JP2004139689A - モータおよびモータを有する情報記録再生装置 - Google Patents
モータおよびモータを有する情報記録再生装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】、ディスク状の記録媒体を取り付けるための取り付け部を金属で作らないようにしてより安価な高分子材料により成形して、高分子材料により取り付け部を形成する際に取り付け部の形状精度を確保することができるモータおよびモータを有する情報記録再生装置を提供すること。
【解決手段】モータ20の、ロータRは、ディスク状の情報記録媒体2を取り付けるための取り付け部21と、軸23と、取り付け部と軸23に固定されている磁性ロータヨーク24と、磁性ロータヨーク24に固定されているマグネット25とを有し、ステータSは、軸23を回転可能に支持する軸受けを有するハウジング40と、ハウジング40に固定されて通電することでロータRを回転させる電気子コイル41を有し、ロータSの取り付け部は、磁性ロータヨーク24に対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、取り付け部はスリットを有している。
【選択図】 図2
【解決手段】モータ20の、ロータRは、ディスク状の情報記録媒体2を取り付けるための取り付け部21と、軸23と、取り付け部と軸23に固定されている磁性ロータヨーク24と、磁性ロータヨーク24に固定されているマグネット25とを有し、ステータSは、軸23を回転可能に支持する軸受けを有するハウジング40と、ハウジング40に固定されて通電することでロータRを回転させる電気子コイル41を有し、ロータSの取り付け部は、磁性ロータヨーク24に対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、取り付け部はスリットを有している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータおよびモータを有する情報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モータを用いる情報記録再生装置としては、たとえばハードディスクドライブ装置がある。このハードディスクドライブ装置は、その用途が拡大し、大型の記録装置やデスクトップ型のパーソナルコンピュータ用記録装置の他に、たとえば、ノート型のパーソナルコンピュータやこれより小さいサイズの携帯用の端末装置等の電子機器に使用されるようになっている。
ハードディスクドライブ装置においてディスク状の情報記録媒体であるハードディスクを回転するためにスピンドルモータが用いられている。このスピンドルモータはハブを有しており、このハブに対してハードディスクが取り付けられる。このハブは回転して切削することにより、ハブの半径方向および軸方向の必要な機械的な振れ精度を確保している。
このハブは金属により作られている(たとえば特許文献1。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−161329号公報(第4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したようにハブが金属から作られているので、ハブ自体が高価である。またハブを作るためには金属材料を切削加工する必要があるので、バイトの摩耗管理などの管理が必要となり複雑な工程が必要である。
そこで本発明は上記課題を解消し、ディスク状の記録媒体を取り付けるための取り付け部を金属で作らないようにしてより安価な高分子材料により成形して、高分子材料により取り付け部を形成する際に取り付け部の形状精度を確保することができるモータおよびモータを有する情報記録再生装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータを備えるモータであり、前記ロータは、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、軸と、前記取り付け部と前記軸に固定されている磁性ロータヨークと、前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、を有し、前記ステータは、前記軸を回転可能に支持する軸受けを有するハウジングと、前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータである。
【0006】
請求項1では、このモータはいわゆる軸回転型のモータである。ロータの取り付け部は、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるためのものである。軸は取り付け部に対して固定されている。磁性ロータヨークは取り付け部と軸に固定されている。マグネットは磁性ロータヨークに固定されている。
ステータのハウジングは軸を回転可能に支持する軸受けを有している。電気子コイルは、ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界とマグネットの磁界とによりロータをステータに対して回転させるものである。
ロータの取り付け部は、磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されている。しかもこの取り付け部はスリットを有している。
このことから、ディスク状の情報記録媒体に取り付けるための取り付け部は金属で作る必要がなく、金属材料を切削して作る必要もないので、バイトのような加工用の工具の摩耗管理などが全く必要ではなくなる。
しかも、この取り付け部はスリットを有している。この取り付け部が高分子材料をアウトサート成形した後に、成形された取り付け部が収縮したとしても、このスリットが形成されていることから、取り付け部の形状精度をスリットがない場合に比べて維持することができる。取り付け部の形状精度を維持することができるので、取り付け部はディスク上の情報記録媒体を精度よく確実に取り付けることができるのである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記高分子材料は、液晶ポリマーである。
【0008】
請求項2では、高分子材料は液晶ポリマーである。液晶ポリマーを用いることにより、アウトガスの発生とコンタミネーションの発生の危険度が極めて低いものとなる。このようなディスク状の取り付け部を形成する高分子材料としては、液晶ポリマーが最も理想的である。
このアウトガスの発生とは、モータ等のHDD内部に配置される部材から、有機ガスが発生する現象であり、発生した有機ガスがディスク(媒体)に析出し、ヘッドと媒体を貼り付けてしまうスティクション現象の原因になる。
アウトガスは特に、使用された接着剤や、高分子材料、さらに切削部品の加工時に用いられた切削油等の有機材料から発生する。
またコンタミネーションの発生とは、洗浄をしてもなお残ってしまった異物、軸受内部から発生する塵、高分子材料の処理不足によりはがれ落ちるチップなどにより発生する現象で、これらのコンタミネーションが、媒体とヘッドの間に侵入した場合には、媒体を破壊してしまう現象、即ちヘッドクラッシュを起こし、記録情報を破壊してしまう。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記スリットは、前記ロータの半径方向に沿って複数形成されている。
【0010】
請求項3では、スリットはロータの半径方向に沿って複数形成されている。
これにより、鉄などの金属材料と高分子材料の熱収縮率の差から発生する応力を緩和し、ディスク取り付け面の平面度など、機械精度を維持することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記ロータは、前記ディスク状の情報記録媒体を前記取り付け部に押し付けて固定するためのクランパを有する。
【0012】
請求項4では、ロータは、ディスク状の情報記録媒体を前記取り付け部に対して押し付けて固定するためのクランパを有している。これによりディスク状の情報記録媒体は取り付け部に対して外れないように確実に固定することができる。
【0013】
請求項5の発明は、ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータを備えるモータを有する情報記録再生装置であり、前記ロータは、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、軸と、前記取り付け部と前記軸に固定されている磁性ロータヨークと、前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、を有し、前記ステータは、前記軸を回転可能に支持する軸受けを有するハウジングと、前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータを有する情報記録再生装置である。
【0014】
請求項5では、このモータはいわゆる軸回転型のモータである。ロータの取り付け部は、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるためのものである。軸は取り付け部に対して固定されている。磁性ロータヨークは取り付け部と軸に固定されている。マグネットは磁性ロータヨークに固定されている。
ステータのハウジングは軸を回転可能に支持する軸受けを有している。電気子コイルは、ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界とマグネットの磁界とによりロータをステータに対して回転させるものである。
ロータの取り付け部は、磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されている。しかもこの取り付け部はスリットを有している。
このことから、ディスク状の情報記録媒体に取り付けるための取り付け部は金属で作る必要がなく、金属材料を切削して作る必要もないので、バイトのような加工用の工具の摩耗管理などが全く必要ではなくなる。
しかも、この取り付け部はスリットを有している。この取り付け部が高分子材料をアウトサート成形した後に、成形された取り付け部が収縮したとしても、このスリットが形成されていることから、取り付け部の形状精度をスリットがない場合に比べて維持することができる。取り付け部の形状精度を維持することができるので、取り付け部はディスク上の情報記録媒体を精度よく確実に取り付けることができるのである。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5に記載のモータを有する情報記録再生装置において、前記高分子材料は、液晶ポリマーである。
【0016】
請求項6では、高分子材料は液晶ポリマーである。液晶ポリマーを用いることにより、アウトガスの発生とコンタミネーションの発生の危険度が極めて低いものとなる。このようなディスク状の取り付け部を形成する高分子材料としては、液晶ポリマーが最も理想的である。
このアウトガスの発生とは、モータ等のHDD内部に配置される部材から、有機ガスが発生する現象であり、発生した有機ガスがディスク(媒体)に析出し、ヘッドと媒体を貼り付けてしまうスティクション現象の原因になる。
アウトガスは特に、使用された接着剤や、高分子材料、さらに切削部品の加工時に用いられた切削油等の有機材料から発生する。
またコンタミネーションの発生とは、洗浄をしてもなお残ってしまった異物、軸受内部から発生する塵、高分子材料の処理不足によりはがれ落ちるチップなどにより発生する現象で、これらのコンタミネーションが、媒体とヘッドの間に侵入した場合には、媒体を破壊してしまう現象、即ちヘッドクラッシュを起こし、記録情報を破壊してしまう。
【0017】
請求項7の発明は、請求項5に記載のモータを有する情報記録再生装置において、前記スリットは、前記ロータの半径方向に沿って複数形成されている。
【0018】
請求項7では、スリットはロータの半径方向に沿って複数形成されている。
これにより、鉄などの金属材料と高分子材料の熱収縮率の差から発生する応力を緩和し、ディスク取り付け面の平面度など、機械精度を維持することができる。
【0019】
請求項8の発明は、ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータを備えるモータであり、前記ロータは、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、前記取り付け部に固定されている磁性ロータヨークと、前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、軸受けと、を有し、前記ステータは、ハウジングと、前記ハウジングに固定されしかも前記軸受けに回転可能に支持されている軸と、前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータである。
【0020】
請求項8では、このモータはいわゆる軸固定型のモータである。モータの取り付け部はディスク状の情報記録媒体を取り付けるためのものである。磁性ロータヨークは、取り付け部に固定されている。マグネットは磁性ロータヨークに固定されている。
ステータの軸は、ステータのハウジングに固定されしかもロータの軸受けに回転可能に支持されている。電気子コイルは、ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界とマグネットの磁界とによりロータをステータに対して回転させる。
ロータの取り付け部は、磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されている。しかもこの取り付け部は、スリットを有している。
このことから、ディスク状の情報記録媒体に取り付けるための取り付け部は金属で作る必要がなく、金属材料を切削して作る必要もないので、バイトのような加工用の工具の摩耗管理などが全く必要ではなくなる。
しかも、この取り付け部はスリットを有している。この取り付け部が高分子材料をアウトサート成形した後に、成形された取り付け部が収縮したとしても、このスリットが形成されていることから、取り付け部の形状精度をスリットがない場合に比べて維持することができる。取り付け部の形状精度を維持することができるので、取り付け部はディスク上の情報記録媒体を精度よく確実に取り付けることができるのである。
【0021】
請求項9の発明は、請求項8に記載のモータにおいて、前記高分子材料は、液晶ポリマーである。
【0022】
請求項9では、高分子材料は液晶ポリマーである。液晶ポリマーを用いることにより、アウトガスの発生とコンタミネーションの発生の危険度が極めて低いものとなる。このようなディスク状の取り付け部を形成する高分子材料としては、液晶ポリマーが最も理想的である。
このアウトガスの発生とは、モータ等のHDD内部に配置される部材から、有機ガスが発生する現象であり、発生した有機ガスがディスク(媒体)に析出し、ヘッドと媒体を貼り付けてしまうスティクション現象の原因になる。
アウトガスは特に、使用された接着剤や、高分子材料、さらに切削部品の加工時に用いられた切削油等の有機材料から発生する。
またコンタミネーションの発生とは、洗浄をしてもなお残ってしまった異物、軸受内部から発生する塵、高分子材料の処理不足によりはがれ落ちるチップなどにより発生する現象で、これらのコンタミネーションが、媒体とヘッドの間に侵入した場合には、媒体を破壊してしまう現象、即ちヘッドクラッシュを起こし、記録情報を破壊してしまう。
【0023】
請求項10の発明は、請求項8に記載のモータにおいて、前記スリットは、前記ロータの半径方向に沿って複数形成されている。
【0024】
請求項10では、スリットはロータの半径方向に沿って複数形成されている。
これにより、鉄などの金属材料と高分子材料の熱収縮率の差から発生する応力を緩和し、ディスク取り付け面の平面度など、機械精度を維持することができる。
【0025】
請求項11の発明は、ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータ備えるモータを有する情報記録再生装置であり、前記ロータは、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、前記取り付け部に固定されている磁性ロータヨークと、前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、軸受けと、を有し、前記ステータは、ハウジングと、前記ハウジングに固定されしかも前記軸受けに回転可能に支持されている軸と、前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータを有する情報記録再生装置である。
【0026】
請求項11では、このモータはいわゆる軸固定型のモータである。モータの取り付け部はディスク状の情報記録媒体を取り付けるためのものである。磁性ロータヨークは、取り付け部に固定されている。マグネットは磁性ロータヨークに固定されている。
ステータの軸は、ステータのハウジングに固定されしかもロータの軸受けに回転可能に支持されている。電気子コイルは、ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界とマグネットの磁界とによりロータをステータに対して回転させる。
ロータの取り付け部は、磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されている。しかもこの取り付け部は、スリットを有している。
このことから、ディスク状の情報記録媒体に取り付けるための取り付け部は金属で作る必要がなく、金属材料を切削して作る必要もないので、バイトのような加工用の工具の摩耗管理などが全く必要ではなくなる。
しかも、この取り付け部はスリットを有している。この取り付け部が高分子材料をアウトサート成形した後に、成形された取り付け部が収縮したとしても、このスリットが形成されていることから、取り付け部の形状精度をスリットがない場合に比べて維持することができる。取り付け部の形状精度を維持することができるので、取り付け部はディスク上の情報記録媒体を精度よく確実に取り付けることができるのである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0028】
図1は、本発明のモータを有する情報記録再生装置の好ましい実施の形態を示している。
図1に示す情報記録再生装置は、一例としてハードディスクドライブ装置(HDD)であり、このハードディスクドライブ装置10は、筐体1の中にディスク状の情報記録媒体としての磁気ディスク2が収容されている。磁気ディスク2は、いわゆるハードディスク(HD)と呼ばれている。この磁気ディスク2は、モータ20によって、角速度一定で回転駆動される。このモータ20はスピンドルモータである。
【0029】
アーム4の一端にはボイスコイル5が取り付けられている。アーム4の一端には、サスペンション7が取り付けられている。このサスペンション7の先端には浮上型ヘッドスライダ(以下スライダという)6が取り付けられている。
ボイスコイル5は、マグネット11と別のマグネット12により挟まれた位置に配置されており、ボイスコイル5とマグネット11,12はボイスコイルモータを構成している。ボイスコイル5に流れる電流が、マグネット11,12の磁界から力を受けて軸14を中心にアーム4が回動する。
これにより、スライダ6に取り付けられた磁気ヘッド13が磁気ディスク2の表面(情報記録面)に対して、半径方向、すなわちシーク方向に動作して、磁気ディスク2の表面の所定のトラックに対して磁気ヘッド13が情報を磁気的に記録をしたり、あるいは磁気ディスク2に記録されている情報を磁気的に再生するようになっている。
【0030】
図2は、図1に示すモータ20の好ましい構造例を示している。図3は、このモータ20から磁気ディスク2を取り除いた状態を示している。図4は図3のモータ20のロータ側を見た平面図である。
図2に示すモータ20は、軸回転型のスピンドルモータであり、ロータRとステータSを有している。まずモータ20のロータRの構造について説明する。
ロータRは、取り付け部21、軸23、磁性ロータヨーク24、マグネット25を有している。
【0031】
取り付け部21は、磁気ディスク2をクランパ33を用いて取り付けるためのものである。軸23は、モータ20のロータRの回転中心である回転中心軸CLに沿って配置されている。軸23は円柱部分26とステップ部27を有しており、断面T字型を有している。この円柱部分26の中には、軸方向に沿って雌ネジ28が形成されている。この軸23はたとえばステンレス鋼や真鍮により作られている。
取り付け部21は、磁性ロータヨーク24に対してアウトサート成形により形成されている高分子材料である。取り付け部21は、ハブとも呼ばれており、取り付け部21は磁性ロータヨーク24に対して上述したようにアウトサート成形により一体的に成形されている。取り付け部21を構成する高分子材料としては、たとえば液晶ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネイトなどを採用できる。
【0032】
特に液晶ポリマーは、取り付け部21の成形用の高分子材料としては最も好ましいものである。このように高分子材料として液晶ポリマーを用いることにより、次のようなメリットがある。液晶ポリマーを用いることにより、アウトガスの発生やコンタミネーションの発生の危険度が極めて低いものとなる。このようなアウトガスの発生やコンタミネーションの発生の危険度を下げることは、特にハードディスクドライブ装置において必要な性能である。
ここでアウトガスの発生とは、モータ等のHDD内部に配置される部材から、有機ガスが発生する現象であり、発生した有機ガスがディスク(媒体)に析出し、ヘッドと媒体を貼り付けてしまうスティクション現象の原因になる。
アウトガスは特に、使用された接着剤や、高分子材料、さらに切削部品の加工時に用いられた切削油等の有機材料から発生する。
また、コンタミネーションの発生とは、洗浄をしてもなお残ってしまった異物、軸受内部から発生する塵、高分子材料の処理不足によりはがれ落ちるチップなどにより発生する現象で、これらのコンタミネーションが、媒体とヘッドの間に侵入した場合には、媒体を破壊してしまう現象、即ちヘッドクラッシュを起こし、記録情報を破壊してしまう。
【0033】
アウトガスの発生により、ハードディスクドライブ装置では、有機ガスが媒体上に析出し、ヘッドを貼り付けるスティクション現象や、さらに厚く析出するヘイズ現象を起こし、ドライブの動作を阻害し、正常な情報の記録再生ができなくなるという問題が生じる。
コンタミネーション(ちり)の存在により、ハードディスクドライブ装置においては、ヘッドと磁気ディスクの間にちりがたい積するので、いわゆるヘッドが磁気ディスクの表面に衝突する現象であるヘッドクラッシュ現象を起こしてしまうという問題がある。
この点において、液晶ポリマーは、ハードディスクドライブ装置に必要な性能であるアウトガスの発生の危険度およびコンタミネーションの発生の危険度を極めて低いものにすることができるのである。
また液晶ポリマーは磁性ロータヨーク24に対してたとえばクリーンルーム中でアウトサート成形することにより、取り付け部21と磁性ロータヨーク24の成形後の洗浄が容易となる。このためにハードディスクドライブ装置用のモータ20を製作する場合の作業段階を少なくすることができる。
【0034】
図2において、マグネット25は、磁性ロータヨーク24の内側に配置されている。しかしマグネット25はリング状のマグネットであり、S極とN極が交互に多極着磁されたものである。このマグネット25は、磁性ロータヨーク24の内側に接着剤を用いて固定することができる。
しかし、そうではなくマグネット25は、高分子材料である取り付け部21を磁性ロータヨーク24に対してアウトサート成形により一体成形する際に、マグネット25を取り付け部21の部分31に対して一体的に固定してしまうことを採用することができる。これにより、従来必要であった磁性ロータヨーク24とマグネット25の間の接着剤が不要になる。従って従来必要であったこの接着剤から有機物を飛散させるための工程が不要となる。
【0035】
図2に示す磁性ロータヨーク24は、ほぼ断面U字型の部材であり、磁性部材である鉄やステンレス鋼により作られている。
取り付け部21にはクランパ33およびネジ34が取り付けられている。このネジ34は、軸23の雌ネジ28に対してねじ込まれる雄ネジであり、ネジ342よりクランパ33は取り付け部21に対して着脱可能に固定されている。このクランパ33は磁気ディスク2の表面2Aを、取り付け部21の取り付け面35に対して押し付けるようにして固定している。これによって、磁気ディスク2は、クランパ33により取り付け面35に押し付けられていることから、磁気ディスク2が取り付け部21から外れてしまうことが全くない。
【0036】
次に、図2を参照しながら、モータ20のステータSの構造について説明する。
ステータSは、ハウジング40、電気子コイル41および軸受け43を有している。
ハウジング40は、磁性材料、たとえばステンレス鋼や鉄により作られている。軸受け43は軸23を回転可能に支持する軸受けである。軸受け43はプラスチックや真鍮のような金属により作ることができる。軸受け43は円柱状の部材であり、軸受け43はハウジング40の保持部45の中にたとえば圧入により固定されている。
【0037】
軸受け43は円柱部分26とステップ部27をそれぞれ回転可能に支持するための軸受け面46,47を有している。
このほぼ断面T字型の軸23を用いることにより、断面I字型の軸に比べて、軸23は中心軸CLを中心として振れのない安定した回転を実現することができる。
【0038】
電気子コイル41は、コイル50と鉄芯51を有している。コイル50は鉄芯51に巻かれている。この電気子コイル41は、ハウジング40の保持部45の周囲において複数個配列されている。
この電気子コイル41のコイル50は、配線基板53を通じて外部からの制御部より通電されるようになっている。この通電により電気子コイル41が発生する磁界と、ロータRのマグネット25の磁界が相互作用することにより、ロータRはステータSに対して軸23を中心として連続回転できるようになっている。
【0039】
次に、上述したロータRの取り付け部21の形状の特徴について、さらに図3と図4を参照して詳しく説明する。
上述したように取り付け部21は、磁性ロータヨーク24に対してアウトサート成形により成形されており、取り付け部21は高分子材料である。
この取り付け部21の上面側には、図3と図4に示すように複数のスリット60が形成されている。このスリット60は、図4の例では60度ごとの角度で半径方向に沿って形成されている。スリット60を予めアウトサート成形時に形成している金型を用いて成形していくことにより、次のようなメリットがある。すなわち、取り付け部21が磁性ロータヨーク24に対してアウトサート成形された後に、高分子材料が収縮する。この時にスリット60を形成しておくことにより、取り付け部21の上面70と既に述べた磁気ディスク2の取り付け面35の形状精度が十分に確保することができるのである。
もしもスリット60が形成されていないと、上面70および取り付け部21全体に収縮が発生して、特に取り付け面35の収縮により取り付け面35の形状精度が低下してしまう。このことから図2に示すようなディスク2の下面2Bを取り付け面35に突き当てて搭載する際に、磁気ディスク2を精度良く取り付け面35に対して取り付けることができなくなってしまう。
また図5に示す磁気ディスク2の中央の穴の内周面75が、取り付け部21の取り付け端面76に対しても正確に位置決めすることができなくなってしまい、磁気ディスク2の中心が中心軸CLに対してずれてしまう可能性が出てくる。この取り付け端面76は、水平の取り付け面35と水平の上面70をつなぐほぼ中心軸CLに沿った外周面である。
【0040】
図5は、図2のモータ20の部分領域Eを拡大して示している。
取り付け部21は、従来ではステンレス鋼などの硬度の高い金属を用いている。このためにこのような金属製の取り付け部は簡単に切削することができない。しかしながら本発明の実施の形態では、取り付け部21は、簡単に切削可能な高分子材料でアウトサート成形により作られている。このためにモータ20において、取り付け部21を含むロータRの回転時の振れを除去するために、取り付け部21に対して加工を施すのが格段に容易になる。この際の加工バイトの摩耗もほぼなくなるので、取り付け部21の高さ精度や半径方向の精度の管理も容易になる。
【0041】
従来の取り付け部はステンレス鋼などの高価な金属により作られていた。しかしながら本発明の実施の形態では取り付け部は安価な高分子材料を用いているので、モータ20を安価にすることができる。
なお、この高分子材料からなる取り付け部21は、締結する相手である磁性ロータヨーク24に対してアウトサート成形するのが望ましい。あるいは取り付け部21は磁性ロータヨーク24に対して熱カシメすることにより取り付けしてもよい。
【0042】
次に、図6を参照して、取り付け部21の別の好ましい例について説明する。
図6は取り付け部21の平面図である。ただし図4に示すスリット60の図示は図面の簡単化のために省略している。
取り付け部21は、図2に示す磁気ディスク2が取り付け部21に対して同軸度が良好になるような次の工夫が施されている。
取り付け部21には、半径方向に突出する一対の突起部39A,39Aが設けられている。これらの突起部39A,39Aは、円周形状の取り付け端面76において半径方向に突出して円弧形状に形成されている。
【0043】
取り付け端面76には、弾性部80が半径方向に突出して設けられている。この弾性部80は、図2に示す磁気ディスク2の内周面75を上述した突起部39A,39Aに押し付けるための手段である。この弾性部80は半径方向に弾性変形するものである。
上述した一対の突起部39A,39Aは、中心軸CLを中心として90度の開き角θを有している。別の突起部39Bが、突起部39A,39Aの間の中央の位置に設けられている。この突起部39Bは、突起部39A,39Aに対して45度の開き角θ1を有している。
別の突起部39C,39Cが、弾性部80に対して開き角θ2を有する位置に設けられている。開き角θ1と開き角θ2は、45度である。弾性部80は、突起部39A,39Aから135度の開き角の位置に形成されている。
【0044】
ここで、複数の突起部39A,39B,39Cと弾性部80が、図2に示す磁気ディスク2をセンタリングする方式の具体的な例を説明する。
ここでは、磁気ディスクの内径の寸法が15.0mmから15.06mmであり、即ち60μmの穴径公差をもった磁気ディスクのセンタリングについて説明する。
【0045】
(1)磁気ディスクの内径が最も小さい15.0mmの場合
最も小さい磁気ディスクの内径が15.0mmの場合では、磁気ディスクの内周面は突起部39A,39A,39Bに接触して、磁気ディスクはセンタリングされる。弾性部80は、内周側に収縮すると共に、ディスク内径Dsを突起部39A,39A,39Bに押し当てている。
このときの突起部39A,39Aの座標中心は、中心点Oを原点とし、
(−15/2cos(90/2)−0.06/4,15/2sin(90/2))
(−15/2cos(90/2)−0.06/4,−15/2sin(90/2))である。
上記を計算すれば、(−5.318,5.303)(−5.318,−5.303)となり、中心点Oから、突起部39Aまでの距離Raは、7.510mmとなる。
また、突起部39Bの座標は、当然(−15.0/2−0.06/4,0)で、(−7.515,0)となり、中心点Oからの距離Rb=7.515mmとなる。
即ち、磁気ディスクが最小の内径15.0mmの場合には、磁気ディスクは積極的に弾性部80とは反対側へ、内径精度のほぼ4分の1の0.06/4=0.015mm偏芯させた状態で取り付けられることになる。
【0046】
(2)磁気ディスクの内径が最も大きい15.06mmの場合
逆に磁気ディスクの内径の最も大きい15.06mmの場合では、磁気ディスクの内周面は突起部39Bに接触して、センタリングされる。やはりここでも、弾性部80が、ディスク内径Dmを突起部39Bに押し付けている。このときの突起部39Bの座標は、中心点Oを原点として、(−15.06/2+0.06/4,0)であり、計算すれば、(7.515,0)で、中心点Oからの距離Rb=7.515mmとなる。即ち、磁気ディスクが内径最大の15.06mmの場合には、磁気ディスクは積極的に弾性部80側へ、内径精度のほぼ4分の1の0.015mm偏芯させた状態で取り付けられる。
このとき内径DLは、突起部39C,39Cに干渉せず、センタリングは阻害されない。
【0047】
(3)磁気ディスクの内径が中心値である15.03mmの場合
また、内径精度の中心値である15.03mmの場合には、中心点Oから、突起部39Bまでの距離がRb=7.515なので、Rb×2=7.515×2=15.03で、磁気ディスクは全く中心点Oにセンタリングされた状態で取り付けられる。当然、この場合にも、ディスク内径Dmは、突起部30C,39Cには干渉されず、磁気ディスクのセンタリングは阻害されない。
【0048】
突起部39C,39Cは、最小内径の磁気ディスクを取り付けた場合の偏芯防止用であり、弾性部80と直交する方向へ磁気ディスクがずれないようにするための、補助的な役割をしている。
図7は、従来技術のモータと本発明のモータ20の場合とでの、磁気ディスクの取り付け精度を比較したグラフである。横軸は磁気ディスク内径精度を示し、縦軸は磁気ディスクの偏芯量を示す。
破線で示すように、従来のモータでは当然、ディスク内径が大きくなるほど、偏芯量は増えることになるが、実線で示すように本発明のモータ20では、従来技術の半分の偏芯量に抑えられていることが解る。また、実際の測定値であるプロットからも効果を確認することができる。
即ち、本発明のモータ20では、ハブともいう取り付け部21に複数の対の突起部を設け、積極的にディスクを偏芯させて取り付けることで、偏芯量を従来の半分のオーバーオール値に抑えることができる。このように、突起部を設けた複雑な形状は、正に高分子材料をアウトサート成形した場合には、簡素に構成することができるメリットがある。
【0049】
ハードディスクドライブ装置では、磁気ディスクはたとえば5400rpmなどで、高速で回転させられることが通常であり、磁気ディスクが偏芯して取り付けられてアンバランスを生じると、磁気ディスクの回転による振動が発生し、磁気ヘッドへ影響を及ぼすなど、良好な情報の記録再生に悪影響を与えてしまう。そこで、従来は、ディスクを取り付ける際に、ジグを用い、位置決めをした状態でディスクを取り付けたり、取り付けた後にウェイトにバランス調整をしたりしていた。
しかし本発明のモータ20では、従来のようにバランスに配慮せずにディスクを取り付けることができるので、ハードディスクドライブ装置の組立工程が格段に簡素になる。
【0050】
次に、図8を参照して、本発明のモータの別の実施の形態に付いて説明する。図2と図3に示すモータ20が、いわゆる軸回転型のモータであり、軸23はロータRと共に一体的に回転する形式のものである。
これに対して図8のモータ120は、軸123とロータRとが一体に回転はしないいわゆる軸固定型のものである。
【0051】
図8のモータ120の構成要素が、図2のモータ20の構成要素と同じところには同じ符号を記してその説明を用いることにする。
ロータRは、取り付け部21、軸受け143、磁性ロータヨーク24、マグネット25を有している。これに対してステータSは、ハウジング40、軸123、配線基板53、電気子コイル41を有している。
【0052】
軸受け143は、ロータR側に設けられている。この軸受け143は磁性ロータヨーク24に対して固定されている。軸123は円柱部分126とステップ部127を有している。軸受け143は軸受け面146,147を有している。
これにより電気子コイル41のコイル50に対して配線基板53を通じて通電することにより、コイル50の発生する磁界とマグネット25の発生する磁界の相互作用により、ロータRがステータSに対して中心軸CLを中心として連続回転する。
【0053】
取り付け部21に対して磁気ディスク2が取り付けられている構造は同じである。取り付け部21は、図2の実施の形態と同様に磁性ロータヨーク24に対して高分子材料をアウトサート成形することにより作られている。そして図4に示す取り付け部21と同様にスリット60がこの図8の取り付け部21には形成されている。
【0054】
本発明のモータでは、ディスク取り付け部であるハブが、磁性ヨークに液晶ポリマーなどの高分子材料をアウトサート成形して構成してあるので、ハブの振れ精度が確保し易い安価なモータとなる。
また、高分子材料を用いてハブを形成しているので、ハブを複雑な形状にすることも可能で、たとえば、複数の対の突起部とディスク内径を突起部に押し当てる手段の弾性部を所定の寸法で設ければ、ディスク取り付け時の偏芯量は、従来の半分に抑えることができるので、アンバランスの小さい、ディスク回転時に発生する振動の少なく、良好な情報の記録再生のできる信頼性の高いモータを提供することができる。
【0055】
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上述した実施の形態では、モータを有する情報記録再生装置としてはハードディスクドライブ装置を例に挙げている。しかしこれに限らず、本発明の情報記録再生装置は、光ディスク記録再生装置や光磁気ディスクの記録再生装置あるいは光ディスク再生装置であってもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、、ディスク状の記録媒体を取り付けるための取り付け部を金属で作らないようにしてより安価な高分子材料により成形して、高分子材料により取り付け部を形成する際に取り付け部の形状精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータを有する情報記録再生装置の好ましい実施の形態を示す斜視図。
【図2】図1の情報記録再生装置が搭載されているモータの断面構造を示す図。
【図3】図2のモータから磁気ディスクを取り除いた状態を示す図。
【図4】図3のモータの取り付け部を示す平面図。
【図5】図2の部分領域Eを拡大して示す図。
【図6】本発明のモータにおける取り付け部の形状の一例を示す図。
【図7】図6の形状を採用した場合の磁気ディスクの偏芯量と磁気ディスクの内径寸法の関係を示す図。
【図8】本発明のモータの別の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
2・・・磁気ディスク(ディスク状の情報記録媒体の一例)、10・・・ハードディスクドライブ装置(情報記録再生装置の一例)、20・・・モータ、21・・・取り付け部、23・・・軸、24・・・磁性ロータヨーク、25・・・マグネット、40・・・ハウジング、41・・・電気子コイル、53・・・配線基板、R・・・ロータ、S・・・ステータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータおよびモータを有する情報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モータを用いる情報記録再生装置としては、たとえばハードディスクドライブ装置がある。このハードディスクドライブ装置は、その用途が拡大し、大型の記録装置やデスクトップ型のパーソナルコンピュータ用記録装置の他に、たとえば、ノート型のパーソナルコンピュータやこれより小さいサイズの携帯用の端末装置等の電子機器に使用されるようになっている。
ハードディスクドライブ装置においてディスク状の情報記録媒体であるハードディスクを回転するためにスピンドルモータが用いられている。このスピンドルモータはハブを有しており、このハブに対してハードディスクが取り付けられる。このハブは回転して切削することにより、ハブの半径方向および軸方向の必要な機械的な振れ精度を確保している。
このハブは金属により作られている(たとえば特許文献1。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−161329号公報(第4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したようにハブが金属から作られているので、ハブ自体が高価である。またハブを作るためには金属材料を切削加工する必要があるので、バイトの摩耗管理などの管理が必要となり複雑な工程が必要である。
そこで本発明は上記課題を解消し、ディスク状の記録媒体を取り付けるための取り付け部を金属で作らないようにしてより安価な高分子材料により成形して、高分子材料により取り付け部を形成する際に取り付け部の形状精度を確保することができるモータおよびモータを有する情報記録再生装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータを備えるモータであり、前記ロータは、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、軸と、前記取り付け部と前記軸に固定されている磁性ロータヨークと、前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、を有し、前記ステータは、前記軸を回転可能に支持する軸受けを有するハウジングと、前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータである。
【0006】
請求項1では、このモータはいわゆる軸回転型のモータである。ロータの取り付け部は、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるためのものである。軸は取り付け部に対して固定されている。磁性ロータヨークは取り付け部と軸に固定されている。マグネットは磁性ロータヨークに固定されている。
ステータのハウジングは軸を回転可能に支持する軸受けを有している。電気子コイルは、ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界とマグネットの磁界とによりロータをステータに対して回転させるものである。
ロータの取り付け部は、磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されている。しかもこの取り付け部はスリットを有している。
このことから、ディスク状の情報記録媒体に取り付けるための取り付け部は金属で作る必要がなく、金属材料を切削して作る必要もないので、バイトのような加工用の工具の摩耗管理などが全く必要ではなくなる。
しかも、この取り付け部はスリットを有している。この取り付け部が高分子材料をアウトサート成形した後に、成形された取り付け部が収縮したとしても、このスリットが形成されていることから、取り付け部の形状精度をスリットがない場合に比べて維持することができる。取り付け部の形状精度を維持することができるので、取り付け部はディスク上の情報記録媒体を精度よく確実に取り付けることができるのである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記高分子材料は、液晶ポリマーである。
【0008】
請求項2では、高分子材料は液晶ポリマーである。液晶ポリマーを用いることにより、アウトガスの発生とコンタミネーションの発生の危険度が極めて低いものとなる。このようなディスク状の取り付け部を形成する高分子材料としては、液晶ポリマーが最も理想的である。
このアウトガスの発生とは、モータ等のHDD内部に配置される部材から、有機ガスが発生する現象であり、発生した有機ガスがディスク(媒体)に析出し、ヘッドと媒体を貼り付けてしまうスティクション現象の原因になる。
アウトガスは特に、使用された接着剤や、高分子材料、さらに切削部品の加工時に用いられた切削油等の有機材料から発生する。
またコンタミネーションの発生とは、洗浄をしてもなお残ってしまった異物、軸受内部から発生する塵、高分子材料の処理不足によりはがれ落ちるチップなどにより発生する現象で、これらのコンタミネーションが、媒体とヘッドの間に侵入した場合には、媒体を破壊してしまう現象、即ちヘッドクラッシュを起こし、記録情報を破壊してしまう。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記スリットは、前記ロータの半径方向に沿って複数形成されている。
【0010】
請求項3では、スリットはロータの半径方向に沿って複数形成されている。
これにより、鉄などの金属材料と高分子材料の熱収縮率の差から発生する応力を緩和し、ディスク取り付け面の平面度など、機械精度を維持することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記ロータは、前記ディスク状の情報記録媒体を前記取り付け部に押し付けて固定するためのクランパを有する。
【0012】
請求項4では、ロータは、ディスク状の情報記録媒体を前記取り付け部に対して押し付けて固定するためのクランパを有している。これによりディスク状の情報記録媒体は取り付け部に対して外れないように確実に固定することができる。
【0013】
請求項5の発明は、ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータを備えるモータを有する情報記録再生装置であり、前記ロータは、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、軸と、前記取り付け部と前記軸に固定されている磁性ロータヨークと、前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、を有し、前記ステータは、前記軸を回転可能に支持する軸受けを有するハウジングと、前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータを有する情報記録再生装置である。
【0014】
請求項5では、このモータはいわゆる軸回転型のモータである。ロータの取り付け部は、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるためのものである。軸は取り付け部に対して固定されている。磁性ロータヨークは取り付け部と軸に固定されている。マグネットは磁性ロータヨークに固定されている。
ステータのハウジングは軸を回転可能に支持する軸受けを有している。電気子コイルは、ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界とマグネットの磁界とによりロータをステータに対して回転させるものである。
ロータの取り付け部は、磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されている。しかもこの取り付け部はスリットを有している。
このことから、ディスク状の情報記録媒体に取り付けるための取り付け部は金属で作る必要がなく、金属材料を切削して作る必要もないので、バイトのような加工用の工具の摩耗管理などが全く必要ではなくなる。
しかも、この取り付け部はスリットを有している。この取り付け部が高分子材料をアウトサート成形した後に、成形された取り付け部が収縮したとしても、このスリットが形成されていることから、取り付け部の形状精度をスリットがない場合に比べて維持することができる。取り付け部の形状精度を維持することができるので、取り付け部はディスク上の情報記録媒体を精度よく確実に取り付けることができるのである。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5に記載のモータを有する情報記録再生装置において、前記高分子材料は、液晶ポリマーである。
【0016】
請求項6では、高分子材料は液晶ポリマーである。液晶ポリマーを用いることにより、アウトガスの発生とコンタミネーションの発生の危険度が極めて低いものとなる。このようなディスク状の取り付け部を形成する高分子材料としては、液晶ポリマーが最も理想的である。
このアウトガスの発生とは、モータ等のHDD内部に配置される部材から、有機ガスが発生する現象であり、発生した有機ガスがディスク(媒体)に析出し、ヘッドと媒体を貼り付けてしまうスティクション現象の原因になる。
アウトガスは特に、使用された接着剤や、高分子材料、さらに切削部品の加工時に用いられた切削油等の有機材料から発生する。
またコンタミネーションの発生とは、洗浄をしてもなお残ってしまった異物、軸受内部から発生する塵、高分子材料の処理不足によりはがれ落ちるチップなどにより発生する現象で、これらのコンタミネーションが、媒体とヘッドの間に侵入した場合には、媒体を破壊してしまう現象、即ちヘッドクラッシュを起こし、記録情報を破壊してしまう。
【0017】
請求項7の発明は、請求項5に記載のモータを有する情報記録再生装置において、前記スリットは、前記ロータの半径方向に沿って複数形成されている。
【0018】
請求項7では、スリットはロータの半径方向に沿って複数形成されている。
これにより、鉄などの金属材料と高分子材料の熱収縮率の差から発生する応力を緩和し、ディスク取り付け面の平面度など、機械精度を維持することができる。
【0019】
請求項8の発明は、ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータを備えるモータであり、前記ロータは、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、前記取り付け部に固定されている磁性ロータヨークと、前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、軸受けと、を有し、前記ステータは、ハウジングと、前記ハウジングに固定されしかも前記軸受けに回転可能に支持されている軸と、前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータである。
【0020】
請求項8では、このモータはいわゆる軸固定型のモータである。モータの取り付け部はディスク状の情報記録媒体を取り付けるためのものである。磁性ロータヨークは、取り付け部に固定されている。マグネットは磁性ロータヨークに固定されている。
ステータの軸は、ステータのハウジングに固定されしかもロータの軸受けに回転可能に支持されている。電気子コイルは、ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界とマグネットの磁界とによりロータをステータに対して回転させる。
ロータの取り付け部は、磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されている。しかもこの取り付け部は、スリットを有している。
このことから、ディスク状の情報記録媒体に取り付けるための取り付け部は金属で作る必要がなく、金属材料を切削して作る必要もないので、バイトのような加工用の工具の摩耗管理などが全く必要ではなくなる。
しかも、この取り付け部はスリットを有している。この取り付け部が高分子材料をアウトサート成形した後に、成形された取り付け部が収縮したとしても、このスリットが形成されていることから、取り付け部の形状精度をスリットがない場合に比べて維持することができる。取り付け部の形状精度を維持することができるので、取り付け部はディスク上の情報記録媒体を精度よく確実に取り付けることができるのである。
【0021】
請求項9の発明は、請求項8に記載のモータにおいて、前記高分子材料は、液晶ポリマーである。
【0022】
請求項9では、高分子材料は液晶ポリマーである。液晶ポリマーを用いることにより、アウトガスの発生とコンタミネーションの発生の危険度が極めて低いものとなる。このようなディスク状の取り付け部を形成する高分子材料としては、液晶ポリマーが最も理想的である。
このアウトガスの発生とは、モータ等のHDD内部に配置される部材から、有機ガスが発生する現象であり、発生した有機ガスがディスク(媒体)に析出し、ヘッドと媒体を貼り付けてしまうスティクション現象の原因になる。
アウトガスは特に、使用された接着剤や、高分子材料、さらに切削部品の加工時に用いられた切削油等の有機材料から発生する。
またコンタミネーションの発生とは、洗浄をしてもなお残ってしまった異物、軸受内部から発生する塵、高分子材料の処理不足によりはがれ落ちるチップなどにより発生する現象で、これらのコンタミネーションが、媒体とヘッドの間に侵入した場合には、媒体を破壊してしまう現象、即ちヘッドクラッシュを起こし、記録情報を破壊してしまう。
【0023】
請求項10の発明は、請求項8に記載のモータにおいて、前記スリットは、前記ロータの半径方向に沿って複数形成されている。
【0024】
請求項10では、スリットはロータの半径方向に沿って複数形成されている。
これにより、鉄などの金属材料と高分子材料の熱収縮率の差から発生する応力を緩和し、ディスク取り付け面の平面度など、機械精度を維持することができる。
【0025】
請求項11の発明は、ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータ備えるモータを有する情報記録再生装置であり、前記ロータは、ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、前記取り付け部に固定されている磁性ロータヨークと、前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、軸受けと、を有し、前記ステータは、ハウジングと、前記ハウジングに固定されしかも前記軸受けに回転可能に支持されている軸と、前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータを有する情報記録再生装置である。
【0026】
請求項11では、このモータはいわゆる軸固定型のモータである。モータの取り付け部はディスク状の情報記録媒体を取り付けるためのものである。磁性ロータヨークは、取り付け部に固定されている。マグネットは磁性ロータヨークに固定されている。
ステータの軸は、ステータのハウジングに固定されしかもロータの軸受けに回転可能に支持されている。電気子コイルは、ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界とマグネットの磁界とによりロータをステータに対して回転させる。
ロータの取り付け部は、磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されている。しかもこの取り付け部は、スリットを有している。
このことから、ディスク状の情報記録媒体に取り付けるための取り付け部は金属で作る必要がなく、金属材料を切削して作る必要もないので、バイトのような加工用の工具の摩耗管理などが全く必要ではなくなる。
しかも、この取り付け部はスリットを有している。この取り付け部が高分子材料をアウトサート成形した後に、成形された取り付け部が収縮したとしても、このスリットが形成されていることから、取り付け部の形状精度をスリットがない場合に比べて維持することができる。取り付け部の形状精度を維持することができるので、取り付け部はディスク上の情報記録媒体を精度よく確実に取り付けることができるのである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0028】
図1は、本発明のモータを有する情報記録再生装置の好ましい実施の形態を示している。
図1に示す情報記録再生装置は、一例としてハードディスクドライブ装置(HDD)であり、このハードディスクドライブ装置10は、筐体1の中にディスク状の情報記録媒体としての磁気ディスク2が収容されている。磁気ディスク2は、いわゆるハードディスク(HD)と呼ばれている。この磁気ディスク2は、モータ20によって、角速度一定で回転駆動される。このモータ20はスピンドルモータである。
【0029】
アーム4の一端にはボイスコイル5が取り付けられている。アーム4の一端には、サスペンション7が取り付けられている。このサスペンション7の先端には浮上型ヘッドスライダ(以下スライダという)6が取り付けられている。
ボイスコイル5は、マグネット11と別のマグネット12により挟まれた位置に配置されており、ボイスコイル5とマグネット11,12はボイスコイルモータを構成している。ボイスコイル5に流れる電流が、マグネット11,12の磁界から力を受けて軸14を中心にアーム4が回動する。
これにより、スライダ6に取り付けられた磁気ヘッド13が磁気ディスク2の表面(情報記録面)に対して、半径方向、すなわちシーク方向に動作して、磁気ディスク2の表面の所定のトラックに対して磁気ヘッド13が情報を磁気的に記録をしたり、あるいは磁気ディスク2に記録されている情報を磁気的に再生するようになっている。
【0030】
図2は、図1に示すモータ20の好ましい構造例を示している。図3は、このモータ20から磁気ディスク2を取り除いた状態を示している。図4は図3のモータ20のロータ側を見た平面図である。
図2に示すモータ20は、軸回転型のスピンドルモータであり、ロータRとステータSを有している。まずモータ20のロータRの構造について説明する。
ロータRは、取り付け部21、軸23、磁性ロータヨーク24、マグネット25を有している。
【0031】
取り付け部21は、磁気ディスク2をクランパ33を用いて取り付けるためのものである。軸23は、モータ20のロータRの回転中心である回転中心軸CLに沿って配置されている。軸23は円柱部分26とステップ部27を有しており、断面T字型を有している。この円柱部分26の中には、軸方向に沿って雌ネジ28が形成されている。この軸23はたとえばステンレス鋼や真鍮により作られている。
取り付け部21は、磁性ロータヨーク24に対してアウトサート成形により形成されている高分子材料である。取り付け部21は、ハブとも呼ばれており、取り付け部21は磁性ロータヨーク24に対して上述したようにアウトサート成形により一体的に成形されている。取り付け部21を構成する高分子材料としては、たとえば液晶ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネイトなどを採用できる。
【0032】
特に液晶ポリマーは、取り付け部21の成形用の高分子材料としては最も好ましいものである。このように高分子材料として液晶ポリマーを用いることにより、次のようなメリットがある。液晶ポリマーを用いることにより、アウトガスの発生やコンタミネーションの発生の危険度が極めて低いものとなる。このようなアウトガスの発生やコンタミネーションの発生の危険度を下げることは、特にハードディスクドライブ装置において必要な性能である。
ここでアウトガスの発生とは、モータ等のHDD内部に配置される部材から、有機ガスが発生する現象であり、発生した有機ガスがディスク(媒体)に析出し、ヘッドと媒体を貼り付けてしまうスティクション現象の原因になる。
アウトガスは特に、使用された接着剤や、高分子材料、さらに切削部品の加工時に用いられた切削油等の有機材料から発生する。
また、コンタミネーションの発生とは、洗浄をしてもなお残ってしまった異物、軸受内部から発生する塵、高分子材料の処理不足によりはがれ落ちるチップなどにより発生する現象で、これらのコンタミネーションが、媒体とヘッドの間に侵入した場合には、媒体を破壊してしまう現象、即ちヘッドクラッシュを起こし、記録情報を破壊してしまう。
【0033】
アウトガスの発生により、ハードディスクドライブ装置では、有機ガスが媒体上に析出し、ヘッドを貼り付けるスティクション現象や、さらに厚く析出するヘイズ現象を起こし、ドライブの動作を阻害し、正常な情報の記録再生ができなくなるという問題が生じる。
コンタミネーション(ちり)の存在により、ハードディスクドライブ装置においては、ヘッドと磁気ディスクの間にちりがたい積するので、いわゆるヘッドが磁気ディスクの表面に衝突する現象であるヘッドクラッシュ現象を起こしてしまうという問題がある。
この点において、液晶ポリマーは、ハードディスクドライブ装置に必要な性能であるアウトガスの発生の危険度およびコンタミネーションの発生の危険度を極めて低いものにすることができるのである。
また液晶ポリマーは磁性ロータヨーク24に対してたとえばクリーンルーム中でアウトサート成形することにより、取り付け部21と磁性ロータヨーク24の成形後の洗浄が容易となる。このためにハードディスクドライブ装置用のモータ20を製作する場合の作業段階を少なくすることができる。
【0034】
図2において、マグネット25は、磁性ロータヨーク24の内側に配置されている。しかしマグネット25はリング状のマグネットであり、S極とN極が交互に多極着磁されたものである。このマグネット25は、磁性ロータヨーク24の内側に接着剤を用いて固定することができる。
しかし、そうではなくマグネット25は、高分子材料である取り付け部21を磁性ロータヨーク24に対してアウトサート成形により一体成形する際に、マグネット25を取り付け部21の部分31に対して一体的に固定してしまうことを採用することができる。これにより、従来必要であった磁性ロータヨーク24とマグネット25の間の接着剤が不要になる。従って従来必要であったこの接着剤から有機物を飛散させるための工程が不要となる。
【0035】
図2に示す磁性ロータヨーク24は、ほぼ断面U字型の部材であり、磁性部材である鉄やステンレス鋼により作られている。
取り付け部21にはクランパ33およびネジ34が取り付けられている。このネジ34は、軸23の雌ネジ28に対してねじ込まれる雄ネジであり、ネジ342よりクランパ33は取り付け部21に対して着脱可能に固定されている。このクランパ33は磁気ディスク2の表面2Aを、取り付け部21の取り付け面35に対して押し付けるようにして固定している。これによって、磁気ディスク2は、クランパ33により取り付け面35に押し付けられていることから、磁気ディスク2が取り付け部21から外れてしまうことが全くない。
【0036】
次に、図2を参照しながら、モータ20のステータSの構造について説明する。
ステータSは、ハウジング40、電気子コイル41および軸受け43を有している。
ハウジング40は、磁性材料、たとえばステンレス鋼や鉄により作られている。軸受け43は軸23を回転可能に支持する軸受けである。軸受け43はプラスチックや真鍮のような金属により作ることができる。軸受け43は円柱状の部材であり、軸受け43はハウジング40の保持部45の中にたとえば圧入により固定されている。
【0037】
軸受け43は円柱部分26とステップ部27をそれぞれ回転可能に支持するための軸受け面46,47を有している。
このほぼ断面T字型の軸23を用いることにより、断面I字型の軸に比べて、軸23は中心軸CLを中心として振れのない安定した回転を実現することができる。
【0038】
電気子コイル41は、コイル50と鉄芯51を有している。コイル50は鉄芯51に巻かれている。この電気子コイル41は、ハウジング40の保持部45の周囲において複数個配列されている。
この電気子コイル41のコイル50は、配線基板53を通じて外部からの制御部より通電されるようになっている。この通電により電気子コイル41が発生する磁界と、ロータRのマグネット25の磁界が相互作用することにより、ロータRはステータSに対して軸23を中心として連続回転できるようになっている。
【0039】
次に、上述したロータRの取り付け部21の形状の特徴について、さらに図3と図4を参照して詳しく説明する。
上述したように取り付け部21は、磁性ロータヨーク24に対してアウトサート成形により成形されており、取り付け部21は高分子材料である。
この取り付け部21の上面側には、図3と図4に示すように複数のスリット60が形成されている。このスリット60は、図4の例では60度ごとの角度で半径方向に沿って形成されている。スリット60を予めアウトサート成形時に形成している金型を用いて成形していくことにより、次のようなメリットがある。すなわち、取り付け部21が磁性ロータヨーク24に対してアウトサート成形された後に、高分子材料が収縮する。この時にスリット60を形成しておくことにより、取り付け部21の上面70と既に述べた磁気ディスク2の取り付け面35の形状精度が十分に確保することができるのである。
もしもスリット60が形成されていないと、上面70および取り付け部21全体に収縮が発生して、特に取り付け面35の収縮により取り付け面35の形状精度が低下してしまう。このことから図2に示すようなディスク2の下面2Bを取り付け面35に突き当てて搭載する際に、磁気ディスク2を精度良く取り付け面35に対して取り付けることができなくなってしまう。
また図5に示す磁気ディスク2の中央の穴の内周面75が、取り付け部21の取り付け端面76に対しても正確に位置決めすることができなくなってしまい、磁気ディスク2の中心が中心軸CLに対してずれてしまう可能性が出てくる。この取り付け端面76は、水平の取り付け面35と水平の上面70をつなぐほぼ中心軸CLに沿った外周面である。
【0040】
図5は、図2のモータ20の部分領域Eを拡大して示している。
取り付け部21は、従来ではステンレス鋼などの硬度の高い金属を用いている。このためにこのような金属製の取り付け部は簡単に切削することができない。しかしながら本発明の実施の形態では、取り付け部21は、簡単に切削可能な高分子材料でアウトサート成形により作られている。このためにモータ20において、取り付け部21を含むロータRの回転時の振れを除去するために、取り付け部21に対して加工を施すのが格段に容易になる。この際の加工バイトの摩耗もほぼなくなるので、取り付け部21の高さ精度や半径方向の精度の管理も容易になる。
【0041】
従来の取り付け部はステンレス鋼などの高価な金属により作られていた。しかしながら本発明の実施の形態では取り付け部は安価な高分子材料を用いているので、モータ20を安価にすることができる。
なお、この高分子材料からなる取り付け部21は、締結する相手である磁性ロータヨーク24に対してアウトサート成形するのが望ましい。あるいは取り付け部21は磁性ロータヨーク24に対して熱カシメすることにより取り付けしてもよい。
【0042】
次に、図6を参照して、取り付け部21の別の好ましい例について説明する。
図6は取り付け部21の平面図である。ただし図4に示すスリット60の図示は図面の簡単化のために省略している。
取り付け部21は、図2に示す磁気ディスク2が取り付け部21に対して同軸度が良好になるような次の工夫が施されている。
取り付け部21には、半径方向に突出する一対の突起部39A,39Aが設けられている。これらの突起部39A,39Aは、円周形状の取り付け端面76において半径方向に突出して円弧形状に形成されている。
【0043】
取り付け端面76には、弾性部80が半径方向に突出して設けられている。この弾性部80は、図2に示す磁気ディスク2の内周面75を上述した突起部39A,39Aに押し付けるための手段である。この弾性部80は半径方向に弾性変形するものである。
上述した一対の突起部39A,39Aは、中心軸CLを中心として90度の開き角θを有している。別の突起部39Bが、突起部39A,39Aの間の中央の位置に設けられている。この突起部39Bは、突起部39A,39Aに対して45度の開き角θ1を有している。
別の突起部39C,39Cが、弾性部80に対して開き角θ2を有する位置に設けられている。開き角θ1と開き角θ2は、45度である。弾性部80は、突起部39A,39Aから135度の開き角の位置に形成されている。
【0044】
ここで、複数の突起部39A,39B,39Cと弾性部80が、図2に示す磁気ディスク2をセンタリングする方式の具体的な例を説明する。
ここでは、磁気ディスクの内径の寸法が15.0mmから15.06mmであり、即ち60μmの穴径公差をもった磁気ディスクのセンタリングについて説明する。
【0045】
(1)磁気ディスクの内径が最も小さい15.0mmの場合
最も小さい磁気ディスクの内径が15.0mmの場合では、磁気ディスクの内周面は突起部39A,39A,39Bに接触して、磁気ディスクはセンタリングされる。弾性部80は、内周側に収縮すると共に、ディスク内径Dsを突起部39A,39A,39Bに押し当てている。
このときの突起部39A,39Aの座標中心は、中心点Oを原点とし、
(−15/2cos(90/2)−0.06/4,15/2sin(90/2))
(−15/2cos(90/2)−0.06/4,−15/2sin(90/2))である。
上記を計算すれば、(−5.318,5.303)(−5.318,−5.303)となり、中心点Oから、突起部39Aまでの距離Raは、7.510mmとなる。
また、突起部39Bの座標は、当然(−15.0/2−0.06/4,0)で、(−7.515,0)となり、中心点Oからの距離Rb=7.515mmとなる。
即ち、磁気ディスクが最小の内径15.0mmの場合には、磁気ディスクは積極的に弾性部80とは反対側へ、内径精度のほぼ4分の1の0.06/4=0.015mm偏芯させた状態で取り付けられることになる。
【0046】
(2)磁気ディスクの内径が最も大きい15.06mmの場合
逆に磁気ディスクの内径の最も大きい15.06mmの場合では、磁気ディスクの内周面は突起部39Bに接触して、センタリングされる。やはりここでも、弾性部80が、ディスク内径Dmを突起部39Bに押し付けている。このときの突起部39Bの座標は、中心点Oを原点として、(−15.06/2+0.06/4,0)であり、計算すれば、(7.515,0)で、中心点Oからの距離Rb=7.515mmとなる。即ち、磁気ディスクが内径最大の15.06mmの場合には、磁気ディスクは積極的に弾性部80側へ、内径精度のほぼ4分の1の0.015mm偏芯させた状態で取り付けられる。
このとき内径DLは、突起部39C,39Cに干渉せず、センタリングは阻害されない。
【0047】
(3)磁気ディスクの内径が中心値である15.03mmの場合
また、内径精度の中心値である15.03mmの場合には、中心点Oから、突起部39Bまでの距離がRb=7.515なので、Rb×2=7.515×2=15.03で、磁気ディスクは全く中心点Oにセンタリングされた状態で取り付けられる。当然、この場合にも、ディスク内径Dmは、突起部30C,39Cには干渉されず、磁気ディスクのセンタリングは阻害されない。
【0048】
突起部39C,39Cは、最小内径の磁気ディスクを取り付けた場合の偏芯防止用であり、弾性部80と直交する方向へ磁気ディスクがずれないようにするための、補助的な役割をしている。
図7は、従来技術のモータと本発明のモータ20の場合とでの、磁気ディスクの取り付け精度を比較したグラフである。横軸は磁気ディスク内径精度を示し、縦軸は磁気ディスクの偏芯量を示す。
破線で示すように、従来のモータでは当然、ディスク内径が大きくなるほど、偏芯量は増えることになるが、実線で示すように本発明のモータ20では、従来技術の半分の偏芯量に抑えられていることが解る。また、実際の測定値であるプロットからも効果を確認することができる。
即ち、本発明のモータ20では、ハブともいう取り付け部21に複数の対の突起部を設け、積極的にディスクを偏芯させて取り付けることで、偏芯量を従来の半分のオーバーオール値に抑えることができる。このように、突起部を設けた複雑な形状は、正に高分子材料をアウトサート成形した場合には、簡素に構成することができるメリットがある。
【0049】
ハードディスクドライブ装置では、磁気ディスクはたとえば5400rpmなどで、高速で回転させられることが通常であり、磁気ディスクが偏芯して取り付けられてアンバランスを生じると、磁気ディスクの回転による振動が発生し、磁気ヘッドへ影響を及ぼすなど、良好な情報の記録再生に悪影響を与えてしまう。そこで、従来は、ディスクを取り付ける際に、ジグを用い、位置決めをした状態でディスクを取り付けたり、取り付けた後にウェイトにバランス調整をしたりしていた。
しかし本発明のモータ20では、従来のようにバランスに配慮せずにディスクを取り付けることができるので、ハードディスクドライブ装置の組立工程が格段に簡素になる。
【0050】
次に、図8を参照して、本発明のモータの別の実施の形態に付いて説明する。図2と図3に示すモータ20が、いわゆる軸回転型のモータであり、軸23はロータRと共に一体的に回転する形式のものである。
これに対して図8のモータ120は、軸123とロータRとが一体に回転はしないいわゆる軸固定型のものである。
【0051】
図8のモータ120の構成要素が、図2のモータ20の構成要素と同じところには同じ符号を記してその説明を用いることにする。
ロータRは、取り付け部21、軸受け143、磁性ロータヨーク24、マグネット25を有している。これに対してステータSは、ハウジング40、軸123、配線基板53、電気子コイル41を有している。
【0052】
軸受け143は、ロータR側に設けられている。この軸受け143は磁性ロータヨーク24に対して固定されている。軸123は円柱部分126とステップ部127を有している。軸受け143は軸受け面146,147を有している。
これにより電気子コイル41のコイル50に対して配線基板53を通じて通電することにより、コイル50の発生する磁界とマグネット25の発生する磁界の相互作用により、ロータRがステータSに対して中心軸CLを中心として連続回転する。
【0053】
取り付け部21に対して磁気ディスク2が取り付けられている構造は同じである。取り付け部21は、図2の実施の形態と同様に磁性ロータヨーク24に対して高分子材料をアウトサート成形することにより作られている。そして図4に示す取り付け部21と同様にスリット60がこの図8の取り付け部21には形成されている。
【0054】
本発明のモータでは、ディスク取り付け部であるハブが、磁性ヨークに液晶ポリマーなどの高分子材料をアウトサート成形して構成してあるので、ハブの振れ精度が確保し易い安価なモータとなる。
また、高分子材料を用いてハブを形成しているので、ハブを複雑な形状にすることも可能で、たとえば、複数の対の突起部とディスク内径を突起部に押し当てる手段の弾性部を所定の寸法で設ければ、ディスク取り付け時の偏芯量は、従来の半分に抑えることができるので、アンバランスの小さい、ディスク回転時に発生する振動の少なく、良好な情報の記録再生のできる信頼性の高いモータを提供することができる。
【0055】
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上述した実施の形態では、モータを有する情報記録再生装置としてはハードディスクドライブ装置を例に挙げている。しかしこれに限らず、本発明の情報記録再生装置は、光ディスク記録再生装置や光磁気ディスクの記録再生装置あるいは光ディスク再生装置であってもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、、ディスク状の記録媒体を取り付けるための取り付け部を金属で作らないようにしてより安価な高分子材料により成形して、高分子材料により取り付け部を形成する際に取り付け部の形状精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータを有する情報記録再生装置の好ましい実施の形態を示す斜視図。
【図2】図1の情報記録再生装置が搭載されているモータの断面構造を示す図。
【図3】図2のモータから磁気ディスクを取り除いた状態を示す図。
【図4】図3のモータの取り付け部を示す平面図。
【図5】図2の部分領域Eを拡大して示す図。
【図6】本発明のモータにおける取り付け部の形状の一例を示す図。
【図7】図6の形状を採用した場合の磁気ディスクの偏芯量と磁気ディスクの内径寸法の関係を示す図。
【図8】本発明のモータの別の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
2・・・磁気ディスク(ディスク状の情報記録媒体の一例)、10・・・ハードディスクドライブ装置(情報記録再生装置の一例)、20・・・モータ、21・・・取り付け部、23・・・軸、24・・・磁性ロータヨーク、25・・・マグネット、40・・・ハウジング、41・・・電気子コイル、53・・・配線基板、R・・・ロータ、S・・・ステータ
Claims (11)
- ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータを備えるモータであり、
前記ロータは、
ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、
軸と、
前記取り付け部と前記軸に固定されている磁性ロータヨークと、
前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、を有し、
前記ステータは、
前記軸を回転可能に支持する軸受けを有するハウジングと、
前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、
前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータ。 - 前記高分子材料は、液晶ポリマーである請求項1に記載のモータ。
- 前記スリットは、前記ロータの半径方向に沿って複数形成されている請求項1に記載のモータ。
- 前記ロータは、前記ディスク状の情報記録媒体を前記取り付け部に押し付けて固定するためのクランパを有する請求項1に記載のモータ。
- ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータを備えるモータを有する情報記録再生装置であり、
前記ロータは、
ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、
軸と、
前記取り付け部と前記軸に固定されている磁性ロータヨークと、
前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、を有し、
前記ステータは、
前記軸を回転可能に支持する軸受けを有するハウジングと、
前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、
前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータを有する情報記録再生装置。 - 前記高分子材料は、液晶ポリマーである請求項5に記載のモータを有する情報記録再生装置。
- 前記スリットは、前記ロータの半径方向に沿って複数形成されている請求項5に記載のモータを有する情報記録再生装置。
- ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータを備えるモータであり、
前記ロータは、
ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、
前記取り付け部に固定されている磁性ロータヨークと、
前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、
軸受けと、を有し、
前記ステータは、
ハウジングと、
前記ハウジングに固定されしかも前記軸受けに回転可能に支持されている軸と、
前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、
前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータ。 - 前記高分子材料は、液晶ポリマーである請求項8に記載のモータ。
- 前記スリットは、前記ロータの半径方向に沿って複数形成されている請求項8に記載のモータ。
- ロータと、前記ロータを回転可能に支持するステータ備えるモータを有する情報記録再生装置であり、
前記ロータは、
ディスク状の情報記録媒体を取り付けるための取り付け部と、
前記取り付け部に固定されている磁性ロータヨークと、
前記磁性ロータヨークに固定されているマグネットと、
軸受けと、を有し、
前記ステータは、
ハウジングと、
前記ハウジングに固定されしかも前記軸受けに回転可能に支持されている軸と、
前記ハウジングに固定されて通電することで発生する磁界と前記マグネットの磁界とにより前記ロータを前記ステータに対して回転させる電気子コイルと、を有し、
前記ロータの前記取り付け部は、前記磁性ロータヨークに対して高分子材料をアウトサート成形して形成されており、前記取り付け部は、スリットを有していることを特徴とするモータを有する情報記録再生装置。
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JP2002304700A JP2004139689A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | モータおよびモータを有する情報記録再生装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1926100A1 (en) | 2006-11-27 | 2008-05-28 | Sony Corporation | Spindle motor and disk player |
CN103683586A (zh) * | 2012-09-05 | 2014-03-26 | 佛山市建准电子有限公司 | 马达转子及其封磁件 |
-
2002
- 2002-10-18 JP JP2002304700A patent/JP2004139689A/ja not_active Abandoned
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1926100A1 (en) | 2006-11-27 | 2008-05-28 | Sony Corporation | Spindle motor and disk player |
JP2008131846A (ja) * | 2006-11-27 | 2008-06-05 | Sony Corp | スピンドルモータおよび再生装置 |
US8448199B2 (en) | 2006-11-27 | 2013-05-21 | Sony Corporation | Player and spindle motor with skirt section having resin lead-in features |
CN103683586A (zh) * | 2012-09-05 | 2014-03-26 | 佛山市建准电子有限公司 | 马达转子及其封磁件 |
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