JP4099821B2 - 暖房便座装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、便座表面を暖める暖房便座装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
近年、便座表面を予め暖めておくことで冬場などの気温が低い時期でも使用者が快適に便座に着座し排便することができる暖房便座装置が広く普及している。図8に示すような本体ケース6zと回動自在のヒンジ14にて接続され、中空構造にて形成された便座2zの内部に、チューブヒータや面状ヒータなど電圧(AC100V)を印加することにより発熱する便座加熱手段12を収納し、本体ケース6z内部には便座加熱手段12の発熱量を制御する制御部5zを備え、本体ケース6zと便座2zが電気コード13による接続で取り外しが不可能な暖房便座装置1zが主流であるが、清掃性の向上を図るため特開平5−237047では、本体ケースと便座を回動可能に接続するヒンジの内部を中空構造とし、本体ケースからヒンジ内部を介して便座後方部から内部に温風を送風・循環して便座を暖める温風加熱式の暖房便座装置が提案されている。
また、実開昭58−187398では、便座外周面に温風が均一に送風されるよう便座内部に仕切り板を配置し、便座外周面に設けられた開口部から人体に温風を送風する温風便座も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、便座後方部から内部に温風を送風し暖めようとした場合、送風する温風の風量を多くし風速を上げて短時間にて便座を暖めようとすると、便座先端側で遠心力が働き便座外周面側に熱が偏り内周面をほとんど暖めることができずに温度ムラが生じる。
そのため、そこに着座した使用者は冷たさを感じ不快となる。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、便座内部に効率良く温風を送風して便座表面を暖める暖房便座装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決する為、請求項1記載の発明は、空気を送風する送風ファンと、該送風ファンにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト内に配置された温風ヒータと、送風ファンの回転数と温風ヒータの発熱量を制御する制御部と、前記送風ファンと前記温風ヒータと前記制御部を収納する本体ケースと、該本体ケースの前側面に配置され前記送風ダクトと連通した送風口と、前記本体ケースの前方に配置され内部が空洞化した便座と、該便座内部に送風された温風が、前記便座の外周面から内周面に向かうように記便座内部に配置された仕切り板と、前記便座内部に送風された温風を前記便座外部に排気する排気口と、から構成され、前記仕切り板の上端部と前記便座の表面下部との間に空隙を設けたことを特徴とする暖房便座装置である。
【0006】
便座後方部から内部に温風を送風し暖めようとした場合、便座の内部に送風された温風の流れ方向に沿って便座の外周面から内周面に向かうよう便座内部に仕切り板を配置することにより、温風の風速が速くても温風の流れ方向が規制されて便座内部に温風が均一に流れるようにすることができ、その結果、便座表面を均一に暖めることができる。従って、そこに着座した使用者は冷やり感や温度ムラを感じずに快適に排便することができる。
仕切り板上端部と便座の表面下部が接触していると、仕切り板が熱伝導性に優れた金属材料で形成されている場合、その部分の便座表面は周囲と比べて高温状態に至り、仕切り板が断熱性に優れた樹脂材料で形成されている場合、その部分の便座表面は周囲と比べて低温状態に至る。従って、仕切り板の上端部と前記便座の表面下部との間には空隙を設けることが好ましい。また、ポリプロピレンやABSなどの樹脂材料を用いて便座を形成する場合でも、便座の肉厚を薄くして柔軟性を持たせることにより、やわらかい座り心地の良い便座を使用者に提供できる。その時、予め仕切り板の上端部と便座の表面下部との間に適当な空隙を設けておくことで、便座の歪み度合いを一定にすることができるため、便座の歪み過ぎによる破損を防止して便座の荷重強度を向上させることができる。仕切り板の上端部と便座の表面下部との間の空隙は、便座の歪み度合いと仕切り板による温風方向の制限が可能な範囲で設定すれば良い。
【0007】
上記課題を解決する為、請求項2記載の発明は、空気を送風する送風ファンと、該送風ファンにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト内に配置された温風ヒータと、送風ファンの回転数と温風ヒータの発熱量を制御する制御部と、前記送風ファンと前記温風ヒータと前記制御部を収納する本体ケースと、該本体ケースの前側面に配置され前記送風ダクトと連通した送風口と、前記本体ケースの前方に配置され内部が空洞化した便座と、該便座内部に送風された温風が、前記便座の外周面から内周面に向かうように記便座内部に配置された仕切り板と、前記便座内部に送風された温風を前記便座外部に排気する排気口と、から構成され、前記便座の内部に温度が異なる温風を交互に送風することを特徴とする暖房便座装置である。
便座後方部から内部に温風を送風し暖めようとした場合、便座の内部に送風された温風の流れ方向に沿って便座の外周面から内周面に向かうよう便座内部に仕切り板を配置することにより、温風の風速が速くても温風の流れ方向が規制されて便座内部に温風が均一に流れるようにすることができ、その結果、便座表面を均一に暖めることができる。従って、そこに着座した使用者は冷やり感や温度ムラを感じずに快適に排便することができる。
便座内部に高温と低温の温風を交互に送風することにより、より速く均一に暖めることができる。本体ケースや送風経路、便座を形成する材料の耐熱性を考慮すると高温時の温風温度は60〜70℃程度が好ましく、低温時の温風は使用者が着座した時に暖かく感じる30〜40℃程度が好ましい。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記送風口からの温風を一端から流入させ他端から前記便座内部に送風する中空状の吹き出しダクトを、前記便座の内表面とは非接触に突出するよう前記便座の後側面に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の暖房便座装置である。
便座の内表面とは非接触に突出する中空状の吹き出しダクトを便座の後側面から挿入・配置し、送風口から送風された温風を吹き出しダクトを介して便座の内部に送風することで、便座内部に送風される温風の風速が急激に低下することを抑制できる。その結果、吹き出しダクトから送風される温風の風速が遅くても、便座後方の熱の偏りを抑制し便座の中央から先端側を暖めることができ、使用者が便座に着座した時に十分な暖房感が得られ、また、高温による火傷を防止できるため安全性が向上する。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記仕切り板により温風の方向が制限される開始点は、便座内周面側の風路断面積をSsi、便座外周面側の風路断面積をSsoとすると、Ssi>Ssoとなるよう前記便座の内部に前記仕切り板が配置されたことを特徴とする請求項 1 乃至3いずれか1項記載の暖房便座装置である。
温風の方向が制限される開始点において便座内周面側の風路断面積Ssiを便座外周面側の風路断面積Ssoより大きくすることで、便座外周面側の風路の圧力損失が大きくなり遠心力による便座外周面側に偏る温風の流れを便座中央部付近に変えることができる従って、便座中央部表面を暖めることができる。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記仕切り板により温風の方向の制限が解除される最終点は、便座内周面側の風路断面積をSei、便座外周面側の風路断面積をSeoとすると、Sei<Seoとなるよう前記便座の内部に前記仕切り板が配置されたことを特徴とする請求項 1 乃至4いずれか1項記載の暖房便座装置である。
温風の方向の制限が解除される最終点において便座内周面側の風路断面積Seiを便座外周面側の風路断面積Seoより小さくすることで、便座内周面側の風路の圧力損失が大きくなり便座内周面側に温風の流れを集中させることができる。従って、便座内周部表面を暖めることができる。
【0011】
請求項6記載の発明は、排泄するため前記便座の中央に設けられた開口部の中心点を通過し、前記開口部の長手方向に延長した境界線1を軸として前記便座を左右対称に区分した時、どちらか片側の前記便座の後側面に前記吹き出しダクトを配置し、他側の前記便座の内部に前記仕切り板の開始点を配置したことを特徴とする請求項3記載の暖房便座装置である。
吹き出しダクトを便座後方の両端部に複数配置して、排気口を便座後方の略中央部に設けて吹き出しダクトから温風を吹き出し便座を暖房しても良いが、その場合、本体ケースに収納される機構・制御部品の増加により本体ケースが大型化する。また、温風ヒータや送風ファンを多用する場合、個々の仕様のバラツキを考慮する必要があるため、左右均等に温風を送風するには制御が複雑化する。そこで、どちらか片側の便座の後側面に吹き出しダクトを配置し、便座先端部を経由して開口部の略後端部に温風が集中するよう他側の便座内部に仕切板を配置することで、使用者が着座した時に皮膚と便座の接触する面積が多い便座表面を効率良く暖めることができる。その結果、本体ケースに収納される機構・制御部品の点数を削減することができるため、本体ケースのコンパクト化が図れるとともに、制御性が向上する。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記吹き出しダクトの側面に、前記便座の内部を循環し後方から送風される温風を遮断する遮蔽版を設けたことを特徴とする請求項3記載の暖房便座装置である。
便座内周面側に相当する吹き出しダクトの後方から便座内部を循環した温風が送風されると、吹き出しダクトから送風される温風の方向が便座の外周面側に偏る。便座内周面側の吹き出しダクト先端部側面に、便座の内部を循環し後方から送風される温風を遮断する遮蔽版を設けることにより、吹き出しダクトから送風される温風が循環し後方から送風される温風の影響で乱流になり、吹き出しダクト出口付近で熱の滞溜を起こすことがないため、所定の方向へ温風を送風することができる。また、吹き出しダクト先端部側面全体に、便座の内部を循環し後方から送風される温風を遮断する遮蔽版を設けることにより、便座内部を循環し低温化した温風を便器内に排気すれば便器内の空間温度が多少上昇し、使用者が便座に着座中に便器からの放射冷却により局部が冷やされることはない。
【0013】
請求項8記載の発明は、使用者が着座する前記便座の表面部の肉厚を1mm以上2mm以下としたことを特徴とする請求項 1 乃至7いずれか1項記載の暖房便座装置である。
本発明の暖房便座装置は、便座内部に仕切り板を設けて使用者が着座した時の荷重を受けるようにしているため、使用者が着座する便座の表面部の肉厚を薄くして、柔らかい座り心地を使用者に提供することができる。また、便座の肉厚は薄ければ薄いほど均熱・即暖性が向上し、省エネを図ることができる。しかしながら、ポリプロピレンやABSなどの樹脂材料を金型に注入し成形される便座は、肉厚を薄くしようとすると金型に流し込む樹脂の流れる距離に対する厚みが小さくなる。そのため、樹脂の流動性が低下して厚みにばらつきが生じて歪みや亀裂が発生する。従って、製造性や耐荷重性を考慮すると便座の肉厚は1mm以上が好ましく、均熱・即暖性を考慮すると2mm以下が好ましい。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本発明にかかる暖房便座装置の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
(第一実施形態)
図1は本発明の暖房便座装置1aの第一実施形態を示す、上面からみた透視図、図2は同、(a)A−A´拡大断面図、(b)B−B´拡大断面、図3は同、送風温度状態を示すタイミングチャート、図4は同、制御方法を示すタイミングチャートである。
図1に示す暖房便座装置1aは、空気を送風する送風ファン3aと、送風ファン3aにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト内に配置された温風ヒータ4aと、送風ファン3aの回転数と温風ヒータ4aの発熱量を制御する制御部5aと、送風ファン3aと温風ヒータ4aと制御部5aを収納する本体ケース6aと、本体ケース6aの前側面に配置され送風ダクトと連通した送風口7aと、本体ケース6aの前方に配置され内部が空洞化した便座2aと、から構成されている。
そして、本体ケース6a前側面に配置された送風口7aと連通するよう送風ダクトが接続され、その通風路に送風ファン3a、温風ヒータ4aが配置され、送風ファン3aの回転方向により送風口7aから所定の温度まで温風ヒータ4aにて加熱された温風が、便座2aの長手方向の延長線上に相当する後方部の側面に配置された吹き出しダクト8aを介して、便座2aの内部へ送風される。
便座2aの内部へ送風された温風は便座2aの先端部を経由して便座2a後方へと循環する。
そして、便座2a内部を循環し低温化した温風は、吹き出しダクト8aの便座2aの後側面に設けられた排気口9aより便座2a外部へと排気される。
便座2a内部に位置する吹き出しダクト8aの先端部は、便座2aの略中央部に排泄するため設けられた開口部の中心点を基準として開口部の長手方向、且つ開口部の奥方向の端面部の接線を境界線2とすると、境界線2より便座2aの先端方向側に突出するよう配置している。
【0015】
このように、境界線2より便座2aの先端方向側に突出するよう吹き出しダクト8aの先端部を配置することで、吹き出しダクト出口で圧力損失により風速が低下し便座後方部に熱が偏ることを抑制できる。
そして、便座2aの先端方向に向かう温風の風量を多くし、使用者が着座した時に臀部や大腿部が接触する便座2aの中央から先端側の便座2a表面を効率良く上昇させることができる。
従って、使用者が便座に着座した時に十分な暖房感が得られ、また、高温による火傷を防止できるため安全性が向上する。
【0016】
便座2a内部には複数の仕切り板10a、10b、10cが配置されており、仕切り板10a、10b、10cの開始点において、便座2a内周面側の風路断面積Ssiを便座2a外周面側の風路断面積Ssoより大きくしているため、便座2a外周面側の風路の圧力損失が大きくなり遠心力による便座外周面側に偏る温風の流れを便座中央部付近に変えることができ、便座中央部表面を暖めることができる。
また、仕切り板10a、10b、10cの最終点において、便座2a内周面側の風路断面積Seiを便座2a外周面側の風路断面積Seoより小さくしているため、便座2a内周面側の風路の圧力損失が大きくなり便座内周面側に温風の流れを集中させることができ、便座内周部表面を暖めることができる。
このように、便座2a内部に温風の方向を制限する仕切り板10a、10b、10cを配置することにより温風方向が規制されて便座2a内部に温風が均一に流れるようにすることができる。
その結果、便座表面を均一に暖めることができる。
【0017】
仕切り板10a、10b、10cの上端部は便座2aの表面下部とは接触させずに空隙を設けているため、仕切り板に蓄熱された熱が便座2a表面に伝熱することはない。
従って、仕切り板上端部に相当する便座2a表面の温度は、その周囲の表面温度と比較して高温状態または低温状態に至ることはない。
また、ポリプロピレンやABSなどの樹脂材料を用いて便座を形成する場合でも、便座の肉厚を薄くして柔軟性を持たせることにより、やわらかい座り心地の良い便座を使用者に提供できる。
その際、仕切り板は気泡率が高く柔軟性に優れた発泡樹脂材料、ゴムやエラストマー等の弾性体にて形成することが好ましい。
使用者が着座する便座2aの表面部の肉厚は製造性や耐荷重性を考慮すると便座の肉厚は1mm以上が好ましく、均熱・即暖性を考慮すると2mm以下が好ましい。
そして、予め仕切り板の上端部と便座の表面下部との間に適当な空隙を設けておくことで、便座の歪み度合いを一定にすることができるため、便座の歪み過ぎによる破損を防止して便座の荷重強度を向上させることができる。
仕切り板の上端部と便座の表面下部との間の空隙は、便座の歪み度合いと仕切り板による温風の流れ方向の制限が可能な範囲で設定すれば良い。
仕切り板の形成材料としては発泡樹脂材料の他に、便座形成材料(ポリプロピレンやABS等)と同じにすることで一体に成形することもできるし、加工性に優れ熱伝導率の高い金属材料(アルミニウムや銅等)を用いることで送風される温風の熱の吸収率を向上させることもできる。
仕切り板を便座と一体にて成形する場合、上記理由より仕切り板の上端部と便座の表面下部との間に適当な空隙を設ける必要があるため、底板に相当する面に形成することが好ましい。
従って、便座成形後の冷却時間差による引けは便座裏面にしか生じることが無いため、便座表面の外観(光沢の均一性)は維持される。
【0018】
吹き出しダクト8aから便座2aの内部へ温風を送風する時、一定の温度・風量にて温風を送風し便座2aを暖めても良いが、図3に示すタイミングにて、吹き出しダクト8aから便座2aの内部に温度が異なる温風を交互に送風することが好ましい。
送風開始時(T1期間)は、高温の温風を送風する時間(t1)は低温の温風を送風する時間(t2)より長くして、便座の温度が目標となる温度に近づいてきたら(T3期間)、t1よりt2を長くすることにより、より速く均一に暖めることができる。
本体ケースや送風経路、便座を形成する材料の耐熱性を考慮すると高温時の温風温度は60〜70℃程度が好ましく、低温時の温風は使用者が着座した時に暖かく感じる30〜40℃程度が好ましい。
温風温度を変更する方法としては、制御部5aにより送風ファン3aの回転数は一定にして温風ヒータ4aの発熱量を可変させても良いし、温風ヒータ4aの発熱量は一定にして送風ファン3aの回転数を可変させても良い。
【0019】
(第二実施形態)
図5は本発明の暖房便座装置1bの第二実施形態を示す上面からみた透視図、図6は同変形例を示す上面からみた透視図である。
尚、前記第一実施形態と同様に、本体ケース6a内部に構成した部材およびその構成については詳細説明を省略する。
図5に示す暖房便座装置1bは、排泄するため便座2bの中央に設けられた開口部の中心点を通過し、開口部の長手方向に延長した境界線1を軸として便座2bを左右対称に区分した時、片側の便座2bの後側面に吹き出しダクト8bを配置し、開口部の略後端部に温風が集中するよう他側の便座2bの内部に仕切り板10d、10e、10fの開始点を配置している。
従って、使用者が着座した時に皮膚と便座の接触面積が多い便座表面部を効率良く暖めることができるとともに、本体ケースに収納される機構・制御部品の点数を削減することができるため、本体ケースのコンパクト化が図れるとともに、制御性が向上する。
【0020】
また、吹き出しダクト8bの先端部側面に、便座2bの内部を循環し後方から送風される温風を遮断する遮蔽版11aが便座2b内周面側に設けているため、吹き出しダクト8bから所定の方向へ温風を送風することができる。
遮蔽版11aと便座2bの内周面が交錯する付近に排気口9bを設けているため、便座2b後方の内周部表面に集中的に温風が流れ、効率よく暖められる。
そして、便器ボール面に向かって低温化した温風が排気されるため使用者が着座した時、便座だけでなくその周囲にも暖かさを感じることができる。
【0021】
(変形例)
図6に示す暖房便座装置1cは、吹き出しダクト8cの先端部側面全体に、便座2cの内部を循環し後方から送風される温風を遮断する遮蔽版11bを、吹き出しダクト8cと略対称となる便座2cの後側面に排気口9cを設けている。
そのため、吹き出しダクト8cから送風され便座2cの内部を循環し低温化した温風は、便座2c内部に再循環することなく便座2c外部に排気される。
排気口の延長線上に相当する本体ケース側面に吸気口を配置して排気された温風を本体ケースに6aに吸気、温風ヒータ4aにて再度加熱して吹き出しダクト8cから高温の温風のみを便座内部に循環させることにより、より速く便座を暖め、且つ消費電力の低減を図ることができる。
【0022】
(第三実施形態)
図7は本発明の暖房便座装置1dの第三実施形態を示す上面からみた透視図である。
図7に示す暖房便座装置1dは、空気を送風する送風ファン3b、3cと、送風ファン3b、3cにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト内に配置された温風ヒータ4b、4cと、送風ファン3b、3cの回転数と温風ヒータ4b、4cの発熱量を制御する制御部5bと、送風ファン3b、3cと温風ヒータ4b、4cと制御部5bを収納する本体ケース6bと、本体ケース6bの前側面の両端に配置され送風ダクトと連通した送風口7b、7cと、本体ケース6bの前方に配置され内部が空洞化した便座2dと、から構成されている。
そして、本体ケース6b前側面に配置された送風口7b、7cと連通するよう送風ダクトが接続され、その通風路に送風ファン3b、3c、温風ヒータ4b、4cが配置され、送風ファン3b、3cの回転方向により送風口7b、7cから所定の温度まで温風ヒータ4b、4cにて加熱された温風が、便座2dの長手方向の延長線上に相当する後方部の両側面に配置された吹き出しダクト8d、8eを介し、便座2dの内部に交互に送風される。
便座2dの内部へ送風された温風は便座2dの先端部を経由して便座2d後方へと循環する。
そして、便座2d内部を循環し低温化した温風は、便座2b後方の略中央部に位置する開口部側面に設けられた排気口9dから便座2d外部へと排気される。
【0023】
便座後方の両端部に吹き出しダクト8d、8eを備えて、そこから交互に温風を送風して便座2dの表面を暖めることもできるが、その場合、吹き出しダクト8d、8eの近くに仕切り板を配置すると温風が便座2d先端まで効率よく送風することができない。
本実施例においては、仕切り板10j、10kを便座先端側のみ配置しているため、吹き出しダクト8d、8eから送風される温風の方向を阻害しない。
従って、仕切り板10j、10kにより便座2d先端側の内周面を暖め、便座全体を均一に暖めることができる。
【0024】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
本実施例においては、仕切り板を複数に分割し配置しているが、便座形状や吹き出しダクトから送風される温風の方向に応じて1枚の長い仕切り板を配置しても良い。
また、吹き出しダクトの長さが短く先端部が境界線2まで満たない時には、遮蔽版を便座先端方向に向けて斜めに取り付ける、など様々な形態が考えられる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、便座内部に効率良く温風を送風して便座表面を暖める暖房便座装置を提供するを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる暖房便座装置の第一実施形態を示す、上面からみた透視図である。
【図2】 同、(a)A−A´拡大断面図、(b)B−B´拡大断面図である。
【図3】 同、送風温度状態を示すタイミングチャートである。
【図4】 同、制御方法を示すタイミングチャートである。
【図5】 本発明にかかる暖房便座装置の第二実施形態を示す、上面からみた透視図である。
【図6】 同変形例を示す、上面からみた透視図である。
【図7】 本発明にかかる暖房便座装置の第三実施形態を示す、上面からみた透視図である。
【図8】 従来技術記載の暖房便座装置を示す、上面図である。
【符号の説明】
1(1a、1b、1c、1d、1z):暖房便座装置、
2(2a、2b、2c、2d、2z):便座、
3(3a、3b、3c):送風ファン、
4(4a、4b、4c):温風ヒータ、
5(5a、5b、5z):制御部、
6(6a、6b、6z):本体ケース、
7(7a、7b、7c):送風口、
8(8a、8b、8c、8d、8e):吹き出しダクト、
9(9a、9b、9c、9d):排気口、
10(10a〜10k):仕切り板、
11(11a、11b):遮蔽板、
12:便座加熱手段、
13:電気コード
14:ヒンジ
Claims (8)
- 空気を送風する送風ファンと、該送風ファンにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト内に配置された温風ヒータと、送風ファンの回転数と温風ヒータの発熱量を制御する制御部と、前記送風ファンと前記温風ヒータと前記制御部を収納する本体ケースと、該本体ケースの前側面に配置され前記送風ダクトと連通した送風口と、前記本体ケースの前方に配置され内部が空洞化した便座と、該便座内部に送風された温風が、前記便座の外周面から内周面に向かうように記便座内部に配置された仕切り板と、前記便座内部に送風された温風を前記便座外部に排気する排気口と、から構成され、前記仕切り板の上端部と前記便座の表面下部との間に空隙を設けたことを特徴とする暖房便座装置。
- 空気を送風する送風ファンと、該送風ファンにより送風された空気を加熱し温風とするため送風ダクト内に配置された温風ヒータと、送風ファンの回転数と温風ヒータの発熱量を制御する制御部と、前記送風ファンと前記温風ヒータと前記制御部を収納する本体ケースと、該本体ケースの前側面に配置され前記送風ダクトと連通した送風口と、前記本体ケースの前方に配置され内部が空洞化した便座と、該便座内部に送風された温風が、前記便座の外周面から内周面に向かうように記便座内部に配置された仕切り板と、前記便座内部に送風された温風を前記便座外部に排気する排気口と、から構成され、前記便座の内部に温度が異なる温風を交互に送風することを特徴とする暖房便座装置。
- 前記送風口からの温風を一端から流入させ他端から前記便座内部に送風する中空状の吹き出しダクトを、前記便座の内表面とは非接触に突出するよう前記便座の後側面に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の暖房便座装置。
- 前記仕切り板により温風の方向が制限される開始点は、前記便座内周面側の風路断面積をSsi、前記便座外周面側の風路断面積をSsoとすると、Ssi>Ssoとなるよう前記便座の内部に前記仕切り板が配置されたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の暖房便座装置。
- 前記仕切り板により温風の方向の制限が解除される最終点は、前記便座内周面側の風路断面積をSei、前記便座外周面側の風路断面積をSeoとすると、Sei<Seoとなるよう前記便座の内部に前記仕切り板が配置されたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の暖房便座装置。
- 排泄するため前記便座の中央に設けられた開口部の中心点を通過し、前記開口部の長手方向に延長した境界線1を軸として前記便座を左右対称に区分した時、どちらか片側の前記便座の後側面に前記吹き出しダクトを配置し、他側の前記便座の内部に前記仕切り板の開始点を配置したことを特徴とする請求項3記載の暖房便座装置。
- 前記吹き出しダクトの側面に、前記便座の内部を循環し後方から送風される温風を遮断する遮蔽版を設けたことを特徴とする請求項3記載の暖房便座装置。
- 使用者が着座する前記便座の表面部の肉厚を1mm以上2mm以下としたことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の暖房便座装置。
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