JP2004100642A - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Masafumi Hakariya
秤谷 雅史
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Abstract

【課題】スロットル弁開度及び吸気弁作用角の可変制御を通じ、必要な機関トルクを確保しつつ燃費効率を高めることができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン1は、吸気弁19の作用角を可変にする吸気弁可変機構21と、吸気通路40に設けられたスロットル弁43の開度を可変にするアクチュエータ43aとを備える。例えば、エンジン1の制御モードの変更に伴って吸気弁19の制御範囲が拡大する場合、実際の吸気圧と目標吸気圧との間に乖離が生じるため、ECU80は、スロットル弁開度を大きくし、吸気圧を目標吸気圧に合致させることのできるスロットル弁開度(基準目標開度)を所定期間オーバーシュートさせた後、スロットル弁開度を基準目標開度に合致させる処理(オーバーシュート制御)を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に吸入される空気の量や圧力を制御する制御装置および制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、吸気弁の動作特性(例えば作用角)を可変制御する機能と、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を任意に制御する機能とを備え、吸気弁の動作とスロットル弁の動作を様々に組み合わせることで、機関燃焼室に吸入される空気の質量流量(吸気量)や圧力(吸気圧)を制御することができる内燃機関が知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
このような内燃機関では、吸気量や吸気圧を所定値にするための制御因子として採用され得る吸気弁作用角およびスロットル弁開度の組み合わせが複数存在することになる。例えば、スロットル弁の開度を小さくする(絞る)制御と、吸気弁作用角を小さくする制御との何れを実行したとしても、吸気量が低下し、機関トルクは低下するようになる。しかしながら、スロットル弁の開度を小さくすると(絞ると)ポンピングロスが大きくなるし、また、機関負荷が低い領域での吸気弁作用角の制御は機関トルクを不安定にしやすい等といった理由で、各制御が適用可能な条件は異なる。
【0004】
例えば、上記公報に記載された内燃機関は、吸気弁の作用角を可変制御する機能と、スロットル弁の開度を任意に制御する機能とを、機関負荷等によって決定づけられる機関の運転領域に応じて適宜使い分け、機関トルクの安定化やドライバビリティの向上を図るようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−159345号公報
【特許文献2】
特開平11−117777号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内燃機関の発生するトルクを安定させるために最適な吸気量が存在する一方、吸気量や燃料の供給量に応じ、燃焼室内における燃料及び空気の動態を最適化し、燃費効率を最も高めることのできる吸気圧が存在する。吸気弁作用角とスロットル弁開度とを併せて制御することにより吸気量や吸気圧を最適化する制御を行う内燃機関では、吸気弁作用角及びスロットル弁開度について、内燃機関に要求されるトルクを発生するために複数の組み合わせを適用し得るため、燃費効率を最も高めることのできる組み合わせを選択するのが好ましいし、内燃機関の運転状態が定常である場合には、機関トルクや燃費効率を最適化する観点から吸気弁作用角及びスロットル弁開度を最適な組み合わせに設定・保持することが可能である。
【0007】
ところが、吸気弁やスロットル弁の個々について動作範囲や動作性能に限界が存在することから、とくに、エンジンの運転状態が過渡的に変化する条件下等では、機関トルクや燃費効率を常時最適化するように吸気量や吸気圧を制御することが困難となっていた。
【0008】
この結果、上記公報記載の内燃機関のように、要求される機関トルクを得るために選択されたスロットル弁開度及び吸気弁作用角の組み合わせを採用して、要求トルクを確保するといった観点から最適な吸気量を確保することができても、燃費効率という観点からは、最適な吸気圧が確保されなくなる場合もあった。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、スロットル弁開度及び吸気弁作用角の可変制御を通じ、必要な機関トルクを確保しつつ燃費効率を高めることができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0010】
また、他の目的は、スロットル弁開度及び吸気弁作用角の可変制御を通じ、必要な機関トルクを確保しつつ燃費効率を高めることができる内燃機関の制御方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、(1)吸気弁の作用角を可変にする可変動弁機構と、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を可変にするアクチュエータとを備えた内燃機関の制御装置において、アクセル指示量に基づき当該機関の吸気量の目標値を決定する目標吸気量決定手段と、当該機関の運転状態に基づき当該機関の吸気圧の目標値を決定する目標吸気圧決定手段と、前記吸気量を目標値に到達させ、前記吸気圧を目標値に到達させる前記吸気弁の作用角と前記スロットル弁の開度との組み合わせとして、基準目標作用角と基準目標開度とを決定する基準目標決定手段と、前記吸気弁の作用角が前記基準目標作用角に収束するように前記可変動弁機構を制御する第1の制御手段と、前記吸気圧がその目標値より小さく且つ前記吸気圧およびその目標値の間の偏差が所定値を上回る場合、前記スロットル弁の開度が、前記基準目標開度を所定期間オーバーシュートした後該基準目標開度に収束するように、前記スロットル弁のアクチュエータを制御して前記吸気圧を目標値に収束させる第2の制御手段と、を備えることを要旨とする。
【0012】
ここで、「吸気量が目標値に到達する」とは、所要時間の長短に関わらず、外乱等の影響がない限り、吸気量が目標値に接近することを広く意味する。また同じく、「吸気圧が目標値に到達する」とは、所要時間の長短に関わらず、外乱等の影響がない限り、吸気圧が目標値に接近することを意味する。
【0013】
吸気弁の作用角を可変にする可変動弁機構と、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を可変にするアクチュエータとを備えた内燃機関では、スロットル弁の開度と吸気弁の作用角とを併せて制御することにより、機関トルクの最適化を図ることができる。ここで、所望の機関トルクを確保するために採用され得るスロットル弁開度及び吸気弁作用角の組み合わせは複数ある。このような複数の組み合わせの中で、所望の機関トルクを発生させるために必要な吸気量を確保しつつ、当該機関の燃費効率を最適化する吸気圧を確保することのできる条件に適合するようなスロットル弁開度及び吸気弁作用角の最適な組み合わせが存在する。しかし、例えばスロットル弁開度及び吸気弁作用角の制御範囲の限界や、当該機関の運転状態の過渡的な変化等に起因し、スロットル弁開度及び吸気弁作用角の最適な組み合わせを採用できない場合もある。
【0014】
また、スロットル弁開度及び吸気弁作用角の最適な組み合わせを採用することができても、吸気通路内における吸気ボリュームの存在に起因し、とくにスロットル弁の動作に対し吸気圧の応答が遅れる場合がある。このような場合、吸気圧が最適値に到達するまでに要する時間分、燃費効率の最適化が図られていないことになる。
【0015】
上記構成によれば、内燃機関のスロットル弁開度及び吸気弁作用角の関係に基づいて吸気量および吸気圧を制御するに際し、スロットル弁開度及び吸気弁作用角を可変とするハードウエア構成の性能を最大限引き出し、当該機関の燃費効率を最適化することができる。
【0016】
とくに、当該機関の運転状態が過渡的に変化するような条件下、スロットル弁開度及び吸気弁作用角の制御範囲が拡大するような条件下、或いは、吸気通路内における吸気ボリュームの存在に起因し、スロットル弁の動作に対する吸気圧の応答遅れが顕著になるような条件下において、所望の機関トルクを発生させつつ、当該機関の燃費効率を高めることができる。
【0017】
このような観点から、上記基準目標開度をオーバシュートさせる所定期間としては、当該機関の燃費効率を最適化するために必要十分な長さを設定するのが好ましい。
【0018】
また、(2)前記吸気圧がその目標値より大きく且つ前記吸気圧およびその目標値の間の偏差が所定値を上回る場合、前記スロットル弁の開度が、前記基準目標開度を所定期間オーバーシュートした後該基準目標開度に収束するように、前記スロットル弁のアクチュエータを制御して前記吸気圧を目標値に収束させる第3の制御手段をさらに備えるのが好ましい。
【0019】
また、他の発明は、(3)吸気弁の作用角を可変にする可変動弁機構と、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を可変にするアクチュエータとを備えた内燃機関の制御装置において、当該機関の運転状態に基づき当該機関の吸気量の目標値を決定する目標吸気量決定手段と、当該機関の運転状態に基づき当該機関の吸気圧の目標値を決定する目標吸気圧決定手段と、前記吸気弁の作用角を略固定し、前記スロットル弁の開度を可変制御することにより前記吸気量を目標値に収束させる第1の制御モードと、前記吸気量の目標値として、前記第1の制御モードよりも大きな数値を設定する制御モードであって、前記スロットル弁の開度および前記吸気弁の作用角の何れをも可変制御することにより前記吸気量を目標値に収束させる第2の制御モードと、を採用し、且つ、前記第1の制御モードから前記第2の制御モードへの切り替え時、前記吸気圧を前記第2の制御モードに対応する目標値に収束させるために、前記スロットル弁の開度が、前記吸気圧を目標値に到達させる基準目標開度を、所定期間オーバーシュートした後該基準目標開度に収束するように、前記スロットル弁のアクチュエータを制御する制御手段と、を備えることを要旨とする。
【0020】
同構成において、前記吸気弁の作用角を略固定し、前記スロットル弁の開度を可変制御することにより前記吸気量を目標値に収束させる第1の制御モードと、吸気量の目標値として、第1の制御モードよりも大きな数値を設定し、前記スロットル弁の開度および前記吸気弁の作用角の何れをも可変制御することにより前記吸気量を目標値に収束させる第2の制御モードとを使い分けることにより、吸気量の比較的小さな運転領域(第1の制御モードに相当)においては機関回転数の安定化を図り、吸気量の比較的大きな運転領域(第2の制御モードに相当)においては必要な機関トルクを効率的に発生することができる。その一方、前記制御手段の採用する制御モードが第1の制御モードから第2の制御に切り替わる際、吸気量の目標値が増大すると同時に、吸気弁作用角およびスロットル弁開度の制御範囲が拡大するため、スロットル弁の動作に対する吸気圧の応答遅れが顕著になる。上記構成によれば、このような応答遅れが好適に解消され、当該機関の燃費効率が向上する。
【0021】
また、他の発明は、(4)吸気弁の作用角を可変にする可変動弁機構と、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を可変にするアクチュエータとを備えた内燃機関の制御装置において、当該機関の運転状態に基づき当該機関の吸気量の目標値を決定する目標吸気量決定手段と、当該機関の運転状態に基づき当該機関の吸気圧の目標値を決定する目標吸気圧決定手段と、前記吸気弁の作用角を略固定し、前記スロットル弁の開度を可変制御することにより前記吸気量を目標値に収束させる第1の制御モードと、前記吸気量の目標値として、前記第1の制御モードよりも大きな数値を設定する制御モードであって、前記スロットル弁の開度および前記吸気弁の作用角の何れをも可変制御することにより前記吸気量を目標値に収束させる第2の制御モードと、を採用し、且つ、前記第1の制御モードから前記第2の制御モードへの切り替え時に、前記吸気圧とその目標値との間に所定値を上回る偏差が認められる場合、前記吸気圧を前記第2の制御モードに対応する目標値に収束させるために、前記スロットル弁の開度が、前記吸気圧を目標値に到達させる基準目標開度を、所定期間オーバーシュートした後該基準目標開度に収束するように、前記スロットル弁のアクチュエータを制御する制御手段と、を備えることを要旨とする。
【0022】
上記構成によれば、第1の制御モードから第2の制御モードへの切換時において、スロットル弁の動作に対する吸気圧の応答遅れが顕著になる条件を、吸気圧とその目標値との間に生じる偏差として正確に把握した上で、その応答遅れを修正することができる。その結果、当該機関の燃費効率がより確実に高まる。
【0023】
また、他の発明は、(5)吸気弁の作用角を可変制御する機能と、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を可変制御する機能とを備えた内燃機関を制御する方法であって、当該機関の吸気圧の目標値を決定するとともに、当該機関の実際の吸気圧と前記目標値との間に所定の偏差が認められる場合、前記スロットル弁の開度が、前記吸気圧を目標値に到達させる基準目標開度を所定期間オーバーシュートした後、該基準目標開度に収束するように前記スロットル弁の開度を制御することを要旨とする。
【0024】
上記の制御方法によれば、内燃機関のスロットル弁開度及び吸気弁作用角の関係に基づいて吸気量および吸気圧を制御するに際し、スロットル弁開度及び吸気弁作用角を可変とするハードウエア構成の性能を最大限活用し、当該機関の燃費効率を最適化することができる。
【0025】
とくに、当該機関の運転状態が過渡的に変化するような条件下、スロットル弁開度及び吸気弁作用角の制御範囲が拡大するような条件下、或いは、吸気通路内における吸気ボリュームの存在に起因し、スロットル弁の動作に対する吸気圧の応答遅れが顕著になるような条件下において、所望の機関トルクを発生させつつ、当該機関の燃費効率を高めることができる。
【0026】
また、上記制御方法としては、とくに、(6)前記吸気弁の作用角と前記スロットル弁の開度とのうち、少なくとも一方を略固定する第1の制御工程と、前記吸気弁の作用角と前記スロットル弁の開度との何れをも、当該内燃機関の運転状態に基づいて可変制御する第2の制御工程と、を含んで、且つ、前記第1の制御工程から前記第2の制御工程に移行する際、当該機関の吸気圧の目標値を決定するとともに、当該機関の実際の吸気圧と前記目標値との間に所定の偏差が認められる場合には、前記スロットル弁の開度が、前記吸気圧を目標値に到達させる基準目標開度を所定期間オーバーシュートした後、該基準目標開度に収束するように前記スロットル弁の開度を制御するのが好ましい。
【0027】
上記の制御方法によれば、第1の制御工程から第2の制御工程への切換時において、スロットル弁の動作に対する吸気圧の応答遅れが顕著になる条件を、吸気圧とその目標値との間に生じる偏差として正確に把握した上で、その応答遅れを修正することができる。その結果、当該機関の燃費効率がより確実に高まる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、車載エンジンシステムに適用した一実施の形態について説明する。
【0029】
〔エンジンシステムの基本構造及び機能〕
図1に示すように、内燃機関(以下、エンジンという)1は、複数のシリンダ(一本のシリンダのみ図示)を備え、吸入行程、圧縮行程、爆発行程及び排気行程の4サイクルを繰り返して出力を得るガソリンエンジンシステムである。
【0030】
エンジン本体10は、シリンダブロック10aとシリンダヘッド10bとが閉じ合わされて構成され、その内部にシリンダ11を形成する。シリンダ11内には、ピストン12が往復動可能に収容される。ピストン12の頭頂面12aと、シリンダ11の内壁と、シリンダヘッド10bとに囲まれた空間は、燃焼室13を形成する。ピストン12に連結されたコンロッド14は、シリンダ11内におけるピストン12の往復運動をエンジン1のクランクシャフト15の回転運動に変換する。
【0031】
また、シリンダヘッド10bには点火プラグ16が設けられている。点火プラグ16は、イグナイタ17を介して適宜のタイミングで通電され、燃焼室13内に充填される燃料及び空気の混合気に点火する。また同じく、シリンダヘッド10bには、燃焼室13内に直接その噴孔を臨ませる燃料噴射弁18が設けられている。燃料噴射弁18は、高圧ポンプ(図示略)等によって加圧され、蓄圧室(図示略)に蓄えられた加圧燃料を、燃焼室13内に適宜の量、適宜のタイミングで噴射供給する電磁駆動式開閉弁である。
【0032】
また、シリンダヘッド10bには、燃焼室13に連通し吸気通路40の最下流部位をなす吸気ポート41と、同じく燃焼室13に連通し排気通路50の最上流部位をなす排気ポート51とが形成され、さらに、吸気ポート41と燃焼室13との境界を開放・閉塞する吸気弁19や、排気ポート51と燃焼室13との境界を開放・閉塞する排気弁20が設けられている。吸気弁19は、吸気弁可変機構21によって開閉駆動される。軸部材19aの先端に弁体19bを備えて構成される吸気弁19は、基本的にはクランクシャフト15の回転に同期して往復運動(開閉弁動作)を繰り返す。吸気弁可変機構(可変動弁機構)21は、吸気弁19の開きタイミングを固定したまま閉じタイミングを可変制御することができる。また、排気弁20は、吸気弁19と同じく軸部材20aの先端に弁体20bを備え、その軸部材20aの後端を、クランクシャフト15の回転に連動して回転する排気カム22に当接させている。排気弁20は、排気カム22によって駆動され、クランクシャフト15の回転と正確に同期した往復運動(開閉弁動作)を繰り返す。
【0033】
吸気通路40は、外部から燃焼室内に吸入される空気(吸気)の通路である。吸気通路40には、吸気の流路上流から下流にかけて、エアクリーナ42、スロットル弁43、サージタンク44等が順次設けられている。エアクリーナ42は、吸気通路40に取り込まれる空気中の塵や埃を取り除くフィルタである。スロットル弁43は、ステップモータ等を備えたアクチュエータ43aによってその開度が無段階に調節される電子制御式の開閉弁である。サージタンク44は、吸気の脈動を抑制する。排気通路50は、燃焼室から排出される排気ガスの通路である。排気通路には、排気浄化用触媒(図示略)を内蔵する触媒ケーシング52が設けられている。
【0034】
また、エンジンの各部位には、当該部位の環境条件やエンジン1の運転状態に関する信号を出力する各種センサが取り付けられている。すなわち、スロットル弁開度センサ60は、スロットル弁43の開度(以下、スロットル弁開度という)TAに応じた検出信号を出力する。エアフロメータ61は、吸気通路40内のスロットル弁43上流において空気の流量に応じた検出信号を出力する。また、アクセルポジションセンサ62はエンジンのアクセルペダル70に取り付けられ、同ペダル70の踏込量(以下、アクセル指示量という)ACCに応じた検出信号を出力する。クランク角センサ63は、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力する。クランク角センサ63の検出信号は、エンジン1の回転数(以下、エンジン回転数という)NE等を演算するために活用される。吸気弁リフト量センサ64は、吸気弁19の閉弁状態からの移動距離(リフト量)に応じた検出信号を出力する。これらセンサ60〜64は、電子制御装置(ECU)80と電気的に接続されている。
【0035】
ECU80は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、バックアップRAMおよびタイマーカウンタ等を備え、これら各部と、A/D変換器を含む外部入力回路と、外部出力回路とが双方向性バスにより接続されて構成される論理演算回路を備える。
【0036】
このように構成されたECU80は、上記各種センサの検出信号を外部入力回路を介して入力し、これら信号に基づいて、エンジン1の運転状態に関する各種パラメータを把握し、これらパラメータに基づいて、イグナイタ17、燃料噴射弁18、吸気弁可変機構21およびスロットル弁43等を駆動する。言い換えれば、ECU80は、エンジン1の運転状態を最適化すべく、エンジン1の各構成要素を統括制御する。
【0037】
〔吸気弁可変機構の機能〕
上述したように、本実施の形態にかかる吸気弁可変機構21は、吸気弁19の開きタイミングを固定したまま閉じタイミングを可変制御することができる。吸気弁19の開きタイミングを固定したまま閉じタイミングを変更すると、吸気弁19の作用角(以下、吸気弁作用角という)VAが変化する。ここで、吸気弁作用角VAとは、吸気弁19の開弁期間に相当するクランク角の変化量を意味する。
【0038】
吸気弁可変機構21としては、様々な作動原理を利用した機構を採用し得る。
【0039】
図2(a),(b),(c)は、各種作動原理を利用した吸気弁可変機構21によって吸気弁が開閉弁動作を行う際、吸気弁リフト量がどのように推移するのかを例示するチャートである。
【0040】
例えば、クランクシャフト15の回転に連動するカム機構であって、複数形状のカムを選択的に用いて吸気弁19を駆動することのできる機構や、クランクシャフト15の回転に連動するカムと、カムの動作を修正するメカニズムとを併せて活用し吸気弁19を駆動することのできる機構等を採用することができる。このようなカム機構を採用することにより、図2(a)に示すように、吸気弁19の閉弁タイミングCAをCA1〜CA3のように変更し、結果として吸気弁作用角VAをVA1〜VA3のように変更することができる。さらに、図2(b)に示すように、選択されるカムの形状や、カムの動作を修正するメカニズムの特性次第で、リフト量の最大値を変更することもできる。
【0041】
また例えば、吸気弁19に対し、その往復動作の方向に沿って電磁力を付与することのできる機構を採用することにより、吸気弁作用角VAや閉弁タイミングを変更することもできる。このような機構を採用した場合、図2(c)に示すように、吸気弁の動作をクランクシャフトの回転に連動させる必要がなくなるため、その動作範囲や動作速度の制御ついて、自由度が高まる。
【0042】
このような吸気弁可変機構21の機能を活用することにより、エンジン1のECU80は、吸気弁作用角VA、閉弁タイミング、或いは最大リフト量を可変制御することができる。吸気弁19の1回の開閉弁動作によって燃焼室13に流入する空気量は、吸気弁作用角VAの大きさに依存する。つまり、吸気弁可変機構21を通じて吸気弁作用角VAを変更すれば、吸気通路40を通じて燃焼室13に吸入される空気(吸気ポート41内の空気)の質量流量(吸気量)GA及び圧力(吸気圧)PMを制御することができる。
【0043】
〔吸気量・吸気圧制御の概要〕
ECU80は、吸気量GA及び吸気圧PMをエンジン1の運転状態に基づいて決定される目標値に合致させる制御(吸気量・吸気圧制御)を実施する。本実施の形態にかかる吸気量・吸気圧制御は、スロットル弁開度TAの制御と、吸気弁作用角VAの制御とを通じて行う。
【0044】
ここで、吸気弁19やスロットル弁43は、相互に異なる動作特性(動作範囲や動作性能の限界等)有する。例えば、吸気量GAや吸気圧PMを変更するにあたり、スロットル弁43の操作を通じて変更できる吸気量GAや吸気圧PMの範囲(制御範囲)は比較的大きいが、スロットル弁開度TAを小さくすると(絞ると)、エンジン1にポンピングロスが発生し、燃費の低下を招き易い傾向がある。また、スロットル弁43が設けられる部位と燃焼室13との間には所定の距離があるため、スロットル弁43が動作してから、その動作の影響が燃焼室13に流入する空気の動態(吸気量や吸気圧等)に及ぶまでに、ある程度の応答遅れが存在する。
【0045】
一方、吸気弁作用角VAを小さくすることにより、エンジン1にポンピングロスが発生することはほとんどない。また、吸気弁作用角VAの変更は、燃焼室13に流入する空気の動態に対して直接的に影響を及ぼす。すなわち、吸気弁が動作してから、その動作の影響が燃焼室13に流入する空気の動態に及ぶまでの応答遅れもほとんど存在しない。しかし、吸気弁19の動作特性上、適用可能な作用角VAの範囲は限られている。
【0046】
本実施の形態にかかるエンジン1のECU80は、吸気量・吸気圧制御の実施にあたり、エンジン1の運転状態に応じて複数の運転領域を設定し、各領域毎に異なる制御モード(制御工程)を採用する。
【0047】
図3には、エンジン回転数NEとアクセル指示量ACCとの関係に基づいて決定される3種の運転領域(図3(a))と、各運転領域に対応する制御モードの内容(図3(b))とを示す。
【0048】
図3(a)及び図3(b)に併せ示すように、エンジン回転数NE及びアクセル指示量ACCが低い運転領域A(アイドル時若しくは極低負荷条件)においては、制御モードαが採用される。制御モードαを採用する場合、吸気弁作用角VAは最小角(制御範囲の下限値)若しくは最小角近傍に固定した状態でスロットル弁開度TAのみを可変調整することにより、(吸気圧PMに対し優先的に)吸気量GAを目標値に収束させる。
【0049】
一方、エンジン回転数NE及びアクセル指示量ACCが高い運転領域C(高負荷及び高回転領域)においては、制御モードγが採用される。制御モードγを採用する場合、スロットル弁開度TAは最大値(全開状態)若しくは最大値近傍に固定した状態で吸気弁作用角VAのみを可変調整することにより、(吸気圧PMに対し優先的に)吸気量GAを目標値に収束させる。
【0050】
また、エンジン回転数NE及びアクセル指示量ACCが運転領域A及び運転領域Bの中間範囲の数値となる運転領域B(中負荷及び中回転領域)では、スロットル弁開度TAおよび吸気弁作用角VAの両者を可変調整することによって、吸気量GAおよび吸気圧PMを目標値に収束させる。
【0051】
〔オーバーシュート制御〕
上記吸気量・吸気圧制御を実施するに際し、ECU80は、スロットル弁開度TA及び吸気弁作用角VAのうち少なくとも一方を、スロットル弁43及び吸気弁可変機構21の動作可能範囲内で制御することにより、吸気量GA及び吸気圧PMを目標値に収束させる。スロットル弁開度TAの目標値および吸気弁作用角VAの目標値の組み合わせとしては、スロットル弁開度TAおよび吸気弁作用角VAを固定した状態で、吸気量GAおよび吸気圧PMが各々の目標値に到達すると推定されるような数値の組み合わせ(基準目標開度STTA,基準目標作用角STVA)を選択する。基準目標開度STTAおよび基準目標作用角STVAの組み合わせは、エンジン1の運転状態に対応する数値の組み合わせとして、予め実験等によって求める。 ここで、吸気圧PMは、燃焼室13に流入する空気の動態(例えば気流の特性)、ひいては、吸気ポート41を通じて燃焼室13内に流入する空気と燃料噴射弁18を通じて燃焼室13内に噴射供給される燃料との混合状態を支配する因子として、エンジン1の燃焼効率、すなわち燃費効率に直接影響を及ぼす。このため、実際の吸気圧PMがその最適値(目標値)から乖離するほど、また、乖離する期間が長くなるほど、エンジン1の燃費効率は低下する。
【0052】
実際の吸気圧PMと目標値との間の乖離は、(A)エンジン1の運転状態が急変した場合(B)スロットル弁開度TAや吸気弁作用角VAの制御範囲(スロットル弁43や吸気弁19の動作可能範囲)内で、吸気圧PMを目標値に合致させることができない場合、(C)機関トルク等、エンジン1に要求される他の運転条件を満たす必要から吸気圧PMを目標値に合致させることができない場合等に、生じやすい。
【0053】
エンジン1では、実際の吸気圧PMと目標値との間に生じる乖離を縮小し、また、そのような乖離の生じる機会を少なくすることで、燃費効率を向上させる制御構造を採用する。
【0054】
例えば、エンジン1の運転領域が領域Aから領域Bに移行し、制御モードがモードαからモードβに切り替わる場合、スロットル弁開度TAおよび吸気弁作用角VAの制御範囲は拡大する。このため、制御モードの切り替え前における両パラメータTA,VAの制御範囲では吸気圧PMを目標値に合致させることができなかったところ、制御モードの切り替えに伴い吸気圧PMを目標値に合致させることが可能になることがある。
【0055】
一方、スロットル弁43が設けられる部位と燃焼室13との間には所定の距離があるため、スロットル弁43が動作してから、その動作の影響が燃焼室13に流入する空気の動態(吸気量や吸気圧等)に及ぶまでにある程度の応答遅れが存在することは、上述した通りである。スロットル弁43の制御に関するこのような応答遅れは、先の図3(a)における運転領域Aや運転領域Bのように、パラメータNE,ACC等に代表される機関負荷が比較的小さい(吸気通路40内の空気の流速が低い)場合、より顕著になる。
【0056】
すなわち、機関負荷が比較的低い条件下で制御モードが切り替わるような場合には、実際の吸気圧PMと目標値との間に相当程度の乖離が生じており、しかも、スロットル弁開度TAの制御範囲で吸気圧PMを目標値に合致させることが可能な条件が整っているにも関わらず、スロットル弁開度TAの制御に関する応答遅れに起因し、吸気圧PMと目標値とが速やかに合致しない場合が多い。
【0057】
このような状況に対応すべく、本実施の形態にかかるエンジン1は、吸気量・吸気圧制御の一環として、以下のような制御構造(オーバーシュート制御)を採用する。
【0058】
すなわち、スロットル弁開度TAの制御に所定の自由度が許容される条件下において、エンジン1の運転状態に基づいて決定される吸気圧PMの目標値と、実際の吸気圧PMとの間に所定値を上回る偏差が認められる場合、吸気圧PMをその目標値に到達させるスロットル弁開度(基準目標開度)STTAを認識する。そして、スロットル弁開度TAが一旦、基準目標開度STTAを所定期間に亘ってオーバーシュートした後、基準目標開度STTAに収束するようにアクチュエータ43aを制御する。
【0059】
図4は、オーバーシュート制御の実施に伴う各種パラメータの推移を示すタイムチャートの一例である。
【0060】
例えば、時刻t1において、運転領域が領域Aから領域Bへの移行すると、吸気量GAの目標値(目標吸気量)TGAが高くなる(図4(a))。また、運転領域が領域Aから領域Bへの移行に伴い吸気弁作用角VAの制御範囲が拡大するため、ECU80は、吸気弁作用角VAを大きくして、吸気量GA及び吸気圧PMの各々を目標値(TGA,TPM)に到達させることのできる吸気弁作用角(基準目標作用角)STVAに合致させる(図4(b))。一方、運転領域Aにおいては、エンジン回転数NEを所定値に安定させる制御が、吸気圧PMを燃費効率を最適化する観点から決定される目標値(目標吸気圧)TPMに収束させる制御に優先して行われる等の理由により、実際の吸気圧PMが、目標吸気圧TPMよりも低い場合が多い(図4(c))。このように実際の吸気圧PMが目標吸気圧TPMよりも低い状況で、運転領域が領域Aから領域Bに移行すると、目標吸気圧TPMが高くなるため、実際の吸気圧PMと目標吸気圧TPMとの間の乖離が一層大きくなる(図4(c))。ここで、ECU80は、運転領域Aから運転領域Bへの移行時(時刻t1)、実際の吸気圧PMと目標吸気圧TPMとの間に所定値を上回る偏差(乖離)が認識されると、スロットル弁開度TAを大きくし、吸気圧PMを目標吸気圧TPMに到達させることのできるスロットル弁開度(基準目標開度)STTAを一旦、所定期間Δtに亘ってオーバーシュートさせた後、スロットル弁開度TAを基準目標開度STTAに合致させる処理(オーバーシュート制御)を行う(図4(d))。オーバーシュート制御を実施することにより、運転領域が領域Aから領域Bに移行した後、実際の吸気圧PMと目標吸気圧TPMとが合致するまでに要する期間は、期間(t1−t3)から期間(t1−t2)まで短縮される(図4(d))。この期間の短縮分、エンジン1の燃費効率が高くなる。
【0061】
なお、運転領域Aから運転領域Bへの移行時に限らず、運転領域B内でエンジン1の運転状態が過渡的に変動する場合にも、実際の吸気圧PMと目標吸気圧TPMとが一時的に乖離することはある。そしてこの場合も、機関負荷が比較的小さく、スロットル弁43の動作に対する吸気圧PMの応答性が低いため、オーバーシュート制御を実施することにより、運転領域Aから運転領域Bへの移行時に準ずる効果を奏することができる。すなわち、目標吸気圧TPMから乖離した吸気圧PMを、速やかに目標吸気圧TPMに合致させ、燃費効率を向上させることができる。
【0062】
また、運転領域B内でエンジン1の運転状態が過渡的に変動する場合には、図5に示すように、目標吸気量TGAが急に低下し(図5(a))、実際の吸気圧PMが目標吸気圧TPMを上回ったときにもオーバーシュート制御を実施して、吸気圧PMを速やかに目標吸気圧TPMに収束させ(図5(c),(d))、エンジン1の燃費効率を向上させることができる。
【0063】
〔吸気量・吸気圧制御の具体的な手順〕
以下、吸気量・吸気圧制御の具体的な手順について、フローチャートを参照して説明する。
【0064】
図6は、「吸気量・吸気圧制御」を行うための処理ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン1の運転中、ECU80を通じて所定周期で繰り返し実行される。
【0065】
このルーチンに処理が移行すると、ECU80は先ずステップS101において、各種センサの検出信号に基づきエンジン1の運転状態を把握する。例えば、ECU80は、エアフロメータ61の検出信号に基づいて吸気量GAを演算する。また、クランク角センサ63の検出信号に基づいてエンジン回転数NEを演算する。また、アクセルポジションセンサ62の検出信号に基づいてアクセル指示量ACCを認識する。さらに、エンジン回転数NEやアクセル指示量ACC等のパラメータに基づいて吸気圧PMを推定する。また、スロットル弁開度センサ60の検出信号に基づいてスロットル弁開度TAを認識する。また、リフト量センサ64の検出信号の履歴に基づいて、吸気弁作用角VAを演算する。
【0066】
続いてECU80は、目標吸気量TGAを決定する(ステップS102)。目標吸気量TGAは、エンジン1に要求される機関トルクや機関出力に関係するパラメータであり、基本的にはアクセル指示量ACCに応じて決定される。
【0067】
続いてECU80は、目標吸気圧TPMを決定する(ステップS103)。目標吸気圧TPMは、燃焼室13に流入する空気(気流)の形態や強さ、ひいてはエンジン1の燃焼効率を最適化するように設定されるパラメータであり、例えばエンジン回転数NEやアクセル指示量ACC等に基づきマップ(図示略)等を参照して決定される。
【0068】
続いてECU80は、エンジン1の運転状態が運転領域Aに属するか否かを判断し(ステップS104)、運転領域Aに属しない場合には運転領域Bに属するか否かを判断する(ステップS105)。
【0069】
そしてECU80は、エンジン1の運転状態が運転領域Aに属すると判断した場合には(ステップS104)、制御モードαを採用する。すなわち、吸気弁作用角VAを最小値に固定した上で、スロットル弁開度TAのみを可変調整することにより、吸気量GAを目標吸気量TGAに収束させる制御を実施する(ステップS200)。
【0070】
一方、エンジン1の運転状態が運転領域Bに属すると判断した場合には(ステップS105)、制御モードβを採用する。すなわち、スロットル弁開度TAおよび吸気弁作用角VAの両方を可変調整することにより、吸気量GAを目標吸気量TGAに、吸気圧PMを目標吸気圧TPMに収束させる制御を実施する(ステップS300)。
【0071】
また、エンジン1の運転状態が運転領域A,Bの何れにも属しない(運転領域Cに属する)と判断した場合には(ステップS105)、制御モードγを採用する。すなわち、スロットル弁開度TAを最大値に固定した上で、吸気弁作用角VAを可変調整することにより、吸気量GAを目標吸気量TGAに収束させる制御を実施する(ステップS400)。
【0072】
上記ステップS200,S300,S400の何れかを経た後、ECU80は本ルーチンを一旦抜ける。
【0073】
図7は、吸気量・吸気圧制御ルーチン(図6)のうち、ステップS300における処理内容、言い換えれば、エンジン1の運転状態が運転領域Bに属する場合に実施される制御手順の詳細(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【0074】
このサブルーチンに処理が移行すると、ECU80は先ずステップS301において、基準目標開度STTAおよび基準目標作用角STVAを決定する。
【0075】
ステップS302においては、目標吸気圧TPMと吸気圧PMとの差(TPM−PM)が、所定値D1(ただし、D1>0)を上回っているか否かを判断する。ステップS302における判断が肯定である場合、ECU80はその処理をステップS304に移行する。一方、ステップS302における判断が否定である場合、ECU80はその処理をステップS303に移行して、目標吸気圧TPMと吸気圧PMとの差(TPM−PM)が所定値D2(ただし、D2>0)を下回っているか否かを判断する。
【0076】
ステップS302において肯定の判断を行った場合(TPM−PM>D1)、ECU80は、吸気弁作用角VAを基準目標作用角STVAに合致させるように吸気弁可変機構21を駆動する。また、図4(d)において説明したように、スロットル弁開度TAが、基準目標開度STTAに向かって増大し、基準目標開度STTAに所定量ΔOSTAを加算した値(STTA+ΔOSTA)を、所定期間tΔに亘って保持した後(基準目標開度STTAを所定期間オーバーシュートした後)、基準目標開度STTAに合致するようにスロットル弁43(アクチュエータ43a)を駆動する。
【0077】
またステップS302において否定の判断、続くステップS303において肯定の判断を行った場合(TPM−PM<−D2)、ECU80は、吸気弁作用角VAを基準目標作用角STVAに合致させるように吸気弁可変機構21を駆動する。また、図5(d)において説明したように、スロットル弁開度TAが基準目標開度STTAに向かって減少し、基準目標開度STTAから所定量ΔOSTAを減算した値(STTA−ΔOSTA)を所定期間tΔに亘って保持した後(基準目標開度STTAを所定期間オーバーシュートした後)、基準目標開度STTAに合致するようにスロットル弁43(アクチュエータ43a)を駆動する。
【0078】
また、ステップS303において否定の判断を行った場合(−D2≦TPM−TP≦D1)、ECU80は、吸気弁作用角VAを基準目標作用角STVAに合致させるように吸気弁可変機構21を駆動するとともに。スロットル弁開度TAが基準目標開度STTAに合致するようにスロットル弁43(アクチュエータ43a)を駆動する。すなわち、オーバーシュート制御は実施しない。
【0079】
ステップS304,S305,S306の何れかを経た場合、ECU80は本ルーチンを一旦抜ける(吸気量・吸気圧制御ルーチンに戻る)。
【0080】
このように、ECU80は、吸気量GAを目標吸気量TGAに合致させ、必要な機関トルクを常時確保しつつ、とくに運転領域B内において、目標吸気圧TPMから乖離する吸気圧PMを速やかに目標値に合致させ、エンジン1の燃費効率を向上させる。
【0081】
なお、図7のサブルーチン(S300)に従えば、運転領域Bにおいて目標吸気圧TPMと吸気圧PMとの間の偏差が所定値を上回った場合、他の条件を特に考慮することなく、オーバーシュート制御を行うことになる。
【0082】
これに対し、目標吸気圧TPMと吸気圧PMとがとくに乖離しやすい条件、例えば吸気圧PM運転領域が領域Aから領域Bに移行するタイミング(制御モードがモードαからモードβに切り替わるタイミング)に限定してオーバーシュート制御を行ってもよい。この場合、図7のサブルーチンS300に替え、下記のサブルーチン300′(図8)に従う制御を行えばよい。なお、サブルーチンS300′(図8)において、サブルーチンS300(図7)に包含されるステップと同等の処理内容を示すステップには、同一の番号を付す。
【0083】
サブルーチンS300′に処理を移行すると、ECU80は、先ずステップS301において、基準目標開度STTAおよび基準目標作用角STVAを決定する。次に、サブルーチンS300′における今回の処理が、運転領域Aから運転領域Bへの移行後、初めてのものか否かを判断する(ステップS301A)。
【0084】
そして、このステップS301Aでの判断が肯定である場合に限り、図7のサブルーチンS300と同様の処理(ステップS302以降の処理)を行う。一方、ステップS301Aにおける判断が否定である場合、ステップS306にジャンプする。
【0085】
このように、サブルーチン300′(図8)を採用する吸気量・吸気圧制御では、運転領域Bにおいて目標吸気圧TPMと吸気圧PMとがとくに乖離しやすい条件(目標吸気量TGAが過渡的に上昇する条件)下に限定してオーバーシュート制御を行う。このような制御構造を適用しても、燃費効率を向上させるといった点で、少なくともサブルーチンS300(図7)を採用する制御構造に準ずる効果を奏することはできる。
【0086】
この他、運転領域Aから運転領域Bへの移行タイミングに、運転領域Cから運転領域Bへの移行タイミングを加えた条件下で、オーバーシュート制御を実施するような制御構造を採用してもよい。
【0087】
この場合、図7のサブルーチンS300に替え、下記のサブルーチン300″(図9)に従う制御を行えばよい。なお、サブルーチンS300″(図9)において、サブルーチンS300(図7)に包含されるステップと同等の処理内容を示すステップには、同一の番号を付す。
【0088】
サブルーチンS300″に処理を移行すると、ECU80は、先ずステップS301において、基準目標開度STTAおよび基準目標作用角STVAを決定する。次に、サブルーチンS300″における今回の処理が、運転領域Aから運転領域Bへの移行後、初めてのものか否かを判断する(ステップS301A)。また、このステップS301Aにおける判断が否定である場合、サブルーチンS300″における今回の処理が、運転領域Cから運転領域Bへの移行後、初めてのものか否かを判断する(ステップS301B)。
【0089】
そして、ステップS301Aで肯定の判断を行った場合、サブルーチンS300(図7)のステップS304と同等の処理(スロットル弁開度TAを増大させるオーバーシュート制御を含む処理)を行う。また、ステップS301Bで肯定の判断を行った場合、サブルーチンS300(図7)のステップS305と同等の処理(スロットル弁開度TAを減少させるオーバーシュート制御を含む処理)を行う。また、ステップS301A,S301Bの何れにおいても否定の判断を行った場合、サブルーチンS300(図7)のステップS306と同等の処理(オーバーシュート制御を含まない処理)を行う。
【0090】
このようなサブルーチンS300″を採用しても、目標吸気量TGAの急変に伴って発生する目標吸気圧TPMおよび吸気圧PM間の乖離を速やかに解消し、燃費効率を向上させるといった点で、サブルーチンS300を採用する場合と同等の効果を奏することができる。
【0091】
以上説明したように、ECU80は、吸気量GAを目標吸気量TGAに合致させ、必要な機関トルクを常時確保しつつ、エンジン1の運転状態が運転領域Aから運転領域Bへ移行する場合、或いは運転領域B内においてエンジン1の運転状態が急変する場合、目標吸気圧TPMから乖離する吸気圧PMを速やかに目標値に合致させ、エンジン1の燃費効率を向上させる。
【0092】
ここで、エンジンの運転状態の過渡的な変化、制御モード(制御工程)の切り替え(スロットル弁開度TAや吸気弁作用角VAの制御範囲の変化)や、スロットル弁43の動作に対する吸気圧PMの応答遅れ等に起因し、目標吸気圧TPMと吸気圧PMとの間に乖離が生じているにも関わらず、この乖離を吸気量GAや吸気圧PMの制御に反映させない従来の制御装置や制御方法では、このような乖離が発生する毎に、エンジンの燃費効率が低下することになっていた。
【0093】
この点、本実施の形態にかかる制御装置(制御方法)によれば、エンジン1のスロットル弁開度TA及び吸気弁作用角VAの関係に基づいて吸気量GAおよび吸気圧PMを制御するに際し、スロットル弁開度TA及び吸気弁作用角VAを可変とするハードウエア構成(電子制御式のスロットル弁43や吸気弁可変機構21)の制御範囲を最大限活用し、エンジン1の燃費効率を最適化することができる。
【0094】
とくに、エンジン1の運転状態が過渡的に変化するような条件下、スロットル弁開度TA及び吸気弁作用角VAの制御範囲が拡大するような条件下、或いは、吸気通路40内における吸気ボリュームの存在に起因し、スロットル弁43の動作に対する吸気圧PMの応答遅れが顕著になるような条件下において、必要な機関トルクを確保しつつ、エンジン1の燃費効率を高めることができる。
【0095】
さらに、本実施の形態にかかるエンジン1の如く、燃料噴射弁18を通じて燃焼室13内に直接燃料を噴射供給して機関燃焼を行う内燃機関では、機関燃焼の態様として、いわゆる均質リーン燃焼(理論空燃比よりも燃料の濃度が低い混合気を燃焼に供する燃焼モード)、成層燃焼(燃焼室内において燃料の濃度が高い雰囲気を点火プラグ近傍に局在させ、燃焼効率を高める燃焼モード)、ストイキ燃焼(理論空燃比に近い比率の燃料と空気を可能な限りよく混合して燃焼に供する燃焼モード)等、種々の燃焼モードを採用し得る。ここで、内燃機関が、どのような燃焼モードを採用するのかにより、当該機関の燃費効率を最適化する吸気圧は異なる。通常、ポンプピングロスの低減といった観点から、吸気圧が高くなるほど(大気圧に近づくほど)燃費効率は高くなる。しかしながら、成層燃焼を行う内燃機関では、燃焼室に流入する空気の動態(例えば気流の動き等)が、燃費効率を最適化する条件として、機関燃焼効率を最も高める吸気圧(吸気圧の最適値)を決定づけることも多い。
【0096】
すなわち、内燃機関のタイプに応じて吸気圧の最適値は異なり、また、同一の内燃機関でも燃焼モードが変われば吸気圧の最適値は変化する。このような観点からも、実際の吸気圧と目標吸気圧との偏差に基づくスロットル弁開度TAのオーバーシュート制御は、内燃機関の各種燃焼モード(特に成層燃焼モード)や、複数の燃焼モード間の切り替えに適応し、燃費効率を最適化する制御として有意に機能するといえる。
【0097】
なお、本実施の形態において、エンジン1の吸気圧PMは、エンジン1の運転状態を反映する他のパラメータに基づいて推定することにしたが、これに限らず、吸気圧センサ等の機器を採用して直接検出してもよい。
【0098】
また、本実施の形態において、エンジン1の吸気量GAは、エアフロメータ61の検出信号に基づいて演算することとしたが、これに限らず、エンジン1の運転状態を反映する他のパラメータ(アクセル指示量NE、エンジン回転数NE等)に基づいて推定してもよい。
【0099】
また、オーバーシュート制御の実施に際しては、例えば、マップ等を参照することにより、基準目標作用角STVA及び基準目標開度STTAを、両数値の組み合わせとして同時に決定した後、吸気弁作用角VAを基準目標作用角STVAに合致させる一方、オーバーシュート制御を通じてスロットル弁開度TAを基準目標開度STTAに収束させるといった制御構造を採用することができる。しかし、これに限らず、先ず基準目標作用角STVAを優先的に決定した後、この基準目標作用角STVAに基づいて基準目標開度STTAを決定するような制御構造を採用してもよい。
【0100】
また、本実施の形態では、オーバーシュート制御として、スロットル弁開度TAが、基準目標開度STTAに向かって増大し、基準目標開度STTAに所定量ΔOSTAを加算若しくは減算した値(STTA+ΔOSTA若しくはSTTA−ΔOSTA)を、所定期間tΔに亘って保持した後、基準目標開度STTAに合致するようにスロットル弁43を駆動することとした。すなわち、スロットル弁開度TAの目標値を、所定期間Δt、基準目標開度STTAよりも大きな値(或いは小さな値)に保持し、基準目標開度STTAに戻す制御構造を採用することとした。
【0101】
これに対し、スロットル弁開度TAの目標値は変更せず(基準目標開度STTAを目標値としたまま)、スロットル弁開度TAによる目標値への収束速度を高めることによってオーバーシュート制御を行うこともできる。ただし、本実施の形態によるように、スロットル弁開度TAの目標値自体を変更する制御構造を採用する方が、オーバーシュートの期間Δtやオーバーシュートの量ΔOSTAを高い精度で定量的に操作するといった観点から、より有利な効果を得ることができる。
【0102】
また、本実施の形態にかかる吸気量・吸気圧制御では、サブルーチンS300,S300′,S300″の何れかを採用し、運転領域Bにおける特定の条件下でオーバーシュート制御を実施することとした。
【0103】
例えば、サブルーチンS300(図7)を採用する場合、実際の吸気圧PMと目標吸気圧TPMとの間の偏差が所定値を上回っていると認められた場合に、オーバーシュート制御を実施することになる。
【0104】
また、サブルーチンS300′(図8)を採用する場合、運転領域Aから運転領域Bへの移行(制御モードαから制御モードβへの切り替え)に伴い、実際の吸気圧PMと目標吸気圧TPMとの間の偏差が所定値を上回っていると認められた場合に限り、オーバーシュート制御を実施する。
【0105】
また、サブルーチンS300″(図9)を採用する場合、目標吸気圧TPMおよび吸気圧PM間の偏差の大きさに関わらず、運転領域Aから運転領域Bへの移行(制御モードαから制御モードβへの切り替え)、或いは運転領域Aから運転領域Bへの移行(制御モードαから制御モードβへの切り替え)に併せてオーバーシュート制御を実施することになる。
【0106】
これらのサブルーチンを採用する制御構造は本発明を好適に具現する例示ではある。しかしこれに限らず、吸気通路40内の空気の流速が比較的緩やかで、且つ、スロットル弁開度TAの制御範囲が比較的大きな条件下、或いは吸気通路40内の空気の流速が比較的緩やかで、且つ、スロットル弁開度TAや吸気弁作用角VAの制御範囲がある程度過渡的に変化する条件下においてスロットル弁開度TAのオーバーシュート制御を実施することにより、少なくとも上記実施の形態に準ずる効果を奏することはできる。
【0107】
また、オーバーシュートの期間Δtやオーバーシュートの量ΔOSTA(図4及び図5参照)の初期設定事項として、オーバーシュートの期間Δtやオーバーシュートの量ΔOSTAは、吸気通路40内において、スロットル弁43及び燃焼室13の間に存在する空間の容積(吸気ボリューム)の大きさを考量して決定するのが好ましい。
【0108】
なお、スロットル弁開度TAが基準目標開度STTAをオーバーシュートする期間Δtやオーバーシュートの量ΔOSTA(図4(d))は、オーバーシュート制御を実施する際、実際の吸気圧PMと目標吸気圧TPMとの間に認められる偏差の大きさや、エンジン回転数NE等に応じ伸縮するようにしてもよい。実際の吸気圧PMおよび目標吸気圧TPM間の偏差の大きさに応じて、オーバーシュートの期間Δtやオーバーシュートの量ΔOSTA(図4及び図5参照)を変更すれば、エンジン1の全運転領域において、オーバーシュート制御を行うこともできる。むろんこのような場合であれ、必要に応じてオーバーシュートの期間Δtまたはオーバーシュートの量ΔOSTAを「0」に設定する等して、実質的には、通常の制御(スロットル開度TAを直接基準目標開度ATTAに合致させる制御)を併用するのが好ましい。
【0109】
また、吸気弁作用角VAを可変制御するための機構としては、吸気弁可変機構21のように、吸気弁19の開きタイミングを固定したまま閉じタイミングを変更する機能を備えた機構に限らず、吸気弁19の開きタイミングのみ、或いは、開きタイミングおよび閉じタイミングの両方を変更する機能を備えた機構を採用してもよい。また、吸気弁作用角VAに替え、吸気弁19のリフト量を変更することによって、吸気量や吸気圧を制御する装置構成を採用しても、本実施の形態に準ずる効果を奏することはできる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、内燃機関に要求されるトルクを十分に確保しつつ、燃費効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるエンジンシステムを示す概略構成図。
【図2】各種の吸気弁可変機構を通じて変更される吸気弁の動作特性を示す図。
【図3】エンジン回転数とアクセル指示量との関係に基づいて決定される3種の運転領域を示すグラフと、各運転領域に対応する制御モードの内容を示す表。
【図4】オーバーシュート制御の実施に伴って観測されるスロットル弁開度及び吸気圧等の推移を示すタイムチャート。
【図5】オーバーシュート制御の実施に伴って観測されるスロットル弁開度及び吸気圧等の推移を示すタイムチャート。
【図6】吸気量・吸気圧制御の手順を示すフローチャート。
【図7】オーバーシュート制御の手順を示すフローチャート。
【図8】オーバーシュート制御の手順を示すフローチャート。
【図9】オーバーシュート制御の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
10 エンジン本体
10a シリンダブロック
10b シリンダヘッド
11 シリンダ
12 ピストン
12a 頭頂面
13 燃焼室
14 コンロッド
15 クランクシャフト
16 点火プラグ
17 イグナイタ
18 燃料噴射弁
19 吸気弁
19a 軸部材
19b 弁体
20 排気弁
20a 軸部材
20b 弁体
21 吸気弁可変機構(可変動弁機構)
22 排気カム
40 吸気通路
41 吸気ポート
42 エアクリーナ
43 スロットル弁
43a アクチュエータ
44 サージタンク
50 排気通路
51 排気ポート
52 触媒ケーシング
60 スロットル弁開度センサ
61 エアフロメータ
62 アクセルポジションセンサ
63 クランク角センサ
64 吸気弁リフト量センサ
70 アクセルペダル
80 電子制御装置(ECU)

Claims (6)

  1. 吸気弁の作用角を可変にする可変動弁機構と、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を可変にするアクチュエータとを備えた内燃機関の制御装置において、
    アクセル指示量に基づき当該機関の吸気量の目標値を決定する目標吸気量決定手段と、
    当該機関の運転状態に基づき当該機関の吸気圧の目標値を決定する目標吸気圧決定手段と、
    前記吸気量を目標値に到達させ、前記吸気圧を目標値に到達させる前記吸気弁の作用角と前記スロットル弁の開度との組み合わせとして、基準目標作用角と基準目標開度とを決定する基準目標決定手段と、
    前記吸気弁の作用角が前記基準目標作用角に収束するように前記可変動弁機構を制御する第1の制御手段と、
    前記吸気圧がその目標値より小さく且つ前記吸気圧およびその目標値の間の偏差が所定値を上回る場合、前記スロットル弁の開度が、前記基準目標開度を所定期間オーバーシュートした後該基準目標開度に収束するように、前記スロットル弁のアクチュエータを制御して前記吸気圧を目標値に収束させる第2の制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記吸気圧がその目標値より大きく且つ前記吸気圧およびその目標値の間の偏差が所定値を上回る場合、前記スロットル弁の開度が、前記基準目標開度を所定期間オーバーシュートした後該基準目標開度に収束するように、前記スロットル弁のアクチュエータを制御して前記吸気圧を目標値に収束させる第3の制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 吸気弁の作用角を可変にする可変動弁機構と、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を可変にするアクチュエータとを備えた内燃機関の制御装置において、
    当該機関の運転状態に基づき当該機関の吸気量の目標値を決定する目標吸気量決定手段と、
    当該機関の運転状態に基づき当該機関の吸気圧の目標値を決定する目標吸気圧決定手段と、
    前記吸気弁の作用角を略固定し、前記スロットル弁の開度を可変制御することにより前記吸気量を目標値に収束させる第1の制御モードと、
    前記吸気量の目標値として、前記第1の制御モードよりも大きな数値を設定する制御モードであって、前記スロットル弁の開度および前記吸気弁の作用角の何れをも可変制御することにより前記吸気量を目標値に収束させる第2の制御モードと、を採用し、
    且つ、
    前記第1の制御モードから前記第2の制御モードへの切り替え時、前記吸気圧を前記第2の制御モードに対応する目標値に収束させるために、前記スロットル弁の開度が、前記吸気圧を目標値に到達させる基準目標開度を、所定期間オーバーシュートした後該基準目標開度に収束するように、前記スロットル弁のアクチュエータを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 吸気弁の作用角を可変にする可変動弁機構と、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を可変にするアクチュエータとを備えた内燃機関の制御装置において、
    当該機関の運転状態に基づき当該機関の吸気量の目標値を決定する目標吸気量決定手段と、
    当該機関の運転状態に基づき当該機関の吸気圧の目標値を決定する目標吸気圧決定手段と、
    前記吸気弁の作用角を略固定し、前記スロットル弁の開度を可変制御することにより前記吸気量を目標値に収束させる第1の制御モードと、
    前記吸気量の目標値として、前記第1の制御モードよりも大きな数値を設定する制御モードであって、前記スロットル弁の開度および前記吸気弁の作用角の何れをも可変制御することにより前記吸気量を目標値に収束させる第2の制御モードと、を採用し、
    且つ、
    前記第1の制御モードから前記第2の制御モードへの切り替え時に、前記吸気圧とその目標値との間に所定値を上回る偏差が認められる場合、前記吸気圧を前記第2の制御モードに対応する目標値に収束させるために、前記スロットル弁の開度が、前記吸気圧を目標値に到達させる基準目標開度を、所定期間オーバーシュートした後該基準目標開度に収束するように、前記スロットル弁のアクチュエータを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 吸気弁の作用角を可変制御する機能と、吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を可変制御する機能とを備えた内燃機関を制御する方法であって、
    当該機関の吸気圧の目標値を決定するとともに、
    当該機関の実際の吸気圧と前記目標値との間に所定の偏差が認められる場合、前記スロットル弁の開度が、前記吸気圧を目標値に到達させる基準目標開度を、所定期間オーバーシュートした後、該基準目標開度に収束するように前記スロットル弁の開度を制御する
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  6. 前記吸気弁の作用角と前記スロットル弁の開度とのうち、少なくとも一方を略固定する第1の制御工程と、
    前記吸気弁の作用角と前記スロットル弁の開度との何れをも、当該内燃機関の運転状態に基づいて可変制御する第2の制御工程と、
    を含んで、且つ、
    前記第1の制御工程から前記第2の制御工程に移行する際、
    当該機関の吸気圧の目標値を決定するとともに、
    当該機関の実際の吸気圧と前記目標値との間に所定の偏差が認められる場合には、
    前記スロットル弁の開度が、前記吸気圧を目標値に到達させる基準目標開度を、所定期間オーバーシュートした後、該基準目標開度に収束するように前記スロットル弁の開度を制御する
    ことを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御方法。
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