JP2004102545A - 交通状況表示方法及び交通状況表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交通状況の情報を視覚的に表して提供することが可能な交通状況表示方法及び交通状況表示装置の提供。
【解決手段】背景画像との差分をとることにより、単位区間毎(各撮影画像毎)に車両を抽出し(S11)、該当区間における空間占有率及び空間平均速度(空間パラメータ)を算出し(S12)、空間占有率からは車両台数、空間平均速度からは車両速度を算出する(S13及びS14)。そして、ミクロアニメーション表示を行う場合、算出した車両台数及び車両速度に応じた模擬車両画像を背景画像とともに表示し、概況表示を行う場合、広域の交通状況を示す広域概況画像を表示するようにしている。
【選択図】 図7
【解決手段】背景画像との差分をとることにより、単位区間毎(各撮影画像毎)に車両を抽出し(S11)、該当区間における空間占有率及び空間平均速度(空間パラメータ)を算出し(S12)、空間占有率からは車両台数、空間平均速度からは車両速度を算出する(S13及びS14)。そして、ミクロアニメーション表示を行う場合、算出した車両台数及び車両速度に応じた模擬車両画像を背景画像とともに表示し、概況表示を行う場合、広域の交通状況を示す広域概況画像を表示するようにしている。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路の撮影画像を画像処理して得られる交通状況情報を表示する交通状況表示方法及び交通状況表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速道路及び一般道路には、渋滞の発生、事故の発生等の交通状況を監視する目的でビデオカメラ等の撮影装置が設置されている。特に、長大なトンネル内には、死角が出来ないように多数の撮影装置が設置されている。これらの撮影装置により得られた映像(撮影画像)は道路を管理する管制センタに伝送され、画像処理装置により画像処理を実行して渋滞度の判定、事故発生の検出等がなされる(例えば、特許文献1参照)。そして、渋滞の発生、事故の発生等が生じた場合には、その旨の情報が道路管理者からドライバに報知される。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−93079号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の情報提供は、所定地点での渋滞の発生等を報知するだけであり、より広域的な交通状況の情報提供が利用者(ドライバ)から望まれていた。
【0005】
また、いくつかの閾値を用いて渋滞を判定する場合、数段階にしか渋滞が判定されないため、非渋滞と判定された場合でも、実際には渋滞が進行しつつあることがあり、正確な情報を伝えきれないという問題点を有していた。さらに渋滞に関する観念は、ドライバによって異なるため、主観的に渋滞の有無を判定できる情報の提供が望まれていた。
【0006】
また、道路管理者から提供される交通状況情報は、段階的に表現した渋滞度、渋滞の長さ、主要地点までの所要時間等の大まかな情報であり、道路全体の詳細な交通状況を視覚的に利用者に提供できる装置の開発が望まれていた。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、空間パラメータに基づき定められた表示色により道路状況画像を表示する構成とすることにより、広域的な交通状況をより詳細に視覚的に提供できる交通状況表示方法及び交通状況表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、算出した空間パラメータに基づいて1又は複数の模擬車両画像を生成し、生成した模擬車両画像を背景画像上とともに表示する構成とすることにより、道路の詳細な状況を視覚的かつ直感的に報知できる交通状況表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る交通状況表示方法は、1又は複数の撮影手段により道路を撮影して得られる撮影画像を用いて画像処理を行い、画像処理により得られた交通状況情報を表示する交通状況表示方法において、前記撮影画像に基づいて道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、前記区間毎に対応させた道路状況画像を生成し、生成した道路状況画像の表示色を、算出した空間パラメータに基づき定め、定められた表示色により前記道路状況画像を表示することを特徴とする。
【0010】
第1発明にあっては、道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、算出した空間パラメータに基づき定められた表示色により道路状況画像を表示するようにしているため、例えば、従来のように渋滞判定に基づく交通状況の表示と異なり、道路全体の詳細な状況を多段階に色分けして表示することが可能となり、視覚的かつ直感的な交通状況情報を提供することが可能となる。また、道路管理者及び一般のドライバを含む利用者に、渋滞判定の結果について提示することがないため、各利用者が、渋滞等の交通流に対するそれぞれの観念にしたがって交通状況を把握することが可能となる。
【0011】
第2発明に係る交通状況表示方法は、第1発明に係る交通状況表示方法において、前記空間パラメータは、前記撮影画像に含まれる車両の空間占有率及び空間平均速度を含むことを特徴とする。
【0012】
第2発明にあっては、空間パラメータとして、空間占有率及び空間平均速度を含んでいるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0013】
第3発明に係る交通状況表示装置は、1又は複数の撮影手段により道路を撮影して得られる撮影画像を用いて画像処理を行い、画像処理により得られた交通状況情報を表示する交通状況表示装置において、前記撮影画像に基づいて道路の所定区間毎に空間パラメータを算出する手段と、前記区間毎に対応させた道路状況画像を生成する手段と、生成した道路状況画像の表示色を、算出した空間パラメータに基づき定める手段と、該手段により定められた表示色で前記道路状況画像を表示する手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第3発明にあっては、道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、算出した空間パラメータに基づき定められた表示色により道路状況画像を表示するようにしているため、例えば、従来のように渋滞判定に基づく交通状況の表示と異なり、道路全体の詳細な状況を多段階に色分けして表示することが可能となり、視覚的かつ直感的な交通状況情報を提供することが可能となる。また、道路管理者及び一般のドライバを含む利用者に、渋滞判定の結果について提示することがないため、各利用者が、渋滞等の交通流に対するそれぞれの観念にしたがって交通状況を把握することが可能となる。
【0015】
第4発明に係る交通状況表示装置は、第3発明に係る交通状況表示装置において、算出した空間パラメータに基づいて1又は複数の模擬車両画像を生成する手段と、前記撮影画像に基づく背景画像を生成する手段と、生成した模擬車両画像を前記背景画像上に上書き表示する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0016】
第4発明にあっては、空間パラメータに基づいて模擬車両画像を生成し、背景画像とともに表示するようにしているため、数段階の渋滞度のような大まかな交通状況の情報とは異なり、道路全体の詳細な状況を視覚的かつ直感的に把握できる情報を利用者に提供することが可能である。また、詳細な情報を提示することで、利用者は自身の観念により渋滞であるか否かの判断を行うことができる。
【0017】
第5発明に係る交通状況表示装置は、第4発明に係る交通状況表示装置において、前記空間パラメータに応じて前記模擬車両画像の表示色を定める手段を更に備えることを特徴とする。
【0018】
第5発明にあっては、空間パラメータに応じて模擬車両画像に色を付すようにしているため、例えば、各車両の走行速度に応じた色分けを行うことにより、瞬時に交通状況を把握できる情報を利用者に提供することができる。
【0019】
第6発明に係る交通状況表示装置は、第4発明又は第5発明に係る交通状況表示装置において、前記撮影画像に含まれる車両の特定の走行状態を検出する手段と、前記走行状態を検出した場合、前記走行状態の車両に対応した模擬車両画像を所定の表示色で表示する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0020】
第6発明にあっては、特定の走行状態を検出した場合、模擬車両画像を所定の表示色で表示するようにしているため、例えば、急停車、急減速等を行った異常走行車両、制限速度を無視して走行している危険走行車両等に対応した模擬車両画像を、所定の表示色で表示することによって、注視すべき車両を目立たせることができ、例えば、利用者に注意を喚起させることが可能となる。
【0021】
第7発明に係る交通状況表示装置は、第4発明乃至第6発明の何れかの交通状況表示装置において、前記道路状況画像の表示と、前記模擬車両画像及び前記背景画像の表示とを切替える手段を更に備えることを特徴とする。
【0022】
第7発明にあっては、道路状況画像の表示と、模擬車両画像及び背景画像の表示とを切替える手段を備えているため、広範囲の概要的な交通状況と特定範囲の詳細な交通状況とを切り替えて表示することができる。
【0023】
第8発明に係る交通状況表示装置は、第3発明乃至第7発明の何れかの交通状況表示装置において、前記空間パラメータは、前記撮影画像に含まれる車両の空間占有率及び空間平均速度を含むことを特徴とする。
【0024】
第8発明にあっては、空間パラメータとして、空間占有率及び空間平均速度を含んでいるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0025】
第9発明に係る交通状況表示装置は、第8発明に係る交通状況表示装置において、前記空間占有率に代えて前記区間における車両の交通密度、前記空間平均速度に代えて前記区間における車両の走行時間を用いることを特徴とする。
【0026】
第9発明にあっては、空間パラメータに代えて、交通密度及び車両の走行速度を用いるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0027】
第10発明に係る交通状況表示装置は、第3発明乃至第9発明の何れかの交通状況表示装置において、前記道路状況画像、又は前記模擬車両画像及び前記背景画像を外部へ送信する手段を更に備えることを特徴とする。
【0028】
第10発明にあっては、道路状況画像、又は模擬車両画像及び背景画像を外部へ送信するため、例えば、車両に車載通信装置、該車載通信装置により受信した画像を表示可能な表示手段を搭載している場合、道路管理者だけでなく、ドライバにも交通状況を視覚的に提供することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の交通状況表示装置を用いた交通状況監視システムの構成を説明する模式図である。図中6は道路5を走行中の車両であり、道路5に沿って間隔で設置された撮影装置7,7,…により走行中の車両6を撮影し、各撮影装置7,7,…により得られた撮影画像を画像処理装置10へ随時伝送する。画像処理装置10は各撮影装置7,7,…から伝送された撮影画像について画像処理を施して交通状況を表す画像データを生成し、生成した画像データを管制センタ20のモニタ21へ出力するとともに、撮影装置7と同様に道路5に沿って適宜間隔で設置された路側アンテナ8,8,…を通じて外部へ送信するようになっている。
【0030】
撮影装置7は、例えば、CCTVカメラ(CCTV : Closed−Circuit Television)であり、その撮像素子にはCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal OxideSemiconductor)等が利用されている。撮影装置7は、車両6の走行方向又はその逆方向に適宜の設置間隔(例えば、100m)を隔てて設けられており、また、道路5を遠方まで見渡すことができるように、例えば、中央分離帯又は路側帯に立設された支柱等の上部、トンネル内では、天井若しくは天井付近の壁面に設置されている。そして、撮影装置7は、車両6の前方又は後方を鳥瞰的に撮影するようにしている。
【0031】
画像処理装置10は各撮影装置7,7,…を接続するためのカメラポートを備えており(図5参照)、該カメラポートを通じて入力された各撮影画像について画像処理を施す。当該画像処理では各撮影画像から空間パラメータを算出し、算出した空間パラメータに基づいて、後述するミクロアニメーション画像又は広域概況画像の生成を行う。
ここで、空間パラメータには、空間占有率と空間平均速度とが含まれる。空間占有率は、ある撮影タイミングにおいて算出範囲内に存在する全車両の長さの総和を全範囲長で除算した値であり、空間平均速度は、ある撮影タイミングにおいて算出範囲内に存在する各車両の瞬間速度を計測し、それらの計測値を算術平均した値である。
【0032】
ミクロアニメーション画像の生成では、道路を真上から眺めた背景画像を生成するとともに、車両を模した模擬車両画像を前記空間パラメータに基づいて生成する。生成された模擬車両画像は、背景画像上に上書き表示される。このとき、背景画像に対して模擬車両画像の表示位置が車速に比例した移動量だけずれるように一定の周期(フレームスパン)で制御することにより、模擬車両画像に動きを与えて表示させることができる。なお、表示する模擬生成画像及び背景画像は、撮影画像を視点変更して得られた実画像であってもよく、また、画像処理装置10の内部にて生成した模式的な画像であってもよい。
【0033】
広域概況画像の生成では、ミクロアニメーション画像において表示されない広域の交通状況を示す画像が生成される。広域概況画像は、道路の所定区間(例えば、100m毎)及び車線毎に区間割りをして、各区間に含まれる車両の平均速度により表示色を異ならせて交通状況を表示するようにしている。
【0034】
管制センタ20に設置されるモニタ21は、画像処理装置10にて生成された画像を表示するための表示手段であり、具体的には、CRT、液晶ディスプレイ等である。
【0035】
また、画像処理装置10は、生成した画像を交通状況情報としてモニタ21へ送出するとともに、路側アンテナ8,8,…を通じて外部へ送信するようにしている。したがって、車両6が路側アンテナ8と通信可能な車載通信装置、及び車載通信装置で受信した画像データを表示するための表示装置を備えている場合、車両6内でも交通状況情報を確認することができ、道路管理者だけでなく一般のドライバにも情報提供が可能となる。
【0036】
なお、本実施の形態では、図1に示した如く画像処理装置10を管制センタ20の外部に設置する構成としたが、画像処理装置10は管制センタ20の内部に設置されるものであってもよいことは勿論である。また、本実施の形態では、路側アンテナ8を利用して車両6に搭載されている車載通信装置へ交通状況情報を送信する形態として説明したが、携帯電話機等で利用されるデータ通信システムを利用して交通状況情報をドライバに提供する形態であってもよく、また、同様にFM多重放送システムを利用して交通状況情報をドライバに提供する形態であってもよいことは勿論のことである。
【0037】
図2は撮影装置7により撮影される撮影画像の一例を示す模式図である。前述したように撮影装置7は、道路5を遠方まで見渡せる位置に設置され、車両6の前方又は後方を撮影するようにしているため、ある撮影タイミングでの撮影画像は図2に示した如き画像となる。図2に示した撮影画像40には、道路を含んだ背景画像45と2つの車両画像46a,46bとが含まれている。画像処理装置10は、撮影画像40が入力された場合、予め生成された背景のみの画像と差分をとることにより背景画像45から車両画像46a,46bを良好に抽出することができる。
【0038】
図3は画像処理装置10により生成される画像の種類を説明する模式図である。複数の撮影装置7,7,…により得られた撮影画像40,40,…は、例えば、図3の上段に示した如き画像であり、各撮影画像40,40,…に基づいて空間パラメータを算出する。後述するように、空間パラメータの1つである空間占有率から撮影画像40に含まれる車両台数が模擬的に算出され、空間平均速度からは車両速度が模擬的に算出される。
【0039】
本発明では、算出した車両台数及び車両速度に基づいて生成した模擬車両画像を利用してミクロアニメーション画像の生成を行う。すなわち、図3の中段に示したように、道路の背景画像55と模擬車両画像56a〜56dとから構成されるミクロアニメーション画像50の生成を行う。ここで、模擬車両画像56a〜56dは、車両を模した矩形画像であり、車両速度に応じた速度で背景画像55上を移動表示させている。また、模擬車両画像56a〜56dは車両速度に応じて定められた表示色で表示されており、利用者が瞬時に交通状況を把握できるようにしている。
【0040】
また、本発明では、より広域の交通状況を利用者に提供するため、図3の下段に示した如き広域概況画像60を生成する。矩形領域で表される各区間画像61a〜61eは、夫々に付された色で交通状況を提示するようにしている。例えば、区間画像61aに対して割り当てられた色(例えば、赤色)は交通流が渋滞している状態を示しており、交通渋滞の可能性が非常に高い状態を表している。また、区間画像61eに対して割り当てられた色(例えば、緑色又は青色)は、交通流がスムーズである状態を示しており、交通渋滞の可能性が低く、車両がスムーズに走行できる状態を表している。
【0041】
図4はモニタ21にて表示される画像の一例を示す模式図である。モニタ21では、画像処理装置10が生成する画像に対応させて、2種類の表示モードを選択できるようにしている。図4(a)は、前述のミクロアニメーション画像を表示させるためのミクロアニメーション表示モードが選択された場合であって、車両速度に応じて他段階に色分けされた模擬車両画像が、道路等の背景画像とともに表示されている。図4(b)は、前述の広域概況画像を表示させるための概況表示モードが選択された場合であって、各区間毎の交通状況を表示色により表した矩形画像が表示されている。
【0042】
それぞれの表示領域には、表示モードを切替えるための表示切替ボタン21a、及び表示範囲をスクロールさせるためのスクロールボタン21b,21cが表示されている。表示切替ボタン21a、及びスクロールボタン21b,21cは、図に示していないマウス、カーソルキー等の入力装置により制御されるポインタによって選択可能にしてあり、表示切替ボタン21aが選択された場合、一方の表示モードから他方の表示モードへと表示内容を切替得るようにしている。また、スクロールボタン21b,21cが選択された場合、夫々のスクロールボタン21b,21cが表す白抜矢符の方向へ表示範囲を移動させることができる。
【0043】
図5は画像処理装置10の内部構成を説明するブロック図である。画像処理装置10はCPU11を備えており、CPU11にはバス12を介して、ROM13、RAM14、通信ポート15、画像処理ASIC16、フレームメモリ17、複数のカメラポート18,18,…が接続されている。
【0044】
ROM13には、前述した各ハードウェアを制御するための制御プログラムが格納されており、CPU11が必要に応じてその制御プログラムをRAM14上に展開して、各ハードウェアを制御するようにしている。また、RAM14は制御プログラムの実行中に発生する各種のデータを一時的に記憶する。RAM14が一時的に記憶するデータは、例えば、空間パラメータに基づいて生成した模擬車両画像のデータである。
【0045】
カメラポート18,18,…は、撮影装置7,7,…を接続するための接続コネクタと、該接続コネクタを通じて入力された映像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するADコンバータとを夫々備えている。
フレームメモリ17は、デジタル変換された映像信号を画像データとして一時的に記憶するものである。記憶する画像データは、x軸、y軸の座標点ごとにRGB値を持つ画素の集合であり、その画素のRGB値は、例えば8ビットの256階調とされる。また、画像データとして必ずしもカラーのデータを利用する必要はなく、その場合の画像データは、x軸、y軸の座標点ごとに規定された輝度値(例えば256階調)を用いることができる。
画像処理ASIC16は、CPU11の指示により、フレームメモリ17に記憶された画像データの画像処理を実行するICである。
通信ポート15には、管制センタ20に設置されているモニタ21、及び道路5に設置されている路側アンテナ8,8,…が接続されており、夫々に画像処理を施した画像データを送信するようにしている。
【0046】
図6は画像処理装置10の処理手順を説明するフローチャートである。まず、画像処理装置10のCPU11は初期化処理を行う(ステップS1)。初期化処理では、後に撮影装置7にて得られた撮影画像から車両画像を抽出する際に必要となる背景画像の生成を行う。なお、背景画像は時間帯又は天候に応じて変えるようにしてもよい。また、初期化処理を行う度に背景画像を生成する必要は必ずしもなく、生成した背景画像をRAM14に記憶させておき、記憶させた背景画像を初期化処理において読み込む形態であってもよい。
【0047】
次いで、画像処理装置10は画像入力を開始し(ステップS2)、各撮影装置7,7,…からの映像信号をデジタル信号に変換し、画像データとしてフレームメモリ17に逐次記憶させる。
【0048】
次いで、画像処理装置10のCPU11は画像処理ASIC16に指示を与えて、後述する画像データ生成処理を行う(ステップS3)。画像データ生成処理では、単位区間毎(各撮影画像毎)に空間パラメータの算出を行い、選択された表示モードに対応する画像データの生成を行う。なお、画像データ生成処理については後に詳述することにする。
【0049】
次いで、CPU11は画像処理ASIC16に指示を与え、ステップS3で生成された単位区間毎の画像データを連続させて合成画像データを生成する(ステップS4)。そして、生成した合成画像データを出力する(ステップS5)。
【0050】
図7は画像データ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、画像処理ASIC16は単位区間毎(撮影画像毎)に車両を抽出する(ステップS11)。車両の抽出は、初期化処理(図6参照)により得られた背景画像と撮影画像との差分をとることにより行う。そして、該当区間の空間パラメータを算出する(ステップS12)。算出された空間パラメータは、その撮影画像に対応付けてRAM14に記憶される。
【0051】
次いで、CPU11は、RAM14に記憶させた空間パラメータから空間占有率及び空間平均速度の読込みを行い、読込んだ空間占有率に基づき車両台数を算出し(ステップS13)、空間平均速度に基づき車両速度を算出する(ステップS14)。算出された車両代数及び車両速度はRAM14に記憶される。
【0052】
ここで、車両台数は以下の手法により求めることができる。すなわち、算出すべき小型車(車長5mとする)の台数をx台、大型車(車長10mとする)の台数をy台、区間長をLmとした場合、(5×x+10×y)×100/Lの値が読込んだ空間占有率に可及的に等しくなるように、x及びyの組みを求めることで車両台数を算出することが可能である。このとき、xとyとの割合は、実際の大型車混入率を計測して決めてもよく、また経験的な値からランダムに又は固定的に与えてもよい。
また、車両速度は、算出した空間平均速度の値をA、x台の小型車の走行速度をvi 、y台の小型車の走行速度をvj として、
【0053】
【数1】
【0054】
を満たすように、vi 及びvj を決定する。ここで、vi 及びvj は、空間平均速度Aを中心とした範囲(Al ,Ah )で正規分布のような確率分布を設定し、ランダムに決定する。なお、下限値Al 及び上限値Ah の値は、空間平均速度Aによって予め経験的に定めた値でもよく、隣接区間の空間平均速度の値、又は当該区間の前フレーム画像から算出した空間平均速度の値に基づいて求めるようにしてもよい。
【0055】
次いで、ミクロアニメーション表示モードが選択されているか、又は広域の交通状況を表示させる概況表示モードが選択されているかについて判定するために後述する表示モード判定処理を行う(ステップS15)。そして、選択されている表示モードに応じて画像データの表示色を決定する(ステップS16)。
【0056】
表示色の決定は、以下で説明する3種類の方法の何れかを利用して行うことができる。
<第1の色分け方法>
第1の色分け方法では、速度範囲を複数の段階に設定し、各速度範囲に1つの表示色を割り当てる手法である。例えば、0〜100km/hを10km/h毎に10段階に分け、高速側から低速側に移るにつれて、表示色が赤色、橙色、黄色、黄緑色、緑色へと順次変化するように設定する。なお、100km/h以上は100km/hと同じ扱いとする。
【0057】
<第2の色分け方法>
第2の色分け方法では、RGB値に夫々8ビットを割当てた場合、約1670万色の色分けができることを利用し、車両速度をvとして次式により色分けを行う。
【0058】
【数2】
【0059】
すなわち、車両速度が0〜50km/hの場合、赤色、橙色、黄色の間を50段階に色分けし、車両速度が50〜100km/hの場合、黄色、黄緑色、緑色の間を50段階に色分けする。
【0060】
<第3の色分け方法>
第3の色分け方法では、車両速度vの関数としてRGB値を定めている点は第2の色分け方法と同様であるが、人間の色感はRGB値に線形でないことから、色の変化に鈍感な範囲の変化量を大きくするように次式により色分けする。
【0061】
【数3】
【0062】
なお、モニタ21にて表示することができる色数が約65000色である場合(RGB値が各4ビット)、数式(2)及び数式(3)において、夫々255の値の代わりに16の値を用いる。
【0063】
表示色が決定された場合、CPU11は、画像データ生成処理を全区間について終了したか否かを判断し(ステップS17)、全区間について終了していない場合(S17:NO)、処理をステップS11へ戻し、全区間について終了した場合(S17:YES)、本ルーチンを終了する。
【0064】
図8は表示モード判定処理の処理手順を説明するフローチャートである。まず、CPU11は、選択された表示モードがミクロアニメーション表示モードであるか否かの判定を行う(ステップS21)。ミクロアニメーション表示モードが選択されていると判定した場合(S21:YES)、CPU11は、特定車両の検出を行う(ステップS22)。特定車両とは、急停止を行った車両、急減速を行った車両、制限速度をオーバしている車両、車間距離が小さい車両等の異常走行又は危険走行を行っている車両のことであり、空間パラメータに基づいて算出した車両速度、各模擬車両画像の走行位置等の過去の値を参照して検出するようにしている。また、特定車両には車線変更を行った車両、救急車、消防車等の注目すべき車両を含めてもよい。特定車両を検出した場合には、目立つような色彩、装飾を加えて描画するようにしている。
【0065】
次いで、ステップS13(図7参照)にて算出した車両台数に基づいて模擬車両画像の生成を行う(ステップS23)。模擬車両画像は、予めROM13に小型車用の模擬車両画像と大型車用の模擬車両画像を記憶させておき、必要な台数分だけROM13から読込むようにする。生成された模擬車両画像の走行位置の初期値は、当該区間の中で各車間距離が予め定めた最小値以下にならないようにランダムに設定する。
以上のように定められた車両台数、車両速度、特定車両の情報、模擬車両の画像、及び走行位置の初期値等は、モニタ21及び路側アンテナ8に伝送すべき画像データとして互いに関連付けてRAM14に記憶させている。
【0066】
CPU11が、ステップS21にてミクロアニメーション表示モードが選択されていないと判定した場合(S21:NO)、広域の交通状況を表示するための概況表示モードが選択されているか否かを判定する(ステップS24)。概況表示モードが選択されていると判定した場合(S24:YES)、適宜の区間長毎及び車線毎に区間割りを設定する(ステップS25)。CPU11は、設定された区間割りの情報をRAM14に記憶させる。
また、ステップS24にて概況表示モードが選択されていないと判定した場合(S24:NO)、何れの表示モードも選択されていない旨の情報を伝送することによって、エラー処理を行う(ステップS26)。
【0067】
本実施の形態では、道路の撮影画像に含まれる車両の空間占有率及び空間平均速度に基づいて模擬車両画像の生成台数と車両速度とを算出するようにしたが、空間占有率に代えて交通密度(撮影画像中の車両台数)、空間平均速度に代えて旅行時間(撮影映像を走り抜ける為に要する時間)を利用することも可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上、詳述したように、第1発明による場合は、道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、算出した空間パラメータに基づき定められた表示色により道路状況画像を表示するようにしているため、例えば、従来のように渋滞判定に基づく交通状況の表示と異なり、道路全体の詳細な状況を多段階に色分けして表示することが可能となり、視覚的かつ直感的な交通状況情報を提供することが可能となる。また、道路管理者及び一般のドライバを含む利用者に、渋滞判定の結果について示すわけではないので、各利用者が、渋滞等の交通流に対するそれぞれの観念にしたがって交通状況を把握することが可能となる。
【0069】
第2発明による場合は、空間パラメータとして、空間占有率及び空間平均速度を含んでいるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0070】
第3発明による場合は、道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、算出した空間パラメータに基づき定められた表示色により道路状況画像を表示するようにしているため、例えば、従来のように渋滞判定に基づく交通状況の表示と異なり、道路全体の詳細な状況を多段階に色分けして表示することが可能となり、視覚的かつ直感的な交通状況情報を提供することが可能となる。また、道路管理者及び一般のドライバを含む利用者に、渋滞判定の結果について示すわけではないので、各利用者が、渋滞等の交通流に対するそれぞれの観念にしたがって交通状況を把握することが可能となる。
【0071】
第4発明による場合は、空間パラメータに基づいて模擬車両画像を生成し、背景画像とともに表示するようにしているため、数段階の渋滞度のような大まかな交通状況の情報とは異なり、道路全体の詳細な状況を視覚的かつ直感的に把握できる情報を利用者に提供することが可能である。また、詳細な情報を提示することで、利用者は自身の観念により渋滞であるか否かの判断を行うことができる。
【0072】
第5発明による場合は、空間パラメータに応じて模擬車両画像に色を付すようにしているため、例えば、各車両の走行速度に応じた色分けを行うことにより、瞬時に交通状況を把握できる情報を利用者に提供することができる。
【0073】
第6発明による場合は、特定の走行状態を検出した場合、模擬車両画像を所定の表示色で表示するようにしているため、例えば、急停車、急減速等を行った異常走行車両、制限速度を無視して走行している危険走行車両等に対応した模擬車両画像を、所定の表示色で表示することによって、注視すべき車両を目立たせることができ、例えば、利用者に注意を喚起させることが可能となる。
【0074】
第7発明による場合は、道路状況画像の表示と、模擬車両画像及び背景画像の表示とを切替える手段を備えているため、広範囲の概要的な交通状況と特定範囲の詳細な交通状況とを切り替えて表示することができる。
【0075】
第8発明による場合は、空間パラメータとして、空間占有率及び空間平均速度を含んでいるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0076】
第9発明による場合は、空間パラメータに代えて、交通密度及び車両の走行速度を用いるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0077】
第10発明による場合は、道路状況画像、又は模擬車両画像及び背景画像を外部へ送信するため、例えば、車両に車載通信装置、該車載通信装置により受信した画像を表示可能な表示手段を搭載している場合、道路管理者だけでなく、ドライバにも交通状況を視覚的に提供することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交通状況表示装置を用いた交通状況監視システムの構成を説明する模式図である。
【図2】撮影装置により撮影される撮影画像の一例を示す模式図である。
【図3】画像処理装置により生成される画像の種類を説明する模式図である。
【図4】モニタにて表示される画像の一例を示す模式図である。
【図5】画像処理装置の内部構成を説明するブロック図である。
【図6】画像処理装置の処理手順を説明するフローチャートである。
【図7】画像データ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】表示モード判定処理の処理手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
5 道路
6 車両
7 撮影装置
8 路側アンテナ
10 画像処理装置
11 CPU
12 バス
13 ROM
14 RAM
15 通信ポート
16 画像処理ASIC
17 フレームメモリ
18 カメラポート
20 管制センタ
21 モニタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路の撮影画像を画像処理して得られる交通状況情報を表示する交通状況表示方法及び交通状況表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速道路及び一般道路には、渋滞の発生、事故の発生等の交通状況を監視する目的でビデオカメラ等の撮影装置が設置されている。特に、長大なトンネル内には、死角が出来ないように多数の撮影装置が設置されている。これらの撮影装置により得られた映像(撮影画像)は道路を管理する管制センタに伝送され、画像処理装置により画像処理を実行して渋滞度の判定、事故発生の検出等がなされる(例えば、特許文献1参照)。そして、渋滞の発生、事故の発生等が生じた場合には、その旨の情報が道路管理者からドライバに報知される。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−93079号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の情報提供は、所定地点での渋滞の発生等を報知するだけであり、より広域的な交通状況の情報提供が利用者(ドライバ)から望まれていた。
【0005】
また、いくつかの閾値を用いて渋滞を判定する場合、数段階にしか渋滞が判定されないため、非渋滞と判定された場合でも、実際には渋滞が進行しつつあることがあり、正確な情報を伝えきれないという問題点を有していた。さらに渋滞に関する観念は、ドライバによって異なるため、主観的に渋滞の有無を判定できる情報の提供が望まれていた。
【0006】
また、道路管理者から提供される交通状況情報は、段階的に表現した渋滞度、渋滞の長さ、主要地点までの所要時間等の大まかな情報であり、道路全体の詳細な交通状況を視覚的に利用者に提供できる装置の開発が望まれていた。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、空間パラメータに基づき定められた表示色により道路状況画像を表示する構成とすることにより、広域的な交通状況をより詳細に視覚的に提供できる交通状況表示方法及び交通状況表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、算出した空間パラメータに基づいて1又は複数の模擬車両画像を生成し、生成した模擬車両画像を背景画像上とともに表示する構成とすることにより、道路の詳細な状況を視覚的かつ直感的に報知できる交通状況表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る交通状況表示方法は、1又は複数の撮影手段により道路を撮影して得られる撮影画像を用いて画像処理を行い、画像処理により得られた交通状況情報を表示する交通状況表示方法において、前記撮影画像に基づいて道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、前記区間毎に対応させた道路状況画像を生成し、生成した道路状況画像の表示色を、算出した空間パラメータに基づき定め、定められた表示色により前記道路状況画像を表示することを特徴とする。
【0010】
第1発明にあっては、道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、算出した空間パラメータに基づき定められた表示色により道路状況画像を表示するようにしているため、例えば、従来のように渋滞判定に基づく交通状況の表示と異なり、道路全体の詳細な状況を多段階に色分けして表示することが可能となり、視覚的かつ直感的な交通状況情報を提供することが可能となる。また、道路管理者及び一般のドライバを含む利用者に、渋滞判定の結果について提示することがないため、各利用者が、渋滞等の交通流に対するそれぞれの観念にしたがって交通状況を把握することが可能となる。
【0011】
第2発明に係る交通状況表示方法は、第1発明に係る交通状況表示方法において、前記空間パラメータは、前記撮影画像に含まれる車両の空間占有率及び空間平均速度を含むことを特徴とする。
【0012】
第2発明にあっては、空間パラメータとして、空間占有率及び空間平均速度を含んでいるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0013】
第3発明に係る交通状況表示装置は、1又は複数の撮影手段により道路を撮影して得られる撮影画像を用いて画像処理を行い、画像処理により得られた交通状況情報を表示する交通状況表示装置において、前記撮影画像に基づいて道路の所定区間毎に空間パラメータを算出する手段と、前記区間毎に対応させた道路状況画像を生成する手段と、生成した道路状況画像の表示色を、算出した空間パラメータに基づき定める手段と、該手段により定められた表示色で前記道路状況画像を表示する手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第3発明にあっては、道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、算出した空間パラメータに基づき定められた表示色により道路状況画像を表示するようにしているため、例えば、従来のように渋滞判定に基づく交通状況の表示と異なり、道路全体の詳細な状況を多段階に色分けして表示することが可能となり、視覚的かつ直感的な交通状況情報を提供することが可能となる。また、道路管理者及び一般のドライバを含む利用者に、渋滞判定の結果について提示することがないため、各利用者が、渋滞等の交通流に対するそれぞれの観念にしたがって交通状況を把握することが可能となる。
【0015】
第4発明に係る交通状況表示装置は、第3発明に係る交通状況表示装置において、算出した空間パラメータに基づいて1又は複数の模擬車両画像を生成する手段と、前記撮影画像に基づく背景画像を生成する手段と、生成した模擬車両画像を前記背景画像上に上書き表示する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0016】
第4発明にあっては、空間パラメータに基づいて模擬車両画像を生成し、背景画像とともに表示するようにしているため、数段階の渋滞度のような大まかな交通状況の情報とは異なり、道路全体の詳細な状況を視覚的かつ直感的に把握できる情報を利用者に提供することが可能である。また、詳細な情報を提示することで、利用者は自身の観念により渋滞であるか否かの判断を行うことができる。
【0017】
第5発明に係る交通状況表示装置は、第4発明に係る交通状況表示装置において、前記空間パラメータに応じて前記模擬車両画像の表示色を定める手段を更に備えることを特徴とする。
【0018】
第5発明にあっては、空間パラメータに応じて模擬車両画像に色を付すようにしているため、例えば、各車両の走行速度に応じた色分けを行うことにより、瞬時に交通状況を把握できる情報を利用者に提供することができる。
【0019】
第6発明に係る交通状況表示装置は、第4発明又は第5発明に係る交通状況表示装置において、前記撮影画像に含まれる車両の特定の走行状態を検出する手段と、前記走行状態を検出した場合、前記走行状態の車両に対応した模擬車両画像を所定の表示色で表示する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0020】
第6発明にあっては、特定の走行状態を検出した場合、模擬車両画像を所定の表示色で表示するようにしているため、例えば、急停車、急減速等を行った異常走行車両、制限速度を無視して走行している危険走行車両等に対応した模擬車両画像を、所定の表示色で表示することによって、注視すべき車両を目立たせることができ、例えば、利用者に注意を喚起させることが可能となる。
【0021】
第7発明に係る交通状況表示装置は、第4発明乃至第6発明の何れかの交通状況表示装置において、前記道路状況画像の表示と、前記模擬車両画像及び前記背景画像の表示とを切替える手段を更に備えることを特徴とする。
【0022】
第7発明にあっては、道路状況画像の表示と、模擬車両画像及び背景画像の表示とを切替える手段を備えているため、広範囲の概要的な交通状況と特定範囲の詳細な交通状況とを切り替えて表示することができる。
【0023】
第8発明に係る交通状況表示装置は、第3発明乃至第7発明の何れかの交通状況表示装置において、前記空間パラメータは、前記撮影画像に含まれる車両の空間占有率及び空間平均速度を含むことを特徴とする。
【0024】
第8発明にあっては、空間パラメータとして、空間占有率及び空間平均速度を含んでいるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0025】
第9発明に係る交通状況表示装置は、第8発明に係る交通状況表示装置において、前記空間占有率に代えて前記区間における車両の交通密度、前記空間平均速度に代えて前記区間における車両の走行時間を用いることを特徴とする。
【0026】
第9発明にあっては、空間パラメータに代えて、交通密度及び車両の走行速度を用いるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0027】
第10発明に係る交通状況表示装置は、第3発明乃至第9発明の何れかの交通状況表示装置において、前記道路状況画像、又は前記模擬車両画像及び前記背景画像を外部へ送信する手段を更に備えることを特徴とする。
【0028】
第10発明にあっては、道路状況画像、又は模擬車両画像及び背景画像を外部へ送信するため、例えば、車両に車載通信装置、該車載通信装置により受信した画像を表示可能な表示手段を搭載している場合、道路管理者だけでなく、ドライバにも交通状況を視覚的に提供することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の交通状況表示装置を用いた交通状況監視システムの構成を説明する模式図である。図中6は道路5を走行中の車両であり、道路5に沿って間隔で設置された撮影装置7,7,…により走行中の車両6を撮影し、各撮影装置7,7,…により得られた撮影画像を画像処理装置10へ随時伝送する。画像処理装置10は各撮影装置7,7,…から伝送された撮影画像について画像処理を施して交通状況を表す画像データを生成し、生成した画像データを管制センタ20のモニタ21へ出力するとともに、撮影装置7と同様に道路5に沿って適宜間隔で設置された路側アンテナ8,8,…を通じて外部へ送信するようになっている。
【0030】
撮影装置7は、例えば、CCTVカメラ(CCTV : Closed−Circuit Television)であり、その撮像素子にはCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal OxideSemiconductor)等が利用されている。撮影装置7は、車両6の走行方向又はその逆方向に適宜の設置間隔(例えば、100m)を隔てて設けられており、また、道路5を遠方まで見渡すことができるように、例えば、中央分離帯又は路側帯に立設された支柱等の上部、トンネル内では、天井若しくは天井付近の壁面に設置されている。そして、撮影装置7は、車両6の前方又は後方を鳥瞰的に撮影するようにしている。
【0031】
画像処理装置10は各撮影装置7,7,…を接続するためのカメラポートを備えており(図5参照)、該カメラポートを通じて入力された各撮影画像について画像処理を施す。当該画像処理では各撮影画像から空間パラメータを算出し、算出した空間パラメータに基づいて、後述するミクロアニメーション画像又は広域概況画像の生成を行う。
ここで、空間パラメータには、空間占有率と空間平均速度とが含まれる。空間占有率は、ある撮影タイミングにおいて算出範囲内に存在する全車両の長さの総和を全範囲長で除算した値であり、空間平均速度は、ある撮影タイミングにおいて算出範囲内に存在する各車両の瞬間速度を計測し、それらの計測値を算術平均した値である。
【0032】
ミクロアニメーション画像の生成では、道路を真上から眺めた背景画像を生成するとともに、車両を模した模擬車両画像を前記空間パラメータに基づいて生成する。生成された模擬車両画像は、背景画像上に上書き表示される。このとき、背景画像に対して模擬車両画像の表示位置が車速に比例した移動量だけずれるように一定の周期(フレームスパン)で制御することにより、模擬車両画像に動きを与えて表示させることができる。なお、表示する模擬生成画像及び背景画像は、撮影画像を視点変更して得られた実画像であってもよく、また、画像処理装置10の内部にて生成した模式的な画像であってもよい。
【0033】
広域概況画像の生成では、ミクロアニメーション画像において表示されない広域の交通状況を示す画像が生成される。広域概況画像は、道路の所定区間(例えば、100m毎)及び車線毎に区間割りをして、各区間に含まれる車両の平均速度により表示色を異ならせて交通状況を表示するようにしている。
【0034】
管制センタ20に設置されるモニタ21は、画像処理装置10にて生成された画像を表示するための表示手段であり、具体的には、CRT、液晶ディスプレイ等である。
【0035】
また、画像処理装置10は、生成した画像を交通状況情報としてモニタ21へ送出するとともに、路側アンテナ8,8,…を通じて外部へ送信するようにしている。したがって、車両6が路側アンテナ8と通信可能な車載通信装置、及び車載通信装置で受信した画像データを表示するための表示装置を備えている場合、車両6内でも交通状況情報を確認することができ、道路管理者だけでなく一般のドライバにも情報提供が可能となる。
【0036】
なお、本実施の形態では、図1に示した如く画像処理装置10を管制センタ20の外部に設置する構成としたが、画像処理装置10は管制センタ20の内部に設置されるものであってもよいことは勿論である。また、本実施の形態では、路側アンテナ8を利用して車両6に搭載されている車載通信装置へ交通状況情報を送信する形態として説明したが、携帯電話機等で利用されるデータ通信システムを利用して交通状況情報をドライバに提供する形態であってもよく、また、同様にFM多重放送システムを利用して交通状況情報をドライバに提供する形態であってもよいことは勿論のことである。
【0037】
図2は撮影装置7により撮影される撮影画像の一例を示す模式図である。前述したように撮影装置7は、道路5を遠方まで見渡せる位置に設置され、車両6の前方又は後方を撮影するようにしているため、ある撮影タイミングでの撮影画像は図2に示した如き画像となる。図2に示した撮影画像40には、道路を含んだ背景画像45と2つの車両画像46a,46bとが含まれている。画像処理装置10は、撮影画像40が入力された場合、予め生成された背景のみの画像と差分をとることにより背景画像45から車両画像46a,46bを良好に抽出することができる。
【0038】
図3は画像処理装置10により生成される画像の種類を説明する模式図である。複数の撮影装置7,7,…により得られた撮影画像40,40,…は、例えば、図3の上段に示した如き画像であり、各撮影画像40,40,…に基づいて空間パラメータを算出する。後述するように、空間パラメータの1つである空間占有率から撮影画像40に含まれる車両台数が模擬的に算出され、空間平均速度からは車両速度が模擬的に算出される。
【0039】
本発明では、算出した車両台数及び車両速度に基づいて生成した模擬車両画像を利用してミクロアニメーション画像の生成を行う。すなわち、図3の中段に示したように、道路の背景画像55と模擬車両画像56a〜56dとから構成されるミクロアニメーション画像50の生成を行う。ここで、模擬車両画像56a〜56dは、車両を模した矩形画像であり、車両速度に応じた速度で背景画像55上を移動表示させている。また、模擬車両画像56a〜56dは車両速度に応じて定められた表示色で表示されており、利用者が瞬時に交通状況を把握できるようにしている。
【0040】
また、本発明では、より広域の交通状況を利用者に提供するため、図3の下段に示した如き広域概況画像60を生成する。矩形領域で表される各区間画像61a〜61eは、夫々に付された色で交通状況を提示するようにしている。例えば、区間画像61aに対して割り当てられた色(例えば、赤色)は交通流が渋滞している状態を示しており、交通渋滞の可能性が非常に高い状態を表している。また、区間画像61eに対して割り当てられた色(例えば、緑色又は青色)は、交通流がスムーズである状態を示しており、交通渋滞の可能性が低く、車両がスムーズに走行できる状態を表している。
【0041】
図4はモニタ21にて表示される画像の一例を示す模式図である。モニタ21では、画像処理装置10が生成する画像に対応させて、2種類の表示モードを選択できるようにしている。図4(a)は、前述のミクロアニメーション画像を表示させるためのミクロアニメーション表示モードが選択された場合であって、車両速度に応じて他段階に色分けされた模擬車両画像が、道路等の背景画像とともに表示されている。図4(b)は、前述の広域概況画像を表示させるための概況表示モードが選択された場合であって、各区間毎の交通状況を表示色により表した矩形画像が表示されている。
【0042】
それぞれの表示領域には、表示モードを切替えるための表示切替ボタン21a、及び表示範囲をスクロールさせるためのスクロールボタン21b,21cが表示されている。表示切替ボタン21a、及びスクロールボタン21b,21cは、図に示していないマウス、カーソルキー等の入力装置により制御されるポインタによって選択可能にしてあり、表示切替ボタン21aが選択された場合、一方の表示モードから他方の表示モードへと表示内容を切替得るようにしている。また、スクロールボタン21b,21cが選択された場合、夫々のスクロールボタン21b,21cが表す白抜矢符の方向へ表示範囲を移動させることができる。
【0043】
図5は画像処理装置10の内部構成を説明するブロック図である。画像処理装置10はCPU11を備えており、CPU11にはバス12を介して、ROM13、RAM14、通信ポート15、画像処理ASIC16、フレームメモリ17、複数のカメラポート18,18,…が接続されている。
【0044】
ROM13には、前述した各ハードウェアを制御するための制御プログラムが格納されており、CPU11が必要に応じてその制御プログラムをRAM14上に展開して、各ハードウェアを制御するようにしている。また、RAM14は制御プログラムの実行中に発生する各種のデータを一時的に記憶する。RAM14が一時的に記憶するデータは、例えば、空間パラメータに基づいて生成した模擬車両画像のデータである。
【0045】
カメラポート18,18,…は、撮影装置7,7,…を接続するための接続コネクタと、該接続コネクタを通じて入力された映像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するADコンバータとを夫々備えている。
フレームメモリ17は、デジタル変換された映像信号を画像データとして一時的に記憶するものである。記憶する画像データは、x軸、y軸の座標点ごとにRGB値を持つ画素の集合であり、その画素のRGB値は、例えば8ビットの256階調とされる。また、画像データとして必ずしもカラーのデータを利用する必要はなく、その場合の画像データは、x軸、y軸の座標点ごとに規定された輝度値(例えば256階調)を用いることができる。
画像処理ASIC16は、CPU11の指示により、フレームメモリ17に記憶された画像データの画像処理を実行するICである。
通信ポート15には、管制センタ20に設置されているモニタ21、及び道路5に設置されている路側アンテナ8,8,…が接続されており、夫々に画像処理を施した画像データを送信するようにしている。
【0046】
図6は画像処理装置10の処理手順を説明するフローチャートである。まず、画像処理装置10のCPU11は初期化処理を行う(ステップS1)。初期化処理では、後に撮影装置7にて得られた撮影画像から車両画像を抽出する際に必要となる背景画像の生成を行う。なお、背景画像は時間帯又は天候に応じて変えるようにしてもよい。また、初期化処理を行う度に背景画像を生成する必要は必ずしもなく、生成した背景画像をRAM14に記憶させておき、記憶させた背景画像を初期化処理において読み込む形態であってもよい。
【0047】
次いで、画像処理装置10は画像入力を開始し(ステップS2)、各撮影装置7,7,…からの映像信号をデジタル信号に変換し、画像データとしてフレームメモリ17に逐次記憶させる。
【0048】
次いで、画像処理装置10のCPU11は画像処理ASIC16に指示を与えて、後述する画像データ生成処理を行う(ステップS3)。画像データ生成処理では、単位区間毎(各撮影画像毎)に空間パラメータの算出を行い、選択された表示モードに対応する画像データの生成を行う。なお、画像データ生成処理については後に詳述することにする。
【0049】
次いで、CPU11は画像処理ASIC16に指示を与え、ステップS3で生成された単位区間毎の画像データを連続させて合成画像データを生成する(ステップS4)。そして、生成した合成画像データを出力する(ステップS5)。
【0050】
図7は画像データ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、画像処理ASIC16は単位区間毎(撮影画像毎)に車両を抽出する(ステップS11)。車両の抽出は、初期化処理(図6参照)により得られた背景画像と撮影画像との差分をとることにより行う。そして、該当区間の空間パラメータを算出する(ステップS12)。算出された空間パラメータは、その撮影画像に対応付けてRAM14に記憶される。
【0051】
次いで、CPU11は、RAM14に記憶させた空間パラメータから空間占有率及び空間平均速度の読込みを行い、読込んだ空間占有率に基づき車両台数を算出し(ステップS13)、空間平均速度に基づき車両速度を算出する(ステップS14)。算出された車両代数及び車両速度はRAM14に記憶される。
【0052】
ここで、車両台数は以下の手法により求めることができる。すなわち、算出すべき小型車(車長5mとする)の台数をx台、大型車(車長10mとする)の台数をy台、区間長をLmとした場合、(5×x+10×y)×100/Lの値が読込んだ空間占有率に可及的に等しくなるように、x及びyの組みを求めることで車両台数を算出することが可能である。このとき、xとyとの割合は、実際の大型車混入率を計測して決めてもよく、また経験的な値からランダムに又は固定的に与えてもよい。
また、車両速度は、算出した空間平均速度の値をA、x台の小型車の走行速度をvi 、y台の小型車の走行速度をvj として、
【0053】
【数1】
【0054】
を満たすように、vi 及びvj を決定する。ここで、vi 及びvj は、空間平均速度Aを中心とした範囲(Al ,Ah )で正規分布のような確率分布を設定し、ランダムに決定する。なお、下限値Al 及び上限値Ah の値は、空間平均速度Aによって予め経験的に定めた値でもよく、隣接区間の空間平均速度の値、又は当該区間の前フレーム画像から算出した空間平均速度の値に基づいて求めるようにしてもよい。
【0055】
次いで、ミクロアニメーション表示モードが選択されているか、又は広域の交通状況を表示させる概況表示モードが選択されているかについて判定するために後述する表示モード判定処理を行う(ステップS15)。そして、選択されている表示モードに応じて画像データの表示色を決定する(ステップS16)。
【0056】
表示色の決定は、以下で説明する3種類の方法の何れかを利用して行うことができる。
<第1の色分け方法>
第1の色分け方法では、速度範囲を複数の段階に設定し、各速度範囲に1つの表示色を割り当てる手法である。例えば、0〜100km/hを10km/h毎に10段階に分け、高速側から低速側に移るにつれて、表示色が赤色、橙色、黄色、黄緑色、緑色へと順次変化するように設定する。なお、100km/h以上は100km/hと同じ扱いとする。
【0057】
<第2の色分け方法>
第2の色分け方法では、RGB値に夫々8ビットを割当てた場合、約1670万色の色分けができることを利用し、車両速度をvとして次式により色分けを行う。
【0058】
【数2】
【0059】
すなわち、車両速度が0〜50km/hの場合、赤色、橙色、黄色の間を50段階に色分けし、車両速度が50〜100km/hの場合、黄色、黄緑色、緑色の間を50段階に色分けする。
【0060】
<第3の色分け方法>
第3の色分け方法では、車両速度vの関数としてRGB値を定めている点は第2の色分け方法と同様であるが、人間の色感はRGB値に線形でないことから、色の変化に鈍感な範囲の変化量を大きくするように次式により色分けする。
【0061】
【数3】
【0062】
なお、モニタ21にて表示することができる色数が約65000色である場合(RGB値が各4ビット)、数式(2)及び数式(3)において、夫々255の値の代わりに16の値を用いる。
【0063】
表示色が決定された場合、CPU11は、画像データ生成処理を全区間について終了したか否かを判断し(ステップS17)、全区間について終了していない場合(S17:NO)、処理をステップS11へ戻し、全区間について終了した場合(S17:YES)、本ルーチンを終了する。
【0064】
図8は表示モード判定処理の処理手順を説明するフローチャートである。まず、CPU11は、選択された表示モードがミクロアニメーション表示モードであるか否かの判定を行う(ステップS21)。ミクロアニメーション表示モードが選択されていると判定した場合(S21:YES)、CPU11は、特定車両の検出を行う(ステップS22)。特定車両とは、急停止を行った車両、急減速を行った車両、制限速度をオーバしている車両、車間距離が小さい車両等の異常走行又は危険走行を行っている車両のことであり、空間パラメータに基づいて算出した車両速度、各模擬車両画像の走行位置等の過去の値を参照して検出するようにしている。また、特定車両には車線変更を行った車両、救急車、消防車等の注目すべき車両を含めてもよい。特定車両を検出した場合には、目立つような色彩、装飾を加えて描画するようにしている。
【0065】
次いで、ステップS13(図7参照)にて算出した車両台数に基づいて模擬車両画像の生成を行う(ステップS23)。模擬車両画像は、予めROM13に小型車用の模擬車両画像と大型車用の模擬車両画像を記憶させておき、必要な台数分だけROM13から読込むようにする。生成された模擬車両画像の走行位置の初期値は、当該区間の中で各車間距離が予め定めた最小値以下にならないようにランダムに設定する。
以上のように定められた車両台数、車両速度、特定車両の情報、模擬車両の画像、及び走行位置の初期値等は、モニタ21及び路側アンテナ8に伝送すべき画像データとして互いに関連付けてRAM14に記憶させている。
【0066】
CPU11が、ステップS21にてミクロアニメーション表示モードが選択されていないと判定した場合(S21:NO)、広域の交通状況を表示するための概況表示モードが選択されているか否かを判定する(ステップS24)。概況表示モードが選択されていると判定した場合(S24:YES)、適宜の区間長毎及び車線毎に区間割りを設定する(ステップS25)。CPU11は、設定された区間割りの情報をRAM14に記憶させる。
また、ステップS24にて概況表示モードが選択されていないと判定した場合(S24:NO)、何れの表示モードも選択されていない旨の情報を伝送することによって、エラー処理を行う(ステップS26)。
【0067】
本実施の形態では、道路の撮影画像に含まれる車両の空間占有率及び空間平均速度に基づいて模擬車両画像の生成台数と車両速度とを算出するようにしたが、空間占有率に代えて交通密度(撮影画像中の車両台数)、空間平均速度に代えて旅行時間(撮影映像を走り抜ける為に要する時間)を利用することも可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上、詳述したように、第1発明による場合は、道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、算出した空間パラメータに基づき定められた表示色により道路状況画像を表示するようにしているため、例えば、従来のように渋滞判定に基づく交通状況の表示と異なり、道路全体の詳細な状況を多段階に色分けして表示することが可能となり、視覚的かつ直感的な交通状況情報を提供することが可能となる。また、道路管理者及び一般のドライバを含む利用者に、渋滞判定の結果について示すわけではないので、各利用者が、渋滞等の交通流に対するそれぞれの観念にしたがって交通状況を把握することが可能となる。
【0069】
第2発明による場合は、空間パラメータとして、空間占有率及び空間平均速度を含んでいるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0070】
第3発明による場合は、道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、算出した空間パラメータに基づき定められた表示色により道路状況画像を表示するようにしているため、例えば、従来のように渋滞判定に基づく交通状況の表示と異なり、道路全体の詳細な状況を多段階に色分けして表示することが可能となり、視覚的かつ直感的な交通状況情報を提供することが可能となる。また、道路管理者及び一般のドライバを含む利用者に、渋滞判定の結果について示すわけではないので、各利用者が、渋滞等の交通流に対するそれぞれの観念にしたがって交通状況を把握することが可能となる。
【0071】
第4発明による場合は、空間パラメータに基づいて模擬車両画像を生成し、背景画像とともに表示するようにしているため、数段階の渋滞度のような大まかな交通状況の情報とは異なり、道路全体の詳細な状況を視覚的かつ直感的に把握できる情報を利用者に提供することが可能である。また、詳細な情報を提示することで、利用者は自身の観念により渋滞であるか否かの判断を行うことができる。
【0072】
第5発明による場合は、空間パラメータに応じて模擬車両画像に色を付すようにしているため、例えば、各車両の走行速度に応じた色分けを行うことにより、瞬時に交通状況を把握できる情報を利用者に提供することができる。
【0073】
第6発明による場合は、特定の走行状態を検出した場合、模擬車両画像を所定の表示色で表示するようにしているため、例えば、急停車、急減速等を行った異常走行車両、制限速度を無視して走行している危険走行車両等に対応した模擬車両画像を、所定の表示色で表示することによって、注視すべき車両を目立たせることができ、例えば、利用者に注意を喚起させることが可能となる。
【0074】
第7発明による場合は、道路状況画像の表示と、模擬車両画像及び背景画像の表示とを切替える手段を備えているため、広範囲の概要的な交通状況と特定範囲の詳細な交通状況とを切り替えて表示することができる。
【0075】
第8発明による場合は、空間パラメータとして、空間占有率及び空間平均速度を含んでいるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0076】
第9発明による場合は、空間パラメータに代えて、交通密度及び車両の走行速度を用いるため、それらの相関により定まる交通流を視覚的に表示することが可能となる。
【0077】
第10発明による場合は、道路状況画像、又は模擬車両画像及び背景画像を外部へ送信するため、例えば、車両に車載通信装置、該車載通信装置により受信した画像を表示可能な表示手段を搭載している場合、道路管理者だけでなく、ドライバにも交通状況を視覚的に提供することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交通状況表示装置を用いた交通状況監視システムの構成を説明する模式図である。
【図2】撮影装置により撮影される撮影画像の一例を示す模式図である。
【図3】画像処理装置により生成される画像の種類を説明する模式図である。
【図4】モニタにて表示される画像の一例を示す模式図である。
【図5】画像処理装置の内部構成を説明するブロック図である。
【図6】画像処理装置の処理手順を説明するフローチャートである。
【図7】画像データ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】表示モード判定処理の処理手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
5 道路
6 車両
7 撮影装置
8 路側アンテナ
10 画像処理装置
11 CPU
12 バス
13 ROM
14 RAM
15 通信ポート
16 画像処理ASIC
17 フレームメモリ
18 カメラポート
20 管制センタ
21 モニタ
Claims (10)
- 1又は複数の撮影手段により道路を撮影して得られる撮影画像を用いて画像処理を行い、画像処理により得られた交通状況情報を表示する交通状況表示方法において、
前記撮影画像に基づいて道路の所定区間毎に空間パラメータを算出し、前記区間毎に対応させた道路状況画像を生成し、生成した道路状況画像の表示色を、算出した空間パラメータに基づき定め、定められた表示色により前記道路状況画像を表示することを特徴とする交通状況表示方法。 - 前記空間パラメータは、前記撮影画像に含まれる車両の空間占有率及び空間平均速度を含むことを特徴とする請求項1に記載の交通状況表示方法。
- 1又は複数の撮影手段により道路を撮影して得られる撮影画像を用いて画像処理を行い、画像処理により得られた交通状況情報を表示する交通状況表示装置において、
前記撮影画像に基づいて道路の所定区間毎に空間パラメータを算出する手段と、前記区間毎に対応させた道路状況画像を生成する手段と、生成した道路状況画像の表示色を、算出した空間パラメータに基づき定める手段と、該手段により定められた表示色で前記道路状況画像を表示する手段とを備えることを特徴とする交通状況表示装置。 - 算出した空間パラメータに基づいて1又は複数の模擬車両画像を生成する手段と、前記撮影画像に基づく背景画像を生成する手段と、生成した模擬車両画像を前記背景画像上に上書き表示する手段とを更に備えることを特徴とする請求項3に記載の交通状況表示装置。
- 前記空間パラメータに応じて前記模擬車両画像の表示色を定める手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の交通状況表示装置。
- 前記撮影画像に含まれる車両の特定の走行状態を検出する手段と、前記走行状態を検出した場合、前記走行状態の車両に対応した模擬車両画像を所定の表示色で表示する手段とを更に備えることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の交通状況表示装置。
- 前記道路状況画像の表示と、前記模擬車両画像及び前記背景画像の表示とを切替える手段を更に備えることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の交通状況表示装置。
- 前記空間パラメータは、前記撮影画像に含まれる車両の空間占有率及び空間平均速度を含むことを特徴とする請求項3乃至請求項7の何れかに記載の交通状況表示装置。
- 前記空間占有率に代えて前記区間における車両の交通密度、前記空間平均速度に代えて前記区間における車両の走行時間を用いることを特徴とする請求項8に記載の交通状況表示装置。
- 前記道路状況画像、又は前記模擬車両画像及び前記背景画像を外部へ送信する手段を更に備えることを特徴とする請求項3乃至請求項9の何れかに記載の交通状況表示装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2002-09-06 JP JP2002262069A patent/JP2004102545A/ja active Pending
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