JP2004097062A - 培地カバーフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、培地の種類に関係なく広く使用が可能で、施工や運搬が簡便で、培地温度が外気温度に左右されにくく、かつ温度調整がし易く、廃液を圃場内に垂れ流さず再利用できる安価な培地被覆材及び方法を提案するものである。
【解決手段】本発明の培地カバーフィルムは、二つ折りした適当な厚みの適量耐候剤を混入したポリオレフィン系樹脂フィルムの内面適当な位置に不織布又は網又は適当な有孔穴を有すポリオレフィン系樹脂フィルム等の透水性材料を張りわたし、排水層と栽培層を同一フィルムで構成する。本発明の培地カバーフィルムの少なくとも栽培層は2層以上のフィルムを重ねた構成とし、その中間領域に適温の流体を通すことで温度調整機能をもたせる。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂フィルムを素材とした養液栽培の培地被覆カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
慣行の土耕栽培より起こる連作障害回避と収穫や移植時の作業姿勢改善を目的に、従来から水耕栽培やロックウールなど固形培地を使用した養液栽培技術が開発されたが、コスト高と栽培技術の難解さより、慣行栽培に採って代わる程普及してこなかった。最近では、土や杉皮や椰子殻、籾殻など安価で身近に手に入る素材を培地として用い、養液栽培を行う技術が開発されており、栽培技術と培地の低コスト化は確立されつつあるが、施工が簡便で、培地温度が外気温度に左右されにくく、廃液を圃場内に垂れ流さず再利用できる安価な培地被覆材及び方法が求められている。
【0003】
土壌を使わない植物栽培法としては、特公昭51−1607号公報、実開昭61−158138号公報などが提示されている。特公昭51−1607号公報(特許文献1)の「植物栽培用ベッド」は非透水性材料の外周壁形成体と透水材料で構成された内周壁形成体を、正断面形状の深さが異なるように二重樋状に形成させると共に内周壁形成体が水平状でかつ樋状外周壁形成体底面部が水平面に対して一連の傾斜を保有せしめるように構成したものである。この発明は透水材料で構成された内周壁形成体を介在させることにより、培地の排水性をうながして根腐れ等を防止する効果があるものの、樋状外周壁形成体と内周壁形成体を組み合わせて使わなくてはならない煩雑さや、剛性の樋状材料のベッドであるため運搬交換を行なう場合に嵩張ったり場所を取ったの不具合があった。また、実開昭61−158138号公報(特許文献2)の「植物栽培装置」にはベッド内に必要に応じて漏水防止フィルムが敷かれ、その上に培地が充填され、ベッドの底には水路が形成され、培地に外部から液肥を供給するようにした植物栽培装置において、ベッドの水路の上に水分は通すが植物の根は侵入できない特性のフィルムを被せたことを特徴とする植物栽培装置が示されている。これも透水性のフィルムを水路との間に介在させることで、培地の排水性をうながして根腐れ等を防止する効果があるものの、設備としては樋状のベッドと水路を設置しておくことが前提であり、簡便な植物栽培装置を提供するものではない。
【0004】
また、実開昭57−43056号公報(特許文献3)の「フィルム溶液栽培装置」には図9のイ、ロに示すように合成樹脂フィルムAの折返し部上方にヒートシール部1を設け、上端付近の内面にプラスチックファスナー2を設け、該ファスナー下側に適当間隔を存して穿孔3を設け、該穿孔3に釣具4を通して図のハに示すようにフィルムAを吊り上げるようにしたフィルム溶液栽培装置が提示されている。この装置は設備として加工したフィルムを素材としたもので、その設置についても釣具4と脚5を準備すればよく、設備的には簡便で低コストで実施できるものであるが、これは基本的に培地用ではなく水耕栽培用である。これを培地用に転用しようとすると排水機能が無く根腐れを起こしてしまう。一見Bが排水管機能を果たすように見えるがこの部分はヒートシール1がなされており、透水性がありません。因みに、このパイプは排水用ではなく温水等を流すことで温度調整機能をもたせるものである。
【0005】
【特許文献1】
特公昭51−1607号公報(第3欄,第1図、第2図)
【特許文献2】
実開昭61−158138号公報(第1頁,第4図)
【特許文献3】
実開昭57−43056号公報(第1頁,第2図、第3図、第4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような状況のもとで、本発明の課題は、培地の種類に関係なく広く使用が可能で、施工や運搬が簡便で、培地温度が外気温度に左右されにくく、かつ温度調整がし易く、廃液を圃場内に垂れ流さず再利用できる安価な培地被覆材及び方法を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の培地カバーフィルムは、二つ折りした適当な厚みの適量耐候剤を混入したポリオレフィン系樹脂フィルムの内面適当な位置に不織布又は網又は適当な有孔穴を有すポリオレフィン系樹脂フィルム等の透水性材料を張りわたし、排水層と栽培層を同一フィルムで構成する。培地に緑藻を発生させないように、フィルム材として適当な耐候剤或いはアルミ又はカーボン又は酸化チタンを単層又は多層に混練り又は塗布又は蒸着又はスパッタリングし、遮光率を50%以上にしたものを採用する。
本発明の培地カバーフィルムの少なくとも栽培層は2層以上のフィルムを重ねた構成とし、その中間領域に適温の流体を通すことで温度調整機能をもたせる。また、この中間領域に支持用の竿を通すことで簡便な支持機構となり、竿が適当な弁付きチューブであるときはこれから適温の流体を供給することで温度調整機能をもたせることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は培地をカバーした状態で長期間の使用に耐え、且つ、安価な材料として、耐水性を有し引っ張り強度に優れたポリオレフィン系樹脂フィルムを用いるものとし、該フィルムの両端部を保持させて中に培地を盛り込むものとし、排水性と防根作用と培地の流出防止機能をもたせるため、底部には不織布、メッシュ材、多孔素材といった素材を介在させ、その下に排水路を形成することに想到したものである。具体的な素材としては図1に示したように100〜200μm厚で、幅70cm〜1.5mの適当な耐候剤混入のポリエチレンフィルム1を培地カバーとして適当に二つ折りし、折れ目より10〜20cm位置に、培地の崩落と排水と防根を目的とした適当な不織布2または孔径1.5〜5mmの有孔フィルムまたは網目1.5〜3mmの適当なネットを両端辺2〜5cm幅熱溶着3または接着して3〜20cm幅で張りわたし、排水溝となる排水層1bと培地を収納する栽培層1aを同一フィルム1で構成する培地カバーを提供するものとした。カバーに使用するポリエチレンフィルムには酸化チタンやアルミやカーボンを混入または蒸着またはスパッタリング等をして遮光性を持たせたものを用いると、培地に緑藻が発生しなくてよく、マルチ(土の温度上昇を抑制するフィルム)も不要になる。又、農業ハウス外張りフィルムに使用している耐候剤入りフィルムを使用すると長期使用に耐え、廃棄処理に伴うゴミの排出量を少なくする効果もある。
【0009】
培地カバーフィルムとして、図2に示したように幅70cm〜1.5mの適当な耐候剤混入ポリエチレンフィルム1を二枚重ねしたものを二つに折って、折れ目より10〜20cmの位置に、幅2〜5cmの適当な不織布2または孔径1.5〜5mmの有孔フィルムまたは網目1.5〜5mmの適当なネットの両端辺を2〜5cm幅熱溶着3または接着して張りわたした形態をとったものは、二枚重なった培地を収納する部分が閉領域となることを利用し、この閉領域を通路として適当な径の弁を介し適温の水または空気といった流体を流すように構成して、冬季は温水または温風を、夏季は冷水または冷風を流通させることにより培地の異常高温や低温を防ぐ温度調整機能を備えた培地カバーを提供する。二枚重ねに用いるカバーフィルムは内側外側で着色や肉厚及び材質の異なるものを適宜組合せて用いることができる。
【0010】
本発明は、培地カバーの素材として薄い肉厚のフィルム状のものを用い、同一フィルムで培地容器としての栽培層と排水層を一体的に有し、軽くて、最小の材料で培地カバーを構成するようにしたので低コストで提供でき、しかも設置については該フィルムの両端辺を適宜の手段で保持させればよく、その設置作業が簡便で、例えば芭の高設栽培装置に極めて適したものである。適当な深さの排水層を有しているので、培地カバー設置時、特に傾斜を設けなくても廃液を流出させることができ、廃液を無為に圃場内に垂れ流すことなく一個所に集め容易に再利用に供することが可能である。排水層と栽培層を不織布等の橋渡し形態で分離しているので、培地内に植えた植物の根が排水層まで進出せず、潅水した溶液や水が不織布を通じて排水でき、培土を排水層に流出させない機能を備えたものとなっている。又不織布の橋渡しの幅は排水機能に影響するので、作物の種類に応じ潅水量の多少や栽培作物の根の繁茂状況を予測して、培地底面に廃液が必要以上に停滞しないように、その幅を適当に設定するようにする。
【0011】
本培地カバーは、土の上に直接設置したり、パイプや木材を用いて地面より切り離して高い位置に取り付けることもでき、培地の素材に関わりなくどんな培地を使用しても養液栽培ができる。栽培層側面を二重にして、そこに空気や水を注入しておくだけでも、夜間の培地温の低下を防ぐ作用が働き、特に冬期の栽培に適した環境を作ることができ、温暖管や中暖房器具が不要になる。又、夏期には、冷水や冷気を入れると培地温の必要以上の高温化が防げ、夏期の冷房設備が不要になったり、小規模なもので対応できるようになる。本培地カバーに透明のフィルムを使用すると、根の生育状況や排水状況を観察することができ、栽培研究にに役立つ。また、夏期の高温期に、培地量が少ないため地温が上昇し易く、太陽熱消毒が容易にでき、土壌消毒薬が不要になる利点も有る。
【0012】
次に本発明の試作品による実験結果を紹介する。150μmの厚さ、幅90cmの酸化チタンを混入した遮光率85%のポリエチレンフィルムを、二つ折し、折面より10cm位置に、30〜50g/mの不織布で相対するフィルム内面を幅1cmと3cmに熱溶着してブリッジした培地カバーを二種類試作し、鉄パイプで高さ1.2m、幅20cmの枠を長さ方向水平に鉄パイプを用いて農業用ハウス内に設け、折底面を下にして上記試作品を枠に取り付け、ビートモスと土を混合した培地を設置したカバー内に入れ、培地の上に潅水チューブを配して苺を栽培し、不織布の幅を異にする試作品による排水及び苺の根による排水良否を検討した結果、幅1cmでは、潅水した水が底面で滞水する現象がみられ、幅を広くしてゆくと改善され、幅10cmでは滞水する現象がみらず最もよい状態であった。平成12年10月から平成14年6月まで使用した結果、幅3cm以上のものでは苺の根が排水層を遮ることなく、順調に栽培できることを確認した。
【0013】
【実施例1】
次に苺の高設栽培に適用した本発明の実施例を図を参照しながら説明する。培地カバーのフィルムは図6のAに示したような150μmの厚さで、幅90cmの耐候剤混入のポリエチレンフィルム1を培地カバーとして二つ折りし、折れ目より10cm位置に、幅10cmの50g/mの不織布2を3cm幅で両側を橋渡しするように熱溶着し、排水溝となる排水層1bと培地を収納する栽培層1aを同一フィルム1で構成する培地カバーを提供するものとした。該培地カバーを支承する構造体は図4に示したような35cm幅平行に配置された二本の支持パイプ6でこの二本の支持パイプは概ねX字状に形成された脚部によって、所定間隔毎に支持されている。このような構造体の平行する二本の支持パイプ6に培地カバーのフィルム1の両端辺を巻き付け、図示したような割り筒状の固定具7を用い支持パイプ6に弾性的に固定する。培地カバーのフィルム1は平行する二本の支持パイプ6間で断面V字状の溝部となって延在することになるので、このV字状の溝部に適宜の培地を盛り、苺の苗を植付けする。この培地カバーは一般にはハウス内に設置され、培地の上に配管された潅水チューブから間欠的に適宜の養分を含んだ液が供給される。供給された潅水は培地を潤し、余剰分は不織布を透過して排水溝に排出される。排水溝に排出された余剰潅水は圃場に散失させること無く1ヶ所に集められ、空気を吹き込むなど酸欠による腐敗を防止して鮮度を保ちつつ、再度潅水として利用される。
【0014】
【実施例2】
次にやはり苺の高設栽培に適用した本発明の異なる実施例を図を参照しながら説明する。培地カバーのフィルムは図6のBに示したような150μmの厚さで、幅160cmの耐候剤混入のポリエチレンフィルム1を培地カバーとして二つ折りし、更に該フィルム1の両端部を35cm幅で内側に折り返すと共に折れ目より10cm位置に、幅10cmの50g/mの不織布2を3cm幅で両側を橋渡しするように配置し、折り返されたフィルム1と該不織布2とを重ねた状体で熱溶着し、排水溝となる排水層1bと培地を収納する栽培層1aを同一フィルム1で構成する培地カバーを提供するものとした。先の実施例と大きく異なるのは栽培層1a部分のフィルムが2枚重ねとなっている点である。該培地カバーを支承する構造体は先の実施例と同様に図4に示したような35cm幅平行に配置された二本の支持パイプ6に培地カバーのフィルム1の両端辺を巻き付け、図示したような割り筒状の固定具7を用い支持パイプ6に弾性的に固定してもよいし、この培地カバーでは栽培層1a部分のフィルムが2枚重ねとなっている点を利用して、図2に示したような平行に配置された二本の支持竿を通す支持形態を採用することもできる。
この実施例の特徴は栽培層1a部分のフィルムが2枚重ねとなっている点を利用してこの領域を流体通路として用い、適温の流体を通すことで冬季の加熱機能と夏季の冷却機能をもたせる点である。この温度調整機能によって栽培植物の適温育成が可能となる。この断面V字状の溝状培地の長手方向の一端部に流体供給弁を配置し、他端部に流体排出口を配備する。この供給弁と排出口は別個に設置するのでは無く図3に示すように支持パイプの両端部を加工して兼用して設置することもできる。
【0015】
【実施例3】
次に苺高設栽培用の架台設置の実施例を図5に示す。22mm直径の金属パイプを35cm間隔で平行に二本配置する。該二本のパイプには長さ70cmの脚を所定間隔で両パイプに立て、中間の35cm位置に両側の脚を繋ぐ中継ぎパイプを配置する。地中に沈み込まないように脚先には円盤状の沈下防止金具をつけ安定性を保つ。二本のパイプから12cmの脚の位置に前記パイプと平行にフィルムを保持させるビニペットを外側に開放部を向けて配置する。この苺高設栽培用の架台に吊るす培地カバーは先の実施例に示したものよりフィルム幅が広いもの、すなわち不織布2を橋渡しした位置からフィルム端辺まで50cm程度の長さを持つものを使用する。該フィルム1を前記の平行パイプに掛け端辺を前記ビニペットの位置まで張り、固定スプリングをビニペット溝内の嵌め込んでフィルムを保持固定させる。このスプリングはフィルムを傷つけないように樹脂をコートしたものを使用する。なお、裸のスプリングを使用する時はポリエチレンフィルムを当ててからスプリングを使用する。
使用するフィルムは一重のもの、二重のもの、異なる種類のフィルムを重ね両端辺を熱溶着或いは接着したものいずれのものでも使用できる。この実施例は苺用のものを示したが、トマトやメロン等の栽培にも応用できる。その際培地の量はフィルムの長さ、平行パイプの間隔を適宜変更することで容易に対応できる。図8に示した写真はハウス内に本実施例を施工し、苺高設栽培を実施した現場の状況を写したものである。
【0016】
【実施例4】
以上の実施例はいずれも高設栽培の例であったが、本発明の培地カバーは地面に直接設置する形態でも使用でき、所謂隔離培地カバーとしての使用例をここに示す。不織布等の水透過膜による橋渡しを形成しその下部を排水溝として用いる点は先の例と同様であるが、フィルム両端辺を開放状態ではなく溶着または接着して封止状態とし中に培地を収納する。この培地カバーを図7に示すように地面に作った畝の上に載置し、排水溝を該畝に沿って垂下させる。培地を収納したフィルムの上面の適当位置に穴を空け植物の種を植えて発芽させ、育成栽培する。連作障害を起こす作物の栽培に好適な使用例である。この実施例では上方からの潅水散布は出来ないが、適宜間隔で挿し込まれた潅水チューブから間欠的に潅水を供給する等の方法で供給すればよい。
なお、この実施例では本発明の培地カバーを地面に作った畝の上に載置する形態を示したが、これに限らず、適宜の台の上に載置すると共に、排水溝を垂下させる形態であってもよい。
【0017】
【発明の効果】
本発明の養液栽培用培地カバーフィルムは、二つ折りした耐候剤を混入したポリオレフィン系樹脂フィルムの内面、折返し部から排水溝分を取った適当な位置に不織布又は網又は適当な有孔穴を有すポリオレフィン系樹脂フィルム等の透水性膜材料を3〜20cm幅で張りわたし、排水層と栽培層を同一フィルムで構成したものであるから、必要最小限の資材で構成されており低コストで養液栽培用培地カバーが提供できる。しかも排水装置の設置が不要でありながら、潅水を圃場散失させることなく、1ヶ所に集め再利用が容易に実施できる。
また、フィルム材として耐候剤の他、アルミ又はカーボン又は酸化チタンを単層又は多層に混練り又は塗布又は蒸着又はスパッタリングし、遮光率を50%以上としたものを採用した本発明の培地カバーフィルムは、培地に緑藻が発生することがなく、長期使用が可能となる。
【0018】
少なくとも栽培層フィルム面を、適当なフィルムを重ねて閉空間を形成させた本発明の培地カバーフィルムは、空気または水といった流体を入れておくだけでも保温作用が働き、更に、該閉空間を適温流体の流通路として用いるようにすれば、年中所望温度に調整する機能をもたせることができる。
また、本発明の培地カバーフィルムは、フィルムの両端辺を所定間隔に保持することにより吊り下げ形態で断面V字状の溝として培地を盛り、作物を栽培する形態、フィルムの両端辺を封止して閉空間とし、該閉空間に培地を収納させて台の上に載置すると共に、排水溝を垂下させて作物を栽培する形態など、多様な形態で使用することが出来るので、温度管理のし易い高設栽培、単に連作障害を避けるだけでよいものなど、更には、遮光率を低くして根の発育形態を観察したり、夏場の太陽熱によって土壌消毒剤を用いることなく培地の熱射消毒を実行したり、多様な栽培や所望に適宜対応して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1重のフィルムで形成した本発明の1形態を説明する図である。
【図2】2重のフィルムで培地栽培層を形成した本発明の形態を説明する図である。
【図3】支持竿に流体流入弁と排出口を兼用させた例を示す図である。
【図4】苺高設栽培に本発明を適応した例であり、その支持構造体と培地カバーを保持する形態を示す図である。
【図5】苺高設栽培架台設置例を示す図で、左は支持構造体である架台を示し、右は培地カバーを設置した状態を断面として示したものである。
【図6】本発明の実施例である培地カバーの構成を説明する図で、Aは一重フィルムのBは二重フィルムの実施例である。
【図7】本発明の培地カバーを地面に作った畝に載置する形態例を示す図である。
【図8】ハウス内に図5に示した苺高設栽培架台を施工し苺栽培を実施した現場の状況を写した写真である。
【図9】従来のフィルム溶液栽培装置を説明する図であり、イはフィルムを閉じた断面、ロは開いた斜視図、ハは栽培形態を示す図である。
【符号の説明】
1 ポリオレフィン系フィルム     1a 栽培層
2 不織布              1b 排水層
3 熱溶着部(接着部)
4 培地

Claims (6)

  1. 二つ折りした耐候剤を混入したポリオレフィン系樹脂フィルムの内面、折返し部から排水溝分を取った適当な位置に不織布又は網又は適当な有孔穴を有すポリオレフィン系樹脂フィルム等の透水性膜材料を3〜20cm幅で張りわたし、排水層と栽培層を同一フィルムで構成することを特徴とする養液栽培用培地カバーフィルム。
  2. フィルム材として耐候剤の他、アルミ又はカーボン又は酸化チタンを単層又は多層に混練り又は塗布又は蒸着又はスパッタリングし、遮光率を50%以上にしたものを採用した請求項1に記載の培地カバーフィルム。
  3. 少なくとも栽培層フィルム面を、適当なフィルムを重ねて閉空間を形成させた請求項1または2に記載の培地カバーフィルム。
  4. フィルムを重ねて形成させた閉空間を適温流体の流通路として用いることにより、温度調整機能を備えたことを特徴とする請求項3に記載の培地カバーフィルム。
  5. フィルムの両端辺を所定間隔に保持することにより吊り下げ形態で断面V字状の溝として培地を盛るものである請求項1乃至4のいずれかに記載の培地カバーフィルム。
  6. フィルムの両端辺を封止して閉空間とし、該閉空間に培地を収納させて台の上に載置すると共に、排水溝を垂下させて使用するものである請求項1乃至4のいずれかに記載の培地カバーフィルム。
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