JP2004100046A - 複合導電粉、導電ペースト、電気回路及び電気回路の製造法 - Google Patents

複合導電粉、導電ペースト、電気回路及び電気回路の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】 比抵抗が低く、高導電性で、かつ冷熱衝撃試験や湿中負荷試験後も比抵抗の変化の小さい電気回路形成用の導電ペーストが得られる複合導電粉、比抵抗が低く、高導電性で、かつ冷熱衝撃試験や湿中負荷試験後も比抵抗の変化が小さい電気回路形成用の導電ペースト、比抵抗が低く、高導電性で、かつ耐マイグレーション性に優れる電気回路及び比抵抗が低く、高導電性で、かつ耐マイグレーション性に優れる電気回路の製造法を提供する。
【解決手段】 被覆されている導電体が露出している扁平状の銀被覆銅粉及び不定形状導電粉を含む複合導電粉、前記複合導電粉、結合剤及び溶剤を含有してなる導電ペースト、この導電ペーストを用いて基材の表面に形成された電気回路並びに基材の表面に前記導電ペーストで回路パターンを形成した後、加圧、硬化することを特徴とする電気回路の製造法。
【選択図】    なし

Description

 本発明は複合導電粉、導電ペースト、電気回路及び電気回路の製造法に関する。
 従来、プリント配線板、電子部品等の電気回路(配線導体)を形成する方法として、非特許文献1に記載されているように導電性に優れた銀粉を含有する導電ペーストを塗布又は印刷する方法が一般的に知られている。
電子材料、1994年10月号の42〜46頁
 銀粉を含有する導電ペーストは、導電性が良好なことから印刷配線板、電子部品等の電気回路や電極の形成に用いられているが、このような導電ペーストを用いて形成される電気回路の体積固有抵抗(比抵抗)は、通常は50〜100μΩ・cmであり、優れているものでも30〜40μΩ・cmにすぎず、印刷回路の長さが数cmと短い場合には障害になることは少ないが、10cm以上になると導通抵抗が高くなり不具合が生じ易かった。
 導通抵抗の良好な導体を得るには銀粉の配合量を増加させればよいが、25μΩ・cm以下の比抵抗を安定して得ることはできない。また銀粉の配合量を単純に増加させると他の特性、例えば接着性とのバランスが悪くなるなどの欠点が生じる。
 また、銀、銅等の金属箔をエッチングする方法では、高導電性で比抵抗は数μΩ・cm
と低いが工程が複雑であるため高価になるという欠点があった。さらに、銀粉を用いた導電ペーストは、高温多湿の雰囲気下電界が印加されると、配線導体や電極にマイグレーションと称する銀の電析が生じ電極間又は配線間が短絡するという欠点が生じる。このマイグレーションを防止するための方策はいくつか行われており、導体の表面に防湿塗料を塗布するか又は導電ペーストに含窒素化合物などの腐食抑制剤を添加するなどの方策が検討されているが十分な効果が得られるものではなかった。
 さらに、マイグレーションを防止するためには、銀粉の代わりに銀−パラジウムの合金粉末を使用すれば良いが、このような合金粉末は銀粉末に比べて高価でありハイブリッドICのような小型の配線板では実用化されているが、配線板が大型である紙フェノール基板、ガラスエポキシ基板、ポリエチレンテレフタレート等のような基材ではいまだ実用化されていない。銀被覆銅粉を使用すればマイグレーションを改善でき、これを用いれば安価な導電ペーストが得られるが、銀被覆を均一に、かつ厚く被覆するとマイグレーションの改善効果はない。また被覆法としてめっき法は安価な方法であり、例えば安価な球状銅粉に対して銀めっきするのは凝集も少なく容易に行えるが、これを用いた導電ペーストは抵抗が高くなるという欠点があった。
 請求項1記載の発明は、比抵抗が低く、高導電性で、かつ冷熱衝撃試験や湿中負荷試験後も比抵抗の変化の小さい電気回路形成用の導電ペーストが得られる複合導電粉を提供する。
 請求項2〜3記載の発明は、請求項1記載の発明のうち特に導電性に優れ、さらに請求項1記載の発明に加えて耐酸化性及び耐熱性に優れる導電ペーストが得られる複合導電粉を提供する。
 請求項4〜6記載の発明は、加圧してアンカー効果を有する導電ペーストが得られる複合導電粉を提供する。
 請求項7記載の発明は、比抵抗が低く、高導電性で、かつ耐マイグレーション性に優れる電気回路形成用の導電ペーストが得られる複合導電粉を提供する。
 請求項8〜10記載の発明は、比抵抗が低く、高導電性で、かつ冷熱衝撃試験や湿中負荷試験後も比抵抗の変化が小さい電気回路形成用の導電ペーストを提供する。
 請求項11記載の発明は、比抵抗が低く、高導電性で、かつ耐マイグレーション性に優れる電気回路を提供する。
 請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明に加えて微細な回路を形成するのに優れる電気回路を提供する。
 請求項13記載の発明は、比抵抗が低く、高導電性で、かつ耐マイグレーション性に優れる電気回路の製造法を提供する。
 請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明に加えて微細な回路を形成するのに優れる電気回路の製造法を提供する。
 本発明は、次の事項に関する。
(1)被覆されている導電体が露出している扁平状の銀被覆銅粉(以下扁平状銀被覆銅粉と略す)及び不定形状導電粉を含む複合導電粉。
(2)不定形状導電粉の材質が、銀又は銀合金である上記(1)記載の複合導電粉。
(3)不定形状導電粉が、還元銀粉である上記(2)記載の複合導電粉。
(4)不定形状導電粉が、銀又は銀合金より硬度が高い導電体が銀で被覆されたものである上記(2)記載の複合導電粉。
(5)銀又は銀合金より硬度が高い導電体が、Co、Ni、Cr、Cu、W粉又はこれらの合金粉である上記(4)記載の複合導電粉。
(6)銀又は銀合金より硬度が高い導電体が、銅粉又は銅合金粉である上記(5)記載の複合導電粉。
(7)不定形状導電粉が、被覆された導電体が露出している銀被覆銅粉又は銀被覆銅合金粉である上記(4)〜(6)のいずれかに記載の複合導電粉。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の複合導電粉、結合剤及び溶剤を含有してなる導電ペースト。
(9)複合導電粉が、導電ペーストの固形分に対して85〜93重量%含有される上記(8)記載の導電ペースト。
(10)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の複合導電粉、結合剤及び溶剤を含有してなり、扁平状銀被覆銅粉95〜50重量%に対し、不定形状導電粉5〜50重量%を含有してなる上記(8)又は(9)記載の導電ペースト。
(11)上記(8)〜(10)のいずれかに記載の導電ペーストを用いて基材の表面に形成された電気回路。
(12)基材の表面に形成された電気回路の比抵抗が25μΩ・cm以下である上記(11)記載の電気回路。
(13)基材の表面に上記(8)〜(10)のいずれかに記載の導電ペーストで回路パターンを形成した後、加圧、硬化することを特徴とする電気回路の製造法。
(14)基材の表面に形成された電気回路の比抵抗が25μΩ・cm以下であることを特徴とする上記(13)記載の電気回路の製造法。
 請求項1記載の複合導電粉は、比抵抗が低く、高導電性で、かつ冷熱衝撃試験や湿中負荷試験後も比抵抗の変化の小さい電気回路形成用の導電ペーストが得られる。
 請求項2〜3記載の複合導電粉は、請求項1記載の複合導電粉のうち特に導電性に優れ
、さらに請求項1記載の複合導電粉に加えて耐酸化性及び耐熱性に優れる導電ペーストが得られる。
 請求項4〜6記載の複合導電粉は、加圧してアンカー効果を有する導電ペーストが得られる。
 請求項7記載の複合導電粉は、比抵抗が低く、高導電性で、かつ耐マイグレーション性に優れる電気回路形成用の導電ペーストが得られる。
 請求項8〜10記載の導電ペーストは、比抵抗が低く、高導電性で、かつ冷熱衝撃試験や湿中負荷試験後も比抵抗の変化が小さい電気回路形成用に好適である。
 請求項11記載の電気回路は、比抵抗が低く、高導電性で、かつ耐マイグレーション性に優れる。
 請求項12記載の電気回路は、請求項11記載の電気回路に加えて微細な回路を形成するのに優れる。
 請求項13記載の電気回路の製造法は、比抵抗が低く、高導電性で、かつ耐マイグレーション性に優れる。
 請求項14記載の電気回路の製造法は、請求項13記載の電気回路の製造法に加えて微細な回路を形成するのに優れる電気回路が製造できる。
 本発明において、扁平状銀被覆銅粉と不定形状導電粉を組み合わせて用いると、扁平状銀被覆銅粉と不定形状導電粉の接触確率が改善でき、電気回路の導電性が高くなり、特にシート状の基材に回路を印刷し、印刷回路をプレス加工する場合の導電性を高めることができる。
 扁平状銀被覆銅粉とは、形状としてほぼ平坦で微細な小片からなる銀被覆銅粉で、例えば、りん片状銀被覆銅粉がある。不定形状導電粉とは、扁平状以外の形状の導電粉で、球状、立方体状、四面体状、塊状、略球状等と呼ばれる粉体、こんぺい糖のように表面に突起のある形状の粉体、これらの混合物等種々の導電粉のことである。種々の形状の導電粉を含むものとしては、例えば還元銀粉がある。
 扁平状銀被覆銅粉としては多くの場合、アスペクト比が6以上、好ましくは6〜11程度の扁平状銀被覆銅粉が該当し、この他に樹枝状(デンドライト状とも呼ばれる)などと呼ばれる形状のものがあり、このものも併用して用いることができる。アスペクト比が6以上、好ましくは6〜11の扁平状銀被覆銅粉としては、高導電性のペーストが得られるという点で、アスペクト比が7〜11が好ましく、アスペクト比が8〜11がより好ましく、アスペクト比が10〜11がさらに好ましい。よって、形状とアスペクト比の両面から述べると、高導電性、導電ペーストの粘度等の面からアスペクト比が7〜11の扁平状銀被覆銅粉がより好ましく、アスペクト比が8〜11の扁平状銀被覆銅粉がさらに好ましく、アスペクト比が10〜11の扁平状銀被覆銅粉が最も好ましい。
 扁平状銀被覆銅粉の粒子の平均粒子径としては、印刷性を低下させないという観点から、25μm以下のものが好ましく、20μm以下のものがより好ましく、10μm以下のものがさらに好ましい。なお、ここでいう平均粒子径は、レーザー散乱型粒度分布測定装置により測定することができる。本発明においては、前記装置としてマスターサイザー(マルバン社製)を用いて測定した。
 不定形状導電粉としては、アスペクト比が5以下の導電粉の多くが該当する。アスペクト比が5以下の導電粉としては、高導電性のペーストが得られるという点で、アスペクト比が4以下が好ましく、アスペクト比が3以下がより好ましく、アスペクト比が2.5以下がさらに好ましい。
 不定形状導電粉の平均粒子径は、印刷性に優れる点で、3〜20μmの範囲が好ましく、3〜10μmの範囲がより好ましい。なお、ここでいう平均粒子径は、前記と同様に、レーザー散乱型粒度分布測定装置により測定することができる。本発明においては、前記装置としてマスターサイザー(マルバン社製)を用いて測定した。
 上記に示す、アスペクト比とは、扁平状銀被覆銅粉又は導電粉の粒子の長径と短径の比率(長径/短径)をいう。本発明においては、粘度の低い硬化性樹脂中に扁平状銀被覆銅粉又は導電粉の粒子をよく混合し、静置して粒子を沈降させるとともにそのまま樹脂を硬化させ、得られた硬化物を垂直方向に切断し、その切断面に現れる粒子の形状を電子顕微鏡で拡大して観察し、少なくとも100の粒子について一つ一つの粒子の長径/短径を求め、それらの平均値をもってアスペクト比とする。
 ここで、短径とは、前記切断面に現れる粒子について、その粒子の外側に接する二つの平行線の組合せを粒子を挾むように選択し、それらの組合せのうち最短間隔になる二つの平行線の距離である。一方、長径とは、前記短径を決する平行線に直角方向の二つの平行線であって、粒子の外側に接する二つの平行線の組合せのうち、最長間隔になる二つの平行線の距離である。これらの四つの線で形成される長方形は、粒子がちょうどその中に納まる大きさとなる。
 なお、本発明において行った具体的方法については後述する。
 不定形状導電粉の材質は、銀又は銀合金が導電性並びに耐酸化性の点で好ましい。
 上記の銀合金としては、パラジウム(例えば銀合金中に1〜5重量%程度)、白金(例えば銀合金中に1重量%程度)等との合金を用いることが好ましい。
 また上記の銀粉を作製する方法の1つに液中還元法があり、この方法によって作製される銀粉は平均粒径が数μmの微粉末であることから工業的な生産方法として広く利用されている。この液中還元法とは、銀を酸で溶解した後、これをアルカリで中和し、次いでこれにホルマリン、デンプン等の還元剤を添加して液中で還元して微粉末とする方法であり、これによって得られる粉末を還元銀粉といい、その形状は、塊状に近いが一定の形状ではなく不規則な形状をしている。この還元銀粉は本発明において不定形状導電粉として使用できる。
 不定形状導電粉としては、銀又は銀合金以外の導電体が銀又は銀合金で被覆されている銀被覆導電体粉であってもよい。
 不定形状導電粉としては、上記したように銀被覆導電体粉であってもよいが、被覆される導電体としては、銀又は銀合金より硬度の高い導電体が好ましい。このような導電体としては、例えばCo、Ni、Cr、Cu、W等の金属粉又はこれらの合金粉を用いることができるが、この中で銅粉又は銅合金粉を用いることが好ましい。
 これを使用することにより、電気回路を加圧したとき、扁平状銀被覆銅粉に不定形状導電粉がくい込み電気回路の導電性が高くなるので好ましい。
 上記の銅合金粉としては、例えば銅とスズ、銅と亜鉛等との合金粉が用いられる。
 銅粉又は不定形状導電粉の表面に銀を被覆するには、置換めっき、電気めっき、無電解めっき等の方法があり、銅粉又は不定形状導電粉と銀との付着力が高いこと及びランニングコストが安価であることから、置換めっき法で被覆することが好ましい。銅粉又は不定形状導電粉の表面への銀の被覆量は、コスト、電食性の抑制効果などの点から銅粉又は不定形状導電粉に対して3〜50重量%の範囲が好ましく、3〜20重量%の範囲がさらに好ましい。
 前記したいずれの銀被覆銅粉又は銀被覆導電体粉を用いれば、耐マイグレーション性に優れるので好ましい。銀被覆銅粉又は銀被覆導電体粉は、銅粉又は導電体の一部が露出したものを用いることができる。これらは、扁平状銀被覆銅粉と不定形状導電粉のそれぞれに使用することができる。
 銅粉又は導電粉の露出面積は、良好な導電性を得る点で50%以下が好ましく、20%以下がさらに好ましい。
 置換めっき後の球状の銀被覆銅粉は接触点が少ないため抵抗が高くなりやすい。そのため、置換めっき後の球状の銀被覆銅粉に衝撃を与え粒子の形状を扁平状に変形させればよい。具体的にはボールミル、振動ミル等の方法で変形させることができる。
 扁平状銀被覆銅粉と不定形状導電粉との配合割合は、扁平状銀被覆銅粉95〜50重量%に対し不定形状導電粉が5〜50重量%の範囲であることが導電性を高める点で好ましく、扁平状銀被覆銅粉が80〜60重量%に対し不定形状導電粉が20〜40重量%の範囲であればさらに好ましい。
 導電ペーストは、これらの複合導電粉、結合剤及び溶剤を含有してなるものである。この導電ペーストにおいて複合導電粉の含有量は導電ペーストの固形分に対して導体の抵抗、経済性及び接着性の点で85〜93重量%であることが好ましく、87〜90重量%であることがさらに好ましい。
 結合剤としては、液状のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の有機質の接着剤成分が用いられ、また溶剤としては、テルピネオール、エチルカルビトール、カルビトールアセテート、ブチルセロソルブ等が用いられる。導電ペーストは上記の材料以外に2エチルメチルイミダゾールなどの有機質の接着剤成分の硬化剤及び必要に応じてベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール等の腐食抑制剤、微小黒鉛粉末などを添加して均一に混合して得られる。
 結合剤及び溶剤の含有量は、導電性、接着性及び印刷性の点で導電ペーストに対して結合剤が7〜15重量%及び溶剤が10〜35重量%の範囲であることが好ましく、結合剤が7〜12重量%及び溶剤が15〜25重量%の範囲であることがさらに好ましい。また硬化剤の含有量は、作業性の点で結合剤100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲であることが好ましく、1〜8重量部の範囲であることがさらに好ましい。腐食抑制剤及び微小黒鉛粉末は必要に応じて添加されるが、もし添加する場合その含有量は、腐食抑制剤は結合剤100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲であることが好ましい。微小黒鉛粉末は導電ペーストに対して1〜10重量%の範囲であることが好ましい。
 電気回路の形成方法については特に制限はなく、公知の方法、例えば導電ペーストをスクリーン印刷、コンピュータでコントロールした描画機で形成することができる。
 基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、紙フェノール積層板、エポキシ樹脂ガラス布基材積層板、ポリイミド樹脂ガラス布基材積層板等が用いられる。
 本発明において、電気回路の比抵抗は、好ましくは25μΩ・cm以下、より好ましくは15μΩ・cm以下とされ、25μΩ・cmを超えると導電性が低下する傾向があるため、電気回路の電圧降下が大きくなり、微細な電気回路にはしにくくなる。なお電気回路の比抵抗が10μΩ・cm以下であれば、微細で、かつコイル状の平面アンテナなどのような線の長さが長い電気回路に用いることができるので特に好ましい。
 電気回路の比抵抗を25μΩ・cm以下にするには、基材の表面に上記の導電ペーストで回路パターンを形成した後、例えばプレスで加圧して回路パターンを緻密化することにより達成できる。プレスの方法は、定盤を用いて圧力をかける方法、ロールでプレスする方法等が適用され、導電ペーストで形成した導電層中の粉末同士の接触効率を高めることができればよい。なおプレスするときに導電層中の結合剤は軟化していることが好ましく、もし結合剤が半硬化状態又は硬化している場合は加熱して軟化させてから用いることが好ましい。結合剤の硬化はプレス後に硬化させてもよく、プレス中に硬化させてもよい。
 以下、本発明の実施例を説明する。
 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名エピコート834)60重量部及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名エピコート828)40重量部を予め加温溶解させ、次いで室温に冷却した後、2エチル4メチルイミダゾール(四国化成工業(株)製)5重量部、エチルカルビトール20重量部及びブチルセロソルブ20重量部を加えて均一に混合して樹脂組成物とした。
 次に、平均粒径が6.2μmの球状銅粉(日本アトマイズ加工(株)製、SF−Cu)に置換めっき法で銀を25重量%被覆した後、ジルコニアボールと共にボールミルで毎分60回転の条件で30分間回転させて形状を変形させ、長径の平均粒径が10.3μm、アスペクト比が6及び銅の露出面積が3〜18%の範囲で平均が7%のりん片状の銀被覆銅粉を得た。
 また、上記とは別に、上記と同様の銅粉に置換めっき法で銀を25重量%被覆した後、ガラスボールと共にボールミルで毎分60回転の条件で20分間回転させて形状を変形させ、長径の平均粒径が7.5μm、アスペクト比が2及び銅の露出面積が2〜7%の範囲で平均が3%の不定形状の銀被覆銅粉を得た。
 次いで、りん片状の銀被覆銅粉410重量部(66.7重量%)及び不定形状の銀被覆銅粉205重量部(33.3重量%)を上記で得た樹脂組成物145重量部に添加し、撹拌らいかい機及び三本ロールで均一に混合分散して導電ペーストを得た。なおりん片状の銀被覆銅粉と不定形状の銀被覆銅粉の含有量は導電ペーストの固形分に対して86重量%であった。
 上記の銅の露出面積は、次のようにして求めた。すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)で銀被覆銅粉のSEM写真をとり、ここから無作為に銀被覆銅粉の粒子を20個選択して、X線マイクロアナライザーで銀及び銅の面分析を行って、銀で覆われている部分と銅が露出している部分の面積割合から銅の露出している割合を算出し、その平均値を求め、この平均値を被覆面積とした。以下の実施例及び比較例においても上記と同様の方法で銅の被覆面積を算出した。
 この後、上記で得た導電ペーストを用いて、厚さが125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に図1及び図2に示す銀導電体回路1を印刷したものを大気中で80℃30分さらに100℃に加熱したプレスを用いて5MPaの圧力で2分間加熱加圧し、次いで145℃30分の条件で加熱処理して電気回路を得た。なお、図1及び図2において、2はポリエチレンテレフタレートフィルムであり、また図2おけるAの寸法は100μmである。
 次に、得られた図1に示す電気回路の比抵抗を測定したところ11.5μΩ・cmであった。また電気回路の冷熱衝撃試験を実施した結果、比抵抗の変化率は5%であった。さらに図2に示すくし型電気回路の湿中負荷試験を実施した結果、配線間の絶縁抵抗は108Ω以上であった。なお冷熱試験条件は125℃30分〜−65℃30分を100サイクル行い、湿中負荷試験は40℃90%RH中で隣あうライン間に50Vの電圧を印加して2000時間保持した。
 なお、本実施例におけるアスペクト比の具体的測定法を以下に示す。低粘度のエポキシ樹脂(ビューラー社製)の主剤(No.20-8130)8gと硬化剤(No.20-8132)2gを混合し、ここへ導電粉2gを混合して良く分散させ、そのまま30℃で真空脱泡した後、6〜8時間30℃で静置して粒子を沈降させ硬化させた。その後、得られた硬化物を垂直方向に切断し、切断面を電子顕微鏡で2000倍に拡大して切断面に現われた100個の粒子について長径/短径を求め、それらの平均値をもって、アスペクト比とした。
 実施例1で得たりん片状の銀被覆銅粉700重量部(87.5重量%)及び実施例1で得た不定形状の銀被覆銅粉100重量部(12.5重量%)を実施例1で得た樹脂組成物145重量部に添加し、撹拌らいかい機及び三本ロールで均一に混合分散して導電ペーストを得た。なおりん片状の銀被覆銅粉と不定形状の銀被覆銅粉の含有量は導電ペーストの固形分に対して89重量%であった。以下実施例1と同様の工程を経て電気回路を作製してその特性を評価した。その結果、電気回路の比抵抗は9.5μΩ・cmであった。また電気回路の冷熱衝撃試験を実施した結果、比抵抗の変化率は4%であり、くし型電気回路の湿中負荷試験では配線間の絶縁抵抗は108Ω以上であった。
 実施例1で得たりん片状の銀被覆銅粉750重量部(83.3重量%)及び実施例1で用いた銅粉の表面に置換めっき法で銀を10重量%被覆した後、実施例1と同様の工程を経て得た長径の平均粒径が6.0μm、アスペクト比が2及び銅の露出面積が3〜13%の範囲で平均が7%の不定形状銀被覆銅粉150重量部(16.7重量%)を実施例1で得た樹脂組成物145重量部に添加し、撹拌らいかい機及び三本ロールで均一に混合分散して導電ペーストを得た。なおりん片状の銀被覆銅粉と不定形状の銀被覆銅粉の含有量は導電ペーストの固形分に対して89重量%であった。以下プレスの圧力を20MPaの条件で行った以外は実施例33と同様の工程を経て電気回路を作製してその特性を評価した。その結果、電気回路の比抵抗は8.3μΩ・cmであった。また電気回路の冷熱衝撃試験を実施した結果、比抵抗の変化率は5%であり、くし型電気回路の湿中負荷試験では、配線間の絶縁抵抗は108Ω以上であった。
 実施例3で得た導電ペーストを用いて実施例1と同様の工程を経て電気回路を作製し、次いで熱ロール、温度100℃及び圧力10MPaの条件で加熱加圧して印刷回路を緻密化してその特性を評価した。その結果、緻密化した電気回路の比抵抗は8.4μΩ・cmであった。また緻密化した電気回路の冷熱衝撃試験を実施した結果、比抵抗の変化率は4%であり、くし型電気回路の湿中負荷試験では、配線間の絶縁抵抗は108Ω以上であった。
比較例1
 実施例1で得た樹脂組成物145重量部に実施例1で得たりん片状の銀被覆銅粉を400重量部添加し、撹拌らいかい機及び三本ロールで均一に混合分散して導電ペーストを得た。次にプレスでの加熱加圧工程を除いた以外は実施例1と同様の工程を経て電気回路を作製してその特性を評価した。その結果、電気回路の比抵抗は62μΩ・cmであった。また電気回路の冷熱衝撃試験を実施した結果、比抵抗の変化率は10%であり、くし型電気回路の湿中負荷試験では、配線間の絶縁抵抗は108Ω以上であった。
比較例2
 実施例1で得た樹脂組成物145重量部にアスペクト比が8で長径の平均粒径が8μmのりん片状の銀粉(徳力化学研究所製、商品名TCG−1)を400重量部添加し、撹拌らいかい機及び三本ロールで均一に混合分散して導電ペーストを得た。次にプレスでの加熱加圧工程を除いた以外は実施例1と同様の工程を経て電気回路を作製してその特性を評価した。その結果、電気回路の比抵抗は62μΩ・cmであった。また電気回路の冷熱衝撃試験を実施した結果、比抵抗の変化率は10%であり、くし型電気回路の湿中負荷試験では、試験時間370時間で配線間の絶縁抵抗は108Ω以下に低下し、配線間に銀のマイグレーションが発生していた。
比較例3
 実施例1で得た樹脂組成物145重量部に実施例1で得たりん片状に変形する前の表面を銀で被覆した銅粉(銅の露出面積が1%未満で、ほぼ0%)を400重量部を添加し、撹拌らいかい機及び三本ロールで均一に混合分散して導電ペーストを得た。次にプレスでの加熱加圧工程を除いた以外は実施例1と同様の工程を経て電気回路を作製してその特性を評価した。その結果、電気回路の比抵抗は65μΩ・cmであった。また電気回路の冷熱衝撃試験を実施した結果、比抵抗の変化率は12%であり、くし型電気回路の湿中負荷試験では、試験時間530時間で配線間の絶縁抵抗は108Ω以下に低下し、配線間に銀のマイグレーションが発生していた。
ポリエチレンテレフタレートフィルムに銀導電体回路を印刷した状態を示す平面図である。 ポリエチレンテレフタレートフィルムに銀導電体回路をくし型状に印刷した状態を示す平面図である。
符号の説明
1 銀導電体回路
2 ポリエチレンテレフタレートフィルム

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  1.  複合導電粉。
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