JP2004101987A - 液晶プロジェクタおよびその製造方法 - Google Patents
液晶プロジェクタおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004101987A JP2004101987A JP2002265042A JP2002265042A JP2004101987A JP 2004101987 A JP2004101987 A JP 2004101987A JP 2002265042 A JP2002265042 A JP 2002265042A JP 2002265042 A JP2002265042 A JP 2002265042A JP 2004101987 A JP2004101987 A JP 2004101987A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- polarizing plate
- crystal projector
- conductive
- crystal panel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Projection Apparatus (AREA)
Abstract
【課題】簡易に偏光板全体の電荷を取り除くことにより、製造時間や製造コストを増加させることなく液晶パネルへのダスト付着を防止した液晶プロジェクタを提供する。
【解決手段】液晶プロジェクタ内部に設置される偏光板1の表面には、網目状
の導電性繊維2が取り付けられており、導電性繊維2は製造ライン上で接地される。導電性繊維2は、導電性ポリマーもしくは金属から製造される。あるいは導電性繊維2の代わりに、導電性基板と導電性毛とを備える導電性ブラシを、偏光板1の端部に取り付けてもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】液晶プロジェクタ内部に設置される偏光板1の表面には、網目状
の導電性繊維2が取り付けられており、導電性繊維2は製造ライン上で接地される。導電性繊維2は、導電性ポリマーもしくは金属から製造される。あるいは導電性繊維2の代わりに、導電性基板と導電性毛とを備える導電性ブラシを、偏光板1の端部に取り付けてもよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジェクタに関し、特に、静電気によるダストの付着を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の液晶プロジェクタ100の構成を示す図である。ランプ101と反射鏡102を備えた光源103から出射した光束113は、ダイクロイックミラー104で分光される。即ち、R色光は反射されて、G色光およびB色光は透過される。また、透過されたG色光およびB色光は、ダイクロイックミラー104で分光される。即ち、G色光は反射されて、B色光は透過される。105は全反射ミラーである。分光されたR色光,G色光,B色光は、それぞれ液晶表示装置106で変調される。液晶表示装置106は、入射側偏光板107、液晶パネル108、出射側偏光板109を備える。変調された各色光は、プリズム110で合成されて、投射レンズ111によりスクリーン112に投射される。
【0003】
各構成部品は、製造ライン上で液晶プロジェクタ100に組み立てられるが、この組み立て工程において、静電気に起因して、ダストが液晶表示装置106の内部に付着することがある。特に、液晶パネル108は、光束113の焦点に位置するため、液晶パネル108にダストが付着した場合には、小さなダストの場合でもスクリーン112に投影されて、画像品質を低下させるという問題があった。
【0004】
図7は、特許文献1に記載された、従来の液晶パネル108を示す図である。この液晶パネル108は、液晶パネル本体115の表面に透明導電性膜116を形成し、それらを支持するための、接地された金属枠117と透明導電性膜116とを導通させることにより、液晶パネル本体115に帯電しようとする静電気を取り除き、液晶パネル本体115上へのダストの付着を低減させている。118は、外部接続用のコネクタである。透明導電性膜116は、厚みが約100nm程度であり、例えば、ITO(インジウムと酸化錫の合金)等を蒸着、あるいはスピンコートすることにより形成される。透明導電性膜116を形成することにより電荷を取り除く液晶パネルは、特許文献2,3にも記載されており、また特許文献4では、帯電防止層を形成することにより帯電を防止している。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−147470号公報(第3−4頁、第2図)
【特許文献2】
特開平6−324214号公報
【特許文献3】
特開2000−352715号公報
【特許文献4】
特開2002−14421号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液晶プロジェクタ100は、以上のように構成されていた。従って、液晶パネル108の製造工程において、透明導電性膜116を形成するための工程数が増加して、その分、製造時間や製造コストが増加するという問題があった。
【0007】
さらに、透明導電性膜116の厚みが薄く抵抗値が大きいため、金属枠117の周辺の電荷は取り除かれるが、液晶パネル本体115のうち金属枠117から離れた部分の電荷が残ってしまうという問題があった。
【0008】
また、製造ライン上で組み立てられて出荷された液晶プロジェクタ100を、ユーザが使用する際に、組み立て工程において液晶プロジェクタ100内部に溜まっていたダストがファンの送風により巻き上げられて、液晶パネル108の表面に付着してしまうという問題もあった。組み立てられた後に液晶パネル108にダストが付着した場合には、液晶プロジェクタ100を分解してエアーガンやブロアー等で液晶パネル108の表面のダストを取り除いた後に、再度組み立てを行う必要があるため、作業コストは高くなってしまう。
【0009】
液晶パネル108にダストが付着する原因を調査した結果、次のようなことが分かった。図8は、液晶プロジェクタの製造ラインにおいて、プリズム、液晶パネル、偏光板のそれぞれの表面電位の測定結果を示したグラフである。ここで、黒い丸印は実測値を示し、白い四角印はそれらの平均値を示している。プリズムおよび液晶パネルの表面電位に比べて、偏光板の表面電位は500V近くときわめて高く、また、この高電位故に表面に大量のダストが付着していることが確認できた。偏光板の表面電位がきわめて高くなる理由は、次のとおりである。即ち、偏光板は、表面が保護フィルムで覆われた状態で、製造ラインに届けられ、製造ライン上で保護フィルムを剥がして液晶プロジェクタに組み立てられる。そのため、保護フィルムを剥がす工程において、大量の静電気が帯電しまう。そして偏光板に付着したこのダストが、その後、隣接する液晶表示装置にも付着してしまうものと考えられる。
【0010】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、簡易に偏光板全体の電荷を取り除くことにより、製造時間や製造コストを増加させることなく液晶パネルへのダスト付着を防止した液晶プロジェクタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る液晶プロジェクタは、光源と、前記光源の出射光に基づく複数の色光をそれぞれ変調させる液晶パネルと、前記液晶パネルに隣接して配置された偏光板とを備える液晶プロジェクタであって、前記偏光板の表面上に配置された網目状の導電性繊維をさらに備える。
【0012】
請求項2に記載の発明に係る液晶プロジェクタの製造方法は、請求項1に記載の液晶プロジェクタの製造方法であって、前記導電性繊維を接地させる工程を備える。
【0013】
請求項3に記載の発明に係る液晶プロジェクタの製造方法は、請求項2に記載の液晶プロジェクタの製造方法であって、前記導電性繊維に代えて導電性ブラシを用いる。
【0014】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る液晶プロジェクタにおける、偏光板を示す図である。偏光板1(図6の107,109の偏光板に相当)の表面には、網目状の導電性繊維2が、例えば接着等の適当な方法にて密着して取り付けられており、導電性繊維2を製造ライン上で接地することにより、偏光板1の電荷を取り除くことができる。接地方法としては、例えば、製造ライン上にアース用の金属板等を設置しておき、偏光板1の表面上の保護フィルムを剥がした後に、人手にて導電性繊維2をこの金属板に押し当てて電荷を取り除く方法等が考えられる。
【0015】
この導電性繊維2は、導電性ポリマーもしくは金属から製造され、径が約50μm程度で、編目の間隔が約2cm程度であることが好ましい。径が大きい場合や網目の間隔が小さい場合には、導電性繊維2の影がスクリーンに投射されてしまうが、逆に径が小さい場合や網目の間隔が大きい場合には、電荷を取り除く効果が小さくなってしまう。
【0016】
導電性繊維2は径が比較的に太く、従って抵抗値も小さいため、透明導電性膜を形成する場合に比べて、電荷を取り除く効果が大きく、また、少ない時間とコストで取り付けることができる。
【0017】
このように、本実施の形態に係る液晶プロジェクタにおいては、偏光板1の表面に取り付けられた網目状の導電性繊維2が製造ライン上で接地されるので、保護フィルムを剥がした後で、偏光板1の帯電によりダストが付着することがなく、従って、少ない時間とコストで、偏光板から液晶パネルへ付着するダストの量を低減することができる。
【0018】
<実施の形態2>
実施の形態1に係る液晶プロジェクタは、導電性繊維2を取り付けることにより、偏光板1の電荷を取り除くものであるが、導電性繊維2を取り付ける代わりに、導電製ブラシ3を取り付けてもよい。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態2に係る液晶プロジェクタにおける、偏光板を示す図である。偏光板1の端部には、導電性基板15と導電性毛16とを備えた導電性ブラシ3が取り付けられており、導電性基板15を、実施の形態1と同様の方法で製造ライン上で接地することにより、偏光板1の電荷を取り除くことができる。
【0020】
このように、本実施の形態に係る液晶プロジェクタにおいては、偏光板1の端部に取り付けられた導電性ブラシ3が製造ライン上で接地されるので、実施の形態1と同様の効果を有する。
【0021】
<実施の形態3>
実施の形態1に係る液晶プロジェクタは、導電性繊維2を取り付けることにより、偏光板1の電荷を取り除くものであるが、導電性繊維2を組み込む代わりに、界面活性剤を塗布してもよい。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態3に係る液晶プロジェクタにおける、偏光板を示す図である。偏光板1の表面上の領域4に、界面活性剤が塗布されている。界面活性剤が塗布された領域4では、表面抵抗が小さくなって電荷が逃げやすくなるため、偏光板1の帯電を防止することができる。
【0023】
このように、本実施の形態に係る液晶プロジェクタにおいては、偏光板1の表面上の領域4に、界面活性剤が塗布されているので、実施の形態1と同様の効果を有する。
【0024】
<実施の形態4>
実施の形態1〜3に係る液晶プロジェクタは、製造ラインにおいて偏光板1の帯電を防止することにより液晶パネルへのダスト付着を防止するものであるが、実施の形態4に係る液晶プロジェクタは、組み立てられた後にユーザが使用する際の、液晶パネルへのダスト付着を防止するものである。
【0025】
図4は、本発明の実施の形態4に係る液晶プロジェクタの一部を示す図である。13は出射側偏光板、5は液晶パネル、6はプリズムであり、7は、冷却風8を送風することにより液晶プロジェクタ内部の各部品を冷却するためのファンである。9は、イオンを発生させることにより電荷を取り除くコロナ放電型の除電器であり、イオン化冷却風10を送風することにより、冷却風8に含まれるダストの電荷を取り除き、液晶パネル5へのダストの付着を防止する。
【0026】
このように、本実施の形態に係る液晶プロジェクタにおいては、除電器9がイオン化冷却風10を送風することにより、冷却風8に含まれるダストの電荷を取り除くため、ユーザが使用する際の液晶パネル5へのダスト付着を防止することができる。
【0027】
<実施の形態5>
実施の形態4に係る液晶プロジェクタは、除電器9を設置するものであるが、除電器9の代わりに、加湿器11を用いてもよい。
【0028】
図5は、本発明の実施の形態5に係る液晶プロジェクタの一部を示す図である。図4において、除電器9の代わりに加湿器11を設置して、加湿風12を液晶パネル5に送風する。加湿風12を送風された液晶パネル5は、表面抵抗が小さくなって電荷が逃げやすくなるため、液晶パネル5へのダスト付着を防止することができる。
【0029】
このように、本実施の形態に係る液晶プロジェクタにおいては、加湿器11が加湿風12を送風することにより液晶パネル5の帯電を防止するので、ユーザーが使用する際の、液晶パネル5へのダスト付着を防止することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1に記載の発明に係る液晶プロジェクタは、光源と、前記光源の出射光に基づく複数の色光をそれぞれ変調させる液晶パネルと、前記液晶パネルに隣接して配置された偏光板とを備える液晶プロジェクタであって、前記偏光板の表面上に配置された網目状の導電性繊維をさらに備えるので、偏光板の帯電を防止することにより、偏光板に付着するダストの量を少なくすることができる。従って、少ない時間とコストで、偏光板から液晶表示装置へ付着するダストの量を低減することができる。
【0031】
また、請求項2に記載の発明に係る液晶プロジェクタの製造方法は、請求項1に記載の液晶プロジェクタの製造方法であって、前記偏光板を接地させる工程を備えるので、保護フィルムを剥がす工程において前記偏光板に帯電した静電気を、取り除くことができる。
【0032】
また、請求項3に記載の発明に係る液晶プロジェクタの製造方法は、請求項2に記載の液晶プロジェクタの製造方法であって、前記導電性繊維に代えて導電性ブラシを用いるので、保護フィルムを剥がす工程において前記偏光板に帯電した静電気を、取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る偏光板の上面図である。
【図2】実施の形態2に係る偏光板の上面図である。
【図3】実施の形態3に係る偏光板の上面図である。
【図4】実施の形態4に係る液晶プロジェクタの一部を示す構成図である。
【図5】実施の形態5に係る液晶プロジェクタの一部を示す構成図である。
【図6】従来の液晶プロジェクタの構成図である。
【図7】従来の液晶パネルの断面図である。
【図8】従来の液晶プロジェクタの各構成部品の製造ラインにおける電位を示すグラフである。
【符号の説明】
1 偏光板、2 導電性繊維、3 導電性ブラシ、4 領域、5,108 液晶パネル、6,110 プリズム 7 ファン、8 冷却風、9 除電器、10イオン化冷却風、11、加湿器、12 加湿風、13,109 出射側偏光板、15 導電性基板、16 導電性毛、101 ランプ、102 反射鏡、103 光源、104 ダイクロイックミラー、105 全反射ミラー、106、液晶表示装置、107 入射側偏光板、111 投射レンズ、112 スクリーン、115 液晶パネル本体、116 透明導電性膜、117 金属枠、118 コネクタ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジェクタに関し、特に、静電気によるダストの付着を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の液晶プロジェクタ100の構成を示す図である。ランプ101と反射鏡102を備えた光源103から出射した光束113は、ダイクロイックミラー104で分光される。即ち、R色光は反射されて、G色光およびB色光は透過される。また、透過されたG色光およびB色光は、ダイクロイックミラー104で分光される。即ち、G色光は反射されて、B色光は透過される。105は全反射ミラーである。分光されたR色光,G色光,B色光は、それぞれ液晶表示装置106で変調される。液晶表示装置106は、入射側偏光板107、液晶パネル108、出射側偏光板109を備える。変調された各色光は、プリズム110で合成されて、投射レンズ111によりスクリーン112に投射される。
【0003】
各構成部品は、製造ライン上で液晶プロジェクタ100に組み立てられるが、この組み立て工程において、静電気に起因して、ダストが液晶表示装置106の内部に付着することがある。特に、液晶パネル108は、光束113の焦点に位置するため、液晶パネル108にダストが付着した場合には、小さなダストの場合でもスクリーン112に投影されて、画像品質を低下させるという問題があった。
【0004】
図7は、特許文献1に記載された、従来の液晶パネル108を示す図である。この液晶パネル108は、液晶パネル本体115の表面に透明導電性膜116を形成し、それらを支持するための、接地された金属枠117と透明導電性膜116とを導通させることにより、液晶パネル本体115に帯電しようとする静電気を取り除き、液晶パネル本体115上へのダストの付着を低減させている。118は、外部接続用のコネクタである。透明導電性膜116は、厚みが約100nm程度であり、例えば、ITO(インジウムと酸化錫の合金)等を蒸着、あるいはスピンコートすることにより形成される。透明導電性膜116を形成することにより電荷を取り除く液晶パネルは、特許文献2,3にも記載されており、また特許文献4では、帯電防止層を形成することにより帯電を防止している。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−147470号公報(第3−4頁、第2図)
【特許文献2】
特開平6−324214号公報
【特許文献3】
特開2000−352715号公報
【特許文献4】
特開2002−14421号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液晶プロジェクタ100は、以上のように構成されていた。従って、液晶パネル108の製造工程において、透明導電性膜116を形成するための工程数が増加して、その分、製造時間や製造コストが増加するという問題があった。
【0007】
さらに、透明導電性膜116の厚みが薄く抵抗値が大きいため、金属枠117の周辺の電荷は取り除かれるが、液晶パネル本体115のうち金属枠117から離れた部分の電荷が残ってしまうという問題があった。
【0008】
また、製造ライン上で組み立てられて出荷された液晶プロジェクタ100を、ユーザが使用する際に、組み立て工程において液晶プロジェクタ100内部に溜まっていたダストがファンの送風により巻き上げられて、液晶パネル108の表面に付着してしまうという問題もあった。組み立てられた後に液晶パネル108にダストが付着した場合には、液晶プロジェクタ100を分解してエアーガンやブロアー等で液晶パネル108の表面のダストを取り除いた後に、再度組み立てを行う必要があるため、作業コストは高くなってしまう。
【0009】
液晶パネル108にダストが付着する原因を調査した結果、次のようなことが分かった。図8は、液晶プロジェクタの製造ラインにおいて、プリズム、液晶パネル、偏光板のそれぞれの表面電位の測定結果を示したグラフである。ここで、黒い丸印は実測値を示し、白い四角印はそれらの平均値を示している。プリズムおよび液晶パネルの表面電位に比べて、偏光板の表面電位は500V近くときわめて高く、また、この高電位故に表面に大量のダストが付着していることが確認できた。偏光板の表面電位がきわめて高くなる理由は、次のとおりである。即ち、偏光板は、表面が保護フィルムで覆われた状態で、製造ラインに届けられ、製造ライン上で保護フィルムを剥がして液晶プロジェクタに組み立てられる。そのため、保護フィルムを剥がす工程において、大量の静電気が帯電しまう。そして偏光板に付着したこのダストが、その後、隣接する液晶表示装置にも付着してしまうものと考えられる。
【0010】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、簡易に偏光板全体の電荷を取り除くことにより、製造時間や製造コストを増加させることなく液晶パネルへのダスト付着を防止した液晶プロジェクタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る液晶プロジェクタは、光源と、前記光源の出射光に基づく複数の色光をそれぞれ変調させる液晶パネルと、前記液晶パネルに隣接して配置された偏光板とを備える液晶プロジェクタであって、前記偏光板の表面上に配置された網目状の導電性繊維をさらに備える。
【0012】
請求項2に記載の発明に係る液晶プロジェクタの製造方法は、請求項1に記載の液晶プロジェクタの製造方法であって、前記導電性繊維を接地させる工程を備える。
【0013】
請求項3に記載の発明に係る液晶プロジェクタの製造方法は、請求項2に記載の液晶プロジェクタの製造方法であって、前記導電性繊維に代えて導電性ブラシを用いる。
【0014】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る液晶プロジェクタにおける、偏光板を示す図である。偏光板1(図6の107,109の偏光板に相当)の表面には、網目状の導電性繊維2が、例えば接着等の適当な方法にて密着して取り付けられており、導電性繊維2を製造ライン上で接地することにより、偏光板1の電荷を取り除くことができる。接地方法としては、例えば、製造ライン上にアース用の金属板等を設置しておき、偏光板1の表面上の保護フィルムを剥がした後に、人手にて導電性繊維2をこの金属板に押し当てて電荷を取り除く方法等が考えられる。
【0015】
この導電性繊維2は、導電性ポリマーもしくは金属から製造され、径が約50μm程度で、編目の間隔が約2cm程度であることが好ましい。径が大きい場合や網目の間隔が小さい場合には、導電性繊維2の影がスクリーンに投射されてしまうが、逆に径が小さい場合や網目の間隔が大きい場合には、電荷を取り除く効果が小さくなってしまう。
【0016】
導電性繊維2は径が比較的に太く、従って抵抗値も小さいため、透明導電性膜を形成する場合に比べて、電荷を取り除く効果が大きく、また、少ない時間とコストで取り付けることができる。
【0017】
このように、本実施の形態に係る液晶プロジェクタにおいては、偏光板1の表面に取り付けられた網目状の導電性繊維2が製造ライン上で接地されるので、保護フィルムを剥がした後で、偏光板1の帯電によりダストが付着することがなく、従って、少ない時間とコストで、偏光板から液晶パネルへ付着するダストの量を低減することができる。
【0018】
<実施の形態2>
実施の形態1に係る液晶プロジェクタは、導電性繊維2を取り付けることにより、偏光板1の電荷を取り除くものであるが、導電性繊維2を取り付ける代わりに、導電製ブラシ3を取り付けてもよい。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態2に係る液晶プロジェクタにおける、偏光板を示す図である。偏光板1の端部には、導電性基板15と導電性毛16とを備えた導電性ブラシ3が取り付けられており、導電性基板15を、実施の形態1と同様の方法で製造ライン上で接地することにより、偏光板1の電荷を取り除くことができる。
【0020】
このように、本実施の形態に係る液晶プロジェクタにおいては、偏光板1の端部に取り付けられた導電性ブラシ3が製造ライン上で接地されるので、実施の形態1と同様の効果を有する。
【0021】
<実施の形態3>
実施の形態1に係る液晶プロジェクタは、導電性繊維2を取り付けることにより、偏光板1の電荷を取り除くものであるが、導電性繊維2を組み込む代わりに、界面活性剤を塗布してもよい。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態3に係る液晶プロジェクタにおける、偏光板を示す図である。偏光板1の表面上の領域4に、界面活性剤が塗布されている。界面活性剤が塗布された領域4では、表面抵抗が小さくなって電荷が逃げやすくなるため、偏光板1の帯電を防止することができる。
【0023】
このように、本実施の形態に係る液晶プロジェクタにおいては、偏光板1の表面上の領域4に、界面活性剤が塗布されているので、実施の形態1と同様の効果を有する。
【0024】
<実施の形態4>
実施の形態1〜3に係る液晶プロジェクタは、製造ラインにおいて偏光板1の帯電を防止することにより液晶パネルへのダスト付着を防止するものであるが、実施の形態4に係る液晶プロジェクタは、組み立てられた後にユーザが使用する際の、液晶パネルへのダスト付着を防止するものである。
【0025】
図4は、本発明の実施の形態4に係る液晶プロジェクタの一部を示す図である。13は出射側偏光板、5は液晶パネル、6はプリズムであり、7は、冷却風8を送風することにより液晶プロジェクタ内部の各部品を冷却するためのファンである。9は、イオンを発生させることにより電荷を取り除くコロナ放電型の除電器であり、イオン化冷却風10を送風することにより、冷却風8に含まれるダストの電荷を取り除き、液晶パネル5へのダストの付着を防止する。
【0026】
このように、本実施の形態に係る液晶プロジェクタにおいては、除電器9がイオン化冷却風10を送風することにより、冷却風8に含まれるダストの電荷を取り除くため、ユーザが使用する際の液晶パネル5へのダスト付着を防止することができる。
【0027】
<実施の形態5>
実施の形態4に係る液晶プロジェクタは、除電器9を設置するものであるが、除電器9の代わりに、加湿器11を用いてもよい。
【0028】
図5は、本発明の実施の形態5に係る液晶プロジェクタの一部を示す図である。図4において、除電器9の代わりに加湿器11を設置して、加湿風12を液晶パネル5に送風する。加湿風12を送風された液晶パネル5は、表面抵抗が小さくなって電荷が逃げやすくなるため、液晶パネル5へのダスト付着を防止することができる。
【0029】
このように、本実施の形態に係る液晶プロジェクタにおいては、加湿器11が加湿風12を送風することにより液晶パネル5の帯電を防止するので、ユーザーが使用する際の、液晶パネル5へのダスト付着を防止することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1に記載の発明に係る液晶プロジェクタは、光源と、前記光源の出射光に基づく複数の色光をそれぞれ変調させる液晶パネルと、前記液晶パネルに隣接して配置された偏光板とを備える液晶プロジェクタであって、前記偏光板の表面上に配置された網目状の導電性繊維をさらに備えるので、偏光板の帯電を防止することにより、偏光板に付着するダストの量を少なくすることができる。従って、少ない時間とコストで、偏光板から液晶表示装置へ付着するダストの量を低減することができる。
【0031】
また、請求項2に記載の発明に係る液晶プロジェクタの製造方法は、請求項1に記載の液晶プロジェクタの製造方法であって、前記偏光板を接地させる工程を備えるので、保護フィルムを剥がす工程において前記偏光板に帯電した静電気を、取り除くことができる。
【0032】
また、請求項3に記載の発明に係る液晶プロジェクタの製造方法は、請求項2に記載の液晶プロジェクタの製造方法であって、前記導電性繊維に代えて導電性ブラシを用いるので、保護フィルムを剥がす工程において前記偏光板に帯電した静電気を、取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る偏光板の上面図である。
【図2】実施の形態2に係る偏光板の上面図である。
【図3】実施の形態3に係る偏光板の上面図である。
【図4】実施の形態4に係る液晶プロジェクタの一部を示す構成図である。
【図5】実施の形態5に係る液晶プロジェクタの一部を示す構成図である。
【図6】従来の液晶プロジェクタの構成図である。
【図7】従来の液晶パネルの断面図である。
【図8】従来の液晶プロジェクタの各構成部品の製造ラインにおける電位を示すグラフである。
【符号の説明】
1 偏光板、2 導電性繊維、3 導電性ブラシ、4 領域、5,108 液晶パネル、6,110 プリズム 7 ファン、8 冷却風、9 除電器、10イオン化冷却風、11、加湿器、12 加湿風、13,109 出射側偏光板、15 導電性基板、16 導電性毛、101 ランプ、102 反射鏡、103 光源、104 ダイクロイックミラー、105 全反射ミラー、106、液晶表示装置、107 入射側偏光板、111 投射レンズ、112 スクリーン、115 液晶パネル本体、116 透明導電性膜、117 金属枠、118 コネクタ。
Claims (3)
- 光源と、
前記光源の出射光に基づく複数の色光をそれぞれ変調させる液晶パネルと、
前記液晶パネルに隣接して配置された偏光板と、
を備える液晶プロジェクタであって、
前記偏光板の表面上に配置された網目状の導電性繊維
をさらに備える液晶プロジェクタ。 - 請求項1に記載の液晶プロジェクタの製造方法であって、
前記導電性繊維を接地させる工程
を備える液晶プロジェクタの製造方法。 - 請求項2に記載の液晶プロジェクタの製造方法であって、
前記導電性繊維に代えて導電性ブラシを用いる液晶プロジェクタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002265042A JP2004101987A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 液晶プロジェクタおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002265042A JP2004101987A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 液晶プロジェクタおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004101987A true JP2004101987A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32264285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002265042A Pending JP2004101987A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 液晶プロジェクタおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004101987A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103995309A (zh) * | 2014-05-23 | 2014-08-20 | 京东方科技集团股份有限公司 | 偏光片及显示装置 |
-
2002
- 2002-09-11 JP JP2002265042A patent/JP2004101987A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103995309A (zh) * | 2014-05-23 | 2014-08-20 | 京东方科技集团股份有限公司 | 偏光片及显示装置 |
US9547113B2 (en) | 2014-05-23 | 2017-01-17 | Boe Technology Group Co., Ltd. | Polarizing filter and display device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2002182008A (ja) | 光学レンズシステム、画像表示装置、マイクロレンズアレイ、液晶表示素子および投影型液晶表示装置 | |
US6623129B2 (en) | Optical component and projector using the same | |
JPH06511567A (ja) | 薄膜光変調装置 | |
US6726330B2 (en) | Electro-optical apparatus and projector | |
JP2000147470A (ja) | 液晶表示装置 | |
US7940484B2 (en) | Color wheel and optical device employing same | |
JP2004101987A (ja) | 液晶プロジェクタおよびその製造方法 | |
TWI231461B (en) | Optoelectronic device and projection display device accommodated in installing enclosure | |
CN214375802U (zh) | 一种投影幕布 | |
JP2001042426A (ja) | 背面投写型表示装置 | |
KR20150056352A (ko) | 영사용 스크린 및 이를 구비한 디스플레이 장치 | |
JP2004246080A (ja) | 光変調装置および光変調装置の製造方法、並びにプロジェクタ | |
JPH0234412B2 (ja) | ||
JPH1010646A (ja) | 防塵機能付プロジェクタ装置 | |
CN216387727U (zh) | 一种修补式屏幕 | |
JPH06103928A (ja) | 陰極線管とその帯電,反射防止膜形成方法 | |
JP2002023270A (ja) | スクリーン保持構造 | |
JP2005178057A (ja) | 導電性反射防止膜およびその成膜方法、それを備えた画像表示装置、透光板並びにプロジェクタ | |
JP2004233501A (ja) | 光変調装置及び該光変調装置を備えたプロジェクタ | |
JPH0513049A (ja) | 平面型螢光ランプ及びこれを用いた液晶プロジエクタ | |
CN219676430U (zh) | 一种分区背光投影控制装置 | |
JPH0588001A (ja) | 陰極線管のフエース部外表面の反射防止膜形成方法 | |
CN101154023A (zh) | 投影机 | |
CN114002904A (zh) | 一种屏幕破损修补方法 | |
CN114002905A (zh) | 一种屏幕修补方法 |