JP2004097677A - 暖房便座装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】便座の清掃性に優れ、且つ便座表面を効率良く暖める暖房便座装置を提供する。
【解決手段】空気を送風する送風ファン3aと、送風ファン3aにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト6内に配置された温風ヒータ4aと、送風ファン3aと温風ヒータ4aを収納する本体ケース7aと、本体ケース7aの前側面に配置され送風ダクト6と連通した送風口8と、本体ケース7aの前方に配置され内部が空洞化した便座2aと、便座2a後側面に配置され、一端の流入口11から送風口より吹出された温風を流入し、他端の便座2a内部の内表面とは非接触に突出した流出口12から便座2a内部に温風を送風する中空状の吹出しダクトと、便座2a後側面且つ吹出しダクトに隣接して配置され便座2a外部に温風を排気する排気口と、から暖房便座装置を構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】空気を送風する送風ファン3aと、送風ファン3aにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト6内に配置された温風ヒータ4aと、送風ファン3aと温風ヒータ4aを収納する本体ケース7aと、本体ケース7aの前側面に配置され送風ダクト6と連通した送風口8と、本体ケース7aの前方に配置され内部が空洞化した便座2aと、便座2a後側面に配置され、一端の流入口11から送風口より吹出された温風を流入し、他端の便座2a内部の内表面とは非接触に突出した流出口12から便座2a内部に温風を送風する中空状の吹出しダクトと、便座2a後側面且つ吹出しダクトに隣接して配置され便座2a外部に温風を排気する排気口と、から暖房便座装置を構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、便座表面を暖める暖房便座装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
近年、便座表面を予め暖めておくことで冬場などの気温が低い時期でも使用者が快適に便座に着座し排便することができる暖房便座装置が広く普及している。便座を加熱する方式としては、便座内部に発熱体を埋設し通電する方法や便座内部に温水を循環させる方法があるが、従来、清掃性を向上させる暖房便座装置として温風を便座内部に送風・循環させて便座を暖める暖房便座装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には図3に示すように、暖房便座装置1zは、本体ケース7zと便座2zを回動可能に接続するヒンジ20a、20bの内部を中空構造とし風路を形成し、本体ケース7zに収納した温風ユニットからヒンジ20a、20bの風路を介して便座2z後方部から内部に所定温度まで加熱した温風を送風・循環させることにより、便座2zを暖めている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−237047号公報(第2−3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、暖房便座装置1zには、後述する課題が挙げられる。
▲1▼便座2z後方部における空洞部の広がりが大きいためヒンジ20a部から吹き出す温風の風速が急激に低下し、便座2z後方部の表面が集中的に暖められ高温状態に至る。
▲2▼温風送風中における便座表面からの放熱を考慮すると目標温度より高温の温風を送風して便座を暖める必要があるが、風量に係わらず便座2z後方部にて温風の熱が大量に奪われるため、便座2z先端側に送風される温風の温度が低くなり便座先端部は十分に暖まらない。
▲3▼通常、ヒンジ20bの内部を中空構造として風路を形成する場合、その風路断面積は小さく且つ、距離が長くなり圧損が大きくなるため、便座内部を循環した温風がヒンジ20bからスムーズに排気されず、ヒンジ20b付近の便座後方部に温風が滞留し高温状態に至る
▲4▼ヒンジ20aから送風された温風が便座2zの先端部へ送風されるように、仕切り板にて便座が左右に区切られているため、便座開口部端面には温風の流れがほとんどなく十分に暖まらない。
このように、暖房便座装置1zは、便座後方部と便座先端部とでは温度ムラが発生するため、そこへ着座した使用者は便座後方部と便座先端部とで温度差がある(便座先端部が冷たい)ことを感じて不快となる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、便座内部に効率良く温風を送風し便座表面を均一に暖める暖房便座装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決する為、請求項1記載の発明は、空気を送風する送風ファンと、前記送風ファンにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト内に配置された温風ヒータと、前記送風ファンと前記温風ヒータを収納する本体ケースと、該本体ケースの前側面に配置され前記送風ダクトと連通した送風口と、前記本体ケースの前方に配置され内部が空洞化した便座と、該便座後側面に配置され、一端の流入口から前記送風口より吹き出された温風を流入し、他端の便座内部の内表面とは非接触に突出した流出口から前記便座内部に温風を送風する中空状の吹出しダクトと、該吹出しダクトに隣接して配置され前記便座外部に温風を排気する排気口と、から構成されたことを特徴とする暖房便座装置である。
流入口を便座後側面の片側に、流出口を便座内部且つ内表面とは非接触に突出するよう温風を直線状に送風する送風路を有した吹出しダクトを配置し、所定温度まで加熱された温風を便座内部に送風することで、便座内部に送風される温風の風速が便座後方部にて急激に低下すること抑制することができる。
そして、便座後側面に吹出しダクトに隣接した排気口を配置し、便座内部に送風された温風を便座外部へ排気することで、便座後方部における温風の滞留を抑制することができる。
その結果、便座後方部における温風から便座への熱伝導を減らし、使用者が着座した時に臀部および大腿部との接触面積が大きい便座中央から先端側にかけて効率良く便座を暖めることができる。
また、排気口の形状を大きくするほど便座内部の圧力損失を低下させることができるため、吹出しダクトから便座内部に送風する温風の送風量を増やし短時間で便座を暖めることができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記吹出しダクトの上方または下方に前記排気口を配置したことを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置である。
吹出しダクトから便座内部に送風された温風のほとんどは便座前方に送風されることになるが、吹出しダクト内面の外周面付近から送風される温風は流出口部で風速が低下し吹き出しダクト周囲に滞留するため、その温風により吹出しダクト上方に相当する便座表面を暖める。
便座内部に送風される温風の送風量が減少した時でも便座中央から先端側にかけて効率良く便座を暖めようとすると、流出口の開口部形状は、幅方向は便座内面の幅寸法と同程度に、高さ方向は極力小さくして流速を上げ便座内部に温風を送風することが好ましい。
その場合、吹出しダクト側面の左右方向に排気口を配置すると次の不具合が生じ使用者に不快感を与えやすい。
便座外周面側に相当する吹出しダクト側面に排気口を配置しようとすると、スペース上排気口の開口面積を大きく取ることができないため、便座内部に送風される温風の送風量が多くなると、便座内部を循環してきた温風をスムースに排気できず排気口付近に温風が滞留し、その上方に相当する便座後方が局所的に熱くなり、そこに着座した使用者は熱く感じ火傷する恐れがある。
また、便座内周面側に相当する吹出しダクト側面に排気口を配置しようとすると、便座開口部後方に排気口の一部を配置することになり便座内部に送風される温風の送風量が少なくなると、温風の流れが便座後側面側に偏り便座開口部後方が暖まりにくくなる。
そこで、吹出しダクト側面の上方または下方に排気口を配置することで、排気口の開口形状を幅方向に無理なく広げることができるため、便座内部に送風される温風の送風量が多くても便座外部にスムースに排気でき便座が局所的に加熱されることを防止でき、温風の送風量が少なくても温風の流れが便座開口部後方で便座後側面に偏ることがなく便座開口部後方も暖めることができる。
従って、使用者は快適で安全な便座に着座することができる。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記流出口の側面に、前記流出口から前記便座内部の内周面近傍まで延びた遮蔽版を配置したことを特徴とする請求項1乃至2いずれか1項記載の暖房便座装置である。
排気口の断面積は、便座温度を維持(保温)する時の温風の送風量を基準としてスムーズに排気できる程度の大きさが好ましいが、一時的に便座を短時間で暖めようと便座内部に流入する温風の送風量を多くすると、便座内部を循環してきた温風が排気口から便座外部に排気させきれずに再度便座内部を循環することになる。
その結果、吹出しダクトから便座内部に送風される温風の送風方向が阻害され便座外周面側に温風が偏り、所定位置に温風を送風し暖めることができなくなり、温度ムラの原因となる。
吹出しダクト全体を便座内周面に近接するよう延長しても良いが、その場合便座開口部後方に送風される温風量が減少するため便座を効率良く暖めることができない。
便座を効率良く暖めようとした場合、流出口の側面に流出口から便座内部の内周面近傍まで延びた遮蔽版を配置することが好ましい。
流出口の側面に流出口から便座内部の内周面近傍まで延びた遮蔽版を配置することで、吹出しダクトから送風される温風の送風方向が阻害されず所定方向に温風を送風することができる。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記便座内部に前記便座内周面側へと温風を導く仕切り板を配置したことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の暖房便座装置である。
便座中央部から先端部にかけて便座内周面側へと温風を導く仕切板を配置することで、流出口から送風される温風の流速が速くても便座外周面に温風が偏ることなく便座内周面側にも送風することができ、便座全体を均一に加熱することができる。
また、便座後方部の形状が楕円形状等で形成されていない場合でも、便座後方部に同様の仕切板を配置することにより、便座後方部にて温風が停滞することなくスムーズに吸入口まで送風して便座後方部を均一に加熱することができる。
【0010】
請求項5記載の発明は、一端の吸入口から温風を流入し他端の吸出口から前記便座外部に温風を排気する中空状の排気ダクトを、前記便座内表面へ突出するよう前記排気口に配置したことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の暖房便座装置である。
吸出口を便座後側面に、吸入口が便座内部に突出するよう排気ダクトを排気口に配置することで、便座内部に送風された温風を圧力損失を少なく便座外部へ排気することができる。
従って、排気ダクト付近の熱の滞留をさらに抑制できるため、便座後方での温度ばらつきをより少なくでき、便座内部に流入させる温風の送風量を増やし便座をより短時間に暖めることができる。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記排気ダクトは前記便座内表面とは非接触に配置されたことを特徴とする請求項5記載の暖房便座装置である。
排気ダクトの上側面または下側面と便座内表面との間に温風の送風領域を確保することで、便座内部に送風される風量が多くなっても、排気ダクト周辺に温風が滞留することを抑制でき、また、排気ダクトを介して便座表面の熱を奪うことが無く効率良く便座を暖めることができる。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記吹出しダクトは前記排気ダクトよりも前記便座内部に長く突出することを特徴とする請求項5乃至6いずれか1項記載の暖房便座装置である。
吹出しダクトより排気ダクトの方を便座内部に長く突出したり、吹出しダクトの流出口と排気ダクトの吸入口が近接した位置にあると、流出口から便座内部に送風された温風の一部が即吸入口に流れ込み便座外部へと排気されて熱効率が低下する。
便座内部に突出する吹出しダクトの長さを排気ダクトの長さよりも長くすることで、吹出しダクトの流出口と排気ダクトの吸入口との距離が離れるため、熱効率の低下を抑制することができる。
吹出しダクトから送風される温風は上方に広がりやすいため、排気ダクトを吹出しダクトの下方に配置するとさらに熱効率の低下を抑制できる。
【0013】
請求項8記載の発明は、前記流出口と前記吸出口は異方向に配置されたことを特徴とする請求項5乃至7いずれか1項記載の暖房便座装置である。
便座先端側へ流出口が位置するよう直線状の送風路を有する吹出しダクトを便座後側面に配置した下方に、便座内周面側へ吸入口が位置するようL字状の排気路を有する排気ダクトを配置することで、吸入口が便座内部に循環する温風の流れ方向に対して垂直となるため、便座内部を循環してきた温風の流れを阻害せずスムースに排気することができる。
また、流出口と吸入口を異方向に配置することで、流出口から出た温風が即排気されることを抑制することができる。
【0014】
請求項9記載の発明は、前記吹出しダクトと前記排気ダクトとの隣接部に断熱層を配置したことを特徴とする請求項5乃至8いずれか1項記載の暖房便座装置である。
排気ダクトから排気される温風は便座内部を循環し低温化した温風であるため、吹出しダクトと排気ダクトが接触していると、吹出しダクトに蓄積された熱が奪われて便座外部に排気されることになり熱効率が低下する。
吹出しダクトと排気ダクトとの隣接部に、空気層や空気を多量に混入した暖熱材からなる断熱層を配置することで吹出しダクトから排気ダクトへの熱の移動を抑制し熱効率の低下を抑制することができる。
【0015】
請求項10記載の発明は、前記吹出しダクトと前記排気ダクトを一体に成型したことを特徴とする請求項5乃至9いずれか1項記載の暖房便座装置である。
吹出しダクトと排気ダクトをポリプロピレンやABS樹脂などの同材料にて一体に成形し、便座後側面に配置することにより組立てが簡素化され、生産性の向上、製造コスト削減を図ることができる。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、本発明にかかる暖房便座装置の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
図1は本発明の暖房便座装置1aを上面からみた透視図である。
図2は同、A−A´およびB−B´における通風ダクト9部付近を拡大した断面図である。
図1に示す暖房便座装置1aは、空気を送風する送風ファン3aと、送風ファン3aにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト6内に配置された温風ヒータ4aと、送風ファン3aの回転数と温風ヒータ4aの発熱量を制御する制御部5と、送風ファン3aと温風ヒータ4aと制御部5を収納する本体ケース7aと、本体ケース7aの前側面に配置され送風ダクト6と連通した送風口8と、本体ケース7aの前方に配置され内部が空洞化した便座2aと、から構成されている。
そして、本体ケース7a前側面に配置された送風口8を連通するよう送風ダクト6が接続され、その通風路に送風ファン3a、温風ヒータ4aが配置され、送風ファン3aの回転方向により送風口8から所定の温度まで温風ヒータ4aにて加熱された温風が、便座2aの長手方向の延長線上に相当する便座2a後方部の側面に配置された通風ダクト9を介して、便座2aの内部へ温風が送風される。通風ダクト9は、一端が流入口11、他端を流出口12とし直線状に温風を送風する送風路13を有した吹出しダクトと、一端が吸入口14、他端を吸出口15としL字状に温風を排気する排気路16を有した排気ダクトを、樹脂材料にて一体に成型したもので、使用者が着座する便座2a表面(以下、着座面)側に送風路13を、便器に対向する便座裏面(以下、便器面)側に排気路16を配置している。
そして、送風口8から送風された温風を、便座2a後側面に配置された通風ダクト9の流入口11から流入し便座2a内部に配置された流出口12から便座2a先端方向に送風し便座を暖め、便座2a内部を循環し低温化した温風を、便座2a内部に配置された通風ダクト9の吸入口14から流入し便座2a後側面に配置された吸出口15から便座2a外部に排気する。
【0017】
便座2a内部に位置する通風ダクト9は、流出口12先端部が便座2a開口部後端より便座2aの先端方向側に突出するよう配置されている。
このように、便座2a奥端から流出口12までの長さをL1、便座2a奥端から便座2a開口部後端までの長さをL2とすると、L1≧L2となるよう通風ダクト9を配置することで、流出口12付近での圧力損失による風速の低下を抑制でき、便座2aの先端方向側に向かう温風の風量が多くなり、その結果、使用者が着座した時に臀部や大腿部が接触する便座2aの中央から先端側の便座2a表面を効率良く上昇させることができる。
そして、流出口12の幅寸法をW1、高さ寸法をH1とした時、W1をできるだけ広くし高さ寸法H1はできるだけ低くし偏平の矩形状とすることで、送風口8から送風される温風の風量が少ない場合や短時間で便座を暖めたい場合でも、便座2a内表面との距離をかせぎ、広範囲に風速を上げて温風を便座2a内部へ送風することができるため、通風ダクト9の先端部上方に相当する便座2a表面への伝熱量を抑制できるので、効率良く便座表面を暖めることができ、温度ムラを軽減することができる。
【0018】
また、流出口12の開口形状および送風路13の断面形状を扁平の矩形状にすることで、送風路13の上方または下方に十分な開口面積を有した排気口または排気ダクトを隣接して配置することができる。
従って、便座2a内部に送風される温風の送風量が多くても便座2a後方部における温風の滞留を抑制し便座2a外部にスムースに排気でき局所的に加熱されることを防止でき、温風の送風量が少なくても温風の流れが便座2a開口部後方で便座2a後側面に偏ることがなく便座2a開口部後方も暖めることができ、使用者は快適で安全な便座に着座することができる。
吸出口15の開口面積が大きくても吸入口14の開口面積や排気路16の断面積が小さいとそこで圧力損失が増加し排気効率が低下するため、吸入口14の開口面積や排気路16の断面積は、吸出口15の開口面積と同じまたはそれ以上にすることが好ましい。
さらに、流出口12から便座2a内部に温風が送風される時、流出口12から出た温風は着座面側に広がりやすいため、送風路13の下方に排気路16を配置すると熱効率の低下を抑制できる。
【0019】
本実施例では、吹出しダクトと排気ダクトを耐熱性樹脂材料にて一体に成形した通風ダクト9を便座2a後側面に配置しているため、組立てが簡素化され、生産性の向上、製造コスト削減を図ることができる。
そして、送風路13と排気路16の隣接部には空気による断熱層17を設けているため、送風路13から排気路16への熱の移動を抑制し熱効率の低下を抑制することができる。
【0020】
また、通風ダクト9の上下方向の外側面は便座2a内表面とはほとんど接触しておらず、温風の送風領域が確保されている。
従って、便座2a内部に送風される風量が多くなっても、通風ダクト9周辺に温風が滞留することを抑制できるため便座2a後方部の表面が局所的に熱くなったり、通風ダクト9の外側面を介して便座2a裏面に熱伝導することが無く効率良く便座2aを暖めることができる。
便器面側の便座2a内表面に通風ダクト9を固定するための突起を複数設けることで、通風ダクト9の長さが長くなっても流出口12が下方に垂下することなく所定の方向に温風を送風することができる。
【0021】
便座2a内部を循環し低温化した温風を排気する吸入口14を流出口12より便座2a奥端側に配置しているため、流出口12より便座2a内部に送風された温風が即排気されることがなく、熱効率が低下せず効率良く便座を暖めることができる。
【0022】
排気口の形状は大きくするほど便座内部の圧力損失を低下させることができるため、吹出しダクトから便座内部に送風する温風の送風量を増やし短時間で便座を暖めることができる。
本実施例のように、排気口の位置に吹出しダクトと一体化させたL字状の排気ダクトを便座2a後側面に配置することで、便座2a内部に循環する温風の流れ方向に対して吸入口14が垂直となるため、便座2a内部を循環してきた温風の流れを阻害せずスムースに便座2a外部へ排気することができる。
従って、通風ダクト9付近の熱の滞留をさらに抑制できるため、便座2a後方での温度ばらつきをより少なくでき、便座2a内部に流入させる温風の送風量を増やし便座2aをより短時間に暖めることができる。
そして、便座2a内部に位置する吸入口14の開口形状が、一端を便座2a開口部後端の接線上に、他端を便座2a奥端近傍となるよう設定することで、便座2a後方部全体に温風が流れより均一に暖めることができる。
【0023】
便座2a内周面側の流出口12側面から便座2a開口部にかけて遮蔽板18を配置しているため、便座2a内部を循環してきた温風が吸入口14から便座外部に排気させきれずに再度便座2a内部を循環することになっても、流出口12から送風される温風の流れを阻害することがなく、所定位置に温風を送風し便座2aを暖めることができる。
【0024】
便座2a中央部から先端部にかけて仕切板19a、19bを配置することで、流出口12から送風される温風の流速が速くても便座2a外周面に温風が偏ることなく便座2a内周面側にも送風することができ、便座2a全体を均一に加熱することができる。
また、便座2a後方部の形状が楕円形状等で形成されていない場合でも、便座2a後方部に仕切板19cを配置することにより、便座2a後方部にて温風が停滞することなくスムーズに吸入口14まで送風して便座2a後方部を均一に加熱することができる。
【0025】
吸出口15の延長線上に相当する本体ケース7aの前側面に、吸出口15から排気された温風を本体ケース7a内に取り込む吸気口(図示しない)を設けることにより、便座2a内部を循環し便座2a外部に排気された低温化した温風を回収し、再度加熱して便座2a内部に送風することで、消費電力を削減できるため、経済性が向上する。
【0026】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
本実施例においては、吹出しダクトと排気ダクトを一体成形した通風ダクトを便座後側面に配置したが、吹出しダクトを便座後側面に配置しその近傍に排気口を設ける、吹出しダクトと排気ダクトを別々に便座後側面に配置する、など様々な形態が考えられる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、便座の清掃性に優れ、且つ便座表面を効率良く暖める暖房便座装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる暖房便座装置を示す、上面からみた透視図である。
【図2】(a)同、A−A´部断面図、(b)同、B−B´部断面図である。
【図3】従来技術記載の暖房便座装置を示す、上面図である。
【符号の説明】
1(1a、1z):暖房便座装置、
2(2a、2z):便座、
3(3a、3z):送風ファン、
4(4a、4z):温風ヒータ、
5:制御部、
6:送風ダクト、
7(7a、7z):本体ケース、
8:送風口、
9:通風ダクト、
11:流入口、
12:流出口、
13:送風路、
14:吸入口、
15:吸出口、
16:排気路、
17:断熱層、
18:遮蔽板、
19(19a、19b、19c):仕切り板、
20(20a、20b):ヒンジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、便座表面を暖める暖房便座装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
近年、便座表面を予め暖めておくことで冬場などの気温が低い時期でも使用者が快適に便座に着座し排便することができる暖房便座装置が広く普及している。便座を加熱する方式としては、便座内部に発熱体を埋設し通電する方法や便座内部に温水を循環させる方法があるが、従来、清掃性を向上させる暖房便座装置として温風を便座内部に送風・循環させて便座を暖める暖房便座装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には図3に示すように、暖房便座装置1zは、本体ケース7zと便座2zを回動可能に接続するヒンジ20a、20bの内部を中空構造とし風路を形成し、本体ケース7zに収納した温風ユニットからヒンジ20a、20bの風路を介して便座2z後方部から内部に所定温度まで加熱した温風を送風・循環させることにより、便座2zを暖めている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−237047号公報(第2−3頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、暖房便座装置1zには、後述する課題が挙げられる。
▲1▼便座2z後方部における空洞部の広がりが大きいためヒンジ20a部から吹き出す温風の風速が急激に低下し、便座2z後方部の表面が集中的に暖められ高温状態に至る。
▲2▼温風送風中における便座表面からの放熱を考慮すると目標温度より高温の温風を送風して便座を暖める必要があるが、風量に係わらず便座2z後方部にて温風の熱が大量に奪われるため、便座2z先端側に送風される温風の温度が低くなり便座先端部は十分に暖まらない。
▲3▼通常、ヒンジ20bの内部を中空構造として風路を形成する場合、その風路断面積は小さく且つ、距離が長くなり圧損が大きくなるため、便座内部を循環した温風がヒンジ20bからスムーズに排気されず、ヒンジ20b付近の便座後方部に温風が滞留し高温状態に至る
▲4▼ヒンジ20aから送風された温風が便座2zの先端部へ送風されるように、仕切り板にて便座が左右に区切られているため、便座開口部端面には温風の流れがほとんどなく十分に暖まらない。
このように、暖房便座装置1zは、便座後方部と便座先端部とでは温度ムラが発生するため、そこへ着座した使用者は便座後方部と便座先端部とで温度差がある(便座先端部が冷たい)ことを感じて不快となる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、便座内部に効率良く温風を送風し便座表面を均一に暖める暖房便座装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決する為、請求項1記載の発明は、空気を送風する送風ファンと、前記送風ファンにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト内に配置された温風ヒータと、前記送風ファンと前記温風ヒータを収納する本体ケースと、該本体ケースの前側面に配置され前記送風ダクトと連通した送風口と、前記本体ケースの前方に配置され内部が空洞化した便座と、該便座後側面に配置され、一端の流入口から前記送風口より吹き出された温風を流入し、他端の便座内部の内表面とは非接触に突出した流出口から前記便座内部に温風を送風する中空状の吹出しダクトと、該吹出しダクトに隣接して配置され前記便座外部に温風を排気する排気口と、から構成されたことを特徴とする暖房便座装置である。
流入口を便座後側面の片側に、流出口を便座内部且つ内表面とは非接触に突出するよう温風を直線状に送風する送風路を有した吹出しダクトを配置し、所定温度まで加熱された温風を便座内部に送風することで、便座内部に送風される温風の風速が便座後方部にて急激に低下すること抑制することができる。
そして、便座後側面に吹出しダクトに隣接した排気口を配置し、便座内部に送風された温風を便座外部へ排気することで、便座後方部における温風の滞留を抑制することができる。
その結果、便座後方部における温風から便座への熱伝導を減らし、使用者が着座した時に臀部および大腿部との接触面積が大きい便座中央から先端側にかけて効率良く便座を暖めることができる。
また、排気口の形状を大きくするほど便座内部の圧力損失を低下させることができるため、吹出しダクトから便座内部に送風する温風の送風量を増やし短時間で便座を暖めることができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記吹出しダクトの上方または下方に前記排気口を配置したことを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置である。
吹出しダクトから便座内部に送風された温風のほとんどは便座前方に送風されることになるが、吹出しダクト内面の外周面付近から送風される温風は流出口部で風速が低下し吹き出しダクト周囲に滞留するため、その温風により吹出しダクト上方に相当する便座表面を暖める。
便座内部に送風される温風の送風量が減少した時でも便座中央から先端側にかけて効率良く便座を暖めようとすると、流出口の開口部形状は、幅方向は便座内面の幅寸法と同程度に、高さ方向は極力小さくして流速を上げ便座内部に温風を送風することが好ましい。
その場合、吹出しダクト側面の左右方向に排気口を配置すると次の不具合が生じ使用者に不快感を与えやすい。
便座外周面側に相当する吹出しダクト側面に排気口を配置しようとすると、スペース上排気口の開口面積を大きく取ることができないため、便座内部に送風される温風の送風量が多くなると、便座内部を循環してきた温風をスムースに排気できず排気口付近に温風が滞留し、その上方に相当する便座後方が局所的に熱くなり、そこに着座した使用者は熱く感じ火傷する恐れがある。
また、便座内周面側に相当する吹出しダクト側面に排気口を配置しようとすると、便座開口部後方に排気口の一部を配置することになり便座内部に送風される温風の送風量が少なくなると、温風の流れが便座後側面側に偏り便座開口部後方が暖まりにくくなる。
そこで、吹出しダクト側面の上方または下方に排気口を配置することで、排気口の開口形状を幅方向に無理なく広げることができるため、便座内部に送風される温風の送風量が多くても便座外部にスムースに排気でき便座が局所的に加熱されることを防止でき、温風の送風量が少なくても温風の流れが便座開口部後方で便座後側面に偏ることがなく便座開口部後方も暖めることができる。
従って、使用者は快適で安全な便座に着座することができる。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記流出口の側面に、前記流出口から前記便座内部の内周面近傍まで延びた遮蔽版を配置したことを特徴とする請求項1乃至2いずれか1項記載の暖房便座装置である。
排気口の断面積は、便座温度を維持(保温)する時の温風の送風量を基準としてスムーズに排気できる程度の大きさが好ましいが、一時的に便座を短時間で暖めようと便座内部に流入する温風の送風量を多くすると、便座内部を循環してきた温風が排気口から便座外部に排気させきれずに再度便座内部を循環することになる。
その結果、吹出しダクトから便座内部に送風される温風の送風方向が阻害され便座外周面側に温風が偏り、所定位置に温風を送風し暖めることができなくなり、温度ムラの原因となる。
吹出しダクト全体を便座内周面に近接するよう延長しても良いが、その場合便座開口部後方に送風される温風量が減少するため便座を効率良く暖めることができない。
便座を効率良く暖めようとした場合、流出口の側面に流出口から便座内部の内周面近傍まで延びた遮蔽版を配置することが好ましい。
流出口の側面に流出口から便座内部の内周面近傍まで延びた遮蔽版を配置することで、吹出しダクトから送風される温風の送風方向が阻害されず所定方向に温風を送風することができる。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記便座内部に前記便座内周面側へと温風を導く仕切り板を配置したことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の暖房便座装置である。
便座中央部から先端部にかけて便座内周面側へと温風を導く仕切板を配置することで、流出口から送風される温風の流速が速くても便座外周面に温風が偏ることなく便座内周面側にも送風することができ、便座全体を均一に加熱することができる。
また、便座後方部の形状が楕円形状等で形成されていない場合でも、便座後方部に同様の仕切板を配置することにより、便座後方部にて温風が停滞することなくスムーズに吸入口まで送風して便座後方部を均一に加熱することができる。
【0010】
請求項5記載の発明は、一端の吸入口から温風を流入し他端の吸出口から前記便座外部に温風を排気する中空状の排気ダクトを、前記便座内表面へ突出するよう前記排気口に配置したことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の暖房便座装置である。
吸出口を便座後側面に、吸入口が便座内部に突出するよう排気ダクトを排気口に配置することで、便座内部に送風された温風を圧力損失を少なく便座外部へ排気することができる。
従って、排気ダクト付近の熱の滞留をさらに抑制できるため、便座後方での温度ばらつきをより少なくでき、便座内部に流入させる温風の送風量を増やし便座をより短時間に暖めることができる。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記排気ダクトは前記便座内表面とは非接触に配置されたことを特徴とする請求項5記載の暖房便座装置である。
排気ダクトの上側面または下側面と便座内表面との間に温風の送風領域を確保することで、便座内部に送風される風量が多くなっても、排気ダクト周辺に温風が滞留することを抑制でき、また、排気ダクトを介して便座表面の熱を奪うことが無く効率良く便座を暖めることができる。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記吹出しダクトは前記排気ダクトよりも前記便座内部に長く突出することを特徴とする請求項5乃至6いずれか1項記載の暖房便座装置である。
吹出しダクトより排気ダクトの方を便座内部に長く突出したり、吹出しダクトの流出口と排気ダクトの吸入口が近接した位置にあると、流出口から便座内部に送風された温風の一部が即吸入口に流れ込み便座外部へと排気されて熱効率が低下する。
便座内部に突出する吹出しダクトの長さを排気ダクトの長さよりも長くすることで、吹出しダクトの流出口と排気ダクトの吸入口との距離が離れるため、熱効率の低下を抑制することができる。
吹出しダクトから送風される温風は上方に広がりやすいため、排気ダクトを吹出しダクトの下方に配置するとさらに熱効率の低下を抑制できる。
【0013】
請求項8記載の発明は、前記流出口と前記吸出口は異方向に配置されたことを特徴とする請求項5乃至7いずれか1項記載の暖房便座装置である。
便座先端側へ流出口が位置するよう直線状の送風路を有する吹出しダクトを便座後側面に配置した下方に、便座内周面側へ吸入口が位置するようL字状の排気路を有する排気ダクトを配置することで、吸入口が便座内部に循環する温風の流れ方向に対して垂直となるため、便座内部を循環してきた温風の流れを阻害せずスムースに排気することができる。
また、流出口と吸入口を異方向に配置することで、流出口から出た温風が即排気されることを抑制することができる。
【0014】
請求項9記載の発明は、前記吹出しダクトと前記排気ダクトとの隣接部に断熱層を配置したことを特徴とする請求項5乃至8いずれか1項記載の暖房便座装置である。
排気ダクトから排気される温風は便座内部を循環し低温化した温風であるため、吹出しダクトと排気ダクトが接触していると、吹出しダクトに蓄積された熱が奪われて便座外部に排気されることになり熱効率が低下する。
吹出しダクトと排気ダクトとの隣接部に、空気層や空気を多量に混入した暖熱材からなる断熱層を配置することで吹出しダクトから排気ダクトへの熱の移動を抑制し熱効率の低下を抑制することができる。
【0015】
請求項10記載の発明は、前記吹出しダクトと前記排気ダクトを一体に成型したことを特徴とする請求項5乃至9いずれか1項記載の暖房便座装置である。
吹出しダクトと排気ダクトをポリプロピレンやABS樹脂などの同材料にて一体に成形し、便座後側面に配置することにより組立てが簡素化され、生産性の向上、製造コスト削減を図ることができる。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、本発明にかかる暖房便座装置の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
図1は本発明の暖房便座装置1aを上面からみた透視図である。
図2は同、A−A´およびB−B´における通風ダクト9部付近を拡大した断面図である。
図1に示す暖房便座装置1aは、空気を送風する送風ファン3aと、送風ファン3aにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト6内に配置された温風ヒータ4aと、送風ファン3aの回転数と温風ヒータ4aの発熱量を制御する制御部5と、送風ファン3aと温風ヒータ4aと制御部5を収納する本体ケース7aと、本体ケース7aの前側面に配置され送風ダクト6と連通した送風口8と、本体ケース7aの前方に配置され内部が空洞化した便座2aと、から構成されている。
そして、本体ケース7a前側面に配置された送風口8を連通するよう送風ダクト6が接続され、その通風路に送風ファン3a、温風ヒータ4aが配置され、送風ファン3aの回転方向により送風口8から所定の温度まで温風ヒータ4aにて加熱された温風が、便座2aの長手方向の延長線上に相当する便座2a後方部の側面に配置された通風ダクト9を介して、便座2aの内部へ温風が送風される。通風ダクト9は、一端が流入口11、他端を流出口12とし直線状に温風を送風する送風路13を有した吹出しダクトと、一端が吸入口14、他端を吸出口15としL字状に温風を排気する排気路16を有した排気ダクトを、樹脂材料にて一体に成型したもので、使用者が着座する便座2a表面(以下、着座面)側に送風路13を、便器に対向する便座裏面(以下、便器面)側に排気路16を配置している。
そして、送風口8から送風された温風を、便座2a後側面に配置された通風ダクト9の流入口11から流入し便座2a内部に配置された流出口12から便座2a先端方向に送風し便座を暖め、便座2a内部を循環し低温化した温風を、便座2a内部に配置された通風ダクト9の吸入口14から流入し便座2a後側面に配置された吸出口15から便座2a外部に排気する。
【0017】
便座2a内部に位置する通風ダクト9は、流出口12先端部が便座2a開口部後端より便座2aの先端方向側に突出するよう配置されている。
このように、便座2a奥端から流出口12までの長さをL1、便座2a奥端から便座2a開口部後端までの長さをL2とすると、L1≧L2となるよう通風ダクト9を配置することで、流出口12付近での圧力損失による風速の低下を抑制でき、便座2aの先端方向側に向かう温風の風量が多くなり、その結果、使用者が着座した時に臀部や大腿部が接触する便座2aの中央から先端側の便座2a表面を効率良く上昇させることができる。
そして、流出口12の幅寸法をW1、高さ寸法をH1とした時、W1をできるだけ広くし高さ寸法H1はできるだけ低くし偏平の矩形状とすることで、送風口8から送風される温風の風量が少ない場合や短時間で便座を暖めたい場合でも、便座2a内表面との距離をかせぎ、広範囲に風速を上げて温風を便座2a内部へ送風することができるため、通風ダクト9の先端部上方に相当する便座2a表面への伝熱量を抑制できるので、効率良く便座表面を暖めることができ、温度ムラを軽減することができる。
【0018】
また、流出口12の開口形状および送風路13の断面形状を扁平の矩形状にすることで、送風路13の上方または下方に十分な開口面積を有した排気口または排気ダクトを隣接して配置することができる。
従って、便座2a内部に送風される温風の送風量が多くても便座2a後方部における温風の滞留を抑制し便座2a外部にスムースに排気でき局所的に加熱されることを防止でき、温風の送風量が少なくても温風の流れが便座2a開口部後方で便座2a後側面に偏ることがなく便座2a開口部後方も暖めることができ、使用者は快適で安全な便座に着座することができる。
吸出口15の開口面積が大きくても吸入口14の開口面積や排気路16の断面積が小さいとそこで圧力損失が増加し排気効率が低下するため、吸入口14の開口面積や排気路16の断面積は、吸出口15の開口面積と同じまたはそれ以上にすることが好ましい。
さらに、流出口12から便座2a内部に温風が送風される時、流出口12から出た温風は着座面側に広がりやすいため、送風路13の下方に排気路16を配置すると熱効率の低下を抑制できる。
【0019】
本実施例では、吹出しダクトと排気ダクトを耐熱性樹脂材料にて一体に成形した通風ダクト9を便座2a後側面に配置しているため、組立てが簡素化され、生産性の向上、製造コスト削減を図ることができる。
そして、送風路13と排気路16の隣接部には空気による断熱層17を設けているため、送風路13から排気路16への熱の移動を抑制し熱効率の低下を抑制することができる。
【0020】
また、通風ダクト9の上下方向の外側面は便座2a内表面とはほとんど接触しておらず、温風の送風領域が確保されている。
従って、便座2a内部に送風される風量が多くなっても、通風ダクト9周辺に温風が滞留することを抑制できるため便座2a後方部の表面が局所的に熱くなったり、通風ダクト9の外側面を介して便座2a裏面に熱伝導することが無く効率良く便座2aを暖めることができる。
便器面側の便座2a内表面に通風ダクト9を固定するための突起を複数設けることで、通風ダクト9の長さが長くなっても流出口12が下方に垂下することなく所定の方向に温風を送風することができる。
【0021】
便座2a内部を循環し低温化した温風を排気する吸入口14を流出口12より便座2a奥端側に配置しているため、流出口12より便座2a内部に送風された温風が即排気されることがなく、熱効率が低下せず効率良く便座を暖めることができる。
【0022】
排気口の形状は大きくするほど便座内部の圧力損失を低下させることができるため、吹出しダクトから便座内部に送風する温風の送風量を増やし短時間で便座を暖めることができる。
本実施例のように、排気口の位置に吹出しダクトと一体化させたL字状の排気ダクトを便座2a後側面に配置することで、便座2a内部に循環する温風の流れ方向に対して吸入口14が垂直となるため、便座2a内部を循環してきた温風の流れを阻害せずスムースに便座2a外部へ排気することができる。
従って、通風ダクト9付近の熱の滞留をさらに抑制できるため、便座2a後方での温度ばらつきをより少なくでき、便座2a内部に流入させる温風の送風量を増やし便座2aをより短時間に暖めることができる。
そして、便座2a内部に位置する吸入口14の開口形状が、一端を便座2a開口部後端の接線上に、他端を便座2a奥端近傍となるよう設定することで、便座2a後方部全体に温風が流れより均一に暖めることができる。
【0023】
便座2a内周面側の流出口12側面から便座2a開口部にかけて遮蔽板18を配置しているため、便座2a内部を循環してきた温風が吸入口14から便座外部に排気させきれずに再度便座2a内部を循環することになっても、流出口12から送風される温風の流れを阻害することがなく、所定位置に温風を送風し便座2aを暖めることができる。
【0024】
便座2a中央部から先端部にかけて仕切板19a、19bを配置することで、流出口12から送風される温風の流速が速くても便座2a外周面に温風が偏ることなく便座2a内周面側にも送風することができ、便座2a全体を均一に加熱することができる。
また、便座2a後方部の形状が楕円形状等で形成されていない場合でも、便座2a後方部に仕切板19cを配置することにより、便座2a後方部にて温風が停滞することなくスムーズに吸入口14まで送風して便座2a後方部を均一に加熱することができる。
【0025】
吸出口15の延長線上に相当する本体ケース7aの前側面に、吸出口15から排気された温風を本体ケース7a内に取り込む吸気口(図示しない)を設けることにより、便座2a内部を循環し便座2a外部に排気された低温化した温風を回収し、再度加熱して便座2a内部に送風することで、消費電力を削減できるため、経済性が向上する。
【0026】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
本実施例においては、吹出しダクトと排気ダクトを一体成形した通風ダクトを便座後側面に配置したが、吹出しダクトを便座後側面に配置しその近傍に排気口を設ける、吹出しダクトと排気ダクトを別々に便座後側面に配置する、など様々な形態が考えられる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、便座の清掃性に優れ、且つ便座表面を効率良く暖める暖房便座装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる暖房便座装置を示す、上面からみた透視図である。
【図2】(a)同、A−A´部断面図、(b)同、B−B´部断面図である。
【図3】従来技術記載の暖房便座装置を示す、上面図である。
【符号の説明】
1(1a、1z):暖房便座装置、
2(2a、2z):便座、
3(3a、3z):送風ファン、
4(4a、4z):温風ヒータ、
5:制御部、
6:送風ダクト、
7(7a、7z):本体ケース、
8:送風口、
9:通風ダクト、
11:流入口、
12:流出口、
13:送風路、
14:吸入口、
15:吸出口、
16:排気路、
17:断熱層、
18:遮蔽板、
19(19a、19b、19c):仕切り板、
20(20a、20b):ヒンジ
Claims (10)
- 空気を送風する送風ファンと、
前記送風ファンにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト内に配置された温風ヒータと、
前記送風ファンと前記温風ヒータを収納する本体ケースと、
該本体ケースの前側面に配置され前記送風ダクトと連通した送風口と、
前記本体ケースの前方に配置され内部が空洞化した便座と、
該便座後側面に配置され、一端の流入口から前記送風口より吹き出された温風を流入し、他端の便座内部の内表面とは非接触に突出した流出口から前記便座内部に温風を送風する中空状の吹出しダクトと、
該吹出しダクトに隣接して配置され前記便座外部に温風を排気する排気口と、
から構成されたことを特徴とする暖房便座装置。 - 前記吹出しダクトの上方または下方に前記排気口を配置したことを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
- 前記流出口の側面に、前記流出口から前記便座内部の内周面近傍まで延びた遮蔽版を配置したことを特徴とする請求項1乃至2いずれか1項記載の暖房便座装置。
- 前記便座内部に前記便座内周面側へと温風を導く仕切り板を配置したことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の暖房便座装置。
- 一端の吸入口から温風を流入し他端の吸出口から前記便座外部に温風を排気する中空状の排気ダクトを、前記便座内へ突出するよう前記排気口に配置したことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の暖房便座装置。
- 前記排気ダクトは前記便座内表面とは非接触に配置されたことを特徴とする請求項5記載の暖房便座装置。
- 前記吹出しダクトは前記排気ダクトよりも前記便座内部に長く突出することを特徴とする請求項5乃至6いずれか1項記載の暖房便座装置。
- 前記流出口と前記吸出口は異方向に配置されたことを特徴とする請求項5乃至7いずれか1項記載の暖房便座装置である。
- 前記吹出しダクトと前記排気ダクトとの隣接部に断熱層を配置したことを特徴とする請求項5乃至8いずれか1項記載の暖房便座装置。
- 前記吹出しダクトと前記排気ダクトを一体に成型したことを特徴とする請求項5乃至9いずれか1項記載の暖房便座装置。
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2002
- 2002-09-12 JP JP2002266800A patent/JP2004097677A/ja active Pending
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