JP2005070259A - 可変損失傾斜補償器及び波長多重通信システム - Google Patents

可変損失傾斜補償器及び波長多重通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP2005070259A
JP2005070259A JP2003298361A JP2003298361A JP2005070259A JP 2005070259 A JP2005070259 A JP 2005070259A JP 2003298361 A JP2003298361 A JP 2003298361A JP 2003298361 A JP2003298361 A JP 2003298361A JP 2005070259 A JP2005070259 A JP 2005070259A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
variable
loss
sided
resonator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003298361A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Hirose
靖雄 廣瀬
Takuro Asano
卓朗 朝野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama TLO Co Ltd
Original Assignee
Yokohama TLO Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama TLO Co Ltd filed Critical Yokohama TLO Co Ltd
Priority to JP2003298361A priority Critical patent/JP2005070259A/ja
Publication of JP2005070259A publication Critical patent/JP2005070259A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Abstract

【課題】 構造が簡易であり、偏波依存性がなく、また、適用波長帯を広くとることができる可変損失傾斜補償器を提供する。
【解決手段】 可変損失傾斜補償器は、入射光の透過波長をシフトさせる可変波長フィルタ(F1,F2)を光路上に複数備える。この複数の可変波長フィルタF1,F2に内、一方の可変波長フィルタは透過光の波長を長波長側にシフトさせ、他方の可変波長フィルタは透過光の波長短波長側にシフトさせる。この可変波長フィルタを、同時に同じシフト量だけ互いに逆方向に波長シフトさせることにより、同じ中心波長のままで損失波長特性の傾斜のみを変化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、可変損失傾斜補償器及び波長多重通信システムに関する。
光通信システムでは、大容量化、高速化する一方法として、複数の異なる波長の光信号を多重化して伝送する波長多重通信方式(Wavelength Division Multiplexing,WDM)が用いられている。この波長多重通信方式では、エルビウム添加光ファイバ増幅器(Erbium-Doped Fiber Amplifier,EDFA)という光増幅器が用いられている。このエルビウム添加光ファイバ増幅器は、希土類イオンであるエルビウムをファイバ内に添加し、これに信号光とレーザダイオードからの励起光を入射し、光励起されたエルビウムイオンに信号光を作用させて、誘導放出により信号光を増幅させる。
エルビウム添加光ファイバ増幅器は、シングル・モード光ファイバとの接続損失が小さく、増幅波長域が光通信で多く使われている最低損失波長の1.55μmに一致し、また、高い増幅特性(30dB以上)を持ち、増幅帯域が広く、異なる波長の光信号を一括して増幅することが可能である等の特徴があり、伝送中継器の光増幅器として波長多重通信方式に欠かすことができないものである。
エルビウム添加光ファイバ増幅器は、光信号を励起する部分が集中している集中型光アンプであって、雑音の累積につながる伝送路光ファイバの損失や、信号のひずみや雑音の原因となる非線形性を受けるという制限があり、また、エネルギー構造の微細構造により、強度波長特性が平坦でないため増幅された各波長の光信号の光出力レベルに偏差が生じる。また、波長多重通信方式では、受信機側において波長分岐する際、他の波長が雑音として作用するため、増幅利得の低い波長での光信号ではSN比が劣化することになり、伝送可能な距離が短くなる。また、伝送可能な帯域が狭くなることにより、チャンネル数が減少する。
これらの、問題を解決するための利得平坦化技術として、エルビウム添加光ファイバ増幅器の強度波長特性と逆の損失波長特性を持つ素子をエルビウム添加光ファイバ増幅器内に挿入して利得等化する技術が提案されている。
図25は、32チャンネル,5Gb/sの波長多重通信システムにおける各チャンネルの光強度分布の一例を示す図であり、図26は、損失傾斜補償器の原理を説明するための概略図である。図26(a)に示す補償前の各チャンネルの光強度レベルの偏差は、図26(b)に示す補償器の波長特性によって、各波長の信号を等しい出力レベルに調整して平坦化を行う。
しかしながら、エルビウム添加光ファイバ増幅器は入力信号パワーの変化によって、その強度波長特性の傾きが変化するため、可変損失傾斜補償器では、損失波長特性の傾斜を制御する必要がある。このため、平坦化を行う素子の損失波長特性の傾斜を可変的に制御できる可変損失傾斜補償器が求められている。
可変損失傾斜補償器として、誘導体多層膜を用いた方法(非特許文献1)、マッハツェンダ干渉計を用いた方法(非特許文献2)、Long Period Fiber Grating(LPFG)を用いた方法(非特許文献3)が知られている。
石和田隆,三田村宣明,長枝浩:"WDM用可変スペクトル等化器の開発",2000年 電子情報通信学会エレクトロソサエティ大会,C−3−3 広瀬智財,畑山均,斉藤眞秀:"PLC型可変損失傾斜補償器",2000年 電子情報通信学会エレクトロソサエティ大会,C−3−18 監物巨人,石井裕,酒井哲弥:"可変利得等価器を用いた光ファイバ増幅器",フジクラ技報第98号,2000
従来提案されている可変損失傾斜補償器は、構造が複雑であるという問題、偏波依存性があるという問題、適用波長帯が狭いという問題がある。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、構造が簡易であり、偏波依存性がなく、また、適用波長帯を広くとることができる可変損失傾斜補償器を提供することを目的とする。
本発明は、互いに逆方向の波長シフト特性を持つフィルタを組み合わせることにより損失波長特性の傾斜を制御するものである。
本発明の可変損失傾斜補償器は、入射光の透過波長をシフトさせる可変波長フィルタを光路上に複数備える。この複数の可変波長フィルタの内、一方の可変波長フィルタは透過光の波長を長波長側にシフトさせ、他方の可変波長フィルタは透過光の波長短波長側にシフトさせる。この可変波長フィルタを互いに逆方向に波長シフトさせることにより、損失波長特性の傾斜のみを変化させることができる。損失波長特性の傾斜変化を同じ中心波長のままで行う場合には、互いに逆方向への波長シフトを同時に同じシフト量とすることが望ましい。
図1は本発明の可変損失傾斜補償器の構成を説明するための概略図であり、図2は本発明の可変損失傾斜補償器による損失波長特性を説明するための損失波長特性図である。
図1において、本発明の可変損失傾斜補償器は、第1の可変波長フィルタF1と第2の可変波長フィルタF2とを光路上に配置し、入射光を第1の可変波長フィルタF1及び第2の可変波長フィルタF2に通して出射光を得る。エルビウム添加光ファイバ増幅器によりその強度波長特性の傾きが変化している入射光は、その傾きと反対特性を持つ可変損失傾斜補償器の透過特性により、強度波長特性が平坦化される。
本発明の可変損失傾斜補償器は、二つの可変波長フィルタを組み合わせて構成される。本発明の可変損失傾斜補償器の透過特性は、二つの可変波長フィルタの透過特性を合成して得られ、各可変波長フィルタの波長シフト方向を互いに逆方向とすることにより、中心波長を変えることなく強度波長特性の傾きのみを制御する。強度波長特性の傾きの程度は、各可変波長フィルタの鋭さ、即ちフィネスと波長シフト量を調整することで制御する。
図2は二つの可変波長フィルタの透過特性とその合成透過特性を示している。なお、図2(a)〜図2(d)において、添え字1を付した図面((a1)〜(d1))は二つの可変波長フィルタ(実線及び破線で示す)を示し、添え字2を付した図面((a2)〜(d2))は合成透過特性を示している。また、図2(a)は波長シフト前の状態を示し、図2(b)〜(d)は波長シフト後の状態を示しており、波長シフト量の順に示している。図2中の矢印は波長シフトの方向を示し、実線は長波長側にシフトする透過特性であり、破線は短波長側にシフトする透過特性である。図2(e)は、図2(a)〜図2(d)の一点鎖線で示す波長帯域における各透過特性の傾きを重ねて示している。図示するように、波長シフト量を調整することにより、中心波長(例えば、透過ピークの波長あるいは阻止ピークの波長)を変えることなく、各透過特性の傾きのみを変化させることができる。
本発明の可変損失傾斜補償器の第1の態様は、半反射鏡の反射面をその間隔を変更可能に対向配置させる2つの共振器によって可変波長フィルタを構成し、一方の共振器は間隔を広げることにより透過光の波長を長波長側にシフトさせ、他方の共振器は前記間隔を狭めることにより透過光の波長を短波長側にシフトさせる。
この波長シフトにおいて、両共振器は反射面間の間隔を同時に同じ幅だけ互いに逆方向に増減させることにより、互いに逆方向に波長シフトさせ、中心波長を変えることなく合成透過特性の傾きのみを変化させる。
第1の態様の一形態は、両面に反射膜を備える両面反射鏡と、反射鏡と対向する面に反射膜を備える2つの片面反射鏡とを備え、両片面反射鏡間を所定距離に保持すると共に両面反射鏡を挟んで配置し、一方の片面反射鏡と両面反射鏡とにより構成される一方の共振器と、他方の片面反射鏡と両面反射鏡とにより構成される他方の共振器とにより複合共振器を構成する。両面反射鏡と2つの片面反射鏡との相対的な移動により、2つの共振器の間隔を互いに逆方向に増減させて、互いに逆方向に波長をシフトさせる。両面反射鏡と2つの片面反射鏡とは、何れか一方を固定し、他方を移動させることにより、2つの共振器の間隔を互いに逆方向に増減させる。
第1の態様の他の形態は、2つの片面反射鏡の各反射膜を互いに対向配置させてなる共振器を光路上に2組配置して複合共振器を構成する。各共振器の片面反射鏡間の間隔を、両共振器で互いに逆方向に増減させて、互いに逆方向に波長をシフトさせる。
また、本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様は、ファイバコアに2つのファイバグレーティングを間隔を開けて配置してなる共振器により可変波長フィルタを構成し、この2つのファイバグレーティングを光路上に2組配置し、一方の共振器のファイバコアの光軸方向の圧縮と、他方の共振器のファイバコアの光軸方向の伸張を同時に行い、互いに逆方向に波長をシフトさせる。
一方の共振器のファイバコアを光軸方向に圧縮することにより短波長側に波長シフトさせ、他方の共振器のファイバコアを光軸方向に伸張させることにより長波長側に波長シフトさせる。2組の共振器におけるファイバコアの圧縮量と伸張量を等量とすることにより、互いに逆方向に波長をシフトさせ、中心波長を変えることなく合成透過特性の傾きのみを変化させる。
本発明の波長多重通信システムは、波長多重通信信号を伝送する光伝送路とこの光伝送路に本発明の可変損失傾斜補償器を接続した構成とし、可変損失傾斜補償器は波長多重通信信号を長波長側への波長シフトと短波長側への波長シフトとの組み合わせにより損失傾斜を補償する。
また、可変損失傾斜補償器は、波長多重通信信号を長波長側に波長シフトさせる第1の可変波長フィルタと、波長多重通信信号を短波長側に波長シフトさせる第2の可変波長フィルタとを備えた構成とし、第1の可変波長フィルタと第2の可変波長フィルタとを光路上で従属接続させることにより、長波長側への波長シフトと短波長側への波長シフトとを組み合わせて損失傾斜を補償する。
以上説明したように、本発明によれば、構造が簡易であり、偏波依存性がなく、また、適用波長帯を広くとることができる可変損失傾斜補償器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図3は本発明の可変損失傾斜補償器に用いるフィルタを説明するための概略図である。図3に示すフィルタ100はエタロンフィルタであり、2枚の平行な半透明鏡101,102で構成され、このフィルタ100に光ビームを入射させると、2枚の半透明鏡101,102の間で多重反射による干渉が起こり、出射したビーム強度に波長依存性を生じさせることができる。
ここで、半透明鏡101,102の反射率をR、フィルタ内の屈折率をn、共振器間隔をLとすると、エタロンフィルタの透過率波長特性(透過率T)は、
T=1/(1+4R・sin(2πnL/λ)/(1−R)) (1)
で表される。
式(1)において、エタロンフィルタの半透明鏡の反射率Rを変化させると透過率波長特性は変化する。図4は反射率Rの変化に対する透過率波長特性を示している。
ここで、屈折率n、共振器間隔Lを適宜設定し、反射率Rを変化させることにより、WDMで主に使用されるCバンド(1530〜1565nm)の帯域幅内でフィルタの損失傾斜を制御することができる。図5は、屈折率を1.00、共振器間隔Lを7.6μmに設定し、反射率Rを0.05、0.10,0.15,0.20に変化させたときの透過率波長特性を示している。図から、反射率Rを変えることにより、Cバンド(1530〜1565mm)の帯域幅内においてフィルタの損失傾斜を制御することができることを示している。
また、エタロンフィルタは、共振器の共振器間隔Lを変化させると中心波長がシフトするという特性を備えている。図6は、共振器の共振器間隔変化による透過特性変化図であり、共振器間隔Lがそれぞれ7.6μm,7.7μm,7.8μmの場合の透過率波長特性を示し、共振器間隔Lが短くなると短波長側にシフトし、共振器間隔Lが長くなると長波長側にシフトする。
本発明の可変損失傾斜補償器は、この共振器の共振器間隔変化による中心波長のシフトを用いて損失傾斜を制御する。
以下、図7〜図11を用いて、本発明の可変損失傾斜補償器の原理を説明する。本発明の可変損失傾斜補償器は、2組のエタロンフィルタを組み合わせた構成であり、協動して動作する2組の共振器により複合共振器を構成している。
図7は、本発明の可変損失傾斜補償器の構成を説明するための図である。図7において、可変損失傾斜補償器1は、それぞれ共振器を構成する第1フィルタ2と第2フィルタ3の2つのフィルタを光路上に配置して構成される。
第1フィルタ2は、半透明鏡5と半透明鏡4aのそれぞれ一方の側に設けた反射膜8,7が互いに対向するように対向させて配置することにより構成し、第2フィルタ3は、それぞれ一方の側に設けた反射膜9,10が互いに対向するように、半透明鏡4bと半透明鏡9とを対向させて配置させて構成し、これら半透明鏡4a,4b,5,6の内で中央の2枚の半透明鏡4a,4bが同時に動くよう構成されている。
中央の半透明鏡4a,4bが半透明鏡5,6に対して中央にあるとき(図7(a))、中央の2枚の半透明鏡4a,4bを図面の左方にΔLだけ移動させることにより、第1フィルタ2の共振器間隔はLからL−ΔLに短くなり、第2フィルタ3の共振器間隔はLからL+ΔLに長くなる(図7(b))。
この共振器間隔の変化により、第1フィルタ2の中心波長は短くなり(図の左方にシフトし)、逆に、第2フィルタ3の中心波長は長くなる(図の右方にシフトする)。
この可変損失傾斜補償器は、2つのフィルタを独立し、その合成特性を利用するものである。2つのフィルタを独立とするには、図7に示す構成において、中央の半透明鏡として、その両面をわずかに傾けた(例えば、0.5°程度)ウエッジ基板(ガラス板)を用いる。また、この基板の厚みも3〜5mmとして光の波長よりも充分に大きくし、反射膜8,9を0.5°程度傾けて、反射膜8,9が第3番目のフィルタとなることを防ぐ。
第1フィルタ2と第2フィルタ3を透過した光の透過率波長特性は、第1フィルタ2の透過率波長特性と第2フィルタ3の透過率波長特性とを合成した特性となる。図8は、共振器間隔の変化量ΔLの変化に伴う、2つのフィルタの透過率波長特性と合成したフィルタの透過率波長特性を示している。
図8(a)は、第1フィルタ2の中心波長と第2フィルタ3の中心波長とがシフトする前の各透過率波長特性(左図)と、両フィルタを透過して得られる合成した透過率波長特性(右図)を示している。このときの適用波長帯での透過波長特性は右下がりであり、負の損失傾斜を示している。なお、ここでは、右上がりの損失傾斜を正としている。
図8(b)の左図は、共振器間隔の変化量ΔLが大きくなったときの透過率波長特性を示している。共振器間隔が変化することにより、第1フィルタ2の中心波長は短くなり(図の左方にシフトし)、第2フィルタ3の中心波長は長くなる(図の右方にシフトする)。図8(b)の右図は、両フィルタを透過して得られる合成した透過率波長特性を示している。このときの適用波長帯での透過波長特性は緩やかな損失傾斜を示している。
図8(c)の左図は、共振器間隔の変化量ΔLがさらに大きくなったときの透過率波長特性を示している。共振器間隔がさらに変化することにより、第1フィルタ2の中心波長はより短くなり(図の左方にシフトし)、第2フィルタ3の中心波長はより長くなる(図の右方にシフトする)。図8(c)の右図は、両フィルタを透過して得られる合成した透過率波長特性を示している。このときの適用波長帯での透過波長特性は正の損失傾斜を示している。
ここで、2つのエタロンフィルタが独立している場合には、合成したフィルタの透過率波長特性(透過率T′)は、
T′=T(L−ΔL)・T(L+ΔL) (2)
で表される。なお、Tは前記式(1)で表される。
図9は、上記した合成したフィルタの透過率波長特性の式(2)を用いたシミュレーション結果を示している。図9(a)〜(c)のシミュレーション結果は、反射率Rがそれぞれ0.10,0.20,0.30の場合を示している。このシミュレーション結果から、反射率Rを高くすることにより損失傾斜の制御の範囲を大きくすることができる。なお、反射率Rが高くなるに伴って、緩い損失傾斜が得られるときの挿入損失は大きくなる。
また、図10は、損失傾斜がCバンド帯に位置する3種類の初期共振器間隔Lについてのシミュレーション結果を示している。図10(a)〜(c)のシミュレーション結果は、共振器間隔Lがそれぞれ7.60μm,10.64μm,13.68μmの場合を示している。このシミュレーション結果から、初期共振器間隔Lが小さい場合には正の損失傾斜が得られるときの挿入損失が大きくなり、初期共振器間隔Lが大きい場合には損失傾斜の直線性が失われる。
なお、初期共振器間隔Lが変化すると損失傾斜の位置がずれる。図11は、初期共振器間隔Lと損失傾斜位置との関係を示す図である。図では、共振器間隔Lが10.54μmから10.74μmまでの間を0.05μmの変化幅で変えたときの損失傾斜位置を示している。
次に、本発明の可変損失傾斜補償器の第1の態様について図12〜図16を用いて説明し、第2の態様について図17〜図29を用いて説明する。
第1の態様は、半反射鏡の反射面をその間隔を変更可能に対向配置させる2つの共振器により可変波長フィルタを構成し、一方の共振器は間隔を広げることにより透過光の波長を長波長側にシフトさせ、他方の共振器は前記間隔を狭めることにより透過光の波長を短波長側にシフトさせる。この波長シフトにおいて、両共振器は反射面間の間隔を同時に同じ幅だけ互いに逆方向に増減させることにより、互いに逆方向に波長シフトさせ、中心波長を変えることなく合成透過特性の傾きのみを変化させる。
図12は、可変損失傾斜補償器の第1の態様の一構成例である。
可変損失傾斜補償器11は、両面に反射膜18,19を備える両面反射鏡14と、両面反射鏡14と対向する面に反射膜17、20を備える2つの片面反射鏡15,16とを備える。2つの片面反射鏡15,16は、連結材21によってその間を所定距離に保持すると共に、両面反射鏡14を挟んで配置する。これにより、一方の片面反射鏡15と両面反射鏡14とにより第1フィルタ12の共振器が構成され、他方の片面反射鏡16と両面反射鏡14とにより第2フィルタ13の共振器が構成される。この2つの共振器は複合共振器を構成する。なお、反射鏡は、例えばARコーティング等を施した誘電体多層膜ミラーとすることができる。
両面反射鏡14と2つの片面反射鏡15,16とを相対的に移動させることにより、2つの共振器(第1フィルタ12,第2フィルタ13)の間隔を互いに逆方向に増減させて、互いに逆方向に波長をシフトさせることができる。
両面反射鏡14と2つの片面反射鏡15,16とは、何れか一方を固定し、他方を移動させることにより、2つの共振器間隔を互いに逆方向に増減させる。図12に示す構成では、両面反射鏡14をベース22に固定し、連結材21で連結された2つの片面反射鏡15,16をベース22に対して移動させる構成例を示している。
図示する例では、2つの片面反射鏡15,16の一方の片面反射鏡にPZT23の一端を取り付け、PZT23の他端をベース22に固定した固定部24に取り付けた構成とし、PZT23に印加する電圧を制御することにより2つの片面反射鏡15,16を両面反射鏡14に対して同時に移動させている。
2つの片面反射鏡15,16は、連結材21により間隔が一定に保たれると共に、両面反射鏡14を挟んで配置しているため、片面反射鏡15,16が例えばΔLだけ図12の左方に移動すると、片面反射鏡15と両面反射鏡14との距離はL+ΔLとなり、片面反射鏡16と両面反射鏡14との距離はL−ΔLとなり、同じ変化量ΔLだけ共振器間隔が増減する(図12(b))。
なお、図する例では、両面反射鏡14をベース22に固定し片面反射鏡15,16を移動させているが、逆に、片面反射鏡15,16をベース22に固定し両面反射鏡14を移動させる構成とすることもできる。
図13は、上記した可変損失傾斜補償器を製作する手順を説明する図である。はじめに、ベース22に両面反射鏡14を固定すると共に、ベース22に固定した固定部24にPZT23の一端を固定する。PZT23に所定電圧(例えば、20V)を印加してPZT23を延ばして状態において、両面反射鏡14の一方の反射膜19の面(PZT23側の面)にスペーサ25(例えば、7.5μm幅)の片面を当接させ、スペーサ25の他方の片面に片面反射鏡16の反射膜20の面を当接させ、この状態で片面反射鏡16を固定部24に固定する。これにより、PZT23に所定電圧を印加したときの、両面反射鏡14と片面反射鏡16との間隔をスペーサ25の幅に設定することができる(図13(a))。
次に、PZT23に印加する電圧を0VとしてPZT23を縮め(図中の矢印A)、スペーサ25を引き抜く(図中の矢印B)(図13(b))。
次に、片面反射鏡16の上端に連結材21の一端を固定し、PZT23に前回と同電圧(ここでは20V)を印加する。この状態で、両面反射鏡14の他方の反射膜18の面(PZT23と反対側の面)に前回と同幅のスペーサ25(ここでは7.5μm幅)の片面を当接させ、スペーサ25の他方の片面に片面反射鏡15の反射膜17の面を当接させ、この状態で片面反射鏡15の上端に連結材21の他端を固定する。このとき、連結材として金属板を用いる場合には、片面反射鏡16との間のスペーサ等の絶縁材を挟んで取り付ける。
これにより、PZT23に所定電圧を印加したときの、両面反射鏡14と片面反射鏡15との間隔を距離をスペーサ25の幅に設定することができる。また、同じ印加電圧時において、両面反射鏡14と片面反射鏡16との間隔をスペーサ25の幅に設定しているため、片面反射鏡15と両面反射鏡14との間隔と、片面反射鏡16と両面反射鏡14との間隔は同一に設定することができる(図13(c))。
この後、PZTにより大きな電圧を印加することにより、片面反射鏡15と両面反射鏡14との間隔を広げ(図中の矢印C)、スペーサ25を引き抜く(図中の矢印D)(図13(d))。
図14は、上記構成の可変損失傾斜補償器において、PZTの印加電圧に対する透過率波長特性の測定結果を示している。
また、この測定結果に基づいて得られる可変損失傾斜補償器の補償器特性を以下の表1に示す。
Figure 2005070259
表1によれば、PZTへの印加電圧を7.5V〜10.7V(バイアス電圧7.5Vを除けば0〜3.2V)まで変化させることによって、Cバンド帯において6.7dB,3.2dB,0.5dB,−2.0dB,−6.7dBの5種類の損失傾斜が得られ、−6.7dB〜6.7dBの連続的な損失傾斜制御が可能となる。
図15は、可変損失傾斜補償器の第1の態様の他の構成例である。この形態は、2つの片面反射鏡の各反射膜を互いに対向配置させてなる共振器を光路上に2組配置して複合共振器を構成する。各共振器の片面反射鏡間の間隔を、両共振器で互いに逆方向に増減させて、互いに逆方向に波長をシフトさせる。
可変損失傾斜補償器31は、第1フィルタ32と第2フィルタ33の2つの共振器を備える。第1フィルタ32は、片面に反射膜37を備える片面反射鏡35と、同じく片面に反射膜38を備える片面反射鏡34Aとを、反射膜37と反射膜38が互いに対向するように配置して構成される。片面反射鏡34Aはベース42に対して固定部47,48により固定され、片面反射鏡35の一端が固定部45によりベース42に固定されたPZT43に取り付けられている。
また、第2フィルタ33は、片面に反射膜40を備える片面反射鏡36と、同じく片面に反射膜39を備える片面反射鏡34Bとを、反射膜36と反射膜39が互いに対向するように配置して構成される。片面反射鏡34Bはベース42に対して固定部49,50により固定され、片面反射鏡36の一端は固定部46によりベース42に固定されたPZT44に取り付けられている。
この2つの共振器(第1フィルタ32及び第2フィルタ33)は複合共振器を構成する。なお、反射鏡は、例えばARコーティング等を施した誘電体多層膜ミラーとすることができる。
両PZT43,44は、一方は伸張させ他方は収縮させ、その伸張長さと収縮長さを、同じ変化量ΔLとすることにより、2つの共振器(第1フィルタ32,第2フィルタ33)の間隔を互いに逆方向に増減させて、互いに逆方向に波長をシフトさせることができる。
片面反射鏡35を例えばΔLだけ図15の左方に移動させると、片面反射鏡35と片面反射鏡34Aとの距離はL+ΔLとなり、他方、片面反射鏡36を例えばΔLだけ図15の左方に移動させると、片面反射鏡36と片面反射鏡34Bとの距離はL−ΔLとなり、同じ変化量ΔLだけ共振器間隔が増減する(図15(b))。
図16は、上記構成の可変損失傾斜補償器において、PZTの印加電圧に対する透過率波長特性の測定結果を示している。
また、この測定結果に基づいて得られる可変損失傾斜補償器の補償器特性を以下の表2に示す。
Figure 2005070259
表2によれば、PZTへの印加電圧を0〜25Vまで変化させることによって、35nmの波長帯において−0.1dB,1.0dB,4.0dB,5.4dBの4種類の損失傾斜が得られ、−0.1dB〜5.4dBの連続的な損失傾斜制御が可能となる。
次に、本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様について図17〜図24を用いて説明する。
本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様は、ファイバコアに2つのファイバグレーティングを間隔を開けて配置してなる共振器により可変波長フィルタを構成し、この2つのファイバグレーティングを光路上に2組配置する。一方の共振器のファイバコアは光軸方向に圧縮させ、他方の共振器のファイバコアは光軸方向に伸張させる。この圧縮と伸張とを同時に行うことで、互いに逆方向に波長をシフトさせる。
一方の共振器のファイバコアを光軸方向に圧縮することにより短波長側に波長シフトさせ、他方の共振器のファイバコアを光軸方向に伸張させることにより長波長側に波長シフトさせる。2組の共振器におけるファイバコアの圧縮量と伸張量を等量とすることにより、互いに逆方向に波長をシフトさせ、中心波長を変えることなく合成透過特性の傾斜のみを変化させる。
ここで、ファイバグレーティングは、例えば光ファイバのコアに紫外線を照射させて周期的な屈折率分布を形成したもので、この周期的な屈折率分布によりファイバを伝搬する光はグレーティングにより定まる特定の波長にみを反射する波長フィルタとして動作する。
図17はファイバグレーティングを説明するための図であり、ファイバコア110に周期的な屈折率分布であるファイバグレーティング111が形成される。グレーティング間隔をΛ、長さをLとしたとき、ファイバグレーティングの透過率Tは、
T=1−((κcl (m)2 /(φ(m)2+κcl (m)2)・sin((φ(m)2+κcl (m)21/2・L/2) (3)
なお、φ(m)=2δ(m)は+κcoであり、κcl (m)はコアモードと方位方向のモード番号l=1のm次クラッドモードとの結合効率、κcoはコアモードとそれ自身の結合効率である。図18はファイバグレーティングの透過特性の一例である。
図19は、可変波長位相シフトファイバグレーティングを説明するための図である。可変波長位相シフトファイバグレーティング60は、2つのファイバグレーティング111Aと111Bとを、その間に屈折率変化がない位相シフト部ΔLを挟んで連結して構成される。なお、ファイバグレーティング111Aの長さはL1とし、ファイバグレーティング111Bの長さはL2とし、グレーティング間隔はΛとする。
ファイバグレーティングの中心波長は主にグレーティング間隔Λによって決まり、このグレーティング間隔Λはファイバの伸縮により制御することができるため、ファイバを伸縮させることによりファイバグレーティングの中心波長を制御することができる。
図20(a)は可変波長位相シフトファイバグレーティング60を圧縮した状態を示し、図20(b)は可変波長位相シフトファイバグレーティング60を伸張した状態を示している。可変波長位相シフトファイバグレーティング60を伸縮させることにより、グレーティング間隔ΛをδΛ変化させる。
図21は可変波長位相シフトファイバグレーティングによる透過率波長特性の一例であり、グレーティング間隔Λの変化δΛに応じてファイバグレーティングの中心波長が変化することを示している。
本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様は、この可変波長位相シフトファイバグレーティングを2つ用いて構成する。
図22は本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様の一構成例を説明するための図である。可変損失傾斜補償器61は、2つの可変波長位相シフトファイバグレーティング62,63を所定間隔を開けて同一光路上に配置し、一方の可変波長位相シフトファイバグレーティングを圧縮させ、他方の可変波長位相シフトファイバグレーティングを伸張させる。可変波長位相シフトファイバグレーティングを圧縮させることにより中心波長は左方(短波長側)にシフトし、他方、可変波長位相シフトファイバグレーティングを伸張させることにより中心波長は右方(長波長側)にシフトする。
本発明の可変損失傾斜補償器は、この2組の可変波長位相シフトファイバグレーティングにおけるファイバコアの圧縮量と伸張量を等量とし、互いに逆方向にシフトさせた透過率波長特性を合成することにより、中心波長を変えることなく合成透過特性の傾斜のみを変化させる。
図23は、本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様による透過率波長特性を示している。この透過率波長特性は、2つの可変波長位相シフトファイバグレーティングによる透過率波長特性を合成した合成透過率波長特性であり、ファイバコアの圧縮量及び伸張量δΛを変化させることにより、所定波長帯において中心波長を変えることなく傾斜のみが変化している。この透過率波長特性の傾斜部分をCバンド帯と呼ばれる波長帯にくるようにグレーティング間隔Λを設定することによって、可変損失傾斜補償器として動作させることができる。
図24は表3に示すパラメータを用いたシミュレーション結果である。このシミュレーション結果によれば、表4に示されるような可変損失傾斜補償器の特性(損失傾斜(Cバンド帯)、挿入損失、線形誤差)を得ることができる。
Figure 2005070259
Figure 2005070259
以下、本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様の構成例を図27〜図29を用いて説明する。
図27に示す構成例において、可変損失傾斜補償器61は2つの位相シフトファイバグレーティング62,63を備え、両端には連結部71により互いに連結された保持部76,77が取り付けられ、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63の中間部分には一端がベース72に固定された固定部74が取り付けられる。また、一方の保持部77(又は76)には、一端が固定部75を介してベース72に固定されたPZT73が取り付けられる。
この構成において、PZT73を駆動すると、位相シフトファイバグレーティング62,63の中間部分が固定部74で固定され、位相シフトファイバグレーティング62,63の各他方の端部は連結部71を介して保持部76,77で保持されているため、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63は一方は伸縮され、他方は圧縮される。
図27(a)は初期状態を示している。この初期状態では、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63のファイバコアは初期長さに設定される。初期状態は、PZT73に印加する電圧を零あるいは所定電圧とすることにより設定することができる。所定電圧を印加した場合には、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63の各ファイバコアを初期長さに設定することができる。
図27(b)は、PZT73を圧縮した状態を示している。これにより、位相シフトファイバグレーティング63は伸張され、位相シフトファイバグレーティング62は圧縮される。一方、図27(c)は、PZT73を伸張した状態を示している。これにより、位相シフトファイバグレーティング63は圧縮され、位相シフトファイバグレーティング62は伸張される。
図28は、第2の態様の別の構成例を示している。図28に示す構成例において、可変損失傾斜補償器61は2つの位相シフトファイバグレーティング62,63を備え、両端は固定部77,76によりそれぞれ固定部75,79を介してベース72に固定されたPZT73,78に固定部が取り付けられ、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63の中間部分には一端がベース72に固定された固定部74が取り付けられる。
この構成において、PZT73,78を互いに逆方向に駆動すると、位相シフトファイバグレーティング62,63の中間部分が固定部74で固定され、位相シフトファイバグレーティング62,63の各他方の端部にはPZT73,78が取り付けられているため、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63は一方は伸縮され、他方は圧縮される。
図28(a)は初期状態を示している。この初期状態では、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63のファイバコアは初期長さに設定される。初期状態は、PZT73,78に印加する電圧を零あるいは所定電圧とすることにより設定することができる。所定電圧を印加した場合には、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63の各ファイバコアを初期長さに設定することができる。
図28(b)は、PZT73を圧縮しPZT78を伸張した状態を示している。これにより、位相シフトファイバグレーティング63は伸張され、位相シフトファイバグレーティング62は圧縮される。一方、図28(c)は、PZT73を伸張しPZT78を圧縮した状態を示している。これにより、位相シフトファイバグレーティング63は圧縮され、位相シフトファイバグレーティング62は伸張される。
図29は、第2の態様の更に別の構成例を示している。図29に示す構成例において、可変損失傾斜補償器61は2つの位相シフトファイバグレーティング62,63を備え、両端はそれぞれ固定部76,77によりベース72に固定され、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63の中間部分には一端がベース72に固定されたPZT79が取り付けられる。
この構成において、PZT79を湾曲駆動すると、位相シフトファイバグレーティング62,63の中間部分が固定部74で固定され、位相シフトファイバグレーティング62,63の各他方の端部が固定部76,77で固定されているため、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63は一方は伸縮され、他方は圧縮される。
図29(a)は初期状態を示している。この初期状態では、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63のファイバコアは初期長さに設定される。初期状態は、PZT79に印加する電圧を零あるいは所定電圧とすることにより設定することができる。所定電圧を印加した場合には、2つの位相シフトファイバグレーティング62,63の各ファイバコアを初期長さに設定することができる。
図29(b)は、PZT79を固定部76側に湾曲させた状態を示している。これにより、位相シフトファイバグレーティング63は伸張され、位相シフトファイバグレーティング62は圧縮される。一方、図28(c)は、PZT79を固定部77側に湾曲させた状態を示している。これにより、位相シフトファイバグレーティング63は圧縮され、位相シフトファイバグレーティング62は伸張される。
なお、図27〜図29の示す構成は一例に過ぎず、光路上で連結される2つの位相シフトファイバグレーティングを互いに逆方向に圧縮、伸張させる機構を備える他の構成とすることもできる。
次に、本発明の可変損失傾斜補償器を備えた波長多重通信システムについて図30を用いて説明する。
図30に示す波長多重通信システムの構成は、従来知られる波長多重通信システムの構成と同様とすることができる。
図30において、複数の光送信機201から出力された波長が異なる光信号は、光マルチプレクサ202において波長分割多重され、これにより得られた波長分割多重信号(WDM信号光)は、光伝送路203に送出される。
光伝送路203は、光ファイバ伝送路211中に損失補充用の光増幅器212と利得等化器213を備える。光伝送路203により送られた波長分割多重信号は光デマルチプレクサ204によって波長にしたがって個々の光信号に分離され、光受信機205に供給される。
本発明の可変損失傾斜補償器は、この波長多重通信システム中の利得等化器213あるいは光増幅器212内に適用することができる。
図31は、本発明の可変損失傾斜補償器を利得等化器に適用した場合の概略構成例である。利得等化器213は光ファイバ伝送路211上にビームスプリッタ213aと本発明の可変損失傾斜補償器213eを設置する。ビームスプリッタ213は光ファイバ伝送路211を通る光信号の一部を分離する。分離した光信号は光ディテクタ231bにより検出し、強度モニタ213cにより光ファイバ伝送路211を通る光信号の強度を監視する。
電圧制御回路213dは、可変損失傾斜補償器213eが備える駆動手段(PZT213f)に印加する電圧を制御する回路であり、強度モニタ213cで検出した光信号の強度特性の損失傾斜が所定波長域内で一定となるような電圧を形成する。可変損失傾斜補償器213eは、電圧制御回路213dから供給される電圧を受け、光ファイバ伝送路211を通る光信号の損失傾斜を調整し、所定波長域内の光信号の強度特性を一定に制御する。
なお、図31では、光ファイバ伝送路211の上流側に強度モニタ213cを配置し、下流側に可変損失傾斜補償器213eを配置する構成を示しているが、上流側に可変損失傾斜補償器213eを配置し、下流側に強度モニタ213cを配置する構成とすることもできる。
上記の態様では、Cバンド帯の波長帯における損失傾斜を制御する例を示しているが、他の波長帯においても同様に損失傾斜を制御することができる。
本発明の態様によれば、半透明鏡あるいは可変波長位相シフトファイバグレーティングの組み合わせにより構成することができるため、簡易な構造で可変損失傾斜補償器を構成することができる。
本発明の態様によれば、偏波依存性がない可変損失傾斜補償器を構成することができる。
本発明の第1の態様によれば、半透明鏡の移動をPZTで行うため、電気的な制御が容易となる。また、制御電圧が5V以下であるため、低電圧制御が可能となる。
本発明の第1の態様態様によれば−6.7dB〜+6.7dBで損失傾斜を制御することができ、第2の態様態様によれば、グレーティング間隔を0〜0.8μmに変化させることで−6.1dB〜+5.8dBで損失傾斜を制御することができる。
本発明の第1の態様によれば、挿入損失を0.8〜3.6dBに抑えることができる。
本発明の第1の態様によれば、中央の半透明鏡あるいは、両側の半透明鏡を移動することにより、WDMで主に使用されるCバンド帯(1530〜1565nmの波長帯)の損失傾斜を制御することができる。
本発明の可変損失傾斜補償器の構成を説明するための概略図である。 本発明の可変損失傾斜補償器による損失波長特性を説明するための損失波長特性図である。 本発明の可変損失傾斜補償器に用いるフィルタを説明するための概略図である。 反射率Rの変化に対する透過率波長特性を示す図である。 エタロンフィルタの透過率波長特性を示す図である。 エタロンフィルタの共振器間隔変化による透過特性変化図である。 本発明の可変損失傾斜補償器の構成を説明するための図である。 共振器間隔の変化量ΔLの変化に伴う、2つのフィルタの透過率波長特性の合成透過率波長特性を示す図である。 合成したフィルタの透過率波長特性のシミュレーション結果を示す図である。 損失傾斜がCバンド帯に位置する3種類の初期共振器間隔Lについてのシミュレーション結果を示す図である。 初期共振器間隔Lと損失傾斜位置との関係を示す図である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第1の態様の一構成例である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第1の態様を製作する手順を説明する図である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第1の態様におけるPZTの印加電圧に対する透過率波長特性の測定結果を示す図である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第1の態様の他の構成例である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第1の態様の他の構成例におけるPZTの印加電圧に対する透過率波長特性の測定結果を示す図である。 ファイバグレーティングを説明するための図である。 ファイバグレーティングの透過特性の一例を示す図である。 可変波長位相シフトファイバグレーティングを説明するための図である。 可変波長位相シフトファイバグレーティングを説明するための図である 可変波長位相シフトファイバグレーティングによる透過率波長特性の一例である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様の一構成例を説明するための図である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様による合成透過率波長特性を示す図である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様のシミュレーション結果を示す図である。 32チャンネル,5Gb/sの波長多重通信システムにおける各チャンネルの光強度分布の一例を示す図である。 損失傾斜補償器の原理を説明するための概略図である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様の構成例を説明するための図である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様の別の構成例を説明するための図である。 本発明の可変損失傾斜補償器の第2の態様の更に別の構成例を説明するための図である。 本発明の可変損失傾斜補償器を備える波長多重通信システムを説明するための概略図である。 本発明の可変損失傾斜補償器を利得等化器に適用した場合の概略構成例である。
符号の説明
1,11,31、61…可変損失傾斜補償器
2,12,32…第1フィルタ
3,13,33…第2フィルタ
4,4a,4b,14,34a,34b…半透明鏡
5,6,15,16,35,36…半透明鏡
7〜10,17〜20,37〜40…反射膜
21,71…連結材
22,42,72…ベース
23…PZT
24…固定部
25…スペーサ
43,44,73,78…PZT
45〜50,74,75,79…固定部
60,62,63…位相シフトファイバグレーティング
71…連結部
76,77…保持部
100…フィルタ
101,102…半透明鏡
110…ファイバコア
201…光送信機
202…光マルチプレクサ
203…光伝送路
204…光デマルチプレクサ
205…光受信機
211…光ファイバ伝送路
212…光増幅器
213…利得等化機
213a…ビームスプリッタ
213b…光ディテクタ
213c…強度モニタ
213d…電圧制御回路
213e…可変損失傾斜補償器
213f…PZT
111,111A,111B…ファイバグレーティング
F1,F2…可変波長フィルタ

Claims (12)

  1. 同一の光信号に対して、光信号の波長の長波長側への波長シフトと短波長側への波長シフトとを順次行い、互いに逆方向の波長シフトを組み合わせることにより光信号の波長強度を制御することを特徴とする可変損失傾斜補償器。
  2. 光信号の波長を長波長側へ波長シフトする可変波長フィルタと、短波長側へ波長シフトする可変波長フィルタとを同一光路上で光学的に接続したことを特徴とする可変損失傾斜補償器。
  3. 入射光の透過波長をシフトさせる可変波長フィルタを光路上に複数備え、
    一方の可変波長フィルタは透過光を長波長側に、他方の可変波長フィルタは透過光を短波長側に波長シフトさせることを特徴とする可変損失傾斜補償器。
  4. 前記可変波長フィルタは、半反射鏡の反射面をその間隔を変更可能に対向配置させる共振器であり、
    一方の共振器は前記間隔を広げることにより透過光の波長を長波長側にシフトさせ、他方の共振器は前記間隔を狭めることにより透過光の波長を短波長側にシフトさせることを特徴とする、請求項3に記載の可変損失傾斜補償器。
  5. 両面に反射膜を備える両面反射鏡と、前記反射鏡と対向する面に反射膜を備える2つの片面反射鏡とを備え、
    両片面反射鏡間を所定距離に保持すると共に両面反射鏡を挟んで配置し、
    一方の片面反射鏡と両面反射鏡とにより構成される一方の共振器と、他方の片面反射鏡と両面反射鏡とにより構成される他方の共振器とにより複合共振器を構成し、
    前記両面反射鏡と前記2つの片面反射鏡との相対的な移動により、2つの共振器の間隔を互いに逆方向に増減させて、互いに逆方向に波長をシフトさせることを特徴とする、可変損失傾斜補償器。
  6. 2つの片面反射鏡の各反射膜を互いに対向配置させてなる共振器を光路上に2組配置して複合共振器を構成し、
    前記各共振器の片面反射鏡間の間隔を、両共振器で互いに逆方向に増減させて、互いに逆方向に波長をシフトさせることを特徴とする、可変損失傾斜補償器。
  7. 前記可変波長フィルタは、ファイバコアに2つのファイバグレーティングを間隔を開けて配置して構成される共振器であり、
    前記共振器を光路上に2組配置し、
    前記一方の共振器のファイバコアの光軸方向の圧縮と、前記他方の共振器のファイバコアの光軸方向の伸張を行い、互いに逆方向に波長をシフトさせることを特徴とする、請求項2に記載の可変損失傾斜補償器。
  8. 前記圧縮と伸張とを同時に行うことを特徴とする、請求項7に記載の可変損失傾斜補償器。
  9. 前記長波長側の波長シフトと短波長側の波長シフトのシフト量の大きさは同じであり、同時に波長シフトさせることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の可変損失傾斜補償器。
  10. 波長多重通信信号を伝送する光伝送路と当該光伝送路の接続される可変損失傾斜補償器とを備え、
    前記可変損失傾斜補償器は、前記波長多重通信信号を長波長側への波長シフトと短波長側への波長シフトとの組み合わせにより損失傾斜を補償することを特徴とする波長多重通信システム。
  11. 前記可変損失傾斜補償器は、波長多重通信信号を長波長側に波長シフトさせる第1の可変波長フィルタと、波長多重通信信号を短波長側に波長シフトさせる第2の可変波長フィルタとを備え、
    第1の可変波長フィルタと第2の可変波長フィルタとを光路上で従属接続させることを特徴とする、請求項10に記載の波長多重通信システム。
  12. 波長多重通信信号を伝送する光伝送路に、請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載の可変損失傾斜補償器を接続したことを特徴とする波長多重通信システム。
JP2003298361A 2003-08-22 2003-08-22 可変損失傾斜補償器及び波長多重通信システム Withdrawn JP2005070259A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003298361A JP2005070259A (ja) 2003-08-22 2003-08-22 可変損失傾斜補償器及び波長多重通信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003298361A JP2005070259A (ja) 2003-08-22 2003-08-22 可変損失傾斜補償器及び波長多重通信システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005070259A true JP2005070259A (ja) 2005-03-17

Family

ID=34403875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003298361A Withdrawn JP2005070259A (ja) 2003-08-22 2003-08-22 可変損失傾斜補償器及び波長多重通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005070259A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013178392A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Seiko Epson Corp 波長可変干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器
JP2020056983A (ja) * 2018-09-27 2020-04-09 セイコーエプソン株式会社 光学装置、及び電子機器
CN114586293A (zh) * 2019-10-29 2022-06-03 湖北工业株式会社 倾斜增益均衡器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013178392A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Seiko Epson Corp 波長可変干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器
JP2020056983A (ja) * 2018-09-27 2020-04-09 セイコーエプソン株式会社 光学装置、及び電子機器
JP7200658B2 (ja) 2018-09-27 2023-01-10 セイコーエプソン株式会社 光学装置、及び電子機器
CN114586293A (zh) * 2019-10-29 2022-06-03 湖北工业株式会社 倾斜增益均衡器
CN114586293B (zh) * 2019-10-29 2024-06-11 湖北工业株式会社 倾斜增益均衡器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6374006B1 (en) Chirped period gratings for raman amplification in circulator loop cavities
JP3824323B2 (ja) 圧縮により波長可変としたファイバレーザ
US6002513A (en) Optical modulator providing independent control of attenuation and spectral tilt
US5598294A (en) Optical fiber amplifier and optical fiber communication system
JPH04212111A (ja) マルチポート光デバイス
US6631246B2 (en) Wavelength division multiplexed optical communication system having tunable multi-channel dispersion compensating filters
US6567430B1 (en) Raman oscillator including an intracavity filter and amplifiers utilizing same
US6320695B1 (en) Optical amplifying apparatus
JPH09289349A (ja) 光イコライザおよびこれを用いた光増幅装置と波長多重光伝送装置
US6452720B1 (en) Light source apparatus, optical amplifier and optical communication system
US6584249B1 (en) Miniature optical dispersion compensator with low insertion loss
US6674773B1 (en) Multi-wavelength Raman laser
JP2000321421A (ja) 光共振空洞、光フィルタ、およびエタロン光フィルタ装置並びにそれらを使用した光増幅器と増幅ビームの利得チルト制御方法
WO2001090803A2 (en) Optical add/drop multiplexer
US6215924B1 (en) Optical coupler device for dense wavelength division multiplexing
US20020037131A1 (en) Method for gain equalization, and device and system for use in carrying out the method
US11733582B2 (en) Variable optical filter
JP3382394B2 (ja) ブラッググレーティング使用波長多重光回路
JP4052114B2 (ja) 可変光分散補償器
US6836488B2 (en) Cascaded Raman fiber laser, and optical system including such a laser
JP2005070259A (ja) 可変損失傾斜補償器及び波長多重通信システム
JP2004198601A (ja) 光分散フィルタ及び光モジュール
Moser et al. Volume Bragg grating devices
JP4409320B2 (ja) 可変光利得等化器および光利得等化装置
JP2001308422A (ja) 励起光源装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061107