JP2004095075A - ディスクドライブシステムおよびカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】カートリッジ交換型ハードディスクのカートリッジの製造コストを低減でき、かつ、カートリッジの信頼性を高めることができるディスクドライブシステムを提供する。
【解決手段】磁気ディスク33と、磁気ディスク33への情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生を行う磁気ヘッド41を移動可能に保持するヘッド機構40とを内部に収容し、かつ、磁気ディスク33およびヘッド機構40を収容する収容空間が密閉されているカートリッジ30と、カートリッジ30が離脱可能に装着され、磁気ディスク33およびヘッド機構40の駆動をカートリッジ30の外部から行うスピンドルモータおよびボイルコイルモータ20を備えるディスクドライブ装置10とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】磁気ディスク33と、磁気ディスク33への情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生を行う磁気ヘッド41を移動可能に保持するヘッド機構40とを内部に収容し、かつ、磁気ディスク33およびヘッド機構40を収容する収容空間が密閉されているカートリッジ30と、カートリッジ30が離脱可能に装着され、磁気ディスク33およびヘッド機構40の駆動をカートリッジ30の外部から行うスピンドルモータおよびボイルコイルモータ20を備えるディスクドライブ装置10とを有する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の円盤状の記録媒体に対する情報の記録再生を行うディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)装置では、記録媒体である磁気ディスクをカートリッジに収納し、装置本体に着脱可能にしたカートリッジ交換型ハードディスクが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のカートリッジ交換型ハードディスクにも種々のタイプが知られている。
たとえば、特開昭60−226062号公報に開示されているように、磁気ディスクのみをカートリッジに収納したタイプのカートリッジ交換型ハードディスクは、カートリッジの磁気ディスクのみを収納すればよいのでカートリッジの製造コストを低減することができるが、記録再生時にカートリッジを開いて外部から磁気ディスクにアクセスする構造であるため、カートリッジの密閉性が低く、ダストやガスに対する信頼性が低いという不利益が存在する。また、このタイプのカートリッジ交換型ハードディスクは、磁気ディスクを外部に設けたスピンドルモータにより回転させるため、磁気ディスクとスピンドルの回転中心を精度良く合わせる必要がある。
また、磁気ディスクに加えて、磁気ディスクを回転させるスピンドルモータ、磁気ヘッド、この磁気ヘッドを駆動するボイスコイルモータをカートリッジ内に収納したタイプのものも知られている。このタイプのカートリッジ交換型ハードディスクは、記録再生時にカートリッジの外部から磁気ディスクにアクセスする必要がない構造であるため、カートリッジ密閉性が高くダストやガスに対する信頼性が高い。しかしながら、カートリッジに多くの構成要素を組み込むため、カートリッジのコストが高くなるという不利益が存在する。
【0004】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、カートリッジ交換型ハードディスクのカートリッジの製造コストを低減でき、かつ、カートリッジの信頼性を高めることができるディスクドライブシステムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に係るディスクドライブシステムは、円板状の記録媒体と、前記記録媒体への情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生の少なくとも一方を行う記録/再生手段を移動可能に保持するヘッド機構とを内部に収容し、かつ、前記記録媒体および前記ヘッド機構を収容する収容空間が密閉されているカートリッジと、前記カートリッジが離脱可能に装着され、前記記録媒体および前記ヘッド機構の駆動を前記カートリッジの外部から行う駆動手段を備えるディスクドライブ装置とを有する。
【0006】
本発明の第2の観点に係るディスクドライブシステムは、円板状の記録媒体を収容するカートリッジと、前記カートリッジが離脱可能に装着され、前記記録媒体に対する情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生の少なくとも一方を行うディスクドライブ装置とを有するディスクドライブシステムであって、前記カートリッジは、前記記録媒体を所定の軸を中心に回転可能に支持する支持手段を有し、前記ディスクドライブ装置は、前記記録媒体を回転させる回転力を発生する駆動手段を有し、前記駆動手段から前記記録媒体に回転力を非接触で伝達する結合手段を有する。
【0007】
本発明の第1の観点に係るカートリッジは、ディスクドライブ装置に離脱可能に装着され、情報の記録および再生の少なくとも一方が行われるカートリッジであって、円板状の記録媒体と、前記記録媒体への情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生の少なくとも一方を行う記録/再生手段を前記記録媒体に対して移動可能に保持するヘッド機構とを内部に収容し、かつ、前記記録媒体および前記ヘッド機構を収容する収容空間が密閉されている。
【0008】
本発明の第2の観点に係るカートリッジは、ディスクドライブ装置に離脱可能に装着され、情報の記録および再生の少なくとも一方が行われるカートリッジであって、所定の軸を中心に回転自在に支持された円板状の記録媒体と、前記ディスクドライブ装置に備わる駆動手段と結合され、当該駆動手段から回転力を受けて前記記録媒体に非接触で伝達する結合手段とを有する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、カートリッジをディスクドライブ装置に装着すると、カートリッジの密閉状態を保ったまま、カートリッジに収容された記録媒体およびヘッド機構は駆動手段により駆動され、記録媒体へのデータの記録、再生が行われる。
【0010】
本発明の第2の観点によれば、カートリッジをディスクドライブ装置に装着すると、所定の軸を中心に回転自在に支持された記録媒体へ回転力が駆動手段から非接触で伝達され、記録媒体はカートリッジ側に存在する所定の軸を中心に回転する。駆動手段から記録媒体へ非接触で回転力が伝達されるため、駆動手段から記録媒体へは回転力のみが伝達され、他の力が作用しない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態に係るディスクドライブシステムの構成を示す断面図であり、図2は図1に示すディスクドライブシステムのA−A線方向の断面図である。
図1において、ディスクドライブシステム1は、ディスクドライブ装置10と、カートリッジ30とを有する。なお、図1は、ディスクドライブ装置10にカートリッジ30が装着された状態を示している。カートリッジ30は、図1に示す矢印B1およびB2の方向に抜き差しすることにより、ディスクドライブ装置10に対して脱着される。
【0012】
図1に示すように、カートリッジ30は、カートリッジ本体31と、カートリッジ本体31の内部に収容された磁気ディスク33と、カートリッジ本体31の内部に収容された磁気ヘッド41を磁気ディスク33のトラックピッチ方向に移動可能に保持するヘッド機構40とを有する。なお、磁気ディスク33は、本発明の円盤状の記録媒体の一実施態様である。
【0013】
図2に示すように、カートリッジ本体31は内部に収容空間31sを備えており、この収容空間31sは密閉されている。
磁気ディスク33は、支持機構34によって支持されている。
【0014】
支持機構34は、ハブ35と、回転軸36と、軸受37と、ハウジング38とを有する。なお、回転軸36は本発明の記録媒体用回転軸の一実施態様である。ハブ35は、磁気ディスク33の中心部に固定されている。このハブ35の中心部に回転軸36が固定されている。
回転軸36は、軸受37を介してハウジング38に回転自在に支持されている。
ハウジング38は、カートリッジ本体31に固定されており、ハウジング38とカートリッジ本体31との間は密封されている。
また、ハウジング38と軸受37との間および軸受37と回転軸36との間も密封されている。
【0015】
回転軸36の下端部は、ハウジング38を通じてカートリッジ本体31の外部に突出している。この下端部に後述するスピンドルモータ60から機械的に分離されたロータマグネット62が固定されている。
【0016】
ヘッド機構40は、磁気ヘッド41と、アーム42と、回転軸43と、軸受44と、ハウジング45とを有する。
【0017】
アーム42は、磁気ディスク33を挟み、磁気ディスク33の両面に対向するように設けられており、このアーム42の先端部にそれぞれ磁気ディスク33に対向して磁気ヘッド41が保持されている。
磁気ヘッド41は、磁気ディスク33に記録された情報の再生および磁気ディスク33への情報の記録を行う。なお、磁気ヘッド41は本発明の記録/再生手段の一実施態様である。
【0018】
回転軸43は、アーム42の後端部に連結されている。この回転軸43は、軸受44を介してハウジング45に回転自在に保持されている。これにより、アーム42は、回転軸43を中心に旋回可能となっている。
ハウジング45は、カートリッジ本体31に固定されており、ハウジング45とカートリッジ本体31との間は密封されている。
また、ハウジング45と軸受44との間および軸受44と回転軸43との間も密封されている。
【0019】
図2に示すように、ディスクドライブ装置10は、カートリッジ30が装着される装着部11と、スピンドルモータ60と、ボイスコイルモータ20と、ホルダーアーム23とを有する。ボイスコイルモータ20、ホルダーアーム23およびスピンドルモータ60は本発明の駆動手段の一実施態様である。
【0020】
装着部11は、一端(図2において左側端部)が開口しており、カートリッジ30の外形に略合致する内周面を有する。この内周面によってカートリッジ30が案内される。装着部11の開口を通じてカートリッジ30を矢印B1およびB2の向きに抜き差しすることにより、カートリッジ30が脱着される。また、装着部11は、案内部材80に沿って矢印C1およびC2の向きに昇降する。図2に示す装着部11の位置はカートリッジ30を記録再生する位置である。
【0021】
スピンドルモータ60は、ディスクドライブ装置10のケース10cに固定されたホルダ63と、ホルダ63に保持されたステータコイル61とを有する。また、ロータマグネット62は、上述したように、スピンドルモータ60とは分離されて回転軸36に固定され、ステータコイル61に対向している。なお、ステータコイル61およびロータマグネット62は、本発明の結合手段の一実施態様である。
【0022】
ステータコイル61は、電流が供給されることにより電磁界を発生する。
ロータマグネット62は、ステータコイル61の発生する電磁界により電磁力(回転トルク)を受けて回転軸36を回転させる。すなわち、ステータコイル61とロータマグネット62との間には非接触で電磁力が相互に作用し、ステータコイル61は固定されているので、この電磁力がロータマグネット62の回転力として作用する。ロータマグネット62に回転力が作用することにより、回転軸36が回転する。
【0023】
ボイスコイルモータ20は、ホルダーアーム23に固定されたコイル20と、このコイル20に対向配置されたマグネット22とを有する。
ホルダーアーム23は、ディスクドライブ装置10のケース10cに固定された支軸25を中心に回転可能に支持されている。この支軸25は、回転軸43の直下に位置している。
また、図2に示す状態において、ホルダーアーム23の支軸25上の連結部23aは、回転軸43に連結されている。
コイル20に電流を供給することにより、コイル20とマグネット22との間に電磁力が作用し、この電磁力によりホルダーアーム23が支軸25を中心に回転する。このホルダーアーム23の回転が連結部23aを通じて回転軸43に伝達され、回転軸43に連結されたアーム42が旋回する。これにより、アーム42の先端に保持された磁気ヘッド41が磁気ディスク33に対して移動する。
【0024】
図2において、カートリッジ本体31には、磁気ヘッド41と図示しないケーブルによって接続されたコネクタ50が設けられている。このコネクタ50は、ディスクドライブ装置10の装着部11に設けられたコネクタ70と電気的に接続されている。このコネクタ70は、ディスクドライブ装置10内に設けられた信号処理回路71とケーブルによって電気的に接続されている。コネクタ50とコネクタ70との接続によって、各種信号が磁気ヘッド41と信号処理回路71との間で送受される。
【0025】
次に、上記構成のカートリッジ30をディスクドライブ装置10に装着する動作について説明する。
図3は、上記構成のカートリッジ30をディスクドライブ装置10の装着部11に装着する途中の状態を示す断面図である。なお、図3において、カートリッジ30のみ断面となっていない。
図3に示すように、装着部11が上昇した状態で、カートリッジ30を装着部11に矢印B2の向きに差し込む。
【0026】
図4は、カートリッジ30が装着部11に完全に差し込まれた状態を示す断面図である。
図4に示すように、カートリッジ30が装着部11に完全に差し込まれると、コネクタ50がコネクタ70に接続される。
この状態から、装着部11は自動または手動により図2に示した位置に下降する。これにより、回転軸35に連結されたロータマグネット62がスピンドルモータ60のステータコイル61に対向する位置に移動するとともに、ホルダーアーム23の連結部23aが回転軸43に連結される。
以上の手順によってカートリッジ30の装着が完了する。カートリッジ30の離脱は上記の手順と逆の手順によって行われる。
【0027】
上記構成のディスクドライブシステム1では、スピンドルモータ60の駆動により、回転軸35に固定されたロータマグネット62が非接触で回転力を受けることにより、磁気ディスク33は回転する。また、磁気ディスク33が回転した状態でボイスコイル20を駆動制御することにより、磁気ヘッド41が磁気ディスク33の所望の位置に移動され、記録再生動作が行われる。
上記の磁気ディスク33の回転および磁気ヘッド41は、カートリッジ30が完全に密閉された状態で行われる。
このため、外部からダストやガスがカートリッジ本体31内に侵入することがなく、外部からのダストやガスに対する信頼性が極めて高い。
【0028】
また、磁気ディスク33は、カートリッジ本体31によって支持された回転軸35に保持されているため、磁気ディスク33と他の部材との摺動がなく、カートリッジ本体31内でダストが発生することがほとんどない。
また、磁気ディスク33はカートリッジ本体31に支持された回転軸35を基準に回転し、磁気ヘッド41を保持するアーム42はカートリッジ本体31に保持された回転軸43を基準に旋回するため、磁気ヘッド41と磁気ディスク33の位置関係をそれぞれのカートリッジ30毎に常に一定とすることができる。このため、磁気ヘッド41を磁気ディスク33の所望のトラックに追従させたときに、追従誤差を大幅に低減できる。この結果、磁気ディスク33のトラックピッチを狭めることができ、磁気ディスク33の記録密度を向上させることが可能となる。
【0029】
また、本実施形態では、スピンドルモータ60から回転軸36への回転力の伝達を非接触で行うとともに、回転軸36には回転力のみ作用する。このため、回転軸36の軸芯とスピンドルモータ60の回転中心との間で要求される芯合わせ精度が緩和され、製造コストを低減することが可能となる。
【0030】
第2実施形態
図5は、本発明の他の実施形態に係るディスクドライブシステムにおける磁気ディスクの支持機構およびスピンドルモータの周辺の構造を示す断面図である。なお、図5に示すディスクドライブシステムは、磁気ディスクの支持機構およびスピンドルモータの周辺以外の構成は上述した第1の実施形態に係るディスクドライブシステム1と同様であり、同一構成部分については同一の符号を使用している。
【0031】
図5において、回転軸36は玉軸受37Aを介してハウジング38に回転自在に保持されている。このため、回転軸36は軸方向には移動が規制されている。
カートリッジ本体31の上側シェル31Aの回転軸36の上端に対向する位置には、スラスト受け用シート部材160が設けられている。このスラスト受け用シート部材160は、回転軸36が軸方向に移動してカートリッジ本体31の上側シェル31Aと直接衝突するのを防ぐために設けられている。
【0032】
回転軸36のハウジング38を通じてカートリッジ本体31の下側シェル31Bの外側に突出した下端部には、円盤状の磁気結合器150が設けられている。磁気結合器150は、カートリッジ本体31の下側シェル31Bの外部に設けられている。
【0033】
スピンドルモータ60Aは、ケース10cに設けられたホルダ63と、ホルダ63に固定されたステータコイル61と、ホルダ63に軸受64を介して回転自在に支持された回転軸65と、回転軸65に連結されホルダ66と、ホルダ66に保持されステータコイル61に対向するロータマグネット62とを有する。
【0034】
スピンドルモータ60Aは、ステータコイル61に電流を供給することによりステータコイル61とロータマグネット62との間に作用する電磁力により、ロータマグネット62に回転トルクが作用し、回転軸65が回転する。
【0035】
回転軸65に連結されたホルダ66の上側面には、上記した磁気結合器150に対向して円盤状の磁気結合器151が固定されている。
磁気結合器150と磁気結合器151とは、磁気力によって結合し、磁気結合器151からの回転トルクが非接触で磁気結合器150に伝達される。
また、磁気結合器150と磁気結合器151とは、少なくとも一方が永久磁石で形成され、他方は永久磁石あるいはパーマロイ等の磁性金属で形成されている。
【0036】
上記の一対の磁気結合器150,151をスピンドルモータ60Aと回転軸36との間に設けることにより、カートリッジ本体31の外部から非接触で磁気ディスク33に回転トルクを伝達することができる。
【0037】
図6は、磁気結合器150,151に永久磁石を用いた場合の構成を説明するための図である。
図6(a)に示すように、磁気結合器150,151は平板リング状を有し、周方向に沿って、永久磁石が配列され、これらの永久磁石は周方向に沿って交互に磁極が反転している。また、着磁方向は、図6(b)に示すように、磁気結合器150,151が対向する方向である。
このように、磁気結合器150,151は、周方向に沿って磁気特性を不均一に変化させることにより、磁気結合器150,151間で磁気結合が発生する。
なお、平板リングに周方向に沿って磁界が不連続に変化するように永久磁石を配置すれば、交互に磁極方向を反転させなくても磁気結合器150,151間の磁気結合は可能であるが、外部に余計な磁束が漏れだすのを防ぐためには、周方向に沿って永久磁石の磁極方向を交互に反転させるのが好ましい。
また、磁気結合器150,151には、平板リング状以外にも、たとえば、円筒状マグネットを用いることも可能である。
【0038】
図7は、磁気結合器150あるいは磁気結合器151に磁性金属を用いた場合の構成を示す図である。
図7に示すように、円盤状の磁性金属板に、半径方向に沿ってスリットSLを形成する。このスリットSLは、周方向に沿って等間隔に配列されている。これにより、円盤状の磁性金属板は、周方向に沿って磁気特性が不均一になる。
この円盤状の磁性金属板からなる磁気結合器と、図6に示した構成の磁気結合器を組み合わせることで、スリットSLのエッジと永久磁石の磁極のエッジとの間で発生する滑りを抑制する向きに働く吸着力により回転力が伝達される。このため、複数のスリットSLのエッジと永久磁石の磁極のエッジとが同時に相互作用するように、スリットSLと永久磁石の配置の角度割りを最適化することにより、回転力の伝達効率を向上させることができる。
なお、円盤状の磁性金属板にスリットの代わりに非磁性部を設けたり、厚さを変えることにより、円盤状の磁性金属板の磁気特性を周方向に沿って変化させることができる。
【0039】
ところで、図5に示した構造では、ロータマグネット62は、ステータコイル61および磁気結合器150の双方から磁気力によって引きつけられるため、ロータマグネット62の回転軸65の方向の位置精度が正確に保てない可能性がある。ロータマグネット62の回転軸65の方向の位置精度が正確に保てないと、磁気結合器150,151の間の距離がばらつき、磁気結合器151から磁気結合器150に伝達される回転トルクがばらつく可能性がある。
【0040】
図8は、磁気結合器150,151の間の距離を一定に保つための方法の一例を説明するための図である。
図8に示すように、スピンドルモータ60の回転軸65の先端部に耐磨耗に優れる低摩擦のシート部材170を設ける。このシート部材170を回転軸36の下端部と当接させ、シート部材170の厚さにより、磁気結合器150,151の間の距離を制限する。
【0041】
ハウジング38と回転軸36との間の軸受に、含油軸受や流体軸受等の回転軸36が軸方向に移動可能な軸受を用いた場合には、磁気ディスク33の回転軸36の方向の位置にばらつきが発生する可能性がある。
図9は、磁気ディスク33の回転軸36の方向の位置にばらつきが発生するのを防ぐ方法の一例を説明するための図である。
図9に示すように、上記したスラスト受け用シート部材170をスピンドルモータ60の回転軸65の先端部に設け、このスラスト受け用シート部材170の表面を回転軸36の軸方向の基準位置にすることにより、磁気ディスク33の回転軸36の方向の位置のばらつきを抑制することができる。
【0042】
図10は、一対の磁気結合器を用いてスピンドルモータの回転力を磁気ディスクに伝達する他の構造例を示す断面図である。なお、図10において、図5における構成と同一構成部分については同一の符号を使用している。
図10において、磁気結合器150は、ホルダ部材154によってハブ35の下端面に固定されており、この磁気結合器150はカートリッジ本体31の内部に収容されている。
回転軸36は、軸受37Bを介してハウジング38Aに回転自在に保持されていおる。軸受37Bはハウジング38Aに固定され、ハウジング38Aのカートリッジ本体31の下側シェル31Bに固定されている。なお、軸受37Bは、含油軸受や流体軸受等の回転軸36が軸方向に移動可能な軸受である。
また、ハウジング38Aの上端部と回転軸36との間には、オイルシール180が設けられている。このオイルシール180は、軸受37Bから漏出する可能性のある潤滑油が磁気ディスク33に飛散するのを防ぐ。
【0043】
ハウジング38Aの下端部の開口には、スラスト受け用シート部材190が圧入されている。このスラスト受け用シート部材190は、耐磨耗性の低摩擦のシート状の部材からなる。
【0044】
一方、スピンドルモータ60Bは、ケース10cに固定されたハウジング63の中心部に設けられた固定軸265を有し、この固定軸265の回転軸65Aは、軸受64Aおよび玉軸受64Bを介して回転部材69が回転自在に保持されている。
回転部材69には、ハウジング66を介してロータマグネット62がステータコイル61に対向して固定されている。
ハウジング66の上面には、磁気結合器150に対向する位置に、磁気結合器151が固定されている。
なお、玉軸受64Bを介して回転部材69が回転自在に保持されているため、磁気結合器151およびロータマグネット62の固定軸265方向の位置は一定に保たれる。
【0045】
固定軸265の回転軸65Aは、回転部材69、ハウジング66およびロータマグネット62の回転中心となるとともに、上端部に形成された平板部265aがハウジング38Aの下端面に当接することにより、ハウジング38A(磁気ディスク33)の高さを規定する基準台としての役割を果たす。
回転部材69の平板部265aには、マグネット195が埋め込まれており、このマグネット195の磁気力により、平板部265aにハウジング38Aが密着する。
【0046】
磁気ディスク33の高さ(回転軸36の軸方向の位置)は、ハウジング38Aの下端面とスラスト受け用シート部材190の上側接触面との間の精度を出し、次いで、回転軸36のスラスト受け用シート部材190に接触する下端とハブ35の磁気ディスク33の取り付け面との精度を出すことによって確保される。
【0047】
スピンドルモータ60Bを駆動すると、ステータコイル61とロータマグネット62との間に電磁力(回転モーメント)が作用し、磁気結合器151が固定軸265を中心に回転する。回転する磁気結合器151とカートリッジ本体31に収容された磁気結合器150との間の磁気結合力により、回転軸36に回転力が伝達され、磁気ディスク33が回転する。
【0048】
なお、スペースの確保や製造コストの低減の観点から、磁気結合器151とロータマグネット62とを共通の永久磁石で構成することも可能である。
【0049】
第3実施形態
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係るディスクドライブシステムにおける磁気ディスクの支持機構およびスピンドルモータの周辺の構造を示す断面図である。なお、図11において、上述した第1および第2の実施形態と同一構成部分については同一の符号を使用している。
【0050】
上述した第2の実施形態では、一対の磁気結合器を用いて、スピンドルモータの回転力を磁気ディスクを保持する回転軸に非接触で伝達する構成について説明した。
本実施形態では、スピンドルモータのステータ(固定部分)とロータ(回転部分)とを機械的に分離し、この回転部分を磁気ディスク側に結合して回転力を非接触で伝達する構成について説明する。
【0051】
図11において、回転軸36は玉軸受37Aを介してハウジング38に回転自在に保持されている。この回転軸36は、カートリッジ本体31の下側シェル31Bの外側に突出しており、この突出部分に磁性材料からなる吸着板300が固定されている。
【0052】
一方、スピンドルモータ60Cは、ケース10cに固定されたハウジング63Cと、このハウジング63Cに固定されたステータコイル61と、回転部材66Aと、回転部材66Aのステータコイル61に対向する位置に固定されたロータマグネット62と、回転部材66Aに設けられたマグネット301とを有する。
【0053】
回転部材66Aは、ハウジング63Cとは完全に分離されている。この回転部材66Aには、ハウジング63Cに形成された嵌合凹部63Chと嵌まり合う嵌合凸部66Ahが中心部に形成されている。嵌合凹部63Chに嵌合凸部66Ahが嵌まり合うことにより、回転部材66Aはハウジング63Cに対して位置決めされる。
【0054】
また、回転部材66Aの上側の中心部には、軸部66Aaが形成されており、この軸部66Aaは、回転軸36の下端部に形成された嵌合穴36aに嵌合する。これにより、回転部材66Aの回転心と回転軸36の軸心が一致する。
【0055】
カートリッジ30がディスクドライブ装置に装着されていない状態では、回転部材66Aは、嵌合凸部66Ahがハウジング63Cの嵌合凹部63Chに嵌合し、ハウジング63Cに対して所定の位置に位置決めされる。
【0056】
一方、カートリッジ30がディスクドライブ装置に装着されると、図11に示したように、回転部材66Aは、マグネット301の磁気力によって吸着板に吸着され、ハウジング63Cから離れる。これにより、回転部材66Aは吸着板300を介して回転軸36に結合する。
【0057】
回転部材66Aが吸着板300を介して回転軸36に結合した状態でスピンドルモータ60Cを駆動すると、ステータコイル61とロータマグネット62との間に回転トルクが発生し、回転部材66Aは回転軸36と一体となって回転する。
【0058】
回転部材66Aを吸着板300から取り外すには、カートリッジ30を上昇させたときに、ケース10cに設けた爪部材350の爪350aで回転部材66Aを吸着板300から引き剥がす。
なお、爪部材350の上端面は、ハウジング38の下端面に当接し、ハウジング38の高さを規定する基準としての役割も果たしている。
【0059】
ところで、上記した構造においては、回転部材66Aが吸着板300に吸着される瞬間は、ステータコイル61には通電されていないので、ステータコイル61とロータマグネット62との間に結合力は発生しない。
回転部材66Aが吸着板300に吸着されると、ステータコイル61とロータマグネット62との間にはギャップが形成されるので、回転時に、ロータマグネット62とステータコイル61との間に結合力が発生しても、回転部材66Aがステータコイル61に引き寄せられにくくなるが、マグネット301の磁気力が小さいと、回転部材66Aがステータコイル61に吸着される可能性がある。
このため、マグネット301の磁気力による回転部材66Aと吸着板300との吸着力をロータマグネット62とステータコイル61との間に働く電磁吸着力よりも大きくしておくことが好ましい。
【0060】
図12は、図11に示した回転軸36の軸受に含油軸受や流体軸受等の軸受を用いた場合の構造例を示す断面図である。なお、上述した各実施形態および図11で説明した構成と同一構成部分については同一の符号を使用している。
【0061】
図12において、回転軸36は、含油軸受や流体軸受等の軸受37Bを介してハウジング38Dに回転自在に保持されている。
回転部材66Bは、マグネット301およびロータマグネット62を保持しており、形状は上記した回転部材66Aと異なるが機能はほぼ同じである。
なお、回転部材66Bの中心部には、回転軸36が挿入される貫通穴66Bhが形成されている。回転部材66Bが吸着板300に吸着したときに、貫通穴66Bhに回転軸36が挿入され、回転部材66Bと回転軸36との軸心合わせが行われる。
【0062】
スピンドルモータ63Dは、ケース10cに固定されており、上端の中心部にスラスト受け用シート部材170が設けられている。
回転部材66Bが吸着板300に吸着した状態で、回転軸36は、スラスト受け用シート部材170の上面に当接し、この上面が回転軸36に保持された磁気ディスクの高さの基準となる。
【0063】
上記の構成とすることにより、磁気ディスクの高さのバラツキを抑制することができる。
【0064】
図13は、スピンドルモータの固定部と回転部とを機械的に分離し、この回転部を磁気ディスク側に結合して回転力を非接触で伝達する構造において、回転部をカートリッジに組み込んだ構造例を示す断面図である。なお、上述した各実施形態および図11および図12で説明した構成と同一構成部分については同一の符号を使用している。
【0065】
図13において、回転軸36は、含油軸受や流体軸受等の軸受37Bを介してハウジング38Eに保持されている。
ハウジング38Eの下端の中心部に形成された開口には、スラスト受け用シート部材190が圧入されている。
また、ロータマグネット62を保持する回転部材66Cは、保持部材400を介してハブ35に取り付けられている。回転部材66Cは、カートリッジ本体31内に収容されている。
【0066】
一方、スピンドルモータ60Eのハウジング63Eは、ケース10cに固定されており、このハウジング63Eの上面側のスラスト受け用シート部材190に対向する位置には、マグネット360が埋め込まれている。このマグネット360の磁力によって、スピンドルモータ側のハウジング63Eにカートリッジ側のハウジング38Eが吸着される。
また、ハウジング63Eの上面には、位置決め用ピン600が設けられており、この位置決め用ピン600は、カートリッジ側のハウジング38Eの下面に形成された嵌合穴38Ehに嵌合する。
また、ハウジング63Eの上面には、ロータマグネット62に対向する位置にステータコイル61が設けられている。
【0067】
カートリッジを装着すると、位置決め用ピン600は、ハウジング38Eの嵌合穴38Ehに嵌合し、ハウジング38Eがスピンドルモータ側のハウジング63Eに位置決めされるとともに、マグネット360の磁力によって、ハウジング38Eがスピンドルモータ側のハウジング63Eにしっかりと吸着される。
スピンドルモータ60Eを駆動すると、ステータコイル61とロータマグネット62との間に回転トルクが発生し、磁気ディスク33が回転する。
【0068】
図13に示した構造では、ステータコイル61とロータマグネット62との間にハウジング38Eの板やカートリッジ本体31の下側シェル31B等を介在させる必要があり、これらの板厚は薄いほど、ステータコイル61とロータマグネット62との間の結合力を大きくすることができるが、板厚を薄くすると強度が低下し、振動、衝撃に弱くなる。
この問題点を改良した構造を図14に示す。
【0069】
図14において、軸受37Bを介してハウジング38Fに回転自在に保持された回転軸36は、その下端部がハウジング38Fを通じて外側に突出している。
回転軸36の下端部は、ハウジング38Fが自ら形成する収容部38Fsに突出しており、この回転軸36の下端部には、ロータマグネット62を保持した回転部材66Dが固定されている。ハウジング38Fの収容部38Fsはカートリッジの外部に面している。
回転部材66Dは、ハウジング38Fの備える収容部38Fsに収容されている。
ハウジング38Fには、収容部38Fsを閉鎖するシール板500が取り付けられている。これにより、ロータマグネット62を保持した回転部材66Dは、磁気ディスク33とは隔離された密閉空間に収容される。
シール板500の回転軸36に対向する位置にスラスト受け用シート部材190が設けられている。
【0070】
一方、スピンドルモータ60Fのハウジング63Fは、ケース10cに固定され、上面側にハウジング38Fを受け止める受け部63Fsが形成されている。また、回転軸36に対応する位置に、スラスト受け用の軸部63Fmが形成されている。この軸部63Fmの先端で、シール板500およびスラスト受け用シート部材190を介して回転軸36を支持する。
また、ハウジング63Fの上面には、複数のマグネット370が設けられており、このマグネット370の磁力によりハウジング63Fにカートリッジ側のハウジング38Fがしっかりと吸着される。
【0071】
上記の構造を採用することにより、磁気ディスク33の回転時に、スラスト受け用シート部材190の高さを軸部63Fmで規制できるため、シール板500を薄くすることができる。この結果、強度を落とさず、ステータコイル61とロータマグネット62との間の結合力を大きくすることができる。
また、上記の構造において、スラスト受け用シート部材190を軸部63Fmに直接設け、シール板500を排除して、回転部材66Dが外部に露出した構造とすることもできる。
【0072】
第4実施形態
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るディスクドライブシステムにおけるヘッド機構およびヘッド機構を駆動するボイスコイルモータの構造を示す断面図である。
なお、図15に示す構造は、上述した第1〜第3の実施形態に係るディスクドライブシステムにそれぞれ適用可能である。
また、図15において、第1の実施形態に係るディスクドライブシステム1と同一構成部分については同一の符号を使用している。
【0073】
ヘッド機構800は、磁気ヘッド41と、アーム42と、回転軸43と、玉軸受44Aと、ハウジング45とを有する。
【0074】
回転軸43の下端部は、カートリッジ本体31の下側シェル31Bに形成された開口31hを通じて外部に突出している。開口31hは、ハウジング45と玉軸受44Aと、回転軸43によって間接的に密閉されている。
回転軸43の下端部には、吸着板850が固定されている。
【0075】
ボイスコイルモータ900は、ケース10cに固定された固定部としてのステータ901と、ステータ901に固定されたマグネット902と、可動部としての可動ホルダ904と、可動ホルダ904に固定されたボイスコイル903と、マグネット902のバックヨーク906とを有する。
【0076】
ボイスコイル903は、可動ホルダ904に取り付けられている。このボイスコイル903は、単独ではその駆動軸を持たず、通常(カートリッジ未装着時)は、ステータ901の嵌合凸部901aと可動ホルダ904の嵌合凹部904aとの嵌合によって、ラフに位置決めされる。
【0077】
カートリッジが装着されると、可動ホルダ904に固定されたマグネット905の吸着力により、カートリッジ側の吸着板850に結合される。
このとき、回転軸43の先端部43aと可動ホルダ904に形成された嵌合凹部904aとの嵌合により、可動ホルダ904の回転軸43に対するセンタリングが行われる。
【0078】
回転軸43を回転させる駆動力は、ステータ901に固定されたマグネット902とボイスコイル903との間で発生する。
【0079】
バックヨーク906は、カートリッジを抜き取るときに、カートリッジ側の吸着板850に結合した可動ホルダ904と係合して、可動ホルダ904を吸着板850からはぎ取る役割も果たす。
【0080】
なお、図15においては、2個のボイスコイル903を対向させているが、個数はこれに限定されない。ボイスコイル903の可動範囲があるので、カートリッジの脱着はボイスコイル903が定位置に位置するときにだけ行われるように、ロック機構を設けることが好ましい。
【0081】
カートリッジが抜かれた状態では、外部からの振動、衝撃で可動ホルダ904が動くため、その防止機構が必要となる。
【0082】
図16は、可動ホルダの保持機構の構造の一例を示す断面図である。
図16において、位置決め部材901Bは、上記のステータ901から位置決め機能(嵌合凸部)だけを分離した部材であり、この位置決め部材901Bを固定されたステータ901Aに対して上下可動式とする。すなわち、位置決め部材901Bにガイドピン961を連結し、このガイドピン961を固定されたステータ901Aに形成した軸穴901Ahに挿入し、固定されたステータ901Aと位置決め部材901Bとの間にバネ等の弾性部材960を介在させる。
位置決め部材901Bに保持され、弾性部材960で押し上げられる可動ホルダ904をバックヨーク906によって受け止めることにより、可動ホルダ904を一定位置に保持する。
【0083】
また、位置決め部材901Bに位置決めピン970を設けて、これを可動ホルダ904の穴904hに挿入することにより可動ホルダ904の回転を規制する。
カートリッジが装着されると、カートリッジから下方に作用する力によって位置決め部材901Bが押し下げられ、可動ホルダ904がフリーとなる。
【0084】
なお、吸着板850と可動ホルダ904との間に滑りが発生する場合には、その防止機構を付加するのが好ましい。
たとえば、吸着板850と可動ホルダ904との接触面を、噛み合いする歯車形状としたり、回転防止ピンを設けて機械的に結合する方法などが考えられる。
【0085】
本発明は上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、記録媒体として磁気ディスクの場合について説明したが、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク等の他の円盤状の記録媒体にも本発明を適用可能である。
また、上述した実施形態では、磁気ディスク33を保持する回転軸を回転させる場合について説明したが、この回転軸を固定軸とし、この固定軸を中心に磁気ディスク33を回転させる構成とすることも可能である。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、製造コストを低減でき、かつ、信頼性を高めることができるディスクドライブシステムおよびカートリッジが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスクドライブシステムの構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すディスクドライブシステムのA−A線方向の断面図である。
【図3】カートリッジをディスクドライブ装置の装着部に装着する途中の状態を示す断面図である。
【図4】カートリッジが装着部に完全に差し込まれた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るディスクドライブシステムにおける磁気ディスクの支持機構およびスピンドルモータの周辺の構造を示す断面図である。
【図6】磁気結合器に永久磁石を用いた場合の構成を説明するための図である。
【図7】磁気結合器に磁性金属を用いた場合の構成を示す図である。
【図8】磁気結合器の間の距離を一定に保つための方法の一例を説明するための図である。
【図9】磁気ディスクの回転軸の方向の位置にばらつきが発生するのを防ぐ方法の一例を説明するための図である。
【図10】一対の磁気結合器を用いてスピンドルモータの回転力を磁気ディスクに伝達する他の構造例を示す断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係るディスクドライブシステムにおける磁気ディスクの支持機構およびスピンドルモータの周辺の構造を示す断面図である。
【図12】図11に示した回転軸の軸受に含油軸受や流体軸受等の軸受を用いた場合の構造例を示す断面図である。
【図13】スピンドルモータの固定部と回転部とを機械的に分離し、この回転部を磁気ディスク側に結合して回転力を非接触で伝達する構造において、回転部をカートリッジに組み込んだ構造例を示す断面図である。
【図14】図13に示した構造を改良した構造の断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態に係るディスクドライブシステムのヘッド機構およびヘッド機構を駆動するボイスコイルモータの構造を示す断面図である。
【図16】可動ホルダの保持機構の構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ディスクドライブシステム、10…ディスクドライブ装置、30…カートリッジ、31…カートリッジ本体、33…磁気ディスク、40…ヘッド機構。
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の円盤状の記録媒体に対する情報の記録再生を行うディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)装置では、記録媒体である磁気ディスクをカートリッジに収納し、装置本体に着脱可能にしたカートリッジ交換型ハードディスクが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のカートリッジ交換型ハードディスクにも種々のタイプが知られている。
たとえば、特開昭60−226062号公報に開示されているように、磁気ディスクのみをカートリッジに収納したタイプのカートリッジ交換型ハードディスクは、カートリッジの磁気ディスクのみを収納すればよいのでカートリッジの製造コストを低減することができるが、記録再生時にカートリッジを開いて外部から磁気ディスクにアクセスする構造であるため、カートリッジの密閉性が低く、ダストやガスに対する信頼性が低いという不利益が存在する。また、このタイプのカートリッジ交換型ハードディスクは、磁気ディスクを外部に設けたスピンドルモータにより回転させるため、磁気ディスクとスピンドルの回転中心を精度良く合わせる必要がある。
また、磁気ディスクに加えて、磁気ディスクを回転させるスピンドルモータ、磁気ヘッド、この磁気ヘッドを駆動するボイスコイルモータをカートリッジ内に収納したタイプのものも知られている。このタイプのカートリッジ交換型ハードディスクは、記録再生時にカートリッジの外部から磁気ディスクにアクセスする必要がない構造であるため、カートリッジ密閉性が高くダストやガスに対する信頼性が高い。しかしながら、カートリッジに多くの構成要素を組み込むため、カートリッジのコストが高くなるという不利益が存在する。
【0004】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、カートリッジ交換型ハードディスクのカートリッジの製造コストを低減でき、かつ、カートリッジの信頼性を高めることができるディスクドライブシステムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に係るディスクドライブシステムは、円板状の記録媒体と、前記記録媒体への情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生の少なくとも一方を行う記録/再生手段を移動可能に保持するヘッド機構とを内部に収容し、かつ、前記記録媒体および前記ヘッド機構を収容する収容空間が密閉されているカートリッジと、前記カートリッジが離脱可能に装着され、前記記録媒体および前記ヘッド機構の駆動を前記カートリッジの外部から行う駆動手段を備えるディスクドライブ装置とを有する。
【0006】
本発明の第2の観点に係るディスクドライブシステムは、円板状の記録媒体を収容するカートリッジと、前記カートリッジが離脱可能に装着され、前記記録媒体に対する情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生の少なくとも一方を行うディスクドライブ装置とを有するディスクドライブシステムであって、前記カートリッジは、前記記録媒体を所定の軸を中心に回転可能に支持する支持手段を有し、前記ディスクドライブ装置は、前記記録媒体を回転させる回転力を発生する駆動手段を有し、前記駆動手段から前記記録媒体に回転力を非接触で伝達する結合手段を有する。
【0007】
本発明の第1の観点に係るカートリッジは、ディスクドライブ装置に離脱可能に装着され、情報の記録および再生の少なくとも一方が行われるカートリッジであって、円板状の記録媒体と、前記記録媒体への情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生の少なくとも一方を行う記録/再生手段を前記記録媒体に対して移動可能に保持するヘッド機構とを内部に収容し、かつ、前記記録媒体および前記ヘッド機構を収容する収容空間が密閉されている。
【0008】
本発明の第2の観点に係るカートリッジは、ディスクドライブ装置に離脱可能に装着され、情報の記録および再生の少なくとも一方が行われるカートリッジであって、所定の軸を中心に回転自在に支持された円板状の記録媒体と、前記ディスクドライブ装置に備わる駆動手段と結合され、当該駆動手段から回転力を受けて前記記録媒体に非接触で伝達する結合手段とを有する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、カートリッジをディスクドライブ装置に装着すると、カートリッジの密閉状態を保ったまま、カートリッジに収容された記録媒体およびヘッド機構は駆動手段により駆動され、記録媒体へのデータの記録、再生が行われる。
【0010】
本発明の第2の観点によれば、カートリッジをディスクドライブ装置に装着すると、所定の軸を中心に回転自在に支持された記録媒体へ回転力が駆動手段から非接触で伝達され、記録媒体はカートリッジ側に存在する所定の軸を中心に回転する。駆動手段から記録媒体へ非接触で回転力が伝達されるため、駆動手段から記録媒体へは回転力のみが伝達され、他の力が作用しない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態に係るディスクドライブシステムの構成を示す断面図であり、図2は図1に示すディスクドライブシステムのA−A線方向の断面図である。
図1において、ディスクドライブシステム1は、ディスクドライブ装置10と、カートリッジ30とを有する。なお、図1は、ディスクドライブ装置10にカートリッジ30が装着された状態を示している。カートリッジ30は、図1に示す矢印B1およびB2の方向に抜き差しすることにより、ディスクドライブ装置10に対して脱着される。
【0012】
図1に示すように、カートリッジ30は、カートリッジ本体31と、カートリッジ本体31の内部に収容された磁気ディスク33と、カートリッジ本体31の内部に収容された磁気ヘッド41を磁気ディスク33のトラックピッチ方向に移動可能に保持するヘッド機構40とを有する。なお、磁気ディスク33は、本発明の円盤状の記録媒体の一実施態様である。
【0013】
図2に示すように、カートリッジ本体31は内部に収容空間31sを備えており、この収容空間31sは密閉されている。
磁気ディスク33は、支持機構34によって支持されている。
【0014】
支持機構34は、ハブ35と、回転軸36と、軸受37と、ハウジング38とを有する。なお、回転軸36は本発明の記録媒体用回転軸の一実施態様である。ハブ35は、磁気ディスク33の中心部に固定されている。このハブ35の中心部に回転軸36が固定されている。
回転軸36は、軸受37を介してハウジング38に回転自在に支持されている。
ハウジング38は、カートリッジ本体31に固定されており、ハウジング38とカートリッジ本体31との間は密封されている。
また、ハウジング38と軸受37との間および軸受37と回転軸36との間も密封されている。
【0015】
回転軸36の下端部は、ハウジング38を通じてカートリッジ本体31の外部に突出している。この下端部に後述するスピンドルモータ60から機械的に分離されたロータマグネット62が固定されている。
【0016】
ヘッド機構40は、磁気ヘッド41と、アーム42と、回転軸43と、軸受44と、ハウジング45とを有する。
【0017】
アーム42は、磁気ディスク33を挟み、磁気ディスク33の両面に対向するように設けられており、このアーム42の先端部にそれぞれ磁気ディスク33に対向して磁気ヘッド41が保持されている。
磁気ヘッド41は、磁気ディスク33に記録された情報の再生および磁気ディスク33への情報の記録を行う。なお、磁気ヘッド41は本発明の記録/再生手段の一実施態様である。
【0018】
回転軸43は、アーム42の後端部に連結されている。この回転軸43は、軸受44を介してハウジング45に回転自在に保持されている。これにより、アーム42は、回転軸43を中心に旋回可能となっている。
ハウジング45は、カートリッジ本体31に固定されており、ハウジング45とカートリッジ本体31との間は密封されている。
また、ハウジング45と軸受44との間および軸受44と回転軸43との間も密封されている。
【0019】
図2に示すように、ディスクドライブ装置10は、カートリッジ30が装着される装着部11と、スピンドルモータ60と、ボイスコイルモータ20と、ホルダーアーム23とを有する。ボイスコイルモータ20、ホルダーアーム23およびスピンドルモータ60は本発明の駆動手段の一実施態様である。
【0020】
装着部11は、一端(図2において左側端部)が開口しており、カートリッジ30の外形に略合致する内周面を有する。この内周面によってカートリッジ30が案内される。装着部11の開口を通じてカートリッジ30を矢印B1およびB2の向きに抜き差しすることにより、カートリッジ30が脱着される。また、装着部11は、案内部材80に沿って矢印C1およびC2の向きに昇降する。図2に示す装着部11の位置はカートリッジ30を記録再生する位置である。
【0021】
スピンドルモータ60は、ディスクドライブ装置10のケース10cに固定されたホルダ63と、ホルダ63に保持されたステータコイル61とを有する。また、ロータマグネット62は、上述したように、スピンドルモータ60とは分離されて回転軸36に固定され、ステータコイル61に対向している。なお、ステータコイル61およびロータマグネット62は、本発明の結合手段の一実施態様である。
【0022】
ステータコイル61は、電流が供給されることにより電磁界を発生する。
ロータマグネット62は、ステータコイル61の発生する電磁界により電磁力(回転トルク)を受けて回転軸36を回転させる。すなわち、ステータコイル61とロータマグネット62との間には非接触で電磁力が相互に作用し、ステータコイル61は固定されているので、この電磁力がロータマグネット62の回転力として作用する。ロータマグネット62に回転力が作用することにより、回転軸36が回転する。
【0023】
ボイスコイルモータ20は、ホルダーアーム23に固定されたコイル20と、このコイル20に対向配置されたマグネット22とを有する。
ホルダーアーム23は、ディスクドライブ装置10のケース10cに固定された支軸25を中心に回転可能に支持されている。この支軸25は、回転軸43の直下に位置している。
また、図2に示す状態において、ホルダーアーム23の支軸25上の連結部23aは、回転軸43に連結されている。
コイル20に電流を供給することにより、コイル20とマグネット22との間に電磁力が作用し、この電磁力によりホルダーアーム23が支軸25を中心に回転する。このホルダーアーム23の回転が連結部23aを通じて回転軸43に伝達され、回転軸43に連結されたアーム42が旋回する。これにより、アーム42の先端に保持された磁気ヘッド41が磁気ディスク33に対して移動する。
【0024】
図2において、カートリッジ本体31には、磁気ヘッド41と図示しないケーブルによって接続されたコネクタ50が設けられている。このコネクタ50は、ディスクドライブ装置10の装着部11に設けられたコネクタ70と電気的に接続されている。このコネクタ70は、ディスクドライブ装置10内に設けられた信号処理回路71とケーブルによって電気的に接続されている。コネクタ50とコネクタ70との接続によって、各種信号が磁気ヘッド41と信号処理回路71との間で送受される。
【0025】
次に、上記構成のカートリッジ30をディスクドライブ装置10に装着する動作について説明する。
図3は、上記構成のカートリッジ30をディスクドライブ装置10の装着部11に装着する途中の状態を示す断面図である。なお、図3において、カートリッジ30のみ断面となっていない。
図3に示すように、装着部11が上昇した状態で、カートリッジ30を装着部11に矢印B2の向きに差し込む。
【0026】
図4は、カートリッジ30が装着部11に完全に差し込まれた状態を示す断面図である。
図4に示すように、カートリッジ30が装着部11に完全に差し込まれると、コネクタ50がコネクタ70に接続される。
この状態から、装着部11は自動または手動により図2に示した位置に下降する。これにより、回転軸35に連結されたロータマグネット62がスピンドルモータ60のステータコイル61に対向する位置に移動するとともに、ホルダーアーム23の連結部23aが回転軸43に連結される。
以上の手順によってカートリッジ30の装着が完了する。カートリッジ30の離脱は上記の手順と逆の手順によって行われる。
【0027】
上記構成のディスクドライブシステム1では、スピンドルモータ60の駆動により、回転軸35に固定されたロータマグネット62が非接触で回転力を受けることにより、磁気ディスク33は回転する。また、磁気ディスク33が回転した状態でボイスコイル20を駆動制御することにより、磁気ヘッド41が磁気ディスク33の所望の位置に移動され、記録再生動作が行われる。
上記の磁気ディスク33の回転および磁気ヘッド41は、カートリッジ30が完全に密閉された状態で行われる。
このため、外部からダストやガスがカートリッジ本体31内に侵入することがなく、外部からのダストやガスに対する信頼性が極めて高い。
【0028】
また、磁気ディスク33は、カートリッジ本体31によって支持された回転軸35に保持されているため、磁気ディスク33と他の部材との摺動がなく、カートリッジ本体31内でダストが発生することがほとんどない。
また、磁気ディスク33はカートリッジ本体31に支持された回転軸35を基準に回転し、磁気ヘッド41を保持するアーム42はカートリッジ本体31に保持された回転軸43を基準に旋回するため、磁気ヘッド41と磁気ディスク33の位置関係をそれぞれのカートリッジ30毎に常に一定とすることができる。このため、磁気ヘッド41を磁気ディスク33の所望のトラックに追従させたときに、追従誤差を大幅に低減できる。この結果、磁気ディスク33のトラックピッチを狭めることができ、磁気ディスク33の記録密度を向上させることが可能となる。
【0029】
また、本実施形態では、スピンドルモータ60から回転軸36への回転力の伝達を非接触で行うとともに、回転軸36には回転力のみ作用する。このため、回転軸36の軸芯とスピンドルモータ60の回転中心との間で要求される芯合わせ精度が緩和され、製造コストを低減することが可能となる。
【0030】
第2実施形態
図5は、本発明の他の実施形態に係るディスクドライブシステムにおける磁気ディスクの支持機構およびスピンドルモータの周辺の構造を示す断面図である。なお、図5に示すディスクドライブシステムは、磁気ディスクの支持機構およびスピンドルモータの周辺以外の構成は上述した第1の実施形態に係るディスクドライブシステム1と同様であり、同一構成部分については同一の符号を使用している。
【0031】
図5において、回転軸36は玉軸受37Aを介してハウジング38に回転自在に保持されている。このため、回転軸36は軸方向には移動が規制されている。
カートリッジ本体31の上側シェル31Aの回転軸36の上端に対向する位置には、スラスト受け用シート部材160が設けられている。このスラスト受け用シート部材160は、回転軸36が軸方向に移動してカートリッジ本体31の上側シェル31Aと直接衝突するのを防ぐために設けられている。
【0032】
回転軸36のハウジング38を通じてカートリッジ本体31の下側シェル31Bの外側に突出した下端部には、円盤状の磁気結合器150が設けられている。磁気結合器150は、カートリッジ本体31の下側シェル31Bの外部に設けられている。
【0033】
スピンドルモータ60Aは、ケース10cに設けられたホルダ63と、ホルダ63に固定されたステータコイル61と、ホルダ63に軸受64を介して回転自在に支持された回転軸65と、回転軸65に連結されホルダ66と、ホルダ66に保持されステータコイル61に対向するロータマグネット62とを有する。
【0034】
スピンドルモータ60Aは、ステータコイル61に電流を供給することによりステータコイル61とロータマグネット62との間に作用する電磁力により、ロータマグネット62に回転トルクが作用し、回転軸65が回転する。
【0035】
回転軸65に連結されたホルダ66の上側面には、上記した磁気結合器150に対向して円盤状の磁気結合器151が固定されている。
磁気結合器150と磁気結合器151とは、磁気力によって結合し、磁気結合器151からの回転トルクが非接触で磁気結合器150に伝達される。
また、磁気結合器150と磁気結合器151とは、少なくとも一方が永久磁石で形成され、他方は永久磁石あるいはパーマロイ等の磁性金属で形成されている。
【0036】
上記の一対の磁気結合器150,151をスピンドルモータ60Aと回転軸36との間に設けることにより、カートリッジ本体31の外部から非接触で磁気ディスク33に回転トルクを伝達することができる。
【0037】
図6は、磁気結合器150,151に永久磁石を用いた場合の構成を説明するための図である。
図6(a)に示すように、磁気結合器150,151は平板リング状を有し、周方向に沿って、永久磁石が配列され、これらの永久磁石は周方向に沿って交互に磁極が反転している。また、着磁方向は、図6(b)に示すように、磁気結合器150,151が対向する方向である。
このように、磁気結合器150,151は、周方向に沿って磁気特性を不均一に変化させることにより、磁気結合器150,151間で磁気結合が発生する。
なお、平板リングに周方向に沿って磁界が不連続に変化するように永久磁石を配置すれば、交互に磁極方向を反転させなくても磁気結合器150,151間の磁気結合は可能であるが、外部に余計な磁束が漏れだすのを防ぐためには、周方向に沿って永久磁石の磁極方向を交互に反転させるのが好ましい。
また、磁気結合器150,151には、平板リング状以外にも、たとえば、円筒状マグネットを用いることも可能である。
【0038】
図7は、磁気結合器150あるいは磁気結合器151に磁性金属を用いた場合の構成を示す図である。
図7に示すように、円盤状の磁性金属板に、半径方向に沿ってスリットSLを形成する。このスリットSLは、周方向に沿って等間隔に配列されている。これにより、円盤状の磁性金属板は、周方向に沿って磁気特性が不均一になる。
この円盤状の磁性金属板からなる磁気結合器と、図6に示した構成の磁気結合器を組み合わせることで、スリットSLのエッジと永久磁石の磁極のエッジとの間で発生する滑りを抑制する向きに働く吸着力により回転力が伝達される。このため、複数のスリットSLのエッジと永久磁石の磁極のエッジとが同時に相互作用するように、スリットSLと永久磁石の配置の角度割りを最適化することにより、回転力の伝達効率を向上させることができる。
なお、円盤状の磁性金属板にスリットの代わりに非磁性部を設けたり、厚さを変えることにより、円盤状の磁性金属板の磁気特性を周方向に沿って変化させることができる。
【0039】
ところで、図5に示した構造では、ロータマグネット62は、ステータコイル61および磁気結合器150の双方から磁気力によって引きつけられるため、ロータマグネット62の回転軸65の方向の位置精度が正確に保てない可能性がある。ロータマグネット62の回転軸65の方向の位置精度が正確に保てないと、磁気結合器150,151の間の距離がばらつき、磁気結合器151から磁気結合器150に伝達される回転トルクがばらつく可能性がある。
【0040】
図8は、磁気結合器150,151の間の距離を一定に保つための方法の一例を説明するための図である。
図8に示すように、スピンドルモータ60の回転軸65の先端部に耐磨耗に優れる低摩擦のシート部材170を設ける。このシート部材170を回転軸36の下端部と当接させ、シート部材170の厚さにより、磁気結合器150,151の間の距離を制限する。
【0041】
ハウジング38と回転軸36との間の軸受に、含油軸受や流体軸受等の回転軸36が軸方向に移動可能な軸受を用いた場合には、磁気ディスク33の回転軸36の方向の位置にばらつきが発生する可能性がある。
図9は、磁気ディスク33の回転軸36の方向の位置にばらつきが発生するのを防ぐ方法の一例を説明するための図である。
図9に示すように、上記したスラスト受け用シート部材170をスピンドルモータ60の回転軸65の先端部に設け、このスラスト受け用シート部材170の表面を回転軸36の軸方向の基準位置にすることにより、磁気ディスク33の回転軸36の方向の位置のばらつきを抑制することができる。
【0042】
図10は、一対の磁気結合器を用いてスピンドルモータの回転力を磁気ディスクに伝達する他の構造例を示す断面図である。なお、図10において、図5における構成と同一構成部分については同一の符号を使用している。
図10において、磁気結合器150は、ホルダ部材154によってハブ35の下端面に固定されており、この磁気結合器150はカートリッジ本体31の内部に収容されている。
回転軸36は、軸受37Bを介してハウジング38Aに回転自在に保持されていおる。軸受37Bはハウジング38Aに固定され、ハウジング38Aのカートリッジ本体31の下側シェル31Bに固定されている。なお、軸受37Bは、含油軸受や流体軸受等の回転軸36が軸方向に移動可能な軸受である。
また、ハウジング38Aの上端部と回転軸36との間には、オイルシール180が設けられている。このオイルシール180は、軸受37Bから漏出する可能性のある潤滑油が磁気ディスク33に飛散するのを防ぐ。
【0043】
ハウジング38Aの下端部の開口には、スラスト受け用シート部材190が圧入されている。このスラスト受け用シート部材190は、耐磨耗性の低摩擦のシート状の部材からなる。
【0044】
一方、スピンドルモータ60Bは、ケース10cに固定されたハウジング63の中心部に設けられた固定軸265を有し、この固定軸265の回転軸65Aは、軸受64Aおよび玉軸受64Bを介して回転部材69が回転自在に保持されている。
回転部材69には、ハウジング66を介してロータマグネット62がステータコイル61に対向して固定されている。
ハウジング66の上面には、磁気結合器150に対向する位置に、磁気結合器151が固定されている。
なお、玉軸受64Bを介して回転部材69が回転自在に保持されているため、磁気結合器151およびロータマグネット62の固定軸265方向の位置は一定に保たれる。
【0045】
固定軸265の回転軸65Aは、回転部材69、ハウジング66およびロータマグネット62の回転中心となるとともに、上端部に形成された平板部265aがハウジング38Aの下端面に当接することにより、ハウジング38A(磁気ディスク33)の高さを規定する基準台としての役割を果たす。
回転部材69の平板部265aには、マグネット195が埋め込まれており、このマグネット195の磁気力により、平板部265aにハウジング38Aが密着する。
【0046】
磁気ディスク33の高さ(回転軸36の軸方向の位置)は、ハウジング38Aの下端面とスラスト受け用シート部材190の上側接触面との間の精度を出し、次いで、回転軸36のスラスト受け用シート部材190に接触する下端とハブ35の磁気ディスク33の取り付け面との精度を出すことによって確保される。
【0047】
スピンドルモータ60Bを駆動すると、ステータコイル61とロータマグネット62との間に電磁力(回転モーメント)が作用し、磁気結合器151が固定軸265を中心に回転する。回転する磁気結合器151とカートリッジ本体31に収容された磁気結合器150との間の磁気結合力により、回転軸36に回転力が伝達され、磁気ディスク33が回転する。
【0048】
なお、スペースの確保や製造コストの低減の観点から、磁気結合器151とロータマグネット62とを共通の永久磁石で構成することも可能である。
【0049】
第3実施形態
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係るディスクドライブシステムにおける磁気ディスクの支持機構およびスピンドルモータの周辺の構造を示す断面図である。なお、図11において、上述した第1および第2の実施形態と同一構成部分については同一の符号を使用している。
【0050】
上述した第2の実施形態では、一対の磁気結合器を用いて、スピンドルモータの回転力を磁気ディスクを保持する回転軸に非接触で伝達する構成について説明した。
本実施形態では、スピンドルモータのステータ(固定部分)とロータ(回転部分)とを機械的に分離し、この回転部分を磁気ディスク側に結合して回転力を非接触で伝達する構成について説明する。
【0051】
図11において、回転軸36は玉軸受37Aを介してハウジング38に回転自在に保持されている。この回転軸36は、カートリッジ本体31の下側シェル31Bの外側に突出しており、この突出部分に磁性材料からなる吸着板300が固定されている。
【0052】
一方、スピンドルモータ60Cは、ケース10cに固定されたハウジング63Cと、このハウジング63Cに固定されたステータコイル61と、回転部材66Aと、回転部材66Aのステータコイル61に対向する位置に固定されたロータマグネット62と、回転部材66Aに設けられたマグネット301とを有する。
【0053】
回転部材66Aは、ハウジング63Cとは完全に分離されている。この回転部材66Aには、ハウジング63Cに形成された嵌合凹部63Chと嵌まり合う嵌合凸部66Ahが中心部に形成されている。嵌合凹部63Chに嵌合凸部66Ahが嵌まり合うことにより、回転部材66Aはハウジング63Cに対して位置決めされる。
【0054】
また、回転部材66Aの上側の中心部には、軸部66Aaが形成されており、この軸部66Aaは、回転軸36の下端部に形成された嵌合穴36aに嵌合する。これにより、回転部材66Aの回転心と回転軸36の軸心が一致する。
【0055】
カートリッジ30がディスクドライブ装置に装着されていない状態では、回転部材66Aは、嵌合凸部66Ahがハウジング63Cの嵌合凹部63Chに嵌合し、ハウジング63Cに対して所定の位置に位置決めされる。
【0056】
一方、カートリッジ30がディスクドライブ装置に装着されると、図11に示したように、回転部材66Aは、マグネット301の磁気力によって吸着板に吸着され、ハウジング63Cから離れる。これにより、回転部材66Aは吸着板300を介して回転軸36に結合する。
【0057】
回転部材66Aが吸着板300を介して回転軸36に結合した状態でスピンドルモータ60Cを駆動すると、ステータコイル61とロータマグネット62との間に回転トルクが発生し、回転部材66Aは回転軸36と一体となって回転する。
【0058】
回転部材66Aを吸着板300から取り外すには、カートリッジ30を上昇させたときに、ケース10cに設けた爪部材350の爪350aで回転部材66Aを吸着板300から引き剥がす。
なお、爪部材350の上端面は、ハウジング38の下端面に当接し、ハウジング38の高さを規定する基準としての役割も果たしている。
【0059】
ところで、上記した構造においては、回転部材66Aが吸着板300に吸着される瞬間は、ステータコイル61には通電されていないので、ステータコイル61とロータマグネット62との間に結合力は発生しない。
回転部材66Aが吸着板300に吸着されると、ステータコイル61とロータマグネット62との間にはギャップが形成されるので、回転時に、ロータマグネット62とステータコイル61との間に結合力が発生しても、回転部材66Aがステータコイル61に引き寄せられにくくなるが、マグネット301の磁気力が小さいと、回転部材66Aがステータコイル61に吸着される可能性がある。
このため、マグネット301の磁気力による回転部材66Aと吸着板300との吸着力をロータマグネット62とステータコイル61との間に働く電磁吸着力よりも大きくしておくことが好ましい。
【0060】
図12は、図11に示した回転軸36の軸受に含油軸受や流体軸受等の軸受を用いた場合の構造例を示す断面図である。なお、上述した各実施形態および図11で説明した構成と同一構成部分については同一の符号を使用している。
【0061】
図12において、回転軸36は、含油軸受や流体軸受等の軸受37Bを介してハウジング38Dに回転自在に保持されている。
回転部材66Bは、マグネット301およびロータマグネット62を保持しており、形状は上記した回転部材66Aと異なるが機能はほぼ同じである。
なお、回転部材66Bの中心部には、回転軸36が挿入される貫通穴66Bhが形成されている。回転部材66Bが吸着板300に吸着したときに、貫通穴66Bhに回転軸36が挿入され、回転部材66Bと回転軸36との軸心合わせが行われる。
【0062】
スピンドルモータ63Dは、ケース10cに固定されており、上端の中心部にスラスト受け用シート部材170が設けられている。
回転部材66Bが吸着板300に吸着した状態で、回転軸36は、スラスト受け用シート部材170の上面に当接し、この上面が回転軸36に保持された磁気ディスクの高さの基準となる。
【0063】
上記の構成とすることにより、磁気ディスクの高さのバラツキを抑制することができる。
【0064】
図13は、スピンドルモータの固定部と回転部とを機械的に分離し、この回転部を磁気ディスク側に結合して回転力を非接触で伝達する構造において、回転部をカートリッジに組み込んだ構造例を示す断面図である。なお、上述した各実施形態および図11および図12で説明した構成と同一構成部分については同一の符号を使用している。
【0065】
図13において、回転軸36は、含油軸受や流体軸受等の軸受37Bを介してハウジング38Eに保持されている。
ハウジング38Eの下端の中心部に形成された開口には、スラスト受け用シート部材190が圧入されている。
また、ロータマグネット62を保持する回転部材66Cは、保持部材400を介してハブ35に取り付けられている。回転部材66Cは、カートリッジ本体31内に収容されている。
【0066】
一方、スピンドルモータ60Eのハウジング63Eは、ケース10cに固定されており、このハウジング63Eの上面側のスラスト受け用シート部材190に対向する位置には、マグネット360が埋め込まれている。このマグネット360の磁力によって、スピンドルモータ側のハウジング63Eにカートリッジ側のハウジング38Eが吸着される。
また、ハウジング63Eの上面には、位置決め用ピン600が設けられており、この位置決め用ピン600は、カートリッジ側のハウジング38Eの下面に形成された嵌合穴38Ehに嵌合する。
また、ハウジング63Eの上面には、ロータマグネット62に対向する位置にステータコイル61が設けられている。
【0067】
カートリッジを装着すると、位置決め用ピン600は、ハウジング38Eの嵌合穴38Ehに嵌合し、ハウジング38Eがスピンドルモータ側のハウジング63Eに位置決めされるとともに、マグネット360の磁力によって、ハウジング38Eがスピンドルモータ側のハウジング63Eにしっかりと吸着される。
スピンドルモータ60Eを駆動すると、ステータコイル61とロータマグネット62との間に回転トルクが発生し、磁気ディスク33が回転する。
【0068】
図13に示した構造では、ステータコイル61とロータマグネット62との間にハウジング38Eの板やカートリッジ本体31の下側シェル31B等を介在させる必要があり、これらの板厚は薄いほど、ステータコイル61とロータマグネット62との間の結合力を大きくすることができるが、板厚を薄くすると強度が低下し、振動、衝撃に弱くなる。
この問題点を改良した構造を図14に示す。
【0069】
図14において、軸受37Bを介してハウジング38Fに回転自在に保持された回転軸36は、その下端部がハウジング38Fを通じて外側に突出している。
回転軸36の下端部は、ハウジング38Fが自ら形成する収容部38Fsに突出しており、この回転軸36の下端部には、ロータマグネット62を保持した回転部材66Dが固定されている。ハウジング38Fの収容部38Fsはカートリッジの外部に面している。
回転部材66Dは、ハウジング38Fの備える収容部38Fsに収容されている。
ハウジング38Fには、収容部38Fsを閉鎖するシール板500が取り付けられている。これにより、ロータマグネット62を保持した回転部材66Dは、磁気ディスク33とは隔離された密閉空間に収容される。
シール板500の回転軸36に対向する位置にスラスト受け用シート部材190が設けられている。
【0070】
一方、スピンドルモータ60Fのハウジング63Fは、ケース10cに固定され、上面側にハウジング38Fを受け止める受け部63Fsが形成されている。また、回転軸36に対応する位置に、スラスト受け用の軸部63Fmが形成されている。この軸部63Fmの先端で、シール板500およびスラスト受け用シート部材190を介して回転軸36を支持する。
また、ハウジング63Fの上面には、複数のマグネット370が設けられており、このマグネット370の磁力によりハウジング63Fにカートリッジ側のハウジング38Fがしっかりと吸着される。
【0071】
上記の構造を採用することにより、磁気ディスク33の回転時に、スラスト受け用シート部材190の高さを軸部63Fmで規制できるため、シール板500を薄くすることができる。この結果、強度を落とさず、ステータコイル61とロータマグネット62との間の結合力を大きくすることができる。
また、上記の構造において、スラスト受け用シート部材190を軸部63Fmに直接設け、シール板500を排除して、回転部材66Dが外部に露出した構造とすることもできる。
【0072】
第4実施形態
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るディスクドライブシステムにおけるヘッド機構およびヘッド機構を駆動するボイスコイルモータの構造を示す断面図である。
なお、図15に示す構造は、上述した第1〜第3の実施形態に係るディスクドライブシステムにそれぞれ適用可能である。
また、図15において、第1の実施形態に係るディスクドライブシステム1と同一構成部分については同一の符号を使用している。
【0073】
ヘッド機構800は、磁気ヘッド41と、アーム42と、回転軸43と、玉軸受44Aと、ハウジング45とを有する。
【0074】
回転軸43の下端部は、カートリッジ本体31の下側シェル31Bに形成された開口31hを通じて外部に突出している。開口31hは、ハウジング45と玉軸受44Aと、回転軸43によって間接的に密閉されている。
回転軸43の下端部には、吸着板850が固定されている。
【0075】
ボイスコイルモータ900は、ケース10cに固定された固定部としてのステータ901と、ステータ901に固定されたマグネット902と、可動部としての可動ホルダ904と、可動ホルダ904に固定されたボイスコイル903と、マグネット902のバックヨーク906とを有する。
【0076】
ボイスコイル903は、可動ホルダ904に取り付けられている。このボイスコイル903は、単独ではその駆動軸を持たず、通常(カートリッジ未装着時)は、ステータ901の嵌合凸部901aと可動ホルダ904の嵌合凹部904aとの嵌合によって、ラフに位置決めされる。
【0077】
カートリッジが装着されると、可動ホルダ904に固定されたマグネット905の吸着力により、カートリッジ側の吸着板850に結合される。
このとき、回転軸43の先端部43aと可動ホルダ904に形成された嵌合凹部904aとの嵌合により、可動ホルダ904の回転軸43に対するセンタリングが行われる。
【0078】
回転軸43を回転させる駆動力は、ステータ901に固定されたマグネット902とボイスコイル903との間で発生する。
【0079】
バックヨーク906は、カートリッジを抜き取るときに、カートリッジ側の吸着板850に結合した可動ホルダ904と係合して、可動ホルダ904を吸着板850からはぎ取る役割も果たす。
【0080】
なお、図15においては、2個のボイスコイル903を対向させているが、個数はこれに限定されない。ボイスコイル903の可動範囲があるので、カートリッジの脱着はボイスコイル903が定位置に位置するときにだけ行われるように、ロック機構を設けることが好ましい。
【0081】
カートリッジが抜かれた状態では、外部からの振動、衝撃で可動ホルダ904が動くため、その防止機構が必要となる。
【0082】
図16は、可動ホルダの保持機構の構造の一例を示す断面図である。
図16において、位置決め部材901Bは、上記のステータ901から位置決め機能(嵌合凸部)だけを分離した部材であり、この位置決め部材901Bを固定されたステータ901Aに対して上下可動式とする。すなわち、位置決め部材901Bにガイドピン961を連結し、このガイドピン961を固定されたステータ901Aに形成した軸穴901Ahに挿入し、固定されたステータ901Aと位置決め部材901Bとの間にバネ等の弾性部材960を介在させる。
位置決め部材901Bに保持され、弾性部材960で押し上げられる可動ホルダ904をバックヨーク906によって受け止めることにより、可動ホルダ904を一定位置に保持する。
【0083】
また、位置決め部材901Bに位置決めピン970を設けて、これを可動ホルダ904の穴904hに挿入することにより可動ホルダ904の回転を規制する。
カートリッジが装着されると、カートリッジから下方に作用する力によって位置決め部材901Bが押し下げられ、可動ホルダ904がフリーとなる。
【0084】
なお、吸着板850と可動ホルダ904との間に滑りが発生する場合には、その防止機構を付加するのが好ましい。
たとえば、吸着板850と可動ホルダ904との接触面を、噛み合いする歯車形状としたり、回転防止ピンを設けて機械的に結合する方法などが考えられる。
【0085】
本発明は上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、記録媒体として磁気ディスクの場合について説明したが、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク等の他の円盤状の記録媒体にも本発明を適用可能である。
また、上述した実施形態では、磁気ディスク33を保持する回転軸を回転させる場合について説明したが、この回転軸を固定軸とし、この固定軸を中心に磁気ディスク33を回転させる構成とすることも可能である。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、製造コストを低減でき、かつ、信頼性を高めることができるディスクドライブシステムおよびカートリッジが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスクドライブシステムの構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すディスクドライブシステムのA−A線方向の断面図である。
【図3】カートリッジをディスクドライブ装置の装着部に装着する途中の状態を示す断面図である。
【図4】カートリッジが装着部に完全に差し込まれた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るディスクドライブシステムにおける磁気ディスクの支持機構およびスピンドルモータの周辺の構造を示す断面図である。
【図6】磁気結合器に永久磁石を用いた場合の構成を説明するための図である。
【図7】磁気結合器に磁性金属を用いた場合の構成を示す図である。
【図8】磁気結合器の間の距離を一定に保つための方法の一例を説明するための図である。
【図9】磁気ディスクの回転軸の方向の位置にばらつきが発生するのを防ぐ方法の一例を説明するための図である。
【図10】一対の磁気結合器を用いてスピンドルモータの回転力を磁気ディスクに伝達する他の構造例を示す断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係るディスクドライブシステムにおける磁気ディスクの支持機構およびスピンドルモータの周辺の構造を示す断面図である。
【図12】図11に示した回転軸の軸受に含油軸受や流体軸受等の軸受を用いた場合の構造例を示す断面図である。
【図13】スピンドルモータの固定部と回転部とを機械的に分離し、この回転部を磁気ディスク側に結合して回転力を非接触で伝達する構造において、回転部をカートリッジに組み込んだ構造例を示す断面図である。
【図14】図13に示した構造を改良した構造の断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態に係るディスクドライブシステムのヘッド機構およびヘッド機構を駆動するボイスコイルモータの構造を示す断面図である。
【図16】可動ホルダの保持機構の構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ディスクドライブシステム、10…ディスクドライブ装置、30…カートリッジ、31…カートリッジ本体、33…磁気ディスク、40…ヘッド機構。
Claims (17)
- 円板状の記録媒体と、前記記録媒体への情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生の少なくとも一方を行う記録/再生手段を移動可能に保持するヘッド機構とを内部に収容し、かつ、前記記録媒体および前記ヘッド機構を収容する収容空間が密閉されているカートリッジと、
前記カートリッジが離脱可能に装着され、前記記録媒体および前記ヘッド機構の駆動を前記カートリッジの外部から行う駆動手段を備えるディスクドライブ装置と
を有するディスクドライブシステム。 - 前記ディスクドライブ装置は、電磁力を発生する固定部と、前記固定部から所定の範囲で移動可能に機械的に分離され、前記カートリッジの装着により、前記ヘッド機構の駆動軸に対して所定位置に磁気力により連結され、かつ、前記電磁力を受けて前記駆動軸を駆動する可動部とを含む駆動手段を有する
請求項1に記載のディスクドライブシステム。 - 前記ディスクドライブ装置は、前記カートリッジが離脱された状態において、前記可動部を一定位置に保持する保持機構を有する
請求項2に記載のディスクドライブシステム。 - 円板状の記録媒体を収容するカートリッジと、前記カートリッジが離脱可能に装着され、前記記録媒体に対する情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生の少なくとも一方を行うディスクドライブ装置とを有するディスクドライブシステムであって、
前記カートリッジは、前記記録媒体を所定の軸を中心に回転可能に支持する支持手段を有し、
前記ディスクドライブ装置は、前記記録媒体を回転させる回転力を発生する駆動手段を有し、
前記駆動手段から前記記録媒体に回転力を非接触で伝達する結合手段を有する
ディスクドライブシステム。 - 前記カートリッジは、前記記録媒体の回転中心部を保持する記録媒体用回転軸と、
前記記録媒体用回転軸を回転自在に支持する支持機構とを有し、
前記ディスクドライブ装置は、前記記録媒体用回転軸を回転させる回転力を発生する駆動手段を有し、
前記駆動手段から前記記録媒体用回転軸に回転力を非接触で伝達する結合手段を有する
請求項4に記載のディスクドライブシステム。 - 前記結合手段は、前記記録媒体用回転軸と前記駆動手段の出力軸とにそれぞれ連結され、磁気力によって互いに結合される一対の磁気結合部材を有する
請求項5に記載のディスクドライブシステム。 - 前記一対の磁気結合部材は、一方が少なくとも永久磁石を有し、他方が永久磁石または磁性金属を有する
請求項6に記載のディスクドライブシステム。 - 前記駆動手段は、スピンドルモータを含み、
前記結合手段は、前記スピンドルモータの固定部と、
前記スピンドルモータから機械的に分離され、前記固定部から電磁力を受けて前記記録媒体用回転軸へ直接的に伝達する回転部とを有する
請求項5に記載のディスクドライブシステム。 - 前記回転部は、前記カートリッジの装着により前記記録媒体用回転軸の所定位置に磁気力によって結合する
請求項8に記載のディスクドライブシステム。 - 前記回転部と前記記録媒体用回転軸とを結合させる磁気力は、前記回転部と前記固定部との間に作用する電磁吸着力よりも小さい
請求項8に記載のディスクドライブシステム。 - 前記回転部は、前記カートリッジの収容空間内に設けられている
請求項8に記載のディスクドライブシステム。 - 前記ディスクドライブ装置は、前記記録媒体用回転軸または前記支持機構と当接することにより、前記記録媒体用回転軸の軸方向の位置を規定する基準位置部材を有する
請求項5に記載のディスクドライブシステム。 - 前記記録媒体用回転軸または前記支持機構を前記基準位置部材に吸着により当接させる吸着手段をさらに有する
請求項12に記載のディスクドライブシステム。 - ディスクドライブ装置に離脱可能に装着され、情報の記録および再生の少なくとも一方が行われるカートリッジであって、
円板状の記録媒体と、前記記録媒体への情報の記録および前記記録媒体からの情報の再生の少なくとも一方を行う記録/再生手段を前記記録媒体に対して移動可能に保持するヘッド機構とを内部に収容し、かつ、前記記録媒体および前記ヘッド機構を収容する収容空間が密閉されている
カートリッジ。 - 前記ディスクドライブ装置に備わる駆動手段と結合され、当該駆動手段から駆動力を受けて前記ヘッド機構に伝達する結合手段を有する
請求項14に記載のカートリッジ。 - ディスクドライブ装置に離脱可能に装着され、情報の記録および再生の少なくとも一方が行われるカートリッジであって、
所定の軸を中心に回転自在に支持された円板状の記録媒体と、
前記ディスクドライブ装置に備わる駆動手段と結合され、当該駆動手段から回転力を受けて前記記録媒体に非接触で伝達する結合手段と
を有するカートリッジ。 - 前記記録媒体の回転中心部を保持する記録媒体用回転軸と、
前記記録媒体用回転軸を回転自在に支持する支持機構とを有し、
前記結合手段は、前記記録媒体用回転軸に非接触で伝達する
請求項16に記載のカートリッジ。
Priority Applications (1)
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JP2002255688A JP2004095075A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | ディスクドライブシステムおよびカートリッジ |
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JP2013020665A (ja) * | 2011-07-08 | 2013-01-31 | Panasonic Corp | 光ディスク装置 |
JP2019016419A (ja) * | 2017-07-10 | 2019-01-31 | ティアック株式会社 | レコードプレーヤ |
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2002
- 2002-08-30 JP JP2002255688A patent/JP2004095075A/ja active Pending
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US10381026B2 (en) | 2017-07-10 | 2019-08-13 | Teac Corporation | Record player |
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