JP2004101565A - 分散補償ファイバ - Google Patents

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Akihito Suzuki
鈴木 聡人
Masatoshi Tanaka
田中 正俊
Moriyuki Fujita
藤田 盛行
Satoki Kawanishi
川西 悟基
Hirokazu Kubota
久保田 寛和
Kazunobu Suzuki
鈴木 和宣
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

【課題】簡単且つ低コストの方法で大きな負の波長分散を有する分散補償ファイバを提供する。
【解決手段】コア1の周りに第一の孔2,2,…を配置し、その周りに第一の孔12よりも孔径の小さい第二の孔3,3,…を配置する。さらにその周りに、第一の孔12,12,…を多数周期的に配置する。ファイバを伝搬する光は、コア1と、第二の孔3,3,…が配置されている第二クラッド部の部分とを進み、それらのモードの相乗効果によってスーパーモード現象が生じるため、この光ファイバは大きな負の波長分散を有する分散補償ファイバとなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コアの周囲にファイバ軸方向に延びる孔及び低屈折率の柱状部の少なくとも一方が略周期的に配置された分散補償ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年大量の信号を送受信する方法として、光を媒介として用いる光通信が世界的に普及しつつある。この光通信の伝送用として用いられるシングルモードファイバ(以下、SMFという)は、零分散波長が1.3μm帯にあるが、石英系光ファイバの伝送損失が最も低くなる1.55μm帯では、+17ps/nm/km程度の大きな正の波長分散を持っている。伝送損失の低さ故、長距離光通信には1.55μm帯の光が用いられるようになってきているが、上記のように波長分散が大きいので、信号光は伝送距離が長くなればなるほど歪んでしまう。
【0003】
この問題を解決するため、1.55μm帯において大きな負の波長分散を有する分散補償ファイバ(以下、DCFという)をSMFに直列に繋ぐことが行われている。DCFは、分散補償装置自体を小型にするため、できるだけ大きな負の波長分散を有していることが好ましいが、従来のDCFでは−200ps/nm/km程度までしかできなかった。
【0004】
最近になって大きな負の波長分散を実現する方法として、スーパーモードと呼ばれる技術が開発された(例えば、非特許文献1参照。)。このスーパーモードとは、コアと該コアから離れて設けられたコアと同心のリング状の第2のコアとの間の互いのモードの相乗効果のことであり、この相乗効果によって大きな負の波長分散が得られるものである。ここで、第2のコアは、ファイバ中心軸上のコアよりも低い屈折率に設定されている。
【0005】
【非特許文献1】
K.Thyagarajan,et al,”A Novel Design of a Dispersion Compensatingfiber”,IEEE Photonics Tech.Lett.,1996,8,(11),pp.1510
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コア及び第2のコアの径と屈折率、並びにコアと第2のコアとの間の距離を精密に制御しなければ、所望の波長分散を得ることができない。このような光ファイバを従来のVAD法、OVD法或いはMCVD法により製造することは、非常に困難であり、製造できても歩留まりが悪く非常にコスト高となっている。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単且つ低コストの方法で大きな負の波長分散を有する分散補償ファイバを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、コアの周囲のクラッドに低屈折率の柱状部又は孔を周期的に配置したフォトニッククリスタルファイバの構造を利用してスーパーモードの効果が発現する分散補償ファイバとした。
【0009】
具体的には、請求項1に係る発明は、ファイバ中心軸上を延びるコアと、上記中心軸方向に延び且つファイバ横断面において上記コアの周囲に略周期的に配置されている多数の孔を有するクラッドと、を備え、上記孔には、第一の孔と、該第一の孔よりも径が小さい第二の孔と、該第二の孔よりも径が大きい第三の孔と、が存し、上記第一の孔は上記コアに隣接して少なくとも一重に該コアを取り囲んでおり、上記第二の孔はコアを取り囲んだ該第一の孔を少なくとも一重に取り囲んでいて、上記第三の孔は該第二の孔を少なくとも一重に取り囲んでいる、分散補償ファイバである。
【0010】
請求項1に係る発明の構成であれば、コアの周囲に、光ファイバ軸方向に延びる多数の細孔が周期的に配列されたクラッド部を備えたフォトニッククリスタルファイバの構造のうちの一部の孔径を変更することにより、第二の孔が配置されている部分が第2のコアとして働いてスーパーモードの効果を発揮する、即ち大きな負の波長分散を有する分散補償ファイバとすることができる。フォトニッククリスタルファイバの母材は、石英棒材に軸方向に延びる孔を多数開ける方法や石英キャピラリや石英ロッドを束ねる方法によって容易に作製することができるので、請求項1に係る発明の分散補償ファイバも簡単に安価に作製することができる。
【0011】
次に、請求項2に係る発明は、ファイバ中心軸上を延びるコアと、上記中心軸方向に延び且つファイバ横断面において上記コアの周囲に略周期的に配置されている多数の孔を有するクラッドと、を備え、上記クラッドは、上記コアからファイバ径方向に向かって順に第一クラッド部、第二クラッド部及び第三クラッド部を備え、上記第一クラッド部は、上記コアに隣接して、少なくとも一重に上記孔がコアを取り囲んでいる部分であり、上記第二クラッド部は、上記第一クラッド部を取り囲んだ上記孔の径よりもファイバ径方向に広幅の中実な部分であり、上記第三クラッド部は、上記第二クラッド部を取り囲んで上記孔が周期的に配置されている部分である、分散補償ファイバである。
【0012】
請求項2に係る発明の構成であれば、孔を有しない中実な部分である第二クラッド部がスーパーモードの第2のコアとして機能し他の部分は請求項1のファイバと同様の構造であるので、大きな負の波長分散を有する分散補償ファイバを簡単に安価に作製することができる。
【0013】
次に、請求項3に係る発明は、ファイバ中心軸上を延びるコアと、上記中心軸方向に延びていて且つ該コアよりも低屈折率であってファイバ横断面において上記コアの周囲に略周期的に配置されている多数の柱状部を有するクラッドと、を備え、上記クラッドは、上記コアからファイバ径方向に向かって順に第一クラッド部、第二クラッド部及び第三クラッド部を備え、上記コアに隣接している上記第一クラッド部は、該第一クラッド部を取り囲んでいる上記第二クラッド部よりも実効屈折率が低く、上記第二クラッド部を取り囲んでいる上記第三クラッド部は、該第二クラッド部よりも実効屈折率が低い、分散補償ファイバである。
【0014】
ここで、実効屈折率とは、第一乃至第三の各クラッド部において、光ファイバ横断面の、低屈折率の柱状部の占める面積分率に柱状部の屈折率を乗じたものと柱状部以外の部分(例えば石英)の占める面積分率に該部分の屈折率を乗じたものとを加算したものであって、各クラッド部を外部から観察したときに該クラッド部全体として示す屈折率のことである。
【0015】
請求項3に係る発明の構成であれば、実効屈折率の関係から第二クラッド部がスーパーモードの第2のコアとして機能するので、大きな負の波長分散を有する分散補償ファイバを簡単に安価に作製することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
(実施形態1)
実施形態1に係る分散補償ファイバの端面拡大図を図1に示す。この分散補償ファイバは石英から構成され、中心軸上を中実なコア1が延びている。そして、六個の第一の孔2,2,…がコア1を六角形に一重に取り囲んでおり、その第一の孔2,2,…が配置されている領域(以下、第一クラッド部という)の外周を十二個の第二の孔3,3,…が六角形に一重に取り囲んでいて、さらにその周囲を第三の孔4,4,…が六角形に五重に取り囲んでいる(図では三重まで示している)。なお、これらの孔2,2,…、3,3,…、4,4,…は、ファイバ軸方向に延びていて、横断面は円形である。そして、これらの孔2,2,…、3,3,…、4,4,…同士は同じ間隔の配置で周期的に配置されていて、この分散補償ファイバはフォトニッククリスタルファイバとなっている。
【0018】
ここで、フォトニッククリスタルファイバというのは、伝搬する光の波長と同程度の周期で屈折率の異なる物質を多次元的に配列させた光ファイバのことである。
【0019】
第一の孔2,2,…、及び第三の孔4,4,…は同じ孔径dであり、第二の孔3,3,…は、第一の孔2,2,…、及び第三の孔4,4,…の約1/3の孔径d1である。また、各孔2,2,…、3,3,…、4,4,…同士の間隔Λはどれも同じである。従って、第一クラッド部と第三の孔4,4,…が配置されている領域(以下、第三クラッド部という)とは、どちらも同じ実効屈折率を有し、この分散補償ファイバの中で最も実効屈折率の低い領域である。ここで、実効屈折率というのは、ファイバ横断面の該当する領域における孔(空隙)の占める面積分率に空気の屈折率を乗じたものと孔以外の石英の占める部分の面積分率に石英の屈折率を乗じたものとを加算したものである。一方、第二の孔3,3,…が配置されている領域(以下、第二クラッド部という)は、コア1よりも低いが第一及び第三クラッド部よりも高い実効屈折率を有していて、この部分がスーパーモードにおける第2のコアの部分となる。つまり、コア1と第二クラッド部とを光が伝搬するよう第一クラッド部及び第三クラッド部が光を閉じ込めて、スーパーモードの状態になるのである。
【0020】
次に、本実施形態に係る分散補償ファイバの製造方法について説明をする。
【0021】
この分散補償ファイバの母材は、石英ロッドと石英キャピラリとを束ねて作製される。まず、コアとなる石英ロッドと、孔径の大きい第一の石英キャピラリ及び孔径の小さい第二の石英キャピラリと、これらのロッド及びキャピラリをその孔内に束ねて保持する大径の石英パイプとを用意する。なお、これらの石英ロッド及び石英キャピラリは全て外径を同じにしている。
【0022】
次に、石英パイプの中心軸部分に石英ロッドを挿入し、そのまわりに六本の第一の石英キャピラリを一重に挿入配置する。それから、六本の第一の石英キャピラリの周囲に十二本の第二の石英キャピラリを一重に挿入配置して、さらにそのまわりに第一の石英キャピラリを石英パイプの内壁まで詰め込む。このように石英ロッド及び石英キャピラリを詰め込んだ石英パイプを加熱延伸すると、石英ロッド、石英キャピラリ及び石英パイプの相互の境界が溶融密着されて、図1に示す分散補償ファイバが出来上がる。
【0023】
ここで、この分散補償ファイバの第一の孔2,2,…、及び第三の孔4,4,…の孔径dが1.44μm、第二の孔3,3,…の孔径d1が0.54μm、隣り合う孔間の間隔Λが1.8μmであるときの、波長分散特性を図8に示す。光通信において現在最も使用されているCバンドで、分散が−350〜−650ps/nm/kmという負の大きな値を示しており、分散補償ファイバとして優れた特性を有している。さらに、分散スロープが大きいので、スロープ補償にも適用できる。また、クラッドが多数の孔により構成されているので、コア1への光の閉じ込め能力が大きく、ファイバを多少曲げても光伝搬の損失はほとんど増加しない。なお、これらの孔2,2,…、3,3,…、4,4,…を空気の屈折率を有する柱状部と捉えることもできる。
【0024】
これまで述べてきたように本実施形態に係る分散補償ファイバでは、コア1の周囲を大径の孔で取り囲み、そのまわりを小径の孔で取り囲み、さらにその周囲を大径の孔で取り囲むことにより、スーパーモード現象を生じさせる構造が構成されている。それにより、この分散補償ファイバは大きな負の分散を有する。また、空孔によるフォトニッククリスタル構造を利用しているので、ファイバ曲げによる伝搬損失は非常に小さい。そして、キャピラリとロッドにより母材を製造するので、所望の特性の分散補償ファイバを高精度で容易に作製することができて、製造コストも低くできる。
【0025】
(実施形態2)
実施形態2に係る分散補償ファイバの端面拡大図を図2に示す。本実施形態に係る分散補償ファイバは、実施形態1のものとは第一の孔2,2,…が二重にコア1を取り囲んでいる点が異なっているが他の点は同じである。即ち、コア1と第二のコアである第二クラッド部とが、実施形態1のものよりも離れているため、分散値が最低(負の最大値)となる波長及びその分散値が実施形態1のものとは異なっている。なお、第三の孔4,4,…は第二の孔3,3,…のまわりを五重に取り囲んでいるが、図では二重のみ示している。
【0026】
本実施形態に係る分散補償ファイバの製造方法は、実施形態1のものと同じである。また、作用効果も実施形態1のものと同様である。
【0027】
(実施形態3)
実施形態3に係る分散補償ファイバの端面拡大図を図3に示す。本実施形態に係る分散補償ファイバは、実施形態1のものとは第一の孔2,2,…が三重にコア1を取り囲んでいる点が異なっているが他の点は同じである。即ち、コア1と第二のコアである第二クラッド部とが、実施形態1のものよりも離れているため、分散値が最低(負の最大値)となる波長及びその分散値が実施形態1のものとは異なっている。なお、第三の孔4,4,…は第二の孔3,3,…のまわりを五重に取り囲んでいるが、図では一重のみ示している。
【0028】
本実施形態に係る分散補償ファイバの製造方法は、実施形態1のものと同じである。また、作用効果も実施形態1のものと同様である。
【0029】
(実施形態4)
実施形態4に係る分散補償ファイバの端面拡大図を図4に示す。本実施形態に係る分散補償ファイバは、実施形態1のものとは第二の孔3,3,…が二重に第一の孔2,2,…を取り囲んでいる点が異なっているが他の点は同じである。即ち、第二のコアである第二クラッド部が、実施形態1のものよりも幅が広いため、分散値が最低(負の最大値)となる波長及びその分散値が実施形態1のものとは異なっている。なお、第三の孔4,4,…は第二の孔3,3,…のまわりを五重に取り囲んでいるが、図では二重のみ示している。
【0030】
本実施形態に係る分散補償ファイバの製造方法は、実施形態1のものと同じである。また、作用効果も実施形態1のものと同様である。
【0031】
(実施形態5)
実施形態5に係る分散補償ファイバの端面拡大図を図5に示す。本実施形態に係る分散補償ファイバは石英からなっているが、中心軸上を延びるコア11には、Geがドープされて純粋石英よりも屈折率が高められている。そして、六個の孔12,12,…がコア11を一重に取り囲んでいて、該孔12,12,…の周囲の石英と共にコア11に隣接して、該コア11を取り囲む第一クラッド部を構成している。
【0032】
この第一クラッド部の周囲を第二クラッド部13が取り囲んでいる。第二クラッド部13は、石英からなる中実な部分であり、この第二クラッド部13を取り囲む第三クラッド部と第一クラッド部との間の距離である第二クラッド部13の幅Wは、孔径dよりも大きい。
【0033】
上記第二クラッド部13を取り囲む第三クラッド部は、第一クラッド部に存する孔12,12,…と同じ孔12,12,…が周期的に配置されている。配置の周期性は、孔12,12間距離が全て同じであって、一つの孔12を六つの孔12,12,…が取り囲んでいるというものである。具体的には、第二クラッド部の周りを十八個の孔12,12,…が六角形を形成して取り囲んでおり、さらにその外側を五重に孔12,12,…が取り囲んでいる。第一クラッド部及び第三クラッド部においては、孔12,12,…が同じ周期性をもって配置されており、第二クラッド部13のところで孔12,12,…配置の規則性は崩れているが、ファイバ全体としてみれば、孔12,12,…は略周期的に配置されているといえ、フォトニッククリスタルファイバであるといえる。
【0034】
次に、本実施形態に係る分散補償ファイバの製造方法について説明をする。
【0035】
まず、中心軸上にコア部としてGeをドープした石英のファイバ母材を用意する。この母材は、通常の伝送用ファイバの母材と同じものである。この母材に図5に示すファイバ端面における孔12,12,…の配置と同じ配置で、軸方向に伸びる孔をドリルにより開ける。それから、孔を開けた母材を加熱延伸すると、本実施形態に係る分散補償ファイバが出来上がる。
【0036】
本実施形態に係る分散補償ファイバは、第一クラッド部及び第三クラッド部の実効屈折率が孔12,12,…のため石英からなる第二クラッド部13よりも低く、第二クラッド部13はコア11よりも屈折率が低いので、第二クラッド部13が第2のコアとして働いて、スーパーモードの機能を発揮する。
【0037】
これまで説明したように、本実施形態に係る分散補償ファイバでは、第一及び第三クラッド部の孔12,12,…を周期的に配置し、その間に該孔径dよりも幅広の中実な第二クラッド部を形成することにより、容易にスーパーモード現象を生じさせる構造が構成されている。それにより、この分散補償ファイバは大きな負の分散を有する。また、空孔によるフォトニッククリスタル構造を利用しているので、ファイバ曲げによる伝搬損失は非常に小さい。そして、中心にGeをドープした通常の伝送用ファイバの母材に孔を開けることにより母材を製造するので、所望の特性の分散補償ファイバを高精度で容易に作製することができ、製造コストも低くできる。
【0038】
(実施形態6)
実施形態6に係る分散補償ファイバの端面拡大図を図6に示す。本実施形態に係る分散補償ファイバは、実施形態1とは第二クラッド部の部分のみが異なり他の部分は実施形態1と同じであるので、異なっている部分を主として説明をする。
【0039】
ファイバ中心軸上を延びる石英のコア1を六個の孔12,12,…が取り囲み、その周りをファイバ中心軸方向に延びるフッ素をドープした十二本のFドープ柱状部15,15,…が取り囲んでいて、さらにその周りを多数の孔12,12,…が周期的に配置されて取り囲んでいる。Fドープ柱状部15,15,…は、石英よりも屈折率が低く、従って、これらFドープ柱状部15,15,…が配置された第二クラッド部全体の実効屈折率は、石英のコア1よりも少し低い。しかし、第二クラッド部の実効屈折率は、第一及び第三クラッド部の実効屈折率よりも高い。このことにより、実施形態1と同様にスーパーモードの機能を発揮する。ここで、孔12,12,…も石英よりも低屈折率である柱状部ということができるので、本実施形態に係る分散補償ファイバは、Fドープ柱状部15,15,…と合わせてこれらの低屈折率の柱状部が周期的に配置されているフォトニッククリスタルファイバであるといえる。
【0040】
この分散補償ファイバの製造方法も基本的には実施形態1と同じであって、実施形態1の孔径の小さな第二の石英キャピラリの代わりに石英ロッドの中心軸部にFドープしたロッドを用いて製造している。なお、このFドープロッドの径は他の石英ロッドやキャピラリと同じであり、Fドープ部の径はFドープロッド径の約半分である。また、本実施形態に係る分散補償ファイバの作用効果は、実施形態1と同様である。
【0041】
(実施形態7)
実施形態7に係る分散補償ファイバの端面拡大図を図7に示す。本実施形態に係る分散補償ファイバは、実施形態6の孔12,12,…の代わりに孔12と同じ径のF高濃度ドープ柱状部17,17,…を配置したものである。F高濃度ドープ柱状部17,17,…の方がFドープ柱状部15,15,…よりも径が大きく且つ屈折率が低い。従って、F高濃度ドープ柱状部17,17,…が配置された第一クラッド部及び第三クラッド部は、Fドープ柱状部15,15,…が配置された第二クラッド部よりも実効屈折率が低い。これらFドープ柱状部15,15,…及びF高濃度ドープ柱状部17,17,…がコア1の周囲に周期的に配置されていてフォトニッククリスタルファイバとなっている。この分散補償ファイバの製造では、実施形態6において石英キャピラリの代わりに中心軸部にフッ素を高濃度にドープしたF高濃度ロッドを用いて製造している。なお、このF高濃度ロッドの径は他のロッドと同じであり、F高濃度ドープ部分の径はF高濃度ロッド径の約2/3である。また、本実施形態に係る分散補償ファイバの作用効果は実施形態1と同様である。
【0042】
(実施形態8)
実施形態8に係る分散補償ファイバの端面拡大図を図9に示す。本実施形態に係る分散補償ファイバは、実施形態5の第一クラッド部をなす孔12,12,…をF高濃度ドープ柱状部17,17,…に置き換えたものである。この分散補償ファイバの製造方法も基本的には実施形態1と同じであって、作用効果も、実施形態1と同様である。
【0043】
(実施形態9)
実施形態9に係る分散補償ファイバの端面拡大図を図10に示す。本実施形態に係る分散補償ファイバは、高濃度にGeを添加されたコア11を有し、第一クラッド部が孔12,12,…の代わりにF高濃度ドープ柱状部17,17,…としたところが実施形態6と異なっているが、他のところは実施形態6と同じである。この分散補償ファイバの製造方法も基本的には実施形態1と同じであって、作用効果も、実施形態1と同様である。
【0044】
(その他の実施形態)
今まで説明してきた実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されない。孔2,3,4,12及び低屈折率の柱状部15,17の周期的な配置は、隣との距離が全て同じで、隣接する三つの孔あるいは柱状部が正三角形を形成している配置の他に、隣接する四つの孔あるいは柱状部が正方形又は長方形を形成している配置であっても構わないし、他の周期的な配置であってもよい。つまり、周期的な配置は、平面状の結晶構造配置であればよい。第三クラッド部に配置される孔4,12あるいはF高濃度ドープ柱状部17は第二クラッド部を五重に取り囲んでいなくても六重以上であってもよいし、一重〜四重のいずれかであっても構わない。また、孔2,3,4,12の大きさや形状も限定されない。各クラッド部に孔径や孔形状が異なる複数種類の孔が存していてもよいし、低屈折率の柱状部も孔と同様である。また、孔と低屈折率の柱状部とが各クラッド部において混在していても構わない。コア1が孔であっても構わない。Fドープ柱状部15やF高濃度ドープ柱状部17の径の大きさや形状も限定されないし、コア1よりも低屈折率であればFドープ石英以外のものでも構わない。また、スーパーモードの機能を確実に発揮させるため、第二クラッド部はコアよりも屈折率が低いことが好ましい。
【0045】
実施形態1から6において、第一クラッド部に配置された孔2,12と第三クラッド部に配置された孔4,12とは、径が異なっていても構わない。実施形態8,9において、第二クラッド部の孔12,12,…の代わりにF高濃度ドープ柱状部17であっても構わない。
【0046】
製造方法も、別の方法であってもよく、例えば実施形態1の分散補償ファイバを石英棒材にドリルで孔開けをした後加熱延伸して作製してもよいし、実施形態5の分散補償ファイバを石英キャピラリーと石英ロッドとを束ねて母材を作製してから加熱延伸して作製してもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に述べる効果を奏する。
【0048】
孔やその他の低屈折率の柱状部がコアの周りに略周期的に配置されたクラッドを有し、その一部の実効屈折率を周りよりも高くしているので、スーパーモードの機能が発揮されて負の分散値が大きい分散補償ファイバとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る分散ファイバの端面の拡大図である。
【図2】実施形態2に係る分散ファイバの端面の拡大図である。
【図3】実施形態3に係る分散ファイバの端面の拡大図である。
【図4】実施形態4に係る分散ファイバの端面の拡大図である。
【図5】実施形態5に係る分散ファイバの端面の拡大図である。
【図6】実施形態6に係る分散ファイバの端面の拡大図である。
【図7】実施形態7に係る分散ファイバの端面の拡大図である。
【図8】実施形態1に係る分散ファイバの波長分散特性を表す図である。
【図9】実施形態8に係る分散ファイバの端面の拡大図である。
【図10】実施形態9に係る分散ファイバの端面の拡大図である。
【符号の説明】
1   コア
2   第一の孔
3   第二の孔
4   第三の孔
11  コア
12  孔
13  第二クラッド部
15  Fドープ柱状部
17  F高濃度ドープ柱状部

Claims (3)

  1. ファイバ中心軸上を延びるコアと、
    上記中心軸方向に延び且つファイバ横断面において上記コアの周囲に略周期的に配置されている多数の孔を有するクラッドと、を備え、
    上記孔には、第一の孔と、該第一の孔よりも径が小さい第二の孔と、該第二の孔よりも径が大きい第三の孔と、が存し、
    上記第一の孔は上記コアに隣接して少なくとも一重に該コアを取り囲んでおり、上記第二の孔はコアを取り囲んだ該第一の孔を少なくとも一重に取り囲んでいて、上記第三の孔は該第二の孔を少なくとも一重に取り囲んでいる、分散補償ファイバ。
  2. ファイバ中心軸上を延びるコアと、
    上記中心軸方向に延び且つファイバ横断面において上記コアの周囲に略周期的に配置されている多数の孔を有するクラッドと、を備え、
    上記クラッドは、上記コアからファイバ径方向に向かって順に第一クラッド部、第二クラッド部及び第三クラッド部を備え、
    上記第一クラッド部は、上記コアに隣接して、少なくとも一重に上記孔がコアを取り囲んでいる部分であり、
    上記第二クラッド部は、上記第一クラッド部を取り囲んだ上記孔の径よりもファイバ径方向に広幅の中実な部分であり、
    上記第三クラッド部は、上記第二クラッド部を取り囲んで上記孔が周期的に配置されている部分である、分散補償ファイバ。
  3. ファイバ中心軸上を延びるコアと、
    上記中心軸方向に延びていて且つ該コアよりも低屈折率であってファイバ横断面において上記コアの周囲に略周期的に配置されている多数の柱状部を有するクラッドと、を備え、
    上記クラッドは、上記コアからファイバ径方向に向かって順に第一クラッド部、第二クラッド部及び第三クラッド部を備え、
    上記コアに隣接している上記第一クラッド部は、該第一クラッド部を取り囲んでいる上記第二クラッド部よりも実効屈折率が低く、
    上記第二クラッド部を取り囲んでいる上記第三クラッド部は、該第二クラッド部よりも実効屈折率が低い、分散補償ファイバ。
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