きを防止しかつ安定して搬送可能な搬送機構及び画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるフィルム搬送機構を概略的に示す側面図である。
【図2】図1の摩擦部材を示す側面図である。
【図3】図1のフィルム搬送機構によるフィルム搬送及び分離動作を示す側面図である。
【図4】フィルムにおける視認可能レベルの傷の発生の有無についてローラのフィルムに対する押圧力とフィルムの搬送速度との関係を示す図である。
【図5】従来のローラ式のフィルム搬送機構を概略的に示す側面図である。
【図6】図1のフィルム搬送機構の中間ローラの下流側にフィルムの枚数検知のために光センサを配置した変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
10    フィルム搬送機構
11    搬送ローラ
12    中間ローラ
13    戻しローラ
14    摩擦部材
15    第1の傾斜領域
16    第2の傾斜領域
21    光センサ
F     積層されたフィルム
F1    最上位のフィルム
Fa    フィルムF1の先端
F2    フィルムF1の下のフィルム
Fb    フィルムF2の先端

Claims (13)

  1. シート状の被搬送体に押し付けられ回転駆動されて回転することで前記被搬送体を送り出す搬送ローラと、
    前記送り出された被搬送体が接触する摩擦部材と、
    前記摩擦部材との間に前記被搬送体を付勢しながら挟むように配置された従動回転可能な中間ローラと、を具備し、
    前記中間ローラを通過した前記被搬送体がその先端で当接して撓むように前記摩擦部材が前記被搬送体の搬送方向に傾斜していることを特徴とする搬送機構。
  2. 前記摩擦部材が少なくとも2段階に傾斜し、前記先端が当接する領域は前記中間ローラの配置された領域よりも大きく傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の搬送機構。
  3. 前記中間ローラは、複数枚の前記被搬送体が前記中間ローラを通過したとき、前記複数枚の被搬送体が前記先端で分離するように前記先端が当接する領域の直前に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の搬送機構。
  4. 複数枚の前記被搬送体が前記中間ローラを通過したときに前記被搬送体を戻すように逆回転する戻しローラを設けたことを特徴とする請求項1,2または3に記載の搬送機構。
  5. 前記中間ローラにおける前記被搬送体の通過数枚を制限するように前記中間ローラと前記摩擦部材との間の隙間が一定量に管理されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送機構。
  6. 前記被搬送体は複数枚が積層された状態で前記搬送ローラにより送り出されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の搬送機構。
  7. 前記被搬送体に対する前記搬送ローラによる搬送力は、前記先端が当接する領域における前記被搬送体に対する分離力よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の搬送機構。
  8. 前記搬送ローラは、75gf/mm以下の押圧力で前記被搬送体に押し付けられ、ゴム硬度が20°以上でありかつ前記被搬送体に対する動摩擦係数が2以上となるような弾性材料から構成されたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の搬送機構。
  9. 前記摩擦部材は、前記先端が当接する領域で水平方向に対し23°以上傾斜し、前記被搬送体に対する動摩擦係数が2以上となるような弾性材料から構成されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の搬送機構。
  10. 前記被搬送体は前記搬送ローラにより20mm/秒以下の搬送速度で搬送されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の搬送機構。
  11. 前記中間ローラの下流側に前記被搬送体の枚数を検知するセンサを配置し、余分な枚数が搬送されたとき、前記戻しローラにより前記余分な被搬送体を戻すことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の搬送機構。
  12. 前記搬送ローラによる被搬送体の開始から所定時間内に前記センサにより被搬送体を検知できないときは、前記被搬送体を元に戻す機構を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の搬送機構。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の搬送機構を備え、
    前記搬送された被搬送体に対し画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007040043A1 (ja) * 2005-10-03 2007-04-12 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 感光材料搬送システム及び画像形成装置

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