JP2004099990A - 析出硬化型ステンレス鋼及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.2〜3.0%、Cr:10.0〜18.0%、N:0.05〜0.30を含有し、残部はFe及び不純物からなり、組織がマルテンサイト相を含む複合組織で、且つ、前記マルテンサイト相中に焼戻し処理によって析出したクロム窒化物が存在する析出硬化型ステンレス鋼。Feの一部に代えて、Ni:2.6%以下及びCu:3.0%以下の1種以上、又は/並びに、Ca:0.05%以下、REM(希土類元素):0.05%以下及びB:0.05%以下から選択される1種以上を含有してもよい。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、析出硬化型ステンレス鋼及びその製造方法に関する。詳しくは、各種製品への成形時には加工性に優れ、成形後には高強度化して変形し難い析出硬化型ステンレス鋼及びその製造方法に関し、より詳しくは、磁気ヘッド固定用ジンバルやプレスプレートなど、鋼帯や鋼板から切断、打ち抜き、エッチング等の加工によって所定の寸法形状に切り出され平板のまま使用されるバネ製品の素材として好適な、更には、リードフレーム、携帯電話のプッシュボタン用バネ、リトラクターバネ、ガスケットやメタルパッキングなど、鋼帯や鋼板から上記の加工によって所定の寸法形状に切り出され、それと同時に又はその後に、曲げ、押出し、張り出し等の加工によって成形されるバネ製品の素材として好適な、製品への成形時には加工性に優れ、成形後には高強度化して変形し難く、バネ特性に優れた析出硬化型ステンレス鋼及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記した各種のバネ製品には、従来、加工硬化型の準安定オーステナイト系ステンレス鋼に属するSUS301系やSUS304系の鋼を素材として、これに強度調整を目的とした冷間圧延である「調質圧延」を施したものが広く用いられてきた。
【0003】
これは、準安定オーステナイト系ステンレス鋼が、硬質のマルテンサイト相への加工誘起変態を伴うことで高い硬化率を示し比較的容易に高強度化できることに加えて、変形部が硬化することによって、局所的な変形が抑制されて材料全体が均一に変形するいわゆる「トリップ(TRIP)効果」を発現して加工性にも優れるため、換言すれば、準安定オーステナイト系ステンレス鋼が、高強度で加工性に優れるとともに成形部が更に高強度化して変形し難くなるため、バネ製品の素材として理想的な特性を有しているからである。
【0004】
しかし、上記の準安定オーステナイト系ステンレス鋼の場合、調質圧延後の強度(硬さ)が加工率と加工温度の影響を大きく受けるので、品質のバラツキが大きくなるし、比較的短時間で応力腐食割れを生じる場合があった。又、準安定オーステナイト系ステンレス鋼は高価なNiを多量に含有するため、製品コストが嵩むという問題もあった。
【0005】
このため、特許文献1と特許文献2に、準安定オーステナイト系ステンレス鋼又はその類似鋼にAl、Cu、Si、MoやTiなど析出物を形成する元素を添加し、金属間化合物の析出による強化を重畳させて高強度化した材料とその製造方法が開示されている。しかし、これらの公報で提案された技術は、金属間化合物の析出によって高強度化を行うものであり、したがって、金属間化合物を構成する金属元素の拡散に多量のエネルギーが必要なため、500〜600℃で1時間程度以上という比較的高温で長時間の熱処理を行う必要があり、通常の製造ラインでの連続生産が困難なため製造コストの上昇が避けられず、更に、依然として多量のNiが含有された鋼であるため、原料コストが上昇して製品コストが嵩むという問題を解決できるものではなかった。又、比較的多くのバネ製品の表面には導電性を高めるなどの目的から金属メッキやコーティングといった表面処理が施されるが、この表面処理層が前記の500〜600℃という温度に耐えることができないため、表面処理の前に必ず金属間化合物析出のための熱処理を施す必要があるという製造工程面での制約もあった。
【0006】
特許文献3には、質量%で0.1〜0.5%のCなど特定の元素を含み、組織が焼戻しマルテンサイトで400〜500のビッカース硬さ(以下Hv硬さという)を有する「エンジンガスケット用ステンレス鋼」とその製造方法が開示されている。この公報で提案された鋼は、高温で安定なオーステナイト相を焼入れすることによって硬質のマルテンサイト相に変態させ、高い硬さ(強度)を確保するものである。しかし、焼入れのままではマルテンサイト相の単相組織からなるため加工性が低く、したがって、一般にはAc1 点以下の温度で焼戻し処理が施され、軟化を伴う加工性改善がなされる。なお、上記公報で提案された鋼のマルテンサイト相は、焼入れ時には侵入型元素であるCの過飽和な固溶、変態、熱収縮に伴う多量の歪導入を主因として硬化し、焼戻し時には炭化物の析出や回復が起こって軟化すると考えられる。
【0007】
特許文献4及び特許文献5には、オーステナイト相とフェライト相との2相領域から急冷(焼入れ)することによって、マルテンサイト相とフェライト相からなる2相組織とし、急冷(焼入れ)後に焼戻しを施すことなく高強度及び優れた加工性を具備させる技術が開示されている。
【0008】
前記の特許文献3、並びに、上記特許文献4及び特許文献5で提案された鋼は、そのいずれもが準安定オーステナイト系ステンレス鋼に比べて応力腐食割れを起こし難い。又、高価なNiを殆ど含まない安価な鋼であるので製品コストを抑えることは可能である。しかし、これらの公報で提案された技術によっても、依然として高強度化による加工性の低下は避け難く、特に、最近の機器本体の小型化に伴うバネ製品の「軽薄短小」化に対して、高強度化と複雑化する形状への良好な加工性とを両立し難いものである。
【0009】
【特許文献1】
特開昭56−130459号公報
【特許文献2】
特開昭60−36649号公報
【特許文献3】
特開平7−278758号公報
【特許文献4】
特開昭63−7338号公報
【特許文献5】
特開2000−109957号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、その目的は、各種製品への成形時には加工性に優れ、成形後には高強度化して変形し難い析出硬化型ステンレス鋼及びその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)〜(5)に示す析出硬化型ステンレス鋼及び(6)に示す析出硬化型ステンレス鋼の製造方法にある。
【0012】
(1)質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.2〜3.0%、Cr:10.0〜18.0%、N:0.05〜0.30を含有し、残部はFe及び不純物からなり、組織がマルテンサイト相を含む複合組織で、且つ、前記マルテンサイト相中に焼戻し処理によって析出したクロム窒化物が存在することを特徴とする析出硬化型ステンレス鋼。
【0013】
(2)Feの一部に代えて、Ni:2.6%以下及びCu:3.0%以下の1種以上を含有する上記(1)に記載の析出硬化型ステンレス鋼。
【0014】
(3)Feの一部に代えて、Ca:0.05%以下、REM(希土類元素):0.05%以下及びB:0.05%以下から選択される1種以上を含有する上記(1)に記載の析出硬化型ステンレス鋼。
【0015】
(4)Feの一部に代えて、Ni:2.6%以下及びCu:3.0%以下の1種以上、並びに、Ca:0.05%以下、REM(希土類元素):0.05%以下及びB:0.05%以下から選択される1種以上を含有する上記(1)に記載の析出硬化型ステンレス鋼。
【0016】
(5)焼戻し処理によってマルテンサイト相中に析出したクロム窒化物の平均粒径が100nm以下である上記(1)から(4)までのいずれかに記載の析出硬化型ステンレス鋼。
【0017】
(6)鋼の焼入れ後に、クロム窒化物析出のための200〜400℃での焼戻し処理工程を有する上記(1)から(5)までのいずれかに記載の析出硬化型ステンレス鋼の製造方法。
【0018】
なお、本発明でいう「マルテンサイト相」は後述の「焼戻し処理」を受けたマルテンサイト相で、いわゆる「焼戻しマルテンサイト相」のことをいう。したがって、「マルテンサイト相を含む複合組織」とは、マルテンサイト相以外に、フェライト相や変態せずに残ったオーステナイト相(いわゆる「残留オーステナイト相」)を含む組織のことをいい、上記と同様に「焼戻し処理」を受けたものを指す。
【0019】
前記した各相は、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いた観察によって確認することができる。
【0020】
本発明でいう「焼戻し処理」とは、メッキやコーティングといった表面処理時に併せて施される300℃程度以下の熱処理など、「焼入れ」後に行われる熱処理を総称するものである。又、「平均粒径」とは、具体的には個々の粒子の短径と長径の和の1/2で定義される値をn=30個の平均で算出した値である。
【0021】
本発明で規定する「マルテンサイト相中に焼戻し処理によって析出したクロム窒化物」は、透過電子顕微鏡(TEM)を用いた抽出レプリカ法によって確認することができる。
【0022】
「REM(希土類元素)」は、Sc、Y及びランタノイドの合計17元素の総称であり、REMの含有量は上記元素の合計含有量を指す。
【0023】
以下、上記(1)〜(5)の析出硬化型ステンレス鋼に係る発明及び(6)の析出硬化型ステンレス鋼の製造方法に係る発明をそれぞれ(1)〜(6)の発明という。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前記した目的を達成するために、侵入型元素として従来のようにCを利用するのではなくNを利用したマルテンサイト系ステンレス鋼、すなわち、低C・高N型のマルテンサイト系ステンレス鋼を用いて検討を行った。その結果、下記(a)〜(d)の知見を得た。
【0025】
(a)鋼を焼入れした後、低温短時間での焼戻し処理によって不必要に焼戻しの効果を発現させることなく析出強化を重畳させることができれば、鋼を有効に高強度化することができる。なお、既に述べたように、「焼戻し」とは、「焼入れ」後に行われる熱処理を総称するものである。
【0026】
(b)Cの含有量を低く抑えてN含有量を高めたマルテンサイト系ステンレス鋼では、焼入れ後に低温短時間での焼戻し処理を行うだけで、鋼中に豊富に含まれる合金元素であるCrとNの化合物(つまり、クロム窒化物)を均一且つ微細に析出させることができる。
【0027】
(c)低温短時間の焼戻しで析出するクロム窒化物は平均粒径1μm以下の微細なものであるが、平均粒径が100nm以下と極めて微細な場合の強化の程度は極めて大きい。
【0028】
なお、一例として、図1及び図2に後述の実施例で用いた鋼1の鋼板を950℃から焼入れし290℃で1分焼戻し処理した場合の抽出レプリカ組織を示す。平均粒径が100nmに満たない極めて微細なCr2 Nが析出している状況が明瞭に認められる。
【0029】
(d)鋼のCとNの含有量を適正化すれば、クロム窒化物はオーステナイト相に比べてN固溶度の小さいマルテンサイト相において析出し、硬化の程度はマルテンサイト相の割合に比例する。
【0030】
一例として、図3に後述の実施例で用いた鋼1の鋼板を800〜1000℃から焼入れし、焼入れままのHv硬さと290℃で1分焼戻し処理した場合のHv硬さを測定して硬化の程度(△Hv)を求めマルテンサイト量との関係で整理して示す。なお、図3における「マルテンサイト量」とはマルテンサイト相が組織に占める割合を表す。なお、マルテンサイト相以外の相はフェライトである。
【0031】
(1)〜(6)の本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものである。
【0032】
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(A)析出硬化型ステンレス鋼の化学組成
C:0.01〜0.05%
Cは、マルテンサイト相中に侵入型で固溶し鋼を強化するのに有効な元素であるが、その含有量が0.01%未満では添加効果に乏しい。一方、Cを過度に添加すると、焼入れ後の焼戻しにおけるマルテンサイト相中でのクロム窒化物の析出を阻害するし、加工性を低下させてしまう。特にCの含有量が0.05%を超えると、焼戻し時のクロム窒化物の析出が大きく阻害され、更に、加工性の低下も著しくなる。したがって、Cの含有量を0.01〜0.05%とした。なお、Cの含有量は0.02〜0.046%とすることが一層好ましい。
【0033】
Si:0.1〜2.0%
Siは、鋼の強度(硬さ)を高める作用を有する。しかし、その含有量が0.1%未満では、添加効果に乏しく、2.0%を超えると加工性の低下をきたす。したがって、Siの含有量を0.1〜2.0%とした。なお、Siの含有量は0.2〜1.8%とすることが一層好ましい。
【0034】
Mn:0.2〜3.0%
Mnは、高温でのオーステナイト相領域を拡大するオーステナイト安定化元素であり、焼入れ後の組織に占めるマルテンサイト相の割合を増加させる。しかし、その含有量が0.2%未満では上記の効果が得難い。一方、Mnを過度に添加すると、焼入れ後に変態せずに残ったオーステナイト相(いわゆる「残留オーステナイト相」)が生じて焼戻し処理しても高強度化できない場合があり、特に、その含有量が3.0%を超えると残留オーステナイト相が多くなって焼戻し処理しても析出硬化し難くなる。したがって、Mnの含有量を0.2〜3.0%とした。なお、好ましくはMnの含有量を0.2〜2.6%とするのがよい。
【0035】
Cr:10.0〜18.0%
Crは、耐食性確保のためのステンレス鋼の基本元素であることに加えて、焼入れ後の焼戻し処理でNと結合してクロム窒化物として析出し、強度を高めるのに必須の元素である。このため、本発明においてはCrを10.0%以上含有させる。しかし、Crはフェライト安定化元素であり、多量に添加する場合には鋼中にフェライト相の残存を招き、特に、その含有量が18.0%を超えると多量のフェライト相が残存し、必要な硬度が得られない。したがって、Crの含有量を10.0〜18.0%とした。なお、Crの含有量は10.4〜17.6%とすることが一層好ましい。
【0036】
N:0.05〜0.30%
Nは、焼入れ後の焼戻し処理でCrと結合してクロム窒化物として析出し、強度を高めるのに必須の元素である。又、マルテンサイト相中に侵入型で固溶し鋼を強化するのに有効な元素である。しかし、その含有量が0.05%未満では前記した効果が得難い。一方、Nは強力なオーステナイト安定化元素であるため過度に添加すると、焼入れ後にいわゆる残留オーステナイト相が生じて焼戻し処理しても高強度化できない場合があるし、加工性が低下する。特に、その含有量が0.30%を超えると残留オーステナイト相が多くなって焼戻し処理しても析出硬化し難くなり、更に、加工性の低下も著しくなる。したがって、Nの含有量を0.05〜0.30%とした。なお、好ましくはNの含有量を0.06〜0.28%とするのがよい。
【0037】
前記(1)の発明に係る析出硬化型ステンレス鋼は、上記のCからNまでの元素と、残部がFe及び不純物の化学組成を有する鋼である。
【0038】
前記(2)の発明に係る析出硬化型ステンレス鋼は、高温でのオーステナイト相領域を拡大して、焼入れ後の組織に占めるマルテンサイト相の割合を増加させ、焼戻し後の強度を一層高めることを目的として、上記(1)の発明の鋼のFeの一部に代えて、Ni:2.6%以下及びCu:3.0%以下の1種以上を含有させた化学組成を有する鋼である。
【0039】
上記のNiとCuはいずれも焼入れ後の組織に占めるマルテンサイト相の割合を増加させ、焼戻し後の強度を一層高める作用を有するので、NiとCuは、以下に述べる範囲内でそれぞれを単独で含有させてもよいし、複合して含有させてもよい。
【0040】
Ni:2.6%以下
Niは、高温でのオーステナイト相領域を拡大するオーステナイト安定化元素として最も有効なものの1つであり、焼入れ後の組織に占めるマルテンサイト相の割合を増加させるので、焼戻し後の強度が大きくなる。この効果を確実に得るには、Niは0.2%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Niを過度に添加すると、いわゆる残留オーステナイト相が生じて焼戻し処理しても高強度化できない場合があるし、高価な元素のため添加量に比例して原料コストが嵩むことになり、特に、その含有量が2.6%を超えると残留オーステナイト相が多くなって焼戻し処理しても析出硬化し難くなり、更に、原料コストの上昇も著しくなる。したがって、Niを添加する場合には、その含有量を2.6%以下とするのがよい。なお、Niの含有量は2.4%以下とするのが一層よい。
【0041】
Cu:3.0%以下
Cuは、高温でのオーステナイト相領域を拡大するオーステナイト安定化元素であり、焼入れ後の組織に占めるマルテンサイト相の割合を増加させるので、焼戻し後の強度が大きくなる。この効果を確実に得るには、Cuは0.5%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Cuを過度に添加すると、いわゆる残留オーステナイト相が生じて焼戻し処理しても高強度化できない場合があり、特に、その含有量が3.0%を超えると残留オーステナイト相が多くなって焼戻し処理しても析出硬化し難くなる。又、多量に含有させた場合熱間加工性に悪影響を及ぼす。したがって、Cuを添加する場合には、その含有量を3.0%以下とするのがよい。なお、Cuの含有量は2.6%以下とするのが一層よい。
【0042】
前記(3)の発明に係る析出硬化型ステンレス鋼は、鋼の熱間加工性を向上させることを目的として、前記(1)の発明の鋼のFeの一部に代えて、Ca:0.05%以下、REM(希土類元素):0.05%以下及びB:0.05%以下から選択される1種以上を含有させた化学組成を有する鋼である。
【0043】
上記のCaからBまでのいずれの元素も鋼の熱間加工性を高める作用を有するので、CaからBまでの元素は、以下に述べる範囲内でそれぞれを単独で含有させてもよいし、2種以上を複合して含有させてもよい。
【0044】
Ca:0.05%以下
Caは、鋼の熱間加工性を高める作用を有する。Caには鋼の脱酸作用もある。これらの効果を確実に得るには、Caは0.001%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、0.05%を超えて含有させても前記の効果が飽和しコストが嵩むばかりである。したがって、添加する場合のCaの含有量は、0.05%以下とするのがよい。
【0045】
REM(希土類元素):0.05%以下
REMは、前述のとおりSc、Y及びランタノイドの合計17元素を指し、ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。なお、本発明でいうREMの含有量が上記元素の合計含有量を指すことは既に述べたとおりである。
【0046】
REMは、鋼の熱間加工性を高める作用を有する。REMには鋼の脱酸作用もある。これらの効果を確実に得るには、REMは0.001%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、0.05%を超えて含有させても前記の効果が飽和しコストが嵩むばかりである。したがって、添加する場合のREMの含有量は、0.05%以下とするのがよい。
【0047】
B:0.05%以下
Bは、鋼の熱間加工性を高める作用を有する。この効果を確実に得るには、Bは0.001%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、0.05%を超えて含有させると却って熱間加工性の低下を招く。したがって、添加する場合のBの含有量は、0.05%以下とするのがよい。
【0048】
前記(4)の発明に係る析出硬化型ステンレス鋼は、高温でのオーステナイト相領域を拡大して、焼入れ後の組織に占めるマルテンサイト相の割合を増加させ、焼戻し後の強度を一層高めること、及び鋼の熱間加工性を向上させることを目的として、前述の(1)の発明の鋼のFeの一部に代えて、Ni:2.6%以下及びCu:3.0%以下の1種以上、並びに、Ca:0.05%以下、REM(希土類元素):0.05%以下及びB:0.05%以下から選択される1種以上を含有させた化学組成を有する鋼である。
(B)析出硬化型ステンレス鋼の組織
本発明に係る析出硬化型ステンレス鋼の組織は、マルテンサイト相を含む複合組織とする必要がある。これは、焼入れ後に焼戻し処理することによってマルテンサイト相中にクロム窒化物を析出させて強度を確保するためである。
【0049】
なお、既に述べたように、「マルテンサイト相を含む複合組織」とは、マルテンサイト相以外に、フェライト相や残留オーステナイト相を含む組織を指し、前記した各相は、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いた観察によって確認することができる。
【0050】
なお、マルテンサイト相が上記複合組織に占める割合は50〜90%であることが好ましい。
(C)析出硬化型ステンレス鋼における析出物
本発明に係る析出硬化型ステンレス鋼は、鋼を焼入れした後、焼戻し処理によってクロム窒化物をマルテンサイト相に析出させ、その析出強化作用を重畳させるものである。したがって、本発明においては、マルテンサイト相中での焼戻し処理によって析出したクロム窒化物の存在を規定した。なお、既に述べたように、「焼戻し」とは、「焼入れ」後に行われる熱処理を総称するものである。
【0051】
(1)〜(4)の発明に係る析出硬化型ステンレス鋼は、(A)項で述べた化学組成、(B)項で述べた組織及び(C)項で述べた析出物を有する鋼である。
【0052】
なお、既に述べたように低温短時間の焼戻しで析出するクロム窒化物は平均粒径1μm以下の微細なものであるが、平均粒径が100nm以下と極めて微細な場合の強化の程度は極めて大きい。
【0053】
したがって、(5)の発明に係る析出硬化型ステンレス鋼においては、 焼戻し処理によってマルテンサイト相中に析出したクロム窒化物の平均粒径を100nm以下と規定した。なお、上記したマルテンサイト相中に析出したクロム窒化物の平均粒径の下限値については特に規定する必要はないが、通常の加速電圧が100〜200kVのTEMを用いた抽出レプリカ法で確認できる5nm程度を下限値としてもよい。
(D)析出硬化型ステンレス鋼の製造方法
上述の(1)〜(5)の発明に係る析出硬化型ステンレス鋼は通常の方法によって、溶製、鋳造を行い、その後更に、通常の方法で熱間加工、焼鈍などの熱処理、冷間加工を施してから焼入れし、更に、所定の寸法・形状に加工した後で、焼戻しを行って製造すればよい。或いは、通常の方法によって、溶製、鋳造を行い、その後更に、通常の方法で熱間加工、焼鈍などの熱処理、冷間加工を施し、更に、所定の寸法・形状に加工した後で焼入れし、その後焼戻しを行って製造すればよい。
【0054】
上記各処理の条件については特に規定しなくてもよいが、焼戻しは200〜400℃で行うのがよい。これは、焼戻し温度が200℃を下回ると、クロム窒化物が析出しないか、クロム窒化物の析出量が不足するために、析出強化作用がほとんど得られない場合があり、一方、400℃を上回るとクロム窒化物が粗大化して析出強化作用が得られず、回復により材料が軟化するとともに表面処理層が耐えられない場合があるためである。したがって、(6)の発明においては、鋼の焼入れ後に、クロム窒化物析出のための200〜400℃での焼戻し処理工程を有するものとした。
【0055】
ここで、不必要に焼戻しの効果を発現させることなく析出強化を重畳させるためには、低温短時間での焼戻し処理とするのがよいので、上記200〜400℃での焼戻しの保持時間は1秒〜3分程度とするのがよい。
【0056】
なお、焼入れした際の複合組織に占めるマルテンサイト相の割合を既に述べた50〜90%とするためには、焼入れ時の鋼の加熱温度は850〜1050℃にするのがよい。
【0057】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
【0058】
【実施例】
表1に示す化学組成を有する鋼を17kgの真空溶解炉(を用いて溶製した。表1において、鋼1〜7は化学組成が本発明で規定する範囲内の本発明例の鋼、鋼8〜10は成分のいずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外れた比較例の鋼である。なお、比較例の鋼のうち鋼8と鋼10はそれぞれ、SUS403に相当する鋼とSUS420に相当する鋼である。
【0059】
【表1】
【0060】
次いで、上記各鋼の鋼塊に通常の方法によって熱間圧延を行った後、通常の方法で焼鈍と冷間圧延を繰り返して板厚が0.2〜0.25mmの鋼板にした。
【0061】
上記のようにして得た鋼板を、その化学組成に応じて、通常の方法で900〜1050℃に加熱した後、大気中放冷して焼入れ処理を行った。なお、焼入れ加熱温度における保持時間は3分で一定とした。
【0062】
次いで、焼入れした鋼板を切断し、所定の金型を用いて、油圧プレスにより図4に示す形状に成形した。なお、この際のビード高さhは0.7mmで一定とした。上記の各成形品には200〜290℃の焼戻し処理を施した。なお、焼戻しの保持時間は1分で一定とした。
【0063】
各鋼の組織は焼入れままの各鋼板を用いて調査した。すなわち、光学顕微鏡とTEMを用いて観察したミクロ組織判定やフェライト・メーターでの測定から組織に占めるマルテンサイト相の割合を求めた。
【0064】
各鋼の加工性は図4に示す形状に3個ずつ成形することで調査した。すなわち、所定の形状に成形した後、曲げR部(つまり、ビード頂点部)の内周部表面及び外周部表面におけるシワ、亀裂及び割れの有無を光学顕微鏡でチェックした。なお、各鋼3個ずつの成形品において1個でもシワ、亀裂及び割れがあれば加工性は劣ると判定した。
【0065】
各鋼の焼戻し前後の硬さを図4に示す形状の成形品を用いて調査した。すなわち、マイクロビッカース硬さ計を用いて試験力を9.8Nとして焼戻し前後の成形品のHv硬さを測定した。
【0066】
各鋼のクロム窒化物は、前記図4の焼戻し後の成形品から抽出レプリカを採取して調査した。すなわち、TEMを用いて抽出レプリカ法によってクロム窒化物の有無及びクロム窒化物の平均粒径を調査した。
【0067】
各鋼のバネ特性は、前記図4の焼戻し後の成形品に圧縮応力を付与して調査した。すなわち、圧縮試験機を用いて、上記成形品のビード高さhが0になるようにビードを一旦完全に潰し、その後応力を除去して、圧縮応力付与前のビード高さと、圧縮応力を除去した後の回復したビード高さの割合から「耐へたり性」を求めてバネ特性を評価した。
【0068】
表2に、各種の調査結果をまとめて示す。なお、加工性の欄における「○」印は3個の成形品のいずれにもシワ、亀裂及び割れがなく加工性が良好であったことを、一方、「×」印は3個の成形品の少なくとも1個にシワ、亀裂及び割れがあったことを示す。
【0069】
【表2】
【0070】
表2から、本発明に係る析出硬化型ステンレス鋼である鋼1〜7の場合は、Hvで421〜506という焼入れままの硬さが、焼戻し処理によってクロム窒化物が析出したことにより、Hvで50以上硬化している。その結果、優れた加工性と焼戻し後の高い硬さとを兼備できることが明らかである。更に、上記の鋼1〜7は圧縮応力を除去した後も高いビード高さを有して耐へたり性が大きくバネ特性に優れていることが明らかである。なお、上記の鋼1〜7はHvで500を超える高い硬さを確保することも可能である。
【0071】
これに対して、比較例の鋼である鋼8〜10の場合には、焼戻し処理によるクロム窒化物の析出は確認されず焼戻し処理による硬化は高々Hvで12である。このため、良好なバネ特性を得るためには焼入れのままで高い硬さを有することが必要であり、成形時の硬さが高いために加工性は劣っている(試験番号17及び20〜22)。一方、加工性が良好で問題なく成形できる場合は焼入れままの硬さが低く、しかも、焼戻し処理によってクロム窒化物が析出して大きく硬化することがないので、圧縮応力を除去した後のビード高さは圧縮応力付与前の50%を大きく下回って耐へたり性は小さく、バネ特性に劣っている(試験番号16、18及び19)。
【0072】
【発明の効果】
本発明の析出硬化型ステンレス鋼は、成形時には加工性に優れ、成形後は焼戻し処理によってクロム窒化物が析出して高強度化するため変形し難くバネ特性に優れ、しかも、廉価である。したがって、この析出硬化型ステンレス鋼は、特に、磁気ヘッド固定用ジンバル、プレスプレート、リードフレーム、携帯電話のプッシュボタン用バネ、リトラクターバネ、ガスケットやメタルパッキングなど各種バネ製品の素材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた鋼1の鋼板を950℃から焼入れし290℃で1分焼戻し処理した場合の抽出レプリカ組織を示す図である。
【図2】実施例で用いた鋼1の鋼板を950℃から焼入れし290℃で1分焼戻し処理した場合の別の抽出レプリカ組織を示す図である。
【図3】実施例で用いた鋼1の鋼板を800〜1000℃から焼入れし、焼入れままのHv硬さと290℃で1分焼戻し処理した場合のHv硬さを測定して硬化の程度(△Hv)を求めマルテンサイト量(マルテンサイト相が組織に占める割合)との関係で整理して示す図である。
【図4】実施例で用いた加工性とバネ特性を調査するための試験片の形状を説明する図である。
Claims (6)
- 質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.2〜3.0%、Cr:10.0〜18.0%、N:0.05〜0.30を含有し、残部はFe及び不純物からなり、組織がマルテンサイト相を含む複合組織で、且つ、前記マルテンサイト相中に焼戻し処理によって析出したクロム窒化物が存在することを特徴とする析出硬化型ステンレス鋼。
- 質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.2〜3.0%、Cr:10.0〜18.0%、N:0.05〜0.30を含み、更に、Ni:2.6%以下及びCu:3.0%以下の1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、組織がマルテンサイト相を含む複合組織で、且つ、前記マルテンサイト相中に焼戻し処理によって析出したクロム窒化物が存在することを特徴とする析出硬化型ステンレス鋼。
- 質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.2〜3.0%、Cr:10.0〜18.0%、N:0.05〜0.30を含み、更に、Ca:0.05%以下、REM(希土類元素):0.05%以下及びB:0.05%以下から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、組織がマルテンサイト相を含む複合組織で、且つ、前記マルテンサイト相中に焼戻し処理によって析出したクロム窒化物が存在することを特徴とする析出硬化型ステンレス鋼。
- 質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.2〜3.0%、Cr:10.0〜18.0%、N:0.05〜0.30を含み、更に、Ni:2.6%以下及びCu:3.0%以下の1種以上、並びに、Ca:0.05%以下、REM(希土類元素):0.05%以下及びB:0.05%以下から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、組織がマルテンサイト相を含む複合組織で、且つ、前記マルテンサイト相中に焼戻し処理によって析出したクロム窒化物が存在することを特徴とする析出硬化型ステンレス鋼。
- 焼戻し処理によってマルテンサイト相中に析出したクロム窒化物の平均粒径が100nm以下である請求項1から4までのいずれかに記載の析出硬化型ステンレス鋼。
- 鋼の焼入れ後に、クロム窒化物析出のための200〜400℃での焼戻し処理工程を有する請求項1から5までのいずれかに記載の析出硬化型ステンレス鋼の製造方法。
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