JP2004102005A - カメラのバヨネット式レンズマウント - Google Patents
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Abstract
【課題】バヨネット式レンズマウントを用いて大質量のレンズをカメラ本体に垂下された態様で装着した場合のマウント部における板バネの「へたり」変形を防止して、カメラ本体とレンズとの光軸方向の位置精度を維持する。
【解決手段】カメラ本体10側のマウント部材12の係合爪とレンズ20側のマウント部材21の係合爪とを、カメラ本体側の係合爪の上面にレンズ側の係合爪の底面が密接した態様で互いに係合させるとともに、カメラ本体10のマウント部に、レンズ20側の係合爪の上面に弾接して該係合爪を下方に付勢する板バネ23を配設する。
【選択図】 図1
【解決手段】カメラ本体10側のマウント部材12の係合爪とレンズ20側のマウント部材21の係合爪とを、カメラ本体側の係合爪の上面にレンズ側の係合爪の底面が密接した態様で互いに係合させるとともに、カメラ本体10のマウント部に、レンズ20側の係合爪の上面に弾接して該係合爪を下方に付勢する板バネ23を配設する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラのバヨネット式レンズマウントに関し、特に、大質量のレンズを、カメラにレンズが垂下される態様で装着する場合に好適なバヨネット式レンズマウントに関するものである。なお、本明細書において、「レンズ」とは、撮影レンズ、レンズ鏡筒およびマウント部を含んでカメラ本体に交換可能に装着される集合体全体を意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レンズを交換して使用するカメラでは、バヨネット式レンズマウントが広く採用されている。このバヨネット式レンズマウントは、カメラ本体側にもレンズ側にも複数の係合爪を備えていて、レンズのマウント部をカメラ本体のマウント部に差し込んで、僅かの角度(例えば45度)レンズを回転させると、双方の係合爪が互いに係合し、回転の終端で抜止め用の爪が落ち込んで、逆転不能に係止されるように構成されている。
【0003】
図9は、従来の一般的な一眼レフカメラにおいて、カメラ本体に対しレンズが水平に装着されている状態のバヨネット式レンズマウントの上部を示す断面図である。図9においては、左右方向が光軸方向であり、左側がカメラ本体1側、右側が被写体側である。
【0004】
カメラ本体1のマウント部は、内周に係合爪Fを備えた雌マウントからなり、かつ光軸に垂直な接合面1aを備えている。レンズ2のマウント部は、外周に係合爪Mを備えた雄マウントからなり、かつカメラ本体1の接合面1aに密接して接合取付け面Q1を形成するための、光軸に垂直な接合面2aを備えている。カメラ本体1の係合爪Fの左側面面Q2上には板バネ3がビス4で固定されており、この板バネ3の半円形状の湾曲部がレンズ2の係合爪Mの右側面Q3を押圧して、レンズ1をカメラ本体1側に引き込む方向、すなわち左方に付勢して接合面1a,2a同士を密着させ、接合取付け面Q1を形成して、カメラ本体1とレンズ2との光軸方向の位置精度を維持するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図9に示す状態では、カメラ本体1に対しレンズ2が水平に保持されているため、板バネ3による押圧力Pおよび保持力Hがレンズ2に対して図9の左方に向かって作用し、レンズ2の質量Wはカメラ本体1の面により支えられている。
【0006】
しかしながら、図10に示すように、カメラ本体1に対してレンズ2が垂下される態様で装着された状態では、板バネ3による押圧力Pおよび保持力Hが上方に向かって作用するが、レンズ2の質量Wを支える面がないために、レンズ2の質量Wが大きい場合には、その質量Wによって板バネ3に「へたり」変形が生じることによってレンズ2が下方へ移動し、接合面1a,1b間にギャップが生じて接合取付け面Q1を維持することができなくなる。すなわち、カメラ本体1とレンズ2との光軸方向の位置精度が維持できなくなる。
【0007】
また、上述のような構成を有する一眼レフカメラのレンズマウントにおいては、図9に示す3箇所の平面Q1,Q2,Q3がすべて加工精度維持面となり、大径の金属材料から旋盤加工を経てエンドミル等のフライス加工を前提とした高精度加工が要求されるために、被加工物(ここではマウント)の姿勢を加工条件ごとに変化させなければならなくなる。したがって、このようなマウント形状は、かなり多くのロットがあって、自動機で製作できるもの、あるいはコストアップを許容できるものにしか適用できないことになる。
【0008】
さらに、主としてレンズが水平に保持される一眼レフカメラでは、レンズの自重をカメラ本体で保持しているため、各3本程の係合爪M,Fをレンズマウント部に設けることで十分な接合強度を維持できるが、大質量のレンズを垂下状態でカメラ本体に装着する場合には、「3つ爪」マウントでは強度が不足することになる。なお、一眼レフカメラにおいては、大質量のレンズに対してレンズ側に三脚穴を設けて、レンズがカメラを支える構造を採用することによって、マウント部の強度不足の問題を回避している。
【0009】
上述の事情に鑑み、本発明の第1の目的は、複数の係合爪を備えたマウント部を有するカメラ本体に対して、カメラ本体側の係合爪にそれぞれ係合する係合爪を備えたマウント部を有する大質量のレンズが、カメラにレンズが垂下される態様で装着される場合のレンズマウント部におけるバネ部材の「へたり」変形によるカメラ本体とレンズとの光軸方向の位置精度の低下を防止したバヨネット式レンズマウントを提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、加工精度を緩和できる構成とすることによって、材料費および加工費を大幅に削減できるバヨネット式レンズマウントを提供することにある。
【0011】
本発明の第3の目的は、大質量のレンズを垂下状態でカメラ本体に装着する場合の荷重を分散して保持し得る強度を備えたバヨネット式レンズマウントを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によるバヨネット式レンズマウントは、カメラ本体側の係合爪とレンズ側の係合爪とが、カメラ本体側の係合爪の上面にレンズ側の係合爪の底面が密接した態様で互いに係合するとともに、カメラ本体のマウント部に、レンズ側の係合爪の上面に弾接してこれら係合爪を下方に付勢するバネ部材が配設されていることを特徴とするものである。
【0013】
この場合、カメラ本体のマウント部が内周に係合爪を備えた雌マウントからなり、レンズのマウント部が外周に係合爪を備えた雄マウントからなることが好ましい。
【0014】
上記カメラ本体側の係合爪と上記レンズ側の係合爪とは、カメラ本体およびレンズにそれぞれ固定された板材に一体に形成することができる。また、カメラ本体およびレンズのマウント部が、それぞれ4個の係合爪を備えていることが好ましい。
【0015】
さらに、カメラ本体のマウント部に配設されている複数のバネ部材が、カメラ本体に対しレンズを回転させて装着する際のレンズ側係合爪に対し、レンズの回転方向に関して所定の角度だけ順次積算された相対角度位置に配設されていることが好ましい。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、カメラ本体側の係合爪の上面にレンズ側の係合爪の底面が密接した態様で双方の係合爪が互いに係合していることにより、レンズ側のマウント部を絶えずレンズの自重によってカメラ本体側のマウント部と密着させることができ、しかもカメラ本体のマウント部に配設されるバネ部材が、レンズ側の係合爪の上面に弾接してこれら係合爪を下方に付勢するため、バネ部材に「へたり」変形を生じる虞れはなく、カメラ本体とレンズとの光軸方向の位置精度を常に維持することができる。
【0017】
また、レンズ側の係合爪の底面とカメラ本体側の係合爪の上面とが密着する面が、カメラ本体側のマウント部とレンズ側のマウント部との接合取付け面となり、この取付け面の精度維持だけで、カメラ本体とレンズとの光軸方向の位置精度を管理できるので、マウント部材の厚み公差が緩和され、マウント部材を製作する場合に、板金の打抜きプレス品等の平面性のみを管理すればよいことになる。したがって、マウント部材として一般的な市販の安価な板材を使用することができ、従来に比較して材料費および加工費を大幅に削減することができる。
【0018】
さらに、XY方向(前後左右方向)に荷重を分散させる目的で、それぞれ4個の係合爪を備えた「4つ爪」マウントを採用することにより、カメラ本体から垂下される態様で装着される大質量のレンズの荷重に耐える強度をマウント部に付与することができる。
【0019】
ところで、カメラ本体のマウント部に配設されている複数のバネ部材が、レンズ側の複数の係合爪に対し同一の相対位置に配設されている場合には、係合爪の数が多いと、レンズを回転させてカメラ本体に装着するときに、レンズ側係合爪がバネ部材を一斉に乗り越えることにより大きな回転抵抗が生じて、手に非常に重く感じられるものであるが、本発明のように、バネ部材がレンズ側係合爪に対し、レンズの回転方向に関して所定の角度だけ順次積算された相対角度位置に配設されている場合には、レンズ側係合爪がバネ部材を順次乗り越えることになるので、例えば「4つ爪」マウントではレンズ装着時の回転抵抗を1/4に低減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明によるバヨネット式レンズマウントの構成を示す光軸に沿った断面図、図2(a)はカメラ本体側のマウント部材の平面図、図2(b)はレンズ側のマウント部材の平面図である。
【0022】
図1において、カメラ本体10のマウント部には円環状のマウント取付け部材11が固定され、このマウント取付け部材11の下方に面する水平面が、加工精度を維持された接合取付け面Qとして形成され、この面Qに、図2(a)に示すような円環状の平面形状を有する板材からなるマウント部材12がその平坦な上面を密着させて複数本のビス12によって取り付けられている。また、レンズ20の円筒状のマウント部の外周には、上方に面する水平面が、加工精度を維持された接合取付け面Qとして形成され、この面Qに、図2(b)に示すような円環状の平面形状を有する板材からなるマウント部材21がその平坦な底面を密着させて複数本のビス22によって取り付けられている。
【0023】
図2(a)に示すカメラ本体10側のマウント部材12は、その内周面に4個の係合爪F1〜F4を突設した雌マウントからなる。一方、図2(b)に示すレンズ20側のマウント部材21は、その外周面に4個の係合爪M1〜M4を突設した雄マウントからなり、係合爪M2〜M4は、それらの周方向の中心から片側の部分が中心角Aに相当する周方向の幅を有するが、係合爪M1のみは、その中心から片側の部分が中心角A+αに相当する周方向の幅を有し、他の係合爪M2〜M4よりも幅広になっている。
【0024】
そして、カメラ本体10側のマウント部材12には、4個の係合爪F1〜F4の間に、レンズ20側のマウント部材21の4個の係合爪M1〜M4がそれぞれ係入可能な周方向の幅を有する4個の空隙R1〜R4を備えており(図5参照)、空隙R1のみは、係合爪M1に対応して幅広になっていて、誤挿入を防止している。
【0025】
図1に示す状態は、レンズ20側のマウント部材21の4個の係合爪M1〜M4がカメラ本体10側のマウント部材12の4個の係合爪F1〜F4の上にそれぞれ載置された態様で係合爪同士が互いに係合した状態を示し、係合爪M1〜M4の上方には、カメラ本体10のマウント取付け部材11の底面にビス24によって固定された板バネ23がそれぞれ設けられ、これら板バネ23の下方へ膨出する弾性部が係合爪M1〜M4の上面にそれぞれ弾接して、レンズ20側のマウント部材21を下方へ付勢している。
【0026】
図2(a)においては、カメラ本体10側に設けられる4個の板バネ23の係合爪F1〜F4に対する相対位置が、符号S1〜S4によって示されているが、図2(a)から明らかなように、板バネS1を起点にしてS2,S3,S4の順に反時計方向に眺めたとき、マウント部材12のXY方向の中心線上に配置された係合爪F1〜F4に対し、各板バネS1〜S4が順次反時計方向にずれた相対位置に配置されている。この理由については後述する。
【0027】
図3は、図1からカメラ本体10およびマウント取付け部材11を取り去った状態で示す要部断面図であり、カメラ本体10側のマウント部材12の平坦な上面上に、レンズ20に固定されたマウント部材21の平坦な底面が密接して接合取付け面Qを形成し、マウント部材21に対して、板バネ23(S1〜S4)による下方へ向かう押圧力Pと、上方へ向かう保持力Hとが作用している状態を示している。
【0028】
また、図4は、図1からマウント部材12および21を取り去った状態で示す要部断面図であり、マウント取付け部材11の下方に面する水平面Q1と、レンズ20の円筒状のマウント部の外周に設けられた上方に面する水平面Q2とが、加工精度を維持された接合取付け面Qとして形成されていることを示している。
【0029】
図5は、カメラ本体10に対しレンズ20を装着するのに際し、レンズ20のマウント部をカメラ本体10のマウント部に対し光軸方向に挿入した初期状態(回転角0°)における、本体側マウント部材12の係合爪F1〜F4、空隙R1〜R4、および板バネS1〜S4に対するレンズ側マウント部材21の係合爪M1〜M4の相対位置を示す説明図である。また、図6〜図8は、図5の初期状態からレンズ20を反時計方向に45°回転させてカメラ本体10に固定するまでの板バネS1〜S4に対する係合爪M1〜M4の相対位置の変化を回転角5°毎に示す説明図である。
【0030】
図5は、カメラ本体10のマウント部にレンズ20のマウント部を挿入した初期状態においては、係合爪M1の回転方向(反時計方向)のリーディングエッジに対して作用し始める板バネS1の弾性部の位置が、係合爪M1のリーディングエッジから反時計方向に角度Bだけ進んだ位置に存在していることを示している。
【0031】
また、図5の初期状態において、係合爪M2の回転方向(反時計方向)のリーディングエッジに対して作用し始める板バネS2の弾性部の位置が、係合爪M2のリーディングエッジから反時計方向に角度B+βだけ進んだ位置に存在していることを示している。
【0032】
さらに、図5の初期状態において、係合爪M3の回転方向(反時計方向)のリーディングエッジに対して作用し始める板バネS3の弾性部の位置が、係合爪M3のリーディングエッジから反時計方向に角度B+2βだけ進んだ位置に存在していることを示している。
【0033】
さらに、図5の初期状態において、係合爪M4の回転方向(反時計方向)のリーディングエッジに対して作用し始める板バネS4の弾性部の位置が、係合爪M4のリーディングエッジから反時計方向に角度B+3βだけ進んだ位置に存在していることを示している。
【0034】
このように、カメラ本体10のマウント部に配設されている板バネS1〜S4が、カメラ本体10に対しレンズ20を回転させて装着する際のレンズ側係合爪M1〜M4に対し、レンズ20の回転方向に関して所定の角度βだけ順次積算された相対角度位置に配設されていることにより、図6に示す回転角度5°〜15°の間はレンズ20の回転に対して負荷がかかっていないが、図7に示す回転角度20°の位置に達すると、係合爪M1のリーディングエッジが板バネS1と係合して負荷がかかり、重くなり始める。なお、このときの係合爪による板バネのつぶし量が図1にdで示されている。
【0035】
次の回転角度25°の位置においては、係合爪M1のリーディングエッジが板バネS1の弾性部を通過済みのため係合爪M1は軽負荷になるが、係合爪M2のリーディングエッジが板バネS2と係合して負荷がかかり、重くなり始める。
【0036】
次の回転角度30°の位置においては、係合爪M1,M2のリーディングエッジがそれぞれ板バネS1,S2の弾性部を通過済みのため係合爪M1、M2は軽負荷になるが、係合爪M3のリーディングエッジが板バネS3と係合して負荷がかかり、重くなり始める。
【0037】
次に図8に移って、回転角度35°の位置においては、係合爪M1,M2,M3のリーディングエッジがそれぞれ板バネS1,S2,S3の弾性部を通過済みのため係合爪M1,M2,M3は軽負荷になるが、係合爪M4のリーディングエッジが板バネS4と係合して負荷がかかり、重くなり始める。
【0038】
次の回転角度40°の位置においては、係合爪M1〜M4のすべてのリーディングエッジのがそれぞれ板バネS1〜S4の弾性部を通過済みのため、すべての係合爪M1〜M4が軽負荷になり、続いて回転角度45°の位置でレンズ20がカメラ本体10に装着される。
【0039】
以上の説明で明らかなように、本実施の形態によれば、カメラ本体10側のマウント部材12の係合爪F1〜F4の上面にレンズ20側のマウント部材21の係合爪M1〜M4の底面が密接した態様で双方の係合爪が互いに係合していることにより、レンズ20側のマウント部を絶えずレンズ20の自重によってカメラ本体10側のマウント部と密着させることができ、しかもカメラ本体10のマウント部に配設される板バネ(S1〜S4)が、レンズ20側の係合爪M1〜M4のそれぞれの上面に弾接してこれら係合爪M1〜M4を下方に付勢するため、バネ部材23(S1〜S4)に「へたり」変形を生じる虞れはなく、カメラ本体10とレンズ20との光軸方向の位置精度を常に維持することができる。
【0040】
また、レンズ20側の係合爪M1〜M4の底面とカメラ本体10側の係合爪F1〜F4の上面とが密着する面によって、カメラ本体10側のマウント部とレンズ20側のマウント部との接合取付け面Qが形成され、この取付け面Qの精度維持だけで、カメラ本体10とレンズ20との光軸方向の位置精度を管理できるので、マウント部材12,21の厚み公差が緩和され、マウント部材12,21を製作する場合に、板金等の打抜きプレス品の平面性のみを管理すればよいことになる。したがって、マウント部材12,21として一般的な市販の安価な板材を使用することができ、従来に比較して材料費および加工費を大幅に削減することができる。
【0041】
さらに、XY方向(前後左右方向)に荷重を分散させる目的で、それぞれ4個の係合爪F1〜F4,M1〜M4を備えた「4つ爪」マウントを採用することにより、カメラ本体10から垂下される態様で装着される大質量のレンズ20の荷重に耐える強度をマウント部に付与することができる。
【0042】
さらに、カメラ本体10のマウント部に配設されている4個の板バネ23(S1〜S4)が、レンズ20側の係合爪M1〜M4に対し、レンズ20の回転方向に関して所定の角度βだけ順次積算された相対角度位置に配設されていることにより、レンズ20側の係合爪M1〜M4のリーディングエッジが板バネ板バネ23(S1〜S4)を順次乗り越えるので、レンズ装着時の回転抵抗を1/4に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるバヨネット式レンズマウントの構成を示す光軸に沿った断面図
【図2】図2(a)は本発明によるバヨネット式レンズマウントのカメラ本体側のマウント部材の平面図、図2(b)はレンズ側のマウント部材の平面図
【図3】図1からカメラ本体およびマウント取付け部材を取り去った状態で示す要部断面図
【図4】図1から双方のマウント部材を取り去った状態で示す要部断面図
【図5】カメラ本体側のマウント部材に対しレンズ側のマウント部材を光軸方向に挿入したときの初期状態における相対位置関係を示す説明図
【図6】図5の初期状態からレンズを反時計方向に15°回転させた場合の板バネに対するレンズ側係合爪の相対位置の変化を回転角5°毎に示す説明図
【図7】図6の状態からレンズを反時計方向にさらに角度30°まで回転させた場合の板バネに対するレンズ側係合爪の相対位置の変化を回転角5°毎に示す説明図
【図8】図7の状態からレンズを反時計方向にさらに角度45°まで回転させた場合の板バネに対するレンズ側係合爪の相対位置の変化を回転角5°毎に示す説明図
【図9】従来の一眼レフカメラにおいて、カメラ本体に対しレンズが水平に装着されている状態のバヨネット式レンズマウントの一部を示す断面図
【図10】図9のカメラ本体に対してレンズが垂下される態様で装着された場合の断面図
【符号の説明】
10 カメラ本体
11 マウント取付け部材
12 カメラ本体側マウント部材
13 板バネ
20 レンズ
21 レンズ側マウント部材
F1〜F4 カメラ本体側係合爪
M1〜M4 レンズ側係合爪
S1〜S4 板バネ
【発明の属する技術分野】
本発明はカメラのバヨネット式レンズマウントに関し、特に、大質量のレンズを、カメラにレンズが垂下される態様で装着する場合に好適なバヨネット式レンズマウントに関するものである。なお、本明細書において、「レンズ」とは、撮影レンズ、レンズ鏡筒およびマウント部を含んでカメラ本体に交換可能に装着される集合体全体を意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レンズを交換して使用するカメラでは、バヨネット式レンズマウントが広く採用されている。このバヨネット式レンズマウントは、カメラ本体側にもレンズ側にも複数の係合爪を備えていて、レンズのマウント部をカメラ本体のマウント部に差し込んで、僅かの角度(例えば45度)レンズを回転させると、双方の係合爪が互いに係合し、回転の終端で抜止め用の爪が落ち込んで、逆転不能に係止されるように構成されている。
【0003】
図9は、従来の一般的な一眼レフカメラにおいて、カメラ本体に対しレンズが水平に装着されている状態のバヨネット式レンズマウントの上部を示す断面図である。図9においては、左右方向が光軸方向であり、左側がカメラ本体1側、右側が被写体側である。
【0004】
カメラ本体1のマウント部は、内周に係合爪Fを備えた雌マウントからなり、かつ光軸に垂直な接合面1aを備えている。レンズ2のマウント部は、外周に係合爪Mを備えた雄マウントからなり、かつカメラ本体1の接合面1aに密接して接合取付け面Q1を形成するための、光軸に垂直な接合面2aを備えている。カメラ本体1の係合爪Fの左側面面Q2上には板バネ3がビス4で固定されており、この板バネ3の半円形状の湾曲部がレンズ2の係合爪Mの右側面Q3を押圧して、レンズ1をカメラ本体1側に引き込む方向、すなわち左方に付勢して接合面1a,2a同士を密着させ、接合取付け面Q1を形成して、カメラ本体1とレンズ2との光軸方向の位置精度を維持するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図9に示す状態では、カメラ本体1に対しレンズ2が水平に保持されているため、板バネ3による押圧力Pおよび保持力Hがレンズ2に対して図9の左方に向かって作用し、レンズ2の質量Wはカメラ本体1の面により支えられている。
【0006】
しかしながら、図10に示すように、カメラ本体1に対してレンズ2が垂下される態様で装着された状態では、板バネ3による押圧力Pおよび保持力Hが上方に向かって作用するが、レンズ2の質量Wを支える面がないために、レンズ2の質量Wが大きい場合には、その質量Wによって板バネ3に「へたり」変形が生じることによってレンズ2が下方へ移動し、接合面1a,1b間にギャップが生じて接合取付け面Q1を維持することができなくなる。すなわち、カメラ本体1とレンズ2との光軸方向の位置精度が維持できなくなる。
【0007】
また、上述のような構成を有する一眼レフカメラのレンズマウントにおいては、図9に示す3箇所の平面Q1,Q2,Q3がすべて加工精度維持面となり、大径の金属材料から旋盤加工を経てエンドミル等のフライス加工を前提とした高精度加工が要求されるために、被加工物(ここではマウント)の姿勢を加工条件ごとに変化させなければならなくなる。したがって、このようなマウント形状は、かなり多くのロットがあって、自動機で製作できるもの、あるいはコストアップを許容できるものにしか適用できないことになる。
【0008】
さらに、主としてレンズが水平に保持される一眼レフカメラでは、レンズの自重をカメラ本体で保持しているため、各3本程の係合爪M,Fをレンズマウント部に設けることで十分な接合強度を維持できるが、大質量のレンズを垂下状態でカメラ本体に装着する場合には、「3つ爪」マウントでは強度が不足することになる。なお、一眼レフカメラにおいては、大質量のレンズに対してレンズ側に三脚穴を設けて、レンズがカメラを支える構造を採用することによって、マウント部の強度不足の問題を回避している。
【0009】
上述の事情に鑑み、本発明の第1の目的は、複数の係合爪を備えたマウント部を有するカメラ本体に対して、カメラ本体側の係合爪にそれぞれ係合する係合爪を備えたマウント部を有する大質量のレンズが、カメラにレンズが垂下される態様で装着される場合のレンズマウント部におけるバネ部材の「へたり」変形によるカメラ本体とレンズとの光軸方向の位置精度の低下を防止したバヨネット式レンズマウントを提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、加工精度を緩和できる構成とすることによって、材料費および加工費を大幅に削減できるバヨネット式レンズマウントを提供することにある。
【0011】
本発明の第3の目的は、大質量のレンズを垂下状態でカメラ本体に装着する場合の荷重を分散して保持し得る強度を備えたバヨネット式レンズマウントを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によるバヨネット式レンズマウントは、カメラ本体側の係合爪とレンズ側の係合爪とが、カメラ本体側の係合爪の上面にレンズ側の係合爪の底面が密接した態様で互いに係合するとともに、カメラ本体のマウント部に、レンズ側の係合爪の上面に弾接してこれら係合爪を下方に付勢するバネ部材が配設されていることを特徴とするものである。
【0013】
この場合、カメラ本体のマウント部が内周に係合爪を備えた雌マウントからなり、レンズのマウント部が外周に係合爪を備えた雄マウントからなることが好ましい。
【0014】
上記カメラ本体側の係合爪と上記レンズ側の係合爪とは、カメラ本体およびレンズにそれぞれ固定された板材に一体に形成することができる。また、カメラ本体およびレンズのマウント部が、それぞれ4個の係合爪を備えていることが好ましい。
【0015】
さらに、カメラ本体のマウント部に配設されている複数のバネ部材が、カメラ本体に対しレンズを回転させて装着する際のレンズ側係合爪に対し、レンズの回転方向に関して所定の角度だけ順次積算された相対角度位置に配設されていることが好ましい。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、カメラ本体側の係合爪の上面にレンズ側の係合爪の底面が密接した態様で双方の係合爪が互いに係合していることにより、レンズ側のマウント部を絶えずレンズの自重によってカメラ本体側のマウント部と密着させることができ、しかもカメラ本体のマウント部に配設されるバネ部材が、レンズ側の係合爪の上面に弾接してこれら係合爪を下方に付勢するため、バネ部材に「へたり」変形を生じる虞れはなく、カメラ本体とレンズとの光軸方向の位置精度を常に維持することができる。
【0017】
また、レンズ側の係合爪の底面とカメラ本体側の係合爪の上面とが密着する面が、カメラ本体側のマウント部とレンズ側のマウント部との接合取付け面となり、この取付け面の精度維持だけで、カメラ本体とレンズとの光軸方向の位置精度を管理できるので、マウント部材の厚み公差が緩和され、マウント部材を製作する場合に、板金の打抜きプレス品等の平面性のみを管理すればよいことになる。したがって、マウント部材として一般的な市販の安価な板材を使用することができ、従来に比較して材料費および加工費を大幅に削減することができる。
【0018】
さらに、XY方向(前後左右方向)に荷重を分散させる目的で、それぞれ4個の係合爪を備えた「4つ爪」マウントを採用することにより、カメラ本体から垂下される態様で装着される大質量のレンズの荷重に耐える強度をマウント部に付与することができる。
【0019】
ところで、カメラ本体のマウント部に配設されている複数のバネ部材が、レンズ側の複数の係合爪に対し同一の相対位置に配設されている場合には、係合爪の数が多いと、レンズを回転させてカメラ本体に装着するときに、レンズ側係合爪がバネ部材を一斉に乗り越えることにより大きな回転抵抗が生じて、手に非常に重く感じられるものであるが、本発明のように、バネ部材がレンズ側係合爪に対し、レンズの回転方向に関して所定の角度だけ順次積算された相対角度位置に配設されている場合には、レンズ側係合爪がバネ部材を順次乗り越えることになるので、例えば「4つ爪」マウントではレンズ装着時の回転抵抗を1/4に低減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明によるバヨネット式レンズマウントの構成を示す光軸に沿った断面図、図2(a)はカメラ本体側のマウント部材の平面図、図2(b)はレンズ側のマウント部材の平面図である。
【0022】
図1において、カメラ本体10のマウント部には円環状のマウント取付け部材11が固定され、このマウント取付け部材11の下方に面する水平面が、加工精度を維持された接合取付け面Qとして形成され、この面Qに、図2(a)に示すような円環状の平面形状を有する板材からなるマウント部材12がその平坦な上面を密着させて複数本のビス12によって取り付けられている。また、レンズ20の円筒状のマウント部の外周には、上方に面する水平面が、加工精度を維持された接合取付け面Qとして形成され、この面Qに、図2(b)に示すような円環状の平面形状を有する板材からなるマウント部材21がその平坦な底面を密着させて複数本のビス22によって取り付けられている。
【0023】
図2(a)に示すカメラ本体10側のマウント部材12は、その内周面に4個の係合爪F1〜F4を突設した雌マウントからなる。一方、図2(b)に示すレンズ20側のマウント部材21は、その外周面に4個の係合爪M1〜M4を突設した雄マウントからなり、係合爪M2〜M4は、それらの周方向の中心から片側の部分が中心角Aに相当する周方向の幅を有するが、係合爪M1のみは、その中心から片側の部分が中心角A+αに相当する周方向の幅を有し、他の係合爪M2〜M4よりも幅広になっている。
【0024】
そして、カメラ本体10側のマウント部材12には、4個の係合爪F1〜F4の間に、レンズ20側のマウント部材21の4個の係合爪M1〜M4がそれぞれ係入可能な周方向の幅を有する4個の空隙R1〜R4を備えており(図5参照)、空隙R1のみは、係合爪M1に対応して幅広になっていて、誤挿入を防止している。
【0025】
図1に示す状態は、レンズ20側のマウント部材21の4個の係合爪M1〜M4がカメラ本体10側のマウント部材12の4個の係合爪F1〜F4の上にそれぞれ載置された態様で係合爪同士が互いに係合した状態を示し、係合爪M1〜M4の上方には、カメラ本体10のマウント取付け部材11の底面にビス24によって固定された板バネ23がそれぞれ設けられ、これら板バネ23の下方へ膨出する弾性部が係合爪M1〜M4の上面にそれぞれ弾接して、レンズ20側のマウント部材21を下方へ付勢している。
【0026】
図2(a)においては、カメラ本体10側に設けられる4個の板バネ23の係合爪F1〜F4に対する相対位置が、符号S1〜S4によって示されているが、図2(a)から明らかなように、板バネS1を起点にしてS2,S3,S4の順に反時計方向に眺めたとき、マウント部材12のXY方向の中心線上に配置された係合爪F1〜F4に対し、各板バネS1〜S4が順次反時計方向にずれた相対位置に配置されている。この理由については後述する。
【0027】
図3は、図1からカメラ本体10およびマウント取付け部材11を取り去った状態で示す要部断面図であり、カメラ本体10側のマウント部材12の平坦な上面上に、レンズ20に固定されたマウント部材21の平坦な底面が密接して接合取付け面Qを形成し、マウント部材21に対して、板バネ23(S1〜S4)による下方へ向かう押圧力Pと、上方へ向かう保持力Hとが作用している状態を示している。
【0028】
また、図4は、図1からマウント部材12および21を取り去った状態で示す要部断面図であり、マウント取付け部材11の下方に面する水平面Q1と、レンズ20の円筒状のマウント部の外周に設けられた上方に面する水平面Q2とが、加工精度を維持された接合取付け面Qとして形成されていることを示している。
【0029】
図5は、カメラ本体10に対しレンズ20を装着するのに際し、レンズ20のマウント部をカメラ本体10のマウント部に対し光軸方向に挿入した初期状態(回転角0°)における、本体側マウント部材12の係合爪F1〜F4、空隙R1〜R4、および板バネS1〜S4に対するレンズ側マウント部材21の係合爪M1〜M4の相対位置を示す説明図である。また、図6〜図8は、図5の初期状態からレンズ20を反時計方向に45°回転させてカメラ本体10に固定するまでの板バネS1〜S4に対する係合爪M1〜M4の相対位置の変化を回転角5°毎に示す説明図である。
【0030】
図5は、カメラ本体10のマウント部にレンズ20のマウント部を挿入した初期状態においては、係合爪M1の回転方向(反時計方向)のリーディングエッジに対して作用し始める板バネS1の弾性部の位置が、係合爪M1のリーディングエッジから反時計方向に角度Bだけ進んだ位置に存在していることを示している。
【0031】
また、図5の初期状態において、係合爪M2の回転方向(反時計方向)のリーディングエッジに対して作用し始める板バネS2の弾性部の位置が、係合爪M2のリーディングエッジから反時計方向に角度B+βだけ進んだ位置に存在していることを示している。
【0032】
さらに、図5の初期状態において、係合爪M3の回転方向(反時計方向)のリーディングエッジに対して作用し始める板バネS3の弾性部の位置が、係合爪M3のリーディングエッジから反時計方向に角度B+2βだけ進んだ位置に存在していることを示している。
【0033】
さらに、図5の初期状態において、係合爪M4の回転方向(反時計方向)のリーディングエッジに対して作用し始める板バネS4の弾性部の位置が、係合爪M4のリーディングエッジから反時計方向に角度B+3βだけ進んだ位置に存在していることを示している。
【0034】
このように、カメラ本体10のマウント部に配設されている板バネS1〜S4が、カメラ本体10に対しレンズ20を回転させて装着する際のレンズ側係合爪M1〜M4に対し、レンズ20の回転方向に関して所定の角度βだけ順次積算された相対角度位置に配設されていることにより、図6に示す回転角度5°〜15°の間はレンズ20の回転に対して負荷がかかっていないが、図7に示す回転角度20°の位置に達すると、係合爪M1のリーディングエッジが板バネS1と係合して負荷がかかり、重くなり始める。なお、このときの係合爪による板バネのつぶし量が図1にdで示されている。
【0035】
次の回転角度25°の位置においては、係合爪M1のリーディングエッジが板バネS1の弾性部を通過済みのため係合爪M1は軽負荷になるが、係合爪M2のリーディングエッジが板バネS2と係合して負荷がかかり、重くなり始める。
【0036】
次の回転角度30°の位置においては、係合爪M1,M2のリーディングエッジがそれぞれ板バネS1,S2の弾性部を通過済みのため係合爪M1、M2は軽負荷になるが、係合爪M3のリーディングエッジが板バネS3と係合して負荷がかかり、重くなり始める。
【0037】
次に図8に移って、回転角度35°の位置においては、係合爪M1,M2,M3のリーディングエッジがそれぞれ板バネS1,S2,S3の弾性部を通過済みのため係合爪M1,M2,M3は軽負荷になるが、係合爪M4のリーディングエッジが板バネS4と係合して負荷がかかり、重くなり始める。
【0038】
次の回転角度40°の位置においては、係合爪M1〜M4のすべてのリーディングエッジのがそれぞれ板バネS1〜S4の弾性部を通過済みのため、すべての係合爪M1〜M4が軽負荷になり、続いて回転角度45°の位置でレンズ20がカメラ本体10に装着される。
【0039】
以上の説明で明らかなように、本実施の形態によれば、カメラ本体10側のマウント部材12の係合爪F1〜F4の上面にレンズ20側のマウント部材21の係合爪M1〜M4の底面が密接した態様で双方の係合爪が互いに係合していることにより、レンズ20側のマウント部を絶えずレンズ20の自重によってカメラ本体10側のマウント部と密着させることができ、しかもカメラ本体10のマウント部に配設される板バネ(S1〜S4)が、レンズ20側の係合爪M1〜M4のそれぞれの上面に弾接してこれら係合爪M1〜M4を下方に付勢するため、バネ部材23(S1〜S4)に「へたり」変形を生じる虞れはなく、カメラ本体10とレンズ20との光軸方向の位置精度を常に維持することができる。
【0040】
また、レンズ20側の係合爪M1〜M4の底面とカメラ本体10側の係合爪F1〜F4の上面とが密着する面によって、カメラ本体10側のマウント部とレンズ20側のマウント部との接合取付け面Qが形成され、この取付け面Qの精度維持だけで、カメラ本体10とレンズ20との光軸方向の位置精度を管理できるので、マウント部材12,21の厚み公差が緩和され、マウント部材12,21を製作する場合に、板金等の打抜きプレス品の平面性のみを管理すればよいことになる。したがって、マウント部材12,21として一般的な市販の安価な板材を使用することができ、従来に比較して材料費および加工費を大幅に削減することができる。
【0041】
さらに、XY方向(前後左右方向)に荷重を分散させる目的で、それぞれ4個の係合爪F1〜F4,M1〜M4を備えた「4つ爪」マウントを採用することにより、カメラ本体10から垂下される態様で装着される大質量のレンズ20の荷重に耐える強度をマウント部に付与することができる。
【0042】
さらに、カメラ本体10のマウント部に配設されている4個の板バネ23(S1〜S4)が、レンズ20側の係合爪M1〜M4に対し、レンズ20の回転方向に関して所定の角度βだけ順次積算された相対角度位置に配設されていることにより、レンズ20側の係合爪M1〜M4のリーディングエッジが板バネ板バネ23(S1〜S4)を順次乗り越えるので、レンズ装着時の回転抵抗を1/4に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるバヨネット式レンズマウントの構成を示す光軸に沿った断面図
【図2】図2(a)は本発明によるバヨネット式レンズマウントのカメラ本体側のマウント部材の平面図、図2(b)はレンズ側のマウント部材の平面図
【図3】図1からカメラ本体およびマウント取付け部材を取り去った状態で示す要部断面図
【図4】図1から双方のマウント部材を取り去った状態で示す要部断面図
【図5】カメラ本体側のマウント部材に対しレンズ側のマウント部材を光軸方向に挿入したときの初期状態における相対位置関係を示す説明図
【図6】図5の初期状態からレンズを反時計方向に15°回転させた場合の板バネに対するレンズ側係合爪の相対位置の変化を回転角5°毎に示す説明図
【図7】図6の状態からレンズを反時計方向にさらに角度30°まで回転させた場合の板バネに対するレンズ側係合爪の相対位置の変化を回転角5°毎に示す説明図
【図8】図7の状態からレンズを反時計方向にさらに角度45°まで回転させた場合の板バネに対するレンズ側係合爪の相対位置の変化を回転角5°毎に示す説明図
【図9】従来の一眼レフカメラにおいて、カメラ本体に対しレンズが水平に装着されている状態のバヨネット式レンズマウントの一部を示す断面図
【図10】図9のカメラ本体に対してレンズが垂下される態様で装着された場合の断面図
【符号の説明】
10 カメラ本体
11 マウント取付け部材
12 カメラ本体側マウント部材
13 板バネ
20 レンズ
21 レンズ側マウント部材
F1〜F4 カメラ本体側係合爪
M1〜M4 レンズ側係合爪
S1〜S4 板バネ
Claims (5)
- 複数の係合爪を備えたマウント部を有するカメラ本体に対して、該カメラ本体側の前記複数の係合爪にそれぞれ係合する係合爪を備えたマウント部を有するレンズが、カメラにレンズが垂下される態様で装着されるカメラのバヨネット式レンズマウントであって、
前記カメラ本体側の係合爪と前記レンズ側の係合爪とが、前記カメラ本体側の係合爪の上面に前記レンズ側の係合爪の底面が密接した態様で互いに係合するとともに、前記カメラ本体のマウント部に、前記レンズ側の係合爪の上面に弾接して該係合爪を下方に付勢するバネ部材が配設されていることを特徴とするカメラのバヨネット式レンズマウント。 - 前記カメラ本体のマウント部が内周に前記係合爪を備えた雌マウントからなり、前記レンズのマウント部が外周に前記係合爪を備えた雄マウントからなることを特徴とする請求項1記載のカメラのバヨネット式レンズマウント。
- 前記カメラ本体側の係合爪と前記レンズ側の係合爪とが、前記カメラ本体および前記レンズにそれぞれ固定された板材に一体に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のカメラのバヨネット式レンズマウント。
- 前記カメラ本体および前記レンズのマウント部が、それぞれ4個の前記係合爪を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載のカメラのバヨネット式レンズマウント。
- 前記カメラ本体のマウント部に配設されている複数の前記バネ部材が、前記カメラ本体に対し前記レンズを回転させて装着する際の該レンズ側係合爪に対し、前記レンズの回転方向に関して所定の角度だけ順次積算された相対角度位置に配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載のカメラのバヨネット式レンズマウント。
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