JP4522556B2 - 電波吸収体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波の遮蔽や吸収のために使用される電波吸収体に関し、特に5.8GHz付近の電磁波の遮蔽や吸収のために使用される電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子機器からの電磁波の漏洩、外部からの電磁波の侵入、構造物による電磁波の反射等を防止する目的で、様々な電波吸収体が使用されている。
例えば、ETC(高速道路自動料金システム)では、料金所の構造物からの反射ノイズを低減する目的で、また、室内で無線によるデータ通信を行う無線LANでは、通信エラーを低減する目的で、5.8GHz付近の電磁波を吸収できる電波吸収体が使用されている。
【0003】
これらの用途で使用される、5.8GHz付近の電磁波を吸収できる電波吸収体としては、例えば、加硫シリコーンゴムのマトリックス中に、鉄粉(カルボニル鉄の熱分解によいって得られる鉄粉)を分散させたシート状の電波吸収体がすでに知られており、実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この電波吸収体は、製造の際に、シリコーンゴムの加硫工程を必要とするので、製造コストが高いという問題を有していた。
また、シリコーンゴム中に多量の鉄粉を充填しているので、引張強さなどの機械的強度が十分ではなかった。
【0005】
また、この電波吸収体は、比重の高い鉄粉を多く配合しているので、電波吸収体自体の重量がかなり重い。例えば、シリコーンゴム100重量部に対して鉄粉が350重量部配合されている。そのため、高速道路の料金所の壁や天井などに電波吸収体のシートを貼り付ける際の施工性が悪くなるという問題を有していた。
【0006】
電波吸収体を軽量化するために、シートを薄くすることが考えられるが、シートを薄くすると必然的に電波吸収量が減少してしまう。また、電波吸収ピークが高周波側にシフトして、5.8GHz付近の電磁波を十分に吸収できなくなるという問題が生じる。すなわち、特定の材料から得られたシートが特定の周波数の電波吸収体となるための厚さ(d)は、下記式の入力インピーダンスZが1を満足するときの値に最適化されることが知られている。
Z=(μr/εr)1/2 tanh{j(2π/λ)(εrμr)1/2 d}
(式中、εrは材料の誘電率、μrは材料の透磁率、λは入射電波の波長である。)
【0007】
この式から、加硫シリコーンゴムのマトリックス中に鉄粉を分散させた材料からなる電波吸収体の最適な厚さを求めると、その厚さは約2.2mmとなる。したがって、この電波吸収体が5.8GHz付近の電磁波を吸収する電波吸収体となるためには、その厚さを2.2mmよりも厚くすることも、薄くすることもできない。
【0008】
よって、本発明の目的は、加硫が必要ではなく低コストであり、軽量で施工性に優れ、機械的強度にも優れた電波吸収体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の、5.8GHz付近に反射減衰量のピークが存在する電波吸収体は、非加硫のバインダーと、非加硫のバインダー100重量部に対して50〜70重量部のカーボンブラックと、非加硫のバインダー100重量部に対して300〜350重量部の軟磁性金属粒子とを混練し、成形して得られ、混練する前のカーボンブラックの体積%は、混練する前の全配合成分に対して11〜16体積%であり、混練する前の軟磁性金属粒子の体積%は、混練する前の全配合成分に対して20〜25体積%であり、前記軟磁性金属粒子は、カルボニル鉄の分解によって生成する鉄粉であることを特徴とする。
また、本発明の、5.8GHz付近に反射減衰量のピークが存在する電波吸収体は、さらに無機充填剤を混練し、成形して得られ、混練する前の無機充填剤の体積%は、混練する前の全配合成分に対して37.5体積%以下であることが望ましい。
【0010】
また、前記非加硫のバインダーは、塩素化ポリエチレンであることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の電波吸収体は、非加硫のバインダーと、カーボンブラックと、軟磁性金属粒子とを含有するものであり、具体的には、非加硫のバインダーのマトリックス中に、カーボンブラックと、軟磁性金属粒子とが分散されたものである。
【0012】
本発明における非加硫のバインダーとは、一般に電波吸収体に用いられる高分子材料であって、加硫工程を要しないものである。非加硫のバインダーとしては、常温でゴム弾性を示し、高温で可塑化され成形可能な高分子材料が好ましい。
非加硫のバインダーとしては、例えば、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム、その他公知の熱可塑性エラストマー;エチレン・アクリル酸メチル等のエチレン・アクリル酸エチル共重合体;ポリアクリル酸エチル等のポリアクリル酸エステルなどが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、5.8GHz付近の電磁波を吸収できる電波吸収体としたときに、その厚さを比較的薄くでき、引張強さにも優れていることから、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリル酸メチル共重合体、ポリアクリル酸エステルを好適に用いることができる。
【0013】
前記カーボンブラックとしては、一般に市販されているものを用いることができる。その平均粒径は、特に限定はされないが、好ましくは、1000nm〜100μmの範囲である。平均粒径が1000nm未満では、非加硫のバインダーとの混練や、非加硫のバインダーへの分散が困難になるおそれがある。平均粒径が100μmを超えると、混練性等が劣り、成形困難となるおそれがある。
【0014】
カーボンブラックの含有量は、非加硫のバインダー100重量部に対して50〜70重量部の範囲である。カーボンブラックの含有量が少なくなると、電波吸収ピークが高周波側に移行する。すなわち、特定の周波数(例えば5.8GHz)における反射減衰量が小さくなる。一方、カーボンブラックの含有量が多くなると、電波吸収ピークが低周波側に移行し、ピーク吸収量も減少する。すなわち、特定の周波数(例えば5.8GHz)における反射減衰量が小さくなる。したがって、カーボンブラックの含有量が上記の範囲内であれば、特定の周波数(例えば5.8GHz)での反射減衰量を電波吸収体として実用的なレベル、具体的には−10dB以下に維持することができる。
【0015】
前記軟磁性金属粒子としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、Fe−Cr−Al、Fe−Si−C、Fe−Si−Al、パーマロイ微粉末などが挙げられる。中でも、カルボニル鉄の分解によって生成する鉄粉が、球状で、非加硫のバインダーとの混練が容易であることから好適に用いられる。軟磁性金属粒子の平均粒径は、特に限定はされないが、好ましくは、100nm〜50μmの範囲である。平均粒径が100nm未満では、非加硫のバインダーとの混練や、非加硫のバインダーへの分散が困難になるおそれがある。平均粒径が50μmを超えると、電波吸収体の成形が困難となるおそれがある。
【0016】
軟磁性金属粒子の含有量は、非加硫のバインダー100重量部に対して300〜350重量部の範囲である。軟磁性金属粒子の含有量が少なくなると、電波吸収ピークが高周波側に移行する。すなわち、特定の周波数(例えば5.8GHz)における反射減衰量が小さくなる。一方、カーボンブラックの含有量が多くなると、電波吸収ピークが低周波側に移行し、ピーク吸収量も減少する。すなわち、特定の周波数(例えば5.8GHz)における反射減衰量が小さくなる。したがって、カーボンブラックの含有量が上記の範囲内であれば、特定の周波数(例えば5.8GHz)での反射減衰量を電波吸収体として実用的なレベル、具体的には−10dB以下に維持することができる。
【0017】
本発明の電波吸収体には、カーボンブラック、軟磁性金属粒子以外に、無機充填剤を含有させることができる。無機充填剤は、非加硫のバインダーの加工性を改善するために用いられる。また、無機充填剤は、軟磁性金属粒子に比べ比重が低いので、得られる電波吸収体を軽量化する役割も有している。
このような無機充填剤としては、例えば、ケイ酸、ケイ酸塩等のシリカ、水酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0018】
無機充填剤の含有量は、体積%で、好ましくは39体積%以下であり、より好ましくは5〜20体積%の範囲である。無機充填剤の含有量が39体積%を超えると、高充填となり、成形困難となるおそれがある。
また、本発明の電波吸収体には、公知の添加剤、例えば、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、各種安定剤などが添加されていてもよい。
【0019】
本発明の電波吸収体は、例えば、以下のようにして製造することができる。
所定量の非加硫のバインダー、カーボンブラック、軟磁性金属粒子、必要に応じて無機充填剤、各種添加剤を加圧ニーダー等で混練し、非加硫のバインダーのマトリックス中に、カーボンブラック、軟磁性金属粒子、無機充填剤等の各種充填剤を分散させる。この混練物を粉砕機等で粉砕した後、圧延ロール等でシート状に圧延成形(カレンダー成形)する。
なお、本発明の電波吸収体の成形方法としては、圧延成形に限定されるものではなく、プレス成形や押出成形等の公知の成形方法を用いることができる。
【0020】
このようにして製造される本発明の電波吸収体の厚さは、非加硫バインダーとして塩素化ポリエチレンを用い、塩素化ポリエチレン100重量部に対して50〜70重量部のカーボンブラックを用い、軟磁性金属粒子として、塩素化ポリエチレン100重量部に対して300〜350重量部のカルボニル鉄粉を用いた場合、5.8GHz付近の電波を吸収できるようにするためには、約2.0mmとすることが望ましい。この値は、上述の入力インピーダンス(Z)の式から算出される値である。
【0021】
電波吸収体の加工性および電波吸収性能をよくするためには、各配合成分、特にカーボンブラック、軟磁性金属粒子および無機充填剤の各充填剤の体積%を考慮する必要がある。ここで、体積%は、各充填剤の配合量を比重で除し、それらの比率を求めたものである。
混練する前のカーボンブラックの体積%は、混練する前の全配合成分に対して11〜16体積%とされることが好ましい。カーボンブラックの体積%がこの範囲をはずれると、電波反射減衰量が減少し、吸収ピークも高周波側へ移行してしまう。
混練する前の軟磁性金属粒子の体積%は、混練する前の全配合成分に対して20〜25体積%とされることが好ましい。軟磁性金属粒子の体積%がこの範囲をはずれると、5.8GHz付近での電磁波吸収性が得られない。
【0022】
混練する前の無機充填剤の体積%は、混練する前の全配合成分に対して37.5体積%以下とされることが好ましい。無機充填剤の体積%がこの範囲を超えると、高充填となり、成形困難となる。
また、混練する前のカーボンブラック、軟磁性金属粒子および無機充填剤からなる全充填剤成分のトータルの体積%は、全配合成分に対して、70体積%以下とされることが好ましい。全充填剤のトータルの体積%が、この範囲を超えると、高充填となり、成形困難となる。
【0023】
本発明の電波吸収体によれば、マトリックス用のバインダーとして非加硫のバインダーを用いているので、製造の際の加硫工程が不要となり、製造コストを大幅に削減することができる。また、本発明の電波吸収体は、非加硫のバインダーを用いているので、従来の加硫シリコンゴムでは不可能だった圧延成形が可能となり、連続シートの製造が可能となる。
また、本発明の電波吸収体は、マトリックス中に分散された充填剤成分として、軟磁性金属粒子以外に、カーボンブラック、必要に応じて無機充填剤を含んでいるので、電波吸収体の比重が低くなり、軽量化されたものとなる。また、5.8GHz付近の電波吸収体として用いる場合、従来の電波吸収体の厚さ(約2.2mm)よりも薄くできるので、さらに軽量化されたものとなる。
また、本発明の電波吸収体は、引張強さにも格段に優れているので、耐久性等を向上させることもできる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を詳しく説明する。
<評価内容>
電波吸収体の評価は、以下の項目について行った。
(引張強さ)
電波吸収体の引張強さは、JIS K 6251に準拠して測定した。
(比重)
水中置換法:電波吸収体から3〜5gの試料を切り抜き、空気中および水中で試料の重量を測定し、下記式を用いて算出した。
比重=[空気中での試料重量]/[空気中での試料重量−水中での試料重量](電波反射減衰量)
電波吸収体に垂直に入射する0.05〜18GHzの電波の反射減衰量をネットワークアナライザ(ヒューレットパッカード社製)を用いて測定した。測定されたグラフから、5.8GHzにおける電波反射減衰量を求めた。
【0025】
[実施例1]
塩素化ポリエチレン(「エラスレン301AE」、昭和電工社製、Cl含量:32重量%)100重量部、カーボンブラック(「ダイアブラックH」、三菱化学社製、平均粒径20μm)60重量部、鉄粉(カルボニル鉄「EW」、BASF社製、平均粒径4μm)325重量部、シリカ(「VX−S」、龍森社製)70重量部、滑剤2重量部、および安定剤2重量部を加圧ニーダーで15分間混練し、この混練物を粉砕機等で粉砕した後、70℃に加熱しながら2本の圧延ロールでシート状に圧延成形し、厚さ2mmの電波吸収体を得た。
この電波吸収体ついて、引張強さ、比重および電波反射減衰量を評価した。結果を表1に示す。
【0026】
[実施例2〜5、比較例1〜2]
各成分の配合を表1および表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして厚さ2mmの電波吸収体を製造した。
各々の電波吸収体について、引張強さ、比重および電波反射減衰量を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
[比較例3]
市販の加硫シリコーンゴムの電波吸収体(厚さ:2.2mm、配合:シリコーンゴム100重量部、鉄粉350重量部)について、引張強さ、比重および電波反射減衰量を評価した。結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
[実施例6]
塩素化ポリエチレンを「エラスレン401」(昭和電工社製、Cl含量:40重量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして厚さ2mmの電波吸収体を製造した。
この電波吸収体について、引張強さ、比重および電波反射減衰量を評価した。
結果を表4に示す。
【0032】
[実施例7]
塩素化ポリエチレンを非加硫のNBR(「222L」、JSR社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして厚さ2mmの電波吸収体を製造した。
この電波吸収体について、引張強さ、比重および電波反射減衰量を評価した。
結果を表4に示す。
【0033】
[実施例8]
シリカをアルミナ(Al2O3、「AS−30」、昭和電工社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして厚さ2mmの電波吸収体を製造した。
この電波吸収体について、引張強さ、比重および電波反射減衰量を評価した。
結果を表4に示す。
【0034】
[実施例9]
アルミナの配合量を100重量部に変更した以外は、実施例8と同様にして厚さ2mmの電波吸収体を製造した。
この電波吸収体について、引張強さ、比重および電波反射減衰量を評価した。
結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
[実施例10]
塩素化ポリエチレンをエチレン・アクリル酸メチル共重合体(「ベーマックGG」、昭和電工・デュポン(株)製)70重量部およびアクリル酸エチル系重合体(ノックスタイトPA−401、NOK(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして厚さ2mmの電波吸収体を製造した。
この電波吸収体について、引張強さ、比重および電波反射減衰量を評価した。
結果を表5に示す。
【0037】
[比較例4〜5]
鉄粉およびシリカを加えず、かつカーボンブラックの配合量を表5のように変更した以外は、実施例1と同様にして厚さ2mmの電波吸収体を製造した。
各々の電波吸収体について、引張強さ、比重および電波反射減衰量を評価した。結果を表5に示す。
【0038】
[比較例6〜7]
カーボンブラックおよびシリカを加えず、かつ鉄粉の配合量を表5のように変更した以外は、実施例1と同様にして厚さ2mmの電波吸収体を製造した。
各々の電波吸収体について、引張強さ、比重および電波反射減衰量を評価した。結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
実施例1〜10の電波吸収体は、いずれも5.8GHzにおいて実用レベルの電波反射減衰量(−10dB以下)を有しており、また、従来の市販の加硫シリコーンゴムの電波吸収体に比べて、比重が低く、引張強さが格段に優れていた。
比較例1の電波吸収体は、カーボンブラックおよび鉄粉の配合量が少なかったため、電波反射減衰量のピークが高周波側に移行し、ピークの電波反射減衰量も減少していることがわかる。
比較例2の電波吸収体は、カーボンブラックおよび鉄粉の配合量が多かったため、電波反射減衰量のピークが低周波側に移行し、ピークの電波反射減衰量も減少していることがわかる。
比較例4〜7は、充填剤がカーボンブラックまたは鉄粉のみであるので、電波反射減衰量のピークが5.8GHzから大きくはずれ、5.8GHz付近の電磁波を吸収できる電波吸収体としては、全く適していなかった。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電波吸収体は、非加硫のバインダーと、非加硫のバインダー100重量部に対して50〜70重量部のカーボンブラックと、非加硫のバインダー100重量部に対して300〜350重量部の軟磁性金属粒子とを含有するので、加硫が必要ではなく低コストであり、軽量で施工性に優れ、機械的強度にも優れる。
【0042】
また、本発明の電波吸収体が、さらに無機充填剤を含有していれば、製造の際の加工性が向上し、さらに軽量化することができる。
また、前記非加硫のバインダーが、塩素化ポリエチレンであれば、5.8GHz付近の電磁波を吸収できる電波吸収体としたときに、その厚さを比較的薄くでき、また電波吸収体の引張強さをさらに向上できる。
また、前記軟磁性金属粒子が、カルボニル鉄の分解によって生成する鉄粉であれば、製造の際に非加硫のバインダーとの混練が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図2】 実施例2の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図3】 実施例3の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図4】 実施例4の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図5】 実施例5の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図6】 比較例1の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図7】 比較例2の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図8】 比較例3の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図9】 実施例6の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図10】 実施例7の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図11】 実施例8の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図12】 実施例9の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図13】 実施例10の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図14】 比較例4の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図15】 比較例5の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図16】 比較例6の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
【図17】 比較例7の電波吸収体の電波反射減衰量と周波数との関係を示すグラフである。
Claims (3)
- 非加硫のバインダーと、非加硫のバインダー100重量部に対して50〜70重量部のカーボンブラックと、非加硫のバインダー100重量部に対して300〜350重量部の軟磁性金属粒子とを混練し、成形して得られ、
混練する前のカーボンブラックの体積%は、混練する前の全配合成分に対して11〜16体積%であり、
混練する前の軟磁性金属粒子の体積%は、混練する前の全配合成分に対して20〜25体積%であり、
前記軟磁性金属粒子が、カルボニル鉄の分解によって生成する鉄粉であることを特徴とする、5.8GHz付近に反射減衰量のピークが存在する電波吸収体。 - さらに無機充填剤を混練し、成形して得られ、
混練する前の無機充填剤の体積%は、混練する前の全配合成分に対して37.5体積%以下であることを特徴とする請求項1記載の、5.8GHz付近に反射減衰量のピークが存在する電波吸収体。 - 前記非加硫のバインダーが、塩素化ポリエチレンであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の、5.8GHz付近に反射減衰量のピークが存在する電波吸収体。
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