JP4097956B2 - ディスク装置のカートリッジ保持機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等のディスクに記録、再生または記録再生を行うプレーヤまたはレコーダ等に適用されるディスク装置に関する。
【0002】
特に、カートリッジに収納されたディスクおよび単体のディスクを載置し、ディスク装置内部に搬入(ローディング)または外部に搬出(イジェクト)するトレイによるカートリッジの保持と、カートリッジに収納されたディスクを保持するカートリッジ保持機構に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来の単体の光ディスクだけを駆動する光ディスク装置においてはディスクを回転駆動するスピンドルモータとディスクへの記録再生を行う光ヘッドを保持するトラバースベースだけをダンパによって弾力支持する機構となっている。
【0004】
しかしながら、カートリッジに入った光ディスクを駆動する光ディスク装置においては、トラバースベースとカートリッジのローディング機構が一体的に構成され、前記の構成全体をダンパで弾力支持する構成であった。
【0005】
以下、カートリッジに入った光ディスクの記録再生を行う光ディスク装置の構成および動作について説明を行う。
【0006】
図10から図12に示す従来の光ディスク記録再生装置を用いて、トレイへのカートリッジ載置とカートリッジ保持機構およびトレイのローディングおよびイジェクト動作について説明する。
【0007】
図10および図11において、1は光ディスク10が収納されているカートリッジ、144はイジェクトスイッチ、201は光ディスク記録再生装置のメカシャーシ201aとベースフレーム201bからなる本体、204はカートリッジおよび単体の光ディスク10を載置するトレイである。
(トレイ構造)
トレイ204のカートリッジ載置面233の中央には、同心円に設けられた大小2つの凹部が設けられている。大径の凹部が大径ディスク載置部231、小径の凹部は小径ディスク載置部232で光ディスク記録再生装置201に装着するディスク外径に応じて使い分けるように準備されている。
【0008】
またトレイ204には、カートリッジ1の外寸より少しだけ大きく、カートリッジ載置面233に垂直に形成される前壁面234、左壁面235、右壁面236が形成されている。トレイ204の奥側にはカートリッジ予圧部材237が前後方向に移動自在に設けらればね237aによってトレイ204の前側に予圧された状態で保持部250に保持される構造となっている。
(ラックギヤ構造)
トレイ204の裏面には、ローディングギヤ系281の最終段の駆動ギヤ219と係合するラックギヤ288が設けられている。
【0009】
トレイ204はメカシャーシ201aの前側に設けられたローディングモータ280の回転方向を切り替えることで、ローディングとイジェクトが可能な構成となっている。
(トラバースベース構造)
ディスク10を保持し回転させるスピンドルモータ282、ディスク10の情報の読出しまたはディスク10に情報を書込みを行う光ピックアップ283、光ピックアップ283をディスク10の半径方向に移動させるトラバースモータ284とリードスクリュー297を保持するトラバースベース266はメカシャーシ201aに保持される。
(トラバースベース保持構造)
トラバースベース266の後端はメカシャーシ201aにトーションばね266aで回動自由に保持され、前端が下方に軽負荷で予圧されている。
【0010】
トラバースベース266の前端266bの左右には、2つのスリット穴291が設けられており、メカシャーシ201aの底面に設けられた回動軸292を回転中心として挿入されたカムレバー285と係合している。トラバースベース266はカムレバー285の回転によって上下に駆動される。
(アライメントピン構造)
トラバースベース266には、スピンドルモータ282、光ピックアップ283、トラバースモータ284の他に、カートリッジ1の位置決め穴3と係合する2本のアライメントピン214が設けられており、スピンドルモータ282に保持されたディスク10とカートリッジ1のクリアランスを維持し、カートリッジ1がディスク10と接触しない位置に位置決めする。
(カートリッジ状態検出スイッチ構造)
アライメントピン214の近傍にはディスク状態検出スイッチ215が設けられている。カートリッジ1の検出穴(図示せず)と係合状態を判別することで、カートリッジ1に収納されるディスク10の書込みの可否状態、ディスク10の裏表、ディスク10の記録容量を検出するため、プリント基板に実装された複数の検出スイッチ215がトラバースベース266と一体的に設けられている。
(アッパーベース構造)
メカシャーシ201aにはアッパーベース228が上蓋として設けられている。アッパーベース228にはディスク10をスピンドルモータ282に固定するクランパ210と、クランパ210をスピンドルモータ282に対して上下方向に着脱自由に保持するクランプアーム212、ローディング時のカートリッジ1の振動を規制するカートリッジ押さえばね229とそのカートリッジ押さえ部230に任意にカートリッジ押さえローラが設けられている。カートリッジ押さえ部230を介して、カートリッジ押さえばね229の下方への付勢力により、カートリッジ1をトレイ204に固定する。
(カートリッジ押さえばね構造)
カートリッジ押さえばね229の付勢力は、ローディング開始直後からローディング完了後まで、カートリッジ1をトレイ204に、トレイ204をメカシャーシ209に付勢し、カートリッジ1、トレイ204、メカシャーシ201a間に発生するガタを解消し、ローディング時およびディスク10の回転時に発生する振動と騒音を低減する機能を有している。
(シャッターオープナ構造)
また、アッパーべース228には、カートリッジ1のシャッター2の開閉を行うシャッターオープナ(図示せず)が設けられており、シャッター2の先端の突起にシャッターオープナを引掛けてカートリッジ1のローディング動作に応じて右側に開きながらローディングを行う。
【0011】
カートリッジ1に収納されたディスク10は、シャッター2が解放状態となると、スピンドルモータ282による回転と、光ピックアップ283による記録再生が可能となる。
(クランパ構造)
ディスク10をスピンドルモータ282に装着するに際しては、クランパ210でスピンドルモータ282上のターンテーブル(図示せず)にディスク10を固定する構成となっている。
【0012】
クランパ210は上下2つに分割可能な部材で構成され、内部には磁石(図示せず)を内蔵している。また、ディスク10をターンテーブルに対してセンタリングを行うため、中央に構成されたセンターコーンの頂上部には磁性体(図示せず)が埋め込まれている。クランパ210に内蔵された磁石と磁性体との磁気吸引力で、クランパ210はディスク10をターンテーブルに固定する。
(トラバース駆動構造)
光ピックアップ283は、トラバースベース266に設けられた主軸、副軸と名付けられた2本の金属シャフトで、ディスク10の半径方向に移動自在に保持されている。
【0013】
主軸の近傍には、トラバースモータ284に直結されたリードスクリュー297が設けられている。光ピックアップ283にはリードスクリュー297に係合するナットピースが設けられ、トラバースモータ284が回転すると、リードスクリュー297に係合したナットピースを介して光ピックアップ283にディスク10の半径方向の駆動力が発生し、ディスク10の目標の半径位置に高速の移動が可能となる。
(光ピックアップ構造)
光ピックアップ283には、半導体レーザ、レンズ、受光素子(図示しない)などが高密度に集積されている。光ピックアップ283の上面の開口部には、対物レンズがワイヤーばね(図示しない)で上下、前後に移動自在に支持されている。
【0014】
ディスク10の裏面に記録されたデータの記録再生を行うために、ディスク10の裏面にレーザー光の焦点を合わせ、微小スポットを形成する。
【0015】
ディスク10の半径方向の振動、回転軸方向の面振れにレーザー光の焦点を合わせ続けるため、対物レンズは半径方向、回転軸方向に駆動力を発生する電磁アクチュエータ(図示しない)が設けられている。
(ゴムダンパ支持)
このようなトレイ204、メカシャーシ201a、トラバースベース266、アッパーベース228とこれらに保持もしくは固定された光ディスク記録再生装置の本体201の機構部分は、トレイ204のローディング完了時には1個の剛体状態を構成している。
【0016】
以上の構成の光ディスク記録再生装置の本体201の機構部分は、ゴムダンパ290で4隅をベースフレーム201bに対して支持されている。ゴムダンパ290で弾力的に支持されていることで、ベースフレーム201bに外部からの振動または衝撃が与えられた場合の、ディスク10の記録再生動作に対する影響を低減する効果を有している。
【0017】
以上のように構成された光ディスク記録再生装置の動作を、カートリッジ1に収納されたディスク10の再生を行う場合を例に挙げ説明を行う。
(カートリッジ載置)
前壁面234、左壁面235、右壁面236に囲まれたトレイ204に、カートリッジ1を載置する場合には、カートリッジ1の後端でカートリッジ予圧部材237をトレイ204に対して奥側へ押し込みながら、トレイ204の前方上側から斜め下方にカートリッジ1を滑らせ、最後にカートリッジ1の前端が前壁面234の内側の壁に接するように、カートリッジ載置面233に載置してトレイ204へのカートリッジ1の載置が完了する。
【0018】
この時、カートリッジ予圧部材237によってカートリッジ1の前端は前壁面234の内側に押しつけられて、カートリッジ1はトレイ204に対して、前後左右のガタなく位置決めされる。
(ローディング)
カートリッジ1を載置されたトレイ204は、ローディングモータ280の駆動力で、光ディスク記録再生装置の内部に自動的にローディングされる。
【0019】
トレイ204とメカシャーシ201aは樹脂成型品であり、メカシャーシ201aのローディング時の摺動面は、平滑に成形されている。トレイ204の下面の摺動面は凸断面を有するレール形状となっており、メカシャーシ209の摺動面の近傍に、数個のガイド部材が設けられ、トレイ204のローディング時の蛇行を防止する構造を有している。
【0020】
トレイ204のローディング時、アッパーベース228に左右に設けられたカートリッジ押さえばね229とカートリッジ押さえばね229の前後両端に設けられた合計4個のカートリッジ押さえ部230が、カートリッジ1の左右両端のリブを下方に付勢する。カートリッジ押さえ部230によって下方に付勢されたカートリッジ1を介して、トレイ204はメカシャーシ209に付勢され、上下方向のガタによる振動および騒音を発生することなくローディング動作を行う。
【0021】
トレイ204がローディング完了するまで、トラバースベース266上に保持されるスピンドルモータ282、トラバースモータ284、光ピックアップ283が、トレイ204、カートリッジ1、ディスク10との干渉を回避するため、トレイ204のローディング経路より下側に待避している。
(クランパ下降)
トレイ204がローディングが完了する直前に、トレイ204上に設けられた、クランプアーム駆動突起241が、アッパーベース228にヒンジで回動自在に設けられたクランプアーム212の一方を押し上げ、クランパ210が保持されたもう一方を下降させる。その結果、ディスク10をクランプ可能な位置までクランパ210を下降させる。
(トラバースベース上昇)
クランパ210が下降した後、トレイ204に載置されたカートリッジ1のローディングが完了すると、トレイ204とラックギヤ288の係合が解除され、駆動ギヤ219による駆動力はトレイ204から切り離され、ラックギヤ288だけがトレイ204に対して、後方に駆動される。ラックギヤ117の後方への駆動力は、カムレバー285の回転力としてカムレバー285に伝達され、これによりカムレバー285にスリット穴291で係合するトラバースベース266はカムレバー285の斜面に沿って上昇する。
(アライメントピン挿入)
トラバースベース266の上昇に伴い、トラバースベース266と一体的に設けられた2本のアライメントピン214は、カートリッジ1の前側に2個設けられた位置決め穴3に挿入される。
【0022】
ローディング時には、トレイ204のメカシャーシ201aに対するガタや、カートリッジ1のトレイ204に対するガタによって、カートリッジ1はスピンドルモータ282に対して位置ズレが発生する。カートリッジ1がスピンドルモータ282に対してズレた状態でディスク10を回転させた場合、ディスク10の外周部とカートリッジ1の内壁が接触し騒音が発生する。位置ずれが大きい場合には接触が抵抗となり、ディスク10のクランプ状態が解除され、カートリッジ1の内部でディスク10が破損する可能性がある。
【0023】
アライメントピン214が、カートリッジ1の位置決め穴3に挿入されることで、カートリッジ1のスピンドルモータ205に対する位置ズレは改善され、カートリッジ1とディスク10の間に十分なクリアランスが確保される。
(検出スイッチ挿入)
アライメントピン214のカートリッジの位置決め穴3への挿入と前後して、状態検出スイッチ215もカートリッジ1の状態検出穴(図示せず)に挿入される。
【0024】
アライメントピン214とは異なり、状態検出穴と状態検出スイッチ215との間には大きなクリアランスが確保されているために、カートリッジ1に位置ズレが生じていても、カートリッジ1の状態検出に関しては、余裕をもって挿入動作が保証されている。
(ディスククランプ)
カートリッジ1へのアライメントピン214、状態検出スイッチ215の挿入と並行して、トラバースベース266の上昇の過程で、カートリッジ1に収納されたディスク10のセンター穴に、センターコーンが挿入され、ディスク10はカートリッジ1内の空間内で浮上する。
【0025】
ディスク10の浮上に伴い、クランプ位置で待機していたクランパ210が、センターコーン222と係合し、ディスク10のクランプは完了する。
(ディスク回転)
ディスク10のクランプが完了すると、スピンドルモータ282が回転し、光ピックアップ283からレーザー光によるスポットがディスク10の裏面に照射される。
【0026】
この後、ホストのPCからの命令に従って、ディスク10に記録済みのデータの再生を行う。
(ディスクリリース)
ディスク1に対する所定の記録再生動作の終了後、再びPCからの命令または光ディスク記録再生装置の本体201のイジェクトスイッチ144からの入力信号に従って、カートリッジ1およびカートリッジ1に収納されたディスク10のイジェクト動作が開始される。
【0027】
トレイ204のイジェクト動作については、ローディング動作のほぼ逆の過程となるため省略する。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の光ディスク記録再生装置は、ディスクを回転するスピンドルモータ282や光ピックアップ283等を保持するトラバースベース266、カートリッジ1を載置し保持するトレイ204、トレイ204をローディングするローディングモータ280などをメカシャーシ201aに保持し、メカシャーシ201aをダンパを介してベースフレーム201bに支持した構成である。
【0029】
しかしながら、従来の光ディスク記録再生装置では、装置が複雑で大型化し、かつ外部振動を遮断するダンパの負荷が大きいという課題があった。
【0030】
また、カートリッジと光ディスクを一体的に保持する構造を実現するうえで、カートリッジのシャッターの解放、トラバースベースの上下駆動及び、カートリッジの位置決めを同時に実施する必要があるため駆動負荷が大きく、またカートリッジと光ディスクを一体的に保持するためローディング機構についても特殊な駆動構造が必要であり、装置の小型化の障害になるだけではなく、以下の課題により小型化を実現することができなかった。
【0031】
すなわち、カートリッジと内包されるディスクとのクリアランスは少なく、自励振動やダンパによって弾力保持されることにより、カートリッジと内包するディスクの相対位置ずれを抑える必要があった。
【0032】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、小型化できかつダンパ負荷を軽減できるディスク装置のカートリッジ保持機構を提供することである。
【0033】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のディスク装置のカートリッジ保持機構は、ディスクを装着して回転させるディスク回転手段と、前記ディスク回転手段を保持するトラバースベースと、前記トラバースベースをダンパ部材を介して弾力的に保持するトラバースベース保持部材を上下に移動可能に設けたシャーシと、ディスクを内包するカートリッジを載置するカートリッジ載置部材と、前記カートリッジ載置部材を搬入または搬出して前記カートリッジの前記ディスクを前記ディスク回転手段に接近または離間させる駆動手段とを備え、
前記カートリッジは前記カートリッジ載置部材を介して前記シャーシに支持され
前記トラバースベース保持部材は前記カートリッジ載置部材の搬入または搬出時に前記駆動手段により前記シャーシに対して上下に移動し、
前記ダンパ部材は筒状であって中央にくびれ部分を有するダルマ形状のゴムダンパであり、前記トラバースベース保持部材に設置されたボスに挿通され、前記ボスの上端に取付けられた固定ねじで前記ダンパ部材の上端を押さえて脱落防止しており、
前記トラバースベースは前記ダンパ部材の前記くびれ部分に嵌合する穴を有し、かつ、前記ボスの中心に対して前記穴の中心をずらすか、または前記穴の内径よりも前記ダンパ部材のくびれ部分の外径を大きくすることにより前記トラバースベースの表面に平行な方向に予圧が付与されているものである。
【0034】
このため、カートリッジと内包されるディスクはディスク装置内部でダンパ部材を介して別体としてシャーシに保持され、例えばカートリッジはカートリッジ載置部材を介してシャーシと一体的に固定され、トラバースベースはダンパ部材に支持される構成となるので、ダンパ部材の負荷を軽減できるとともに従来のベースフレームが不要になるなど、簡素な装置構造と装置の小型化および軽量化を実現でき、合わせてカートリッジを装置内に搬入する場合の駆動負荷の低減も可能となる。またダンパ部材がゴム材料で成形されていると、弾力的にトラバースベースを保持しつつ外部からの振動を遮断する機能を簡素な構成で実現することが可能となる。
またカートリッジ載置部材の搬入または搬出時に、駆動手段によりシャーシに対して上下に移動するトラバースベース保持部材を有し、トラバースベースがダンパ部材を介してトラバースベース保持部材に弾力的に保持されるため、装置内にカートリッジを搬入する機構を簡素化でき、装置の小型化を可能とする。
さらにダンパ部材がトラバースベースの表面に平行な方向に予圧を付与するため、トラバースベース保持部材が上下駆動される際の、トラバースベースの繰り返し位置決め精度の向上を可能とする。
【0039】
請求項記載のディスク装置のカートリッジ保持機構は、請求項1において、搬入状態のディスクの径方向および回転軸方向におけるダンパ部材の共振周波数はディスクの最高回転周波数より高く設定されているものである。
【0040】
このため、偏重心を有する光ディスクを高速に回転させる場合に発生する振れ回り振動によるトラバースベースの振動を最小限に抑制することで、カートリッジと光ディスクが接触することを回避することを可能とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態を図1から図7により説明する。図1は本発明の光ディスク記録再生装置の第1の実施の形態を示し、図1において、140は光ディスク記録再生装置の本体、20はカートリッジおよび単体の光ディスクを載置するカートリッジ載置部材であるトレイ、1はカートリッジ、10はカートリッジに収納されるディスクである。
(トレイ構造)
トレイ20のカートリッジ載置面21の中央には、同心円に設けられた大小2つの凹部が設けられている。大径の凹部が大径ディスク載置部22、小径の凹部は小径ディスク載置部23で光ディスク記録再生装置の本体140に装着する単体のディスクの外径に応じて使い分けるように準備されている。
【0042】
またトレイ20の左右両端には、カートリッジ1の外寸より少しだけ大きく、カートリッジ載置面21に対して垂直に左壁面25、右壁面26が形成されており、カートリッジ1のトレイ20への載置時のガイドの機能を有している。
(カートリッジホルダ構造)
左壁面25、右壁面26の一部に開口部30が設けられ、カートリッジ1の奥側左右端面の凹部形状の被係合部6と係合するカートリッジホルダ27が設けられている。
【0043】
カートリッジホルダ27は、カートリッジ載置面21に設けられたピン28を中心に回動自在に保持されており、中間に設けた孔27aがピン28に嵌合し、一方がカートリッジ1の被係合部6と係合する例えば凸状の係合部27bを有しており、他方はトレイ20との間で、カートリッジ1の被係合部6を保持する方向にコイルばね49で付勢されている。したがって、カートリッジ1は左右壁面25、26により左右が規制支持され、カートリッジホルダ27により前後が規制支持される。
(シャッターオープナ構造)
トレイ20の奥側にはカートリッジ1のシャッター2を開閉するオープナ29が左右方向に移動自在に設けられている。シャッター2の先端の突起にシャッターオープナ24を引掛けて左側に開きながらローディングを行う。シャッターオープナ24は例えばアッパーベース83の下面に設けたカムにガイドされてカートリッジ1のローディング動作とともにオープナ29が移動するようにしている。
【0044】
カートリッジ1に収納されたディスク10は、シャッター2が解放状態となると、ディスク回転手段であるスピンドルモータ90による回転と、光ピックアップ99による記録再生が可能となる。
(ラックギヤ構造)
トレイ20の裏面の一側には、駆動手段であるローディングモータ61の減速ローディングギヤ系66の駆動ギヤ66aと係合する、トレイ20のローディング方向に延長したラックギヤ40が設けらている。
【0045】
トレイ20はローディングモータ61の回転方向を切り替えることで、ローディングとイジェクトが可能な構成となっている。この場合、トレイ裏面のラックギヤ40の近傍には、金属製のガイドシャフト41がトレイ20の前端と後端で保持されており、シャフトホルダ42を介してメカシャーシ60に保持されている。トレイ20の他側はメカシャーシ60のガイド段部63に摺動自在に支持され、メカシャーシ60の側壁に設けた弾力の浮上り防止部209によりトレイ20がガイド段部63から浮き上がるのを規制している。またローディングモータ61およびローディングギヤ系66はメカシャーシ60の前端部に設けられている。
(トラバースベース構成/ゴムダンパ支持)
ディスク10を保持し回転させるスピンドルモータ90、ディスク10の情報の読出しまたはディスク10に情報を書込みを行う光ピックアップ99、光ピックアップ99をディスク10の半径方向に移動させるトラバースモータ94とリードスクリュー95を保持するトラバースベース82は、4隅をダンパ部材である例えばゴム材料で成形されたゴムダンパ71で弾力的にトラバース保持部材であるトラバースホルダ70に対して保持されている。85はゴムダンパを71を固定するための止め具例えばねじである。ゴムダンパ71で弾力的に支持されていることで、光ディスク記録再生装置の本体140に対して外部からの振動または衝撃が与えられた場合の、ディスク10の記録再生動作に対する影響を低減する効果を有している。
(トラバースホルダ支持構造)
トラバースホルダ82の後側は、軸84によりメカシャーシ60の軸受け67に対して回動自在に軸支持されており、トラバースホルダ82の前側は、後述のスライドカム100と係合するカムフォロアである例えば突起183を有しており、突起183がスライドカム100の傾斜したカム溝109と係合し、スライドカム100の左右移動によって、トラバースホルダ82は上下に駆動される構造となっている。
(アライメントピン/カートリッジ状態検出スイッチ構造)
トレイ20に載置されたカートリッジ1のローディング完了後にトレイ20の穴20aを通して位置決め穴3と係合するアライメントピン102と、カートリッジの状態検出穴4と係合する状態の検出レバー106が、メカシャーシ60の前側のローディングモータ61の近傍に設けられている。
【0046】
アライメントピン102はボディ102Aにカム従動部例えば突起を有するとともにメカシャーシ60に立設された支柱(図示せず)に摺動自在に嵌合して上下動作可能に支持される筒体102aを有する。トラバースホルダ70と同様にスライドカム100のカム溝109に突起183とは離れた位置でカム従動部が係合しており、スライドカム100の左右移動によってアライメントピン102は上下に駆動され、また検出レバー106は、メカシャーシ60に軸支されてスライドカム100の左右移動によって回動するアシストシーム104により、上下に駆動されるようになっている。
【0047】
アライメントピン102はローディング完了後のカートリッジ1の位置決め穴3と係合することで、スピンドルモータ90に保持されたディスク10とカートリッジ1のクリアランスを維持し、カートリッジ1がディスク10と接触しない位置に位置決めする機能を有している。
【0048】
検出スイッチ105はメカシャーシ60の下面に取付けられた制御回路の回路基板85に設けられ、検出レバー106を介して、カートリッジ1の検出穴4と係合状態を判別することで、カートリッジ1に収納されるディスク10の書込みの可否状態、ディスク10の裏表、ディスク10の記録容量を検出する機能を有している。
(アッパーベース構造)
メカシャーシ60にはアッパーベース83が上蓋として設けられている。アッパーベース83にはディスク10をスピンドルモータ90に固定するクランパ84と、クランパ84をスピンドルモータ90に対して上下方向に着脱自由に保持するクランプアーム73、カートリッジ1のシャッター2を開閉するオープナ29の移動を規制するカム溝が設けられている。クランプアーム73は先端部にクランパ84を設け、中間部76をアッパーベース83に取付けるとともにばね弾力によりクランパ84をスピンドルモータ90から離れる方向に付勢し、後端部に受け部73aを設けている。トレイ20のローディング完了時にトレイ20の後端部に設けた押圧部例えば突起130で受け部73を押し、これによりクランパ84をスピンドルモータ90に接近させるようにしている。
(サイドアーム構造)
またメカシャーシ60の左右の両側面にはローディング完了後のカートリッジ1の振動を規制するサイドアーム143とサイドアーム143をカートリッジ1に付勢するサイドアームばね143aが設けられている。サイドアーム143は中間部が軸78に軸支され、サイドアームばね143aにより後端がトラバースホルダ70の下面側に係合し、前端がローディングするカートリッジ1の上方に位置する。トレイ20のローディングに伴ってトラバースホルダ70が上昇するときサイドアームばね143aによりサイドアーム143がカートリッジ1をトレイ20に付勢し、トレイ20をメカシャーシ60に付勢し、カートリッジ1、トレイ20、メカシャーシ60間に発生するガタを解消し、ディスク10の回転時に発生する振動と騒音を低減する機能を有している。またトレイ20のローディング完了後にサイドアーム143でトレイ20をメカシャーシ60に固定することにより、トレイ20のローディング時のローディングモータ61の負荷を軽減している。
(クランパ構造)
ディスク10をスピンドルモータ90に装着するに際して、クランパ74でターンテーブル91にデイスク10を固定する構成となっている。
【0049】
クランパ84は上下2つに分割可能な部材で構成され、内部には磁石(図示せず)を内蔵している。また、ディスク10をターンテーブル91に対してセンタリングを行うため、中央に構成されたセンターコーンの頂上部には磁性体(図示せず)が埋め込まれている。クランパ84に内蔵された磁石と磁性体との磁気吸引力で、クランパ84はディスク10をターンテーブル91に固定する。
(トラバース駆動構造)
光ピックアップ99は、トラバースベース80に設けられた主軸97、副軸98と名付けられた2本の金属シャフトで、ディスク10の半径方向に移動自在に保持されている。
【0050】
主軸97の近傍には、トラバースモータ94に直結されたリードスクリュー95が設けられている。光ピックアップ99にはリードスクリュー95に係合するナットピース96が設けられ、トラバースモータ94が回転すると、リードスクリュー95に係合したナットピース96を介して光ピックアップ99にディスク10の半径方向の駆動力が発生し、ディスク10の目標の半径位置に高速の移動が可能となる。
(スライドカム構造)
トラバースホルダ82の前側とローディングモータ61等とを仕切る仕切り壁178がメカシャーシ60に設けられ、仕切り壁178にスライドカム100が左右方向に移動自在に設けられている。
【0051】
スライドカム100の前側にはラックギヤ101を有しており、ローディングギヤ系66の中間歯車65で左右に駆動される。スライドカム100の端部に設けたカム従動部例えば突起100aはトレイ20の裏面に設けたロードカム249に案内される。ロードカム249はトレイ20の前後方向すなわちラックギヤ40と平行に延出し、トレイ20の前端側で約45度傾斜した傾斜部249aが延びさらにトレイ20の前後方向に垂直に延出部249bが延びている。したがって、ローディングモータ61およびローディングギヤ系66の動作により駆動ギヤ66aがラック40を駆動してトレイ20がローディングされ、ローディング完了付近で突起100aが傾斜部249aに移るとスライドカム100が移動を始め、ローディングギヤ系66の中間歯車65とラックギヤ101が噛合し、その後ラック40と駆動ギヤ66aとの噛合が外れ、こうしてギヤの切り換わりが行われる。スライドカム100の突起100aが延出部249bに移動するとトレイ20のローディングは停止し、スライドカム100のみ中間歯車65によって移動することとなる。なおトレイ20のイジェクト動作はこれと反対の動作となる。
【0052】
スライドカム100が左右に移動することで、上記したようにトラバースホルダ82、アライメントピン102および検出レバー106が上下方向に駆動される。
【0053】
以上のように構成された光ディスク記録再生装置の本体140の動作を、カートリッジ1に収納されたディスク10の再生を行う場合を例に挙げ説明を行う。(カートリッジ載置)
トレイ20に、カーリッジ1を載置する場合には、カートリッジ1をトレイ20の前方からカートリッジ載置面21の上を光ディスク記録再生装置に押し込む方向にカートリッジ1を滑らせる。
【0054】
カートリッジ1の左右端面が左壁面25、右壁面26をガイドとしてトレイ20に押し込まれて行く途中で、カートリッジホルダ27の係合部27bの先端形状に傾斜面を有しているため、カートリッジ1の挿入力で容易に解放状態となる。カートリッジ1をさらに挿入すると、カートリッジホルダ27の係合部27bは、コイルばね49の付勢力でカートリッジ1の被係合部6と係合する。
【0055】
オペレータは挿入力の変化およびカートリッジホルダ27の係合時に発生する音で係合が完了したことを認識することができる。
【0056】
カートリッジ載置面21の奥側には、カートリッジ1の挿入限界を規制するためのストッパ28aが設けられており、カートリッジ1とカートリッジホルダ47の係合位置と、ストッパ28aによる挿入限界は略一致する。
【0057】
これでカートリッジ1のトレイ20への載置が完了する。
【0058】
この時、カートリッジ1はカートリッジホルダ27によって前後方向、左壁面25、右壁面26によって左右方向への移動は規制される。
(ローディング動作)
トレイ20へのカートリッジ1の載置が完了した時点で、光ディスク記録再生装置の本体140のローディングスイッチ(図示せず)をONにすることで、ローディングモータ61に駆動電圧が与えられ、ローディングモータ61の回転に従動する駆動ギヤ66の回転によってトレイ20は自動のローディング動作が始まる。
【0059】
トレイ20のローディング動作時、シャッターオープナ29の働きでカートリッジ1のシャッタ2が解放され、カートリッジ1に内包される光ディスク10の記録面の記録再生が可能な状態となる。
(トラバースホルダ駆動)
トレイ20のローディング動作完了直前に、トレイ裏面に設けられたロードカム249によって、スライドカム100が左方向に駆動される。スライドカム100の移動によって、スライドカム100のカム溝109と係合するトラバースホルダ70は最下位置から、徐々に最上位置に移動する。
【0060】
トラバースホルダ70にゴムダンパ71によって弾力的に支持されたトラバースベース82も同時にローディング完了後の光ディスクをクランパ84とでクランプする最上位置に移動する。
【0061】
スライドカム100の移動完了時には、光ディスクのクランプも完了しており、スピンドルモータ90による光ディスクの回転が始まる。
【0062】
この実施の形態によれば、光ディスク回転時に光ディスク記録再生装置の外部から振動や衝撃が加えられた場合、装置自体および装置側に一体的に保持されたカートリッジは振動するが、ゴムダンパ71で支持されたトラバースベース82、及びトラバースベース82上に構成された光ヘッド99、スピンドルモータ90のターンテーブル91に固定された光ディスクに振動や衝撃は抑制され、記録再生動作に対する影響は大幅に低減する。
【0063】
また光ディスク記録再生装置内でゴムダンパ71に支持される機構がトラバースベース82だけに限定されるため、装置の構成が簡素化され、装置の小型、軽量化が可能となる。
【0064】
さらに、カートリッジ1を装置内に搬入した後サイドアーム143によりカートリッジ1をトレイ20に押さえ固定することにより、カートリッジ1を装置内に搬入する場合の駆動負荷の低減が可能となる。またトラバースベース82の小型化による軽量化や、アライメントピン、検出スイッチおよび検出アームなどを上記のようにトラバースベースと別体にすることによるトラバースベースの軽量化によっても駆動負荷を低減することができる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態を図8により説明する。これは、第1の実施の形態におけるゴムダンパの取付けに関する。トラバースベース82の4隅には略円形の穴300が設けられ、その中に筒状であって中央のくびれたダルマ形状のゴムダンパ71がくびれ部分71aで装着されている。
【0065】
ゴムダンパ71の上下方向には貫通穴71bが設けられ、貫通穴71bにトラバースホルダ70に立設した例えば円柱状のボス70aが貫入されて、ボス上端に設けられたねじ穴70bに固定ねじ85で、ゴムダンパ71の脱落を防止する固定方法が採られている。
【0066】
この時、ゴムダンパ71には、トラバースベース82の表面に平行な方向に予圧が付勢されるように、トラバースベース82の各穴300の穴間距離と、トラバースホルダ70のボス70aのボス間距離に所定の位置ずれHを設けている。
【0067】
この位置ずれHによって、ゴムダンパ71には、トラバースベース82の自重による鉛直方向の荷重負荷の他に、水平方向の負荷が与えられ、カートリッジ1のローディングまたはイジェクト動作によるトラバースベース82およびトラバースホルダ70の上下駆動による姿勢変化によって、トラバースベース82の位置決め再現性のばらつきの低減を可能としている。
【0068】
また、トラバースベース82の各穴300の穴間距離と、トラバースホルダ70のボス70aのボス間距離が同一の場合でも、トラバースベース82のゴムダンパ取付け穴300の穴径に対してゴムダンパ71のくびれ部分71aの外径を大きく設け、合わせてゴムダンパ71の貫通穴71bの穴径に対してトラバースホルダ70のボス70aの外径を大きく設けることで、ゴムダンパ71には水平方向の負荷が発生し、トラバースベース82の位置決め再現性のばらつきの低減を可能とする。
【0069】
このように、トレイ20のディスク装置への搬入完了時に、ディスクの径方向の与圧がダンパ部材に与えられ、シャーシ60に対してトラバースベース82が弾力的に保持される。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態を図9により説明する。第1の実施の形態におけるゴムダンパの共振周波数の設定に関する。ゴムダンパは、ばね性と振動吸収性を合わせ持つ材質であり、必ず1次共振周波数を有する。振動吸収性能の高い柔らかいゴム材料を採用するほど1次共振周波数は低下し、光ディスクの回転周波数に近い周波数に設定することになる。
【0070】
しかし、光ディスクは樹脂で薄い円盤を成形し貼り合わせる工程を有し、必ず円盤の厚さむら、貼り合わせで発生する中心ずれが生じ、光ディスクの回転中心と重心とが一致しない。このズレが光ディスクの偏重心と称される。光ディスクは高速で回転させるため、偏重心は規格によって規定されるが、偏重心を0に管理することは不可能であり、偏重心を有する光ディスクを回転させた場合振れ回り振動が発生し、その反動でトラバースベース82にも振動が発生する。
【0071】
光ディスク記録再生装置のスピンアップ時、光ディスクの回転周波数の上昇によって、振れ回り振動の振幅も増加するが、トラバースベース82を支持するゴムダンパ71の1次共振周波数でその振幅は最大となる。
【0072】
カートリッジに対応しない光ディスクの記録再生装置においては、偏重心の大きい単体の光ディスクを回転させた場合、目標回転数において振れ回り振動が発生し記録再生が悪化することを回避するため、一般的にはゴムダンパの1次共振周波数を光ディスクの回転周波数より低い値に設定する。
【0073】
また、従来のカートリッジに内包された光ディスクの記録再生を行う光ディスク記録再生装置においては、光ディスクの偏重心が大きくて振れ回り振動が発生しても、光ディスクとカートリッジは一体的に振動するため、光ディスクとカートリッジの接触は発生することはなかった。
【0074】
しかし本発明の光ディスク記録再生装置においては、カートリッジに内包された光ディスクの偏重心が大きい場合、スピンアップ動作の途中で振れ回り振動の振幅が最大となったとき、光ディスクとカートリッジ1の接触が発生する可能性があるため、図9に示すようにゴムダンパ1の1次共振周波数Bを少なくとも光ディスクの最高回転周波数Aよりも高く設定し、スピンアップの途中で光ディスクとカートリッジが接触することを回避する構成とした。
【0075】
なお、この発明において、トラバースベース82の回動を可能にするようにダンパ部材を構成し、トラバースベース82の後端部をダンパ部材を介してメカシャーシ60に直接取付け、トラバースベース82の前端側を上下駆動するようにしてもよい。
【0076】
【発明の効果】
請求項1記載のディスク装置のカートリッジ保持機構によれば、カートリッジと内包されるディスクはディスク装置内部でダンパ部材を介して別体としてシャーシに保持され、例えばカートリッジはカートリッジ載置部材を介してシャーシと一体的に固定され、トラバースベースはダンパ部材に支持される構成となるので、ダンパ部材の負荷を軽減できるとともに従来のベースフレームが不要になるなど、簡素な装置構造と装置の小型化および軽量化を実現でき、合わせてカートリッジを装置内に搬入する場合の駆動負荷の低減も可能となる。またダンパ部材がゴム材料で成形されていると、弾力的にトラバースベースを保持しつつ外部からの振動を遮断する機能を簡素な構成で実現することが可能となる。
またカートリッジ載置部材の搬入または搬出時に、駆動手段によりシャーシに対して上下に移動するトラバースベース保持部材を有し、トラバースベースがダンパ部材を介してトラバースベース保持部材に弾力的に保持されるため、装置内にカートリッジを搬入する機構を簡素化でき、装置の小型化を可能とする。
さらにダンパ部材がトラバースベースの表面に平行な方向に予圧を付与するため、トラバースベース保持部材が上下駆動される際の、トラバースベースの繰り返し位置決め精度の向上を可能とする。
【0079】
請求項記載のディスク装置のカートリッジ保持機構によれば、請求項1と同様な効果のほか、偏重心を有する光ディスクを高速に回転させる場合に発生する振れ回り振動によるトラバースベースの振動を最小限に抑制することで、カートリッジと光ディスクが接触することを回避することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のカートリッジ保持機構を有する光ディスク装置の分解斜視図である。
【図2】(a)はトレイの斜視図、(b)はカートリッジホルダの斜視図である。
【図3】トレイにカートリッジを載置する前の斜視図である。
【図4】トレイの裏面側からみた斜視図である。
【図5】(a)はトレイとクランパを示す斜視図、(b)はトレイのローディング完了状態の斜視図である。
【図6】シャッタを開いたカートリッジとスライドカムを裏面からみた斜視図である。
【図7】(a)はトラバースベースの平面図、(b)はその側面図である。
【図8】(a)は本発明の第2の実施の形態におけるゴムダンパの断面図、(b)はその装着状態の断面図である。
【図9】第3の実施の形態におけるディスクの回転周波数およびダンパの1次共振周波数に対するトラバースベースの振動の特性図である。
【図10】従来例のトレイのイジェクト状態の斜視図である。
【図11】分解斜視図である。
【図12】概略断面図である。
【符号の説明】
1 カートリッジ
20 トレイ
60 メカシャーシ
61 ローディングモータ
70 トラバースホルダ
71 ゴムダンパ
82 トラバースベース
90 スピンドルモータ
91 ターンテーブル

Claims (2)

  1. ディスクを装着して回転させるディスク回転手段と、前記ディスク回転手段を保持するトラバースベースと、前記トラバースベースをダンパ部材を介して弾力的に保持するトラバースベース保持部材を上下に移動可能に設けたシャーシと、ディスクを内包するカートリッジを載置するカートリッジ載置部材と、前記カートリッジ載置部材を搬入または搬出して前記カートリッジの前記ディスクを前記ディスク回転手段に接近または離間させる駆動手段とを備え、
    前記カートリッジは前記カートリッジ載置部材を介して前記シャーシに支持され
    前記トラバースベース保持部材は前記カートリッジ載置部材の搬入または搬出時に前記駆動手段により前記シャーシに対して上下に移動し、
    前記ダンパ部材は筒状であって中央にくびれ部分を有するダルマ形状のゴムダンパであり、前記トラバースベース保持部材に設置されたボスに挿通され、前記ボスの上端に取付けられた固定ねじで前記ダンパ部材の上端を押さえて脱落防止しており、
    前記トラバースベースは前記ダンパ部材の前記くびれ部分に嵌合する穴を有し、かつ、前記ボスの中心に対して前記穴の中心をずらすか、または前記穴の内径よりも前記ダンパ部材のくびれ部分の外径を大きくすることにより前記トラバースベースの表面に平行な方向に予圧が付与されているディスク装置のカートリッジ保持機構。
  2. 搬入状態のディスクの径方向および回転軸方向におけるダンパ部材の共振周波数はディスクの最高回転周波数より高く設定されている請求項1記載のディスク装置のカートリッジ保持機構。
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