JP2004098929A - タイヤ空気圧異常の警告装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者が車外から車両に乗り込む際に、又は車中から車外に出る際に、タイヤ空気圧の異常を警告するようにして、タイヤ空気圧の異常警告とタイヤ異常の確認を効率良く実施すること。
【解決手段】圧力センサによって計測されたタイヤ空気圧を送信する送信機と、車両のドアロックをロック又はアンロックする機能を有する携帯機と、送信機からの信号でタイヤ空気圧の異常か否かを判断するとともに携帯機からの信号でドアロックを駆動する車載器と、を備え、車載器はタイヤ空気圧の異常履歴を記録する記録部を有し、車載器が携帯機との通信時に記録部の異常履歴を検索し、異常履歴が存する場合にタイヤ空気圧異常信号を携帯機に発信し、携帯機は受信したタイヤ空気圧異常信号によってタイヤ空気圧異常を警告表示部に警告表示すること。
【選択図】 図６
【解決手段】圧力センサによって計測されたタイヤ空気圧を送信する送信機と、車両のドアロックをロック又はアンロックする機能を有する携帯機と、送信機からの信号でタイヤ空気圧の異常か否かを判断するとともに携帯機からの信号でドアロックを駆動する車載器と、を備え、車載器はタイヤ空気圧の異常履歴を記録する記録部を有し、車載器が携帯機との通信時に記録部の異常履歴を検索し、異常履歴が存する場合にタイヤ空気圧異常信号を携帯機に発信し、携帯機は受信したタイヤ空気圧異常信号によってタイヤ空気圧異常を警告表示部に警告表示すること。
【選択図】 図６
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載器と、キーレスエントリ携帯機と、タイヤ空気圧送信機と、からならタイヤ空気圧モニタリングシステム（ＴＰＭＳ）に関し、特に、タイヤ空気圧の異常時における警告技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来技術によると、タイヤ空気圧異常警告装置は、タイヤの内気圧を検出する空気圧センサを設けてホイール部分に取り付けた送信機から各センサの検出信号を出力し、この出力された検出信号を自動車に設けた受信機で受信して、タイヤ空気圧の異常を検出したときに、運転席表示パネルに警告を発するように構成されていた。
【０００３】
また、特許第２７１６３３５号公報には、タイヤの異常状態を示す送信機からの異常検出信号を、電波キー（操作キー）からのドアのロック信号及びアンロック信号を受信する車内の受信装置で兼用して受信するように構成しているとともに、更に、タイヤ異常検出信号に基づいて第１の警報装置又は第２の警報装置を選択的に駆動して、車外又は車内に警報を出力する技術が開示されている。即ち、タイヤの異常を検出したときに、車外と車内に対して選択的に警報を発することで、自動車が駐車中で使用者が居ない状態又は使用者が車内に居る状態等に応じた警報動作を行うようにしている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前述した運転席表示パネルに警告をする従来技術の場合、表示パネルで警告を受けた後に、実際のタイヤ空気圧の状態を確認するためには、運転者は降車しなければならないという不都合さがあった。特に、駐車中にタイヤ空気圧の異常が発生した場合には、一旦乗車して運転席表示パネルを見聞きしなければ警告を確認することができず、警告確認後に再び降車してタイヤ異常を現実に確認するという手間が必要であった。
【０００５】
また、前記特許公報に記載の技術では、車外に居る運転者は車外に向けた警報によりタイヤ異常を知ることができるが、運転者が警報を聞くことができる範囲外に居る場合にはタイヤ異常を知ることができないという不都合さがあった。
【０００６】
本発明の目的は、運転者が車外から車両に乗り込む際に、又は車中から車外に出る際に、タイヤ空気圧の異常を警告するようにして、乗車又は降車の機会を捉えて、タイヤ空気圧の異常警告とタイヤ異常の確認を効率良く実施することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は次のような構成を採用する。圧力センサによって計測されたタイヤ空気圧に対応した信号を送信する送信機と、車両のドアロックをロック又はアンロックするキーレスエントリ用の携帯機と、前記送信機からの信号を受信してタイヤ空気圧の異常か否かを判断して出力するとともに前記携帯機と通信して前記ドアロックを駆動する車載器と、を備え、
前記車載器はタイヤ空気圧の異常履歴を記録する記録部を有し、
前記携帯機はタイヤ空気圧の異常を表す警告表示部を有し、
前記車載器が前記携帯機との通信時に前記記録部の異常履歴を検索し、異常履歴が存する場合にタイヤ空気圧異常信号を前記携帯機に発信し、
前記携帯機が受信したタイヤ空気圧異常信号によってタイヤ空気圧の異常を警告表示するタイヤ空気圧異常の警告装置。
【０００８】
上記の構成により、本発明のタイヤ空気圧異常の警告装置は、タイヤ空気圧の異常履歴を記憶部に記憶しておき、携帯機と車載器との間のキーレスエントリのための通信時に、車載器が記憶部の異常履歴を読み出してタイヤ空気圧異常信号を携帯機に発信し、携帯機は受信したタイヤ空気圧異常信号によって警告表示部にタイヤ空気圧の異常を表示するようにした。本発明によれば、キーレスエントリの携帯機に警告表示部を設けることにより、タイヤ空気圧の異常を携帯機上に警告表示することができ、また、キーレスエントリのための通信時に自動的にタイヤ空気圧の異常がチェックされ、携帯機に警告表示されるので、携帯機を持参した運転者は自動車に乗り込む前にタイヤ空気圧の異常を知ることができ、すぐにタイヤの異常を確認することできる。
【０００９】
また、本発明は次のような構成を採用する。前記タイヤ空気圧異常の警告装置において、
前記車載器と前記携帯機との通信は、前記車載器からのリクエスト信号と前記携帯機からのアンサー信号からなるパッシブキーレスエントリであり、
前記タイヤ空気圧異常信号は前記リクエスト信号とともに送信されるタイヤ空気圧異常の警告装置。
【００１０】
上記の構成により、本発明のタイヤ空気圧異常の警告装置は、運転者が持参する携帯機と車載器との間でパッシブキーレスエントリの通信が行われるときにタイヤ空気圧異常信号がリクエスト信号とともに車載器から携帯機に送信される。本発明によれば、運転者が特に意識することなく車両のドアのロック又はアンロックの制御とタイヤ空気圧の異常を確認することできる。
【００１１】
更に、本発明は次のような構成を採用する。前記車両のドアにドアタッチスイッチを設け、該ドアタッチスイッチの操作に伴って前記リクエスト信号と前記タイヤ空気圧異常信号が発信されるタイヤ空気圧異常の警告装置。
【００１２】
上記構成により、本発明のタイヤ空気圧異常の警告装置は、リクエスト信号とタイヤ空気圧信号を常時発信しないので、電力消費を抑えることができる。
【００１３】
また、更に、本発明は次のような構成を採用する。前記送信機は、タイヤ空気圧を定期的に計測して前記車載器に送信し、前記車載器はタイヤ空気圧異常を判断して前記記憶部に記憶しておき、運転者の乗車及び降車のタイミングでタイヤ空気圧の異常状態を前記記憶部から取り出すタイヤ空気圧異常の警告装置。
【００１４】
上記構成により、本発明のタイヤ空気圧異常の警告装置は、予めタイヤ空気圧の異常状態を記憶部に記憶しておくので、運転者の乗車及び降車のタイミングで極めて短時間でタイヤ空気圧の異常状態を知ることができる。
【００１５】
また、本発明は次のような構成を採用する。圧力センサによって計測されたタイヤ空気圧に対応した信号を送信する送信機と、車両のドアロックをロック又はアンロックするキーレスエントリ用の携帯機と、前記送信機からの信号を受信して前記タイヤ空気圧の異常か否かを判断して出力するとともに前記携帯機と通信して前記ドアロックを駆動する車載器と、を備えて、タイヤ空気圧の異常を警告する警告方法であって、
前記車載器は、前記送信機から送信されたタイヤ空気圧の異常を判断して記録部に記録しておくとともに、前記携帯機との通信時に前記記録部の異常履歴を検索し、異常履歴が存する場合にタイヤ空気圧異常信号を前記携帯機に発信し、
前記携帯機が受信したタイヤ空気圧異常信号によってタイヤ空気圧の異常を警告表示部に警告表示するタイヤ空気圧異常の警告方法。
【００１６】
上記の構成により、本発明のタイヤ空気圧異常の警告方法は、タイヤ空気圧の異常履歴を記憶部に記憶しておき、携帯機と車載器との間のキーレスエントリのための通信時に、車載器が記憶部の異常履歴を検索してタイヤ空気圧異常信号を携帯機に発信し、携帯機は受信したタイヤ空気圧異常信号によって警告表示部にタイヤ空気圧の異常を表示するようにした。本発明によれば、タイヤ空気圧の異常をキーレスエントリの携帯機上に警告表示することができ、また、キーレスエントリのための通信時に自動的にタイヤ空気圧の異常がチェックされ、携帯機に警告表示されるので、携帯機を持参した運転者は自動車に乗り込む前にタイヤ空気圧の異常を知ることができ、すぐにタイヤの異常を確認することできる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係るタイヤ空気圧異常の警告装置及び方法について、図面を参照しながら以下説明する。図１は本発明の実施形態に係るタイヤ空気圧異常の警告装置における全体構成を示す図である。図２は本実施形態に関するタイヤ空気圧モニタリングシステム（ＴＰＭＳ）の車載器のブロック構成を示す図であり、図３は本実施形態に関する携帯機のブロック構成を示す図であり、図４は本実施形態に関する送信機のブロック構成を示す図である。図５は車載器と送信機との間の信号授受フローを示す図であり、図６は車載器と携帯機との間の信号授受フローを示す図である。
【００１８】
図面において、１は車両、２は車載器、３は送信機、４はタイヤ、５は車載表示器、６は携帯機、７はドアタッチスイッチ、２１，３１は受信部、２２，３２，４２は送信部、２３は記録部、２４，３４，４４は制御部、２５，３５，４５はメモリ、３６は入力部、４３は圧力センサ、をそれぞれ表す。
【００１９】
図１において、送信機３は、車両１の各タイヤ又はホイールに装着し、定期的にタイヤ内部の圧力計測及び／又は温度計測を行う機能を有するととともに、計測値を変調して無線電波によって送信する機能を有する。具体的には、送信機３は、図４に示すように、タイヤの空気圧を計測する圧力センサ４３を備え、制御部４４の制御によって定期的に圧力を計測して送信部４２とアンテナを通して送信する。メモリ４５は制御部の制御を行うプログラム、タイヤＩＤ等が格納されている。
【００２０】
また、車載器２は、車両１内の適宜な位置に配置され、携帯機６との間で無線信号を送受信する、即ち、リクエスト信号を送信し、アンサー信号を受信する機能を有するととともに、送信機１から送られるタイヤ空気圧データを受信し、受信したデータが正常か異常かを制御部（ＣＰＵ）で判断する機能を有する。この際、異常と判断した場合は記録部２３にその異常状況を記録する。更に、車載器２には、ドアロックを駆動するためのアクチュエータが付設されており、この駆動のためバッテリから電源の供給を受けている。
【００２１】
ここで、上述したリクエスト信号やアンサー信号に関連する、パッシブキーレスエントリとマニュアルキーレスエントリについて説明する。まず、キーレスエントリとは車両ドアをロックしたりアンロックするものであり、ＴＰＭＳは車両タイヤの空気圧をモニタリングする全体システムである。
【００２２】
一般的に云って、マニュアルキーレスエントリは、ロック釦とアンロック釦とが設けられていて車両近傍でそれらの釦を操作することによって車両ドアのロック又はアンロックを実施しているのであるが、携帯機から車載器に向けての一方向のマニュアル信号、具体的には、ロック信号又はアンロック信号を携帯機ＩＤとともに送信するキーレスエントリの種別である。
【００２３】
一方、パッシブキーレスエントリは、車載器と携帯機とで双方向信号授受を行い、車載器から車両ＩＤを含んだリクエスト信号を携帯機に送信し、更に、携帯機から携帯機ＩＤを含んだアンサー信号を車載器に送信して、ＩＤ照合をすることによって、ドアのロック又はアンロックを実行するキーレスエントリの種別であり、車両の保安管理、盗難管理を厳重にするためのシステムである。なお、パッシブキーレスエントリには、ドアに敷設されたドアタッチスイッチに接触又は押圧すると車載器からリクエスト信号が発信される方式と、車載器から常時間欠的にリクエスト信号を発信する方式がある。前者で、ドアタッチスイッチを設ける意味は、運転者が確実に乗車する意思表示を具現化するためのものである。前者は、リクエスト信号が発信されるときに、携帯機を持った運転者は車両の傍にいるので、携帯機はすぐにリクエスト信号を受信し、アンサー信号を発信する。後者は、携帯機を持った運転者が車両に近づきリクエスト信号の受信可能範囲に到って初めてリクエスト信号を受信し、アンサー信号を発信する。
【００２４】
また、車両には、上述したマニュアルキーレスエントリとパッシブキーレスエントリとを組み合わせたキーレスエントリ（パッシブキーレスエントリの携帯機にロック釦とアンロック釦を設けたもの）も採用され得る。
【００２５】
以上のことを整理して再度説明すると、パッシブキーレスエントリの基本型は携帯機にロック釦及びアンロック釦がないものであって、比較的弱い電波で信号授受するため携帯機が車両に或る程度近づいた状態でロック又はアンロック動作するものである。一方、マニュアルキーレスエントリの基本型は携帯機にロック釦及びアンロック釦を設けて、比較的強い電波のマニュアル信号を発信してロック又はアンロック動作するものである。更に、パッシブキーレスエントリとマニュアルキーレスエントリとの組み合わせ型は、パッシブキーレスエントリの携帯機にロック釦とアンロック釦を設置してマニュアル信号をも送信でき得るものである。
【００２６】
翻って、携帯機６は、運転者が携帯するものであり、マニュアルキーレスエントリでは、車両ドアをロック又はアンロックする指示を与えるための釦を有し、ドアをロック又はアンロックするためのマニュアル信号を無線電波にて送信する機能を有し、また、パッシブキーレスエントリでは車載器２からのリクエスト信号を受信するとともにアンサー信号を送信する機能を有するとともに、さらに、本実施形態に関する携帯機６は、キーレスエントリの種別に拘わらず、車載器２から空気圧異常の信号を受信する機能をも有するとともに受信した際には警告を表示する機能も有する。具体的には、図３に示すように、携帯機６は、受信部３１、送信部３２、警告を表示する表示部３３、ロック釦やアンロック釦等の入力部３６、これらの構成要素を制御する制御部３４、携帯機ＩＤやプログラム等を格納するメモリ３５、を備えている。換言すると、本発明の実施形態はマニュアルキーレスエントリにもパッシブキーレスエントリにも適用可能なものである。
【００２７】
また、車載表示器５（図１を参照）は、運転者が運転中に確認し易い車室内のメータパネル部に配置され、車載器２からの空気圧異常信号を有線により受けて警告表示を行う。なお、車載表示器５は車両バッテリから電源の供給を受けている。
【００２８】
また、ドアタッチスイッチ７は、各ドアのノブ部に配置されており、車載器２から携帯機６にリクエスト信号を送信するためのトリガー信号を発生するためのものである。即ち、車外に居る運転者が車両に接近してきてドアタッチスイッチ７にタッチすると、これがトリガー信号となってリクエスト信号を車載器２から携帯機６に発信するようになっている。
【００２９】
次に、本発明の実施形態に係るタイヤ空気圧の異常警告装置の動作について、図５と図６を参照しながら説明する。まず、マニュアルキーレスエントリの基本的動作では、操作者が携帯機の釦（ロック釦とアンロック釦）を操作すると、当該釦の機能に応じたマニュアル信号を発信し、車載器がマニュアル信号を受信すると、携帯機ＩＤの合否をチェックし、合格するとドアロックアクチュエータを駆動する。また、パッシブキーレスエントリの基本的動作では、操作者が車両ドアに付設されたドアタッチスイッチに接触すると、車載器からリクエスト信号（例えば、自動車の型式毎の車両ＩＤを含む信号）が発信される。携帯機がリクエスト信号を受信して車両ＩＤをチェックし合格すると、アンサー信号（例えば、携帯機１台毎の携帯機ＩＤを含む信号）を発信する。すると、車載器はアンサー信号を受信し、携帯機ＩＤをチェックし合格するとドアロックアクチュエータを駆動し、ドアロックをアンロック（解除）する。
【００３０】
次に、本発明の実施形態に関するタイヤ空気圧モニタリング（監視）の動作を説明すると、図５を参照して、まず、送信機３と車載器２との信号の授受では（具体的には、送信機からの一方的な信号伝達）、送信機３が空気圧を計測し（ステップ２）、その計測値を含むデータを無線電波にて一定時間毎に送信する（ステップ３）。車載器２はその信号を受信すると（ステップ４）、正常か異常かの判定を行い（ステップ５）、タイヤ空気圧が異常の場合、記録部に異常履歴を記録する（ステップ６）。記録の内容は、例えば、異常発生時の日時や、搭載したタイヤの内のどのタイヤが異常であるか、空気圧が高過ぎるのか又は低すぎるのか、タイヤ毎に設けられたバッテリのバッテリ切れによる信号の欠如か、等である。
【００３１】
記録部への異常状況の記録のときに、イグニションスイッチ（ＩＧＮ ＳＷ）がオンであれば（ステップ７）、即ち、車両のエンジン始動をするために操作者が車両内に居る状態であれば、車載表示器５に警告表示を出力し（ステップ８）、運転者が警告表示を確認できて、タイヤ空気圧に異常があることを容易に気付くこととなる。
【００３２】
次に、図６を参照して、車載器２と携帯機６の信号授受では、車両のドアがロックされている状態で運転者が携帯機６を携帯してドアタッチスイッチ７を押下すると（ステップ１２）、車載器２は記録部２３（図２参照）を調べて（ステップ１３）、異常履歴が記録されていない場合には、リクエスト信号として車両ＩＤ及び携帯機ＩＤ等を含む信号を送信する。携帯機６は車載器２からの信号を受信し、車両ＩＤ及び携帯機ＩＤのＩＤ照合を行い、マッチしていればアンサー信号を送信する。車載器２がアンサー信号を受信し、ドアアクチュエータを駆動させてドアロックを開錠する。
【００３３】
一方、図６のステップ１３において、車載器２に異常履歴が記録されていた場合には、車載器２は、車両ＩＤ及び携帯機ＩＤ等を含むリクエスト信号に加えて、空気圧異常信号（例えば、異常の有無）をも送信する（ステップ１４）。即ち、リクエスト信号と空気圧異常の有無信号とを含むデータを送信する（図６で通常信号と記載しているのはリクエスト信号である）。携帯機６は当該データ信号を受信し（ステップ１５）、ＩＤ照合を行ってマッチしていれば、携帯機６に設けられた警告表示部３３（図３参照）に警告表示する（ステップ１６）。警告表示は、文字表示、音、振動等が採用される。この警告表示によって、運転者は乗車前にタイヤ空気圧の異常に気付くことができ、乗車前に実際にタイヤを点検することができる。なお、タイヤ空気圧の異常状態の具体的内容は、車載表示器５で確認することができる。
【００３４】
また、上述の説明は、携帯機を持参している運転者が車両に接近し到着してドアタッチスイッチを操作することで空気圧異常信号（空気圧に限らずタイヤの異常信号も可）をも携帯機に送信して乗車前に空気圧異常を気付かせるものであることを例示しているが、この例示以外にも、車内から車外に出てドアタッチスイッチの操作でドアをロックする場合にも空気圧異常信号を携帯機に送信して車両から運転者が離れる際にも空気圧異常を気付かせるものである。
【００３５】
以上の説明では、ドアタッチスイッチ７を操作することによって（運転者が車両に近づいて乗車準備に入った状態を表している）、空気圧異常信号を携帯機に送信する構成例を示したが、これに限らず、携帯機からマニュアル信号を送信してドアロックをロック又はアンロックする際、このマニュアル信号を受信したことを検知して、この検知に基づいて車載器から空気圧異常信号を携帯機に送信しても良い。
【００３６】
また、以上の説明では、マニュアルキーレスエントリとパッシブキーレスエントリの双方の機能を備えたものを対象としたが、要は、マニュアル信号（ロックとアンロック）、リクエスト信号やアンサー信号を構成するキーレスエントリに本発明は適用可能である。
【００３７】
【発明の効果】
本発明によれば、携帯機に表示部又は報知部を設けることにより、タイヤ空気圧の異常状態を携帯機上に警告表示することができる。
【００３８】
また、タイヤ空気圧を定期的に計測して車載器に送信し、車載器で空気圧異常をチェックして記録しておくので、運転者又は操作者にとって必要なタイミングで異常状態を取り出して警告表示し得ることができる。
【００３９】
また、車両のドアタッチスイッチへの操作（接触、押下げ、引き上げ）によって車載器から空気圧異常信号を携帯機に送信することで、運転者の乗車直前に異常を知らせることができるとともに、携帯機への効率的な送信時期を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態に係るタイヤ空気圧異常の警告装置における全体構成を示す図である。
【図２】本実施形態に関する車載器のブロック構成を示す図である。
【図３】本実施形態に関する携帯機のブロック構成を示す図である。
【図４】本実施形態に関する送信機のブロック構成を示す図である。
【図５】車載器と送信機との間の信号授受フローを示す図である。
【図６】車載器と携帯機との間の信号授受フローを示す図である。
【符号の説明】
１ 車両
２ 車載器
３ 送信機
４ タイヤ
５ 車載表示器
６ 携帯機
７ ドアタッチスイッチ
２１，３１ 受信部
２２，３２，４２ 送信部
２３ 記録部
２４，３４，４４ 制御部
２５，３５，４５ メモリ
３６ 入力部
４３ 圧力センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載器と、キーレスエントリ携帯機と、タイヤ空気圧送信機と、からならタイヤ空気圧モニタリングシステム（ＴＰＭＳ）に関し、特に、タイヤ空気圧の異常時における警告技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来技術によると、タイヤ空気圧異常警告装置は、タイヤの内気圧を検出する空気圧センサを設けてホイール部分に取り付けた送信機から各センサの検出信号を出力し、この出力された検出信号を自動車に設けた受信機で受信して、タイヤ空気圧の異常を検出したときに、運転席表示パネルに警告を発するように構成されていた。
【０００３】
また、特許第２７１６３３５号公報には、タイヤの異常状態を示す送信機からの異常検出信号を、電波キー（操作キー）からのドアのロック信号及びアンロック信号を受信する車内の受信装置で兼用して受信するように構成しているとともに、更に、タイヤ異常検出信号に基づいて第１の警報装置又は第２の警報装置を選択的に駆動して、車外又は車内に警報を出力する技術が開示されている。即ち、タイヤの異常を検出したときに、車外と車内に対して選択的に警報を発することで、自動車が駐車中で使用者が居ない状態又は使用者が車内に居る状態等に応じた警報動作を行うようにしている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前述した運転席表示パネルに警告をする従来技術の場合、表示パネルで警告を受けた後に、実際のタイヤ空気圧の状態を確認するためには、運転者は降車しなければならないという不都合さがあった。特に、駐車中にタイヤ空気圧の異常が発生した場合には、一旦乗車して運転席表示パネルを見聞きしなければ警告を確認することができず、警告確認後に再び降車してタイヤ異常を現実に確認するという手間が必要であった。
【０００５】
また、前記特許公報に記載の技術では、車外に居る運転者は車外に向けた警報によりタイヤ異常を知ることができるが、運転者が警報を聞くことができる範囲外に居る場合にはタイヤ異常を知ることができないという不都合さがあった。
【０００６】
本発明の目的は、運転者が車外から車両に乗り込む際に、又は車中から車外に出る際に、タイヤ空気圧の異常を警告するようにして、乗車又は降車の機会を捉えて、タイヤ空気圧の異常警告とタイヤ異常の確認を効率良く実施することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は次のような構成を採用する。圧力センサによって計測されたタイヤ空気圧に対応した信号を送信する送信機と、車両のドアロックをロック又はアンロックするキーレスエントリ用の携帯機と、前記送信機からの信号を受信してタイヤ空気圧の異常か否かを判断して出力するとともに前記携帯機と通信して前記ドアロックを駆動する車載器と、を備え、
前記車載器はタイヤ空気圧の異常履歴を記録する記録部を有し、
前記携帯機はタイヤ空気圧の異常を表す警告表示部を有し、
前記車載器が前記携帯機との通信時に前記記録部の異常履歴を検索し、異常履歴が存する場合にタイヤ空気圧異常信号を前記携帯機に発信し、
前記携帯機が受信したタイヤ空気圧異常信号によってタイヤ空気圧の異常を警告表示するタイヤ空気圧異常の警告装置。
【０００８】
上記の構成により、本発明のタイヤ空気圧異常の警告装置は、タイヤ空気圧の異常履歴を記憶部に記憶しておき、携帯機と車載器との間のキーレスエントリのための通信時に、車載器が記憶部の異常履歴を読み出してタイヤ空気圧異常信号を携帯機に発信し、携帯機は受信したタイヤ空気圧異常信号によって警告表示部にタイヤ空気圧の異常を表示するようにした。本発明によれば、キーレスエントリの携帯機に警告表示部を設けることにより、タイヤ空気圧の異常を携帯機上に警告表示することができ、また、キーレスエントリのための通信時に自動的にタイヤ空気圧の異常がチェックされ、携帯機に警告表示されるので、携帯機を持参した運転者は自動車に乗り込む前にタイヤ空気圧の異常を知ることができ、すぐにタイヤの異常を確認することできる。
【０００９】
また、本発明は次のような構成を採用する。前記タイヤ空気圧異常の警告装置において、
前記車載器と前記携帯機との通信は、前記車載器からのリクエスト信号と前記携帯機からのアンサー信号からなるパッシブキーレスエントリであり、
前記タイヤ空気圧異常信号は前記リクエスト信号とともに送信されるタイヤ空気圧異常の警告装置。
【００１０】
上記の構成により、本発明のタイヤ空気圧異常の警告装置は、運転者が持参する携帯機と車載器との間でパッシブキーレスエントリの通信が行われるときにタイヤ空気圧異常信号がリクエスト信号とともに車載器から携帯機に送信される。本発明によれば、運転者が特に意識することなく車両のドアのロック又はアンロックの制御とタイヤ空気圧の異常を確認することできる。
【００１１】
更に、本発明は次のような構成を採用する。前記車両のドアにドアタッチスイッチを設け、該ドアタッチスイッチの操作に伴って前記リクエスト信号と前記タイヤ空気圧異常信号が発信されるタイヤ空気圧異常の警告装置。
【００１２】
上記構成により、本発明のタイヤ空気圧異常の警告装置は、リクエスト信号とタイヤ空気圧信号を常時発信しないので、電力消費を抑えることができる。
【００１３】
また、更に、本発明は次のような構成を採用する。前記送信機は、タイヤ空気圧を定期的に計測して前記車載器に送信し、前記車載器はタイヤ空気圧異常を判断して前記記憶部に記憶しておき、運転者の乗車及び降車のタイミングでタイヤ空気圧の異常状態を前記記憶部から取り出すタイヤ空気圧異常の警告装置。
【００１４】
上記構成により、本発明のタイヤ空気圧異常の警告装置は、予めタイヤ空気圧の異常状態を記憶部に記憶しておくので、運転者の乗車及び降車のタイミングで極めて短時間でタイヤ空気圧の異常状態を知ることができる。
【００１５】
また、本発明は次のような構成を採用する。圧力センサによって計測されたタイヤ空気圧に対応した信号を送信する送信機と、車両のドアロックをロック又はアンロックするキーレスエントリ用の携帯機と、前記送信機からの信号を受信して前記タイヤ空気圧の異常か否かを判断して出力するとともに前記携帯機と通信して前記ドアロックを駆動する車載器と、を備えて、タイヤ空気圧の異常を警告する警告方法であって、
前記車載器は、前記送信機から送信されたタイヤ空気圧の異常を判断して記録部に記録しておくとともに、前記携帯機との通信時に前記記録部の異常履歴を検索し、異常履歴が存する場合にタイヤ空気圧異常信号を前記携帯機に発信し、
前記携帯機が受信したタイヤ空気圧異常信号によってタイヤ空気圧の異常を警告表示部に警告表示するタイヤ空気圧異常の警告方法。
【００１６】
上記の構成により、本発明のタイヤ空気圧異常の警告方法は、タイヤ空気圧の異常履歴を記憶部に記憶しておき、携帯機と車載器との間のキーレスエントリのための通信時に、車載器が記憶部の異常履歴を検索してタイヤ空気圧異常信号を携帯機に発信し、携帯機は受信したタイヤ空気圧異常信号によって警告表示部にタイヤ空気圧の異常を表示するようにした。本発明によれば、タイヤ空気圧の異常をキーレスエントリの携帯機上に警告表示することができ、また、キーレスエントリのための通信時に自動的にタイヤ空気圧の異常がチェックされ、携帯機に警告表示されるので、携帯機を持参した運転者は自動車に乗り込む前にタイヤ空気圧の異常を知ることができ、すぐにタイヤの異常を確認することできる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係るタイヤ空気圧異常の警告装置及び方法について、図面を参照しながら以下説明する。図１は本発明の実施形態に係るタイヤ空気圧異常の警告装置における全体構成を示す図である。図２は本実施形態に関するタイヤ空気圧モニタリングシステム（ＴＰＭＳ）の車載器のブロック構成を示す図であり、図３は本実施形態に関する携帯機のブロック構成を示す図であり、図４は本実施形態に関する送信機のブロック構成を示す図である。図５は車載器と送信機との間の信号授受フローを示す図であり、図６は車載器と携帯機との間の信号授受フローを示す図である。
【００１８】
図面において、１は車両、２は車載器、３は送信機、４はタイヤ、５は車載表示器、６は携帯機、７はドアタッチスイッチ、２１，３１は受信部、２２，３２，４２は送信部、２３は記録部、２４，３４，４４は制御部、２５，３５，４５はメモリ、３６は入力部、４３は圧力センサ、をそれぞれ表す。
【００１９】
図１において、送信機３は、車両１の各タイヤ又はホイールに装着し、定期的にタイヤ内部の圧力計測及び／又は温度計測を行う機能を有するととともに、計測値を変調して無線電波によって送信する機能を有する。具体的には、送信機３は、図４に示すように、タイヤの空気圧を計測する圧力センサ４３を備え、制御部４４の制御によって定期的に圧力を計測して送信部４２とアンテナを通して送信する。メモリ４５は制御部の制御を行うプログラム、タイヤＩＤ等が格納されている。
【００２０】
また、車載器２は、車両１内の適宜な位置に配置され、携帯機６との間で無線信号を送受信する、即ち、リクエスト信号を送信し、アンサー信号を受信する機能を有するととともに、送信機１から送られるタイヤ空気圧データを受信し、受信したデータが正常か異常かを制御部（ＣＰＵ）で判断する機能を有する。この際、異常と判断した場合は記録部２３にその異常状況を記録する。更に、車載器２には、ドアロックを駆動するためのアクチュエータが付設されており、この駆動のためバッテリから電源の供給を受けている。
【００２１】
ここで、上述したリクエスト信号やアンサー信号に関連する、パッシブキーレスエントリとマニュアルキーレスエントリについて説明する。まず、キーレスエントリとは車両ドアをロックしたりアンロックするものであり、ＴＰＭＳは車両タイヤの空気圧をモニタリングする全体システムである。
【００２２】
一般的に云って、マニュアルキーレスエントリは、ロック釦とアンロック釦とが設けられていて車両近傍でそれらの釦を操作することによって車両ドアのロック又はアンロックを実施しているのであるが、携帯機から車載器に向けての一方向のマニュアル信号、具体的には、ロック信号又はアンロック信号を携帯機ＩＤとともに送信するキーレスエントリの種別である。
【００２３】
一方、パッシブキーレスエントリは、車載器と携帯機とで双方向信号授受を行い、車載器から車両ＩＤを含んだリクエスト信号を携帯機に送信し、更に、携帯機から携帯機ＩＤを含んだアンサー信号を車載器に送信して、ＩＤ照合をすることによって、ドアのロック又はアンロックを実行するキーレスエントリの種別であり、車両の保安管理、盗難管理を厳重にするためのシステムである。なお、パッシブキーレスエントリには、ドアに敷設されたドアタッチスイッチに接触又は押圧すると車載器からリクエスト信号が発信される方式と、車載器から常時間欠的にリクエスト信号を発信する方式がある。前者で、ドアタッチスイッチを設ける意味は、運転者が確実に乗車する意思表示を具現化するためのものである。前者は、リクエスト信号が発信されるときに、携帯機を持った運転者は車両の傍にいるので、携帯機はすぐにリクエスト信号を受信し、アンサー信号を発信する。後者は、携帯機を持った運転者が車両に近づきリクエスト信号の受信可能範囲に到って初めてリクエスト信号を受信し、アンサー信号を発信する。
【００２４】
また、車両には、上述したマニュアルキーレスエントリとパッシブキーレスエントリとを組み合わせたキーレスエントリ（パッシブキーレスエントリの携帯機にロック釦とアンロック釦を設けたもの）も採用され得る。
【００２５】
以上のことを整理して再度説明すると、パッシブキーレスエントリの基本型は携帯機にロック釦及びアンロック釦がないものであって、比較的弱い電波で信号授受するため携帯機が車両に或る程度近づいた状態でロック又はアンロック動作するものである。一方、マニュアルキーレスエントリの基本型は携帯機にロック釦及びアンロック釦を設けて、比較的強い電波のマニュアル信号を発信してロック又はアンロック動作するものである。更に、パッシブキーレスエントリとマニュアルキーレスエントリとの組み合わせ型は、パッシブキーレスエントリの携帯機にロック釦とアンロック釦を設置してマニュアル信号をも送信でき得るものである。
【００２６】
翻って、携帯機６は、運転者が携帯するものであり、マニュアルキーレスエントリでは、車両ドアをロック又はアンロックする指示を与えるための釦を有し、ドアをロック又はアンロックするためのマニュアル信号を無線電波にて送信する機能を有し、また、パッシブキーレスエントリでは車載器２からのリクエスト信号を受信するとともにアンサー信号を送信する機能を有するとともに、さらに、本実施形態に関する携帯機６は、キーレスエントリの種別に拘わらず、車載器２から空気圧異常の信号を受信する機能をも有するとともに受信した際には警告を表示する機能も有する。具体的には、図３に示すように、携帯機６は、受信部３１、送信部３２、警告を表示する表示部３３、ロック釦やアンロック釦等の入力部３６、これらの構成要素を制御する制御部３４、携帯機ＩＤやプログラム等を格納するメモリ３５、を備えている。換言すると、本発明の実施形態はマニュアルキーレスエントリにもパッシブキーレスエントリにも適用可能なものである。
【００２７】
また、車載表示器５（図１を参照）は、運転者が運転中に確認し易い車室内のメータパネル部に配置され、車載器２からの空気圧異常信号を有線により受けて警告表示を行う。なお、車載表示器５は車両バッテリから電源の供給を受けている。
【００２８】
また、ドアタッチスイッチ７は、各ドアのノブ部に配置されており、車載器２から携帯機６にリクエスト信号を送信するためのトリガー信号を発生するためのものである。即ち、車外に居る運転者が車両に接近してきてドアタッチスイッチ７にタッチすると、これがトリガー信号となってリクエスト信号を車載器２から携帯機６に発信するようになっている。
【００２９】
次に、本発明の実施形態に係るタイヤ空気圧の異常警告装置の動作について、図５と図６を参照しながら説明する。まず、マニュアルキーレスエントリの基本的動作では、操作者が携帯機の釦（ロック釦とアンロック釦）を操作すると、当該釦の機能に応じたマニュアル信号を発信し、車載器がマニュアル信号を受信すると、携帯機ＩＤの合否をチェックし、合格するとドアロックアクチュエータを駆動する。また、パッシブキーレスエントリの基本的動作では、操作者が車両ドアに付設されたドアタッチスイッチに接触すると、車載器からリクエスト信号（例えば、自動車の型式毎の車両ＩＤを含む信号）が発信される。携帯機がリクエスト信号を受信して車両ＩＤをチェックし合格すると、アンサー信号（例えば、携帯機１台毎の携帯機ＩＤを含む信号）を発信する。すると、車載器はアンサー信号を受信し、携帯機ＩＤをチェックし合格するとドアロックアクチュエータを駆動し、ドアロックをアンロック（解除）する。
【００３０】
次に、本発明の実施形態に関するタイヤ空気圧モニタリング（監視）の動作を説明すると、図５を参照して、まず、送信機３と車載器２との信号の授受では（具体的には、送信機からの一方的な信号伝達）、送信機３が空気圧を計測し（ステップ２）、その計測値を含むデータを無線電波にて一定時間毎に送信する（ステップ３）。車載器２はその信号を受信すると（ステップ４）、正常か異常かの判定を行い（ステップ５）、タイヤ空気圧が異常の場合、記録部に異常履歴を記録する（ステップ６）。記録の内容は、例えば、異常発生時の日時や、搭載したタイヤの内のどのタイヤが異常であるか、空気圧が高過ぎるのか又は低すぎるのか、タイヤ毎に設けられたバッテリのバッテリ切れによる信号の欠如か、等である。
【００３１】
記録部への異常状況の記録のときに、イグニションスイッチ（ＩＧＮ ＳＷ）がオンであれば（ステップ７）、即ち、車両のエンジン始動をするために操作者が車両内に居る状態であれば、車載表示器５に警告表示を出力し（ステップ８）、運転者が警告表示を確認できて、タイヤ空気圧に異常があることを容易に気付くこととなる。
【００３２】
次に、図６を参照して、車載器２と携帯機６の信号授受では、車両のドアがロックされている状態で運転者が携帯機６を携帯してドアタッチスイッチ７を押下すると（ステップ１２）、車載器２は記録部２３（図２参照）を調べて（ステップ１３）、異常履歴が記録されていない場合には、リクエスト信号として車両ＩＤ及び携帯機ＩＤ等を含む信号を送信する。携帯機６は車載器２からの信号を受信し、車両ＩＤ及び携帯機ＩＤのＩＤ照合を行い、マッチしていればアンサー信号を送信する。車載器２がアンサー信号を受信し、ドアアクチュエータを駆動させてドアロックを開錠する。
【００３３】
一方、図６のステップ１３において、車載器２に異常履歴が記録されていた場合には、車載器２は、車両ＩＤ及び携帯機ＩＤ等を含むリクエスト信号に加えて、空気圧異常信号（例えば、異常の有無）をも送信する（ステップ１４）。即ち、リクエスト信号と空気圧異常の有無信号とを含むデータを送信する（図６で通常信号と記載しているのはリクエスト信号である）。携帯機６は当該データ信号を受信し（ステップ１５）、ＩＤ照合を行ってマッチしていれば、携帯機６に設けられた警告表示部３３（図３参照）に警告表示する（ステップ１６）。警告表示は、文字表示、音、振動等が採用される。この警告表示によって、運転者は乗車前にタイヤ空気圧の異常に気付くことができ、乗車前に実際にタイヤを点検することができる。なお、タイヤ空気圧の異常状態の具体的内容は、車載表示器５で確認することができる。
【００３４】
また、上述の説明は、携帯機を持参している運転者が車両に接近し到着してドアタッチスイッチを操作することで空気圧異常信号（空気圧に限らずタイヤの異常信号も可）をも携帯機に送信して乗車前に空気圧異常を気付かせるものであることを例示しているが、この例示以外にも、車内から車外に出てドアタッチスイッチの操作でドアをロックする場合にも空気圧異常信号を携帯機に送信して車両から運転者が離れる際にも空気圧異常を気付かせるものである。
【００３５】
以上の説明では、ドアタッチスイッチ７を操作することによって（運転者が車両に近づいて乗車準備に入った状態を表している）、空気圧異常信号を携帯機に送信する構成例を示したが、これに限らず、携帯機からマニュアル信号を送信してドアロックをロック又はアンロックする際、このマニュアル信号を受信したことを検知して、この検知に基づいて車載器から空気圧異常信号を携帯機に送信しても良い。
【００３６】
また、以上の説明では、マニュアルキーレスエントリとパッシブキーレスエントリの双方の機能を備えたものを対象としたが、要は、マニュアル信号（ロックとアンロック）、リクエスト信号やアンサー信号を構成するキーレスエントリに本発明は適用可能である。
【００３７】
【発明の効果】
本発明によれば、携帯機に表示部又は報知部を設けることにより、タイヤ空気圧の異常状態を携帯機上に警告表示することができる。
【００３８】
また、タイヤ空気圧を定期的に計測して車載器に送信し、車載器で空気圧異常をチェックして記録しておくので、運転者又は操作者にとって必要なタイミングで異常状態を取り出して警告表示し得ることができる。
【００３９】
また、車両のドアタッチスイッチへの操作（接触、押下げ、引き上げ）によって車載器から空気圧異常信号を携帯機に送信することで、運転者の乗車直前に異常を知らせることができるとともに、携帯機への効率的な送信時期を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態に係るタイヤ空気圧異常の警告装置における全体構成を示す図である。
【図２】本実施形態に関する車載器のブロック構成を示す図である。
【図３】本実施形態に関する携帯機のブロック構成を示す図である。
【図４】本実施形態に関する送信機のブロック構成を示す図である。
【図５】車載器と送信機との間の信号授受フローを示す図である。
【図６】車載器と携帯機との間の信号授受フローを示す図である。
【符号の説明】
１ 車両
２ 車載器
３ 送信機
４ タイヤ
５ 車載表示器
６ 携帯機
７ ドアタッチスイッチ
２１，３１ 受信部
２２，３２，４２ 送信部
２３ 記録部
２４，３４，４４ 制御部
２５，３５，４５ メモリ
３６ 入力部
４３ 圧力センサ
Claims (5)
- 圧力センサによって計測されたタイヤ空気圧に対応した信号を送信する送信機と、車両のドアロックをロック又はアンロックするキーレスエントリ用の携帯機と、前記送信機からの信号を受信してタイヤ空気圧の異常か否かを判断して出力するとともに前記携帯機と通信して前記ドアロックを駆動する車載器と、を備え、
前記車載器はタイヤ空気圧の異常履歴を記録する記録部を有し、
前記携帯機はタイヤ空気圧の異常を表す警告表示部を有し、
前記車載器が前記携帯機との通信時に前記記録部の異常履歴を検索し、異常履歴が存する場合にタイヤ空気圧異常信号を前記携帯機に発信し、
前記携帯機が受信したタイヤ空気圧異常信号によってタイヤ空気圧の異常を警告表示する
ことを特徴とするタイヤ空気圧異常の警告装置。 - 請求項１において、
前記車載器と前記携帯機との通信は、前記車載器からのリクエスト信号と前記携帯機からのアンサー信号からなるパッシブキーレスエントリであり、
前記タイヤ空気圧異常信号は前記リクエスト信号とともに送信される
ことを特徴とするタイヤ空気圧異常の警告装置。 - 請求項２において、
前記車両のドアにドアタッチスイッチを設け、
前記ドアタッチスイッチへの操作に伴って前記リクエスト信号と前記タイヤ空気圧異常信号が発信される
ことを特徴とするタイヤ空気圧異常の警告装置。 - 請求項１又は２において、
前記送信機はタイヤ空気圧を定期的に計測して前記車載器に送信し、
前記車載器はタイヤ空気圧異常を判断して前記記録部に記録しておくことによって、運転者の乗車又は降車のタイミングでタイヤ空気圧の異常状態を前記記憶部から取り出す
ことを特徴とするタイヤ空気圧異常の警告装置。 - 圧力センサによって計測されたタイヤ空気圧に対応した信号を送信する送信機と、車両のドアロックをロック又はアンロックするキーレスエントリ用の携帯機と、前記送信機からの信号を受信して前記タイヤ空気圧の異常か否かを判断して出力するとともに前記携帯機と通信して前記ドアロックを駆動する車載器と、を備えて、タイヤ空気圧の異常を警告する警告方法であって、
前記車載器は、前記送信機から送信されたタイヤ空気圧の異常を判断して記録部に記録しておくとともに、前記携帯機との通信時に前記記録部の異常履歴を検索し、異常履歴が存する場合にタイヤ空気圧異常信号を前記携帯機に発信し、
前記携帯機が受信したタイヤ空気圧異常信号によってタイヤ空気圧の異常を警告表示部に警告表示する
ことを特徴とするタイヤ空気圧異常の警告方法。
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