JP2004103178A - ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスクの良好な記録再生特性が得られるディスク装置を提供すること。
【解決手段】ディスク装置1は、ケーシング(筐体)22とケーシング22の上部を覆う天板(蓋体)23とを備えた装置本体2と、光ディスク90が収納されるディスク収納部111を有し、装置本体2の前面に形成された開口240を介して、装置本体2に対し移動可能に設置されたディスクトレイ11とを有する。天板23には、ディスクトレイ11を装置本体2内に挿入したときのディスク収納部111に対応する領域内に、光ディスク90の回転中心と同心的な円環状の凸部231が、装置本体2の内側に向かって突出するように形成されている。
【選択図】図5
【解決手段】ディスク装置1は、ケーシング(筐体)22とケーシング22の上部を覆う天板(蓋体)23とを備えた装置本体2と、光ディスク90が収納されるディスク収納部111を有し、装置本体2の前面に形成された開口240を介して、装置本体2に対し移動可能に設置されたディスクトレイ11とを有する。天板23には、ディスクトレイ11を装置本体2内に挿入したときのディスク収納部111に対応する領域内に、光ディスク90の回転中心と同心的な円環状の凸部231が、装置本体2の内側に向かって突出するように形成されている。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−ROM、CD−R、DVD等の光ディスクを再生、または記録/再生するディスク装置としては、光ディスクをほぼ水平に置かれたディスクトレイ上の凹部に収納する横置き状態での使用の他、ディスクトレイが垂直となる縦置き状態での使用も可能な縦横両用タイプのものが知られている。
【0003】
このようなディスク装置では、光ディスクのディスクトレイからの脱落を防止する機構や、光ディスクの取り出しの際に光ディスクが装置前面の開口付近に引っかかるのを防止して、ディスクトレイおよび光ディスクの排出動作を円滑に行なうための機構が設けられている。
【0004】
ところで、光ディスクが高速で回転すると、それにより気流(空気の流れ)が発生するが、この気流が不安定であると、真近にあるケーシングの天板が振動し、異音が発生することがある。特に、ディスクトレイおよび光ディスクの排出動作を円滑に行なうための機構として、装置前面の開口付近に内側に向かって突出する凸部が設けられている場合には、気流がこの凸部近傍で急激に変化し、光ディスクを押し付けるまたは押し上げる力が生じ、光ディスクの記録面が光ピックアップからのレーザ光の焦点位置からズレ、記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0005】
さらに、光ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータが特定の回転数に到達すると、スピンドルモータの振動と光ディスクとが共振し、異音および光ディスクの振動が発生するという現象が見られるようになる。この場合、前述したような力が光ディスクに加わると、光ディスクの傾きがより一層大きくなり、光ディスクの記録再生特性が劣るようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、光ディスクの良好な記録再生特性が得られるディスク装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 筐体と該筐体の上部を覆う蓋体とを備えた装置本体と、
光ディスクが収納されるディスク収納部を有し、前記装置本体の前面に形成された開口を介して、前記装置本体に対し移動可能に設置されたディスクトレイとを有し、
前記蓋体には、前記ディスクトレイを前記装置本体内に挿入したときの前記ディスク収納部に対応する領域内に、円環状の凸部が、前記装置本体の内側に向かって突出するよう設けられていることを特徴とするディスク装置。
【0009】
(2) 前記凸部は、光ディスクの回転中心とほぼ同心的に形成されている上記(1)に記載のディスク装置。
【0010】
(3) 前記凸部は、その横断面積が先端に向かって漸減する形状をなしている上記(1)または(2)に記載のディスク装置。
【0011】
(4) 前記凸部は、その内周面が傾斜面を構成している上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のディスク装置。
【0012】
(5) 前記凸部の前記内周面と前記蓋体とのなす角度は、90〜170°である上記(4)に記載のディスク装置。
【0013】
(6) 前記凸部は、その外周面が傾斜面を構成している上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のディスク装置。
【0014】
(7) 前記凸部の前記外周面と前記蓋体とのなす角度は、90〜170°である上記(6)に記載のディスク装置。
【0015】
(8) 前記凸部は、その先端面が平坦面を構成している上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のディスク装置。
【0016】
(9) 前記凸部の先端面の半径方向の幅は、20〜50mmである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のディスク装置。
【0017】
(10) 前記凸部の先端面と前記光ディスクとの距離をd1、前記光ディスクと前記ディスク収納部の底面との距離をd2としたとき、d1/d2が0.7〜1.3である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のディスク装置。
【0018】
(11) 前記凸部の先端面と前記光ディスクとの距離をd1、前記光ディスクと前記ディスク収納部の底面との距離をd2としたとき、d1+d2が4.6〜6.4mmである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のディスク装置。
【0019】
(12) 前記凸部は、前記蓋体と一体的に形成されている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のディスク装置。
【0020】
(13) 前記凸条は、プレス加工または絞り加工により形成されている上記(12)に記載のディスク装置。
【0021】
(14) 前記凸部は、光ディスクが回転する際に発生する気流を調整する機能を有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のディスク装置。
【0022】
(15) 前記凸部は、前記光ディスクの姿勢を規制し得る機能を有する上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のディスク装置。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のディスク装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明のディスク装置の実施形態を示す平面図、図2は、図1に示すディスク装置における天板を装置本体の内側から見た平面図、図3は、図1に示すディスク装置における天板を取り外した状態を示す平面図、図4および図5は、それぞれ、図1に示すディスク装置の断面側面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図5中の上方を「後」または「後方」、図1〜図5中の下方を「前」または「前方」、図4、図5中の左方を「上」、図4、図5中の右方を「下」と言う。
【0025】
図1〜図5に示すディスク装置1は、音楽用CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD等の光ディスクに記録された情報を再生する機能(または記録/再生する機能)を有する装置である。
【0026】
このディスク装置1は、装置本体2と、光ディスク90を載置(収納)し、装置本体2に対し前後方向(水平方向)に移動するディスクトレイ11と、装置本体2内に設置されたスレッドメカユニット(ディスク装置用ユニット)3とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
【0027】
装置本体2は、フレーム21と、フレーム21の下部および側部を覆うケーシング(筐体)22と、フレーム21(ケーシング22)の上部を覆う天板(蓋体)23と、前方に設けられたフロントベゼル24と、トレイパネル116とを有している。
【0028】
また、フロントベゼル24には、開口240が形成されている。すなわち、装置本体2の前面には、開口240が形成されている。この開口240を介して、ディスクトレイ11が装置本体2に対し移動可能に設置されている。
【0029】
フレーム21には、ディスクトレイ11およびその駆動機構(図示せず)、スレッドメカユニット3、メイン回路基板12等が搭載されている。
【0030】
フレーム21には、ケーシング22が例えばビス止めにより固定されており、フレーム21の下部は、ケーシング22の底板221により覆われている。
【0031】
また、フレーム21の上部には、天板23が例えばビス止めにより固定され、フレーム21と天板23との間にディスクトレイ11を収納する空間が形成される。
【0032】
なお、フレーム21およびディスクトレイ11は、それぞれ、樹脂材料(プラスチック)で構成されたものである。
【0033】
また、ケーシング22および天板23は、それぞれ、金属板をプレス成形等により所定に変形させてなる板状部材であり、天板23には、図1および図2に示すように、天板23の下面(内面)側に突出する円環状の凸部231が形成されている。凸部231の構成については、後に詳述する。
【0034】
メイン回路基板12には、ディスク装置1の諸動作を制御する回路が形成されているとともに、マイクロプロセッサ、メモリ、モータドライバなどの各種ICや、抵抗、コンデンサ、スイッチなどの各種電子部品が搭載されている。
【0035】
ディスクトレイ11は、浅い凹状のディスク収納部111を有しており、光ディスク90は、このディスク収納部111に収納された状態で搬送される。
【0036】
また、このディスクトレイ11には、図1に示すように、ディスク収納部111の外周部に、爪部113が4カ所に設けられている。各爪部113は、それぞれ、軸114を中心として回転(回動)可能になっており、ディスク装置1を縦置き状態で使用する場合には、ディスク収納部111に突出した状態(図1に示す状態)とされ、収納された光ディスク90をディスク収納部111から脱落しないように、面外方向から遊嵌状態で保持する。
【0037】
これらの爪部113は、それぞれ、樹脂材料等の可撓性を有する材料で構成されている。
【0038】
ディスクトレイ11は、フレーム21に搭載された駆動機構(図示せず)により駆動され、開口240を介して、装置本体2に対し前後方向に移動(摺動)する。すなわち、ディスクトレイ11は、開口240を介して、装置本体2に対し光ディスク90を装填する装填位置(以下、「装填状態」とも言う。)と、光ディスク90を排出する排出位置(以下、「排出状態」とも言う。)との間で移動可能となっている。
【0039】
このディスクトレイ11は、装填位置(図5に示す状態)では、その全体が装置本体に収納された状態となり、排出位置(図1および図3に示す状態)では、その大半が装置本体2の前方側に排出(突出)された状態となる。
【0040】
図3〜図5に示すように、装置本体2の内部には、スレッドメカユニット3を支持する枠部材13が設置されている。枠部材13は、ほぼ長方形の枠状をなしており、その後端部には、軸131が両側にそれぞれ突出形成されている。軸131は、フレーム21に形成された受け部に回動可能に支持されている。これにより、枠部材13は、装置本体2に対し軸131を中心として回動可能になっている。
【0041】
枠部材13は、図示しない駆動機構の駆動により、装填状態では天板23および底板221とほぼ平行な姿勢となり、排出状態ではその前方側が下方向に変位して天板23および底板221に対し傾斜した姿勢となるように変位する。
【0042】
枠部材13の内側には、スレッドメカユニット3が位置している。スレッドメカユニット3は、振動を吸収する3個のゴムブッシュ(弾性部材)14を介して、枠部材13に支持されている。
【0043】
スレッドメカユニット3は、主に、シャーシ(基台)4と、シャーシ4上に設置(搭載)された光ディスク回転駆動機構5、光ピックアップ(光学ヘッド)6および光ピックアップ移動機構7とで構成されている。
【0044】
光ディスク回転駆動機構5は、スピンドルモータ51と、該スピンドルモータ51のロータに固定されたターンテーブル52とを有している。光ディスク回転駆動機構5は、ターンテーブル52に光ディスク90を装着(載置)して、この光ディスク90を回転駆動するものである。
【0045】
光ピックアップ6は、対物レンズ61と、該対物レンズ61を光軸方向(フォーカシング)および光ディスク90の半径方向(トラッキング)に駆動するアクチュエータ62と、レーザ光源と、集光光学系と、ビームスプリッタ(またはハーフミラー)と、情報検出用およびフォーカシング信号、トラッキング信号検出用の受光素子と、これらを支持する支持部材63とを備え、光ディスク90の記録面へ照射されたレーザ光の反射光を、対物レンズ、ビームスプリッタ(またはハーフミラー)等を介して受光素子へ導く構成のものである。
【0046】
対物レンズ61は、装填状態では、ディスクトレイ11に形成された開口112よりディスク収納部111に露出し、光ディスク90の記録面と対面する。
【0047】
支持部材63は、例えばダイキャストで製造されるような金属材料で構成されている。支持部材63の図3中の左側には、ガイドシャフト76を挿通する孔が形成された一対の摺動部64が形成されている。また、支持部材63の図3中の右側には、ガイドシャフト77に係合し、このガイドシャフト77に沿って摺動する摺動部65が形成されている。
【0048】
光ピックアップ移動機構7は、正転/逆転可能なスレッドモータ71と、該スレッドモータ71の回転軸に固定されたウォーム72と、該ウォーム72に噛合する大径ギア73と、大径ギア73に固定されかつ同軸で回転する小径ギア74と、支持部材63に固定され、小径ギア74と噛合するラックギア75と、支持部材63の移動経路を規定し、これを案内する一対のガイドシャフト76および77とで構成されている。
【0049】
スレッドモータ71が駆動すると、その回転力がウォーム72、大径ギア73、小径ギア74およびラックギア75に順次伝達され、支持部材63がガイドシャフト76、77に沿って光ディスク90の径方向(半径方向)に所定の移動範囲内で移動する。この場合、スレッドモータ71の回転方向により、支持部材63は、光ディスク90の回転中心に接近する方向または回転中心から遠ざかる方向に移動する。
【0050】
シャーシ4(スレッドメカユニット3)は、枠部材13と共に装置本体2に対し回動する。この回動中心である軸131は、シャーシ4の後端(一端)付近に位置する。すなわち、シャーシ4の後端は、回動中心となり装置本体2に対しほぼ変位しない回動端41であり、シャーシ4の前端(他端)は、装置本体2に対しほぼ上下方向に変位する変位端42になっている。
【0051】
このような構成により、シャーシ4(スレッドメカユニット3)は、装填状態では変位端42側が上昇した位置(以下、単に「上昇位置」と言う。)にあり(図5参照)、排出状態では変位端42側が下降した位置(以下、単に「下降位置」と言う。)にある(図4参照)。
【0052】
シャーシ4は、上昇位置では天板23および底板221にほぼ平行な姿勢になり、下降位置では天板23および底板221に対し傾斜した姿勢になる。
【0053】
シャーシ4が上昇位置にあるときには、ターンテーブル52は、開口112よりディスク収納部111内に突出(露出)し、これにより、装置本体2内に装填された光ディスク90がターンテーブル52に装着(載置)される。この状態では、天板23の内側に回転可能に設置されたディスククランパ15がターンテーブル52に設置された磁石に吸着され、これにより、光ディスク90がターンテーブル52とディスククランパ15との間で挟持される(図5参照)。
【0054】
シャーシ4が下降位置にあるときには、ターンテーブル52や光ピックアップ6の一部等と、排出位置に移動するディスクトレイ11とが干渉しないようになっている。
【0055】
以上のようにして、ディスクトレイ11の排出位置で、ディスク収納部111に正常に収納された光ディスクは、ディスクトレイ11の装填位置への移動により装置本体2内に搬送され、ターンテーブル52に装着される。
【0056】
図1、図2、図4および図5に示すように、天板23には、天板23の下面側に突出(隆起)する(装置本体2の内側に向かって突出する)円環状の凸部231が、天板23と一体的に形成されている。この凸部231の形成位置は、ディスクトレイ11の装填状態でディスク収納部111に対応する領域内とされる。具体的には、凸部231は、ディスククランパ15の外周部に光ディスク90(ディスククランパ15)の回転中心とほぼ同心的に形成されている。
【0057】
この凸部231は、光ディスク90が回転(特に高速回転)する際に発生する気流(空気の流れ)を調整する機能(整流作用)を有するものであり、整流手段(気流調整手段)を構成している。
【0058】
凸部231は、その横断面積が先端に向かって漸減する形状をなしている。本実施形態では、凸部231は、その内周面232および外周面233がそれぞれ傾斜面を構成している(内周面232および外周面233のいずれか一方が傾斜面を構成しているものでもよい)。凸部231をこのような形状とすることにより、光ディスク90が回転(高速回転)する際に発生する気流をより効率よく調整(制御)することができる。これにより、気流の乱れに起因して光ディスク90の回転が不安定となることによる光ディスク90の記録再生特性の低下をより確実に抑制(防止)することができる。
【0059】
この場合、内周面232と天板23とのなす角度θ1および外周面233と天板23とのなす角度θ2は、特に限定されないが、それぞれ、90〜170°程度であるのが好ましく、130〜140°程度であるのがより好ましい(図4参照)。
なお、角度θ1と角度θ2とは、同一でも異なっていてもよい。
【0060】
また、凸部231は、先端面(下面)234を有している。この先端面234は、平坦面を構成しており、ディスクトレイ11を装填位置へ移動させたとき、先端面234とディスク収納部111の底面115とは、ほぼ平行となるように構成されている。特に、光ディスク90を回転駆動している状態で、先端面234は、光ディスクの表面(記録面)と可及的に平行となるように構成されているのが好ましい。このような構成とすることにより、光ディスク90の回転時に生じる気流をより効率よく調整(制御)することができ、光ディスク90の記録再生特性を高く維持することができる。
【0061】
先端面234の半径方向の幅Wは、特に限定されないが、光ディスク90の記録面を十分にカバーし得る程度であるのが好ましい。具体的には、幅Wは、20〜45mm程度であるのが好ましく、35〜40mm程度であるのがより好ましい(図4参照)。
【0062】
また、凸部231の高さは、次の条件を満足する程度のものが好ましい。すなわち、凸部231の先端面234と光ディスク(回転駆動時)90との距離をd1、光ディスク(回転駆動時)90とディスク収納部111の底面115との距離をd2としたとき、d1とd2とが、できるだけ等しいのが好ましい(図5参照)。具体的には、d1/d2が0.7〜1.3程度であるのが好ましく、0.9〜1.1程度であるのがより好ましい。このようにすることにより、光ディスク90の上面側と下面側とで、流れる空気の量の差をできるだけ小さくすることができ、すなわち圧力差をできるだけ小さくすることができるので、圧力差により光ディスク90に対し作用する上下方向の力の差を小さくすることができ、よって、光ディスク90をより安定して回転することができ、光ディスク90の記録再生特性を高く維持することができる。
【0063】
また、d1+d2は、4.6〜6.4mm程度であるのが好ましく、5〜5.8mm程度であるのがより好ましい。
【0064】
このような凸部231は、前述のような整流機能に加え、以下に述べるような、光ディスク90の姿勢を規制し得る機能を有している。
【0065】
例えば光ディスク90の一部を誤ってディスクトレイ11の爪部113上に載せた状態、すなわち、ディスクトレイ11の前方側において、光ディスク90がディスク収納部111から突出した状態(以下、この状態を「誤収納状態」と言う。)で、ディスクトレイ11を装填位置へ移動させて、光ディスク90を装置本体2内に搬送した場合には、光ディスク90をターンテーブル52に装着することができない。このため、この場合、ディスクトレイ11を排出位置へ移動させて、光ディスク90を装置本体2から排出しなければならない。
【0066】
このようなときに、凸部231は、光ディスク90が開口240付近(フロントベゼル24の上側後端)に引っかかるのを防止し得る機能を有する。すなわち、光ディスク90の誤収納状態(誤装着状態)でディスクトレイ11を装填位置へ移動させた場合であっても、ディスクトレイ11を排出位置へ向かって移動させる際に、フロントベゼル24の上側後端に引っかかるのを防止することができ、ディスクトレイ11を排出位置に円滑に移動させることができる。
【0067】
具体的には、誤収納状態で、ディスクトレイ11を装填位置へ移動させた場合(光ディスク90が装置本体2内に誤挿入された場合)、凸部231は、光ディスク90のディスク収納部111から突出した部分をディスク収納部111に向かって押圧し、爪部113と光ディスク90をディスク収納部111の底面側に撓ませる。これにより、ディスクトレイ11を排出位置へ移動させる際に、光ディスク90が開口240付近に引っかかるのを防止することができる。
【0068】
また、誤収納状態の光ディスク90は、ディスクトレイ11を装填位置から排出位置へ向かって移動させる際に、その上面が凸部231に接触しつつ摺動するが、前述したように、凸部231の先端面234が平坦面であるため、光ディスク90の凸部231に対する摺動抵抗を低減することができ、また、光ディスク90の上面が傷つくのを防止することもできる。
【0069】
また、凸部231は、天板23と一体的に形成されているのが好ましい。凸部231を天板23と一体的に成形(形成)することにより、ゴム片、プラスチック片等で構成される別部材を天板23に固着(固定)する場合と比較して、ディスク装置1の製造工程数や部品点数を削減することができる。このため、ディスク装置1の生産性を向上させることができる。
【0070】
このような凸部231の形成方法は、特に限定されないが、プレス加工または絞り加工を用いるのが好ましい。このような塑性加工によれば、凸部231を容易に形成することができる。
【0071】
なお、凸部231の横断面形状は、光ディスク90が回転する際に発生する気流を調整することができる形状であれば、図示のものに限定されない。例えば、2重または3重以上の円環状の凸部231であってもよい。
【0072】
なお、凸部231は、天板23と一体的に形成されたものに限定されず、例えば、ゴム片、プラスチック片等で構成される別部材を天板23に接着剤、ビス止め等により固着(固定)したものであってもよい。
【0073】
以上、本発明のディスク装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ディスク装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0074】
また、前記実施形態では、凸部は、整流機能を有するものとして説明したが、凸部は、これに代わり、他の任意の機能を有するものや、整流機能と他の機能(例えば光ディスクの誤挿入防止機能)とを併有するものであってもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、光ディスクが回転(高速回転)する際に発生する気流(空気の流れ)の乱れを抑制(防止)することができ、特に、この気流を調整(整流)することもできる。
【0076】
これにより、光ディスクを安定的に回転することができ、光ディスクの記録再生特性の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスク装置の実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示すディスク装置における天板を装置本体の内側から見た平面図である。
【図3】図1に示すディスク装置における天板を取り外した状態を示す平面図である。
【図4】図1に示すディスク装置(下降位置)を示す断面側面図である。
【図5】図1に示すディスク装置(上昇位置)を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1 ディスク装置
11 ディスクトレイ
111 ディスク収納部
112 開口
113 爪部
114 軸
115 底面
116 トレイパネル
12 メイン回路基板
13 枠部材
131 軸
14 ゴムブッシュ
15 ディスククランパ
2 装置本体
21 フレーム
22 ケーシング
221 底板
23 天板
231 凸部
232 内周面
233 外周面
234 先端面
24 フロントベゼル
240 開口
3 スレッドメカユニット
4 シャーシ
41 回動端
42 変位端
5 光ディスク回転駆動機構
51 スピンドルモータ
52 ターンテーブル
6 光ピックアップ
61 対物レンズ
62 アクチュエータ
63 支持部材
64、65 摺動部
7 光ピックアップ移動機構
71 スレッドモータ
72 ウォーム
73 大径ギア
74 小径ギア
75 ラックギア
76、77 ガイドシャフト
81 ガイドシャフト高さ調整機構
90 光ディスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−ROM、CD−R、DVD等の光ディスクを再生、または記録/再生するディスク装置としては、光ディスクをほぼ水平に置かれたディスクトレイ上の凹部に収納する横置き状態での使用の他、ディスクトレイが垂直となる縦置き状態での使用も可能な縦横両用タイプのものが知られている。
【0003】
このようなディスク装置では、光ディスクのディスクトレイからの脱落を防止する機構や、光ディスクの取り出しの際に光ディスクが装置前面の開口付近に引っかかるのを防止して、ディスクトレイおよび光ディスクの排出動作を円滑に行なうための機構が設けられている。
【0004】
ところで、光ディスクが高速で回転すると、それにより気流(空気の流れ)が発生するが、この気流が不安定であると、真近にあるケーシングの天板が振動し、異音が発生することがある。特に、ディスクトレイおよび光ディスクの排出動作を円滑に行なうための機構として、装置前面の開口付近に内側に向かって突出する凸部が設けられている場合には、気流がこの凸部近傍で急激に変化し、光ディスクを押し付けるまたは押し上げる力が生じ、光ディスクの記録面が光ピックアップからのレーザ光の焦点位置からズレ、記録再生特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0005】
さらに、光ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータが特定の回転数に到達すると、スピンドルモータの振動と光ディスクとが共振し、異音および光ディスクの振動が発生するという現象が見られるようになる。この場合、前述したような力が光ディスクに加わると、光ディスクの傾きがより一層大きくなり、光ディスクの記録再生特性が劣るようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、光ディスクの良好な記録再生特性が得られるディスク装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 筐体と該筐体の上部を覆う蓋体とを備えた装置本体と、
光ディスクが収納されるディスク収納部を有し、前記装置本体の前面に形成された開口を介して、前記装置本体に対し移動可能に設置されたディスクトレイとを有し、
前記蓋体には、前記ディスクトレイを前記装置本体内に挿入したときの前記ディスク収納部に対応する領域内に、円環状の凸部が、前記装置本体の内側に向かって突出するよう設けられていることを特徴とするディスク装置。
【0009】
(2) 前記凸部は、光ディスクの回転中心とほぼ同心的に形成されている上記(1)に記載のディスク装置。
【0010】
(3) 前記凸部は、その横断面積が先端に向かって漸減する形状をなしている上記(1)または(2)に記載のディスク装置。
【0011】
(4) 前記凸部は、その内周面が傾斜面を構成している上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のディスク装置。
【0012】
(5) 前記凸部の前記内周面と前記蓋体とのなす角度は、90〜170°である上記(4)に記載のディスク装置。
【0013】
(6) 前記凸部は、その外周面が傾斜面を構成している上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のディスク装置。
【0014】
(7) 前記凸部の前記外周面と前記蓋体とのなす角度は、90〜170°である上記(6)に記載のディスク装置。
【0015】
(8) 前記凸部は、その先端面が平坦面を構成している上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のディスク装置。
【0016】
(9) 前記凸部の先端面の半径方向の幅は、20〜50mmである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のディスク装置。
【0017】
(10) 前記凸部の先端面と前記光ディスクとの距離をd1、前記光ディスクと前記ディスク収納部の底面との距離をd2としたとき、d1/d2が0.7〜1.3である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のディスク装置。
【0018】
(11) 前記凸部の先端面と前記光ディスクとの距離をd1、前記光ディスクと前記ディスク収納部の底面との距離をd2としたとき、d1+d2が4.6〜6.4mmである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のディスク装置。
【0019】
(12) 前記凸部は、前記蓋体と一体的に形成されている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のディスク装置。
【0020】
(13) 前記凸条は、プレス加工または絞り加工により形成されている上記(12)に記載のディスク装置。
【0021】
(14) 前記凸部は、光ディスクが回転する際に発生する気流を調整する機能を有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のディスク装置。
【0022】
(15) 前記凸部は、前記光ディスクの姿勢を規制し得る機能を有する上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のディスク装置。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のディスク装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明のディスク装置の実施形態を示す平面図、図2は、図1に示すディスク装置における天板を装置本体の内側から見た平面図、図3は、図1に示すディスク装置における天板を取り外した状態を示す平面図、図4および図5は、それぞれ、図1に示すディスク装置の断面側面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図5中の上方を「後」または「後方」、図1〜図5中の下方を「前」または「前方」、図4、図5中の左方を「上」、図4、図5中の右方を「下」と言う。
【0025】
図1〜図5に示すディスク装置1は、音楽用CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD等の光ディスクに記録された情報を再生する機能(または記録/再生する機能)を有する装置である。
【0026】
このディスク装置1は、装置本体2と、光ディスク90を載置(収納)し、装置本体2に対し前後方向(水平方向)に移動するディスクトレイ11と、装置本体2内に設置されたスレッドメカユニット(ディスク装置用ユニット)3とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
【0027】
装置本体2は、フレーム21と、フレーム21の下部および側部を覆うケーシング(筐体)22と、フレーム21(ケーシング22)の上部を覆う天板(蓋体)23と、前方に設けられたフロントベゼル24と、トレイパネル116とを有している。
【0028】
また、フロントベゼル24には、開口240が形成されている。すなわち、装置本体2の前面には、開口240が形成されている。この開口240を介して、ディスクトレイ11が装置本体2に対し移動可能に設置されている。
【0029】
フレーム21には、ディスクトレイ11およびその駆動機構(図示せず)、スレッドメカユニット3、メイン回路基板12等が搭載されている。
【0030】
フレーム21には、ケーシング22が例えばビス止めにより固定されており、フレーム21の下部は、ケーシング22の底板221により覆われている。
【0031】
また、フレーム21の上部には、天板23が例えばビス止めにより固定され、フレーム21と天板23との間にディスクトレイ11を収納する空間が形成される。
【0032】
なお、フレーム21およびディスクトレイ11は、それぞれ、樹脂材料(プラスチック)で構成されたものである。
【0033】
また、ケーシング22および天板23は、それぞれ、金属板をプレス成形等により所定に変形させてなる板状部材であり、天板23には、図1および図2に示すように、天板23の下面(内面)側に突出する円環状の凸部231が形成されている。凸部231の構成については、後に詳述する。
【0034】
メイン回路基板12には、ディスク装置1の諸動作を制御する回路が形成されているとともに、マイクロプロセッサ、メモリ、モータドライバなどの各種ICや、抵抗、コンデンサ、スイッチなどの各種電子部品が搭載されている。
【0035】
ディスクトレイ11は、浅い凹状のディスク収納部111を有しており、光ディスク90は、このディスク収納部111に収納された状態で搬送される。
【0036】
また、このディスクトレイ11には、図1に示すように、ディスク収納部111の外周部に、爪部113が4カ所に設けられている。各爪部113は、それぞれ、軸114を中心として回転(回動)可能になっており、ディスク装置1を縦置き状態で使用する場合には、ディスク収納部111に突出した状態(図1に示す状態)とされ、収納された光ディスク90をディスク収納部111から脱落しないように、面外方向から遊嵌状態で保持する。
【0037】
これらの爪部113は、それぞれ、樹脂材料等の可撓性を有する材料で構成されている。
【0038】
ディスクトレイ11は、フレーム21に搭載された駆動機構(図示せず)により駆動され、開口240を介して、装置本体2に対し前後方向に移動(摺動)する。すなわち、ディスクトレイ11は、開口240を介して、装置本体2に対し光ディスク90を装填する装填位置(以下、「装填状態」とも言う。)と、光ディスク90を排出する排出位置(以下、「排出状態」とも言う。)との間で移動可能となっている。
【0039】
このディスクトレイ11は、装填位置(図5に示す状態)では、その全体が装置本体に収納された状態となり、排出位置(図1および図3に示す状態)では、その大半が装置本体2の前方側に排出(突出)された状態となる。
【0040】
図3〜図5に示すように、装置本体2の内部には、スレッドメカユニット3を支持する枠部材13が設置されている。枠部材13は、ほぼ長方形の枠状をなしており、その後端部には、軸131が両側にそれぞれ突出形成されている。軸131は、フレーム21に形成された受け部に回動可能に支持されている。これにより、枠部材13は、装置本体2に対し軸131を中心として回動可能になっている。
【0041】
枠部材13は、図示しない駆動機構の駆動により、装填状態では天板23および底板221とほぼ平行な姿勢となり、排出状態ではその前方側が下方向に変位して天板23および底板221に対し傾斜した姿勢となるように変位する。
【0042】
枠部材13の内側には、スレッドメカユニット3が位置している。スレッドメカユニット3は、振動を吸収する3個のゴムブッシュ(弾性部材)14を介して、枠部材13に支持されている。
【0043】
スレッドメカユニット3は、主に、シャーシ(基台)4と、シャーシ4上に設置(搭載)された光ディスク回転駆動機構5、光ピックアップ(光学ヘッド)6および光ピックアップ移動機構7とで構成されている。
【0044】
光ディスク回転駆動機構5は、スピンドルモータ51と、該スピンドルモータ51のロータに固定されたターンテーブル52とを有している。光ディスク回転駆動機構5は、ターンテーブル52に光ディスク90を装着(載置)して、この光ディスク90を回転駆動するものである。
【0045】
光ピックアップ6は、対物レンズ61と、該対物レンズ61を光軸方向(フォーカシング)および光ディスク90の半径方向(トラッキング)に駆動するアクチュエータ62と、レーザ光源と、集光光学系と、ビームスプリッタ(またはハーフミラー)と、情報検出用およびフォーカシング信号、トラッキング信号検出用の受光素子と、これらを支持する支持部材63とを備え、光ディスク90の記録面へ照射されたレーザ光の反射光を、対物レンズ、ビームスプリッタ(またはハーフミラー)等を介して受光素子へ導く構成のものである。
【0046】
対物レンズ61は、装填状態では、ディスクトレイ11に形成された開口112よりディスク収納部111に露出し、光ディスク90の記録面と対面する。
【0047】
支持部材63は、例えばダイキャストで製造されるような金属材料で構成されている。支持部材63の図3中の左側には、ガイドシャフト76を挿通する孔が形成された一対の摺動部64が形成されている。また、支持部材63の図3中の右側には、ガイドシャフト77に係合し、このガイドシャフト77に沿って摺動する摺動部65が形成されている。
【0048】
光ピックアップ移動機構7は、正転/逆転可能なスレッドモータ71と、該スレッドモータ71の回転軸に固定されたウォーム72と、該ウォーム72に噛合する大径ギア73と、大径ギア73に固定されかつ同軸で回転する小径ギア74と、支持部材63に固定され、小径ギア74と噛合するラックギア75と、支持部材63の移動経路を規定し、これを案内する一対のガイドシャフト76および77とで構成されている。
【0049】
スレッドモータ71が駆動すると、その回転力がウォーム72、大径ギア73、小径ギア74およびラックギア75に順次伝達され、支持部材63がガイドシャフト76、77に沿って光ディスク90の径方向(半径方向)に所定の移動範囲内で移動する。この場合、スレッドモータ71の回転方向により、支持部材63は、光ディスク90の回転中心に接近する方向または回転中心から遠ざかる方向に移動する。
【0050】
シャーシ4(スレッドメカユニット3)は、枠部材13と共に装置本体2に対し回動する。この回動中心である軸131は、シャーシ4の後端(一端)付近に位置する。すなわち、シャーシ4の後端は、回動中心となり装置本体2に対しほぼ変位しない回動端41であり、シャーシ4の前端(他端)は、装置本体2に対しほぼ上下方向に変位する変位端42になっている。
【0051】
このような構成により、シャーシ4(スレッドメカユニット3)は、装填状態では変位端42側が上昇した位置(以下、単に「上昇位置」と言う。)にあり(図5参照)、排出状態では変位端42側が下降した位置(以下、単に「下降位置」と言う。)にある(図4参照)。
【0052】
シャーシ4は、上昇位置では天板23および底板221にほぼ平行な姿勢になり、下降位置では天板23および底板221に対し傾斜した姿勢になる。
【0053】
シャーシ4が上昇位置にあるときには、ターンテーブル52は、開口112よりディスク収納部111内に突出(露出)し、これにより、装置本体2内に装填された光ディスク90がターンテーブル52に装着(載置)される。この状態では、天板23の内側に回転可能に設置されたディスククランパ15がターンテーブル52に設置された磁石に吸着され、これにより、光ディスク90がターンテーブル52とディスククランパ15との間で挟持される(図5参照)。
【0054】
シャーシ4が下降位置にあるときには、ターンテーブル52や光ピックアップ6の一部等と、排出位置に移動するディスクトレイ11とが干渉しないようになっている。
【0055】
以上のようにして、ディスクトレイ11の排出位置で、ディスク収納部111に正常に収納された光ディスクは、ディスクトレイ11の装填位置への移動により装置本体2内に搬送され、ターンテーブル52に装着される。
【0056】
図1、図2、図4および図5に示すように、天板23には、天板23の下面側に突出(隆起)する(装置本体2の内側に向かって突出する)円環状の凸部231が、天板23と一体的に形成されている。この凸部231の形成位置は、ディスクトレイ11の装填状態でディスク収納部111に対応する領域内とされる。具体的には、凸部231は、ディスククランパ15の外周部に光ディスク90(ディスククランパ15)の回転中心とほぼ同心的に形成されている。
【0057】
この凸部231は、光ディスク90が回転(特に高速回転)する際に発生する気流(空気の流れ)を調整する機能(整流作用)を有するものであり、整流手段(気流調整手段)を構成している。
【0058】
凸部231は、その横断面積が先端に向かって漸減する形状をなしている。本実施形態では、凸部231は、その内周面232および外周面233がそれぞれ傾斜面を構成している(内周面232および外周面233のいずれか一方が傾斜面を構成しているものでもよい)。凸部231をこのような形状とすることにより、光ディスク90が回転(高速回転)する際に発生する気流をより効率よく調整(制御)することができる。これにより、気流の乱れに起因して光ディスク90の回転が不安定となることによる光ディスク90の記録再生特性の低下をより確実に抑制(防止)することができる。
【0059】
この場合、内周面232と天板23とのなす角度θ1および外周面233と天板23とのなす角度θ2は、特に限定されないが、それぞれ、90〜170°程度であるのが好ましく、130〜140°程度であるのがより好ましい(図4参照)。
なお、角度θ1と角度θ2とは、同一でも異なっていてもよい。
【0060】
また、凸部231は、先端面(下面)234を有している。この先端面234は、平坦面を構成しており、ディスクトレイ11を装填位置へ移動させたとき、先端面234とディスク収納部111の底面115とは、ほぼ平行となるように構成されている。特に、光ディスク90を回転駆動している状態で、先端面234は、光ディスクの表面(記録面)と可及的に平行となるように構成されているのが好ましい。このような構成とすることにより、光ディスク90の回転時に生じる気流をより効率よく調整(制御)することができ、光ディスク90の記録再生特性を高く維持することができる。
【0061】
先端面234の半径方向の幅Wは、特に限定されないが、光ディスク90の記録面を十分にカバーし得る程度であるのが好ましい。具体的には、幅Wは、20〜45mm程度であるのが好ましく、35〜40mm程度であるのがより好ましい(図4参照)。
【0062】
また、凸部231の高さは、次の条件を満足する程度のものが好ましい。すなわち、凸部231の先端面234と光ディスク(回転駆動時)90との距離をd1、光ディスク(回転駆動時)90とディスク収納部111の底面115との距離をd2としたとき、d1とd2とが、できるだけ等しいのが好ましい(図5参照)。具体的には、d1/d2が0.7〜1.3程度であるのが好ましく、0.9〜1.1程度であるのがより好ましい。このようにすることにより、光ディスク90の上面側と下面側とで、流れる空気の量の差をできるだけ小さくすることができ、すなわち圧力差をできるだけ小さくすることができるので、圧力差により光ディスク90に対し作用する上下方向の力の差を小さくすることができ、よって、光ディスク90をより安定して回転することができ、光ディスク90の記録再生特性を高く維持することができる。
【0063】
また、d1+d2は、4.6〜6.4mm程度であるのが好ましく、5〜5.8mm程度であるのがより好ましい。
【0064】
このような凸部231は、前述のような整流機能に加え、以下に述べるような、光ディスク90の姿勢を規制し得る機能を有している。
【0065】
例えば光ディスク90の一部を誤ってディスクトレイ11の爪部113上に載せた状態、すなわち、ディスクトレイ11の前方側において、光ディスク90がディスク収納部111から突出した状態(以下、この状態を「誤収納状態」と言う。)で、ディスクトレイ11を装填位置へ移動させて、光ディスク90を装置本体2内に搬送した場合には、光ディスク90をターンテーブル52に装着することができない。このため、この場合、ディスクトレイ11を排出位置へ移動させて、光ディスク90を装置本体2から排出しなければならない。
【0066】
このようなときに、凸部231は、光ディスク90が開口240付近(フロントベゼル24の上側後端)に引っかかるのを防止し得る機能を有する。すなわち、光ディスク90の誤収納状態(誤装着状態)でディスクトレイ11を装填位置へ移動させた場合であっても、ディスクトレイ11を排出位置へ向かって移動させる際に、フロントベゼル24の上側後端に引っかかるのを防止することができ、ディスクトレイ11を排出位置に円滑に移動させることができる。
【0067】
具体的には、誤収納状態で、ディスクトレイ11を装填位置へ移動させた場合(光ディスク90が装置本体2内に誤挿入された場合)、凸部231は、光ディスク90のディスク収納部111から突出した部分をディスク収納部111に向かって押圧し、爪部113と光ディスク90をディスク収納部111の底面側に撓ませる。これにより、ディスクトレイ11を排出位置へ移動させる際に、光ディスク90が開口240付近に引っかかるのを防止することができる。
【0068】
また、誤収納状態の光ディスク90は、ディスクトレイ11を装填位置から排出位置へ向かって移動させる際に、その上面が凸部231に接触しつつ摺動するが、前述したように、凸部231の先端面234が平坦面であるため、光ディスク90の凸部231に対する摺動抵抗を低減することができ、また、光ディスク90の上面が傷つくのを防止することもできる。
【0069】
また、凸部231は、天板23と一体的に形成されているのが好ましい。凸部231を天板23と一体的に成形(形成)することにより、ゴム片、プラスチック片等で構成される別部材を天板23に固着(固定)する場合と比較して、ディスク装置1の製造工程数や部品点数を削減することができる。このため、ディスク装置1の生産性を向上させることができる。
【0070】
このような凸部231の形成方法は、特に限定されないが、プレス加工または絞り加工を用いるのが好ましい。このような塑性加工によれば、凸部231を容易に形成することができる。
【0071】
なお、凸部231の横断面形状は、光ディスク90が回転する際に発生する気流を調整することができる形状であれば、図示のものに限定されない。例えば、2重または3重以上の円環状の凸部231であってもよい。
【0072】
なお、凸部231は、天板23と一体的に形成されたものに限定されず、例えば、ゴム片、プラスチック片等で構成される別部材を天板23に接着剤、ビス止め等により固着(固定)したものであってもよい。
【0073】
以上、本発明のディスク装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ディスク装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0074】
また、前記実施形態では、凸部は、整流機能を有するものとして説明したが、凸部は、これに代わり、他の任意の機能を有するものや、整流機能と他の機能(例えば光ディスクの誤挿入防止機能)とを併有するものであってもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、光ディスクが回転(高速回転)する際に発生する気流(空気の流れ)の乱れを抑制(防止)することができ、特に、この気流を調整(整流)することもできる。
【0076】
これにより、光ディスクを安定的に回転することができ、光ディスクの記録再生特性の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスク装置の実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示すディスク装置における天板を装置本体の内側から見た平面図である。
【図3】図1に示すディスク装置における天板を取り外した状態を示す平面図である。
【図4】図1に示すディスク装置(下降位置)を示す断面側面図である。
【図5】図1に示すディスク装置(上昇位置)を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1 ディスク装置
11 ディスクトレイ
111 ディスク収納部
112 開口
113 爪部
114 軸
115 底面
116 トレイパネル
12 メイン回路基板
13 枠部材
131 軸
14 ゴムブッシュ
15 ディスククランパ
2 装置本体
21 フレーム
22 ケーシング
221 底板
23 天板
231 凸部
232 内周面
233 外周面
234 先端面
24 フロントベゼル
240 開口
3 スレッドメカユニット
4 シャーシ
41 回動端
42 変位端
5 光ディスク回転駆動機構
51 スピンドルモータ
52 ターンテーブル
6 光ピックアップ
61 対物レンズ
62 アクチュエータ
63 支持部材
64、65 摺動部
7 光ピックアップ移動機構
71 スレッドモータ
72 ウォーム
73 大径ギア
74 小径ギア
75 ラックギア
76、77 ガイドシャフト
81 ガイドシャフト高さ調整機構
90 光ディスク
Claims (15)
- 筐体と該筐体の上部を覆う蓋体とを備えた装置本体と、
光ディスクが収納されるディスク収納部を有し、前記装置本体の前面に形成された開口を介して、前記装置本体に対し移動可能に設置されたディスクトレイとを有し、
前記蓋体には、前記ディスクトレイを前記装置本体内に挿入したときの前記ディスク収納部に対応する領域内に、円環状の凸部が、前記装置本体の内側に向かって突出するよう設けられていることを特徴とするディスク装置。 - 前記凸部は、光ディスクの回転中心とほぼ同心的に形成されている請求項1に記載のディスク装置。
- 前記凸部は、その横断面積が先端に向かって漸減する形状をなしている請求項1または2に記載のディスク装置。
- 前記凸部は、その内周面が傾斜面を構成している請求項1ないし3のいずれかに記載のディスク装置。
- 前記凸部の前記内周面と前記蓋体とのなす角度は、90〜170°である請求項4に記載のディスク装置。
- 前記凸部は、その外周面が傾斜面を構成している請求項1ないし5のいずれかに記載のディスク装置。
- 前記凸部の前記外周面と前記蓋体とのなす角度は、90〜170°である請求項6に記載のディスク装置。
- 前記凸部は、その先端面が平坦面を構成している請求項1ないし7のいずれかに記載のディスク装置。
- 前記凸部の先端面の半径方向の幅は、20〜50mmである請求項1ないし8のいずれかに記載のディスク装置。
- 前記凸部の先端面と前記光ディスクとの距離をd1、前記光ディスクと前記ディスク収納部の底面との距離をd2としたとき、d1/d2が0.7〜1.3である請求項1ないし9のいずれかに記載のディスク装置。
- 前記凸部の先端面と前記光ディスクとの距離をd1、前記光ディスクと前記ディスク収納部の底面との距離をd2としたとき、d1+d2が4.6〜6.4mmである請求項1ないし10のいずれかに記載のディスク装置。
- 前記凸部は、前記蓋体と一体的に形成されている請求項1ないし11のいずれかに記載のディスク装置。
- 前記凸条は、プレス加工または絞り加工により形成されている請求項12に記載のディスク装置。
- 前記凸部は、光ディスクが回転する際に発生する気流を調整する機能を有する請求項1ないし13のいずれかに記載のディスク装置。
- 前記凸部は、前記光ディスクの姿勢を規制し得る機能を有する請求項1ないし14のいずれかに記載のディスク装置。
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- 2002-09-12 JP JP2002266871A patent/JP2004103178A/ja active Pending
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Legal Events
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