JP2004101771A - 光フィルタ及びそれを用いた光増幅器 - Google Patents

光フィルタ及びそれを用いた光増幅器 Download PDF

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畑山 均
Mototaka Kadoi
角井 素貴
Tatsuhiko Shitomi
蔀 龍彦
Masayuki Shigematsu
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Abstract

【課題】損失スペクトルの制御性が向上される光フィルタ、及びそれを用いた光増幅器を提供する。
【解決手段】正弦波状の第1損失スペクトルを有する第1光学素子1と、正弦波状の第2損失スペクトルを有する第2光学素子2とを、入力端51及び出力端52の間で直列に接続して設置することにより、入力された光に対して所定の損失スペクトルによって損失を与える光フィルタ5を構成する。そして、損失制御回路3により、損失スペクトルの位相が波長に対して同方向にシフトするように2個の光学素子1、2のそれぞれを制御し、または、いずれか一方の損失スペクトルの位相が波長に対してシフトするように2個の光学素子1、2の一方を制御することによって、全体での損失スペクトルを制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された光に対して、所定の損失スペクトルによって損失を与える光フィルタ、及びそれを用いた光増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光増幅器は、光伝送システムで光伝送路を伝送される信号光に対して、光伝送路での伝送損失を補償すべく信号光を増幅するものである。光増幅器としては、例えば、Er(エルビウム)などの希土類元素が添加された光ファイバを増幅用光導波路として用いた希土類元素添加ファイバ増幅器などが用いられている。
【0003】
近年、光伝送路に互いに異なる波長を有する複数の信号光からなる多波長信号光を伝送させる波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送システムの開発と利用が進められている。このようなWDM伝送システムに上記した光増幅器を適用する場合、多波長信号光のそれぞれを互いに等しい利得で一括して増幅するとともに、多波長信号光のそれぞれのパワーを一定範囲のパワー値として出力することが重要となる。これに対して、光増幅器において信号光の増幅利得を平坦化するため、増幅用光導波路における利得の波長依存性(利得スペクトル)と同様の損失の波長依存性(損失スペクトル)を有する光フィルタが利得等化器として用いられる。
【0004】
【特許文献1】
国際公開第01/05005号パンフレット
【非特許文献1】
M. Fukutoku, M. Fukui, M. Yamada, K. Oda, and H. Toba, ”25 nm Bandwidth Optical Gain Equalization for 32−Channel WDM Transmission with a Lattice Type Optical Circuit”, OAA1996, Tech.Dig., FA4 (1996)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した光フィルタとして、例えば、特許文献1「国際公開第01/05005号」に記載されたものがある。この文献には、2つの光カプラを介して光結合された2本の光導波路の少なくとも一方に対して損失スペクトルを制御するための温度調整手段が設けられたマッハツェンダ干渉計(MZI:Mach Zehnder Interferometer)型の光回路を用い、2個のMZI型光回路を直列に接続することによって構成された光フィルタが記載されている。
【0006】
上記文献では、2個のMZI型光回路を合わせた光フィルタの全体での損失スペクトルに対して、それぞれの光回路において光導波路の温度を調整して2個の光回路での損失スペクトルを波長に対して逆方向にシフトさせ、所定波長での損失が略一定に保持された状態で損失傾斜が変化するように全体での損失スペクトルを制御している。このように、光フィルタでの損失傾斜を変化させることにより、光増幅器での利得傾斜の変動を補償し、利得平坦化を実現する。このような利得平坦化は、WDM伝送システムの大容量化を進める上でも重要である。
【0007】
しかしながら、この光フィルタでは、全体での損失スペクトルの制御は、上記したように所定波長での損失を略一定としての損失傾斜の調整に限られている。このため、光増幅器での利得スペクトルの変動の状態によっては、光増幅器における利得平坦化を充分に実現することができない場合がある。
【0008】
例えば、Tm(ツリウム)が添加されたTm添加光ファイバ(TDF:Thulium−Doped Fiber)を増幅用光導波路として用いたTm添加ファイバ増幅器(TDFA:Thulium−Doped Fiber Amplifier)をWDM伝送システムに適用した場合、多波長信号光での伝送されている信号数の変化、及びそれぞれの信号光パワーの変化の両方が、光増幅器での利得スペクトルの変動の原因となる。
【0009】
また、このような光増幅器では、利得傾斜の変動のみでなく、利得スペクトルの中心波長がシフトし、あるいは、利得スペクトルの直線性が変化するなど、光増幅器での利得スペクトルが様々な状態に変動する。このような場合、上記した光フィルタ及びその制御方法では、その損失スペクトルの制御性が限られているため、光増幅器における利得平坦化を充分に実現することが難しいという問題があった。
【0010】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、損失スペクトルの制御性が向上される光フィルタ、及びそれを用いた光増幅器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による光フィルタは、(1)光の波長に対して正弦波状の第1損失スペクトルを有する第1光学素子と、(2)第1光学素子と直列に接続され、光の波長に対して正弦波状の第2損失スペクトルを有する第2光学素子と、(3)第1損失スペクトルの位相、及び第2損失スペクトルの位相を波長に対して同方向にシフトさせることによって、第1光学素子及び第2光学素子を合わせた全体での損失スペクトルを制御する損失制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記した光フィルタにおいては、入力された光に対して、第1損失スペクトルによって損失を与える第1光フィルタとして機能する第1光学素子と、第2損失スペクトルによって損失を与える第2光フィルタとして機能する第2光学素子とを直列に接続して、光フィルタの全体を構成する。そして、損失スペクトルの位相が同方向にシフトするように2個の光学素子のそれぞれを制御することによって、全体での損失スペクトルを制御している。
【0013】
このような構成及び制御方法によれば、所定波長での損失を略一定としての損失傾斜の調整に限らず、光フィルタでの損失スペクトルを様々な状態に変化させることが可能となる。これにより、光フィルタでの損失スペクトルの制御性が向上される。また、光増幅器に対して適用した場合に、その利得平坦化を充分に実現することが可能な光フィルタが得られる。
【0014】
また、損失制御手段は、所定の波長帯域内において、全体での損失スペクトルの形状が保持された状態で中心波長をシフトさせることを特徴とする。これにより、光増幅器での利得スペクトルの中心波長がシフトした場合に、そのような利得スペクトルの変動が補償されるように光フィルタでの損失スペクトルを制御して、利得平坦化を実現することが可能な光フィルタが得られる。
【0015】
この場合、所定の波長帯域内において、全体での損失スペクトルの所定の基準値からの損失傾斜変化量が−0.0025dB/nm以上0.0025dB/nm以下(−0.1dB/40nm以上0.1dB/40nm以下)となる条件が満たされた状態で、損失制御手段によって中心波長を幅6nm(±3nm)以上の波長範囲にわたってシフトさせることが可能であることが好ましい。
【0016】
また、損失制御手段は、所定の波長帯域内において、全体での損失スペクトルの直線性を変化させることを特徴とする。これにより、光増幅器での利得スペクトルの直線性が変化した場合に、そのような利得スペクトルの変動が補償されるように光フィルタでの損失スペクトルを制御して、利得平坦化を実現することが可能な光フィルタが得られる。
【0017】
この場合、所定の波長帯域内において、損失制御手段によって直線性を0.5dB以下の所定の直線性から1.4dB以上の所定の直線性までの直線性範囲にわたって変化させることが可能であることが好ましい。
【0018】
また、(1)第1光学素子は、第1光導波路と、第1光導波路よりも短い光路長を有し、少なくとも2つの光カプラを介して第1光導波路と光結合されて、第1光導波路とともにマッハツェンダ干渉計を構成する第2光導波路とを含む第1光回路であり、(2)第2光学素子は、第3光導波路と、第3光導波路よりも短い光路長を有し、少なくとも2つの光カプラを介して第3光導波路と光結合されて、第3光導波路とともにマッハツェンダ干渉計を構成する第4光導波路とを含む第2光回路であることを特徴とする。
【0019】
このように、マッハツェンダ干渉計型の光回路を2個の光学素子のそれぞれとして用いることにより、上記構成の光フィルタを好適に実現することができる。また、このような構成では、平面導波路型光回路等によって光フィルタを形成することができるので、小型の光フィルタとすることができる。
【0020】
このようにマッハツェンダ干渉計型の光回路を用いた構成では、損失制御手段は、第1光導波路の光路長をL1a、第1光導波路に設けられた温度調整手段への供給電力変化量をΔP1a、第2光導波路の光路長をL1b、第2光導波路に設けられた温度調整手段への供給電力変化量をΔP1b、第3光導波路の光路長をL2a、第3光導波路に設けられた温度調整手段への供給電力変化量をΔP2a、第4光導波路の光路長をL2b、第4光導波路に設けられた温度調整手段への供給電力変化量をΔP2bとしたときに、これらの光路長及び供給電力変化量が、関係式
【数2】
Figure 2004101771
を満たす条件で、全体での損失スペクトルを変化させることが好ましい。
【0021】
これにより、所定の波長帯域内において、全体での損失スペクトルの形状が保持された状態で中心波長をシフトさせることができる。このとき、上述したように、光増幅器での利得スペクトルの中心波長がシフトした場合に、その利得スペクトルの変動が補償されるように光フィルタでの損失スペクトルを制御して、利得平坦化を実現することが可能な光フィルタが得られる。
【0022】
また、本発明による光フィルタは、(1)光の波長に対して正弦波状の第1損失スペクトルを有する第1光学素子と、(2)第1光学素子と直列に接続され、光の波長に対して正弦波状の第2損失スペクトルを有する第2光学素子と、(3)第1損失スペクトルの位相、または第2損失スペクトルの位相のいずれか一方を波長に対してシフトさせることによって、第1光学素子及び第2光学素子を合わせた全体での損失スペクトルを制御する損失制御手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
上記した光フィルタにおいては、入力された光に対して、第1損失スペクトルによって損失を与える第1光フィルタとして機能する第1光学素子と、第2損失スペクトルによって損失を与える第2光フィルタとして機能する第2光学素子とを直列に接続して、光フィルタの全体を構成する。そして、いずれか一方の損失スペクトルの位相がシフトするように2個の光学素子の一方を制御することによって、全体での損失スペクトルを制御している。
【0024】
このような構成及び制御方法によれば、所定波長での損失を略一定としての損失傾斜の調整に限らず、光フィルタでの損失スペクトルを様々な状態に変化させることが可能となる。これにより、光フィルタでの損失スペクトルの制御性が向上される。また、光増幅器に対して適用した場合に、その利得平坦化を充分に実現することが可能な光フィルタが得られる。
【0025】
また、(1)第1光学素子は、第1光導波路と、第1光導波路よりも短い光路長を有し、少なくとも2つの光カプラを介して第1光導波路と光結合されて、第1光導波路とともにマッハツェンダ干渉計を構成する第2光導波路とを含む第1光回路であり、(2)第2光学素子は、第3光導波路と、第3光導波路よりも短い光路長を有し、少なくとも2つの光カプラを介して第3光導波路と光結合されて、第3光導波路とともにマッハツェンダ干渉計を構成する第4光導波路とを含む第2光回路であることを特徴とする。
【0026】
このように、マッハツェンダ干渉計型の光回路を2個の光学素子のそれぞれとして用いることにより、上記構成の光フィルタを好適に実現することができる。また、このような構成では、平面導波路型光回路等によって光フィルタを形成することができるので、小型の光フィルタとすることができる。
【0027】
本発明による光増幅器は、(a)所定の増幅波長帯域内にある信号光を励起光によって増幅する増幅用光導波路と、(b)増幅用光導波路に対して所定波長の励起光を供給する励起光供給手段と、(c)増幅用光導波路と直列に接続され、信号光に対して所定の損失スペクトルによって損失を与える上記した光フィルタとを備えることを特徴とする。
【0028】
このような光フィルタを用いた光増幅器によれば、増幅用光導波路における利得スペクトルの変動に応じて、光フィルタでの損失スペクトルを制御することにより、利得平坦化が充分に実現された光増幅器が得られる。
【0029】
この場合、増幅用光導波路としては、例えば、Tmが所定の添加量添加された光導波路を用いることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面とともに本発明による光フィルタ、及びそれを用いた光増幅器の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0031】
まず、本発明による光フィルタの基本構成について説明する。
【0032】
図1は、光フィルタの第1実施形態を模式的に示す構成図である。本実施形態の光フィルタは、光ファイバや平面光導波路などの光導波路から構成され、入力された光に対して所定の損失スペクトルによって損失を与える光部品である。特に、本光フィルタは、WDM伝送システムにおいて光伝送路を伝送される多波長信号光などに対して、信号光パワーの傾斜の補償に好適に適用することが可能に構成されている。
【0033】
図1に示す光フィルタ5は、第1光学素子1、及び第2光学素子2の2個の光学素子を備える。これらの光学素子は、光フィルタ5の入力端51と出力端52との間で、光伝送方向(図中の矢印の方向)に対して光学素子1、2の順で直列に接続されて設置されており、これによって、光フィルタ5が構成されている。
【0034】
第1光学素子1は、図中に模式的に示すように、その損失特性として、光の波長に対して正弦波状の損失スペクトル(第1損失スペクトル)を有している。図1中に示す例では、第1光学素子1の損失スペクトルは、波長λで損失が極小の損失スペクトルとなっている。また、この第1光学素子1は、その損失スペクトルの位相が可変に制御可能なように構成されている。
【0035】
また、第2光学素子2はその損失特性として、光の波長に対して正弦波状で第1損失スペクトルとは異なる損失スペクトル(第2損失スペクトル)を有している。図1中に示す例では、第2光学素子2の損失スペクトルは、波長λで損失が極大の損失スペクトルとなっている。また、この第2光学素子2は、その損失スペクトルの位相が可変に制御可能なように構成されている。
【0036】
これらの光学素子1、2に対し、第1光学素子1及び第2光学素子2を合わせた光フィルタ5の全体での損失スペクトルを制御する制御手段として、損失制御回路3が設置されている。
【0037】
損失制御回路3は、第1光学素子1での損失スペクトルの位相、及び第2光学素子2での損失スペクトルの位相を調整することによって、光フィルタ5の全体での損失スペクトルを制御する。具体的には、損失制御回路3は、第1損失スペクトルの位相、及び第2損失スペクトルの位相を波長に対して同方向にシフトさせることによって、光フィルタ5の全体での損失スペクトルを制御する。あるいは、損失制御回路3は、第1損失スペクトルの位相、または第2損失スペクトルの位相のいずれか一方を波長に対してシフトさせることによって、光フィルタ5の全体での損失スペクトルを制御する。
【0038】
図2は、光フィルタの第2実施形態を示す構成図である。本実施形態は、図1に示した第1実施形態の光フィルタについて、より具体的な構成例を示すものとなっている。また、図3は、図2に示した光フィルタについて、光フィルタを構成する各光導波路の光路長L、光導波路に設けられた温度調整手段への供給電力P、及び供給電力変化量ΔPを示す図である。
【0039】
本実施形態の光フィルタ5Aは、基板50上に所定の導波路パターンで形成された光導波路からなる平面導波路型光回路である。基板50上には、光フィルタ5Aを構成する平面導波路型光回路として、第1光学素子1である第1光回路1Aと、第2光学素子2である第2光回路2Aとが設けられている。これらの光回路は、光フィルタ5Aの入力端51と出力端52との間で、光伝送方向に対して光回路1A、2Aの順で直列に接続されている。
【0040】
第1光回路1Aは、光フィルタ5Aのうち入力端51側の光回路部分である。この光回路1Aは、所定の光路長L1a(図3参照)を有する光導波路(第1光導波路)11と、光導波路11よりも短い光路長L1bを有する光導波路(第2光導波路)12とを含んで構成されている。
【0041】
光導波路11は、図中の左側の端部を光フィルタ5Aの入力端51として形成されている。この光導波路11に対して、入力端51側から第2光回路2A側へと順に、光カプラ13、及び光カプラ14の2個の光カプラが設けられている。また、光導波路12は、光カプラ13、14のそれぞれを介して、光導波路11に対して光結合されている。これにより、光導波路11、12、及び光カプラ13、14は、非対称のマッハツェンダ干渉計(MZI)型の第1光回路1Aを構成している。
【0042】
また、この第1光回路1Aにおいては、MZI型光回路を構成している光導波路11、及び光導波路12のそれぞれに対して、第1光回路1Aによって光に与えられる損失の損失スペクトルを可変に制御するためのヒータ15、16が設けられている。
【0043】
すなわち、光カプラ13、14の間にある光導波路11に対し、光導波路11の温度を調整する温度調整手段として、ヒータ15が設置されている。また、光カプラ13、14の間にある光導波路12に対し、光導波路12の温度を調整する温度調整手段として、ヒータ16が設置されている。
【0044】
これらのヒータ15、16は、光導波路11、12の温度を調整することによって、長い光路長を有する光導波路11と、短い光路長を有する光導波路12とのそれぞれを導波される光に対する位相変化量を調整するものである。また、これらのヒータ15、16の温度は、それぞれのヒータへの供給電力P1a、P1bを変えることによって調整することができる。これにより、第1光回路1Aを通過する光に与えられる損失の第1損失スペクトルは、ヒータ15、16への供給電力P1a、P1bを利用して電気的に調整が可能となっている。
【0045】
第2光回路2Aは、光フィルタ5Aのうち出力端52側の光回路部分である。この光回路2Aは、所定の光路長L2aを有する光導波路(第3光導波路)21と、光導波路21よりも短い光路長L2bを有する光導波路(第4光導波路)22とを含んで構成されている。
【0046】
光導波路22は、図中の右側の端部を光フィルタ5Aの出力端52として形成されている。また、光導波路22の左側の端部は、第1光回路1Aでの光導波路11の右側の端部と光学的に接続されている。これにより、光導波路11及び光導波路22から、入力端51と出力端52との間の光導波路が構成されている。
【0047】
この光導波路22に対して、第1光回路1A側から出力端52側へと順に、光カプラ23、及び光カプラ24の2個の光カプラが設けられている。また、光導波路21は、これらの光カプラ23、24のそれぞれを介して、光導波路22に対して光結合されている。これにより、光導波路21、22、及び光カプラ23、24は、非対称のMZI型の第2光回路2Aを構成している。
【0048】
また、この第2光回路2Aにおいては、MZI型光回路を構成している光導波路21、及び光導波路22のそれぞれに対して、第2光回路2Aによって光に与えられる損失の損失スペクトルを可変に制御するためのヒータ25、26が設けられている。
【0049】
すなわち、光カプラ23、24の間にある光導波路21に対し、光導波路21の温度を調整する温度調整手段として、ヒータ25が設置されている。また、光カプラ23、24の間にある光導波路22に対し、光導波路22の温度を調整する温度調整手段として、ヒータ26が設置されている。
【0050】
これらのヒータ25、26は、光導波路21、22の温度を調整することによって、長い光路長を有する光導波路21と、短い光路長を有する光導波路22とのそれぞれを導波される光に対する位相変化量を調整するものである。また、これらのヒータ25、26の温度は、それぞれのヒータへの供給電力P2a、P2bを変えることによって調整することができる。これにより、第2光回路2Aを通過する光に与えられる損失の第2損失スペクトルは、ヒータ25、26への供給電力P2a、P2bを利用して電気的に調整が可能となっている。
【0051】
これらの光回路1A、2Aに対し、第1光回路1A及び第2光回路2Aを合わせた光フィルタ5Aの全体での損失スペクトルを制御する制御手段として、損失制御回路3が設置されている。損失制御回路3による損失スペクトルの制御方法等については、図1に示した光フィルタ5に関して上述した通りである。
【0052】
上記実施形態による光フィルタの効果について説明する。
【0053】
図1及び図2に示した光フィルタにおいては、入力された光に対して、第1損失スペクトルによって損失を与える前段の光フィルタとして機能する第1光学素子1と、第2損失スペクトルによって損失を与える後段の光フィルタとして機能する第2光学素子2とを直列に接続して、光フィルタの全体を構成している。そして、損失スペクトルの位相が同方向にシフトするように2個の光学素子のそれぞれを制御し、または、いずれか一方の損失スペクトルの位相がシフトするように2個の光学素子の一方を制御することによって、全体での損失スペクトルを制御している。
【0054】
このような構成及び制御方法によれば、所定波長での損失を略一定としての損失傾斜の調整に限らず、光フィルタでの損失スペクトルを様々な状態に変化させることが可能となる。これにより、光フィルタでの損失スペクトルの制御性が向上される。また、後述するように、光増幅器に対して光フィルタを適用した場合に、その利得平坦化を充分に実現することが可能な光フィルタが得られる。
【0055】
また、図2に示した光フィルタ5Aでは、MZI型光回路を2個の光学素子のそれぞれとして用いている。これにより、上記構成の光フィルタを好適に実現することができる。また、このような構成では、平面導波路型光回路等によって光フィルタを形成することができるので、小型の光フィルタとすることができる。
【0056】
損失制御回路3による光フィルタの全体での損失スペクトルの具体的な制御方法としては、所定の波長帯域内において、全体での損失スペクトルの形状が保持された状態で中心波長をシフトさせる方法がある。これにより、光増幅器での利得スペクトルの中心波長がシフトした場合に、そのような利得スペクトルの変動が補償されるように光フィルタでの損失スペクトルを制御して、利得平坦化を実現することが可能な光フィルタが得られる。
【0057】
あるいは、損失制御回路3による損失スペクトルの制御方法として、所定の波長帯域内において、全体での損失スペクトルの直線性を変化させる方法がある。これにより、光増幅器での利得スペクトルの直線性が変化した場合に、そのような利得スペクトルの変動が補償されるように光フィルタでの損失スペクトルを制御して、利得平坦化を実現することが可能な光フィルタが得られる。
【0058】
ここで、Er(エルビウム)が添加された光ファイバ(EDF:Erbium−DopedFiber)を用い、Cバンド波長帯域等を増幅波長帯域とするEr添加ファイバ増幅器(EDFA:Erbium−Doped Fiber Amplifier)では、入力される信号光パワーの変化等に起因して、所定波長での利得を略一定として利得傾斜が変化する利得スペクトルの変動が発生する。
【0059】
一方、Tm(ツリウム)が添加された光ファイバ(TDF:Thulium−Doped Fiber)を用い、Sバンド波長帯域等を増幅波長帯域とするTm添加ファイバ増幅器(TDFA:Thulium−Doped Fiber Amplifier)では、Sバンド増幅に関係している励起準位構造などにより、その利得スペクトルの変動がEDFAに比べて複雑なものとなる。
【0060】
すなわち、TDFAをWDM伝送システムに適用した場合、多波長信号光での伝送されている信号光のチャンネル数の変化、及び各チャンネルでの信号光パワーの変化などに起因して、TDFAでの利得スペクトルが変動する。この場合、利得傾斜の変化のみでなく、(1)利得スペクトルでの利得傾斜変化の中心波長がシフトする変動、及び(2)利得スペクトルの直線性が変化する変動などの、様々な利得スペクトルの変動が発生する。このような利得スペクトルの変動は、Tm以外の希土類元素が添加された光ファイバを用いた光増幅器においても同様に発生する場合がある。
【0061】
これに対して、上記した構成及び制御方法の光フィルタによれば、上述したように、光フィルタでの損失スペクトルを様々な状態に変化させることができる。これにより、TDFAを含む様々な光増幅器に対して光フィルタを適用した場合に、その利得平坦化を充分に実現することが可能となる。
【0062】
図1及び図2に示した光フィルタの具体的な構成及び制御方法等についてさらに説明する。
【0063】
まず、所定の波長帯域(例えば光伝送システムにおける信号光波長帯域)内において、全体での損失スペクトルの形状が保持された状態で中心波長をシフトさせる光フィルタの制御方法について説明する。このような制御方法は、光増幅器において利得スペクトルでの利得傾斜変化の中心波長がシフトする変動が発生した場合などに、好適に適用することができる。
【0064】
図1に示した光フィルタ5において、全体での損失スペクトルの形状が保持された状態で中心波長をシフトさせる制御方法としては、第1光学素子1での損失スペクトルの位相と、第2光学素子2での損失スペクトルの位相とを同一のシフト量で同方向にシフトさせる方法がある。
【0065】
例えば、図1に模式的に示した例では、第1損失スペクトルでの極小波長λをλ+Δλにシフトさせるとともに、第2損失スペクトルでの極大波長λを第1損失スペクトルと同一のシフト量でλ+Δλにシフトさせる。このとき、第1光学素子1及び第2光学素子2を合わせた全体での損失スペクトルは、そのスペクトル形状が保持された状態で、中心波長がシフト量Δλでシフトすることとなる。
【0066】
このような中心波長のシフトを、図2に示した光フィルタ5Aを用いて実現する場合について説明する。一般に、2つの光カプラ(方向性結合器)と、それらの光カプラの間に設けられた互いに異なる光路長を有する2本の光導波路とからなる非対称MZI型光回路での光パワー透過率は、下記の式(1)で表されることが知られている。
【0067】
【数3】
Figure 2004101771
ここで、Cは方向性結合器での光の結合率、nは光導波路の実効屈折率、ΔLは上下の光導波路(アーム導波路)間での光路長差、Δφは光導波路に対して設けられたヒータの温度による位相シフト量である。
【0068】
ヒータの温度により位相シフト量Δφが生じると、それに伴って、MZI型光回路での損失スペクトルの中心波長がシフトする。上記した式(1)より、ヒータによる位相シフト量Δφによって生じる損失スペクトルの中心波長のシフト量Δλは、式(2a)のように導かれる。
【0069】
【数4】
Figure 2004101771
ここで、λはMZI型光回路における使用波長帯域の中心波長である。
【0070】
また、平面導波路型光回路などでは、ヒータへの供給電力変化量ΔPと、位相シフト量Δφとは、ほぼ比例関係を有する。この場合、式(2a)は、下記の式(2b)のように表現できる。
【0071】
【数5】
Figure 2004101771
この式(2b)からわかるように、損失スペクトルの中心波長シフト量Δλは、位相シフト量Δφ、及び供給電力変化量ΔPに比例し、また、MZI型光回路を構成する2本の光導波路の光路長差ΔLに反比例する。
【0072】
このため、同じ位相シフト量Δφを与えた場合でも、得られる中心波長シフト量Δλは、光路長差ΔLによって異なる値となる。したがって、非対称MZI型の2個の光回路1A、2Aを直列に接続して構成された図2の光フィルタ5Aでは、全体での損失スペクトルの形状を極力保持しつつ中心波長をシフトさせるためには、MZI型光回路での光路長差ΔLに応じたヒータへの電力供給を行う必要がある。
【0073】
具体的には、図2に示した光フィルタ5Aでは、光フィルタ5Aを構成する各光導波路の光路長L、及び光導波路に設けられたヒータへの供給電力変化量ΔPが以下の関係式(3)を満たす条件で、全体での損失スペクトルを変化させる。
【0074】
【数6】
Figure 2004101771
これにより、全体での損失スペクトルの形状を保持しつつ中心波長をシフトさせることができる。
【0075】
ここで、式(3)において、L1aは第1光回路1Aにおける長い光路長を有する第1光導波路11の光路長(図3参照)、ΔP1aはヒータ15への供給電力変化量である。また、L1bは短い光路長を有する第2光導波路12の光路長、ΔP1bはヒータ16への供給電力変化量である。
【0076】
同様に、L2aは第2光回路2Aにおける長い光路長を有する第3光導波路21の光路長、ΔP2aはヒータ25への供給電力変化量である。また、L2bは短い光路長を有する第4光導波路22の光路長、ΔP2bはヒータ26への供給電力変化量である。
【0077】
上記した光フィルタの構成及び制御方法について、その具体例とともに説明する。なお、以下に示す損失スペクトルのグラフは、いずれも計算結果である。また、ヒータへの供給電力及び供給電力変化量は、単位mWで示している。
【0078】
図4は、図2に示した光フィルタ5Aでの損失スペクトルの例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は損失が与えられる光の波長(nm)を、縦軸は光フィルタ5Aの全体で光に与えられる損失(dB)を示している。
【0079】
また、図4中に示すグラフA1〜A3のうち、グラフA1は、ヒータ15、16、25、26への供給電力P1a、P1b、P2a、P2bをそれぞれ標準電力として、標準電力からみた供給電力変化量(ΔP1a、ΔP1b、ΔP2a、ΔP2b)を(0、0、0、0)に設定した場合の損失スペクトルを示している。また、グラフA2は、供給電力変化量を(0、10mW、0、6.8mW)に設定した場合の損失スペクトルを示している。また、グラフA3は、供給電力変化量を(10mW、0、6.8mW、0)に設定した場合の損失スペクトルを示している。
【0080】
また、各光導波路の光路長L及び光路長差ΔLについては、直線性の良い損失スペクトルとするため、前段の光回路1Aにおける光導波路11、12の光路長差をΔL=L1a−L1b=13.36μmに、また、後段の光回路2Aにおける光導波路21、22の光路長差をΔL=L2a−L2b=9.09μmにそれぞれ設定している。
【0081】
図4のグラフにおいて、ΔP1b=10mW、ΔP2b=6.8mWの供給電力変化量を加える制御を行ったグラフA2では、標準電力を用いたグラフA1に対して損失スペクトルの中心波長が3.3nm短波長側にシフトしている。また、ΔP1a=10mW、ΔP2a=6.8mWの供給電力変化量を加える制御を行ったグラフA3では、グラフA1に対して損失スペクトルの中心波長が3.3nm長波長側にシフトしている。これらの制御条件は、いずれも上記した式(3)を満たしている。
【0082】
また、このとき、損失スペクトルにおける損失傾斜は、2.19dB/40nm〜2.22dB/40nmの範囲(0.05475dB/nm〜0.05550dB/nmの範囲)内に保持されている。以上より、この制御方法では、全体での損失スペクトルの形状が保持された状態で、その中心波長がシフトされていることがわかる。
【0083】
ここで、図4に示したグラフA1〜A3では、光フィルタ5Aの全体での損失スペクトルの損失傾斜について、所定の基準値(例えば、2.205dB/40nm)からの損失傾斜変化量が−0.1dB/40nm以上0.1dB/40nm以下(−0.0025dB/nm以上0.0025dB/nm以下)となる条件が満たされている。さらに、このような損失傾斜変化量の条件を満たした状態で、中心波長を幅6nm以上(±3nm以上)の波長範囲にわたってシフトさせることが可能となっている。これにより、損失スペクトルの中心波長を充分に広い範囲で好適にシフトさせることができる。
【0084】
なお、式(3)に示した関係式は、一般に、3個以上のMZI型光回路を直列に接続して構成された光フィルタに対しても同様に適用することができる。例えば、図5に示すように、それぞれMZI型光回路からなる第1光回路1B、第2光回路2B、…、第n光回路nB(nは3以上の整数)のn個の光回路を直列に接続して構成された光フィルタ5Bでは、以下の関係式(4)を満たす条件で、全体での損失スペクトルを変化させる。
【0085】
【数7】
Figure 2004101771
ここで、i=2、3、…、nである。これにより、n個のMZI型光回路からなる光フィルタにおいても、全体での損失スペクトルの形状を保持しつつ中心波長をシフトさせることができる。
【0086】
次に、所定の波長帯域内において、全体での損失スペクトルの直線性を変化させる光フィルタの制御方法について説明する。このような制御方法は、光増幅器において利得スペクトルの直線性が変化する変動が発生した場合などに、好適に適用することができる。
【0087】
上述したように、第1光学素子1での損失スペクトルの位相と、第2光学素子2での損失スペクトルの位相とを同一のシフト量で同方向にシフトさせることにより、全体での損失スペクトルの形状が保持された状態で中心波長をシフトさせることができる。このような制御方法は、同時に、全体での損失スペクトルの直線性を変化させる光フィルタの制御方法としても適用することが可能である。
【0088】
図6は、図2に示した光フィルタ5Aでの損失スペクトルの例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は損失が与えられる光の波長(nm)を、縦軸は光フィルタ5Aの全体で光に与えられる損失(dB)を示している。
【0089】
また、図6中に示すグラフB1〜B3のうち、グラフB1は、ヒータ15、16、25、26への標準電力からみた供給電力変化量を(0、0、0、0)に設定した場合の損失スペクトルを示している。また、グラフB2は、供給電力変化量を(0、70mW、0、51mW)に設定した場合の損失スペクトルを示している。また、グラフB3は、供給電力変化量を(70mW、0、51mW、0)に設定した場合の損失スペクトルを示している。
【0090】
また、損失スペクトルの直線性については、基準となる直線に対する損失の正方向への最大偏差をΔ(dB)とし、負方向への最大偏差をΔ(dB)としたときに、その和Δ+Δ(dB)によって直線性を評価する。また、ここでは、直線性を評価する波長帯域として、図6に点線で示すように、波長1527nm〜1563nmの波長帯域を設定している。
【0091】
図6のグラフにおいて、標準電力を用いたグラフB1では、上記した波長帯域内での損失スペクトルの直線性は0.39dBとなっており、直線性の良い損失スペクトルが得られている。また、ΔP1b=70mW、ΔP2b=51mWの供給電力変化量を加える制御を行ったグラフB2では、損失スペクトルの直線性は1.14dBとなっている。また、ΔP1a=70mW、ΔP2a=51mWの供給電力変化量を加える制御を行ったグラフB3では、損失スペクトルの直線性は1.41dBとなっている。
【0092】
以上より、この制御方法では、損失スペクトルの直線性が変化されていることがわかる。これは、光フィルタを構成しているMZI型光回路の損失スペクトルが、正弦波状の損失スペクトルとなっているためである。
【0093】
ここで、図6に示したグラフB1〜B3では、所定の波長帯域内において、損失スペクトルの直線性を0.5dB以下の所定の直線性(例えば0.39dB)から、1.4dB以上の所定の直線性(例えば1.41dB)までの直線性範囲(例えば0.39dB〜1.41dBの直線性範囲)にわたって変化させることが可能となっている。これにより、損失スペクトルの直線性を充分に広い範囲で好適に変化させることができる。
【0094】
損失スペクトルの直線性を変化させる光フィルタの制御方法としては、上述した第1光学素子1での損失スペクトルの位相と、第2光学素子2での損失スペクトルの位相とを同一のシフト量で同方向にシフトさせる方法以外の方法を用いることも可能である。すなわち、第1光学素子1での損失スペクトルの位相、または第2光学素子2での損失スペクトルの位相のいずれか一方を所定のシフト量でシフトさせる制御方法によっても、全体での損失スペクトルの直線性を変化させることが可能である。
【0095】
図7は、図2に示した光フィルタ5Aでの損失スペクトルの例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は損失を与えられる光の波長(nm)を、縦軸は光フィルタ5Aの全体で光に与えられる損失(dB)を示している。
【0096】
また、図7中に示すグラフC1〜C3のうち、グラフC1は、ヒータ15、16、25、26への標準電力からみた供給電力変化量を(0、0、0、0)に設定した場合の損失スペクトルを示している。また、グラフC2は、供給電力変化量を(0、60mW、0、0)に設定した場合の損失スペクトルを示している。また、グラフC3は、供給電力変化量を(60mW、0、0、0)に設定した場合の損失スペクトルを示している。
【0097】
図7のグラフにおいて、標準電力を用いたグラフC1では、損失スペクトルの直線性は0.28dBとなっており、直線性の良い損失スペクトルが得られている。また、その損失傾斜は、4.05dB/40nmである。また、ΔP1b=60mWの供給電力変化量を加える制御を行ったグラフC2では、損失スペクトルの直線性は1.22dB、損失傾斜は5.62dB/40nmとなっている。また、ΔP1a=60mWの供給電力変化量を加える制御を行ったグラフC3では、損失スペクトルの直線性は0.45dB、損失傾斜は1.48dB/40nmとなっている。
【0098】
以上より、2個の光学素子での一方の損失スペクトルをシフトさせる制御方法によっても、両方の損失スペクトルを同方向にシフトさせる制御方法と同様に、損失スペクトルの直線性が変化されていることがわかる。
【0099】
次に、上述した光フィルタを用いた本発明による光増幅器について説明する。
【0100】
図8は、光増幅器の一実施形態を示す構成図である。本実施形態の光増幅器6は、所定の増幅波長帯域内にある信号光を励起光によって増幅する増幅用光導波路と、増幅用光導波路に対して所定波長の励起光を供給する励起光供給手段と、図1に示した光フィルタ5とを備えて構成されている。
【0101】
図8に示した光増幅器6は、光増幅器6内での光伝送路を構成する増幅用光導波路として、前段の第1増幅用光ファイバ71、及び後段の第2増幅用光ファイバ72の2本の光ファイバを備えている。これらの直列に接続された増幅用光ファイバ71、72により、入力端61から入力された信号光を出力端62へと伝搬するとともに、伝搬される信号光を増幅する光増幅器6内での光伝送路が構成される。また、増幅用光ファイバ71、72の間には、図1に示した構成を有する光フィルタ5が設置されている。
【0102】
増幅用光ファイバ71、72からなる光伝送路を伝送される信号光の伝搬方向は、入力端61と光ファイバ71との間に設けられた光アイソレータ73、光ファイバ71と光フィルタ5との間に設けられた光アイソレータ74、光フィルタ5と光ファイバ72との間に設けられた光アイソレータ75、及び、光ファイバ72と出力端62との間に設けられた光アイソレータ76によって制御されている。光アイソレータ73、74、75、76のそれぞれは、光を光伝送路の順方向へと通過させるが、逆方向へは通過させないものである。
【0103】
前段の第1増幅用光ファイバ71に対し、所定波長の励起光を供給する励起光供給手段として、第1励起光源81が設置されている。
【0104】
励起光源81は、光アイソレータ73と光ファイバ71との間に設けられ、励起光源81から供給された励起光を光ファイバ71へと順方向に合波させるWDMカプラ86によって、光増幅器6内の光伝送路へと接続されている。これにより、光増幅器6の前段部分は、順方向励起の光増幅器として構成されている。
【0105】
一方、後段の第2増幅用光ファイバ72に対し、所定波長の励起光を供給する励起光供給手段として、第2励起光源82、第3励起光源83、及び第4励起光源84が設置されている。
【0106】
これらの励起光源のうち、励起光源82は、光アイソレータ75と光ファイバ72との間に設けられ、励起光源82から供給された励起光を光ファイバ72へと順方向に合波させるWDMカプラ87によって、光増幅器6内の光伝送路へと接続されている。また、励起光源83は、光ファイバ72と光アイソレータ76との間に設けられ、励起光源83から供給された励起光を光ファイバ72へと逆方向に合波させるWDMカプラ88によって、光増幅器6内の光伝送路へと接続されている。また、励起光源84は、光アイソレータ75とWDMカプラ87との間に設けられ、励起光源84から供給された励起光を光ファイバ72へと順方向に合波させるWDMカプラ89によって、光増幅器6内の光伝送路へと接続されている。これにより、光増幅器6の後段部分は、双方向励起の光増幅器として構成されている。
【0107】
入力端61と光アイソレータ73との間には、入力端61から入力される光の一部を分岐する光分岐器96が設けられている。光分岐器96によって分岐された入力光は入力光検出部97によって検出され、これによって、入力光パワーがモニタされる。
【0108】
また、出力端62と光アイソレータ76との間には、出力端62から出力される光の一部を分岐する光分岐器98が設けられている。光分岐器98によって分岐された出力光は出力光検出部99によって検出され、これによって、出力光パワーがモニタされる。
【0109】
入力光検出部97による入力光パワーのモニタ結果、及び出力光検出部99による出力光パワーのモニタ結果は、それぞれ増幅制御回路90へと入力されている。また、この増幅制御回路90には、本光増幅器6が設置されている光伝送システム内の監視システム等から、伝送されている信号光のチャンネル数の情報が入力されている。増幅制御回路90は、これらの入力光パワー、出力光パワー、及びチャンネル数の情報に基づいて、光増幅器6における光の増幅を制御する。
【0110】
本実施形態においては、増幅制御回路90は、損失制御回路91と励起光源制御回路92とを有している。損失制御回路91は、上記した各情報に基づき、光フィルタ5の損失制御回路3(図1参照)を介して、光フィルタ5での損失スペクトルを制御する。また、励起光源制御回路92は、上記した各情報に基づき、励起光源82、83から供給される励起光パワーを、その比を一定に保持しつつ制御する。
【0111】
これにより、光増幅器6の全体としての増幅利得、及びその波長に対する利得スペクトルが制御される。なお、上記構成では、励起光源81、84から供給される励起光パワーは固定とされている。
【0112】
図8に示した光増幅器6の具体的な構成としては、例えば、以下に示す構成がある。まず、増幅用光ファイバ71、72としては、それぞれTmが所定の添加量添加されたTDFを適用する。また、TDF71、72に対して励起光源81〜84から供給される励起光の波長については、励起光源81、82、83から供給される励起光は波長1.05μm、励起光源84から供給される励起光は波長1.56μmにそれぞれ設定する。以上の構成例では、本光増幅器6は、順方向励起の前段のTDFA、及び双方向励起の後段のTDFAが直列に接続された光増幅器として構成される。
【0113】
このように、図1に示した構成を有する光フィルタ5を適用した光増幅器6によれば、増幅用光ファイバ71、72における利得スペクトルに応じて、光フィルタ5での損失スペクトルを制御することにより、利得平坦化が充分に実現された光増幅器が得られる。
【0114】
図9は、図8に示した光増幅器6における光フィルタ5での損失スペクトルの例を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は損失が与えられる光の波長(nm)を、縦軸は光フィルタ5の全体で光に与えられる損失(dB)を示している。また、光フィルタ5の構成としては、具体的には図2に示した光フィルタ5Aの構成を想定している。
【0115】
また、図9中に示すグラフD1〜D4は、図8に示した2段構成のTDFAにおいて、入力される信号光のチャンネル数、及びトータルでの入力信号光パワーを変えたときに、その出力信号光パワーの平坦性が保持されるように調整した場合の光フィルタ5での損失スペクトルを示している。
【0116】
具体的には、グラフD1は、チャンネル数を32ch、トータルの入力信号光パワーを−10dBmとした場合の損失スペクトルを示している。また、グラフD2は、チャンネル数を32ch、入力信号光パワーを−14dBmとした場合の損失スペクトルを示している。また、グラフD3は、チャンネル数を8ch、入力信号光パワーを−20dBmとした場合の損失スペクトルを示している。また、グラフD4は、チャンネル数を2ch、入力信号光パワーを−20dBmとした場合の損失スペクトルを示している。
【0117】
また、グラフEは、損失スペクトルが正の損失傾斜を示すときに、従来の方法にしたがって損失スペクトルの直線性が高くなるように制御した場合の損失スペクトルを示している。なお、グラフD1〜D4、及びEのそれぞれの場合での、ヒータ15、16、25、26への供給電圧V1a、V1b、V2a、V2b、供給電力P1a、P1b、P2a、P2b、及び供給電力差P1a−P1b、P2a−P2bは、図10(a)及び(b)に示す通りである。また、光回路1A、2Aに与えられる位相シフト量Δφ、Δφは、それぞれ供給電力差P1a−P1b、P2a−P2bに比例している。なお、図10(a)及び(b)の表では、供給電圧を単位V、供給電力を単位mWで示し、また、P=V/300Ωとしている。
【0118】
図9のグラフに示すように、上述した光フィルタの構成及び制御方法を用いることにより、光増幅器での利得スペクトルの変動に対応して、光フィルタでの損失スペクトルを様々に変化させることができる。例えば、トータルの入力信号光パワーが−20dBmのときでも、チャンネル数が2chの場合には、チャンネル数が8chの場合よりも直線性を劣化させた方が、良好な出力信号光パワーの平坦性が得られている。
【0119】
なお、図9及び図10に示した光フィルタの制御条件では、例えば、グラフEの制御条件からグラフD1の制御条件へと変化させた場合、損失スペクトルの位相が同方向にシフトするように2個の光回路のそれぞれを制御する条件を満たしている。
【0120】
本発明による光フィルタ、及びそれを用いた光増幅器は、上記した実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、光フィルタの構成については、図1及び図2に示した2段構成に限らず、図5に示したように3段以上の構成としても良い。また、光フィルタに用いられる各光学素子については、図2に示したMZI型光回路に限らず、正弦波状の損失スペクトルを有するものであれば、MZI型光回路以外の光学素子を用いても良い。
【0121】
例えば、光フィルタの光学素子としては、図11に示すファブリーペロエタロンを用いることが可能である。ファブリーペロエタロンは、両面に所定の反射率を有する反射コーティングを設けたガラス膜等で構成されるものである。このようなファブリーペロエタロンを光軸に対して傾けることで、波長に対してシフトさせることが可能な正弦波状の損失スペクトルを実現することができる。具体的には、ファブリーペロエタロンによって実現される透過スペクトルは、以下のスペクトル関数T(λ)で表される。
【0122】
【数8】
Figure 2004101771
ここで、Rはファブリーペロエタロンの両面に設けられた反射コーティングの反射率、nはファブリーペロエタロンの屈折率、dは厚さ、θは傾き角度である。
【0123】
また、ファブリーペロエタロン以外にも、例えば、偏波分離カプラと、分離後の一方の光路に複屈折率板、楔形素子を何段か有する、いわゆる光格子型素子を用いても(例えば、非特許文献1「M.Fukutoku et.al, OAA1996, Tech.Dig., FA4 (1996)」参照)、波長に対してシフトさせることが可能な正弦波状の損失スペクトルを実現することができる。さらに、光格子型素子の場合、損失の振幅を可変とすることも可能である。また、光格子型素子において、複屈折率板を液晶に置き換えても同等の効果が得られる。
【0124】
【発明の効果】
本発明による光フィルタ、及びそれを用いた光増幅器は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、入力された光に対して、正弦波状の第1損失スペクトルによって損失を与える第1光学素子と、正弦波状の第2損失スペクトルによって損失を与える第2光学素子とを直列に接続するとともに、損失スペクトルの位相が同方向にシフトするように2個の光学素子のそれぞれを制御し、または、いずれか一方の損失スペクトルの位相がシフトするように2個の光学素子の一方を制御することによって、全体での損失スペクトルを制御する構成によれば、損失スペクトルの制御性が向上されて、光増幅器での利得平坦化を充分に実現することが可能な光フィルタ、及び光増幅器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光フィルタの第1実施形態を模式的に示す構成図である。
【図2】光フィルタの第2実施形態を示す構成図である。
【図3】図2に示した光フィルタについて、光フィルタを構成する各光導波路の光路長L、光導波路に設けられた温度調整手段への供給電力P、及び供給電力変化量ΔPを示す図である。
【図4】図2に示した光フィルタでの損失スペクトルの例を示すグラフである。
【図5】光フィルタの他の実施形態を示す構成図である。
【図6】図2に示した光フィルタでの損失スペクトルの例を示すグラフである。
【図7】図2に示した光フィルタでの損失スペクトルの例を示すグラフである。
【図8】図1に示した光フィルタを備える光増幅器の一実施形態を示す構成図である。
【図9】図8に示した光増幅器における光フィルタでの損失スペクトルの例を示すグラフである。
【図10】ヒータへの供給電圧、供給電力、及び供給電力差を示す表である。
【図11】ファブリーペロエタロンについて示す図である。
【符号の説明】
5、5A…光フィルタ、50…基板、51…入力端、52…出力端、
1…第1光学素子、1A…第1光回路、11…第1光導波路、12…第2光導波路、13、14…光カプラ、15、16…ヒータ、2…第2光学素子、2A…第2光回路、21…第3光導波路、22…第4光導波路、23、24…光カプラ、25、26…ヒータ、3…損失制御回路、
6…光増幅器、61…入力端、62…出力端、71…第1増幅用光ファイバ、72…第2増幅用光ファイバ、73、74、75、76…光アイソレータ、81、82、83、84…励起光源、86、87、88、89…WDMカプラ、90…増幅制御回路、91…損失制御回路、92…励起光源制御回路、96…光分岐器、97…入力光検出部、98…光分岐器、99…出力光検出部。

Claims (13)

  1. 光の波長に対して正弦波状の第1損失スペクトルを有する第1光学素子と、
    前記第1光学素子と直列に接続され、光の波長に対して正弦波状の第2損失スペクトルを有する第2光学素子と、
    前記第1損失スペクトルの位相、及び前記第2損失スペクトルの位相を波長に対して同方向にシフトさせることによって、前記第1光学素子及び前記第2光学素子を合わせた全体での損失スペクトルを制御する損失制御手段と
    を備えることを特徴とする光フィルタ。
  2. 前記損失制御手段は、所定の波長帯域内において、前記全体での損失スペクトルの形状が保持された状態で中心波長をシフトさせることを特徴とする請求項1記載の光フィルタ。
  3. 前記所定の波長帯域内において、前記全体での損失スペクトルの所定の基準値からの損失傾斜変化量が−0.0025dB/nm以上0.0025dB/nm以下となる条件が満たされた状態で、前記損失制御手段によって前記中心波長を幅6nm以上の波長範囲にわたってシフトさせることが可能であることを特徴とする請求項2記載の光フィルタ。
  4. 前記損失制御手段は、所定の波長帯域内において、前記全体での損失スペクトルの直線性を変化させることを特徴とする請求項1記載の光フィルタ。
  5. 前記所定の波長帯域内において、前記損失制御手段によって前記直線性を0.5dB以下の所定の直線性から1.4dB以上の所定の直線性までの直線性範囲にわたって変化させることが可能であることを特徴とする請求項4記載の光フィルタ。
  6. 前記第1光学素子は、第1光導波路と、前記第1光導波路よりも短い光路長を有し、少なくとも2つの光カプラを介して前記第1光導波路と光結合されて、前記第1光導波路とともにマッハツェンダ干渉計を構成する第2光導波路とを含む第1光回路であり、
    前記第2光学素子は、第3光導波路と、前記第3光導波路よりも短い光路長を有し、少なくとも2つの光カプラを介して前記第3光導波路と光結合されて、前記第3光導波路とともにマッハツェンダ干渉計を構成する第4光導波路とを含む第2光回路であることを特徴とする請求項1記載の光フィルタ。
  7. 前記損失制御手段は、
    前記第1光導波路の光路長をL1a、前記第1光導波路に設けられた温度調整手段への供給電力変化量をΔP1a、前記第2光導波路の光路長をL1b、前記第2光導波路に設けられた温度調整手段への供給電力変化量をΔP1b
    前記第3光導波路の光路長をL2a、前記第3光導波路に設けられた温度調整手段への供給電力変化量をΔP2a、前記第4光導波路の光路長をL2b、前記第4光導波路に設けられた温度調整手段への供給電力変化量をΔP2b
    としたときに、これらの光路長及び供給電力変化量が、関係式
    Figure 2004101771
    を満たす条件で、前記全体での損失スペクトルを変化させることを特徴とする請求項6記載の光フィルタ。
  8. 所定の増幅波長帯域内にある信号光を励起光によって増幅する増幅用光導波路と、
    前記増幅用光導波路に対して所定波長の励起光を供給する励起光供給手段と、
    前記増幅用光導波路と直列に接続され、前記信号光に対して所定の損失スペクトルによって損失を与える請求項1記載の光フィルタと
    を備えることを特徴とする光増幅器。
  9. 前記増幅用光導波路は、Tmが所定の添加量添加された光導波路であることを特徴とする請求項8記載の光増幅器。
  10. 光の波長に対して正弦波状の第1損失スペクトルを有する第1光学素子と、
    前記第1光学素子と直列に接続され、光の波長に対して正弦波状の第2損失スペクトルを有する第2光学素子と、
    前記第1損失スペクトルの位相、または前記第2損失スペクトルの位相のいずれか一方を波長に対してシフトさせることによって、前記第1光学素子及び前記第2光学素子を合わせた全体での損失スペクトルを制御する損失制御手段と
    を備えることを特徴とする光フィルタ。
  11. 前記第1光学素子は、第1光導波路と、前記第1光導波路よりも短い光路長を有し、少なくとも2つの光カプラを介して前記第1光導波路と光結合されて、前記第1光導波路とともにマッハツェンダ干渉計を構成する第2光導波路とを含む第1光回路であり、
    前記第2光学素子は、第3光導波路と、前記第3光導波路よりも短い光路長を有し、少なくとも2つの光カプラを介して前記第3光導波路と光結合されて、前記第3光導波路とともにマッハツェンダ干渉計を構成する第4光導波路とを含む第2光回路であることを特徴とする請求項10記載の光フィルタ。
  12. 所定の増幅波長帯域内にある信号光を励起光によって増幅する増幅用光導波路と、
    前記増幅用光導波路に対して所定波長の励起光を供給する励起光供給手段と、
    前記増幅用光導波路と直列に接続され、前記信号光に対して所定の損失スペクトルによって損失を与える請求項10記載の光フィルタと
    を備えることを特徴とする光増幅器。
  13. 前記増幅用光導波路は、Tmが所定の添加量添加された光導波路であることを特徴とする請求項12記載の光増幅器。
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