JP2004106684A - 屋根上部品取付用ブラケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車等の車両のピラーアウターパネル13とルーフアウターパネル14との接合部に形成された凹溝12に取り付けられ、前記車両のルーフ部に取り付けられる屋根上部品20を固定するためのブラケット1であって、前記凹溝12に沿う細長形状とされたブラケット本体2と、このブラケット本体2から突出して固着され、ブラケット1を前記凹溝12に取り付けるための第1の雄ねじ部3aと、前記ブラケット本体2から、前記第1の雄ねじ部3aと反対の方向に突出して固着され、前記屋根上部品20を固定するための第2の雄ねじ部3bとを有する屋根上部品取付用ブラケット1により解決される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両用のルーフに、ルーフレール等の屋根上部品を取り付けるために用いられる屋根上部品取付用ブラケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両用のルーフに、ルーフレール等の屋根上部品を取り付けるためには、図8に示すように、ピラーアウターパネル13とルーフアウターパネル14との接合部15に形成された凹溝12に、屋根上部品取付用ブラケット1(以下、単に「ブラケット」という場合がある)を装着して固定し、このブラケット1を介して屋根上部品20を固定することが多い(例えば特許文献1、2、3参照)。
同図に示す構造の場合、ブラケット1は、凹溝12の底面に形成されたブラケット取付穴16にボルト8を挿通し、ナット17を締結することにより、凹溝12に対して固定される。そして、車両の凹溝12に取り付けられるルーフモールディング30には開口部33が設けられており、屋根上部品20をブラケット1に固定する際にはこの開口部33を介して固定用のボルト8を挿入することができるようになっており、屋根上部品20側に設けられた取付穴23と、ブラケット1に溶接されたナット7(ウェルディングナット)とをラップさせ(重ね合わせ)、上からボルト8を差し込み、ねじ止めすることにより、屋根上部品20をブラケット1に螺着することができる。
また、図9に示すように、ブラケット1に屋根上部品20を取り付けない場合には、ルーフモールディング30の開口部33にキャップ43を嵌合して塞ぎ、キャップ43表面に形成された意匠面43dが、該ルーフモールディング30の意匠面31dとフラッシュとなるようにした構造も開示されている(例えば特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第2562102号公報
【特許文献2】
特開2002−193050号公報
【特許文献3】
特開2002−200943号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のブラケット1においては、屋根上部品20側に挿通させたボルト8とブラケット1側に固着されたナット7との初期係合を目視することができない。
また、最初および2本目のボルト8を締めるためには、屋根上部品20のずれや回転を防ぐため、当該屋根上部品20を片手で支える必要があり、この場合、もう一方の手でボルト8をナット7に挿入したのち、工具を持ってボルト8を締めることになる。このとき、ボルト8を工具の先で小突いてしまうと、ボルト8がナット7から外れてしまい、工具を脇に置いてボルト8の装着からやり直す必要がある。また、磁力入りの工具を用いて、工具の先端にボルト8の頭部を磁着させてからナット7に装着する方法もあるが、この場合もナット7への装着前にボルト8の先端が屋根上部品20などにぶつかってしまうと、ボルト8が工具の先端から外れてしまい、もう一度、工具の先端にボルト8の頭部を磁着させる動作が必要にある。
さらに、車体の色が黒系統の暗色であると、屋根上部品20側の取付穴23と、ブラケット1側のナット7とのラップの確認も目視では難しくなり、作業時に光で照らしたり、ブラケット1側のナット7の周囲に白系統の明るい色のマークを施すなどの工夫が必要になる。
このように、従来の屋根上部品取付用ブラケットでは、取付作業性に困難があり、改善が望まれている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、ルーフレールなどの屋根上部品を車両のルーフに取り付ける作業性に優れた屋根上部品取付用ブラケットを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、自動車等の車両のルーフアウターパネルとピラーアウターパネルとの接合部に形成された凹溝に取り付けられ、前記車両のルーフ部に取り付けられる屋根上部品を固定するための屋根上部品取付用ブラケットであって、
前記凹溝に沿う細長形状とされたブラケット本体と、
このブラケット本体から突出して固着され、ブラケットを前記凹溝に取り付けるための第1の雄ねじ部と、
前記ブラケット本体から、前記第1の雄ねじ部と反対の方向に突出して固着され、前記屋根上部品を固定するための第2の雄ねじ部と
を有することを特徴とする屋根上部品取付用ブラケットを提供する。
このような屋根上部品取付用ブラケットにおいて、第1の雄ねじ部および/または第2の雄ねじ部は、(1)前記ブラケット本体に設けられた孔または開口に、ボルトを挿通して固着する、(2)ボルトの頂面を前記ブラケット本体に固着する、(3)ボルトの頭部を前記ブラケット本体に埋め込んで固着する、等の方法により形成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、ルーフレール、ルーフラック、ルーフキャリアなどの屋根上部品(以下、単に「ルーフレール」として説明することがある)を車両に取り付けた状態の一例を示す斜視図である。また、図2は本発明の屋根上部品取付用ブラケット(以下、単に「ブラケット」という)の第1の実施の形態を示し、図1のII−II線に沿う断面図である。図3は、図2に示すブラケットの取付状態の一例を示す斜視図であり、図4(a)は、ルーフモールディング30の開口部33付近を示す斜視図、図4(b)は、図4(a)のB−B線に沿う断面図である。
但し、図3において、ルーフモールディング30の開口部33に取り付けられるスペーサ40は、ブラケット1を見やすくするため、図示を省略してある。
【0008】
図1において、車両としての自動車の車体10のルーフ部11の両側部には、車体10の車長方向に延びる凹溝12が形成されており、ルーフモールディング30はこの凹溝12に沿って、外側から覆うようにして取り付けられている。
図2に示すように、凹溝12は、丁度、車両のピラーアウターパネル13とルーフアウターパネル14との接合部15(図3参照)に形成されている。
なお、特に限定されるものではないが、ルーフパネルの車室側の天井部に取り付けられるルーフトリム(図示略)を取り外したときに、凹溝12の下面の取付穴16が車室側に露出するようになっている。これにより、車室内からブラケット1を車体10に取り付けるナット17を締結できるようにすることができる。
【0009】
ルーフモールディング30は、裏面31a側に収納空間32を形成するように帯状の意匠面形成部31bの幅方向両側(図2における紙面に垂直な方向)に折り返し部31cが形成され、前記意匠面形成部31bの外面である意匠面31dには開口部33が形成された長尺なモールディング本体31と、モールディング本体31の裏面31a側において前記開口部33に位置決めして固定されたスペーサ40とを備えて構成されている。
【0010】
ルーフモールディング30のモールディング本体31は長尺であり、それぞれ、ルーフレール20を車体10に取り付ける取付部近傍を露出させるための開口部33を2箇所有している。この開口部33は、モールディング本体31の長手方向に沿った細長形状になっている。そして、これらの開口部33を避けた部位を、例えば、図示はしないが、モールディング本体31の裏面31aに取り付けられたクリップにより、凹溝12内に固定された係止部材を係止させるなどして、車体10に取り付けられている。
モールディング本体31としては、例えば、(イ)ステンレス等の金属薄板を冷間ロール成形したものに合成樹脂を被覆形成したもの、(ロ)硬質合成樹脂のみから形成したもの、(ハ)硬質合成樹脂中に耐伸縮性に富む芯材(例えばガラスやカーボンの繊維など)を埋設したもの等があるが、本実施の形態では、図2、図3に示すように、ステンレス材31Aと合成樹脂31Bとの複合押し出し成形品(前記(イ)に属する)を採用している。
【0011】
スペーサ40は、例えばポリアセタール等の樹脂材料が採用され、具体的には、概略、モールディング本体31の開口部33よりも若干大きい長方形枠状に形成されており、その内側にモールディング本体31の開口部33とほぼ一致する形状、大きさの開口部41が設けられている。この開口部41は、モールディング本体31の開口部33と同様の細長形状に形成されている。また、特に限定されるものではないが、スペーサ40とモールディング本体31とは同一色にすると、目立たなくなり、意匠性に優れたものとなる。
このスペーサ40は、図2および図4(a)(b)に示すように、モールディング本体31の開口部33の開口端縁33aに対して位置決めして嵌合や接着などの適当な手法により固定され、収納空間32内に収納される。そして、スペーサ40により、開口端縁33aにおいて、モールディング本体31のステンレス材31Aの端縁を隠蔽し、美観を維持することができる。また、ブラケット1の第2の雄ねじ部3bにルーフレール20のレッグ部21を締め付けたとき、開口端縁33a付近の歪み変形や沈み込みが防止される。
このスペーサ40においては、特に必須というものではないが、図4(c)に示すように、長手方向中央部で、スペーサ40の開口部41の幅方向両側部の開口端縁41aの間に、補強リブ42を配設して連結することにより、スペーサ40を補強することができる。
【0012】
ルーフレール20は、ルーフモールディング30に沿って取り付けられている。また、図2に示すように、ルーフレール20は、各開口部33に対応して、ブラケット1に取り付けられるレッグ部21と、このレッグ部21の上に被せ、係合させることにより取り付けられるキャップ部22とからなる。
なお、ルーフレール20としては、ルーフモールディング30に沿って取り付けられるものに限定されるものではなく、例えば、車両の車幅方向に延在して設けられ、ルーフモールディング30とほぼ垂直に取り付けられるものを採用することもできる。
【0013】
ブラケット1、モールディング本体31、スペーサ40はいずれも細長形状に形成されており、長手方向をルーフモールディング30の長手方向にほぼ一致させている。ここで、ブラケット1やスペーサ40の「長手方向」とは、ルーフモールディング30の全長方向に沿った方向を指し(すなわち長尺のモールディング本体31の長手方向に沿った方向)、「幅方向」とは、ルーフモールディング30の長手方向と直交する方向、例えば図2の紙面に垂直な方向を指すものとする。
【0014】
ブラケット1は、本実施の形態においては、スチール、ステンレスなどの金属や、硬質のプラスチックなど、剛性を有する材料からなる概略板状(プレート状)のブラケット本体2と、このブラケット本体2を前記車体10に固定するため、車体側の面に突設された第1の雄ねじ部3aと、前記ブラケット本体2の他方の面に突設された第2の雄ねじ部3bとを有して構成されている。
ブラケット本体2は、例えば、1本の帯状の金属板材を打抜後、屈曲成形する等の方法により、屈曲を有する細長形状に形成されている。第1の雄ねじ部3aと第2の雄ねじ部3bとは、ブラケット本体2を介して反対側に突出しており、また、それぞれ、ブラケット本体2の異なる複数箇所に形成されている。
より具体的には、細長形状のブラケット本体2の長手方向の両端部近傍が、ブラケット1を車体10の凹溝12に固定するためのブラケット固定部2aとなっている。このブラケット固定部2aは、ブラケット本体2に設けられた穴4aのそれぞれにボルト5aを挿入し、溶接等により固着することにより形成されており、ボルト5aの軸部がブラケット本体2から突出して、第1の雄ねじ部3aとなっている。
【0015】
また、これらブラケット固定部2aの間の長手方向の異なる2箇所が、ルーフレールを固定するための屋根上部品固定部2bとなっている。この屋根上部品固定部2bは、穴4bのそれぞれにボルト5bを挿入し、溶接等により固着することにより形成されており、ボルト5bの軸部がブラケット本体2から突出して、第2の雄ねじ部3bとなっている。
ブラケット固定部2aと車体10との間には、ブラケット固定部2aと車体10との摺動による傷つきを防止するとともに、ブラケット1のガタつきを抑制するため、EPDMゴム(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム)などの発泡材などからなるシール材6が介装されている。
【0016】
屋根上部品固定部2bは、ブラケット固定部2aの車体10に対して固定される側の逆側、すなわち、ルーフレール20に組み付けられる側に屈曲された突出部分によって形成されており、第2の雄ねじ部3bの突端は、第1の雄ねじ部3aをルーフ部11に取り付けたとき、ルーフモールディング30の開口部33から突出するようになっている。さらに、これらの屋根上部品固定部2bの間には、凹部2cが形成されている。
この凹部2cは、本実施の形態においては、凹溝12の面から離隔する高さとされており、ブラケット1を凹溝12に組み付けたときに当たりにくくされている。
【0017】
なお、このブラケット1には、車両の車長方向(図2における左右方向)の端部側(ルーフレール20の先端部20aがある側、例えば図2における左側)に、ブラケット固定部2aと屋根上部品固定部2bとの間に、高さが、ブラケット固定部2aの高さと屋根上部品固定部2bの高さとの中間となった中段部2dが設けられているが、これは、ルーフレール20の先端部20aがなだらかに傾斜するような意匠となっている場合、当該先端部20a付近では、レッグ部21とキャップ部22との間隔が狭くなるので、ナット24の取付空間を確保するため、中段部2dがある側の第2の雄ねじ部3bを、ルーフレール20の先端20bからやや離すようにし、中段部2dがある側の第1の雄ねじ部3aと第2の雄ねじ部3bとの車長方向の間隔を、中段部2dがない側の第1の雄ねじ部3aと第2の雄ねじ部3bとの車長方向の間隔より長くするとともに、ブラケット本体2が凹溝12やルーフモールディング30に面当たりするのを防ぐためである。つまり、ルーフレール20側の取付穴23や車室側の取付穴16の位置によって適宜決められるものであり、設計や意匠などの観点から適宜変更可能であるものであって、本実施の形態のブラケットにおいて、特に必須というものではない。
すなわち、例えば、ブラケット1を長手方向に対称な形状となるようにし、ブラケット1の取付け向きを前後入れ替え可能に設計することもできる。
【0018】
このように、ブラケット本体2を屈曲した形状とし、ブラケット固定部2aと屋根上部品固定部2bとの間に段差を設けることにより、ブラケット本体2の強度が増し、捻じれや曲がりが抑制される。
【0019】
次に、本実施の形態のブラケット1を用いて、ルーフレール20を車体10のルーフ部11に取り付ける手順の一例を説明する。
まず、シール材6を介装させて、ルーフ部11に設けられたブラケット取付穴16にブラケット1の第1の雄ねじ部3aを挿入する。ルーフ部11の裏側(つまり車室側)から、ナット17を第1の雄ねじ部3aの先端から装着し、締結により、ブラケット1をルーフ部11に螺着する。次いで、第2の雄ねじ部3bが開口部33から突出するように、ルーフモールディング30を凹溝12上の所定の位置に取り付け、上述のクリップなどにより固定する。
さらに、開口部33から突出した第2の雄ねじ部3bに、ルーフレール20のレッグ部21の取付穴23をラップさせ、第2の雄ねじ部3bの先端からナット24を装着して締結し、さらに、レッグ部21にキャップ部22を被せて係止することにより、ルーフレール20がブラケット1に螺着される。
以上の手順により、ルーフレール20の車体10への取付けが完了する。
【0020】
一般に、ルーフレール20は、ユーザの希望に応じて、車両の購入時に取り付けられ、通常の場合には、購入後に取り外される必要は生じないが、特にユーザの所望により、ルーフレール20を取り外したい場合には、例えば、以下の手順により取り外しが可能である。
まず、レッグ部21からキャップ部22を取り外し、第2の雄ねじ部3bからナット24を外してレッグ部21の取付けを解除した後、ルーフモールディング30を固定するクリップ等の係合を解除して、ルーフモールディング30を凹溝12から取り外す。さらに、車室側のナット17を取り外すことにより、ブラケット1を凹溝12から取り外すことができる。
この場合、車体10側の取付穴16には、例えば、図9に示すような第2の雄ねじ部3aが設けられていないブラケット1を取り付けることが好ましい。このように、本実施の形態のブラケット1を、第2の雄ねじ部3aが設けられていないブラケット1に交換することにより、ルーフモールディング30の開口部33に図9に示すようなキャップ43を取り付け、塞ぐことができる。
【0021】
必要により、さらにルーフレール20を取り付けたいときは、図8に示すように、キャップ43を取り外し、ルーフレール20の取付穴23とウェルディングナット7をラップさせ、上から固定用のボルト8を差し込んで螺着することにより、取り付けることができる。
ルーフレール20の取付穴23は、素穴(ねじを持たない穴)であるので、雄ねじを挿通する向きが、本実施の形態のブラケット1の第2の雄ねじ部3bのように下からであっても、従来のブラケット1のように、上からであっても、いずれからでも挿通して、ルーフレール20の取り付け、取り外しを行うことができる。また、ルーフモールディング30の収納空間32には、本実施の形態のブラケット1と、第2の雄ねじ部3aが設けられていないブラケット1とのいずれでも収容可能であるので、ルーフモールディング30の交換の必要がなく、ブラケット1のみを交換すれば済むので、ユーザの希望に円滑に対応することができる。
【0022】
以上説明したように、本実施の形態のブラケットによれば、ブラケット1を車体10のルーフ部11の凹溝12に取り付けて固定し、さらに凹溝12にルーフモールディング30を取り付けたとき、ルーフレール20を螺着するための第2の雄ねじ部3bがルーフモールディング30の開口部33の外に突出するようになるので、この第2の雄ねじ部3bの軸にルーフレール20の取付穴23を挿通させることは極めて容易であり、ナット24との初期係合の確認もしやすくなるとともに、第2の雄ねじ部3bの軸によってルーフレール20を仮保持することができ、取り付け作業時にルーフレール20を手で支持する必要がなくなる。また、ルーフレール20を螺着するため取り付けるねじ部品がナット24であるので、磁力入りの工具で磁着させる場合も、工具の袋状にした部分にナット24を磁着させるものとなるので、ボルトを磁着させるのに比べて工具から外れにくくなる。このように、ルーフレール20を取り付ける作業性が向上するなど、優れた効果を呈する。
【0023】
さらに、ブラケット1の第1および第2の雄ねじ部3a、3bは、ブラケット本体2に設けられた穴4a、4bに、ボルト5a、5bを挿通して固着することにより形成されているので、ブラケット本体2にボルト5a、5bを溶接などで固着するときにも、ボルト5a、5bは穴4a、4bに装着されて安定しているのでぐらつきにくく、固着作業が容易になる。また、第1および第2の雄ねじ部3a、3bにナット17、24を装着して締結した後には、その座面の間に軸力が働くので、ブラケット本体2とボルト5a、5bとの固着が緩んだり剥がれたりしたとしても、ルーフレール20がブラケット1から容易に脱落しないので、安全性が高い。
また、取付け用のねじ(つまり、ブラケット1の第1および第2の雄ねじ部3a、3bならびにナット17、24)は、車体10やルーフレール20に固着されないので、例えば、ねじがかじったりして破損したり、ルーフレール20を取り外したくなった場合でも、ブラケット1やナット17、24を容易に交換することができる。
【0024】
次に、本発明のブラケットの他の実施の形態について説明する。
図5に示す本発明の第2の実施の形態のブラケットは、前記第1および第2の雄ねじ部3a、3bが、ボルト5a、5bの頂面を前記ブラケット本体2に固着することにより形成されたものであることを除き、上述の第1の実施の形態のブラケットと同様の構成となっている。
本実施の形態のブラケット1では、ブラケット本体2にはボルト5a、5bを固定するための穴4a、4bは形成されておらず、ボルト5a、5bの頂面をブラケット本体2に突き合わせ、ボルト5a、5bの頭部の周囲を溶接したり、ボルト5a、5bの頂面とブラケット本体2との間をろう付け溶接したりして固着させることにより、第1および第2の雄ねじ部3a、3bが形成されている。
【0025】
このようなブラケット1を用いることにより、第1の実施の形態のブラケットと同様の手法により、ルーフレール20を車体10のルーフ部11に取り付けることができる。しかも、ブラケット本体2に穴4a、4bを形成するための穴あけ加工、金型の作製が不要になり、ブラケット1の製造に要する工数や費用を低減させることができる。また、ボルト5a、5bの首下長さを短くすることができ、コスト削減になる。
【0026】
また、本発明の第3の実施の形態のブラケットは、図6に断面図、図7に分解斜視図を示すように、第1および第2の雄ねじ部3a、3bは、ボルト5a、5bの頭部を前記ブラケット本体2に埋め込んで固着することにより形成されたものであることを除き、上述の第1の実施の形態のブラケットと同様である。
本実施の形態のブラケット1では、ブラケット本体2にボルト5a、5bの頭部を固定するための穴4a、4bが設けられている。穴4a、4bの形状は、ボルト5a、5bの頭部の形状に合わせて、例えば六角形状とされている。この穴4a、4bは、ブラケット本体2の厚さ方向に貫通するものとしてもよく、また、有底の穴としてもよい。
そして、この穴4a、4bにボルト5a、5bの頭部を差し込み、溶接やろう付け溶接などにより固着することにより第1および第2の雄ねじ部3a、3bが形成されている。
【0027】
このようなブラケット1を用いることにより、第1の実施の形態のブラケットと同様の手法により、ルーフレール20を車体10のルーフ部11に取り付けることができる。しかも、ボルト5a、5bの頭部がブラケット本体2の穴4a、4bに埋め込まれていることにより、ボルト5a、5bの回転が当該穴4a、4bにより防止され、この固定部の強度が向上する。また、穴4a、4bの周囲の凹凸が少なくなるので、例えば、ルーフモールディング30の高さが低い場合や、凹溝12の深さが浅い場合にも、ブラケット1をルーフモールディング30の収納空間32と凹溝12の間に収納しやすい。
【0028】
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施の形態のブラケットでは、ブラケット本体2が概略板状のものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ブラケット本体2を棒状とし、亜鉛のダイキャストなどの手法を用いて、ボルトの頭部がブラケット本体2に埋設されるように、ブラケット本体2をインサート成形することも可能である。
また、第1および第2の雄ねじ部3a、3bは、ボルト5a、5bをブラケット本体2に固着することにより形成したが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、ブラケット本体2と第1の雄ねじ部3aおよび/または第2の雄ねじ部3bとが一体に形成されるようにしてもよい。また、第1の雄ねじ部3aと第2の雄ねじ部3bとで、ボルト5a、5bの固着方法を同様のものとする必要はなく、それぞれ別の手法により形成してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のブラケットは、概略板状のブラケット本体と、このブラケット本体の一方の面に突設された第1の雄ねじ部と、前記ブラケット本体の他方の面に突設された第2の雄ねじ部とを有するものであるので、第1の雄ねじ部と第2の雄ねじ部とのいずれか一方を、自動車等の車両のピラーアウターパネルとルーフアウターパネルとの接合部に形成された凹溝に取り付けるこよにより車体に対するブラケットの取り付けができる。
しかも、ブラケットを車体ルーフ側の凹溝に取り付けたとき、屋根上部品を螺着するための第2の雄ねじ部が上に向いて突出するようになるので、この第2の雄ねじ部の軸に屋根上部品の取付穴を挿通させることは極めて容易であり、ナットとの初期係合の確認もしやすくなるとともに、雄ねじ部の軸によって屋根上部品を仮保持することができ、屋根上部品を手で支持する必要がない。また、屋根上部品を螺着するため取り付けるねじ部品がナットであるので、磁力入りの工具で磁着させる場合も、工具の袋状にした部分にナットを磁着させるものとなるので、ボルトを磁着させるのに比べて工具から外れにくくなる。このように、屋根上部品を取り付ける作業性が向上するなど、優れた効果を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ルーフレールなど屋根上部品を車両に取り付けた状態の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】ルーフモールディングの開口部にスペーサを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図8】第2の雄ねじ部を有しないブラケットにルーフレールを取り付けた状態の一例を示す断面図である。
【図9】第2の雄ねじ部を有しないブラケットにルーフレールを取り付けず、ルーフモールディングの開口部をキャップで塞いだ状態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…屋根上部品取付用ブラケット(ブラケット)、2…ブラケット本体、3a…第1の雄ねじ部、3b…第2の雄ねじ部、4a、4b…穴、5a、5b…ボルト、10…車体、11…ルーフ部、12…凹溝、13…ピラーアウターパネル、14…ルーフアウターパネル、15…接合部、20…屋根上部品(ルーフレール)。
Claims (4)
- 自動車等の車両のルーフアウターパネルとピラーアウターパネルとの接合部に形成された凹溝に取り付けられ、前記車両のルーフ部に取り付けられる屋根上部品を固定するための屋根上部品取付用ブラケットであって、
前記凹溝に沿う細長形状とされたブラケット本体と、
このブラケット本体から突出して固着され、ブラケットを前記凹溝に取り付けるための第1の雄ねじ部と、
前記ブラケット本体から、前記第1の雄ねじ部と反対の方向に突出して固着され、前記屋根上部品を固定するための第2の雄ねじ部と
を有することを特徴とする屋根上部品取付用ブラケット。 - 前記第1の雄ねじ部および/または第2の雄ねじ部は、前記ブラケット本体に設けられた孔または開口に、ボルトを挿通して固着することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の屋根上部品取付用ブラケット。
- 前記第1の雄ねじ部および/または第2の雄ねじ部は、ボルトの頂面を前記ブラケット本体に固着することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の屋根上部品取付用ブラケット。
- 前記第1の雄ねじ部および/または第2の雄ねじ部は、ボルトの頭部を前記ブラケット本体に埋め込んで固着することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の屋根上部品取付用ブラケット。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-09-18 JP JP2002271662A patent/JP2004106684A/ja active Pending
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