JP2004095847A - 電磁波シールドガスケットおよびその製造方法 - Google Patents

電磁波シールドガスケットおよびその製造方法 Download PDF

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清原 好晴
Takahiko Yoshida
吉田 隆彦
Haruhide Go
呉 東英
Yoshiyuki Yamamoto
山元 禎之
Shinichi Sato
佐藤 真一
Kijun Toyokawa
豊川 貴淳
Yoshinori Maekawa
前川 佳範
Kazuo Yano
矢野 和夫
Sumio Sugimoto
杉本 澄雄
Akira Motohiro
元廣 昭
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Abstract

【課題】高い電磁波シールド性、柔軟性および弾性を備えるとともに、耐久性に優れ、しかも製造が容易な電磁波シールドガスケット、並びに未加硫時の形状安定性が良好で、しかも断面形状が複雑なものでも容易に製造することができる前記ガスケットの製造方法を提供することである。
【解決手段】配合剤として少なくともカーボンブラックおよび黒鉛が配合されて導電性が付与された弾性素材からなり、断面が中空形状に成形されている電磁波シールドガスケット11である。また、弾性素材100重量部に対する添加量をカーボンブラック20〜120重量部、黒鉛20〜180重量部とし、かつコンパウンドムーニー粘度(ML1+4,100℃)が60〜100となるように配合・混練された混合物を中空形状に成形する前記ガスケット11の製造方法である。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外壁パネル等の建築部材の目地部等に配置して、この間隙を通過する電磁波を遮断するための電磁波シールドガスケットに関する。
【従来の技術】
【0002】
従来から、電磁波シールド用のガスケットとしては、例えばエラストマー等の弾性素材からなる芯材の表面に金属のめっきや蒸着等によって導電性被膜を形成したり、芯材の表面に導電性を有する織物やシート等を被覆したものが挙げられ、特開平7−312497号公報、特開平10−70388号公報等に開示されている。前者は棒状の弾性体に導電性を有する布体を被覆したものであり、後者は弾性材により棒状に形成された芯材の側面周囲にシート状の導電性被覆材を被覆したものである。しかしながら、これらはともに芯材の表面に被覆材(布体またはシート)を被覆したものであるため、被覆材が剥がれる等の不具合が生じるおそれがあり耐久性が不十分であることや、少なくとも芯材を成形する工程と被覆材を被覆する工程とが必要であり製造工程が煩雑になるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主たる目的は、高い電磁波シールド性、柔軟性および弾性を備えるとともに、耐久性に優れ、しかも製造が容易な電磁波シールドガスケットを提供することである。
【0004】
本発明の他の目的は、中空形状のような複雑な形状のガスケットを製造する場合であっても、未加硫時の形状安定性が良好で、しかも断面形状が複雑なものでも容易に製造することができる電磁波シールドガスケットの製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明にかかる電磁波シールドガスケットは、配合剤として少なくともカーボンブラックおよび黒鉛が配合された弾性素材からなり、断面が中空形状に成形されていることを特徴とする。このように、本発明の電磁波シールドガスケットは、カーボンブラックおよび黒鉛が配合されて導電性が付与された弾性素材を成形することにより得られるので、高い電磁波シールド性を備えているとともに、芯材に導電性被覆材を被覆した従来の電磁波シールドガスケットと比較して耐久性が優れ、しかも製造が容易である。また、弾性素材からなる中空形状であるので、柔軟性および弾性を備えている。ここで、本発明の電磁波シールドガスケットには、内部に中空部分を有する筒状体はもちろんのこと、筒状体の側面の一部に長尺方向に開いた開口部を有しているもの等も含まれる。
【0006】
本発明の電磁波シールドガスケットでは、前記弾性素材100重量部に対して、カーボンブラックが20〜120重量部、黒鉛が20〜180重量部の割合で配合されているのが好ましい。また、前記カーボンブラックは、窒素吸着比表面積が150〜1000m/g、DBP吸油量が120〜400mL/100gであるのがより好ましい。
【0007】
本発明にかかる電磁波シールドガスケットの製造方法は、弾性素材100重量部に対する添加量をカーボンブラック20〜120重量部、黒鉛20〜180重量部とし、かつJIS K 6300−1により測定されるコンパウンドムーニー粘度(ML1+4,100℃)が60〜100となるように配合・混練された混合物を中空形状に成形することを特徴とする。
【0008】
このように、本発明方法では、コンパウンドムーニー粘度を60〜100としているので、所定形状に成形した直後の未加硫時や溶融時でも形状安定性に優れている。これにより、中空形状が安定したガスケットを得ることができる。また、上記のようにしてカーボンブラックおよび黒鉛が配合・混練された弾性素材を押出成形などにより中空形状に成形するだけでよいので、断面形状が複雑なものでも容易に製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の電磁波シールドガスケットは、配合剤として少なくともカーボンブラックおよび黒鉛が配合されて導電性が付与された弾性素材からなり、断面が中空形状に成形されているものである。前記弾性素材としては、例えばゴム、熱可塑性エラストマーなどの高分子材料が挙げられる。
【0010】
前記ゴムとしては、例えば天然ゴムのほか、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴム、エチレンープロピレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、水素添加ニトリルゴム、シリコンゴムなどの合成ゴム単独、もしくはこれらのゴムを各種変性処理にて改質したものが挙げられる。また、これらのゴムは単独で使用するほか、複数をブレンドして用いることができる。ゴムには、配合剤として、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、着色剤などの従来から使用されているものを適宜配合することができる。
【0011】
熱可塑性エラストマーとしては、例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系などの各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0012】
前記カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどが挙げられ、特に窒素吸着比表面積(ASTM D3037‐93)が150〜1000m/g、DBP吸油量(ASTM D2414‐96)が120〜400ml/100gであるカーボンブラック、例えばライオン・アクゾー社製のケッチェンブラックなどを使用するのが好ましい。
【0013】
前記黒鉛としては、人造黒鉛;鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛などの天然黒鉛などが挙げられる。本発明で使用する黒鉛は、特に平均粒子径が15μm以上、好ましくは20μm以上であるのがよい。平均粒子径の増加に伴って電磁波シールド効果も増大する傾向にある。
【0014】
前記黒鉛は見掛け密度が0.6g/cm以下であるのが好ましい。黒鉛の見掛け密度が0.6g/cmを超える場合は、電磁波シールド性が低下するおそれがある。黒鉛の見掛け密度の下限は、特に限定されるものではない。なお、黒鉛の見掛け密度はJIS M8511に記載の方法にて測定したものである。
【0015】
また、黒鉛は結晶化度の高いものを使用するのが高い電磁波シールド性を得るうえで好ましい。黒鉛の純度を表す固定炭素分は特に限定されるものではないが、固定炭素分97%以上であるのが好ましい。
【0016】
カーボンブラックは、弾性素材100重量部に対して20〜120重量部、好ましくは20〜100重量部の割合で、黒鉛は、弾性素材100重量部に対して20〜180重量部、好ましくは40〜160重量部の割合で配合されるのがよい。カーボンブラックと黒鉛の総量は弾性素材100重量部に対して80〜240重量部、好ましくは100〜200重量部であるのがよい。総量が80重量部未満では電磁波シールド性が低く、ガスケット押し出し時の寸法安定性が悪い。一方、総量が240重量部を超えると加工性が著しく阻害される。また、カーボンブラックおよび黒鉛の総量は、上記範囲内であれば大きいほどガスケット押し出し時の寸法安定性が優れる。
【0017】
本発明においては、上記カーボンブラックおよび黒鉛に加えて、導電性繊維を弾性素材に含有させることにより、電磁波シールド性を向上させることができる。このような導電性繊維としては、例えばカーボン繊維、黒鉛繊維、金属繊維(例えばステンレス鋼繊維、アルミニウム繊維、ニッケル繊維、銅繊維)などが挙げられる。導電性繊維は平均繊維長が10μm〜10mm程度であるのがよい。また、導電性繊維は、弾性素材100重量部に対して0〜20重量部の割合で含有される。
【0018】
弾性素材としてゴムを用いた場合、本発明の電磁波シールドガスケットは、原料ゴムに対して、上記した配合比率の範囲内で、かつコンパウンドムーニー粘度(ML1+4,100℃)が60〜100となるようにカーボンブラックおよび黒鉛を含む各種配合剤を配合・混練して混合物を得、この混合物を押出成形、射出成形などにより中空形状に成形し、加硫を行うことによって製造される。
【0019】
また、弾性素材として熱可塑性エラストマーを用いた場合、本発明の電磁波シールドガスケットは、原料となる熱可塑性エラストマーに対して、上記した配合比率の範囲内で、かつコンパウンドムーニー粘度(ML1+4,100℃)が60〜100となるようにカーボンブラックおよび黒鉛を含む各種配合剤を配合・混練して混合物を得、この混合物を押出成形、射出成形などにより中空形状に成形することによって製造される。
【0020】
上記のようにコンパウンドムーニー粘度を60〜100としているので、所定形状に成形した直後の未加硫時や溶融時でも形状安定性に優れている。コンパウンドムーニー粘度が60未満となると、成形直後の未加硫時や溶融時に所定の中空形状を維持することができないおそれがある。また、コンパウンドムーニー粘度が100を越えると過度に固くなり成形が困難になるおそれがある。コンパウンドムーニー粘度は、カーボンブラックおよび黒鉛の配合比率や、オイルなどの配合剤の配合比率を変えることにより調整することができる。
【0021】
図1(a)は本発明の電磁波シールドガスケットの一実施形態を示す斜視図であり、(b)はその断面図である。図1(a),(b)に示すように、電磁波シールドガスケット11は中空部12を有する断面が中空形状の成形体である。このガスケット11の接面13は、外壁パネル間に形成される目地部に装填する際に、外壁パネルの側端面と接する面である。
【0022】
ガスケット11の断面形状、肉厚、長さ等は、使用される状況に応じて適宜決定すればよく、通常使用されているものと同程度のものが使用可能である。例えば、ガスケット11の肉厚を薄くすると柔軟性が向上するが、一方で肉厚を薄くすると電磁波シールド性が低下する傾向にある。したがって、実際に使用する環境において要求される電磁波シールド性能やガスケット11を装填する箇所の寸法などを考慮に入れて適宜決定すればよい。
【0023】
図2は電磁波シールドガスケット11を外壁パネルの目地部に装填した状態を示す断面図である。同図に示すように、2つのガスケット11,11が、外壁パネル14,14の側端面15,15にガスケット11,11の接面13,13がそれぞれ接するように装填される。装填の際には、ガスケット11,11を接面13に垂直な方向に圧縮し、これを目地部に押し込むようにする。これにより、ガスケット11,11が有する弾性による復元力によって目地部に隙間が生じることなく遮蔽される。本発明のガスケット11は、柔軟性および弾性を備えているので、装填しやすく、かつ電磁波の遮蔽性も優れている。
【0024】
図3(a)〜(e)は本発明の電磁波シールドガスケットの他の実施形態を示す断面図である。図3(a)に示すガスケット21は中空部22および接面23を備え、さらに突条部24を備えている。このガスケット21は、突条部24が外壁パネルの側端面に設けられた溝に嵌め込まれて固定されるので、より安定性が向上する。図3(b)に示すガスケット31は中空部32および接面33を備え、側面の一部が長尺方向に開いた開口部34を有している。図3(c)に示すガスケット41の中空部内には、弾性素材で形成された芯材42が挿入されている。また、図3(d)に示すガスケット51の中空部内には、弾性素材で形成され中空部を有する芯材52が挿入されている。これらの芯材42,52は発泡体であってもよい。芯材42,52は、ガスケット41,51を成形した後で挿入してもよいが、押出成形などによりガスケット41,51と同時成形してもよい。このようなガスケット41,52では、その肉厚を薄くしても弾性素材で形成された芯材42,52を挿入しているので弾性が損なわれることがない。図3(e)に示すガスケット61は、中空部62を備え、さらに外周面に例えばシリコンゴム、フッ素ゴム、オレフィン系ポリマーなどからなる被覆層64が設けられている。この被覆層64は、ガスケット61を成形した後で塗布または含浸させることにより被覆するか、ガスケットを成型した後押し出し成形などで被覆するか、あるいは押出成形などによりガスケット61と同時成形することにより形成することができる。このような被覆層64が設けられていることでガスケット61の耐久性および耐老化性が向上し、外壁パネルの目地部に装填した際に外壁パネルの側端面への密着性を向上させることができる。
【0025】
なお、本発明のガスケットは、公知の化学発泡剤、物理発泡剤、マイクロバルーン発泡剤などを弾性素材に添加することにより発泡させた発泡体であってもよい。
【0026】
【実施例】
以下、参考例、実施例および比較例を挙げて本発明の電磁波シールドガスケットについて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】
参考例1〜10
表1に示す各配合剤を同表に示す割合でエチレン−プロピレンゴム(EPDM)またはクロロプレンゴム(CR)に配合・混練して混合物を得た後、所定の形状にシーティングし、ついでプレスにて160℃で20分間加硫することによって、縦150mm×横150mm×厚さ3mmの電磁波シールド効果評価用シートを得た。また、上記と同様の方法により断面寸法15mm×10mm、長さ100mmの圧縮応力測定用シートを得た。
【0028】
表1中のカーボンブラックAとは、ライオン・アクゾー社製のケッチェンブラックEC(窒素吸着比表面積800m/g、DBP吸油量365ml/100g)であり、カーボンブラックBとは、昭和キャボット(株)社製のN550である。また、表1中の黒鉛は日本黒鉛工業(株)製のCB100(平均粒子径80μm、見掛け密度0.36g/cm)である。参考例5〜8では、表1に示す各配合剤の他、発泡剤を添加して同表に示す発泡倍率の発泡体とした。発泡剤としては、AKZONOBEL(株)製のエクスパンセル009DU−80を用いた。
【0029】
参考例1〜参考例10で得られたシートを用いて、以下に示す方法により電磁波シールド効果および圧縮応力を測定した。その結果を表1にそれぞれ示す。また、表1に示す配合で混練して得られた混合物のコンパウンドムーニー粘度(JIS K 6300−1)の測定結果を表1に併せて示す。
【0030】
<電磁波シールド効果評価方法>
KEC法に規定される電界シールド効果評価装置を使用して、各周波数での電磁波シールド効果を評価した。表1に示す電磁波シールド効果は、評価用シートに対する入射電磁波と透過電磁波の強さの比を受信電力の比(減衰量:単位dB)で表したものである。
【0031】
<圧縮応力測定方法>
圧縮応力は、発泡体の圧縮荷重試験方法(JIS A5750−6.4)により測定した。
【0032】
【表1】
Figure 2004095847
【0033】
表1から、参考例9はカーボンブラックが配合されておらず、参考例10は黒鉛が配合されていないため、電磁波シールド効果が低いことがわかる。これに対して、カーボンブラックおよび黒鉛が配合されている参考例1〜参考例8では良好な電磁波シールド効果が得られた。
【0034】
実施例1〜4および比較例1,2
表2に示す配合組成(参考例1〜参考例4、参考例9または参考例10と同じ組成)で各成分を配合・混練し混合物を得た。ついで、これらの混合物を押出成形により図1(a),(b)に示すような中空のガスケット形状に押し出して成形体を作製し、さらにこの成形体を150℃で60分間加硫することによって図1(a),(b)に示すような電磁波シールドガスケットを作製した。
【0035】
<形状安定性の評価>
上記の電磁波シールドガスケットの作製過程において、混合物を押出成形により中空のガスケット形状に押し出した時(未加硫時)の形状安定性を評価した。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 2004095847
【0037】
比較例1は、その配合組成(表1の参考例9)からなる混合物のコンパウンドムーニー粘度が低いため、ガスケット未加硫時の形状安定性に問題があった。これに対して、実施例1〜4および比較例2では、ガスケット未加硫時の形状安定性は良好であった。
【0038】
<電磁波シールド効果の測定>
次に、実施例3において作製した電磁波シールドガスケット11を用い、以下のようにして電磁波シールド効果を評価した。
【0039】
電磁波シールド効果は、図4に示す装置により測定した。この装置は、シールドボックス101の開口部に前面パネル107を装着し、シールドボックス101内に配置されている発振器103から発振された擬似ノイズを送信アンテナ102から送信して、シールドボックス101外に輻射された電磁波を受信アンテナ104で受信し、漏洩電界強度の最大値を測定器105で測定するものである。
【0040】
図5(a)はシールドボックス101の開口部面109に取り付けた電磁波シールドガスケット11の配置状態を示す正面図であり、図5(b)は前面パネル107に取り付けたガスケット11の配置状態を示す正面図である。これらのガスケット11,11は、前面パネル107をシールドボックス101に装着した際に、前面パネル107側のガスケットとシールドボックス101側のガスケットが重なるような位置に配置されている。シールドボックス101は、その開口部の寸法t1,t2が600mmで、開口部面109の寸法t3,t4が720mmである。前面パネル107の寸法t5,t6は720mmである。
【0041】
また、前面パネル107をシールドボックス101に装着する際には、これらの間にスペーサー110を介在させることにより、一定の圧縮率でガスケット11,11が圧縮して装着されるようにした。すなわち、スペーサー110の厚さは30mmとし、このときのガスケット11の圧縮率は22.2%であった。
【0042】
電磁波シールド効果は、以下の試験条件で測定した。
(試験条件)
測定周波数:200MHz〜2GHz
送信アンテナ:水平
受信アンテナ:水平
送信アンテナと受信アンテナの距離:3m
受信アンテナ:上下可動
シールドボックス:回転可動
【0043】
<圧縮応力の測定>
次に、実施例3において作製した電磁波シールドガスケット11を用い、以下のようにして圧縮応力を測定した。この圧縮応力の測定は、長さ100mmの電磁波シールドガスケット11を用いて前記と同様の方法(JIS A5750−6.4)により行った。
【0044】
また、比較例2において作製した電磁波シールドガスケットを用い、実施例3と同様にして電磁波シールド効果および圧縮応力を測定した。この比較例2の配合は、建築部材の目地部等に用いられるガスケットの標準的な配合である。
【0045】
実施例3および比較例2のガスケットの電磁波シールド効果の測定結果を表3および図6のグラフに、圧縮応力の測定結果を表3にそれぞれ示す。なお、実施例3では、電磁波シールド効果が高く、測定装置の測定限界を超えていたため、測定できた最大値を表3に示した。
【0046】
【表3】
Figure 2004095847
【0047】
表3および図6から、本発明のガスケット11を取り付けた実施例3は、比較例2と比較して、電磁波シールド効果が高いことがわかる。
【0048】
また、実施例3および比較例2では中空形状としているので、これらのガスケットは参考例3および参考例10のシートと比べると圧縮応力が著しく低減されており、その程度は発泡シート(例えば、参考例5〜8)の圧縮応力の10分の1程度である。これにより、これらのガスケットは柔軟性に富み、しかも弾性素材で形成されているので弾性にも富んでいるため、ガスケットの装着が容易になり、密封性および水密性が得られる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の電磁波シールドガスケットは、高い電磁波シールド性、柔軟性および弾性を備えるとともに、耐久性に優れ、しかも製造が容易であるという効果がある。
【0050】
また、本発明の製造方法によれば、未加硫時の形状安定性が良好で、しかも断面形状が複雑なものでも容易に製造することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の電磁波シールドガスケットの一実施形態を示す斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図2】電磁波シールドガスケットを外壁パネルの目地部に装填した状態を示す断面図である。
【図3】(a)〜(e)は本発明の電磁波シールドガスケットの他の実施形態を示す断面図である。
【図4】実施例3および比較例2において電磁波シールド効果を評価するための装置を示す概略図である。
【図5】(a)はシールドボックスの開口部面に取り付けたガスケットの配置状態を示す正面図であり、図5(b)は前面パネルに取り付けたガスケットの配置状態を示す正面図である。
【図6】実施例3および比較例2の評価結果を示すグラフである。
【符号の説明】
11 電磁波シールドガスケット
12 中空部
13 接面

Claims (5)

  1. 配合剤として少なくともカーボンブラックおよび黒鉛が配合された弾性素材からなり、断面が中空形状に成形されていることを特徴とする電磁波シールドガスケット。
  2. 前記弾性素材100重量部に対して、カーボンブラックが20〜120重量部、黒鉛が20〜180重量部の割合で配合されている請求項1記載の電磁波シールドガスケット。
  3. 前記カーボンブラックは、窒素吸着比表面積が150〜1000m/g、DBP吸油量が120〜400mL/100gである請求項1または2記載の電磁波シールドガスケット。
  4. 前記弾性素材がゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールドガスケット。
  5. 弾性素材100重量部に対する添加量をカーボンブラック20〜120重量部、黒鉛20〜180重量部とし、かつコンパウンドムーニー粘度(ML1+4,100℃)が60〜100となるように配合・混練された混合物を中空形状に成形することを特徴とする電磁波シールドガスケットの製造方法。
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