JP2003131177A - 光フィルタ - Google Patents

光フィルタ

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JP2003131177A
JP2003131177A JP2001324060A JP2001324060A JP2003131177A JP 2003131177 A JP2003131177 A JP 2003131177A JP 2001324060 A JP2001324060 A JP 2001324060A JP 2001324060 A JP2001324060 A JP 2001324060A JP 2003131177 A JP2003131177 A JP 2003131177A
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optical
light
waveguide
wavelength band
optical circuit
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Hitoshi Hatayama
均 畑山
Tomokane Hirose
智財 広瀬
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号光波長帯域内にある信号光に対する信号
光パワーの傾斜の補償に適用でき、かつ、信号光波長帯
域外にある励起光などの光を好適に保持することが可能
な光フィルタを提供する。 【解決手段】 第1波長帯域である信号光波長帯域にあ
る信号光、及び第2波長帯域である励起光波長帯域にあ
る励起光を含む多波長の光に対して、第1波長帯域の信
号光と第2波長帯域の励起光とを分波する光合分波器1
0を有する第1光回路1と、分波された光の一方である
信号光に対して可変の損失傾斜によって損失を与える損
失傾斜調整器20を有する第2光回路2と、損失傾斜が
調整された信号光と励起光とを合波する光合分波器30
を有する第3光回路3とによって、光フィルタの全体の
光回路を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長多重伝送シス
テムにおいて光伝送路を伝送される多波長信号光などに
対して、信号光パワーの傾斜の補償に好適に適用するこ
とが可能な光フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ増幅器は、光伝送システムに
おいて光ファイバ伝送路を伝送される信号光に対して、
光伝送路での伝送損失を補償すべく信号光を光増幅する
ものである。光伝送路上に設置される光ファイバ増幅器
は、光伝送路としても機能する増幅用光ファイバと、増
幅用光ファイバへと励起光を供給する励起光供給手段と
を備えて構成される。そして、励起光が供給されている
増幅用光ファイバに信号光が入力されると、その信号光
は、増幅用光ファイバにおいて光増幅されて出力され
る。このような光ファイバ増幅器としては、Er(エル
ビウム)などの希土類元素を添加する希土類元素添加フ
ァイバ増幅器と、誘導ラマン散乱によるラマン増幅現象
を利用するラマン増幅器とが用いられている。
【0003】上述した光増幅器のうち、ラマン増幅器
は、励起光の波長を適当に選択することによって、任意
の波長帯域を増幅波長帯域とすることが可能であるとい
う利点を有している。また、ラマン増幅用光ファイバに
対して、互いに異なる波長を有する励起光をそれぞれ供
給する複数の励起光源を設ければ、複数の励起光それぞ
れの波長によって決まる波長帯域を増幅波長帯域とし
て、信号光の光増幅を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、光伝送路に互い
に異なる波長を有する複数の信号光からなる多波長信号
光を伝送させる波長多重(WDM:Wavelength Divisio
n Multiplexing)伝送システムの開発と利用が進められ
ている。このようなWDM伝送システムに光増幅器を適
用する場合、多波長信号光のそれぞれを互いに等しい利
得で一括して光増幅するとともに、多波長信号光のそれ
ぞれのパワーを一定範囲のパワー値として出力すること
が重要となる。これに対して、光増幅器において信号光
の光増幅利得を平坦化するため、増幅用の光導波路にお
ける利得スペクトルと同様の損失の波長依存性(損失傾
斜)を有する光フィルタが利得等化器として用いられ
る。
【0005】例えば、文献1「K. Inoue, et al., "Tun
able Gain Equalization Using a Mach-Zehnder Optica
l Filter in Multistage Fiber Amplifiers", IEEE Pho
tonics Technology Letters, Vol.3, No.8, pp.718-720
(1991)」や、文献2「G. H.B. Thompson, et al., "Pl
anar Waveguide Filters for Dynamic Equalizationof
EDFA Spectra", ECOC'99 (1999)」には、マッハツェン
ダ干渉計を用いた光フィルタにより光増幅器の利得平坦
化を図る技術が記載されている。これらの文献に記載さ
れた技術は、マッハツェンダ干渉計における各光カプラ
及び分岐光路それぞれの温度を入力信号光パワーに応じ
て調整することにより、光フィルタでの損失傾斜を調整
して、信号光パワーの変動に伴う利得傾斜の変動を補償
しようとするものである。このような利得平坦化は、W
DM伝送システムの大容量化を進める上でも重要であ
る。
【0006】一方、WDM伝送システムでは、所定の信
号光波長帯域内にある多波長信号光に対して、ラマン増
幅器において用いられるラマン増幅用の励起光など、信
号光波長帯域外の波長を有する光が多波長信号光ととも
に光伝送路上を伝搬される場合がある。このようなWD
M伝送システムに対して上記のような光フィルタを適用
すると、多波長信号光の信号光パワーの傾斜が補償され
る一方で、ラマン増幅用の励起光などの信号光波長帯域
外にある光が好適な状態に保持されなくなるという問題
を生じる。
【0007】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたものであり、信号光波長帯域内にある信号光に
対する信号光パワーの傾斜の補償に適用でき、かつ、信
号光波長帯域外にある励起光などの光を好適に保持する
ことが可能な光フィルタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による光フィルタは、光導波路を有し
て構成された光回路からなり、入力された光に対して所
定の損失傾斜によって損失を与える光フィルタであっ
て、(1)第1入力端に入力された光を第1波長帯域の
光と第2波長帯域の光とに分波し、第1波長帯域の光を
第1出力端から出力し、第2波長帯域の光を第2出力端
から出力する第1光回路と、(2)第1光回路の第1出
力端から出力された第1波長帯域の光を第1入力端に入
力して第1出力端から出力し、第1光回路の第2出力端
から出力された第2波長帯域の光を第2入力端に入力し
て第2出力端から出力するとともに、第1入力端から第
1出力端への光導波路において第1波長帯域の光に与え
られる波長に対する損失傾斜が可変に制御可能な第2光
回路とを備えることを特徴とする。
【0009】上記した光フィルタにおいては、第1波長
帯域内にある波長を有する光、及び第2波長帯域内にあ
る波長を有する光を含む多波長の光に対して、第1波長
帯域の光と第2波長帯域の光とを分波する第1光回路
と、分波された光の一方である第1波長帯域の光に対し
て可変の損失傾斜によって損失を与える第2光回路とに
よって全体の光回路を構成している。
【0010】このような構成を有する光フィルタによれ
ば、光パワーの傾斜の補償が必要な第1波長帯域の光に
対しては、所定の損失傾斜で損失を与えることによっ
て、第1波長帯域内にある光のそれぞれの光パワーを調
整することができる。また、補償が不必要な第2波長帯
域の光に対しては、そのような光を分波しておくことに
よって余分な損失が与えられることを防止して、第2波
長帯域内にある光を好適な状態に保持することができ
る。したがって、補償が必要な光に対する光パワーの傾
斜の補償に適用でき、かつ、それ以外の波長帯域にある
光を好適に保持することが可能な光フィルタが実現され
る。
【0011】また、第1光回路は、第1入力端及び第1
出力端を両端とする光導波路である主導波路と、第2出
力端を一端とする光導波路であり、少なくとも2つの光
カプラを介して主導波路と光結合されて、主導波路及び
光カプラとともに光合分波器として機能するマッハツェ
ンダ干渉計を構成する副導波路とを有することが好まし
い。
【0012】このように、マッハツェンダ干渉計を利用
して第1光回路での光合分波器を構成することにより、
小型の光フィルタとすることができる。あるいは、第1
光回路は、ファイバ型光カプラ、多層膜フィルタを利用
した光カプラ、またはバルク型光カプラであっても良
い。
【0013】また、第2光回路は、第1入力端及び第1
出力端を両端とする光導波路である第1主導波路と、少
なくとも2つの光カプラを介して第1主導波路と光結合
されて、第1主導波路及び光カプラとともに損失傾斜調
整器として機能するマッハツェンダ干渉計を構成する副
導波路と、第2入力端及び第2出力端を両端とする光導
波路である第2主導波路とを有することが好ましい。
【0014】このように、マッハツェンダ干渉計を利用
して第2光回路での損失傾斜調整器を構成することによ
り、第1光回路の場合と同様に、小型の光フィルタとす
ることができる。あるいは、第2光回路として、他の構
成の光回路を用いても良い。
【0015】また、第1光回路と第2光回路とは、それ
ぞれ別の基板上に形成された平面導波路型光回路である
ことを特徴とする。これにより、各平面導波路型光回路
の製造が簡単化されるので、全体としての光フィルタの
製造が容易となり、製造歩留まりが向上される。
【0016】また、光フィルタは、第2光回路の第1出
力端から出力され第1入力端に入力された第1波長帯域
の光と、第2光回路の第2出力端から出力され第2入力
端に入力された第2波長帯域の光とを合波して第1出力
端から出力する第3光回路をさらに備えることを特徴と
する。
【0017】このように、第1波長帯域の光に損失を与
える第2光回路に対して、さらに第1波長帯域の光と第
2波長帯域の光とを合波する第3光回路を接続すること
により、入力された多波長の光のうちで所望の波長帯域
にある光のみについて光パワーの傾斜を調整した後、再
び多波長の光として出力することが可能な光フィルタが
得られる。
【0018】また、第3光回路は、第1入力端及び第1
出力端を両端とする光導波路である主導波路と、第2入
力端を一端とする光導波路であり、少なくとも2つの光
カプラを介して主導波路と光結合されて、主導波路及び
光カプラとともに光合分波器として機能するマッハツェ
ンダ干渉計を構成する副導波路とを有することが好まし
い。
【0019】このように、マッハツェンダ干渉計を利用
して第3光回路での光合分波器を構成することにより、
第1光回路及び第2光回路の場合と同様に、小型の光フ
ィルタとすることができる。あるいは、第3光回路は、
ファイバ型光カプラ、多層膜フィルタを利用した光カプ
ラ、またはバルク型光カプラであっても良い。
【0020】また、第3光回路は、第1光回路及び第2
光回路とは別の基板上の形成された平面導波路型光回路
であることを特徴とする。これにより、各平面導波路型
光回路の製造が簡単化されるので、全体としての光フィ
ルタの製造が容易となり、製造歩留まりが向上される。
【0021】また、第1波長帯域の光は、所定の信号光
波長帯域内にある多波長信号光であり、かつ、第2波長
帯域の光は、多波長信号光をラマン増幅することが可能
な所定波長の励起光であることを特徴とする。
【0022】これにより、信号光パワーの傾斜の補償が
必要な信号光波長帯域の多波長信号光に対して、所定の
損失傾斜で損失を与えることによって、多波長信号光の
それぞれの信号光パワーを調整することができる。ま
た、補償が不必要な励起光に対しては、励起光を分波し
て余分な損失が与えられることを防止することによって
好適な状態に保持することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による
光フィルタの好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付
し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率
は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0024】まず、本発明による光フィルタの基本構成
について説明する。
【0025】図1は、光フィルタの第1実施形態を模式
的に示す構成図である。本実施形態の光フィルタは、光
ファイバや平面光導波路などの光導波路から構成され、
入力された光に対して所定の損失傾斜によって損失を与
える光回路(光部品)である。特に、本光フィルタは、
WDM伝送システムにおいて光伝送路を伝送される多波
長信号光などに対して、信号光パワーの傾斜の補償に好
適に適用することが可能に構成されている。
【0026】図1に示す光フィルタは、第1光回路1、
第2光回路2、及び第3光回路3の3つの光回路部分を
備える。これらの光回路部分は、光伝送システムに適用
した場合での信号光の伝送方向(図中の矢印の方向)に
対して光回路1、2、3の順で接続されており、その全
体から光フィルタの光回路が構成されている。
【0027】第1光回路1は、第1波長帯域(λ1で表
す)の光と、第1波長帯域とは異なる波長帯域である第
2波長帯域(λ2で表す)の光とを合波または分波する
光合分波器10を含む光回路部分である。第1光回路1
には、信号光伝送方向の入力側にある導波路端として、
第1入力端111が設けられている。また、出力側にあ
る導波路端として、第1出力端112及び第2出力端1
22が設けられている。そして、光合分波器10は、第
1入力端111と、第1出力端112及び第2出力端1
22との間の光導波路上に設置されている。
【0028】このような構成を有する第1光回路1に対
して、第1波長帯域の光及び第2波長帯域の光を含む多
波長の光が第1入力端111に入力されると、第1波長
帯域の光と第2波長帯域の光とが光合分波器10によっ
て分波される。そして、分波された一方の第1波長帯域
の光は、対応する光導波路を介して第1出力端112か
ら出力される。また、分波された他方の第2波長帯域の
光は、対応する光導波路を介して第2出力端122から
出力される。
【0029】第2光回路2は、第1波長帯域の光に対し
て可変の波長に対する損失傾斜によって損失を与えるこ
とが可能な損失傾斜調整器20を含む光回路部分であ
る。第2光回路2には、入力側にある導波路端として、
第1入力端211及び第2入力端221が設けられてい
る。また、出力側にある導波路端として、第1出力端2
12及び第2出力端222が設けられている。そして、
損失傾斜調整器20は、第1入力端211と、第1出力
端212との間の光導波路上に設置されている。
【0030】第2光回路2の第1入力端211は、第1
光回路1の第1出力端112に対して接続されている。
また、第2光回路の第2入力端221は、第1光回路1
の第2出力端122に対して接続されている。
【0031】このような構成を有する第2光回路2に対
して、第1光回路1の第1出力端112から出力された
第1波長帯域の光が第1入力端211に入力されると、
第1波長帯域の光は対応する光導波路を導波され、損失
傾斜調整器20において所定の損失傾斜によって損失が
与えられて、第1出力端212から出力される。また、
第1光回路1の第2出力端122から出力された第2波
長帯域の光が第2入力端221に入力されると、第2波
長帯域の光は対応する光導波路を導波されて、第2出力
端222から出力される。
【0032】また、この第2光回路2においては、第1
入力端211から第1出力端212への光導波路上に設
けられた損失傾斜調整器20が、第1波長帯域の光に与
える損失の損失傾斜が可変に制御可能なように構成され
ている。この損失傾斜調整器20での損失傾斜は電気的
に調整が可能であり、例えば、図1に示すように、損失
傾斜制御部4からの制御信号によって制御される。
【0033】第3光回路3は、第1波長帯域の光と、第
2波長帯域の光とを合波または分波する光合分波器30
を含む光回路部分である。第3光回路3には、入力側に
ある導波路端として、第1入力端311及び第2入力端
321が設けられている。また、出力側にある導波路端
として、第1出力端312が設けられている。そして、
光合分波器30は、第1入力端311及び第2入力端3
21と、第1出力端312との間の光導波路上に設置さ
れている。
【0034】第3光回路3の第1入力端311は、第2
光回路2の第1出力端212に対して接続されている。
また、第3光回路3の第2入力端321は、第2光回路
2の第2出力端222に対して接続されている。
【0035】このような構成を有する第3光回路3に対
して、第2光回路2の第1出力端212から出力された
第1波長帯域の光が第1入力端311に入力されるとと
もに、第2光回路2の第2出力端222から出力された
第2波長帯域の光が第2入力端321に入力されると、
入力された第1波長帯域の光と第2波長帯域の光とが光
合分波器30によって合波される。そして、合波された
第1波長帯域の光及び第2波長帯域の光を含む多波長の
光は、対応する光導波路を介して第1出力端312から
出力される。
【0036】本実施形態の光フィルタの効果について説
明する。
【0037】図1に示した光フィルタにおいては、第1
波長帯域内にある波長λ1を有する光、及び第2波長帯
域内にある波長λ2を有する光を含む多波長の光に対し
て、第1波長帯域の光と第2波長帯域の光とを分波する
第1光回路1と、分波された光の一方である第1波長帯
域の光に対して可変の損失傾斜によって損失を与える第
2光回路2とによって全体の光回路を構成している。
【0038】このような構成を有する光フィルタによれ
ば、光パワーの傾斜の補償が必要な第1波長帯域の光に
対しては、損失傾斜調整器20において所定の損失傾斜
で損失を与えることによって、第1波長帯域内にある光
のそれぞれの光パワーを調整することができる。
【0039】また、補償が不必要な第2波長帯域の光に
対しては、第2光回路2において損失傾斜調整器20を
通過しないように第1光回路1の光合分波器10で分波
しておくことによって、余分な損失が与えられることを
防止して、第2波長帯域内にある光を好適な状態に保持
することができる。したがって、補償が必要な光に対す
る光パワーの傾斜の補償に適用でき、かつ、それ以外の
波長帯域にある光を好適に保持することが可能な光フィ
ルタが実現される。
【0040】ここで、上述のように光パワーの傾斜の補
償が必要な光と不必要な光とがともに光伝送路上を伝搬
される場合としては、例えば、WDM伝送システムなど
の光伝送システムにおける光ファイバ伝送路上に、分布
定数型などのラマン増幅器が設置されている構成での光
の伝送がある。
【0041】WDM伝送システムでは、光ファイバ伝送
路を伝送される信号光として、所定の信号光波長帯域内
で互いに異なる波長を有する複数の信号光からなる多波
長信号光が用いられる。このようなWDM伝送システム
に対して、Er添加ファイバ増幅器(EDFA)やラマ
ン増幅器などの光ファイバ増幅器を光伝送路上に設置し
た場合、光伝送路の一部となっている増幅用光ファイバ
では、光増幅用の励起光が多波長信号光とともに伝搬さ
れる。
【0042】特に、誘導ラマン散乱によるラマン増幅現
象を利用するラマン増幅器では、希土類元素を添加した
光ファイバを増幅用光ファイバとして用いるEDFAな
どの希土類元素添加ファイバ増幅器とは異なり、通常の
光ファイバ伝送路を構成している石英系の光ファイバな
どを、ラマン増幅用光ファイバとして利用することが可
能である。このため、ラマン増幅器が設置された光伝送
システムにおいては、多波長信号光とラマン増幅用励起
光とがともに通常の光ファイバ伝送路上を伝搬される場
合がある。
【0043】このような光伝送システムに対して、光増
幅器での光増幅利得を平坦化するために信号光に損失を
与える光フィルタを適用すると、利得平坦化の必要がな
い励起光に対しても余分な損失が与えられることとな
る。特に、このような光フィルタは、通常、利得平坦化
の対象となっている多波長信号光がある信号光波長帯域
での光学特性のみを考慮して設計される。このため、励
起光波長帯域の光に対する損失が大きく、また、その光
学特性が不安定であるなどの理由により、信号光波長帯
域外にある励起光を好適な状態に保持することができな
い。
【0044】これに対して、上記した実施形態の光フィ
ルタによれば、信号光パワーの傾斜の補償が必要な信号
光波長帯域の多波長信号光に対して所定の損失傾斜で損
失を与えることによって、多波長信号光のそれぞれの信
号光パワーを調整することができる。また、補償が不必
要な励起光に対しては、励起光を分波して余分な損失が
与えられることを防止して、好適な状態に保持すること
が可能となる。
【0045】なお、第1波長帯域となる信号光波長帯域
と、第2波長帯域となる励起光波長帯域とについて具体
的な例を挙げておくと、1.55μm帯の波長帯域を利
用したWDM伝送システムでは、信号光波長帯域は、例
えば1.52μm〜1.62μmである。また、このよ
うな信号光波長帯域に対して、励起光波長帯域は、例え
ば1.4μm〜1.42μmである。
【0046】信号光波長帯域(第1波長帯域)内にある
多波長信号光と、多波長信号光をラマン増幅可能な励起
光波長帯域(第2波長帯域)内にある励起光とが光伝送
路上を伝搬されている光伝送システムに対して、図1に
示した光フィルタを適用したときの光の伝搬状態を図2
(a)に示す。なお、図2(a)、(b)、及び(c)
においては、実線矢印が信号光の伝搬状態を、また、破
線矢印が励起光の伝搬状態をそれぞれ示している。
【0047】図2(a)に示すように、入力側の光伝送
路から図1に示した構成の光フィルタへと入力された信
号光及び励起光は、第1光回路1の光合分波器10にお
いて別々の光導波路へと分波される。そして、分波され
た光の一方である信号光は、第2光回路2の損失傾斜調
整器20において可変の損失傾斜によって損失が与えら
れ、第3光回路3の光合分波器30へと入力される。
【0048】一方、分波された光の他方である励起光
は、損失傾斜調整器20を通過することなく、第3光回
路3の光合分波器30へと入力される。そして、信号光
パワーが調整された信号光と、余分な損失が与えられる
ことなく通過した励起光とは、光合分波器30において
再び合波され、本光フィルタから出力側の光伝送路へと
出力される。
【0049】ここで、本発明による光フィルタの構成と
しては、図1に示した光フィルタにおいて、最も後段に
位置する第3光回路3を省略しても良い。
【0050】すなわち、第1波長帯域の光に損失を与え
る第2光回路2に対して、図1に示すように第1波長帯
域の光と第2波長帯域の光とを合波する第3光回路3を
接続することにより、入力された多波長の光のうちで所
望の波長帯域にある光のみについて光パワーの傾斜を調
整した後、再び多波長の光として出力することが可能と
なる。これに対して、信号光と励起光とを別々に出力し
たい場合などには、図1に示した構成から第3光回路3
を除外して、第1光回路1及び第2光回路2のみから光
フィルタを構成しても良い。
【0051】このような構成の光フィルタを光伝送シス
テムに対して適用したときの光の伝搬状態を図2(b)
に示す。この構成では、入力側の光伝送路から光フィル
タへと入力された信号光及び励起光は、第1光回路1の
光合分波器10において別々の光導波路へと分波され
る。そして、分波された光の一方である信号光は、第2
光回路2の損失傾斜調整器20において可変の損失傾斜
によって損失が与えられ、第2光回路2の第1出力端2
12(図1参照)を介して、本光フィルタから出力側の
信号光出力用の光伝送路へと出力される。
【0052】一方、分波された光の他方である励起光
は、損失傾斜調整器20を通過することなく、第2光回
路2の第2出力端222を介して、本光フィルタから出
力側の励起光出力用の光伝送路へと出力される。
【0053】また、このような2段構成の光フィルタで
は、励起光の伝搬方向を信号光の伝送方向に対して逆方
向としても良い。この場合の光の伝搬状態を図2(c)
に示す。この例では、入力側の光伝送路から光フィルタ
へと入力された信号光は、第1光回路1の光合分波器1
0を通過し、第2光回路2の損失傾斜調整器20におい
て可変の損失傾斜によって損失が与えられた後に、第2
光回路2の第1出力端212を介して、本光フィルタか
ら出力側の信号光出力用の光伝送路へと出力される。
【0054】一方、励起光は、信号光の出力側にある励
起光入力用の光伝送路から、第2光回路2の第2出力端
222を介して光フィルタへと入力される。そして、第
2光回路2を通過した励起光は、第1光回路1の光合分
波器10において、信号光に対して逆方向に合波され
る。
【0055】なお、励起光の伝搬方向については、2段
構成の光フィルタに限らず、図1及び図2(a)に示し
たように第3光回路3を有する3段構成の光フィルタに
おいても、同様に、励起光の伝搬方向を逆方向とするこ
とが可能である。
【0056】図3は、光フィルタの第2実施形態を示す
構成図である。本実施形態は、図1に示した第1実施形
態の光フィルタについて、より具体的な構成例を示すも
のとなっている。
【0057】第1光回路1は、基板100上に所定の導
波路パターンで形成された光導波路からなる平面導波路
型光回路である。基板100上には、光回路を構成する
光導波路として、信号光伝送方向に対して入力側の端面
101(図中の左側の端面)と、端面101とは反対側
で出力側の端面102(図中の右側の端面)との間に2
本の光導波路110、120が設けられている。
【0058】光導波路110は、端面101側に設けら
れた第1入力端111と、端面102側に設けられた第
1出力端112との間に形成された主導波路である。ま
た、第1入力端111は、本光フィルタへと光を入力す
る光入力端となっている。この主導波路110に対し
て、第1入力端111から第1出力端112へと順に、
第1光カプラ151、第2光カプラ152、及び第3光
カプラ153の3つの光カプラが設けられている。
【0059】一方、光導波路120は、端面101側に
設けられた導波路端121と、端面102側に設けられ
た第2出力端122との間に形成された副導波路であ
る。この副導波路120は、主導波路110に対して、
上記した光カプラ151、152、及び153のそれぞ
れを介して光結合されている。これにより、主導波路1
10、副導波路120、第1光カプラ151、第2光カ
プラ152、及び第3光カプラ153は、マッハツェン
ダ干渉計を構成している。
【0060】このマッハツェンダ干渉計は、図1に示し
た第1光回路1での光合分波器10に相当する光回路部
分である。光合分波器10として機能する本マッハツェ
ンダ干渉計により、第1入力端111に入力された光の
うち、第1波長帯域内にある波長を有する光は、主導波
路110を通過して第1出力端112から出力される。
また、第2波長帯域内にある波長を有する光は、主導波
路110から副導波路120へと分波されて第2出力端
122から出力される。
【0061】第2光回路2は、基板200上に所定の導
波路パターンで形成された光導波路からなる平面導波路
型光回路である。基板200上には、光回路を構成する
光導波路として、入力側の端面201と、出力側の端面
202との間に3本の光導波路210、220、230
が設けられている。また、この第2光回路2の入力側の
端面201は、図3に示すように、第1光回路1の出力
側の端面102に対して、融着または接着剤などによっ
て接続されている。
【0062】光導波路210は、端面201側に設けら
れた第1入力端211と、端面202側に設けられた第
1出力端212との間に形成された第1主導波路であ
る。また、第1入力端211は、第1光回路1の第1出
力端112に対して接続されている。この第1主導波路
210に対して、第1入力端211から第1出力端21
2へと順に、第1光カプラ251、第2光カプラ25
2、及び第3光カプラ253の3つの光カプラが設けら
れている。
【0063】一方、光導波路230は、端面201側に
設けられた導波路端231と、端面202側に設けられ
た導波路端232との間に形成された副導波路である。
この副導波路230は、第1主導波路210に対して、
上記した光カプラ251、252、及び253のそれぞ
れを介して光結合されている。これにより、第1主導波
路210、副導波路230、第1光カプラ251、第2
光カプラ252、及び第3光カプラ253は、マッハツ
ェンダ干渉計を構成している。
【0064】このマッハツェンダ干渉計は、図1に示し
た第2光回路2での損失傾斜調整器20に相当する光回
路部分である。損失傾斜調整器20として機能する本マ
ッハツェンダ干渉計により、第1光回路1の第1出力端
112から第1入力端211に入力された第1波長帯域
内にある波長を有する光は、第1主導波路210を通過
するとともに所定の損失傾斜によって損失が与えられ
て、第1出力端212から出力される。
【0065】また、光導波路220は、端面201側に
設けられた第2入力端221と、端面202側に設けら
れた第2出力端222との間に形成された第2主導波路
である。また、第2入力端221は、第1光回路1の第
2出力端122に対して接続されている。第1光回路1
の第2出力端122から第2入力端221に入力された
第2波長帯域内にある波長を有する光は、第2主導波路
220を通過して、第2出力端222から出力される。
【0066】ここで、本実施形態の光フィルタにおいて
は、損失傾斜調整器20として機能する上記したマッハ
ツェンダ干渉計を構成している第1主導波路210及び
副導波路230に対して、本損失傾斜調整器での第1波
長帯域の光に与える損失の損失傾斜を可変に制御するた
めのヒータ261、262が設けられている。
【0067】すなわち、第1光カプラ251及び第2光
カプラ252の間の副導波路230に対し、副導波路2
30の温度を調整する温度調整手段として、ヒータ26
1が設置されている。また、第2光カプラ252及び第
3光カプラ253の間の第1主導波路210に対し、第
1主導波路210の温度を調整する温度調整手段とし
て、ヒータ262が設置されている。
【0068】これらのヒータ261、262は、第1主
導波路210及び副導波路230の温度を調整すること
によって、第1主導波路210と副導波路230とのそ
れぞれを導波される光に対する位相変化量を調整するも
のである。また、これらのヒータ261、262での温
度は、それぞれのヒータへの供給電力P1、P2を変え
ることによって調整することができる。これにより、第
1入力端211からマッハツェンダ干渉計を介して第1
出力端212へと到達する光導波路において、第1波長
帯域の光に与えられる損失の損失傾斜は、ヒータ26
1、262への供給電力を利用して電気的に調整が可能
となっている。
【0069】第3光回路3は、基板300上に所定の導
波路パターンで形成された光導波路からなる平面導波路
型光回路である。基板300上には、光回路を構成する
光導波路として、入力側の端面301と、出力側の端面
302との間に2本の光導波路310、320が設けら
れている。また、この第3光回路3の入力側の端面30
1は、図3に示すように、第2光回路2の出力側の端面
202に対して、融着または接着剤などによって接続さ
れている。
【0070】光導波路310は、端面301側に設けら
れた第1入力端311と、端面302側に設けられた第
1出力端312との間に形成された主導波路である。ま
た、第1入力端311は、第2光回路の第1出力端21
2に対して接続されている。また、第1出力端312
は、本光フィルタから光を出力する光出力端となってい
る。この主導波路310に対して、第1入力端311か
ら第1出力端312へと順に、第1光カプラ351、第
2光カプラ352、及び第3光カプラ353の3つの光
カプラが設けられている。
【0071】一方、光導波路320は、端面301側に
設けられた第2入力端321と、端面302側に設けら
れた導波路端322との間に形成された副導波路であ
る。また、第2入力端321は、第2光回路2の第2出
力端222に対して接続されている。この副導波路32
0は、主導波路310に対して、上記した光カプラ35
1、352、及び353のそれぞれを介して光結合され
ている。これにより、主導波路310、副導波路32
0、第1光カプラ351、第2光カプラ352、及び第
3光カプラ353は、マッハツェンダ干渉計を構成して
いる。
【0072】このマッハツェンダ干渉計は、図1に示し
た第3光回路3での光合分波器30に相当する光回路部
分である。光合分波器30として機能する本マッハツェ
ンダ干渉計により、第2光回路2の第1出力端212か
ら第1入力端311に入力された第1波長帯域内にある
波長を有する光は、主導波路310を通過して第1出力
端312から出力される。また、第2光回路2の第2出
力端222から第2入力端321に入力された第2波長
帯域内にある波長を有する光は、副導波路320から主
導波路310へと合波されて第1出力端312から出力
される。
【0073】図3に示した光フィルタにおいては、基板
上に形成された光導波路からなる平面導波路型光回路に
よって光フィルタを構成している。このように、平面光
導波路を用いて光回路を構成することにより、良好な特
性を有する光フィルタを比較的簡単な光回路構成(導波
路構成)によって実現することができる。
【0074】また、本実施形態では、第1光回路1、第
2光回路2、及び第3光回路3を、それぞれ別の基板1
00、200、及び300上に形成している。これによ
り、各平面導波路型光回路の構成及びその製造が簡単化
されるので、全体としての光フィルタの製造が容易とな
り、製造歩留まりが向上される。ただし、第1光回路
1、第2光回路2、及び第3光回路3を単一の基板上に
形成しても良い。
【0075】また、各光回路の構成については、第1光
回路1における光合分波器10、第2光回路2における
損失傾斜調整器20、及び第3光回路3における光合分
波器30を、それぞれマッハツェンダ干渉計を利用して
構成している。このようにマッハツェンダ干渉計を用い
た光回路構成とすることにより、光フィルタを小型化す
ることができる。
【0076】ただし、これらの各光回路については、マ
ッハツェンダ干渉計以外の構成の光回路を用いても良
い。例えば、第1光回路1の光合分波器10、及び第3
光回路3の光合分波器30としては、例えば、ファイバ
型光カプラ、多層膜フィルタを利用した光カプラ、また
はバルク型光カプラなどの各種の光カプラを用いること
が可能である。また、第2光回路2の損失傾斜調整器2
0についても、他の構成の光回路を用いても良い。
【0077】また、本実施形態での第2光回路2におい
ては、第1主導波路210及び副導波路230の温度
を、供給電力P1、P2を介して電気的に制御可能なヒ
ータ261、262を用いて調整し、これによって、第
2光回路2において第1波長帯域の光に与えられる損失
の損失傾斜を可変に制御している。このような構成によ
れば、光増幅器での利得傾斜などが変動した場合でも、
信号光パワーを好適に調整することができる。
【0078】図3に示した光フィルタについて、さらに
具体的に説明する。ここでは、第1波長帯域の光を、波
長1.52μm〜1.62μmの信号光波長帯域内にあ
る多波長信号光とする。また、第2波長帯域の光を、波
長1.4μm〜1.42μmの励起光波長帯域内にある
ラマン増幅用の励起光とする。
【0079】図4は、図3に示した光フィルタにおける
第1光回路の光学特性の一例を示すグラフである。この
グラフにおいて、横軸は光の波長λ(μm)を、縦軸は
第1光回路において光に与えられる損失(dB)を示し
ている。
【0080】図4中の各グラフについては、実線で示す
グラフAは、第1入力端111から第1出力端112へ
の光導波路(Through)での光の透過特性を示してい
る。また、破線で示すグラフBは、第1入力端111か
ら第2出力端122への光導波路(Cross)での光の透
過特性を示している。
【0081】図4に示した例においては、1.4μm/
(1.5μm〜1.6μm)光カプラとして第1光回路
1が構成されている。この第1光回路1では、第1入力
端111に入力された多波長の光のうち、波長1.52
μm〜1.62μmの信号光波長帯域の光は、グラフA
に示されているように、主導波路110を通過して第1
出力端112から出力される。また、波長1.4μm〜
1.42μmの励起光波長帯域の光は、グラフBに示さ
れているように、主導波路110から副導波路120へ
と分波されて第2出力端122から出力される。なお、
第3光回路3についても、この第1光回路1と同様の構
成とすることができる。
【0082】図5は、図3に示した光フィルタにおける
全体の光回路の光学特性の一例を示すグラフである。こ
のグラフにおいて、横軸は光の波長λ(μm)を、縦軸
は光フィルタにおいて光に与えられる損失(dB)を示
している。
【0083】図5中の各グラフについては、グラフC
は、第2光回路2でのヒータ261、262に対する供
給電力をP1=P2=22mWとしたときの光の透過特
性を示している。また、グラフDは、供給電力をP1=
P2=76mWとしたときの光の透過特性を示してい
る。また、グラフEは、供給電力をP1=P2=100
mWとしたときの光の透過特性を示している。
【0084】図5に示すように、第1光回路1の第1入
力端111から第3光回路3の第1出力端312への光
の透過特性では、第2光回路2において損失傾斜調整器
20を構成しているマッハツェンダ干渉計のヒータ26
1、262に対する供給電力P1、P2を変えることに
より、波長1.52μm〜1.62μmの信号光波長帯
域の光に対する透過特性が変化することがわかる。これ
は、損失傾斜調整器20での信号光に対する損失傾斜
が、供給電力P1、P2を介して可変に調整されている
ためである。
【0085】これに対して、波長1.4μm〜1.42
μmの励起光波長帯域の光は、供給電力P1、P2の変
化にかかわらず、0.15dB以下の小さい損失で一定
に保持されている。これは、励起光が第1光回路1で分
波されて、第2光回路2において損失傾斜調整器20を
通過しないためである。
【0086】このように、上記構成を有する光フィルタ
をWDM伝送システムに適用することにより、ラマン増
幅用の励起光を好適に保持しつつ、かつ、多波長信号光
に対する光増幅利得が平坦化されるように各信号光の信
号光パワーを調整することが可能となる。
【0087】図6は、光フィルタの第3実施形態を示す
構成図である。本実施形態は、図3に示した第2実施形
態の光フィルタにおいて、第3光回路3を省略した構成
となっている。また、第1光回路1及び第2光回路2の
構成は、図3に示したものと同様である。
【0088】ここで、本実施形態においては、第2光回
路2の後段に第3光回路3が接続されていないため、第
2光回路2の第1出力端212が、本光フィルタから第
1波長帯域の光(例えば信号光)を出力する第1光出力
端となっている。また、第2出力端222は、本光フィ
ルタから第2波長帯域の光(例えば励起光)を出力また
は入力する第2光出力端となっている(図2(b)及び
(c)参照)。
【0089】図2(b)及び(c)に関して上述したよ
うに、第1波長帯域の光と第2波長帯域の光とを別々に
出力したい場合、あるいは、第2波長帯域の光を逆方向
に合波した場合などには、本実施形態のように、第1光
回路1及び第2光回路2のみから光フィルタを構成する
ことが可能である。すなわち、このような構成において
も、補償が必要な光に対する光パワーの傾斜の補償に適
用でき、かつ、それ以外の波長帯域にある光を好適に保
持することが可能な光フィルタが実現される。
【0090】本発明による光フィルタは、上述した実施
形態に限られるものではなく、様々な変形が可能であ
る。例えば、光回路1、2、3の具体的な構成について
は、図3及び図6に示した実施形態以外にも、様々な構
成の光回路を用いて良い。
【0091】また、第1波長帯域及び第2波長帯域につ
いては、具体的な光伝送システムの構成に応じて設定す
ることが好ましい。
【0092】図7は、図3に示した光フィルタにおける
第1光回路の光学特性の他の例を示すグラフである。こ
のグラフにおいて、横軸は光の波長λ(μm)を、縦軸
は第1光回路において光に与えられる損失(dB)を示
している。
【0093】図7中の各グラフについては、実線で示す
グラフFは、第1入力端111から第1出力端112へ
の光導波路(Through)での光の透過特性を示してお
り、図4中でのグラフAに対応している。また、破線で
示すグラフGは、第1入力端111から第2出力端12
2への光導波路(Cross)での光の透過特性を示してお
り、図4中でのグラフBに対応している。
【0094】図4に示した透過特性では、第1波長帯域
の光に対するグラフAの透過特性が100nm程度の帯
域幅となっている一方、第2波長帯域の光に対するグラ
フBの透過特性は帯域幅が狭くなっている。これに対し
て、図7のグラフGに示すように、1.4μm帯の励起
光波長帯域に相当する第2波長帯域の光に対する透過特
性を、第1波長帯域の光に対するグラフFの透過特性と
同様に広い帯域幅としても良い。
【0095】
【発明の効果】本発明による光フィルタは、以上詳細に
説明したように、次のような効果を得る。すなわち、第
1波長帯域にある波長を有する光、及び第2波長帯域に
ある波長を有する光を含む多波長の光に対して、第1波
長帯域の光と第2波長帯域の光とを分波する第1光回路
と、分波された光の一方である第1波長帯域の光に対し
て可変の損失傾斜によって損失を与える第2光回路とに
よって全体の光回路を構成した光フィルタによれば、補
償が必要な信号光などの光に対する光パワーの傾斜の補
償に適用でき、かつ、それ以外の波長帯域にある励起光
などの光を好適に保持することが可能な光フィルタが実
現される。
【0096】例えば、第1波長帯域を多波長信号光の信
号光波長帯域、第2波長帯域を多波長信号光をラマン増
幅することが可能な励起光の励起光波長帯域として、上
記構成の光フィルタをWDM伝送システムに適用すれ
ば、信号光パワーの傾斜の補償が必要な多波長信号光に
対して、所定の損失傾斜で損失を与えることによって、
多波長信号光のそれぞれの信号光パワーを調整すること
ができる。また、そのような光パワーの補償が不必要な
励起光に対しては、励起光を分波することによって余分
な損失が与えられることを防止して、好適な状態の励起
光に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光フィルタの第1実施形態を模式的に示す構成
図である。
【図2】図1に示した光フィルタにおける多波長信号光
及び励起光の伝搬状態を示す図である。
【図3】光フィルタの第2実施形態を示す構成図であ
る。
【図4】図3に示した光フィルタでの第1光回路の光学
特性を示すグラフである。
【図5】図3に示した光フィルタでの全体の光回路の光
学特性を示すグラフである。
【図6】光フィルタの第3実施形態を示す構成図であ
る。
【図7】図3に示した光フィルタでの第1光回路の光学
特性の他の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…第1光回路、10…光合分波器、100…基板、1
10…主導波路、111…第1入力端、112…第1出
力端、120…副導波路、122…第2出力端、151
…第1光カプラ、152…第2光カプラ、153…第3
光カプラ、2…第2光回路、20…損失傾斜調整器、2
00…基板、210…第1主導波路、211…第1入力
端、212…第1出力端、220…第2主導波路、22
1…第2入力端、222…第2出力端、230…副導波
路、251…第1光カプラ、252…第2光カプラ、2
53…第3光カプラ、261、262…ヒータ、3…第
3光回路、30…光合分波器、300…基板、310…
主導波路、311…第1入力端、312…第1出力端、
320…副導波路、321…第2入力端、351…第1
光カプラ、352…第2光カプラ、353…第3光カプ
ラ、4…損失傾斜制御部。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H047 KA03 KA12 KB04 LA18 RA08 TA12 2H079 AA06 BA01 BA03 CA07 CA24 EA04 EA05 GA01 HA07 HA14 2K002 AA02 AB30 BA01 BA04 CA15 DA10 GA10 HA23 5F072 AB07 AK06 JJ20 QQ07 YY17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路を有して構成された光回路から
    なり、入力された光に対して所定の損失傾斜によって損
    失を与える光フィルタであって、 第1入力端に入力された光を第1波長帯域の光と第2波
    長帯域の光とに分波し、前記第1波長帯域の光を第1出
    力端から出力し、前記第2波長帯域の光を第2出力端か
    ら出力する第1光回路と、 前記第1光回路の前記第1出力端から出力された前記第
    1波長帯域の光を第1入力端に入力して第1出力端から
    出力し、前記第1光回路の前記第2出力端から出力され
    た前記第2波長帯域の光を第2入力端に入力して第2出
    力端から出力するとともに、前記第1入力端から前記第
    1出力端への光導波路において前記第1波長帯域の光に
    与えられる波長に対する損失傾斜が可変に制御可能な第
    2光回路とを備えることを特徴とする光フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記第1光回路は、 前記第1入力端及び前記第1出力端を両端とする光導波
    路である主導波路と、 前記第2出力端を一端とする光導波路であり、少なくと
    も2つの光カプラを介して前記主導波路と光結合され
    て、前記主導波路及び前記光カプラとともに光合分波器
    として機能するマッハツェンダ干渉計を構成する副導波
    路とを有することを特徴とする請求項1記載の光フィル
    タ。
  3. 【請求項3】 前記第2光回路は、 前記第1入力端及び前記第1出力端を両端とする光導波
    路である第1主導波路と、 少なくとも2つの光カプラを介して前記第1主導波路と
    光結合されて、前記第1主導波路及び前記光カプラとと
    もに損失傾斜調整器として機能するマッハツェンダ干渉
    計を構成する副導波路と、 前記第2入力端及び前記第2出力端を両端とする光導波
    路である第2主導波路とを有することを特徴とする請求
    項1記載の光フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記第1光回路は、ファイバ型光カプ
    ラ、多層膜フィルタを利用した光カプラ、またはバルク
    型光カプラであることを特徴とする請求項1記載の光フ
    ィルタ。
  5. 【請求項5】 前記第1光回路と前記第2光回路とは、
    それぞれ別の基板上に形成された平面導波路型光回路で
    あることを特徴とする請求項1記載の光フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記第2光回路の前記第1出力端から出
    力され第1入力端に入力された前記第1波長帯域の光
    と、前記第2光回路の前記第2出力端から出力され第2
    入力端に入力された前記第2波長帯域の光とを合波して
    第1出力端から出力する第3光回路を備えることを特徴
    とする請求項1記載の光フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記第3光回路は、 前記第1入力端及び前記第1出力端を両端とする光導波
    路である主導波路と、 前記第2入力端を一端とする光導波路であり、少なくと
    も2つの光カプラを介して前記主導波路と光結合され
    て、前記主導波路及び前記光カプラとともに光合分波器
    として機能するマッハツェンダ干渉計を構成する副導波
    路とを有することを特徴とする請求項6記載の光フィル
    タ。
  8. 【請求項8】 前記第3光回路は、ファイバ型光カプ
    ラ、多層膜フィルタを利用した光カプラ、またはバルク
    型光カプラであることを特徴とする請求項6記載の光フ
    ィルタ。
  9. 【請求項9】 前記第3光回路は、前記第1光回路及び
    前記第2光回路とは別の基板上の形成された平面導波路
    型光回路であることを特徴とする請求項6記載の光フィ
    ルタ。
  10. 【請求項10】 前記第1波長帯域の光は、所定の信号
    光波長帯域内にある多波長信号光であり、かつ、前記第
    2波長帯域の光は、前記多波長信号光をラマン増幅する
    ことが可能な所定波長の励起光であることを特徴とする
    請求項1記載の光フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006292917A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Furukawa Electric Co Ltd:The 光導波回路デバイス
JP2009512182A (ja) * 2005-10-06 2009-03-19 ブッカム テクノロジー ピーエルシー Wdm信号を利得平坦化するための光学コンポーネント、及び同コンポーネントを備える光増幅器

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