JP2004101731A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱による熱損を低減して省エネルギー化を図り、定着部材の加熱に要する時間を一層短縮してクイックスタート定着を実現すると共に、安定した定着画像を得ることができる定着装置、並びにこれを搭載した画像形成装置を提供する。
【解決手段】加熱定着部材11と断熱加圧部材13とで形成された定着ニップ部に、トナー像を担持した転写材Pを通過させることでトナー像の定着を行う定着装置7において、前記加熱定着部材11は、内部に熱線を発光する熱線照射手段12aを備え、透光性基体11aの上に少なくとも熱線の略100%を吸収する熱線吸収層11cと可撓性伝熱層とを設けてなり、前記定着ニップ部出口における前記加熱定着部材11の表面温度が、前記定着ニップ部内における前記定着部材11の表面の最高温度よりも低い定着装置である。
【選択図】 図3
【解決手段】加熱定着部材11と断熱加圧部材13とで形成された定着ニップ部に、トナー像を担持した転写材Pを通過させることでトナー像の定着を行う定着装置7において、前記加熱定着部材11は、内部に熱線を発光する熱線照射手段12aを備え、透光性基体11aの上に少なくとも熱線の略100%を吸収する熱線吸収層11cと可撓性伝熱層とを設けてなり、前記定着ニップ部出口における前記加熱定着部材11の表面温度が、前記定着ニップ部内における前記定着部材11の表面の最高温度よりも低い定着装置である。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファックシミリ、複写機等の画像形成プロセスを行う画像形成装置に用いられる定着装置に関し、より詳しくは、熱と圧とを加えることにより転写材上にトナー像を定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に用いられる定着装置としては、内部にヒータを備えた熱ローラによる定着ローラ方式のものが、熱効率が高く、安全性にも優れていることから、幅広く利用されている。
しかしながら、この定着ローラ方式の定着装置は、定着動作に際し、熱容量の大きな定着ローラを加熱する必要があるため、省エネルギー効果に乏しく、また、立ち上がりに時間がかかるという問題点がある。更には、定着装置から発せられる熱が像担持体周囲にも及ぶことで、トナーのフィルミング、固着、現像剤の劣化等を招く要因ともなっている。
【0003】
装置の立ち上がりに時間を要さず、クイックスタートを実現する定着方法として、定着ローラを透過性基体からなるものとし、内部のハロゲンランプからの熱線をトナーに照射して加熱定着する方法が提案されている。しかしながら、分光特性が異なり、かつ熱線の吸収率を発色性や透光性の制約からあまり高くできないカラートナーでは、均一な定着が困難であった。
そこで、こられを改善する手段として以下のような提案がなされている。特許文献1には、樹脂中に少なくとも着色剤を分散して成るトナー粒子の表面に赤外線吸収剤を固着させたフラッシュ定着用のカラートナーが記載されている。 カラートナーの粒子表面に赤外線吸収剤を固着させることで、定着部におけるフラッシュ光を効率よく吸収し、カラーの色調を濁すこと無く、充分な定着強度を得ることができるとしている。しかしながら、カラートナーの熱線吸収率に応じたフラッシュ光制御が必要で、該照射光量制御が複雑になり且つカラー画像の均一定着が困難であるという問題点がある。
また、特許文献2及び3には、内部に熱線を発光する熱線照射手段を配する円筒状の透光性基体と、透光性基体の外側に、透光性基体を通過した熱線の略100%を吸収する熱線吸収層と弾性層とを設けたロール状の熱線定着用回転部材を有するカラートナー用定着装置が記載されている。このような構成により、定着部材の加熱に要する時間は短縮されるため、クイックスタート定着が可能となるとしている。しかしながら、熱線が全方位的に照射されており、定着ニップ部以外では定着部材の回転に伴う気流で常に入れ替わりの起きている空気層に放熱する熱損がある。また加圧ローラ側の熱容量が大きく、かつ放熱に対する配慮が少なく熱損がある等、熱付与効率改善の余地が未だある。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−118694号公報
【特許文献2】
特開平11−352811号公報
【特許文献3】
特開2001−27856号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点に鑑み、本発明は、放熱による熱損を低減して省エネルギー化を図り、定着部材の加熱に要する時間を一層短縮してクイックスタート定着を実現すると共に、安定した定着画像を得ることができる定着装置、並びにこれを搭載した画像形成装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、加熱定着部材と断熱加圧部材とで形成された定着ニップ部に、トナー像を担持した転写材を通過させることでトナー像の定着を行う定着装置において、前記加熱定着部材は、内部に熱線を発光する熱線照射手段を備え、透光性基体の上に少なくとも熱線の略100%を吸収する熱線吸収層と可撓性伝熱層とを設けてなり、前記定着ニップ部出口における前記加熱定着部材の表面温度が、前記定着ニップ部内における前記定着部材の表面の最高温度よりも低い定着装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記熱線照射手段が赤外線乃至遠赤外線照射手段である定着装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の定着装置において、前記熱線照射手段が発光する熱線波長が0.1〜20μmである定着装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の定着装置において、前記加熱定着部材が前記熱線照射手段からの熱線を定着ニップ部に集光させる熱反射板を具備する定着装置である。
【0007】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記熱線照射手段がフラッシュ光照射手段である定着装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記熱線照射手段がレーザー光照射手段である定着装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の定着装置において、前記熱線照射手段は、画像情報に基づいて、定着ニップ部を通過する転写材のトナー付着部に局所的にレーザー光を照射する定着装置である。
【0008】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の定着装置において、前記加熱定着部材の熱線吸収層は、その熱線吸収率がカラートナーの熱線吸収率以上である定着装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の定着装置において、前記加熱定着部材の透光性基体が耐熱性を有する定着装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の定着装置において、前記加熱定着部材の透光性基体が可撓性を有する定着装置である。
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の定着装置において、前記加熱定着部材が前記透光性基体と前記熱線吸収層との間にJIS A硬度が60度以下の透光性弾性層を有する定着装置である。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の定着装置において、前記加熱定着部材の表面層がJIS A硬度で60度以下の弾性層である定着装置である。
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の定着装置において、前記加熱定着部材は、前記熱線吸収層より表層側に、前記熱線吸収層よりトナーに対する離型性の高い離型層を設ける定着装置である。
【0009】
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13のいずれかに記載の定着装置において、前記定着装置が前記加熱定着部材の外側に定着ニップ部以外の該加熱定着部材表層面積の50%以上を囲う態様の熱線反射部材を備える定着装置である。
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれかに記載の定着装置において、前記定着装置は、前記加熱定着部材の外側に近接又は接触する温度センサを備え、該温度センサの検知温度情報に基づき熱線照射手段の出力を制御する定着装置である。
【0010】
請求項16に記載の発明は、請求項1ないし15のいずれかに記載の定着装置において、前記断熱加圧部材は、基体が中空構造体からなる定着装置である。
請求項17に記載の発明は、請求項1ないし16のいずれかに記載の定着装置において、前記断熱加圧部材は、熱伝導率が1.2W/(m・K)以下の断熱層を有する定着装置である。
請求項18に記載の発明は、請求項1ないし17のいずれかに記載の定着装置において、前記断熱加圧部材が剛体である定着装置である。
請求項19に記載の発明は、請求項1ないし18のいずれかに記載の定着装置において、前記断熱加圧部材は、その熱線吸収率が、カラートナーの熱線吸収率以下である定着装置である。
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の定着装置において、前記断熱加圧部材の断熱層が樹脂を発泡させた発泡材からなる定着装置である。
請求項21に記載の発明は、請求項19に記載の定着装置において、前記断熱加圧部材の断熱層が断熱セラミックスからなる定着装置である。
請求項22に記載の発明は、請求項19に記載の定着装置において、前記断熱加圧部材の断熱層が断熱コンクリートからなる定着装置である。
【0011】
請求項23に記載の発明は、潜像を担持する像担持体と、該像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を形成する露光手段と、該像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、トナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、転写後の転写材上のトナー像を、加熱定着部材と断熱加圧部材とで形成された定着ニップ部において定着する定着手段とを備える画像形成装置において、前記定着手段が請求項1ないし22のいずれかに記載の定着装置である画像形成装置である。
請求項24に記載の発明は、加熱定着部材と断熱加圧部材とで形成された定着ニップ部に、トナー像を担持した転写材を通過させることで、熱と圧により定着を行う定着方法において、
前記加熱定着部材は、熱線の略100%を吸収する熱線吸収層と可撓性表層とを有し、定着部外部に非接触で配置された熱線照射手段からの熱線を前記定着ニップ部に集中させて、前記加熱定着部材の熱線吸収層で吸収させ、前記加熱定着部材の表面を通して転写材上のトナーに伝熱し、定着させる定着方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す図であり、図1は単色画像用、図2はカラー画像用の画像形成装置である。
図1を参照し、画像形成装置の構成を説明する。潜像担持体である感光体ドラム1の周囲には、当該感光体ドラム1表面を帯電するための帯電装置2、一様帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線を照射する露光装置3、感光体ドラム1表面の潜像に加熱定着用帯電トナーを付着することでトナー像を形成する現像装置4、形成された感光体ドラム1上のトナー像を転写材Pへ転写するための転写装置5、感光体ドラム1上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置6、感光体ドラム1上の残留電位を除去するための除電ランプ9が順に配設されている。このような構成において、帯電装置2の帯電ローラによって表面を一様に帯電された感光体ドラム1は、露光装置3からの露光によって静電潜像を形成され、現像装置4によってトナー像を形成される。当該トナー像は、転写ベルトなどでなる転写装置5によって、感光体ドラム1表面から、不図示の給紙トレイから搬送された転写材Pへ転写される。この転写の際に感光体ドラム1に静電的に付着した転写材Pは、図示しない分離爪によって感光体ドラム1から分離される。そして未定着の転写材P上のトナー像は定着装置7によって転写材Pに加熱定着される。一方、転写されずに感光体ドラム1上に残留したトナーは、クリーニング装置6によって除去され回収される。残留トナーを除去された感光体ドラム1は除電ランプ9で初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。
【0013】
図2を参照してフルカラー画像形成装置の構成を説明する。4色のトナーに対応して感光体ドラムを4つ並列させたタンデム型の画像形成装置である。それぞれの感光体ドラム1周囲の構成は、図1を参照して説明した上記の構成と同様である。感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像は、一旦中間転写ベルト8上に転写され、順次重畳されてカラートナー像を形成し、2次転写部10にて搬送されてくる転写材Pに一括転写される。未定着の転写材P上のトナー像は、上記と同様、定着装置7によって転写材Pに加熱定着される。
【0014】
次に、本発明の定着装置の構成を詳細に説明する。図3〜図8は、定着装置の実施の形態を示す図である。
図3の定着装置は、ローラ状の加熱定着部材11とローラ状の断熱加圧部材13からなる。加熱定着部材11は、内部に熱線を発光する熱線照射手段12aを備え、透光性基体11aの上に少なくとも熱線の略100%を吸収する熱線吸収層11cと、その熱を加熱定着部材11の表面に伝熱する可撓性の伝熱層とを備えて構成されている。断熱加圧部材13は、芯金13aの上に断熱層13bを有し、転写材側からの伝熱を抑制する構成となっている。加熱定着部材11の周囲には、接触または非接触で温度検知センサ16が設けられており、検知温度に基づいて加熱定着部材の熱供給制御が行われる。可撓性を有する加熱定着部材11は、断熱加圧部材13と2〜10mmの定着ニップ部を形成し、該定着ニップ部に搬送されてくるトナー像を担持した転写材を、加熱すると共に加圧して、トナー像を定着させる。断熱加圧部材13は、加熱定着部材11からの定着熱が内部に伝熱されない構成としているため、省エネルギーが図れる構成となっている。
【0015】
熱線照射手段12aとしては、例えばハロゲンランプやキセノンランプ等の赤外線乃至遠赤外線を発光する手段を用いることができる。熱線の波長としては、0.1〜20μmが好ましく、より好ましくは0.3〜3μmである。
また、熱線照射手段12aの外周に沿って、熱線反射板12bが設けられている。熱線反射板12bは、熱線照射手段12aから発光される熱線を定着ニップ部の入口方向に集中するように配置されている。これにより、放熱を少なくして、定着ニップ部の局所的な加熱が可能となる。また、熱線を定着ニップ部の入口方向に集中させる構成とすることで、定着ニップ部出口における加熱定着部材11の表面温度を、定着ニップ部内における加熱定着部材11の最高温度よりも低くすることができ、ホットオフセット防止、転写材の分離不良防止の効果が得られる。
【0016】
加熱定着部材11の透光性基体11aとしては、ハロゲンランプやキセノンランプ等の熱線照射手段12aより発光される熱線を透過するパイレックスガラス、サファイヤ(Al2O3)、CaF2等のセラミック材であって、熱伝導率が5.5×10−3〜19.0×10−3(W/cm・K)のものを用いる。又は、樹脂バインダーに熱線透過性の金属酸化物粒子を分散させて透過性基体11aを形成するものであっても良い。金属酸化物としては、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以下で、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下の熱線透過性(主として赤外線或いは遠赤外線透過性)を有する酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の微粒子が挙げられる。また、これらの材質にフィラーとして硬度や熱伝導率の調整剤を加えてもよい。1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下であることが光散乱を防ぎ、熱線吸収層11cに熱線を到達させるのに好ましい。
【0017】
加熱定着部材11に可撓性を持たせるために、透光性基体11aの外側に透光性弾性層11bを設ける。透光性弾性層11bは、厚さ0.5〜20mm、好ましくは1〜5mmの例えばシリコーンゴムを用い、前記熱線(主として赤外線或いは遠赤外線)を透過する熱線透過性のゴム層(ベース層)で形成される。JIS A硬度は60度以下が好適である。また、熱伝導率を向上させるため、ベース層にフィラーとしてシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末を配合させて、その熱伝導率を1.3×10−3〜1.6×10−3(W/cm・K)程度とすることも好ましい。さらに、転写材上のトナー像の離型性を確保する為に加熱定着部材11表面にシリコーンオイル等を塗布する場合は、ベース層のオイル膨潤防止のために、ベース層の上に中間層として、フッ素ゴムを20〜300μmの厚さで塗り、耐油層を構成するのがよい。さらには、透過性弾性層11bのトップ層には、HTV(high temperature volcanizing)よりも離型性のよいRTV(room temperature volcanizing)やLTV(low temperature volcanizing)のシリコーンゴムを中間層並の厚さで被覆するのが良い。透過性弾性層11bを設けることにより、加熱定着部材としての熱線定着ローラが弾性の高いソフトローラとして構成される。
【0018】
熱線吸収層11cは、熱線照射手段12aより発光され、透光性基体11a及び透過性弾性層11cを透過した熱線の略100%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100%の熱線を吸収し、加熱定着部材11の瞬時加熱を可能とする層である。このような熱線吸収層11cとしては、樹脂バインダーにカーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe2O3)や各種フェライト、及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ(Fe2O3)等の粉末を混入した熱線吸収材を用い、透過性弾性層11bの外側(外周面)に、吹付け或いは塗布等により、厚さ10〜200μm、好ましくは20〜100μm厚の熱線吸収層11cを形成する。
熱線吸収層11cの熱線吸収率が90%よりも低く、例えば20〜80%程度の場合、図1に示すような単色の画像形成装置では、加熱定着部材11表面の特定位置にフィルミング等により付着した黒トナーが、漏れた熱線により発熱し、その部分で更に熱線吸収による発熱が重ねて起こり熱線吸収層11cを破損する。また、図2に示すようなカラー画像形成装置では、カラートナーの熱線吸収率が一般に低く、かつカラートナー間に熱線吸収率の差があることから、定着不良となったり、定着ムラとなる。従って、熱線照射手段12aにより発光され、透過性弾性層11bを透過した熱線が加熱定着部材11内で完全に吸収されるように、熱線吸収層11cの熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100%とする。これにより、分光特性が異なることで熱線により定着することが困難なカラートナーの溶融が良好に行われ、転写材上の重ね合わせられた厚いカラートナー層であっても均一で良好な定着が行われる。また、加熱定着部材11の熱線吸収層11cの熱線吸収率は、カラートナーの熱線吸収率よりも高いため、単色画像やフルカラー画像等の違いがあっても、トナーの熱線吸収率に左右されることなく、定着ニップ部で一様・均一な発熱分布状態が得られる。
熱線吸収層11cの厚さは、10μm未満であると、熱線吸収層11cでの熱線の吸収による加熱速度は速いが、薄膜の局所的な加熱による熱線吸収層11cの破損や強度不足の原因となるので好ましくない。また、熱線吸収層11cの厚さが200μmを超えると、熱伝導不良となったり、熱容量が大きくなり、瞬時加熱が達成しにくくなる。
熱線吸収層11cの上には、トナーの離型性を向上させるため、離型層11dを設けるのが好ましい。離型層11dとしては、表面張力の低いフッ素樹脂等によって好ましく形成される。
【0019】
次に、断熱加圧部材13について説明する。断熱加圧部材13は、外周面にテフロンコートを焼き付け或いは塗布等により施した、例えば鉄材、鋼材等の軸又は中空パイプでなる芯金13aの上に、熱伝導率が著しく低い断熱層13bを設けたローラ状の部材として構成される。断熱層13bの熱伝導率は、1.2W/(m・K)以下とすることで、転写材からの伝熱を抑えることができ、熱効率の上で好適である。また、断熱層13bを剛性を有する部材を利用して形成し、断熱加圧部材13を剛体とすることで、ハードローラとして加圧圧縮歪の発生を抑えることができ、転写材の搬送速度が安定しシワやスキューを防止できる。
【0020】
断熱加圧部材13の熱線吸収率は、トナーの熱線吸収率よりも低いものとする。これにより、熱線は断熱加圧部材13で吸収されることなく、転写材上のトナー像に供給される構成となる。又、先にも述べたとおり、加熱定着部材11の熱線吸収層11cの熱線吸収率が、トナーの熱線吸収率よりも高いことにより、単色画像やフルカラー画像等の違いがあっても、トナーの熱線吸収率に左右されることなく、定着ニップ部で一様・均一な発熱分布状態が得られる。
このような断熱加圧部材13の断熱層13bを、樹脂を発泡させた発泡部材から構成すると、断熱加圧部材13の小径化、長尺化による圧力分布ムラ問題の回避による定着ムラ防止や軽量化に有効である。
また、断熱層13bを、断熱セラミックから構成すると、断熱加圧部材13の小径化、長尺化による圧力分布ムラ問題の回避による定着ムラ防止や高耐久化に有効である。
さらに、断熱層13bを、断熱コンクリートから構成すると、断熱加圧部材13の小径化、長尺化による圧力分布ムラ問題の回避による定着ムラ防止や高耐久化に有効である。
【0021】
上記の定着装置の実施形態では、熱線照射手段12aに赤外線乃至遠赤外線照射手段を用いた例について説明したが、熱線照射手段12aはこれらに限るものではなく、フラッシュ光照射手段やレーザー光照射手段であってもよい。フラッシュ光照射手段では、定着装置の瞬時の立ち上げが可能である。また、レーザー光照射手段では、定着ニップ部に集光させて効率良く熱線を伝えるのに有利である。レーザー光照射手段は、さらに、画像情報に基づいてレーザー光を走査することで、定着ニップ部を通過する転写材のトナー付着部のみに熱線を伝えることも可能である。
【0022】
図4は、定着装置の別の実施形態を示す図である。熱線反射板12bを、加熱定着部材11の外側に、定着ニップ部以外の該加熱定着部材11表層面積の50%以上を囲う態様で設けている。定着ニップ部を除く開放部からの放熱を防止して、熱効率の向上を図ることができる。
【0023】
図5は、加熱定着部材をベルト状にした実施形態である。図6に、ベルト状加熱定着部材14の層構成を示す。ベルト状加熱定着部材14は、先に示したローラ状の加熱定着部材11と同様、透光性基体14aの上に、透光性弾性層14bを設け、さらにその上に熱線吸収層14cを設け、表層には、熱線吸収層14cよりも離型性の高い離型層14dを設けた構成である。それぞれの層を構成する材質は、先の実施形態で示したものと同様の材質を用いることができる。ベルト状の加熱定着部材14を用いることにより、定着ニップを自在に設定できるため、定着性を上げるとともに、定着時間を短縮することもでき、高速化等に有効である。
【0024】
図7は、加熱定着部材と断熱加圧部材とをベルト状にした実施形態である。ベルト状の断熱加圧部材15は、熱伝導率が1.2W/(m・K)以下の材質からなる、例えば樹脂の発泡材等を用いて形成される。ベルト状の断熱加圧部材15とすることで、加熱定着部材14と断熱加圧部材15との2つのベルトにより、定着ニップ部を通過する転写材を、湾曲させないで搬送することができ、特に、厚紙の搬送に有利である。
また、図7に示すように、ベルト状の加熱定着部材14の内部に備える熱線照射手段12aを定着ニップ部の入口付近に配置することが、定着ニップ部出口における加熱定着部材14の表面温度を定着ニップ部内の最高温度よりも低くすることに有効であり、ホットオフセット等の防止をより一層効果的にできる。
【0025】
図8は、ベルト状の加熱定着部材14内部に熱線照射手段12aを複数配置した実施形態である。熱線照射手段12aを複数にすることで、定着時間のさらなる短縮が可能となり、高速化に有効である。この場合も、熱線照射手段12aを配置する位置は、上記と同様の理由により、定着ニップ部の入口付近がよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明により、放熱による熱損を防いで省エネルギー化を図り、また、立ち上がり時間の短縮が可能な定着装置を提供することができる。また、定着ニップ部出口における加熱定着部材の表面温度を定着ニップ部内の最高温度よりも低くすることができ、ホットオフセット及び転写材の分離不良を防止することができる。
本発明の定着装置を搭載した画像形成装置は、小型化が可能であり、消費電力も抑制され、さらには、立ち上がり時間、定着時間が短縮されることにより高速化に対応した画像形成装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単色画像用の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明に係るカラー画像用の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図3】ローラ状の加熱定着部材及び断熱加圧部材からなる定着装置の実施の形態を示す図である。
【図4】ローラ状の加熱定着部材及び断熱加圧部材からなる定着装置の別の実施の形態を示す図である。
【図5】ベルト状の加熱定着部材を使用した定着装置の実施の形態を示す図である。
【図6】ベルト状加熱定着部材の層構成を示す図である。
【図7】ベルト状の加熱定着部材及び断熱加圧部材からなる定着装置の実施の形態を示す図である。
【図8】熱線照射手段を複数設けた定着装置の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
11,14 加熱定着部材
11a,14a 透光性基体
11b,14b 透光性弾性層
11c,14c 熱線吸収層
11d,14d 離型層
12a 熱線照射手段
12b 熱線反射板
13,15 断熱加圧部材
13a 芯金
13b 断熱層
16 温度センサ
P 転写材
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファックシミリ、複写機等の画像形成プロセスを行う画像形成装置に用いられる定着装置に関し、より詳しくは、熱と圧とを加えることにより転写材上にトナー像を定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に用いられる定着装置としては、内部にヒータを備えた熱ローラによる定着ローラ方式のものが、熱効率が高く、安全性にも優れていることから、幅広く利用されている。
しかしながら、この定着ローラ方式の定着装置は、定着動作に際し、熱容量の大きな定着ローラを加熱する必要があるため、省エネルギー効果に乏しく、また、立ち上がりに時間がかかるという問題点がある。更には、定着装置から発せられる熱が像担持体周囲にも及ぶことで、トナーのフィルミング、固着、現像剤の劣化等を招く要因ともなっている。
【0003】
装置の立ち上がりに時間を要さず、クイックスタートを実現する定着方法として、定着ローラを透過性基体からなるものとし、内部のハロゲンランプからの熱線をトナーに照射して加熱定着する方法が提案されている。しかしながら、分光特性が異なり、かつ熱線の吸収率を発色性や透光性の制約からあまり高くできないカラートナーでは、均一な定着が困難であった。
そこで、こられを改善する手段として以下のような提案がなされている。特許文献1には、樹脂中に少なくとも着色剤を分散して成るトナー粒子の表面に赤外線吸収剤を固着させたフラッシュ定着用のカラートナーが記載されている。 カラートナーの粒子表面に赤外線吸収剤を固着させることで、定着部におけるフラッシュ光を効率よく吸収し、カラーの色調を濁すこと無く、充分な定着強度を得ることができるとしている。しかしながら、カラートナーの熱線吸収率に応じたフラッシュ光制御が必要で、該照射光量制御が複雑になり且つカラー画像の均一定着が困難であるという問題点がある。
また、特許文献2及び3には、内部に熱線を発光する熱線照射手段を配する円筒状の透光性基体と、透光性基体の外側に、透光性基体を通過した熱線の略100%を吸収する熱線吸収層と弾性層とを設けたロール状の熱線定着用回転部材を有するカラートナー用定着装置が記載されている。このような構成により、定着部材の加熱に要する時間は短縮されるため、クイックスタート定着が可能となるとしている。しかしながら、熱線が全方位的に照射されており、定着ニップ部以外では定着部材の回転に伴う気流で常に入れ替わりの起きている空気層に放熱する熱損がある。また加圧ローラ側の熱容量が大きく、かつ放熱に対する配慮が少なく熱損がある等、熱付与効率改善の余地が未だある。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−118694号公報
【特許文献2】
特開平11−352811号公報
【特許文献3】
特開2001−27856号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点に鑑み、本発明は、放熱による熱損を低減して省エネルギー化を図り、定着部材の加熱に要する時間を一層短縮してクイックスタート定着を実現すると共に、安定した定着画像を得ることができる定着装置、並びにこれを搭載した画像形成装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、加熱定着部材と断熱加圧部材とで形成された定着ニップ部に、トナー像を担持した転写材を通過させることでトナー像の定着を行う定着装置において、前記加熱定着部材は、内部に熱線を発光する熱線照射手段を備え、透光性基体の上に少なくとも熱線の略100%を吸収する熱線吸収層と可撓性伝熱層とを設けてなり、前記定着ニップ部出口における前記加熱定着部材の表面温度が、前記定着ニップ部内における前記定着部材の表面の最高温度よりも低い定着装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記熱線照射手段が赤外線乃至遠赤外線照射手段である定着装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の定着装置において、前記熱線照射手段が発光する熱線波長が0.1〜20μmである定着装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の定着装置において、前記加熱定着部材が前記熱線照射手段からの熱線を定着ニップ部に集光させる熱反射板を具備する定着装置である。
【0007】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記熱線照射手段がフラッシュ光照射手段である定着装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記熱線照射手段がレーザー光照射手段である定着装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の定着装置において、前記熱線照射手段は、画像情報に基づいて、定着ニップ部を通過する転写材のトナー付着部に局所的にレーザー光を照射する定着装置である。
【0008】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の定着装置において、前記加熱定着部材の熱線吸収層は、その熱線吸収率がカラートナーの熱線吸収率以上である定着装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の定着装置において、前記加熱定着部材の透光性基体が耐熱性を有する定着装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の定着装置において、前記加熱定着部材の透光性基体が可撓性を有する定着装置である。
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の定着装置において、前記加熱定着部材が前記透光性基体と前記熱線吸収層との間にJIS A硬度が60度以下の透光性弾性層を有する定着装置である。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の定着装置において、前記加熱定着部材の表面層がJIS A硬度で60度以下の弾性層である定着装置である。
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の定着装置において、前記加熱定着部材は、前記熱線吸収層より表層側に、前記熱線吸収層よりトナーに対する離型性の高い離型層を設ける定着装置である。
【0009】
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13のいずれかに記載の定着装置において、前記定着装置が前記加熱定着部材の外側に定着ニップ部以外の該加熱定着部材表層面積の50%以上を囲う態様の熱線反射部材を備える定着装置である。
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれかに記載の定着装置において、前記定着装置は、前記加熱定着部材の外側に近接又は接触する温度センサを備え、該温度センサの検知温度情報に基づき熱線照射手段の出力を制御する定着装置である。
【0010】
請求項16に記載の発明は、請求項1ないし15のいずれかに記載の定着装置において、前記断熱加圧部材は、基体が中空構造体からなる定着装置である。
請求項17に記載の発明は、請求項1ないし16のいずれかに記載の定着装置において、前記断熱加圧部材は、熱伝導率が1.2W/(m・K)以下の断熱層を有する定着装置である。
請求項18に記載の発明は、請求項1ないし17のいずれかに記載の定着装置において、前記断熱加圧部材が剛体である定着装置である。
請求項19に記載の発明は、請求項1ないし18のいずれかに記載の定着装置において、前記断熱加圧部材は、その熱線吸収率が、カラートナーの熱線吸収率以下である定着装置である。
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の定着装置において、前記断熱加圧部材の断熱層が樹脂を発泡させた発泡材からなる定着装置である。
請求項21に記載の発明は、請求項19に記載の定着装置において、前記断熱加圧部材の断熱層が断熱セラミックスからなる定着装置である。
請求項22に記載の発明は、請求項19に記載の定着装置において、前記断熱加圧部材の断熱層が断熱コンクリートからなる定着装置である。
【0011】
請求項23に記載の発明は、潜像を担持する像担持体と、該像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を形成する露光手段と、該像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、トナー像を形成する現像手段と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、転写後の転写材上のトナー像を、加熱定着部材と断熱加圧部材とで形成された定着ニップ部において定着する定着手段とを備える画像形成装置において、前記定着手段が請求項1ないし22のいずれかに記載の定着装置である画像形成装置である。
請求項24に記載の発明は、加熱定着部材と断熱加圧部材とで形成された定着ニップ部に、トナー像を担持した転写材を通過させることで、熱と圧により定着を行う定着方法において、
前記加熱定着部材は、熱線の略100%を吸収する熱線吸収層と可撓性表層とを有し、定着部外部に非接触で配置された熱線照射手段からの熱線を前記定着ニップ部に集中させて、前記加熱定着部材の熱線吸収層で吸収させ、前記加熱定着部材の表面を通して転写材上のトナーに伝熱し、定着させる定着方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す図であり、図1は単色画像用、図2はカラー画像用の画像形成装置である。
図1を参照し、画像形成装置の構成を説明する。潜像担持体である感光体ドラム1の周囲には、当該感光体ドラム1表面を帯電するための帯電装置2、一様帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線を照射する露光装置3、感光体ドラム1表面の潜像に加熱定着用帯電トナーを付着することでトナー像を形成する現像装置4、形成された感光体ドラム1上のトナー像を転写材Pへ転写するための転写装置5、感光体ドラム1上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置6、感光体ドラム1上の残留電位を除去するための除電ランプ9が順に配設されている。このような構成において、帯電装置2の帯電ローラによって表面を一様に帯電された感光体ドラム1は、露光装置3からの露光によって静電潜像を形成され、現像装置4によってトナー像を形成される。当該トナー像は、転写ベルトなどでなる転写装置5によって、感光体ドラム1表面から、不図示の給紙トレイから搬送された転写材Pへ転写される。この転写の際に感光体ドラム1に静電的に付着した転写材Pは、図示しない分離爪によって感光体ドラム1から分離される。そして未定着の転写材P上のトナー像は定着装置7によって転写材Pに加熱定着される。一方、転写されずに感光体ドラム1上に残留したトナーは、クリーニング装置6によって除去され回収される。残留トナーを除去された感光体ドラム1は除電ランプ9で初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。
【0013】
図2を参照してフルカラー画像形成装置の構成を説明する。4色のトナーに対応して感光体ドラムを4つ並列させたタンデム型の画像形成装置である。それぞれの感光体ドラム1周囲の構成は、図1を参照して説明した上記の構成と同様である。感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像は、一旦中間転写ベルト8上に転写され、順次重畳されてカラートナー像を形成し、2次転写部10にて搬送されてくる転写材Pに一括転写される。未定着の転写材P上のトナー像は、上記と同様、定着装置7によって転写材Pに加熱定着される。
【0014】
次に、本発明の定着装置の構成を詳細に説明する。図3〜図8は、定着装置の実施の形態を示す図である。
図3の定着装置は、ローラ状の加熱定着部材11とローラ状の断熱加圧部材13からなる。加熱定着部材11は、内部に熱線を発光する熱線照射手段12aを備え、透光性基体11aの上に少なくとも熱線の略100%を吸収する熱線吸収層11cと、その熱を加熱定着部材11の表面に伝熱する可撓性の伝熱層とを備えて構成されている。断熱加圧部材13は、芯金13aの上に断熱層13bを有し、転写材側からの伝熱を抑制する構成となっている。加熱定着部材11の周囲には、接触または非接触で温度検知センサ16が設けられており、検知温度に基づいて加熱定着部材の熱供給制御が行われる。可撓性を有する加熱定着部材11は、断熱加圧部材13と2〜10mmの定着ニップ部を形成し、該定着ニップ部に搬送されてくるトナー像を担持した転写材を、加熱すると共に加圧して、トナー像を定着させる。断熱加圧部材13は、加熱定着部材11からの定着熱が内部に伝熱されない構成としているため、省エネルギーが図れる構成となっている。
【0015】
熱線照射手段12aとしては、例えばハロゲンランプやキセノンランプ等の赤外線乃至遠赤外線を発光する手段を用いることができる。熱線の波長としては、0.1〜20μmが好ましく、より好ましくは0.3〜3μmである。
また、熱線照射手段12aの外周に沿って、熱線反射板12bが設けられている。熱線反射板12bは、熱線照射手段12aから発光される熱線を定着ニップ部の入口方向に集中するように配置されている。これにより、放熱を少なくして、定着ニップ部の局所的な加熱が可能となる。また、熱線を定着ニップ部の入口方向に集中させる構成とすることで、定着ニップ部出口における加熱定着部材11の表面温度を、定着ニップ部内における加熱定着部材11の最高温度よりも低くすることができ、ホットオフセット防止、転写材の分離不良防止の効果が得られる。
【0016】
加熱定着部材11の透光性基体11aとしては、ハロゲンランプやキセノンランプ等の熱線照射手段12aより発光される熱線を透過するパイレックスガラス、サファイヤ(Al2O3)、CaF2等のセラミック材であって、熱伝導率が5.5×10−3〜19.0×10−3(W/cm・K)のものを用いる。又は、樹脂バインダーに熱線透過性の金属酸化物粒子を分散させて透過性基体11aを形成するものであっても良い。金属酸化物としては、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以下で、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下の熱線透過性(主として赤外線或いは遠赤外線透過性)を有する酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の微粒子が挙げられる。また、これらの材質にフィラーとして硬度や熱伝導率の調整剤を加えてもよい。1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下であることが光散乱を防ぎ、熱線吸収層11cに熱線を到達させるのに好ましい。
【0017】
加熱定着部材11に可撓性を持たせるために、透光性基体11aの外側に透光性弾性層11bを設ける。透光性弾性層11bは、厚さ0.5〜20mm、好ましくは1〜5mmの例えばシリコーンゴムを用い、前記熱線(主として赤外線或いは遠赤外線)を透過する熱線透過性のゴム層(ベース層)で形成される。JIS A硬度は60度以下が好適である。また、熱伝導率を向上させるため、ベース層にフィラーとしてシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末を配合させて、その熱伝導率を1.3×10−3〜1.6×10−3(W/cm・K)程度とすることも好ましい。さらに、転写材上のトナー像の離型性を確保する為に加熱定着部材11表面にシリコーンオイル等を塗布する場合は、ベース層のオイル膨潤防止のために、ベース層の上に中間層として、フッ素ゴムを20〜300μmの厚さで塗り、耐油層を構成するのがよい。さらには、透過性弾性層11bのトップ層には、HTV(high temperature volcanizing)よりも離型性のよいRTV(room temperature volcanizing)やLTV(low temperature volcanizing)のシリコーンゴムを中間層並の厚さで被覆するのが良い。透過性弾性層11bを設けることにより、加熱定着部材としての熱線定着ローラが弾性の高いソフトローラとして構成される。
【0018】
熱線吸収層11cは、熱線照射手段12aより発光され、透光性基体11a及び透過性弾性層11cを透過した熱線の略100%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100%の熱線を吸収し、加熱定着部材11の瞬時加熱を可能とする層である。このような熱線吸収層11cとしては、樹脂バインダーにカーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe2O3)や各種フェライト、及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ(Fe2O3)等の粉末を混入した熱線吸収材を用い、透過性弾性層11bの外側(外周面)に、吹付け或いは塗布等により、厚さ10〜200μm、好ましくは20〜100μm厚の熱線吸収層11cを形成する。
熱線吸収層11cの熱線吸収率が90%よりも低く、例えば20〜80%程度の場合、図1に示すような単色の画像形成装置では、加熱定着部材11表面の特定位置にフィルミング等により付着した黒トナーが、漏れた熱線により発熱し、その部分で更に熱線吸収による発熱が重ねて起こり熱線吸収層11cを破損する。また、図2に示すようなカラー画像形成装置では、カラートナーの熱線吸収率が一般に低く、かつカラートナー間に熱線吸収率の差があることから、定着不良となったり、定着ムラとなる。従って、熱線照射手段12aにより発光され、透過性弾性層11bを透過した熱線が加熱定着部材11内で完全に吸収されるように、熱線吸収層11cの熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100%とする。これにより、分光特性が異なることで熱線により定着することが困難なカラートナーの溶融が良好に行われ、転写材上の重ね合わせられた厚いカラートナー層であっても均一で良好な定着が行われる。また、加熱定着部材11の熱線吸収層11cの熱線吸収率は、カラートナーの熱線吸収率よりも高いため、単色画像やフルカラー画像等の違いがあっても、トナーの熱線吸収率に左右されることなく、定着ニップ部で一様・均一な発熱分布状態が得られる。
熱線吸収層11cの厚さは、10μm未満であると、熱線吸収層11cでの熱線の吸収による加熱速度は速いが、薄膜の局所的な加熱による熱線吸収層11cの破損や強度不足の原因となるので好ましくない。また、熱線吸収層11cの厚さが200μmを超えると、熱伝導不良となったり、熱容量が大きくなり、瞬時加熱が達成しにくくなる。
熱線吸収層11cの上には、トナーの離型性を向上させるため、離型層11dを設けるのが好ましい。離型層11dとしては、表面張力の低いフッ素樹脂等によって好ましく形成される。
【0019】
次に、断熱加圧部材13について説明する。断熱加圧部材13は、外周面にテフロンコートを焼き付け或いは塗布等により施した、例えば鉄材、鋼材等の軸又は中空パイプでなる芯金13aの上に、熱伝導率が著しく低い断熱層13bを設けたローラ状の部材として構成される。断熱層13bの熱伝導率は、1.2W/(m・K)以下とすることで、転写材からの伝熱を抑えることができ、熱効率の上で好適である。また、断熱層13bを剛性を有する部材を利用して形成し、断熱加圧部材13を剛体とすることで、ハードローラとして加圧圧縮歪の発生を抑えることができ、転写材の搬送速度が安定しシワやスキューを防止できる。
【0020】
断熱加圧部材13の熱線吸収率は、トナーの熱線吸収率よりも低いものとする。これにより、熱線は断熱加圧部材13で吸収されることなく、転写材上のトナー像に供給される構成となる。又、先にも述べたとおり、加熱定着部材11の熱線吸収層11cの熱線吸収率が、トナーの熱線吸収率よりも高いことにより、単色画像やフルカラー画像等の違いがあっても、トナーの熱線吸収率に左右されることなく、定着ニップ部で一様・均一な発熱分布状態が得られる。
このような断熱加圧部材13の断熱層13bを、樹脂を発泡させた発泡部材から構成すると、断熱加圧部材13の小径化、長尺化による圧力分布ムラ問題の回避による定着ムラ防止や軽量化に有効である。
また、断熱層13bを、断熱セラミックから構成すると、断熱加圧部材13の小径化、長尺化による圧力分布ムラ問題の回避による定着ムラ防止や高耐久化に有効である。
さらに、断熱層13bを、断熱コンクリートから構成すると、断熱加圧部材13の小径化、長尺化による圧力分布ムラ問題の回避による定着ムラ防止や高耐久化に有効である。
【0021】
上記の定着装置の実施形態では、熱線照射手段12aに赤外線乃至遠赤外線照射手段を用いた例について説明したが、熱線照射手段12aはこれらに限るものではなく、フラッシュ光照射手段やレーザー光照射手段であってもよい。フラッシュ光照射手段では、定着装置の瞬時の立ち上げが可能である。また、レーザー光照射手段では、定着ニップ部に集光させて効率良く熱線を伝えるのに有利である。レーザー光照射手段は、さらに、画像情報に基づいてレーザー光を走査することで、定着ニップ部を通過する転写材のトナー付着部のみに熱線を伝えることも可能である。
【0022】
図4は、定着装置の別の実施形態を示す図である。熱線反射板12bを、加熱定着部材11の外側に、定着ニップ部以外の該加熱定着部材11表層面積の50%以上を囲う態様で設けている。定着ニップ部を除く開放部からの放熱を防止して、熱効率の向上を図ることができる。
【0023】
図5は、加熱定着部材をベルト状にした実施形態である。図6に、ベルト状加熱定着部材14の層構成を示す。ベルト状加熱定着部材14は、先に示したローラ状の加熱定着部材11と同様、透光性基体14aの上に、透光性弾性層14bを設け、さらにその上に熱線吸収層14cを設け、表層には、熱線吸収層14cよりも離型性の高い離型層14dを設けた構成である。それぞれの層を構成する材質は、先の実施形態で示したものと同様の材質を用いることができる。ベルト状の加熱定着部材14を用いることにより、定着ニップを自在に設定できるため、定着性を上げるとともに、定着時間を短縮することもでき、高速化等に有効である。
【0024】
図7は、加熱定着部材と断熱加圧部材とをベルト状にした実施形態である。ベルト状の断熱加圧部材15は、熱伝導率が1.2W/(m・K)以下の材質からなる、例えば樹脂の発泡材等を用いて形成される。ベルト状の断熱加圧部材15とすることで、加熱定着部材14と断熱加圧部材15との2つのベルトにより、定着ニップ部を通過する転写材を、湾曲させないで搬送することができ、特に、厚紙の搬送に有利である。
また、図7に示すように、ベルト状の加熱定着部材14の内部に備える熱線照射手段12aを定着ニップ部の入口付近に配置することが、定着ニップ部出口における加熱定着部材14の表面温度を定着ニップ部内の最高温度よりも低くすることに有効であり、ホットオフセット等の防止をより一層効果的にできる。
【0025】
図8は、ベルト状の加熱定着部材14内部に熱線照射手段12aを複数配置した実施形態である。熱線照射手段12aを複数にすることで、定着時間のさらなる短縮が可能となり、高速化に有効である。この場合も、熱線照射手段12aを配置する位置は、上記と同様の理由により、定着ニップ部の入口付近がよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明により、放熱による熱損を防いで省エネルギー化を図り、また、立ち上がり時間の短縮が可能な定着装置を提供することができる。また、定着ニップ部出口における加熱定着部材の表面温度を定着ニップ部内の最高温度よりも低くすることができ、ホットオフセット及び転写材の分離不良を防止することができる。
本発明の定着装置を搭載した画像形成装置は、小型化が可能であり、消費電力も抑制され、さらには、立ち上がり時間、定着時間が短縮されることにより高速化に対応した画像形成装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単色画像用の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明に係るカラー画像用の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図3】ローラ状の加熱定着部材及び断熱加圧部材からなる定着装置の実施の形態を示す図である。
【図4】ローラ状の加熱定着部材及び断熱加圧部材からなる定着装置の別の実施の形態を示す図である。
【図5】ベルト状の加熱定着部材を使用した定着装置の実施の形態を示す図である。
【図6】ベルト状加熱定着部材の層構成を示す図である。
【図7】ベルト状の加熱定着部材及び断熱加圧部材からなる定着装置の実施の形態を示す図である。
【図8】熱線照射手段を複数設けた定着装置の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
11,14 加熱定着部材
11a,14a 透光性基体
11b,14b 透光性弾性層
11c,14c 熱線吸収層
11d,14d 離型層
12a 熱線照射手段
12b 熱線反射板
13,15 断熱加圧部材
13a 芯金
13b 断熱層
16 温度センサ
P 転写材
Claims (24)
- 加熱定着部材と断熱加圧部材とで形成された定着ニップ部に、トナー像を担持した転写材を通過させることでトナー像の定着を行う定着装置において、
前記加熱定着部材は、内部に熱線を発光する熱線照射手段を備え、透光性基体の上に少なくとも熱線の略100%を吸収する熱線吸収層と可撓性伝熱層とを設けてなり、
前記定着ニップ部出口における前記加熱定着部材の表面温度が、前記定着ニップ部内における前記加熱定着部材の表面の最高温度よりも低い
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、
前記熱線照射手段は、赤外線乃至遠赤外線照射手段である
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項2に記載の定着装置において、
前記熱線照射手段が発光する熱線波長は、0.1〜20μmである
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項2又は3に記載の定着装置において、
前記加熱定着部材は、前記熱線照射手段からの熱線を定着ニップ部に集光させる熱反射板を具備する
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、
前記熱線照射手段は、フラッシュ光照射手段である
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、
前記熱線照射手段は、レーザー光照射手段である
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項6に記載の定着装置において、
前記熱線照射手段は、画像情報に基づいて、定着ニップ部を通過する転写材のトナー付着部に局所的にレーザー光を照射する
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の定着装置において、
前記加熱定着部材の熱線吸収層は、その熱線吸収率が、カラートナーの熱線吸収率以上である
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の定着装置において、
前記加熱定着部材の透光性基体は、耐熱性を有する
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項9に記載の定着装置において、
前記加熱定着部材の透光性基体は、可撓性を有する
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項9に記載の定着装置において、
前記加熱定着部材は、前記透光性基体と前記熱線吸収層との間にJIS A硬度が60度以下の透光性弾性層を有する
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし11のいずれかに記載の定着装置において、
前記加熱定着部材の表面層は、JIS A硬度で60度以下の弾性層である
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし12のいずれかに記載の定着装置において、
前記加熱定着部材は、前記熱線吸収層より表層側に、前記熱線吸収層よりトナーに対する離型性の高い離型層を設ける
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし13のいずれかに記載の定着装置において、
前記定着装置は、前記加熱定着部材の外側に定着ニップ部以外の該加熱定着部材表層面積の50%以上を囲う態様の熱線反射部材を備える
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし14のいずれかに記載の定着装置において、
前記定着装置は、前記加熱定着部材の外側に近接又は接触する温度センサを備え、該温度センサの検知温度情報に基づき熱線照射手段の出力を制御する
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし15のいずれかに記載の定着装置において、
前記断熱加圧部材は、基体が中空構造体からなる
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし16のいずれかに記載の定着装置において、
前記断熱加圧部材は、熱伝導率が1.2W/(m・K)以下の断熱層を有する
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし17のいずれかに記載の定着装置において、
前記断熱加圧部材は、剛体である
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項1ないし18のいずれかに記載の定着装置において、
前記断熱加圧部材は、その熱線吸収率が、カラートナーの熱線吸収率以下である
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項19に記載の定着装置において、
前記断熱加圧部材の断熱層は、樹脂を発泡させた発泡材からなる
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項19に記載の定着装置において、
前記断熱加圧部材の断熱層は、断熱セラミックスからなる
ことを特徴とする定着装置。 - 請求項19に記載の定着装置において、
前記断熱加圧部材の断熱層は、断熱コンクリートからなる
ことを特徴とする定着装置。 - 潜像を担持する像担持体と、
該像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、
帯電した該像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、潜像を形成する露光手段と、
該像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給し、トナー像を形成する現像手段と、
該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、
転写後の転写材上のトナー像を、加熱定着部材と断熱加圧部材とで形成された定着ニップ部において定着する定着手段とを備える画像形成装置において、
前記定着手段は、請求項1ないし22のいずれかに記載の定着装置である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 加熱定着部材と断熱加圧部材とで形成された定着ニップ部に、トナー像を担持した転写材を通過させることで、熱と圧により定着を行う定着方法において、
前記加熱定着部材は、熱線の略100%を吸収する熱線吸収層と可撓性表層とを有し、
定着部外部に非接触で配置された熱線照射手段からの熱線を前記定着ニップ部に集中させて、前記加熱定着部材の熱線吸収層で吸収させ、
前記加熱定着部材の表面を通して転写材上のトナーに伝熱し、定着させる
ことを特徴とする定着方法。
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