JP2004103635A - プリント基板製造用スプレ−装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリント基板の製造装置に用いられるスプレ−装置であって、噴射方向が一方向(X方向)だけのため噴射される薬液の量のむらが存在ていた。このため品質のバラツキが起こり、生産速度を低下させ、同時に薬液の過剰使用の原因にもなっていた。高密度で微細化へと進歩するプリント基板回路形成の課題となっていた。
【解決手段】一つの処理工程を行う装置内において、X方向とY方向の二方向の噴射を行い、更に、X方向とY方向の作動を調整自在にすることによって、むらを最小化する。
【選択図】図1
【解決手段】一つの処理工程を行う装置内において、X方向とY方向の二方向の噴射を行い、更に、X方向とY方向の作動を調整自在にすることによって、むらを最小化する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント基板製造工程で使用されるスプレ−装置に関する。即ち、プリント基板等の板材の製造工程で用いられ、搬送されるプリント基板等の板材に対し、薬液を噴射するスプレ−装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板の現像、エッチング、剥離、マイクロエッチング、水洗いなどに使用される従来のスプレ−装置は図6(a)に示すような、ノズル3を複数列設した複数のノズル取付管2をリンクレバ−31等を介して駆動し、ノズル取付管2の軸芯の回りに矢印で示すように左右に一定の往復揺動をし、プリント基板等の板材13の搬送方向に対し直角方向(X方向)にのみ薬液を噴射する首振り式のもが一般的である。その他に、首振り角度や首振り回数を該板材の搬送速度を検出して首振り用の駆動モ−タ−を制御し、往復動揺を若干変化させるような方式のものもある。(例えば、特許文献1参照)。この場合も薬液の噴射方向は該板材の搬送方向に対し直角方向(X方向)のみである。その他として、複数のスプレ−管を枠に取付て、該板材の処理面に平行な面内で、その枠全体を適当な半径で円運動させる方式等のスプレ−装置がある。(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−309294号公報
【特許文献2】
特開平7−142842号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した首振り式においては、プリント基板等の板材13の搬送方向に対し直角方向(X方向)に往復動揺するため、ノズルの移動方向が切り替わるときに、その両端点の周辺箇所でノズルの移動速度が低下するため、薬液の量が相対的に増大することになり、図6(b)に示すようにプリント基板等の板材13の処理面への薬液の量のむらが生じる。また、ノズルの配列、首振り回数、該板材の搬送速度の組合せにより、希にノズル噴射の軌跡が図6(c)のように一本の筋になることも知られており、この場合、噴射による薬液の量のむらが尚一層増幅されることになる。
【0005】
該板材の処理面への薬液の量のむらを生じることは、プリント基板の均一な処理を損ねる原因となる。処理の早い部分、遅い部分が発生し、現像、エッチング等の処理にバラツキが起こり、また、処理の遅い部分に合わせた該板材の搬送速度に合わせると、処理の早い部分は過剰処理となり形成された回路の線幅が予定より細くなるなどの不具合が発生する。このため品質のバラツキが起こり、生産速度を低下させていた。同時に薬液の過剰使用の原因にもなっていた。高密度で微細化へと進歩するプリント基板回路形成の課題となっていた。
【0006】
円運動させる方式においては、ノズルの移動距離が大きくなること、即ち、ノズル単体を考えると、大きな半径で円運動することになり、薬液の量のむらが搬送方向に生じやすい、このむらを少なくするためにノズルの数を増やす必要がある。必然的に薬液の使用量の増大となる欠点があった。また、装置が大型化し、複雑になる欠点を持っていた。
【0007】
本発明は、上述の欠点を解消し、プリント基板等の板材の処理面への薬液の均一な噴射をもたらし、これにより、高密度・微細化するプリント基板の処理搬送速度の向上を可能にするスプレ−装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従来の方法は上述のごとく、プリント基板等の板材13の搬送方向に対し、直角方向(X方向)に往復揺動させながらスプレ−する方法が主流であって、むらを生じる欠点があったが、本発明では、先ず、1組目のノズル取付管筐体を該板材の搬送方向に対し直角方向(X方向)に、該板材の処理面と平行な面内で一定距離の直線往復変位させる。この時には、直線往復変位の作動の切り替わり時、その両端点付近において、図6(b)に示す薬液の量のむらが生じやすい。しかるに、連続した次の搬送位置で2組目のノズル取付管筐体を該板材の搬送方向と同じ方向(Y方向)に、該板材の処理面と平行な面内で一定距離の直線往復変位させる。このことにより図7(a)に示すように、X方向作動で発生した薬液の量の薄い所に、薬液を十分補充することができる。この両方の作用を最適に調整することにより、薬液の量を図7(b)に示すように、必要最小限で均一にする薬液スプレ−を可能にする。
【0009】
本発明では、上記の考え方を基に、次の二つの手段により課題の解決を図る。第1の手段は、請求項1に対応するものである。即ち、図1のノズル取付管筐体1をプリント基板等の板材13の搬送方向Pに対し、X方向とY方向の噴射を同時に得ることにより薬液の均一な噴射幕を形成する手段である。ノズル取付管筐体駆動ガイド4のカム溝4aを該板材の搬送方向Pに対して、0度から90度の間、回転自在にし、カム溝4aの方向に、ノズル取付管筐体1に直線往復変位を与えることにより、むらのない均一な薬液のスプレ−を可能にする。詳述すれば、ノズル取付管筐体駆動ガイド4をガイドロ−ラ−5に回転自在にしておくと、ノズル取付管筐体ガイド4のカム溝4aを該板材の搬送方向Pに対し直角方向に回転させるとノズル取付管筐体のY方向変位は0となり、薬液の噴射はX方向のみを得る。また、カム溝4aを搬送方向Pと同じ方向に回転させるとノズル取付管筐体のX方向変位は0となり、薬液の噴射はY方向のみを得る。例えば、カム溝4aを45度の方向に回転させれば、X方向、Y方向同じ量の変位が得られる。このように、該板材の搬送速度と薬液の噴射量との関係で、噴射方向のXとY方向の変位量を最適に調整することが可能になる。この方法によるスプレ−装置を、単独又は、組み合わせて、一つの処理工程を行う装置内に組み込みこむことにより、プリント基板の高密度・微細化された高品質化に対応して、搬送速度をより早くしたり、また処理液の量を少なくしたり、更に装置そのものを小型化することを可能にする。
【0010】
第2の手段は、請求項2に対応するものである。即ち、図3に示す2組のノズル取付管筐体を一つの処理工程を行う装置内に組み込み1組目、即ち、X方向用ノズル取付管筐体24をプリント基板等の板材13の搬送方向Pに対し直角方向(X方向)に、該板材の処理面と平行な面内で一定距離の直線往復変位をさせる。2組目、即ち、Y方向用ノズル取付管筐体23を該板材の搬送方向Pと同じ方向(Y方向)に、該板材の処理面と平行な面内で一定距離の直線往復変位をさせる。これにより前記の原理により薬液の量のむらを最小化することを可能にする。
【0011】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の手段に関する実施例である。図1(a)は実施例の平面図である。図1(b)は作動説明図である。プリント基板等の板材13に薬液を噴射して処理する工程装置箱体14内に組み込まれるスプレ−装置を示している。ノズル3が列設された複数のノズル取付管2はノズル取付管筐体1に取り付けられている。このノズル取付管筐体1の全体を、プリント基板等の板材13の処理面13aに平行な面内で一定距離の直線往復変位を得る作動の方法を示している。プリント基板等の板材13の搬送方向Pに対して、同じ方向(Y方向)と直角方向(X方向)及びX方向、Y方向が複合された斜め方向(XY方向)に作動させる。作動の例示としてXY方向、矢印XY、カム溝XY方向位置15について説明する。ノズル取付管筐体1は、XY方向変位の一端7とXY方向変位の他端8の位置に変位可能である。即ち、ノズル取付管筐体1がノズル取付管筐体駆動ガイド4に取り付いているノズル取付管筐体駆動機構9及びモ−タ10により、カム溝4a、ガイドロ−ラ−5を介して駆動される。この時、ノズル取付管筐体1の回転を防止するためのレバ−16を案内する回転止めガイド17がカム溝4aと平行になるように平行リンク6で結合されている。カム溝4aは、0度方向(Y方向)、矢印Y、カム溝Y方向位置11から90度方向(X方向)、矢印X、カム溝X方向位置12へは矢印Aで示しているように回転自在である。カム溝4aが設けられているノズル取付管筐体駆動ガイド4の回転は手動でも電気的方法でも簡単に実施することが可能である。(ここでは図示しない)
【0012】
図2は、図1のX方向の断面図である。ノズル3が列設されている複数のノズル取付管2を取付たノズル取付管筐体1は軸1aによりノズル取付管筐体駆動ガイド4のカム溝4a及びガイドロ−ラ−5を介して、ノズル取付管筐体駆動機構9とモ−タ−10により一定距離の直線往復変位を得るように駆動される。ノズル取付管筐体駆動ガイド4は軸受22により工程装置箱体14に回転可能に支持されている。ノズル取付管筐体1は、前述したようにY方向、XY方向、X方向にプリント基板等の板材13の処理面13aに平行な面内で滑動可能なように、ノズル取付管筐体1と一体化されている筐体ガイド円板1bが支持軸受18によて滑動自由に、また、上下の移動を拘束して支持されている。筐体ガイド円板1bの下面には霧状となった薬液が処理室外部へ漏れるのを防止するためシ−ル19を備えている。ノズル取付管筐体1が変位している時、回転を防止するためノズル取付管筐体1に固定されているレバ−16を案内する回転止めガイド17が工程装置箱体14に支持されている。薬液は外部装置から供給されるがノズル取付管2へは接続ホ−ス20により接続されている。プリント基板等の板材13は支持ロ−ラ−21等により搬送される。
【0013】
図3は、本発明の第2の手段に関する実施例の平面図である。工程装置箱体14内に組み込まれるスプレ−装置を示している。ノズル3が列設された複数のノズル取付管2を取り付けたX方向用ノズル取付管筐体24は、X方向ガイド28によりX方向に滑動自在になっている。同様に、Y方向用ノズル取付管筐体23は、Y方向ガイド27によりY方向に滑動自在になっている。X方向用ノズル取付管筐体24は、X方向駆動機構26とモ−タ10aによりX方向直線往復変位30を得る。また、Y方向用ノズル取付管筐体23は、Y方向駆動機構25とモ−タ10bによりY方向直線往復変位29を得る。このような両方向の変位を得て薬液をX方向、Y方向へ噴射可能にしたことで図7(a)に示すように噴射むらを補正できる。即ち、図6(b)で示すX方向の噴射時、中央部が薄くなる薬液の量のむらを、Y方向の噴射により中央部に薬液を補充することができる。尚、図7(b)に示すように、プリント基板等の板材13の搬送速度、X方向ノズル取付管筐体24、Y方向ノズル取付管筐体23の移動速度、移動回数等の調整により処理に適した薬液の噴射量を最適化することを可能にする。
【0014】
図4は、図3のX方向の断面図である。プリント基板等の板材13の処理面13aから一定距離離れた平行面内でX方向ガイド28に支持されたX方向用ノズル取付管筐体24がモ−タ10aとX方向駆動機構26により駆動されてノズル3から薬液を噴射しながらX方向に直線往復変位を得る断面機構を示している。
【0015】
図5は、図3のY方向の断面図である。プリント基板等の板材13の処理面13aから一定距離離れた平行面内でY方向ガイド27に支持されたY方向用ノズル取付管筐体23がモ−タ10bとY方向駆動機構25により駆動されてノズル3から薬液を噴射しながらY方向に直線往復変位を得る断面機構を示している。
【0016】
図6(a)は、従来の首振り式スプレ−装置におけるX方向の断面図である。ノズル3を列設した複数のノズル取付管2をリンクレバ−31等を介して駆動し、ノズル取付管2の軸芯の回りを一定の往復揺動をし、プリント基板等の板材13の搬送方向に対し直角方向(X方向)にのみ薬液を噴射する断面機構図である。図6(b)は、従来の首振り式スプレ−装置における薬液量の分布図である。一つのノズルが一回往復揺動したときに同ノズルから処理面に噴射された薬液量の分布であり、揺動の両端部で薬液の量が増加し、中央部が少ない等のむらを示している。図6(c)は、従来の首振り式スプレ−装置における噴射軌跡の事例図である。ノズルの配置、首振り回数、プリント基板等の板材13の搬送速度の組合せにより、希にノズル噴射の軌跡が一本の筋になることも知られており、この場合、噴射による薬液の量のむらが尚一層増幅されることになる。
【0017】
図7(a)は、本発明の方法での薬液量の分布図である。X方向とY方向噴射を行った後の薬液量の分布の一般的な形態を示している。X方向噴射のむらである中央部凹部に、Y方向噴射でこの凹部に薬液を重ねて、むらを補正している状況である。図7(b)は、薬液量を最適化した時の分布図である。プリント基板等の板材13の搬送速度とノズル噴射のXとY方向の移動距離とその移動速度及びノズル噴射量と薬液の化学反応速度との処理速度との関係で必要最小限の薬液量に調整した時の分布を示している。
【0018】
【発明の効果】
本発明に関わるスプレ−装置は、以上説明した如く、従来の首振り方式に代表される一方向のみの噴射とは異なり、工程内に2方向の噴射を可能にしたことで次の効果を発揮する。
【0019】
一つは、薬液量の分布が均一化されること。二つは、薬液量の分布を最適化するための調整が可能であること。これにより製造工程において、現像、エッチング等の処理が均一にバラツキ無く、高速で実施できるようになる。更に最適化により薬液のムダが無くなる。これらにより最近ますます高密度化、小型軽量化、多品種少量化、薄型化、多層化が進むプリント基板の処理に十分対応できる。三つは、上記の結果として従来装置に比べ小型化が可能になり工程装置やラインの省スペ−ス化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)実施例1の平面図
(b)作動説明図
【図2】図1(a)のX方向断面図(一部回転させて表示)
【図3】実施例2の平面図
【図4】図3のX方向断面図(一部回転させて表示)
【図5】図3のY方向断面図(一部回転させて表示)
【図6】(a)従来の首振り式スプレ−装置におけるX方向の断面図
(b)従来の首振り式スプレ−装置における薬液量の分布図
(c)従来の首振り式スプレ−装置における噴射軌跡の事例図
【図7】(a)本発明の方法での薬液量の分布図
(b)本発明の方法での薬液量を最適化した時の分布図
【符号の説明】
1 ノズル取付管筐体
1a 軸
1b 筐体ガイド円板
2 ノズル取付管
3 ノズル
4 ノズル取付管筐体駆動ガイド
4a カム溝
5 ガイドロ−ラ−
6 平行リンク
7 XY方向変位の一端
8 XY方向変位の他端
9 ノズル取付管筐体駆動機構
10 モ−タ
10a モ−タ
10b モ−タ
11 カム溝Y方向位置
12 カム溝X方向位置
13 プリント基板等の板材
13a 処理面
14 工程装置箱体
15 カム溝XY方向位置
16 レバ−
17 回転止めガイド
18 支持軸受
19 シ−ル
20 接続ホ−ス
21 支持ロ−ラ−
22 軸受
23 Y方向用ノズル取付管筐体
24 X方向用ノズル取付管筐体
25 Y方向駆動機構
26 X方向駆動機構
27 Y方向ガイド
28 X方向ガイド
29 Y方向直線往復変位
30 X方向直線往復変位
31 リンクレバ−
矢印A ノズル取付管筐体駆動ガイド回転方向
矢印P プリント基板等の板材の搬送方向
矢印X X方向
矢印Y Y方向
矢印XY XY方向
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント基板製造工程で使用されるスプレ−装置に関する。即ち、プリント基板等の板材の製造工程で用いられ、搬送されるプリント基板等の板材に対し、薬液を噴射するスプレ−装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板の現像、エッチング、剥離、マイクロエッチング、水洗いなどに使用される従来のスプレ−装置は図6(a)に示すような、ノズル3を複数列設した複数のノズル取付管2をリンクレバ−31等を介して駆動し、ノズル取付管2の軸芯の回りに矢印で示すように左右に一定の往復揺動をし、プリント基板等の板材13の搬送方向に対し直角方向(X方向)にのみ薬液を噴射する首振り式のもが一般的である。その他に、首振り角度や首振り回数を該板材の搬送速度を検出して首振り用の駆動モ−タ−を制御し、往復動揺を若干変化させるような方式のものもある。(例えば、特許文献1参照)。この場合も薬液の噴射方向は該板材の搬送方向に対し直角方向(X方向)のみである。その他として、複数のスプレ−管を枠に取付て、該板材の処理面に平行な面内で、その枠全体を適当な半径で円運動させる方式等のスプレ−装置がある。(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−309294号公報
【特許文献2】
特開平7−142842号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した首振り式においては、プリント基板等の板材13の搬送方向に対し直角方向(X方向)に往復動揺するため、ノズルの移動方向が切り替わるときに、その両端点の周辺箇所でノズルの移動速度が低下するため、薬液の量が相対的に増大することになり、図6(b)に示すようにプリント基板等の板材13の処理面への薬液の量のむらが生じる。また、ノズルの配列、首振り回数、該板材の搬送速度の組合せにより、希にノズル噴射の軌跡が図6(c)のように一本の筋になることも知られており、この場合、噴射による薬液の量のむらが尚一層増幅されることになる。
【0005】
該板材の処理面への薬液の量のむらを生じることは、プリント基板の均一な処理を損ねる原因となる。処理の早い部分、遅い部分が発生し、現像、エッチング等の処理にバラツキが起こり、また、処理の遅い部分に合わせた該板材の搬送速度に合わせると、処理の早い部分は過剰処理となり形成された回路の線幅が予定より細くなるなどの不具合が発生する。このため品質のバラツキが起こり、生産速度を低下させていた。同時に薬液の過剰使用の原因にもなっていた。高密度で微細化へと進歩するプリント基板回路形成の課題となっていた。
【0006】
円運動させる方式においては、ノズルの移動距離が大きくなること、即ち、ノズル単体を考えると、大きな半径で円運動することになり、薬液の量のむらが搬送方向に生じやすい、このむらを少なくするためにノズルの数を増やす必要がある。必然的に薬液の使用量の増大となる欠点があった。また、装置が大型化し、複雑になる欠点を持っていた。
【0007】
本発明は、上述の欠点を解消し、プリント基板等の板材の処理面への薬液の均一な噴射をもたらし、これにより、高密度・微細化するプリント基板の処理搬送速度の向上を可能にするスプレ−装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従来の方法は上述のごとく、プリント基板等の板材13の搬送方向に対し、直角方向(X方向)に往復揺動させながらスプレ−する方法が主流であって、むらを生じる欠点があったが、本発明では、先ず、1組目のノズル取付管筐体を該板材の搬送方向に対し直角方向(X方向)に、該板材の処理面と平行な面内で一定距離の直線往復変位させる。この時には、直線往復変位の作動の切り替わり時、その両端点付近において、図6(b)に示す薬液の量のむらが生じやすい。しかるに、連続した次の搬送位置で2組目のノズル取付管筐体を該板材の搬送方向と同じ方向(Y方向)に、該板材の処理面と平行な面内で一定距離の直線往復変位させる。このことにより図7(a)に示すように、X方向作動で発生した薬液の量の薄い所に、薬液を十分補充することができる。この両方の作用を最適に調整することにより、薬液の量を図7(b)に示すように、必要最小限で均一にする薬液スプレ−を可能にする。
【0009】
本発明では、上記の考え方を基に、次の二つの手段により課題の解決を図る。第1の手段は、請求項1に対応するものである。即ち、図1のノズル取付管筐体1をプリント基板等の板材13の搬送方向Pに対し、X方向とY方向の噴射を同時に得ることにより薬液の均一な噴射幕を形成する手段である。ノズル取付管筐体駆動ガイド4のカム溝4aを該板材の搬送方向Pに対して、0度から90度の間、回転自在にし、カム溝4aの方向に、ノズル取付管筐体1に直線往復変位を与えることにより、むらのない均一な薬液のスプレ−を可能にする。詳述すれば、ノズル取付管筐体駆動ガイド4をガイドロ−ラ−5に回転自在にしておくと、ノズル取付管筐体ガイド4のカム溝4aを該板材の搬送方向Pに対し直角方向に回転させるとノズル取付管筐体のY方向変位は0となり、薬液の噴射はX方向のみを得る。また、カム溝4aを搬送方向Pと同じ方向に回転させるとノズル取付管筐体のX方向変位は0となり、薬液の噴射はY方向のみを得る。例えば、カム溝4aを45度の方向に回転させれば、X方向、Y方向同じ量の変位が得られる。このように、該板材の搬送速度と薬液の噴射量との関係で、噴射方向のXとY方向の変位量を最適に調整することが可能になる。この方法によるスプレ−装置を、単独又は、組み合わせて、一つの処理工程を行う装置内に組み込みこむことにより、プリント基板の高密度・微細化された高品質化に対応して、搬送速度をより早くしたり、また処理液の量を少なくしたり、更に装置そのものを小型化することを可能にする。
【0010】
第2の手段は、請求項2に対応するものである。即ち、図3に示す2組のノズル取付管筐体を一つの処理工程を行う装置内に組み込み1組目、即ち、X方向用ノズル取付管筐体24をプリント基板等の板材13の搬送方向Pに対し直角方向(X方向)に、該板材の処理面と平行な面内で一定距離の直線往復変位をさせる。2組目、即ち、Y方向用ノズル取付管筐体23を該板材の搬送方向Pと同じ方向(Y方向)に、該板材の処理面と平行な面内で一定距離の直線往復変位をさせる。これにより前記の原理により薬液の量のむらを最小化することを可能にする。
【0011】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の手段に関する実施例である。図1(a)は実施例の平面図である。図1(b)は作動説明図である。プリント基板等の板材13に薬液を噴射して処理する工程装置箱体14内に組み込まれるスプレ−装置を示している。ノズル3が列設された複数のノズル取付管2はノズル取付管筐体1に取り付けられている。このノズル取付管筐体1の全体を、プリント基板等の板材13の処理面13aに平行な面内で一定距離の直線往復変位を得る作動の方法を示している。プリント基板等の板材13の搬送方向Pに対して、同じ方向(Y方向)と直角方向(X方向)及びX方向、Y方向が複合された斜め方向(XY方向)に作動させる。作動の例示としてXY方向、矢印XY、カム溝XY方向位置15について説明する。ノズル取付管筐体1は、XY方向変位の一端7とXY方向変位の他端8の位置に変位可能である。即ち、ノズル取付管筐体1がノズル取付管筐体駆動ガイド4に取り付いているノズル取付管筐体駆動機構9及びモ−タ10により、カム溝4a、ガイドロ−ラ−5を介して駆動される。この時、ノズル取付管筐体1の回転を防止するためのレバ−16を案内する回転止めガイド17がカム溝4aと平行になるように平行リンク6で結合されている。カム溝4aは、0度方向(Y方向)、矢印Y、カム溝Y方向位置11から90度方向(X方向)、矢印X、カム溝X方向位置12へは矢印Aで示しているように回転自在である。カム溝4aが設けられているノズル取付管筐体駆動ガイド4の回転は手動でも電気的方法でも簡単に実施することが可能である。(ここでは図示しない)
【0012】
図2は、図1のX方向の断面図である。ノズル3が列設されている複数のノズル取付管2を取付たノズル取付管筐体1は軸1aによりノズル取付管筐体駆動ガイド4のカム溝4a及びガイドロ−ラ−5を介して、ノズル取付管筐体駆動機構9とモ−タ−10により一定距離の直線往復変位を得るように駆動される。ノズル取付管筐体駆動ガイド4は軸受22により工程装置箱体14に回転可能に支持されている。ノズル取付管筐体1は、前述したようにY方向、XY方向、X方向にプリント基板等の板材13の処理面13aに平行な面内で滑動可能なように、ノズル取付管筐体1と一体化されている筐体ガイド円板1bが支持軸受18によて滑動自由に、また、上下の移動を拘束して支持されている。筐体ガイド円板1bの下面には霧状となった薬液が処理室外部へ漏れるのを防止するためシ−ル19を備えている。ノズル取付管筐体1が変位している時、回転を防止するためノズル取付管筐体1に固定されているレバ−16を案内する回転止めガイド17が工程装置箱体14に支持されている。薬液は外部装置から供給されるがノズル取付管2へは接続ホ−ス20により接続されている。プリント基板等の板材13は支持ロ−ラ−21等により搬送される。
【0013】
図3は、本発明の第2の手段に関する実施例の平面図である。工程装置箱体14内に組み込まれるスプレ−装置を示している。ノズル3が列設された複数のノズル取付管2を取り付けたX方向用ノズル取付管筐体24は、X方向ガイド28によりX方向に滑動自在になっている。同様に、Y方向用ノズル取付管筐体23は、Y方向ガイド27によりY方向に滑動自在になっている。X方向用ノズル取付管筐体24は、X方向駆動機構26とモ−タ10aによりX方向直線往復変位30を得る。また、Y方向用ノズル取付管筐体23は、Y方向駆動機構25とモ−タ10bによりY方向直線往復変位29を得る。このような両方向の変位を得て薬液をX方向、Y方向へ噴射可能にしたことで図7(a)に示すように噴射むらを補正できる。即ち、図6(b)で示すX方向の噴射時、中央部が薄くなる薬液の量のむらを、Y方向の噴射により中央部に薬液を補充することができる。尚、図7(b)に示すように、プリント基板等の板材13の搬送速度、X方向ノズル取付管筐体24、Y方向ノズル取付管筐体23の移動速度、移動回数等の調整により処理に適した薬液の噴射量を最適化することを可能にする。
【0014】
図4は、図3のX方向の断面図である。プリント基板等の板材13の処理面13aから一定距離離れた平行面内でX方向ガイド28に支持されたX方向用ノズル取付管筐体24がモ−タ10aとX方向駆動機構26により駆動されてノズル3から薬液を噴射しながらX方向に直線往復変位を得る断面機構を示している。
【0015】
図5は、図3のY方向の断面図である。プリント基板等の板材13の処理面13aから一定距離離れた平行面内でY方向ガイド27に支持されたY方向用ノズル取付管筐体23がモ−タ10bとY方向駆動機構25により駆動されてノズル3から薬液を噴射しながらY方向に直線往復変位を得る断面機構を示している。
【0016】
図6(a)は、従来の首振り式スプレ−装置におけるX方向の断面図である。ノズル3を列設した複数のノズル取付管2をリンクレバ−31等を介して駆動し、ノズル取付管2の軸芯の回りを一定の往復揺動をし、プリント基板等の板材13の搬送方向に対し直角方向(X方向)にのみ薬液を噴射する断面機構図である。図6(b)は、従来の首振り式スプレ−装置における薬液量の分布図である。一つのノズルが一回往復揺動したときに同ノズルから処理面に噴射された薬液量の分布であり、揺動の両端部で薬液の量が増加し、中央部が少ない等のむらを示している。図6(c)は、従来の首振り式スプレ−装置における噴射軌跡の事例図である。ノズルの配置、首振り回数、プリント基板等の板材13の搬送速度の組合せにより、希にノズル噴射の軌跡が一本の筋になることも知られており、この場合、噴射による薬液の量のむらが尚一層増幅されることになる。
【0017】
図7(a)は、本発明の方法での薬液量の分布図である。X方向とY方向噴射を行った後の薬液量の分布の一般的な形態を示している。X方向噴射のむらである中央部凹部に、Y方向噴射でこの凹部に薬液を重ねて、むらを補正している状況である。図7(b)は、薬液量を最適化した時の分布図である。プリント基板等の板材13の搬送速度とノズル噴射のXとY方向の移動距離とその移動速度及びノズル噴射量と薬液の化学反応速度との処理速度との関係で必要最小限の薬液量に調整した時の分布を示している。
【0018】
【発明の効果】
本発明に関わるスプレ−装置は、以上説明した如く、従来の首振り方式に代表される一方向のみの噴射とは異なり、工程内に2方向の噴射を可能にしたことで次の効果を発揮する。
【0019】
一つは、薬液量の分布が均一化されること。二つは、薬液量の分布を最適化するための調整が可能であること。これにより製造工程において、現像、エッチング等の処理が均一にバラツキ無く、高速で実施できるようになる。更に最適化により薬液のムダが無くなる。これらにより最近ますます高密度化、小型軽量化、多品種少量化、薄型化、多層化が進むプリント基板の処理に十分対応できる。三つは、上記の結果として従来装置に比べ小型化が可能になり工程装置やラインの省スペ−ス化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)実施例1の平面図
(b)作動説明図
【図2】図1(a)のX方向断面図(一部回転させて表示)
【図3】実施例2の平面図
【図4】図3のX方向断面図(一部回転させて表示)
【図5】図3のY方向断面図(一部回転させて表示)
【図6】(a)従来の首振り式スプレ−装置におけるX方向の断面図
(b)従来の首振り式スプレ−装置における薬液量の分布図
(c)従来の首振り式スプレ−装置における噴射軌跡の事例図
【図7】(a)本発明の方法での薬液量の分布図
(b)本発明の方法での薬液量を最適化した時の分布図
【符号の説明】
1 ノズル取付管筐体
1a 軸
1b 筐体ガイド円板
2 ノズル取付管
3 ノズル
4 ノズル取付管筐体駆動ガイド
4a カム溝
5 ガイドロ−ラ−
6 平行リンク
7 XY方向変位の一端
8 XY方向変位の他端
9 ノズル取付管筐体駆動機構
10 モ−タ
10a モ−タ
10b モ−タ
11 カム溝Y方向位置
12 カム溝X方向位置
13 プリント基板等の板材
13a 処理面
14 工程装置箱体
15 カム溝XY方向位置
16 レバ−
17 回転止めガイド
18 支持軸受
19 シ−ル
20 接続ホ−ス
21 支持ロ−ラ−
22 軸受
23 Y方向用ノズル取付管筐体
24 X方向用ノズル取付管筐体
25 Y方向駆動機構
26 X方向駆動機構
27 Y方向ガイド
28 X方向ガイド
29 Y方向直線往復変位
30 X方向直線往復変位
31 リンクレバ−
矢印A ノズル取付管筐体駆動ガイド回転方向
矢印P プリント基板等の板材の搬送方向
矢印X X方向
矢印Y Y方向
矢印XY XY方向
Claims (2)
- プリント基板の製造装置に用いられ、搬送されるプリント基板等の板材(13)に対し薬液を噴射するスプレ−装置であって、複数のノズル(3)が列設されている複数のノズル取付管(2)を有するノズル取付管筐体(1)を、該板材の処理面と一定距離離れた平行面内において、該板材の搬送方向に対して、同じ方向(Y方向)と直角方向(X方向)の範囲内で自在に直線往復変位を得るため、ノズル取付管筐体駆動ガイド(4)のカム溝(4a)を、該板材の搬送方向に対して、0度から90度の角度を持って回転自在とし、該ガイドのカム溝(4a)をノズル取付管筐体(1)の軸(1a)が滑動することで、ノズル取付管筐体(1)がY方向、斜め方向(XY方向)、X方向において直線往復変位が自在に得られ、該板材の搬送速度に合わせて、噴射位置を設定でき、薬液をY方向からX方向に自在に噴射可能にしたことを特徴とするプリント基板製造用スプレ−装置。
- 該板材の処理面と一定距離離れた平行面内に複数のノズル(3)が列設されている複数のノズル取付管(2)を取り付けたX方向用ノズル取付管筐体(24)とY方向用ノズル取付管筐体(23)を有し、X方向用ノズル取付管筐体(24)を該板材の搬送面と直角方向(X方向)に直線往復変位自在とし、Y方向用ノズル取付管筐体(23)を該板材の搬送面と同じ方向(Y方向)に直線往復変位自在とすることにより、薬液をX方向とY方向に噴射可能としたことを特徴とする請求項1記載のプリント基板製造用スプレ−装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002259739A JP2004103635A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | プリント基板製造用スプレ−装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007335454A (ja) * | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Pioneer Electronic Corp | 回路基板清浄装置及び回路基板清浄方法 |
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2002
- 2002-09-05 JP JP2002259739A patent/JP2004103635A/ja active Pending
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JP2007335454A (ja) * | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Pioneer Electronic Corp | 回路基板清浄装置及び回路基板清浄方法 |
JP4732249B2 (ja) * | 2006-06-12 | 2011-07-27 | パイオニア株式会社 | 回路基板清浄装置及び回路基板清浄方法 |
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