JP2005178057A - 導電性反射防止膜およびその成膜方法、それを備えた画像表示装置、透光板並びにプロジェクタ - Google Patents

導電性反射防止膜およびその成膜方法、それを備えた画像表示装置、透光板並びにプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】 反射防止と帯電防止の両方に対して実用的な効果を奏することができる導電性反射防止膜を、蒸着またはスパッタリングなどを利用して成膜できるようにすること。
【解決手段】 屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目に導電を主目的とするITO層13を配し、最外層に反射防止を主目的とするSiO2層14を配してなる導電性反射防止膜10であって、表面抵抗率が、1×107〜1×1012(Ω/□)の範囲内となるように、SiO2層14を多数の小孔15を有したポーラス構造とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、帯電防止機能と反射防止機能の両方を兼ね備えた導電性反射防止膜、その導電性反射防止膜を備えた画像表示装置、透光板、プロジェクタなどに関する。
表示管や表示パネルの表面における帯電を防止し、かつ表面の反射を防止するためのいくつかの方法が知られている。例えば、まずガラス基板に真空蒸着またはスパッタリングなどにより導電性膜を形成し、その上に反射防止膜を形成するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、超微粒子膜をディッピング・焼結形成することで、低反射率と導電性を得るようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開昭61−51101号公報 特開平7−272646号公報(図2など)
しかしながら、従来の蒸着またはスパッタリングなどにより導電性膜および反射防止膜を形成したものは、表面に導電率が低い反射防止膜が一様に形成されているため、必ずしも実用的な帯電防止効果を得ることができなかった。一方、超微粒子膜を成膜する方法はディッピングによる成膜に限定されているため、蒸着またはスパッタリングなどの方法を使って成膜しているものにとっては、そのための装置の交換や操作の習得が必要となる。
本発明は上記課題に対応したものであり、反射防止と帯電防止の両方に対して実用的な効果を奏することが出来る導電性反射防止膜を蒸着またはスパッタリングなどを利用して成膜すること、さらにその導電性反射防止膜を備えた画像表示装置、透光板並びにプロジェクタを提案することも目的とする。
本発明の導電性反射防止膜は、屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目に導電を主目的とする導電層(例えばITOからなる層)を配し、最外層に反射防止を主目的とする反射防止層(例えばSiO2からなる層)を配してなるものであって、表面抵抗率が1×107〜1×1012(Ω/□)の範囲内となるように、前記反射防止層を多数の小孔を有したポーラス構造としたことを特徴とする。なお、前記小孔は前記反射防止層を貫く貫通孔であってもよい。また、反射防止層のいずれか一方の面に形成された凹部であってもよい。さらに、前記小孔の中に前記導電層が入り込んでいてもよい。これらによって、帯電防止と反射防止の両方に対して実用的な効果を奏する導電性反射防止膜が得られる。
本発明の画像表示装置は、画像を表示する表示装置の画面に上記の導電性反射防止膜を成膜してなることを特徴とする。また、本発明の透光板は、透明基板の表面に上記の導電性反射防止膜を成膜してなることを特徴とする。これらにより、埃がつきにくくかつ反射が抑制される視認性に優れた画像表示装置や透光板が得られる。さらに、本発明のプロジェクタは、投写画像を生成して出力する液晶パネルの外側面に上記の導電性反射防止膜を備えてなることを特徴とする。これにより、投写画像から液晶パネルに埃がつきにくくなるとともに、光が効率的に利用されるため、画像品質が向上する。
本発明の成膜方法は、屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目にITO層を配し、最外層にSiO2層を配してなる導電性反射防止膜の成膜方法であって、成膜しよう部材に前記SiO2層までの全ての層を積層した後、多数の開口を有したマスクを前記SiO2層上に形成し、該マスクを保護膜として前記SiO2層をエッチングして多数の小孔を形成し、その後、前記マスクを除去することを特徴とする。
また、屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目にITO層を配し、最外層にSiO2層を配してなる導電性反射防止膜の成膜方法であって、成膜しよう部材に前記ITO層までの複数の層を積層した上に、多数の開口を有したマスクを通してSiO2を蒸着またはスパッタして多数の小孔を有した前記SiO2層を形成することを特徴とする。
また、屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目にITO層を配し、最外層にSiO2層を配してなる導電性反射防止膜の成膜方法であって、成膜しよう部材に前記ITO層より下位の複数の層を積層した上に、多数の開口を有した第1マスクを通してITOを蒸着またはスパッタして多数の凸部を有した前記ITO層を形成し、前記ITO層の上に該ITO層の凸部間に対応した領域を開口した第2マスクを通してSiO2を蒸着またはスパッタして前記SiO2層を形成することを特徴とする。
また、屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目にITO層を配し、最外層にSiO2層を配してなる導電性反射防止膜の成膜方法であって、成膜しよう部材に前記ITO層より下位の複数の層を積層した上に、多数の開口を有した第3マスクを通してITOを蒸着またはスパッタして多数の凸部を有した前記ITO層を形成し、前記ITO層の上に該ITO層の凸部に対応した領域を開口した第4マスクを通してSiO2を蒸着またはスパッタして多数の小孔を有した前記SiO2層を形成し、その後、前記凸部先端のSiO2層をエッチングして除去することを特徴とする。
さらに、屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目にITO層を配し、最外層にSiO2層を配してなる導電性反射防止膜の成膜方法であって、成膜しよう部材に前記ITO層より下位の複数の層を積層した上に、多数の開口を有した第5マスクを通してITOを蒸着またはスパッタして多数の凸部を有した前記ITO層を形成し、前記ITO層の上に該ITO層の凸部間に対応した領域を開口した第6マスクを通してSiO2を蒸着またはスパッタして前記SiO2層を形成し、その後、前記凸部間の前記SiO2層をエッチングして前記ITO層に向かう小孔を形成することを特徴とする。
以上の各方法にれば、反射防止と帯電防止の両方に対して実用的な効果を奏することが可能な導電性反射防止膜が、蒸着またはスパッタリングにより、またそれらにエッチング処理を加えて成膜できる。
(導電性反射防止膜)
図1は本発明の実施形態に係る導電性反射防止膜の構成を示す図であって、(a)がその一部断面図、(b)がその一部平面図である。この導電性反射防止膜10は、液晶パネルの表示面に備えられる防塵ガラス基板1に成膜されたものであり、ガラス基板1側から、ZrO2層11、SiO2層12、ITO(Indium Tin Oxide)層13、SiO2層14の各層が順に積層された多層膜である。従って、SiO2層14が最外層となり、ITO層13が最外層から2層目となっている。なお、ここでは各層の厚さの基準となる光の波長λはλ=500〜520nmであり、各層の厚さは、ZrO2層11が0.13λ、SiO2層12が0.06λ、ITO層13が0.25λ、SiO2層14が0.25λとなっている。
最外層であるSiO2層14には、この層を貫通する小孔15がほぼ均等に配置されている。この小孔15の目的は、最外層であるSiO2層14をポーラス構造にしてその空孔率を増し、その誘電率を低下させて、SiO2層表面に存在する電荷量を減少させることである。すなわち、小孔15は導電性反射防止膜10の表面の表面抵抗率を、それが帯電防止効果を奏するとされている値、1×107〜1×1012Ω/□(単位面積当たり)の範囲内とするように調整をするために設けられたものである。この場合の空孔率は、
(小孔総数×1個当たりの小孔面積)/(SiO2層14の全面積)
を意味している。なお、小孔15は、必ずしも貫通孔である必要はなく、SiO2層14
の外側面または内側面に対して凹部となっているものであってもよい。また、小孔15は、必ずしも同径の円筒形状である必要はなく、テーパ形状となっていてもよい。
小孔15は以上のような性格のものであり、その定量化は必ずしも容易ではないが、次のように言うことは出来る。小孔15の最大直径は可視光波長以下とするのが好ましく、例えば300nmとする。また、小孔15の最小直径は金属原子の有効半径の100倍程度とするのが好ましく、その有効半径を0.15nmとして、例えば15nmとする。なお、小孔15間のピッチについては、図2に示すSiO2の比誘電率と空孔率との関係を利用してそれを決定することが可能である。また、ピッチを変えたいくつか例を実施してそれらの表面抵抗率を求め、そのなかの最も適切なピッチに定めてもよい。
図1の導電性反射防止膜10において、得られた表面抵抗率は、1.8×109Ω/□〜2.0×1010Ω/□ であった。これは、帯電防止効果を奏するとされている値、1×107Ω/□〜1×1012Ω/□の範囲内にある。図1の導電性反射防止膜10が成膜された防塵ガラスを備えた液晶パネル2個と、導電性反射防止膜10が成膜されていない防塵ガラスを備えた液晶パネル2個とを1週間同じ環境のもとに置いて、粉塵の付着試験を行った。なお、導電性反射防止膜10が成膜された防塵ガラスの導電性反射防止膜10の表面は、接地(アース)して、電荷がその表面からGNDへ流れるようにした。その結果は、図3に示すとおりである。図3によれば、導電性反射防止膜10が成膜された防塵ガラスを備えた液晶パネルでは、粉塵の付着量は100ピクセルに相当する値以下であったのに対して、導電性反射防止膜10が成膜されていない防塵ガラスを備えた液晶パネルの場合は、粉塵の付着量が約800ピクセルと約1800ピクセル相当となった。これにより、導電性反射防止膜10の帯電防止効果による防塵効果が実証できた。
ところで、導電性反射防止膜10は図1に示すような4層から成るものであっが、本発明の導電性反射防止膜は、それらに限定されるものではなく、図4の番号1〜8に示すような層の組合わせから成るものから構成してもよい。なお、図4においては、層番号1が基板側となり、層番号が大きくなるほど外側の層となっている。また、最外層のSiO2と最外層から2番目のITO層は、それぞれ同様の性質を有する他の金属で置き換えてもよい。
(導電性反射防止膜の製造方法)
その1
図5は本発明に係る導電性反射防止膜の成膜方法その1を示す工程図である。これは、まず成膜しよう部材にSiO2層14までの全ての層を蒸着またはスパッタを利用して積層する。その後、小孔15に対応する多数の開口を有したマスク20をSiO2層上に形成し(a)、それを保護膜としてSiO2層14をエッチングして多数の小孔15を形成し(b)、その後、マスク20を除去して導電性反射防止膜10を成膜するものである。なお、図5ではITO層13より下位の層を省略している。マスク20は、例えばSiO2層14上にコーティングしたレジスト膜であり、このレジスト膜をフォトリソグラフィ法などを利用して開口となるべき部位を除去してマスクとしたものである。小孔15の形成後、マスク20であるレジスト膜はレジスト剥離液や酸素プラズマなどを利用してSiO2層14から除去する。なお、小孔15は、図6に示すように、ITO層13に届く深さとなるようにしてもよい。
その2
図7は本発明に係る導電性反射防止膜の成膜方法その2を示す工程図である。これは、まず成膜しよう部材にITO層13までの複数層を蒸着またはスパッタを利用して積層する。その後、小孔15に対応する多数の開口を有したマスク(金属板など)21を、ITO層13から離して位置させたまま、そのマスク21を通してSiO2を蒸着またはスパッタして、多数の小孔を有したSiO2層14をITO層13上に形成するものである(a〜b〜c)。なお、図7ではITO層13より下位の層を省略している。また、この場合にも、小孔15が、図6に示すように、ITO層13に届く深さとなるようにしてもよい。
その3
図8は本発明に係る導電性反射防止膜の成膜方法その3を示す工程図である。これは、まず成膜しよう部材にITO層13より下位の層までの複数層11,12を蒸着またはスパッタを利用して積層する。その後、小孔15に対応する多数の開口を有した第1マスク(金属板など)22を通してITOを蒸着またはスパッタして多数の凸部を有したITO層13を形成する(a)。さらに、ITO層13の上にその凸部間に対応した領域を開口した第2マスク(金属板など)23を通してSiO2を蒸着またはスパッタしてSiO2層14を形成するものである(b〜c)。この形状は、結果的に、SiO2層14が有する多数の小孔15の中にITO層13が入り込んでいるのと同じ状態である。なお、図9に示すように、ITO層13の凸部先端がSiO2層から露出する状態となってもよい。
その4
図10は本発明に係る導電性反射防止膜の成膜方法その4を示す工程図である。これは、まず成膜しよう部材にITO層13より下位の層までの複数層11,12を蒸着またはスパッタを利用して積層する。その後、小孔15に対応する多数の開口を有した第3マスク(金属板など)24を通してITOを蒸着またはスパッタして多数の凸部を有したITO層13を形成する(a)。さらに、ITO層13の上にその凸部に対応した領域を開口した第4マスク(金属板など)25を通してSiO2を蒸着またはスパッタして多数の小孔15を有したSiO2層14を形成する(b)。その後、SiO2層14上にエッチングマスクを形成して、ITO層13の凸部先端にあるSiO2層14のみをエッチングして除去する(c)。そして最後に、エッチングマスクを除去すれば完了である(d)。なお、ここでも、ITO層13の凸部先端を露出させるようにしてもよい。この場合のSiO2層14のエッチングも、上記その1で説明した方法を利用して行うことができる。
その5
図11は本発明に係る導電性反射防止膜の成膜方法その5を示す工程図である。これは、まず成膜しよう部材にITO層13より下位の層までの複数層11,12を蒸着またはスパッタを利用して積層する。その後、小孔15に対応する多数の開口を有した第5マスク(金属板など)26を通してITOを蒸着またはスパッタして多数の凸部を有したITO層13を形成する(a)。さらにITO層13の上にその凸部間に対応した領域を開口した第6マスク(金属板など)27を通してSiO2を蒸着またはスパッタしてSiO2層14を形成する(b〜c)。その後、SiO2層14上にエッチングマスクを形成して、ITO層13の凸部間のSiO2層14をエッチングして、そこにITO層13に至る小孔15を形成する(d〜e)。そして最後に、エッチングマスクを除去すれば完了である(f)。なお、小孔15は、必ずしもITO層13まで貫通している必要はない。また、この場合のSiO2層14のエッチングも、上記その1で説明した方法を利用して行うことができる。
(導電性反射防止膜を備えた液晶パネル)
次に、導電性反射防止膜を備えた液晶パネルについて説明する。図12は光変調手段としてプロジェクタに組み込まれる液晶パネル50の分解斜視図である。なお、図12においては、右側が入射面側、左側が出射面側である。
液晶パネル50は、ほぼ矩形状の保持枠500内に、光変調表示体としての液晶表示体70が収納され、その外側(出射面側)から、中央に光通過用の開口512を有し、且つ入射面側に凸に湾曲した構成の板状バネ部材510の左右端部の枠状部514が、保持枠500に設けられたフック501に係合することで各構成部材が一体的に結合された構成となっている。
保持枠500は、その中央部に光通過用の開口部502を有している。また、保持枠500の四隅には、液晶パネル50を図示しない固定部材を介してプリズム合成体にネジ固定するためのネジ穴504が螺設されている。また、保持枠500の左右側面部に前述のフック501が設けられている。
液晶表示体70は、液晶パネル本体40と、液晶パネル本体40の入射側表面及び出射側表面にそれぞれ配置された2枚の防塵ガラス600,602とを有している。液晶パネル本体40には、本例ではTFT基板42とこのTFT基板42に対向する対向基板44との間に図示しない液晶を封入した構成のものを用いている。
入射側の防塵ガラス600は、液晶パネル本体40の対向基板44と外形形状がほぼ同じに設定されており、液晶パネル本体40の入射側の表面に貼着固定されている。そしてその外側面のほぼ全面に前述した導電性反射防止膜10が成膜されている。一方、出射側の防塵ガラス602は、液晶パネル本体40のTFT基板42と外形形状がほぼ同じに設定されており、液晶パネル本体40の出射側の表面に貼着固定されている。そしてその外側面のほぼ全面に前述した導電性反射防止膜10が成膜されている。このような導電性反射防止膜10を設けることで、防塵ガラス600,602の表面における静電気の帯電が防止されて粉塵の付着に起因する表示影が低減され、かつ、光の透過率が向上して光の利用効率を高めることも可能となり、これにより鮮明な画像を得ることが可能となる。
なお、静電気の帯電をより効果的に防止するため、液晶パネル本体40の表示領域62の外周に相当する部分の各防塵ガラス600,602の表面に、導電性反射防止膜10よりも電気抵抗値の小さい導電部材604を周設しておくのがよい。これにより、液晶表示体70表面に帯電しようとする静電気の放電効果を高めるできるからである。この導電部材604としては、例えば、蒸着、スパッタリング、メッキなどで形成されたCu、Ni等の導電性薄膜や、弾性力を有する導電性ゴム材が用いられる。
また、対向基板44とTFT基板42との間の上部から上方に向けては、液晶パネル本体40に対して電気的な接続を行うためのフレキシブルケーブル(FPC)46が延びている。このFPC46には、液晶パネル本体40を駆動するための駆動回路に接続される複数ライン(図示せず)が設けられている。また、FPC46の入射側表面及び出射側表面のそれぞれには、幅方向(左右方向)に離間して2つのFPC48が設けられている。FPC48は、FPC46と電気的に接続されており、それらは導電性反射防止膜10を電気的に接地するGNDライン400に接続されている。
FPC48の下端部は、導電部材604にハンダ付けされており、これによりGNDライン400と導電部材604とが電気的に接続されて導電部材604が電気的に接地された状態となっている。また、ここでは、GNDライン400を入射面側、出射面側にそれぞれ2つずつ設けた構成を図示しているが、1つずつとしても良い。
このように導電部材604をGNDライン400に接続することにより、液晶パネル50の表示領域62に帯電しようとする静電気は、表面の導電性反射防止膜10から導電部材604を介してGNDライン400へ逃がされる。このため、静電気の帯電に起因する表示領域62へのゴミ、ケバ等の付着を防止することができる。その結果、ゴミ、ケバ等の付着に伴う画質の劣化防止を行うことができる。
(導電性反射防止膜を備えた液晶パネルを組み込んだプロジェクタ)
図13はプロジェクタの光学系の概略構成図である。本例の光学系は、光源ランプ805と、均一照明光学素子であるインテグレータレンズ921,922を有する均一照明光学系923と、この照明光学系923から出射される光束Wを、赤、緑、青の各色光束R、G、Bに分離する色分離光学系924と、各色光束を変調する光変調素子としての液晶パネル本体40R,40G,40Bをそれぞれ有する3枚の液晶パネル50R,50G,50Bと、変調された色光束を合成する色合成光学系としてのプリズム合成体22と、合成された光束を投写面上に拡大投写する投写レンズ80とから構成される。また、色分離光学系924によって分離された各色光束のうち、青色光束Bを対応する液晶パネル50Bに導くリレー光学系927を有している。
色分離光学系924は、青緑反射ダイクロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー942と、反射ミラー943から構成される。まず、青緑反射ダイクロイックミラー941において、均一照明光学系923を通った光束Wのうち、そこに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射されて、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向かう。赤色光束Rは、このミラー941を通過して、後方の反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束の出射部944から色合成光学系の側に出射される。次に、緑反射ダイクロイックミラー942において、ミラー941において反射された青および緑の光束B、Gのうち、緑色光束Gのみが直角に反射されて、緑色光束の出射部945から色合成光学系の側に出射される。このミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束の出射部946からリレー光学系927の側に出射される。本例では、均一照明光学素子の光束の出射部から、色分離光学系924における各色光束の出射部944,945,946までの距離が全てほぼ等しくなるように設定されている。
色分離光学系924の赤色光束及び緑色光束の出射部944,945の出射側には、それぞれ集光レンズ951,952が配置されている。したがって、各出射部から出射した赤色光束及び緑色光束は、これらの集光レンズ951,952に入射して平行化される。平行化された赤色および緑色の光束R、Gは、偏光板60R,60Gによって偏光方向が揃えられた後、液晶パネル50R,50Gに入射して変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。
一方、青色光束Bは、リレー光学系927を介し、さらに、偏光板60Bによって偏光方向が揃えられた後、対応する液晶パネル50Bに導かれて、ここにおいて、同様に画像情報に応じて変調が施される。
リレー光学系927は、集光レンズ974と入射側反射ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらのミラー間に配置した中間レンズ973と、液晶パネル本体40Bの手前側に配置した集光レンズ953から構成される。各色光束の光路の長さ、すなわち、光源ランプ805から各光変調装置までの距離は、青色光束Bが最も長くなり、したがって、この光束の光量損失が最も多くなる。しかし、リレー光学系927を介在させることにより、光量損失を抑制できる。
各液晶パネル50R,50G,50Bを通って変調された各色光束は、偏光板61R,61G,61Bに入射し、これを透過した光がプリズム合成体22に入射され、ここで合成される。本例では、ダイクロイックプリズムからなるプリズム合成体22を用いて色合成光学系を構成している。ここで合成されたカラー画像は、投写レンズ80を介して、所定の位置にある投写面100上に拡大投写される。
本発明の導電性反射防止膜10は、ブラウン管、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションTVなどの画像表示装置の画面、建物または自動車の窓ガラス、ガラスケースなどの各種透光板に成膜して、反射防止用および防塵用として利用することができる。なお、実際の適用に当たっては、前述したように、それら導電性反射防止膜10の表面を接地しておくと、より効果的な帯電防止が可能となる。
本発明の実施形態に係る導電性反射防止膜を示す図。 SiO2膜の比誘電率と空孔率との相関関係を示す図。 導電性反射防止膜の有無による液晶パネルの粉塵付着試験結果を示す図。 本発明の実施形態に係る導電性反射防止膜の膜の組み合わせ例を示す図。 本発明に係る導電性反射防止膜の成膜方法その1を示す工程図。 導電性反射防止膜の最外層の他の態様を示す断面図。 本発明に係る導電性反射防止膜の成膜方法その2を示す工程図。 本発明に係る導電性反射防止膜の成膜方法その3を示す工程図。 導電性反射防止膜の最外層とそれに隣接する層の他の態様を示す断面図。 本発明に係る導電性反射防止膜の成膜方法その4を示す工程図。 本発明に係る導電性反射防止膜の成膜方法その5を示す工程図。 本発明の実施形態に係る液晶パネルの外観斜視部。 本発明の実施形態に係るプロジェクタの概略光学構成図。
符号の説明
1…ガラス基板、10…導電性反射防止膜、11…ZrO2層、12…SiO2層、13…ITO層、14…SiO2層、15…小孔、20…マスク、21…マスク、22…第1マスク、23…第2マスク、24…第3マスク、25…第4マスク、26…第5マスク、27…第6マスク。

Claims (12)

  1. 屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目に導電を主目的とする導電層を配し、最外層に反射防止を主目的とする反射防止層を配してなる導電性反射防止膜であって、
    表面抵抗率が1×107〜1×1012(Ω/□)の範囲内となるように、前記反射防止層を多数の小孔を有したポーラス構造としたことを特徴とする導電性反射防止膜。
  2. 前記小孔が前記反射防止層を貫く貫通孔であることを特徴とする請求項1記載の導電性反射防止膜。
  3. 前記小孔の中に前記導電層が入り込んでいることを特徴とする請求項1または2記載の導電性反射防止膜。
  4. 前記導電層がITOからなり、前記反射防止がSiO2からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の導電性反射防止膜。
  5. 画像を表示する表示装置の画面に請求項1ないし4のいずれかに記載の導電性反射防止膜を成膜してなることを特徴とする画像表示装置。
  6. 透明基板の表面に請求項1ないし4のいずれかに記載の導電性反射防止膜を成膜してなることを特徴とする透光板。
  7. 投写画像を生成して出力する液晶パネルの外側面に請求項1ないし4のいずれかに記載の導電性反射防止膜を備えてなることを特徴とするプロジェクタ。
  8. 屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目にITO層を配し、最外層にSiO2層を配してなる導電性反射防止膜の成膜方法であって、
    成膜しよう部材に前記SiO2層までの全ての層を積層した後、多数の開口を有したマスクを前記SiO2層上に形成し、該マスクを保護膜として前記SiO2層をエッチングして多数の小孔を形成し、
    その後、前記マスクを除去することを特徴とする導電性反射防止膜の成膜方法。
  9. 屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目にITO層を配し、最外層にSiO2層を配してなる導電性反射防止膜の成膜方法であって、
    成膜しよう部材に前記ITO層までの複数の層を積層した上に、多数の開口を有したマスクを通してSiO2を蒸着またはスパッタして多数の小孔を有した前記SiO2層を形成することを特徴とする導電性反射防止膜の成膜方法。
  10. 屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目にITO層を配し、最外層にSiO2層を配してなる導電性反射防止膜の成膜方法であって、
    成膜しよう部材に前記ITO層より下位の複数の層を積層した上に、多数の開口を有した第1マスクを通してITOを蒸着またはスパッタして多数の凸部を有した前記ITO層を形成し、
    前記ITO層の上に該ITO層の凸部間に対応した領域を開口した第2マスクを通してSiO2を蒸着またはスパッタして前記SiO2層を形成することを特徴とする導電性反射防止膜の成膜方法。
  11. 屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目にITO層を配し、最外層にSiO2層を配してなる導電性反射防止膜の成膜方法であって、
    成膜しよう部材に前記ITO層より下位の複数の層を積層した上に、多数の開口を有した第3マスクを通してITOを蒸着またはスパッタして多数の凸部を有した前記ITO層を形成し、
    前記ITO層の上に該ITO層の凸部に対応した領域を開口した第4マスクを通してSiO2を蒸着またはスパッタして多数の小孔を有した前記SiO2層を形成し、
    その後、前記凸部先端のSiO2層をエッチングして除去することを特徴とする導電性反射防止膜の成膜方法。
  12. 屈折率の異なる複数種類の層を積層し、最外層から2層目にITO層を配し、最外層にSiO2層を配してなる導電性反射防止膜の成膜方法であって、
    成膜しよう部材に前記ITO層より下位の複数の層を積層した上に、多数の開口を有した第5マスクを通してITOを蒸着またはスパッタして多数の凸部を有した前記ITO層を形成し、
    前記ITO層の上に該ITO層の凸部間に対応した領域を開口した第6マスクを通してSiO2を蒸着またはスパッタして前記SiO2層を形成し、
    その後、前記凸部間の前記SiO2層をエッチングして前記ITO層に向かう小孔を形成することを特徴とする導電性反射防止膜の成膜方法。
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