JPH0249076Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、自動車等のアームレストに係り、特
にアームレストのインサート部材の改良に関す
る。

［従来の技術］ 従来から、自動車等のドアに取付けられるアー
ムレストにおいては、アームレストの形態におい
て、乗員が肘を載せる肘かけ部と、ドアの開閉時
に取手となるような把持部（或は、把持部として
機能し易い形状）とを備えるものがある。このよ
うな肘かけ部と把持部とが一体となつたアームレ
ストは、ドアの開閉に便利なように、肘かけ部よ
り上方（斜め上方、あるいは略垂直等）に把持部
を設けるために、肘かけ部と把持部の間に折れ曲
がり部を有することになる。このようにアームレ
スト自体が折れ曲がり部を備えたアームレストを
形成するためには、予め表皮となる部分を形成
し、この表皮部分の内部に芯材となるインサート
部材を装着して、注型法によりウレタン等の発泡
材を注入したり、ブロー成形で製作したりしてい
た。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のような、折れ曲がつた形態のアームレス
トを製作するためのインサート部材としては、予
め製作しておいた表皮部材の内部あるいは金型
に、容易に装着できるようにする必要があるた
め、インサート部材全体を軟質材料にしたり、イ
ンサート部材の特定部分（特に折れ曲がり部分）
を細く形成したり、あるいは把持部に装着するイ
ンサート部材の折れ曲がり部分に可撓性を持たせ
一体成形したり、折れ曲がり部を有する把持部を
金属等によつて構成する必要があつた。

このように、インサート部材全体を軟質材にし
たり特定部分を細くしたり、可撓性をを持たせる
と、アームレスト自体が軟弱になつたり、変形し
たりして不都合であるばかりでなく、折れ曲がり
部分だけを軟質材にしたり、金属等を用いて成形
すると、インサート部材自体の製作にコストがか
かり不都合であつた。

本考案は、肘かけ部と把持部との間で折れ曲が
り部を備えたアームレストに用いられるインサー
ト部材において、容易にキヤビテイ内に装着する
ことができ、あるいは予め製作されている表皮の
なかに容易に装着することができると共に、アー
ムレストが軟弱にならず、充分な強度を備え、且
つドアインナパネルとの取着に配慮したアームレ
ストを堤供できるアームレストのインサート部材
をを得ることを技術的課題とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係るアームレストのインサート部材
は、肘かけ部と把持部が一体となり且つ肘かけ部
と把持部との間に折れ曲がり部を備えた成形表皮
にインサート部材を配設してなる車両用アームレ
ストに用いられるインサート部材において、前記
インサート部材は前記肘かけ部に相当する部分と
把持部に相当する部分に分割されると共に、該分
割部分の肘かけ部に相当する部分と把持部に相当
する部分のいずれか一方に嵌合突起及びボルト挿
通孔を形成し、他方に前記嵌合突起と嵌合する嵌
合孔及びボルト挿通孔に整合する位置にボルト挿
通孔を設け、前記把持部に相当する部分を前記成
形表皮に装着したのち前記肘かけ部に相当する部
分を前記成形表皮に装着てなるものであつて、前
記嵌合突起と嵌合孔を嵌合して肘かけ部に相当す
る部分と把持部に相当する部分を一体とすると共
に、前記肘かけ部に相当する部分と把持部に相当
する部分のそれぞれのボルト挿通孔とドアインナ
パネルとをボルトによつて共締め可能にしたこと
を技術的解決の手段とする。

［作用］ 本考案に係るインサート部材は、肘かけ部に相
当する部分と把持部に相当する部分で分割されて
いるので、容易に予め製作されている表皮の中に
装着することができる。また折れ曲がり部分に位
置することとなる肘かけ部に相当する部分と把持
部に相当する部分のいずれか一方に嵌合突起及び
ボルト挿通孔を形成し、嵌合突起と嵌合する嵌合
孔及び前記ボルト挿通孔に整合する位置にボルト
挿通孔を設け、前記把持部に相当する部分を前記
成形表皮に装着後前記肘かけ部に相当する部分を
前記成形表皮に装着してなるものであつて、前記
嵌合突起と嵌合孔を嵌合して肘かけ部に相当する
部分と把持部に相当する部分を一体とすると共
に、前記肘かけ部に相当する部分と把持部に相当
する部分のそれぞれのボルト挿通孔とドアインナ
パネルとをボルトによつて共締め可能にしたの
で、肘かけ部に相当する部分と把持部に相当する
部分とが分割されているにもかかわらず、折れ曲
がり部で嵌合突起と嵌合孔によつて一体化でき、
また肘かけ部に相当する部分及び把持部に相当す
る部分のそれぞれのボルト挿通孔が整合されてい
るので、これらのボルト挿通孔にボルトを用いて
螺着すると、それぞれが各個別にボルトで螺着さ
れているのと同様に、ドアインナパネルに堅固に
取付けることができ、且つ分割されているにもか
かわらず、一体のものと同様に折れ曲がり部の強
度を維持することができ、アームレストをドアイ
ンナパネルに取着するのに適したものとなる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。但し、当然のことであるが、以下の説明例
に記載し、または図示している構成部品、その他
の部材及び配置は、本考案を限定する趣旨ではな
く、単なる説明例に過ぎない。

第１図乃至第７図は、本考案に係るインサート
部材の一実施例を示し、第１図はアームレストの
成形表皮に挿入されるインサート部材の結合状態
を示す側面図、第２図はインサート部材の肘かけ
部に相当する部分を示す平面図、第３図はインサ
ート部材の把持部に相当する部分の側面図であ
る。また本考案におけるインサート部材Ｃは、肘
かけ部と把持部が一体となり且つ肘かけ部と把持
部との間に折れ曲がり部を備えた成形表皮に装着
され、発泡材を注入て一体発泡成形等により形成
されるものである。

図において、本考案に係るアームレストに装着
されるインサート部材Ｃは、肘かけ部に相当する
部分Ａと把持部に相当する部分Ｂとから構成され
ている。そして本実施例では、インサート部材Ｃ
は、ナイロン６を材料として用いて、圧縮成形、
射出成形等の公知の方法により成形されている。
しかし、材質はこれに限定されるものではなく、
ポリプロピレン、ポリエチレン等の比較的硬い熱
可塑性合成樹脂材料によつて作製しても良く、ま
た成形方法においても、材質との関係で適当な方
法が用いられる。

肘かけ部に相当する部分Ａは、第１図、第２
図、第５図、第６図で示されるように、一端に庇
部１０が設けられ、この庇部１０の所望箇所に、
把持部に相当する部分Ｂの嵌合孔６と結合される
円筒状の突起部１を有し、さらに同じく庇部１０
の所望箇所に、前記突起部１と同方向に爪部２を
有している。そして、この爪部２は、先端に傘部
２ａを有している。さらに、この庇部１０には、
ボルト挿通孔４ａが設けられている。

把持部に相当する部分Ｂは、第１図、第３図、
第７図で示されるように、一端に張り出し部１１
が設けられ、該張り出し部１１は、肘かけ部に相
当する部分Ａの前起突起部１と嵌合する嵌合孔６
及び前記爪部２と結合する孔７を、それぞれ有し
ている。またこの張り出し部１１には、前記ボル
ト挿通孔４ａと合致するようなボルト挿通孔４ｂ
が設けられている。なお、孔３と孔５（第１図参
照）は前記ボルト挿通孔４ａ，４ｂと同様にドア
インナパネル（図示せず）に、アームレストを固
定するためのボルト挿通孔である。

このような構成の肘かけ部に相当する部分Ａと
把持部に相当する部分Ｂは、第１図及び第４図で
示されるように、突起部１と嵌合孔６を嵌合さ
せ、同時に爪部２と孔７を嵌合する。前記孔７と
嵌合した前記爪部２は、前端部に有している傘部
によつて装着され、容易に外れないようになつて
いる。そして、ボルト挿通孔４ａ，４ｂにボルト
を挿通して、ドアインナパネルに取付けることに
より、肘かけ部に相当する部分Ａはボルト挿通孔
４ａと５によつて、各個別にボルトで螺着されて
いるのと同様に、ドアインナパネルに堅固に取付
けることができる。このように構成することによ
つて、注型法でも、ブロー成形法でも、その他の
成形法でも使用できる、インサート部材Ｃを得る
ことができる。

かかるインサート部材を用いることで、表皮形
状を問わない所望形状のアームレストを得ること
ができる。

［考案の効果］ 本考案は、上述のように構成されているために
次のような効果がある。

分割されたインサート部材の嵌合突起と嵌合孔
を嵌合して肘かけ部に相当する部分と把持部に相
当する部分を一体とすると共に、肘かけ部に相当
する部分と把持部に相当する部分のボルト挿通孔
と、ドアインナパネルとをボルトによつて共締め
可能にしたので、肘かけ部に相当する部分と把持
部に相当する部分が分割されているにもかかわら
ず、折れ曲がり部で嵌合突起と嵌合孔によつて一
体化でき、また肘かけ部に相当する部分及び把持
部に相当する部分はボルト挿通孔が整合されてい
るので、これらのボルト挿通孔にボルトを用いて
螺着すると、それぞれが各個別にボルトで螺着さ
れているのと同様に、ドアインナパネルに堅固に
取付けることができる。

またインサート部材の肘かけ部に相当する部分
と把持部に相当する部分とが分割されているた
め、折れ曲がり部分を有するインサート部材で
も、容易に予め製作されている表皮の中に装着す
ることができることとなり、肘かけ部と把持部共
に強度が一定のアームレストを得ることができ
る。そしてインサート部材の肘かけ部に相当する
部分と把持部に相当する部分とが分割されている
ため、複雑な形状のアームレストにも適用するこ
とが可能となる。

さらにインサート部材の材質を限定する必要が
ないためにアームレストの強度を落とすことなく
最適なアームレストを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第７図は本考案に係る実施例を示
し、第１図はアームレストに挿入されるインサー
ト部材の結合状態を示す側面図、第２図はインサ
ート部材の肘かけ部に相当する部分を示す平面
図、第３図はインサート部材の把持部に相当する
部分の側面図、第４図は第１図の−線による
断面図、第５図は第２図のＸ方向からみた部分
図、第６図は第５図の−線による断面図、第
７図は第３図のＹ方向からみた部分図である。 １……嵌合突起、２……爪部、４ａ，４ｂ……
ボルト挿通孔、６……嵌合孔、７……孔、１０…
…庇部、１１……張り出し部、Ａ……肘かけ部に
相当する部分、Ｂ……把持部に相当する部分、Ｃ
……インサート部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 肘かけ部と把持部が一体となり且つ肘かけ部と
   把持部との間に折れ曲がり部を備えた成形表皮に
   インサート部材を配設してなる車両用アームレス
   トに用いられるインサート部材において、前記イ
   ンサート部材は前記肘かけ部に相当する部分と把
   持部に相当する部分に分割されると共に、該分割
   位置の肘かけ部に相当する部分と把持部に相当す
   る部分のいずれか一方に嵌合突起及びボルト挿通
   孔を形成し、他方に前記嵌合突起と嵌合する嵌合
   孔及び前記ボルト挿通孔に整合する位置にボルト
   挿通孔を設け、前記把持部に相当する部分を前記
   成形表皮に装着したのち前記肘かけ部に相当する
   部分を前記成形表皮に装着してなるものであつ
   て、前記嵌合突起と嵌合孔を嵌合して肘かけ部に
   相当する部分と把持部に相当する部分を一体とす
   ると共に、前記肘かけ部に相当する部分と把持部
   に相当する部分のそれぞれのボルト挿通孔とドア
   インナパネルとをボルトによつて共締め可能にし
   たことを特徴とするアームレストのインサート部
   材。