JP2004105101A - 魚のほぐし身及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成人が1日に必要とするカルシウム量を食材と一緒に、美味しく容易に安全に摂取することができ、これを効率よく骨や歯の組織に転化することができる魚のほぐし身及びその製造方法の提供。
【解決手段】頭、えら、尻尾、内蔵などを取り除いた魚を加熱処理した後、身の部分だけをほぐし採った魚のほぐし身に、魚のほぐし身1食分に対して成人が1日に必要とする量のカルシウム剤600mgと、カルシウム吸収促進剤(ビタミンD3)100IUと、骨組織転化促進剤(ビタミンK2)100μgとを、羽根2、2…の表面を低分子量のポリエチレン樹脂で被覆したドラム型ミキサーを用いて魚のほぐし身の形状を壊さない軟攪拌の下で均等に添加し、これを小分け容器に入れて冷凍庫で冷凍し冷凍食材とした。
【選択図】 図1
【解決手段】頭、えら、尻尾、内蔵などを取り除いた魚を加熱処理した後、身の部分だけをほぐし採った魚のほぐし身に、魚のほぐし身1食分に対して成人が1日に必要とする量のカルシウム剤600mgと、カルシウム吸収促進剤(ビタミンD3)100IUと、骨組織転化促進剤(ビタミンK2)100μgとを、羽根2、2…の表面を低分子量のポリエチレン樹脂で被覆したドラム型ミキサーを用いて魚のほぐし身の形状を壊さない軟攪拌の下で均等に添加し、これを小分け容器に入れて冷凍庫で冷凍し冷凍食材とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、育ち盛りの子供や妊産婦の食材として、老人保健施設及び特別養護老人ホーム等での給食用の食材として、カルシウム分を効率よく補給することができる魚のほぐし身及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人は、常にカルシウム分を取り入れて骨や歯の組織に転化し、自らの体を支える骨や歯を形成してこれらを健全に維持する必要がある。特に育ち盛りの子供や妊産婦、或いは加齡によりカルシウム吸収能力が低下してくる老人にあっては、その不足は日常生活する上で影響が大きいものとなってくる。
【0003】
即ち、カルシウム分の摂取不足は、育ち盛りの子供にあっては、発育不良を生じ、妊産婦にあっては、生まれてくる子供の発育が不十分となったり、妊産婦自身に必要とするそれが胎児の発育に取られてその骨や歯がボロボロになってしまったりする。
また老人にあっては、骨が空洞化してくる骨粗鬆症となって骨折しやすくなったり、体を支えることが出来ず寝たきりとなってしまったり、と言う問題が生じてくる。
このような問題が生じないように、その対策として、通常は積極的にカルシウム含有量の多い食品の摂取や、サプリメントとしてカルシウム剤の摂取がなされている。
【0004】
しかし成人が一日に必要とするカルシウム量は、一般に600mg程度とされており、これをカルシウム含有量の多い単一食品から摂取しようとすると、その摂取量は必然的に多くなって、食べるのに飽きてしまうものである。
またサプリメントとしてのカルシウム剤は、決して美味しいものではなく、飲み難いものであったり、またカルシウム剤によってはこれを単に摂取しただけでは、効率よく体内に吸収して骨や歯の組織に転化することがむずかしいものもある。
【0005】
このような魚のほぐし身の製造方法に関しては、「原料魚肉を所定の形態に加工し、加工された魚肉を所定時間蒸す蒸し工程を行った後、前記魚肉の不要な皮・骨を取り除き、液中で魚肉をほぐし、調味液で所定時間煮込んだ後、余分唖然貴著海液を除いて焙焼する魚肉ほぐし身製品の加工方法」(特許文献1)が提案されている。該加工方法に於いて、所定の形態に加工した後、蒸し工程の前に原料魚肉に食塩を振りかけるか又は塩水に漬け込む工程を行うことがあること、更には前記調味液中に着色料を含ませておくことがあること等が開示されている。
【0006】
上記特許文献1の方法によれば、特に産卵のために川を遡りブナ化の進んだ鮭を蒸してほぐし身とする場合に、細かく破砕することなく、褪色の少ない、保存性の良好なそれとすることを目的とし、かつそのような効果を得たものと思われるが、これを食する者のカルシウムの摂取等に関しては全く触れるところがないものである。
【0007】
この他には、魚介類ほぐし身の炊き込みご飯用調理処理物の製造法(特許文献2)や魚介類ほぐし身の炊き込みご飯用調理処理物(特許文献3)があるが、これらは、水分量の調整を行うことなく良好な魚介類のほぐし身入り炊き込みご飯を調理できる炊き込みご飯用調理処理物の製造法、或いは炊き込みご飯用調理処理物そのものに関するものであり、いずれにしても、これらを食する者のカルシウムの摂取等に関しては全く触れるところのないものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−192111号公報
【特許文献2】
特開平9−75038号公報
【特許文献3】
特開平9−75039号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成人が一日に必要とするカルシウム量を食材と一緒に、美味しく、容易かつ安全に、更には滑らかに嚥下して、体内に取り入れることができ、これを効率よく骨や歯の組織に転化することができる魚のほぐし身及びその製造方法を提供することを解決の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の1は、加熱処理した魚のほぐし身にカルシウム剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材とした魚のほぐし身である。
【0011】
本発明の2は、本発明の1の魚のほぐし身に於いて、加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤に加えてカルシウム吸収促進剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材としたものである。
【0012】
本発明の3は、本発明の1の魚のほぐし身に於いて、加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤に加えて骨組織転化促進剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材としたものである。
【0013】
本発明の4は、本発明の2の魚のほぐし身に於いて、加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤及びカルシウム吸収促進剤に加えて骨組織転化促進剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材としたものである。
【0014】
本発明の5は、本発明の1、2、3又は4の魚のほぐし身に於いて、前記カルシウム剤として貝殻カルシウム、卵殻カルシウム、牛骨粉、ドロマイト及び乳酸カルシウムのいずれかの粉末又は液体、或いはこれら複数を組み合わせたものの粉末又は液体を採用したものである。
【0015】
本発明の6は、本発明の2又は4の魚のほぐし身に於いて、前記カルシウム吸収促進剤としてビタミンD3を採用したものである。
【0016】
本発明の7は、本発明の3又は4の魚のほぐし身に於いて、前記骨組織転化促進剤としてビタミンK2を採用したものである。
【0017】
本発明の8は、本発明の1、2、3、4、5、6又は7の魚のほぐし身に於いて、前記魚のほぐし身に嚥下補助材を均一に添加したものである。
【0018】
本発明の9は、本発明の8の魚のほぐし身に於いて、前記嚥下補助材としてマンナン、ヤマノイモ又は寒天のいずれかを採用したものである。
【0019】
本発明の10は、頭、えら、骨、尻尾及び内蔵等を取り除いた魚を加熱処理した後、身の部分だけをほぐし採った魚のほぐし身に、魚のほぐし身1食分に対して成人が1日に必要とする量のカルシウム剤と、カルシウム吸収促進剤及び骨組織転化促進剤とを添加し、これらを添加した前記ほぐし身をその形状を壊さない軟攪拌の下で均等に攪拌混合し、これを1食分ずつ小分け容器に入れて冷凍庫で冷凍し、カルシウム補給用食材とした魚のほぐし身の製造方法である。
【0020】
本発明の11は、本発明の10の魚のほぐし身の製造方法に於いて、前記軟攪拌を、ドラムの内側にその内周面に対して垂直かつ該ドラムの軸方向に対してランダムな向きの螺旋状に複数の羽根を配し、これらの羽根の表面を合成樹脂材で被覆して柔軟に形成したドラム型ミキサーの低速回転によって行うものとしたものである。
【0021】
本発明の12は、本発明の11の魚のほぐし身の製造方法に於いて、前記合成樹脂材として、低分子量のポリエチレン樹脂、低分子量のポリプロピレン樹脂及び低分子量のシリコン樹脂のいずれかを採用したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、健康な人や妊産婦や育ち盛りの子供の食材としては元より、老人保健施設及び特別養護老人ホーム等で生活している人達の給食用の食材として、カルシウム分を効率よく補給することができる食材である。
即ち、本発明は、加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材とした魚のほぐし身であり、更に必要に応じて、前記カルシウム剤に加えて、カルシウム吸収促進剤及び骨組織転化促進剤の一方又は双方を均一に添加した上で、冷凍してカルシウム補給用食材とした魚のほぐし身である。
【0023】
前記魚のほぐし身としては、美味しく食することができ、容易に入手できる魚であればどのようなものでもよい。例えば、たら、ほき、さば、あじ、いわし、さけ等が好ましく採用される。
またこのような魚は、頭、えら、骨、尻尾、内蔵などを取り除き、ボイルする、煮る、蒸す又は焼く等により加熱処理をして身の部分だけをほぐして使用に供する。
【0024】
前記カルシウム剤としては、貝殻カルシウム、卵殻カルシウム、牛骨粉、ドロマイト(炭酸カルシウムマグネシウム)及び乳酸カルシウムのいずれかの粉末又は液体、或いはこれら複数を組み合わせたものの粉末又は液体を採用することができる。上記貝殻カルシウムは、焼成したものでも未焼成のものでもよい。またいずれのカルシウム剤も大腸菌群が陰性で、耐熱菌数が10個/g以下、一般生菌数が300個/g以下とした衛生的に処理されたものを採用する。これらのカルシウム剤に澱粉や小麦蛋白などの副材を添加したものを採用してもよい。
【0025】
前記カルシウム剤は、例えば、前記魚のほぐし身一食分の重量50gに対して有効カルシウム分として成人が一日に必要とする600mgを目安に添加する。
【0026】
前記カルシウム吸収促進剤は、これを添加する場合は、例えば、ビタミンD3を採用する。ビタミンD3は、カルシウムを人の腸に於いて血液中への吸収を促進させる働きを有するもので、摂取したカルシウムを効率よく吸収させる目的で用いる。即ち、ビタミンD3は、小腸、腎臓に働いてカルシウム、リンの吸収を促進し、またステロイドホルモンと同様に直接DNAに働いて、カルシウム結合タンパク質の合成を触発するなどを通して、生体のカルシウムリン代謝の調節作用を行うものである。このビタミンD3は、例えば、魚のほぐし身の重量50gに対して、成人が一日に必要とされる摂取量100IUを目安に添加する。また添加する際には容易に均等に添加できるように、液体として噴霧してもよい。
【0027】
前記骨組織転化促進剤は、これを添加する場合は、例えば、ビタミンK2を採用する。このビタミンK2は、血液中に吸収されたカルシウムの骨組織への転化を促進させる働きを有するもので、血液中に吸収されたカルシウムを効率よく骨組織に転化させる目的で用いる。ビタミンK2は、通常は腸内細菌で合成されるので補給する必要はないが、カルシウムを強化した食品を摂取した場合には、これを効率よく骨組織に転化させるために添加するのがより好ましいものである。またビタミンK2は、例えば、魚のほぐし身の重量50gに対して、成人が一日に必要とされる摂取量100μgを目安に添加する。また添加する際には容易に均等に添加できるように、液体として噴霧してもよい。
【0028】
なお魚のほぐし身には、老人食として用いるような場合は、必要に応じて嚥下補助材を添加することができる。嚥下補助材としてはマンナン、ヤマノイモ又は寒天を採用することができる。これは、云うまでもなく、ほぐし身中に均一に添加すべきものである。前記ヤマノイモは、このほか、ナガイモと呼ばれるものであってもよい。
【0029】
前記マンナンは、蒟蒻芋に多量に含まれるグルコースとマンノースからなる多糖類であり、水を加えると糊状になり、粘性を示すものである。粘性を調節すると、程良い滑らかさを獲得することができる。なおグルコマンナンは1日数グラムずつ摂取すると血液中のコレステロールや中性脂肪を正常値に戻す作用もあり、この添加はそのような利点も併せてもたらすものである。
【0030】
魚のほぐし身へのカルシウム剤の均一な添加、更にはカルシウム吸収促進剤、骨組織転化促進剤又は嚥下補助材の全部又は一部の均一な添加は、魚のほぐし身に添加剤を添加した上で、これらを軟攪拌することにより行うのが適当である。
【0031】
上記軟攪拌とは、魚のほぐし身を出来る限り壊さない柔らかでソフトな攪拌を云う。例えば、ドラムの内側に該ドラムの内周面に対して垂直、かつ軸方向に対してランダムな螺旋状の複数の羽根を配し、これらの羽根の表面を弾力性のある合成樹脂によって被覆したドラム型ミキサーを利用し、その中に要攪拌物を装入して低速回転により攪拌するような態様のものとする。
【0032】
またこのような軟攪拌として、人(作業者)が両手を広げて下から上に円を描くような人手による攪拌としてもよい。
いずれの攪拌にしても決して魚のほぐし身をすり潰してしまうような強い攪拌で行ってはならない。魚のほぐし身をすり潰してしまっては、食べた時に魚を食する食感が失われてしまうからである。
【0033】
前記ドラム型ミキサーの羽根被覆用の合成樹脂としては、低分子量のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂又はシリコン樹脂の内のいずれかを採用するのが適当である。これらはいずれも弾力性があり、かつ人に対して衛生上の安全性を確保できるものである。
【0034】
以上の本発明の魚のほぐし身の製造方法は、次のようにしてなされるものである。
前述の原材料とする魚は、予め、頭、えら、尻尾、内蔵などを取り除き洗浄して、ボイルや蒸し上げ、或いは焼き上げなどにより加熱処理した後、身の部分だけをほぐし採って魚のほぐし身とする。
【0035】
この魚のほぐし身に、魚のほぐし身1食分の重量50gに対して、前記カルシウム剤を有効カルシウム分として600mg含むように、前記カルシウム吸収促進剤としてビタミンD3を100IU含むように、前記骨組織転化促進剤としてビタミンK2を100μg含むように、それぞれ添加する。老人食として用いる場合は、必要に応じて、嚥下補助材として粉末のマンナンを5g添加する。
【0036】
これらを添加する際には、これらの添加剤がほぐし身に均一に行き渡るように、かつほぐし身の形状を壊さないように、例えば、前記ドラム型ミキサーによる軟攪拌の下で少しづつ混ぜ合わせて行く。またこれら添加剤はほぐし身に添加する前に予め均等に混合しておいてもよい。
【0037】
これらの添加剤が均一に混ぜ合わさったところで、これを一食分ずつ小分け容器に分配して、冷凍庫で−18℃以下の温度で冷凍する。こうすることによってカルシウム補給用食材とした魚のほぐし身の冷凍したものが得られる。
【0038】
また本発明の魚のほぐし身の使用法は、冷凍してある魚のほぐし身を電子レンジなどによって解凍した後に、ほぐし身を崩さないようにして適度に味付けをし、その一食分を各自の食卓に供すればよい。こうすることによって、成人が一日に必要とするカルシウム分を含んだ魚のほぐし身を、手軽に美味しく食べることができる。嚥下補助材を添加した場合は、唾液の少ない老人等であっても、滑らかに嚥下することができるようになる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0040】
<実施例1>
採れ立ての鮮度のよい「あじ」を食材として採用し、その頭、えら、尻尾、内蔵などを取り除き水洗いした後、オーブンで焼き上げ、手作業で骨が混入しないように身の部分だけをほぐし採って「あじのほぐし身」とした。
【0041】
この「あじのほぐし身」の10kgを、胴の内径が600mm、胴長が300mmのドラム型ミキサーであつて、そのドラム部1の内周面に対して垂直に、かつその軸方向に対してランダムな螺旋状に、高さ100mm、長さ150mmの8枚の羽根2、2…を配し、該羽根2、2…を低分子量のポリエチレン樹脂により縁部が外力によって容易に変形する状態に被覆したドラム型ミキサーに装入し、該ドラム型ミキサーを12rpmの低速で回転させ、ほぐし身を崩さないようにソフトに優しく攪拌しながら、次に示す添加剤組成物1をほぐし身の中に均等に分散されるように、少しずつ散布して7分間攪拌混合を行った。なお上記ドラム型ミキサーは図1(a)及び(b)に示してある。
【0042】
〔添加剤組成物1〕
未焼成ホタテ貝殻カルシウム粉末 316g
(カルシウム含有率38%、エヌシーコーポレーション社製)
ドライビタミンD3 100mg
(ビタミンD3として200IU/mg含有、三共社製)
K2オイルP−1000(ビタミンK2粉末) 20g
(ビタミンK2として1μg/mg含有、ホーネンコーポレーション社製)
これらは添加する前に予めよく混合しておいた。
【0043】
次いでこれをポリプロピレン製の小分け容器に51.7g(ほぐし身として50gを含有)ずつ分配し、蓋をして冷凍庫(−18℃以下)で10時間冷凍して、「カルシウム分を強化した魚(あじ)のほぐし身」を得た。
【0044】
<実施例2>
採れ立ての鮮度のよい「たら」を食材として採用し、その頭、えら、尻尾、内蔵などを取り除き水洗いした後、蒸し器で蒸し、手作業で骨が混入しないように身の部分だけをほぐし採って「たらのほぐし身」とした。
【0045】
この「たらのほぐし身」の10kgを横長(縦80cm×横120cm)のステンレス製のバットの中に山型に盛り上げるように入れ、作業者が両手を広げて下から上に円を描くように、ほぐし身を崩さないようにソフトに優しく攪拌しながら、次に示す添加剤組成物2をほぐし身の中に均等に分散されるように、少しずつ散布して10分間攪拌混合した。
【0046】
〔添加剤組成物2〕
未焼成ホタテ貝殻カルシウム粉末 316g
(カルシウム含有率38%、エヌシーコーポレーション社製)
ドライビタミンD3 100mg
(ビタミンD3として200IU/mg含有、三共社製)
K2オイルP−1000(ビタミンK2粉末) 20g
(ビタミンK2として1μg/mg含、ホーネンコーポレーション社製)
マンナン粉末 1kg
これらは添加する前に予めよく混合しておいた。
【0047】
次いでこれをポリプロピレン製の小分け容器に56.7g(ほぐし身として50gを含有)ずつ分配し、蓋をして冷凍庫(−18°C以下)で10時間冷凍し、「カルシウム分を強化し、かつ嚥下性を付与した魚(たら)のほぐし身」を得た。
【0048】
<実施例3>
採れ立ての鮮度のよい「ほき」を食材として採用し、その頭、えら、尻尾、内蔵などを取り除き水洗いした後、蒸し器で蒸し上げ、手作業で骨が混入しないように身の部分だけをほぐし採って「ほきのほぐし身」とした。
【0049】
このほきのほぐし身の10kgを横長(縦80cm×横120cm)のステンレス製のバットの中に山型に盛り上げるように入れ、作業者が両手を広げて下から上に円を描くように、ほぐし身を崩さないようにソフトに優しく攪拌しながら、次に示す添加剤組成物3をほぐし身の中に均等に分散されるように、少しずつ散布して10分間攪拌混合した。
【0050】
〔添加剤組成物3〕
ドロマイト「カルマグ」細粒 546g
(カルシウム含有率22%、三共フーズ社製)
ドライビタミンD3 100mg
(ビタミンD3として200IU/mg含有、三共社製)
K2オイルP−1000(ビタミンK2粉末) 20g
(ビタミンK2として1μg/mg含有、ホーネンコーポレーション製)
これらは予めよく混合しておいた。
【0051】
次いでこれをポリプロピレン製の小分け容器に52.8g(ほぐし身として50gを含有)ずつ分配し、蓋をして冷凍庫(−18℃以下)で10時間冷凍し、「カルシウム分を強化した魚(ほき)のほぐし身」を得た。
【0052】
<テスト使用例>
実施例1〜3によって得た各魚のほぐし身を、老人施設の給食の食材として採用し、3日間に渡り、毎日違った魚のほぐし身を解凍して、これをサラダ風に季節の野菜と共に味付けして盛り合わせ、当該施設の老人20人の食卓に一食分ずつ提供して試食して貰った。
そして次の調査項目に対する感想を聞き取り調査して、その調査結果を次に示す表1〜表4にまとめた。
【0053】
〔調査項目〕
1.美味しいと感じましたか。
2.魚の食感はありましたか。
3.何か違和感がありましたか。
4.飲み込み易かったですか。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
<調査結果からの考察>
調査項目1の「美味しいと感じましたか」については、実施例1〜3のいずれの魚のほぐし身に於いても65%以上の人が、大変美味しかった又は美味しかったと回答している。一方でよく判らなかった又は不味かったと回答した人が15〜35%程度いる。しかし一般に食べ物には人によってそれぞれに嗜好があるので、3分の2以上の人が美味しかったと回答していることから、いずれも食材としては適していると判断して良いと考えられる。実施例2の魚のほぐし身にはマンナンが添加されているが、それによる差は殆ど見られないようである。
【0059】
調査項目2の「魚らしい食感はありましたか」については、実施例1〜3のいずれの魚のほぐし身に於いても70%以上の人が、魚らしい食感があったと回答している。一方で魚らしい食感が無かったと回答した人は0.5%であって、実施例1〜3のいずれの魚のほぐし身もほぐし身の形状が調理後まで保たれていたことが判分かる。この結果から実施例1〜3による軟攪拌、即ち、ドラムミキサーを採用した攪拌混合や、人が両手を広げて下から上に円を描くような攪拌混合であれば、魚のほぐし身を壊すことがないことが分かる。
【0060】
調査項目3の「何か違和感がありましたか」については、実施例1〜3のいずれの食材に於いても60%以上の人が、食感に殆ど違和感を感じなかったと回答している。一方で食感に少し違和感を感じたと答えた人が20%いる。この結果から何らか含まれているかもしれないと感じる人が若干いることは明らかであるが、それでも少し違和感を感じる程度で、そのために食べられないという程ではないことも分かる。カルシウム製剤を単独で摂取するよりは、受入れ易いものとなっていると判断できる。実施例2の魚のほぐし身にはマンナンが添加されているが、この観点でも、それによる差は殆ど見られないようである。
【0061】
調査項目4の「飲み込み易かったですか」については、マンナンを添加した実施例2の魚のほぐし身については、75%の人が飲み込み易かったと回答し、飲み込みにくかったとの回答は一つもなかったこと、他方、実施例1及び2の魚のほぐし身では、40〜45%の人が飲み込み易かったと回答し、どちらとも云えないとの回答が50〜55%、飲み込みにくかったとの回答が0.5%であったことを考慮すると、実施例2ではマンナンの嚥下補助効果が十分現れているものと考えられる。もっとも実施例1及び3でも飲み込みにくかったとの回答は0.5%であり、嚥下性の観点からも殆ど問題のないものであると考えられる。
【0062】
【発明の効果】
本発明の1の魚のほぐし身によれば、人が一日に必要とするカルシウム量を食感の優れた魚のほぐし身と一緒に手軽に食卓に供することができる。更にこの魚のほぐし身は、冷凍保存されているものであり、必要な時にこれを解凍して適度の味付けをすることで、手軽に素早く供することができる。
【0063】
本発明の2の魚のほぐし身によれば、手軽に食卓に供して、これを摂取することにより、その魚のほぐし身に添加されているカルシウムを効率よく体内に吸収させることができ、骨組織への転化のチャンスを高めることができる。カルシウム分を必要とする育ち盛りの子供や妊産婦、或いは老人保健施設又は特別養護老人ホーム等で骨粗鬆症に悩んでいる老人等の食材として好適に利用することができる。
【0064】
本発明の3の魚のほぐし身によれば、手軽に食卓に供して、これを摂取することにより、その魚のほぐし身から体内に吸収されたカルシウムを効率よく骨組織へ転化させることができる。そのためカルシウム分を必要とする育ち盛りの子供や妊産婦、或いは老人保健施設又は特別養護老人ホーム等で骨粗鬆症に悩んでいる老人等の食材として好適に利用することができる。
【0065】
本発明の4の魚のほぐし身によれば、これを食卓に供して摂取することにより、カルシウムを効率良く体内に吸収し得るとともに、体内に吸収したカルシウムを同様に効率良く骨組織に転化させることができる。それ故、一層、カルシウム分を必要とする育ち盛りの子供や妊産婦、或いは老人保健施設又は特別養護老人ホーム等で骨粗鬆症に悩んでいる老人等の食材として好適に利用することができる。
【0066】
本発明の5の魚のほぐし身によれば、適切なカルシウム剤は、いずれも比較的吸収し易いものであり、かつ容易に安価に入手できるものである。
【0067】
本発明の6の魚のほぐし身によれば、前記カルシウム吸収促進剤としてビタミンD3を採用したので、摂取したカルシウム分を効率よく血液中に吸収することができる。
【0068】
本発明の7の魚のほぐし身によれば、前記骨組織転化促進剤として、ビタミンK2を採用したので、体内に吸収されたカルシウム分を効率よく骨組織に転化させることができる。
【0069】
本発明の8の魚のほぐし身によれば、魚のほぐし身に、嚥下補助材を添加したため、その摂取の際に食材の嚥下が容易になり、1回の摂取量を苦労せずに容易に取ることができるようになる。
【0070】
本発明の9の魚のほぐし身によれば、前記嚥下補助材としてマンナン、ヤマノイモ又は寒天のいずれかを採用することとしたので、食材である魚のほぐし身に違和感のある味を付与することなく、嚥下補助効果を容易に確保することができる。
【0071】
本発明の10の魚のほぐし身の製造方法によれば、カルシウムの1日分の摂取量及び対応する量のカルシウム吸収促進剤並びに骨組織転化促進剤を均一に添加した魚のほぐし身を、すり身のようにすることなく、ほぐし身の形状をそのまま維持し、見た目も箸でほぐしたように美しく、食した時の食感も良いものが得られる。
【0072】
本発明の魚のほぐし身の製造方法によれば、魚のほぐし身の軟攪拌に用いる手段として、ドラムの内側にその内周面に対して垂直かつ該ドラムの軸方向に対してランダムな向きの螺旋状に複数の羽根を配し、これらの羽根の表面を合成樹脂材で被覆して柔軟に形成したドラム型ミキサーを採用し、これを低速回転させて必要な攪拌混合を行うものとしたので、魚のほぐし身をすり身のようににすることなく、カルシウム剤等の均一な混合を容易に確保することができる。
【0073】
本発明の12の魚のほぐし身の製造方法によれば、魚のほぐし身を殆ど壊すことのない軟攪拌を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はドラム型ミキサーの概略平面図。
(b)は(a)のA−A線概略断面図。
【符号の説明】
1 ドラム部
2 羽根
【発明の属する技術分野】
本発明は、育ち盛りの子供や妊産婦の食材として、老人保健施設及び特別養護老人ホーム等での給食用の食材として、カルシウム分を効率よく補給することができる魚のほぐし身及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人は、常にカルシウム分を取り入れて骨や歯の組織に転化し、自らの体を支える骨や歯を形成してこれらを健全に維持する必要がある。特に育ち盛りの子供や妊産婦、或いは加齡によりカルシウム吸収能力が低下してくる老人にあっては、その不足は日常生活する上で影響が大きいものとなってくる。
【0003】
即ち、カルシウム分の摂取不足は、育ち盛りの子供にあっては、発育不良を生じ、妊産婦にあっては、生まれてくる子供の発育が不十分となったり、妊産婦自身に必要とするそれが胎児の発育に取られてその骨や歯がボロボロになってしまったりする。
また老人にあっては、骨が空洞化してくる骨粗鬆症となって骨折しやすくなったり、体を支えることが出来ず寝たきりとなってしまったり、と言う問題が生じてくる。
このような問題が生じないように、その対策として、通常は積極的にカルシウム含有量の多い食品の摂取や、サプリメントとしてカルシウム剤の摂取がなされている。
【0004】
しかし成人が一日に必要とするカルシウム量は、一般に600mg程度とされており、これをカルシウム含有量の多い単一食品から摂取しようとすると、その摂取量は必然的に多くなって、食べるのに飽きてしまうものである。
またサプリメントとしてのカルシウム剤は、決して美味しいものではなく、飲み難いものであったり、またカルシウム剤によってはこれを単に摂取しただけでは、効率よく体内に吸収して骨や歯の組織に転化することがむずかしいものもある。
【0005】
このような魚のほぐし身の製造方法に関しては、「原料魚肉を所定の形態に加工し、加工された魚肉を所定時間蒸す蒸し工程を行った後、前記魚肉の不要な皮・骨を取り除き、液中で魚肉をほぐし、調味液で所定時間煮込んだ後、余分唖然貴著海液を除いて焙焼する魚肉ほぐし身製品の加工方法」(特許文献1)が提案されている。該加工方法に於いて、所定の形態に加工した後、蒸し工程の前に原料魚肉に食塩を振りかけるか又は塩水に漬け込む工程を行うことがあること、更には前記調味液中に着色料を含ませておくことがあること等が開示されている。
【0006】
上記特許文献1の方法によれば、特に産卵のために川を遡りブナ化の進んだ鮭を蒸してほぐし身とする場合に、細かく破砕することなく、褪色の少ない、保存性の良好なそれとすることを目的とし、かつそのような効果を得たものと思われるが、これを食する者のカルシウムの摂取等に関しては全く触れるところがないものである。
【0007】
この他には、魚介類ほぐし身の炊き込みご飯用調理処理物の製造法(特許文献2)や魚介類ほぐし身の炊き込みご飯用調理処理物(特許文献3)があるが、これらは、水分量の調整を行うことなく良好な魚介類のほぐし身入り炊き込みご飯を調理できる炊き込みご飯用調理処理物の製造法、或いは炊き込みご飯用調理処理物そのものに関するものであり、いずれにしても、これらを食する者のカルシウムの摂取等に関しては全く触れるところのないものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−192111号公報
【特許文献2】
特開平9−75038号公報
【特許文献3】
特開平9−75039号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成人が一日に必要とするカルシウム量を食材と一緒に、美味しく、容易かつ安全に、更には滑らかに嚥下して、体内に取り入れることができ、これを効率よく骨や歯の組織に転化することができる魚のほぐし身及びその製造方法を提供することを解決の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の1は、加熱処理した魚のほぐし身にカルシウム剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材とした魚のほぐし身である。
【0011】
本発明の2は、本発明の1の魚のほぐし身に於いて、加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤に加えてカルシウム吸収促進剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材としたものである。
【0012】
本発明の3は、本発明の1の魚のほぐし身に於いて、加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤に加えて骨組織転化促進剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材としたものである。
【0013】
本発明の4は、本発明の2の魚のほぐし身に於いて、加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤及びカルシウム吸収促進剤に加えて骨組織転化促進剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材としたものである。
【0014】
本発明の5は、本発明の1、2、3又は4の魚のほぐし身に於いて、前記カルシウム剤として貝殻カルシウム、卵殻カルシウム、牛骨粉、ドロマイト及び乳酸カルシウムのいずれかの粉末又は液体、或いはこれら複数を組み合わせたものの粉末又は液体を採用したものである。
【0015】
本発明の6は、本発明の2又は4の魚のほぐし身に於いて、前記カルシウム吸収促進剤としてビタミンD3を採用したものである。
【0016】
本発明の7は、本発明の3又は4の魚のほぐし身に於いて、前記骨組織転化促進剤としてビタミンK2を採用したものである。
【0017】
本発明の8は、本発明の1、2、3、4、5、6又は7の魚のほぐし身に於いて、前記魚のほぐし身に嚥下補助材を均一に添加したものである。
【0018】
本発明の9は、本発明の8の魚のほぐし身に於いて、前記嚥下補助材としてマンナン、ヤマノイモ又は寒天のいずれかを採用したものである。
【0019】
本発明の10は、頭、えら、骨、尻尾及び内蔵等を取り除いた魚を加熱処理した後、身の部分だけをほぐし採った魚のほぐし身に、魚のほぐし身1食分に対して成人が1日に必要とする量のカルシウム剤と、カルシウム吸収促進剤及び骨組織転化促進剤とを添加し、これらを添加した前記ほぐし身をその形状を壊さない軟攪拌の下で均等に攪拌混合し、これを1食分ずつ小分け容器に入れて冷凍庫で冷凍し、カルシウム補給用食材とした魚のほぐし身の製造方法である。
【0020】
本発明の11は、本発明の10の魚のほぐし身の製造方法に於いて、前記軟攪拌を、ドラムの内側にその内周面に対して垂直かつ該ドラムの軸方向に対してランダムな向きの螺旋状に複数の羽根を配し、これらの羽根の表面を合成樹脂材で被覆して柔軟に形成したドラム型ミキサーの低速回転によって行うものとしたものである。
【0021】
本発明の12は、本発明の11の魚のほぐし身の製造方法に於いて、前記合成樹脂材として、低分子量のポリエチレン樹脂、低分子量のポリプロピレン樹脂及び低分子量のシリコン樹脂のいずれかを採用したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、健康な人や妊産婦や育ち盛りの子供の食材としては元より、老人保健施設及び特別養護老人ホーム等で生活している人達の給食用の食材として、カルシウム分を効率よく補給することができる食材である。
即ち、本発明は、加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材とした魚のほぐし身であり、更に必要に応じて、前記カルシウム剤に加えて、カルシウム吸収促進剤及び骨組織転化促進剤の一方又は双方を均一に添加した上で、冷凍してカルシウム補給用食材とした魚のほぐし身である。
【0023】
前記魚のほぐし身としては、美味しく食することができ、容易に入手できる魚であればどのようなものでもよい。例えば、たら、ほき、さば、あじ、いわし、さけ等が好ましく採用される。
またこのような魚は、頭、えら、骨、尻尾、内蔵などを取り除き、ボイルする、煮る、蒸す又は焼く等により加熱処理をして身の部分だけをほぐして使用に供する。
【0024】
前記カルシウム剤としては、貝殻カルシウム、卵殻カルシウム、牛骨粉、ドロマイト(炭酸カルシウムマグネシウム)及び乳酸カルシウムのいずれかの粉末又は液体、或いはこれら複数を組み合わせたものの粉末又は液体を採用することができる。上記貝殻カルシウムは、焼成したものでも未焼成のものでもよい。またいずれのカルシウム剤も大腸菌群が陰性で、耐熱菌数が10個/g以下、一般生菌数が300個/g以下とした衛生的に処理されたものを採用する。これらのカルシウム剤に澱粉や小麦蛋白などの副材を添加したものを採用してもよい。
【0025】
前記カルシウム剤は、例えば、前記魚のほぐし身一食分の重量50gに対して有効カルシウム分として成人が一日に必要とする600mgを目安に添加する。
【0026】
前記カルシウム吸収促進剤は、これを添加する場合は、例えば、ビタミンD3を採用する。ビタミンD3は、カルシウムを人の腸に於いて血液中への吸収を促進させる働きを有するもので、摂取したカルシウムを効率よく吸収させる目的で用いる。即ち、ビタミンD3は、小腸、腎臓に働いてカルシウム、リンの吸収を促進し、またステロイドホルモンと同様に直接DNAに働いて、カルシウム結合タンパク質の合成を触発するなどを通して、生体のカルシウムリン代謝の調節作用を行うものである。このビタミンD3は、例えば、魚のほぐし身の重量50gに対して、成人が一日に必要とされる摂取量100IUを目安に添加する。また添加する際には容易に均等に添加できるように、液体として噴霧してもよい。
【0027】
前記骨組織転化促進剤は、これを添加する場合は、例えば、ビタミンK2を採用する。このビタミンK2は、血液中に吸収されたカルシウムの骨組織への転化を促進させる働きを有するもので、血液中に吸収されたカルシウムを効率よく骨組織に転化させる目的で用いる。ビタミンK2は、通常は腸内細菌で合成されるので補給する必要はないが、カルシウムを強化した食品を摂取した場合には、これを効率よく骨組織に転化させるために添加するのがより好ましいものである。またビタミンK2は、例えば、魚のほぐし身の重量50gに対して、成人が一日に必要とされる摂取量100μgを目安に添加する。また添加する際には容易に均等に添加できるように、液体として噴霧してもよい。
【0028】
なお魚のほぐし身には、老人食として用いるような場合は、必要に応じて嚥下補助材を添加することができる。嚥下補助材としてはマンナン、ヤマノイモ又は寒天を採用することができる。これは、云うまでもなく、ほぐし身中に均一に添加すべきものである。前記ヤマノイモは、このほか、ナガイモと呼ばれるものであってもよい。
【0029】
前記マンナンは、蒟蒻芋に多量に含まれるグルコースとマンノースからなる多糖類であり、水を加えると糊状になり、粘性を示すものである。粘性を調節すると、程良い滑らかさを獲得することができる。なおグルコマンナンは1日数グラムずつ摂取すると血液中のコレステロールや中性脂肪を正常値に戻す作用もあり、この添加はそのような利点も併せてもたらすものである。
【0030】
魚のほぐし身へのカルシウム剤の均一な添加、更にはカルシウム吸収促進剤、骨組織転化促進剤又は嚥下補助材の全部又は一部の均一な添加は、魚のほぐし身に添加剤を添加した上で、これらを軟攪拌することにより行うのが適当である。
【0031】
上記軟攪拌とは、魚のほぐし身を出来る限り壊さない柔らかでソフトな攪拌を云う。例えば、ドラムの内側に該ドラムの内周面に対して垂直、かつ軸方向に対してランダムな螺旋状の複数の羽根を配し、これらの羽根の表面を弾力性のある合成樹脂によって被覆したドラム型ミキサーを利用し、その中に要攪拌物を装入して低速回転により攪拌するような態様のものとする。
【0032】
またこのような軟攪拌として、人(作業者)が両手を広げて下から上に円を描くような人手による攪拌としてもよい。
いずれの攪拌にしても決して魚のほぐし身をすり潰してしまうような強い攪拌で行ってはならない。魚のほぐし身をすり潰してしまっては、食べた時に魚を食する食感が失われてしまうからである。
【0033】
前記ドラム型ミキサーの羽根被覆用の合成樹脂としては、低分子量のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂又はシリコン樹脂の内のいずれかを採用するのが適当である。これらはいずれも弾力性があり、かつ人に対して衛生上の安全性を確保できるものである。
【0034】
以上の本発明の魚のほぐし身の製造方法は、次のようにしてなされるものである。
前述の原材料とする魚は、予め、頭、えら、尻尾、内蔵などを取り除き洗浄して、ボイルや蒸し上げ、或いは焼き上げなどにより加熱処理した後、身の部分だけをほぐし採って魚のほぐし身とする。
【0035】
この魚のほぐし身に、魚のほぐし身1食分の重量50gに対して、前記カルシウム剤を有効カルシウム分として600mg含むように、前記カルシウム吸収促進剤としてビタミンD3を100IU含むように、前記骨組織転化促進剤としてビタミンK2を100μg含むように、それぞれ添加する。老人食として用いる場合は、必要に応じて、嚥下補助材として粉末のマンナンを5g添加する。
【0036】
これらを添加する際には、これらの添加剤がほぐし身に均一に行き渡るように、かつほぐし身の形状を壊さないように、例えば、前記ドラム型ミキサーによる軟攪拌の下で少しづつ混ぜ合わせて行く。またこれら添加剤はほぐし身に添加する前に予め均等に混合しておいてもよい。
【0037】
これらの添加剤が均一に混ぜ合わさったところで、これを一食分ずつ小分け容器に分配して、冷凍庫で−18℃以下の温度で冷凍する。こうすることによってカルシウム補給用食材とした魚のほぐし身の冷凍したものが得られる。
【0038】
また本発明の魚のほぐし身の使用法は、冷凍してある魚のほぐし身を電子レンジなどによって解凍した後に、ほぐし身を崩さないようにして適度に味付けをし、その一食分を各自の食卓に供すればよい。こうすることによって、成人が一日に必要とするカルシウム分を含んだ魚のほぐし身を、手軽に美味しく食べることができる。嚥下補助材を添加した場合は、唾液の少ない老人等であっても、滑らかに嚥下することができるようになる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0040】
<実施例1>
採れ立ての鮮度のよい「あじ」を食材として採用し、その頭、えら、尻尾、内蔵などを取り除き水洗いした後、オーブンで焼き上げ、手作業で骨が混入しないように身の部分だけをほぐし採って「あじのほぐし身」とした。
【0041】
この「あじのほぐし身」の10kgを、胴の内径が600mm、胴長が300mmのドラム型ミキサーであつて、そのドラム部1の内周面に対して垂直に、かつその軸方向に対してランダムな螺旋状に、高さ100mm、長さ150mmの8枚の羽根2、2…を配し、該羽根2、2…を低分子量のポリエチレン樹脂により縁部が外力によって容易に変形する状態に被覆したドラム型ミキサーに装入し、該ドラム型ミキサーを12rpmの低速で回転させ、ほぐし身を崩さないようにソフトに優しく攪拌しながら、次に示す添加剤組成物1をほぐし身の中に均等に分散されるように、少しずつ散布して7分間攪拌混合を行った。なお上記ドラム型ミキサーは図1(a)及び(b)に示してある。
【0042】
〔添加剤組成物1〕
未焼成ホタテ貝殻カルシウム粉末 316g
(カルシウム含有率38%、エヌシーコーポレーション社製)
ドライビタミンD3 100mg
(ビタミンD3として200IU/mg含有、三共社製)
K2オイルP−1000(ビタミンK2粉末) 20g
(ビタミンK2として1μg/mg含有、ホーネンコーポレーション社製)
これらは添加する前に予めよく混合しておいた。
【0043】
次いでこれをポリプロピレン製の小分け容器に51.7g(ほぐし身として50gを含有)ずつ分配し、蓋をして冷凍庫(−18℃以下)で10時間冷凍して、「カルシウム分を強化した魚(あじ)のほぐし身」を得た。
【0044】
<実施例2>
採れ立ての鮮度のよい「たら」を食材として採用し、その頭、えら、尻尾、内蔵などを取り除き水洗いした後、蒸し器で蒸し、手作業で骨が混入しないように身の部分だけをほぐし採って「たらのほぐし身」とした。
【0045】
この「たらのほぐし身」の10kgを横長(縦80cm×横120cm)のステンレス製のバットの中に山型に盛り上げるように入れ、作業者が両手を広げて下から上に円を描くように、ほぐし身を崩さないようにソフトに優しく攪拌しながら、次に示す添加剤組成物2をほぐし身の中に均等に分散されるように、少しずつ散布して10分間攪拌混合した。
【0046】
〔添加剤組成物2〕
未焼成ホタテ貝殻カルシウム粉末 316g
(カルシウム含有率38%、エヌシーコーポレーション社製)
ドライビタミンD3 100mg
(ビタミンD3として200IU/mg含有、三共社製)
K2オイルP−1000(ビタミンK2粉末) 20g
(ビタミンK2として1μg/mg含、ホーネンコーポレーション社製)
マンナン粉末 1kg
これらは添加する前に予めよく混合しておいた。
【0047】
次いでこれをポリプロピレン製の小分け容器に56.7g(ほぐし身として50gを含有)ずつ分配し、蓋をして冷凍庫(−18°C以下)で10時間冷凍し、「カルシウム分を強化し、かつ嚥下性を付与した魚(たら)のほぐし身」を得た。
【0048】
<実施例3>
採れ立ての鮮度のよい「ほき」を食材として採用し、その頭、えら、尻尾、内蔵などを取り除き水洗いした後、蒸し器で蒸し上げ、手作業で骨が混入しないように身の部分だけをほぐし採って「ほきのほぐし身」とした。
【0049】
このほきのほぐし身の10kgを横長(縦80cm×横120cm)のステンレス製のバットの中に山型に盛り上げるように入れ、作業者が両手を広げて下から上に円を描くように、ほぐし身を崩さないようにソフトに優しく攪拌しながら、次に示す添加剤組成物3をほぐし身の中に均等に分散されるように、少しずつ散布して10分間攪拌混合した。
【0050】
〔添加剤組成物3〕
ドロマイト「カルマグ」細粒 546g
(カルシウム含有率22%、三共フーズ社製)
ドライビタミンD3 100mg
(ビタミンD3として200IU/mg含有、三共社製)
K2オイルP−1000(ビタミンK2粉末) 20g
(ビタミンK2として1μg/mg含有、ホーネンコーポレーション製)
これらは予めよく混合しておいた。
【0051】
次いでこれをポリプロピレン製の小分け容器に52.8g(ほぐし身として50gを含有)ずつ分配し、蓋をして冷凍庫(−18℃以下)で10時間冷凍し、「カルシウム分を強化した魚(ほき)のほぐし身」を得た。
【0052】
<テスト使用例>
実施例1〜3によって得た各魚のほぐし身を、老人施設の給食の食材として採用し、3日間に渡り、毎日違った魚のほぐし身を解凍して、これをサラダ風に季節の野菜と共に味付けして盛り合わせ、当該施設の老人20人の食卓に一食分ずつ提供して試食して貰った。
そして次の調査項目に対する感想を聞き取り調査して、その調査結果を次に示す表1〜表4にまとめた。
【0053】
〔調査項目〕
1.美味しいと感じましたか。
2.魚の食感はありましたか。
3.何か違和感がありましたか。
4.飲み込み易かったですか。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
<調査結果からの考察>
調査項目1の「美味しいと感じましたか」については、実施例1〜3のいずれの魚のほぐし身に於いても65%以上の人が、大変美味しかった又は美味しかったと回答している。一方でよく判らなかった又は不味かったと回答した人が15〜35%程度いる。しかし一般に食べ物には人によってそれぞれに嗜好があるので、3分の2以上の人が美味しかったと回答していることから、いずれも食材としては適していると判断して良いと考えられる。実施例2の魚のほぐし身にはマンナンが添加されているが、それによる差は殆ど見られないようである。
【0059】
調査項目2の「魚らしい食感はありましたか」については、実施例1〜3のいずれの魚のほぐし身に於いても70%以上の人が、魚らしい食感があったと回答している。一方で魚らしい食感が無かったと回答した人は0.5%であって、実施例1〜3のいずれの魚のほぐし身もほぐし身の形状が調理後まで保たれていたことが判分かる。この結果から実施例1〜3による軟攪拌、即ち、ドラムミキサーを採用した攪拌混合や、人が両手を広げて下から上に円を描くような攪拌混合であれば、魚のほぐし身を壊すことがないことが分かる。
【0060】
調査項目3の「何か違和感がありましたか」については、実施例1〜3のいずれの食材に於いても60%以上の人が、食感に殆ど違和感を感じなかったと回答している。一方で食感に少し違和感を感じたと答えた人が20%いる。この結果から何らか含まれているかもしれないと感じる人が若干いることは明らかであるが、それでも少し違和感を感じる程度で、そのために食べられないという程ではないことも分かる。カルシウム製剤を単独で摂取するよりは、受入れ易いものとなっていると判断できる。実施例2の魚のほぐし身にはマンナンが添加されているが、この観点でも、それによる差は殆ど見られないようである。
【0061】
調査項目4の「飲み込み易かったですか」については、マンナンを添加した実施例2の魚のほぐし身については、75%の人が飲み込み易かったと回答し、飲み込みにくかったとの回答は一つもなかったこと、他方、実施例1及び2の魚のほぐし身では、40〜45%の人が飲み込み易かったと回答し、どちらとも云えないとの回答が50〜55%、飲み込みにくかったとの回答が0.5%であったことを考慮すると、実施例2ではマンナンの嚥下補助効果が十分現れているものと考えられる。もっとも実施例1及び3でも飲み込みにくかったとの回答は0.5%であり、嚥下性の観点からも殆ど問題のないものであると考えられる。
【0062】
【発明の効果】
本発明の1の魚のほぐし身によれば、人が一日に必要とするカルシウム量を食感の優れた魚のほぐし身と一緒に手軽に食卓に供することができる。更にこの魚のほぐし身は、冷凍保存されているものであり、必要な時にこれを解凍して適度の味付けをすることで、手軽に素早く供することができる。
【0063】
本発明の2の魚のほぐし身によれば、手軽に食卓に供して、これを摂取することにより、その魚のほぐし身に添加されているカルシウムを効率よく体内に吸収させることができ、骨組織への転化のチャンスを高めることができる。カルシウム分を必要とする育ち盛りの子供や妊産婦、或いは老人保健施設又は特別養護老人ホーム等で骨粗鬆症に悩んでいる老人等の食材として好適に利用することができる。
【0064】
本発明の3の魚のほぐし身によれば、手軽に食卓に供して、これを摂取することにより、その魚のほぐし身から体内に吸収されたカルシウムを効率よく骨組織へ転化させることができる。そのためカルシウム分を必要とする育ち盛りの子供や妊産婦、或いは老人保健施設又は特別養護老人ホーム等で骨粗鬆症に悩んでいる老人等の食材として好適に利用することができる。
【0065】
本発明の4の魚のほぐし身によれば、これを食卓に供して摂取することにより、カルシウムを効率良く体内に吸収し得るとともに、体内に吸収したカルシウムを同様に効率良く骨組織に転化させることができる。それ故、一層、カルシウム分を必要とする育ち盛りの子供や妊産婦、或いは老人保健施設又は特別養護老人ホーム等で骨粗鬆症に悩んでいる老人等の食材として好適に利用することができる。
【0066】
本発明の5の魚のほぐし身によれば、適切なカルシウム剤は、いずれも比較的吸収し易いものであり、かつ容易に安価に入手できるものである。
【0067】
本発明の6の魚のほぐし身によれば、前記カルシウム吸収促進剤としてビタミンD3を採用したので、摂取したカルシウム分を効率よく血液中に吸収することができる。
【0068】
本発明の7の魚のほぐし身によれば、前記骨組織転化促進剤として、ビタミンK2を採用したので、体内に吸収されたカルシウム分を効率よく骨組織に転化させることができる。
【0069】
本発明の8の魚のほぐし身によれば、魚のほぐし身に、嚥下補助材を添加したため、その摂取の際に食材の嚥下が容易になり、1回の摂取量を苦労せずに容易に取ることができるようになる。
【0070】
本発明の9の魚のほぐし身によれば、前記嚥下補助材としてマンナン、ヤマノイモ又は寒天のいずれかを採用することとしたので、食材である魚のほぐし身に違和感のある味を付与することなく、嚥下補助効果を容易に確保することができる。
【0071】
本発明の10の魚のほぐし身の製造方法によれば、カルシウムの1日分の摂取量及び対応する量のカルシウム吸収促進剤並びに骨組織転化促進剤を均一に添加した魚のほぐし身を、すり身のようにすることなく、ほぐし身の形状をそのまま維持し、見た目も箸でほぐしたように美しく、食した時の食感も良いものが得られる。
【0072】
本発明の魚のほぐし身の製造方法によれば、魚のほぐし身の軟攪拌に用いる手段として、ドラムの内側にその内周面に対して垂直かつ該ドラムの軸方向に対してランダムな向きの螺旋状に複数の羽根を配し、これらの羽根の表面を合成樹脂材で被覆して柔軟に形成したドラム型ミキサーを採用し、これを低速回転させて必要な攪拌混合を行うものとしたので、魚のほぐし身をすり身のようににすることなく、カルシウム剤等の均一な混合を容易に確保することができる。
【0073】
本発明の12の魚のほぐし身の製造方法によれば、魚のほぐし身を殆ど壊すことのない軟攪拌を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はドラム型ミキサーの概略平面図。
(b)は(a)のA−A線概略断面図。
【符号の説明】
1 ドラム部
2 羽根
Claims (12)
- 加熱処理した魚のほぐし身にカルシウム剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材とした魚のほぐし身。
- 加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤に加えてカルシウム吸収促進剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材とした請求項1の魚のほぐし身。
- 加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤に加えて骨組織転化促進剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材とした請求項1の魚のほぐし身。
- 加熱処理した魚のほぐし身に、カルシウム剤及びカルシウム吸収促進剤に加えて骨組織転化促進剤を均一に添加し、これを冷凍してカルシウム補給用食材とした請求項2の魚のほぐし身。
- 前記カルシウム剤として貝殻カルシウム、卵殻カルシウム、牛骨粉、ドロマイト及び乳酸カルシウムのいずれかの粉末又は液体、或いはこれら複数を組み合わせたものの粉末又は液体を採用した請求項1、2、3又は4の魚のほぐし身。
- 前記カルシウム吸収促進剤としてビタミンD3を採用した請求項2又は4の魚のほぐし身。
- 前記骨組織転化促進剤としてビタミンK2を採用した請求項3又は4の魚のほぐし身。
- 前記魚のほぐし身に、嚥下補助材を均一に添加した請求項1、2、3、4、5、6又は7の魚のほぐし身。
- 前記嚥下補助材としてマンナン、ヤマノイモ又は寒天のいずれかを採用した請求項8の魚のほぐし身。
- 頭、えら、骨、尻尾及び内蔵等を取り除いた魚を加熱処理した後、身の部分だけをほぐし採った魚のほぐし身に、魚のほぐし身1食分に対して成人が1日に必要とする量のカルシウム剤と、カルシウム吸収促進剤及び骨組織転化促進剤とを添加し、これらを添加した前記ほぐし身をその形状を壊さない軟攪拌の下で均等に攪拌混合し、これを1食分ずつ小分け容器に入れて冷凍庫で冷凍し、カルシウム補給用食材とした魚のほぐし身の製造方法。
- 前記軟攪拌を、ドラムの内側にその内周面に対して垂直かつ該ドラムの軸方向に対してランダムな向きの螺旋状に複数の羽根を配し、これらの羽根の表面を合成樹脂材で被覆して柔軟に形成したドラム型ミキサーの低速回転によって行うものとした請求項10の魚のほぐし身の製造方法。
- 前記合成樹脂材として、低分子量のポリエチレン樹脂、低分子量のポリプロピレン樹脂及び低分子量のシリコン樹脂のいずれかを採用した請求項11の魚のほぐし身の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002272859A JP2004105101A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | 魚のほぐし身及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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2002
- 2002-09-19 JP JP2002272859A patent/JP2004105101A/ja active Pending
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