JP2004093765A - 画像形成装置 - Google Patents

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宮坂 裕
Kimio Nishizawa
西沢 公夫
Nobuyasu Tamura
田村 暢康
Kazutoshi Kobayashi
小林 一敏
Eiji Nomura
野村 英司
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Abstract

【課題】像担持体上の静電潜像を重合トナーを含む2成分現像剤を用いて現像する現像手段を有する画像形成装置において、良好なトナー濃度検出が行われる。
【解決手段】該現像手段は、軸方向に2成分現像剤を撹拌・搬送する搬送部材と、該搬送部材に対向して非接触で0.8mm以内の間隙をもって設置される2成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサTSとを有していて、前記搬送部材の径は23mm以上とすることを特徴とする。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式を用いる複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係わり、特に2成分現像剤を用いて画像形成を行う画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
像担持体上に形成された静電潜像を現像するための現像剤としては非磁性のトナー粒子と磁性を有したキャリア粒子とを混合した2成分現像剤が用いられる。
【0003】
近年高画質化、高耐久化を目的としてトナー粒子を小粒径化することがなされ、重合トナーのような球形度の高いトナーが用いられるようになってきた。かかるトナーを用いるときは高解像度の忠実性の高い画像が得られるが、反面トナー飛散やカブリが生じ易いという問題がある。この問題の解決策としてキャリア粒子も小粒径化する手段がとられるようになって来ているが、キャリア粒径が小さくなることで、補給されたトナーが現像剤に混ざりにくく、十分に帯電されないトナーが飛散したりカブリを起こし易くなっている。
【0004】
そこでトナー飛散やカブリを発生させないようにする手段としては、トナーとキャリアとの間での十分な撹拌と、現像剤のトナー濃度(トナー粒子とキャリア粒子との混合比)を一定に保つことが重要であって、現像器内で撹拌された現像剤の透磁率を検出してトナー濃度を検出し、検出した出力を予め設定した閾値と比較し、トナー補給を行うことがなされている。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−166073号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
トナーとキャリアとの十分な撹拌を行い、トナーとキャリアとの間で相互摩擦によって帯電状態とする方法としては、現像剤を搬送スクリュを用いて撹拌しながら搬送する搬送部材を用いることによって行われる。トナー濃度センサは、現像剤が撹拌・搬送される搬送部材に対向して配設し、トナー濃度検出を行うことがなされている。トナー飛散やカブリを防止するには高精度のトナー濃度制御が要求されるが、キャリア粒径の小径化により現像剤の流動性が低下し、トナー濃度センサの実質のトナー濃度制御性が大幅に低下してしまい、結果的にトナー飛散やカブリといった問題を助長していた。
【0007】
本発明は、搬送部材に対向して配置したトナー濃度センサによって、高精度にトナー濃度検出できるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は次の画像形成装置によって達成される。
【0009】
(1) 像担持体上の静電潜像を重合トナーを含む2成分現像剤を用いて現像する現像手段を有する画像形成装置において、
該現像手段は、
軸方向に2成分現像剤を撹拌・搬送する搬送部材と、
該搬送部材に対向して2成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサとを有していて、
前記搬送部材の径は23mm以上とすることを特徴とする画像形成装置。
【0010】
(2) 像担持体上の静電潜像を重合トナーを含む2成分現像剤を用いて現像する現像手段を有する画像形成装置において、
該現像手段は、
軸方向に2成分現像剤を撹拌・搬送する搬送部材と、
該搬送部材に対向して2成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサとを有していて、
2成分現像剤のキャリアの平均粒径Rc(μm)と前記搬送部材の径Rh(mm)の関係を下記条件とすることを特徴とする画像形成装置。
【0011】
Rh≧−0.0891×Rc+26.008
(3) 像担持体上の静電潜像を重合トナーを含む2成分現像剤を用いて現像する現像手段を有する画像形成装置において、
該現像手段は、
軸方向に2成分現像剤を撹拌・搬送する搬送部材と、
該搬送部材に対向して2成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサとを有していて、
2成分現像剤のキャリアの平均粒径Rc(μm)と、前記搬送部材に対向するトナー濃度センサのヘッド径Rs(mm)の関係を下記条件とすることを特徴とする画像形成装置。
【0012】
Rs≦0.13333×Rc+1.3333
(4) 前記搬送部材は回転数3〜10rps、スクリュピッチ16〜35mmの関係にあることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項に記載の画像形成装置。
【0013】
(5) 前記トナー濃度センサは透磁率の変化を検出するセンサであること特徴とする(1)〜(4)の何れか1項に記載の画像形成装置。
【0014】
(6) 前記トナー濃度センサのヘッド面の垂直2等分線は前記搬送部材の中心軸を通過することを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項に記載の画像形成装置。
【0015】
(7) 前記搬送部材と前記トナー濃度センサのヘッド面との間隔を、非接触で0.8mm以下とすることを特徴とする(1)〜(6)の何れか1項に記載の画像形成装置。
【0016】
【発明の実施の形態】
(1)本発明が適用される画像形成装置について説明する。
【0017】
本発明の一実施形態として示すカラー画像形成装置は、複数の像担持体上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)トナーから成るトナー像をそれぞれ形成し、複数の像担持体上に形成されたトナー像を、中間転写体を介して、或いは直接に転写材上に重ね合わせて形成されるタンデム型のカラー画像形成装置である。
【0018】
図1の断面図に示すカラー画像形成装置は、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体上に重ね合わせて転写し、重ね合わせたトナー像を一括して転写するタンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10Kと、中間転写ユニット7と、給紙搬送手段及び定着手段24とから成る。画像形成装置本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
【0019】
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体(感光体)1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、像担持体(感光体)1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、像担持体(感光体)1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Kは、像担持体(感光体)1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、一次転写手段5K、クリーニング手段6Kを有する。各画像形成部10では帯電、露光、現像が行われて、像担持体1上に各色の画像が形成される。
【0020】
中間転写ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の中間転写体70を有する。
【0021】
画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、一次転写手段5Y,5M,5C,5Kにより、回動する中間転写体70上に同期がとられて逐次重ね合わせて転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録媒体(以下、用紙と称す)Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A,22B,22C,22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段5Aに搬送され、用紙P上に重ね合わされたカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0022】
一方、二次転写手段5Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
【0023】
画像形成処理中、一次転写手段5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の一次転写手段5Y,5M,5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y,1M,1Cに圧接する。
【0024】
二次転写手段5Aは、ここを用紙Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、中間転写体70に圧接する。
【0025】
(2)図2には1組の画像形成部10を取り出して示している。矢示方向に回転する像担持体としてのドラム状の感光体1はOPC感光体等が用いられ、スコロトロン帯電器等を用いた帯電手段2によって一様帯電が行われる。露光手段3には、レーザ、発光ダイオード等のドット露光を行う露光手段が用いられ、露光手段3の像露光によって静電潜像が形成される。かかる潜像形成工程に続いて次ぎに詳しく説明する現像手段4によって現像が行われて、静電潜像はトナー像となる。感光体1と現像手段4とは本実施例においては同一の駆動手段であるモータによって駆動されている。但し、これに限定するものではなく、感光体1と現像手段4とは別個の駆動手段によって駆動されていても差し支えない。
【0026】
(3)現像手段4は、現像装置枠体40、現像ローラからなる現像剤担持体41、磁界発生手段(マグネットロール)42、穂切り板からなる規制手段43、水車型の供給手段44、スクリュからなる供給・搬送部材45(以後第1搬送スクリュともいう)、スクリュからなる撹拌・搬送部材46、剥ぎ取り搬送ローラ47、剥ぎ取り板48、スクリュからなる回収・搬送手段49(以後第2搬送スクリュともいう)等から構成され、感光体1と同一の駆動手段であるモータによって駆動されている。図3は現像剤の流れを示す説明図である。
【0027】
現像剤担持体41は、感光体1に対向して配置され、回転可能に支持されており、矢印で示すように回転して現像剤を現像ニップ部DRに搬送し、現像ニップ部DRにおいて現像剤を担持して現像に必要な現像剤の層を形成する。
【0028】
供給手段44は、現像剤担持体41に現像剤を供給する回転可能な水車型の搬送手段であり、供給・搬送部材45から搬送された現像剤を現像剤担持体41の現像剤受け入れ用磁極S3付近に均一に供給する。なお、供給手段44は回転軸方向に搬送機能を有するスクリュであってもよい。
【0029】
供給・搬送部材45は、供給手段44に平行配置され、撹拌・搬送部材46から搬送された現像剤をその回転軸方向に搬送しながら供給手段44に搬送する。
【0030】
撹拌・搬送部材46は補給される新規トナーと供給・搬送部材45から還流された現像剤とを混合、攪拌して供給・搬送部材45の上流部に搬送する。
【0031】
現像剤担持体41の現像剤剥ぎ取り用磁極S2の近傍には、剥ぎ取り搬送ローラ47が配置されている。剥ぎ取り搬送ローラ47は、回転可能な回転部材(スリーブ)47Aと、回転部材47Aの内方に収容され現像装置枠体40に固定された円柱状の磁石体47Bとから成る。
【0032】
回収部403内に回転可能に配置された回収・搬送手段49は、剥ぎ取り搬送ローラ47と剥ぎ取り板48とにより剥ぎ取られて落下する現像剤を受け回収して、供給・搬送部材45の搬送方向下流側であって、現像剤担持体41の画像形成領域外に搬送する。なお、現像剤担持体41に現像剤が戻らない位置であれば、回収現像剤を供給・搬送部材45の搬送方向下流側であって、現像剤担持体41の現像領域相当内に投入してもよい。或いは、回収・搬送手段49により回収された現像剤を、撹拌・搬送部402の上流部に還流させてもよい。
【0033】
供給・搬送部材45、撹拌・搬送部材46及び回収・搬送手段49は、何れもスパイラルスクリュからなり、現像剤を攪拌しつつ回転軸方向に搬送するとともに、回転軸のほぼ直角方向に現像剤を放出する。
【0034】
現像装置枠体40は、現像剤担持体41、剥ぎ取り搬送ローラ47、供給手段44、供給・搬送部材45及び撹拌・搬送部材46を支持する下枠体40Aと、剥ぎ取り板48及び回収・搬送手段49を支持する中枠体40Bと、中枠体40Bの上方開口部を閉蓋する上蓋40Cとから構成されている。
【0035】
下枠体40Aは、供給手段44と供給・搬送部材45とを収容する供給部401と、撹拌・搬送部材46を収容する撹拌・搬送部402を形成する。供給部401と撹拌・搬送部402とは、下枠体40Aの底部から直立した第1隔壁404を挟んで両側に形成されている。
【0036】
回収・搬送手段49を回転可能に支持する中枠体40Bの底部に形成された第2隔壁405は、供給部401と回収部403とを仕切る。また、中枠体40Bの一部は、撹拌・搬送部402の上方開口部を閉蓋する。
【0037】
回収部403の現像剤搬送下流側と、供給部401の現像剤搬送下流側とは、第2隔壁405の端部近傍に穿設された第1開口部406により連通している。
【0038】
供給部401の現像剤搬送下流側と撹拌・搬送部402の現像剤搬送上流側とは、第1隔壁404の一方の端部近傍に穿設された開口部(図示せず)により連通している。また、搬送部402の下流と供給部401の上流とは直通した構成となっている。
【0039】
剥ぎ取り搬送ローラ47と剥ぎ取り板48により剥ぎ取られた現像剤は、回収部403内に回収され、回収・搬送手段49により回収現像剤が現像剤搬送下流側に搬送され、更に、供給部401に還流する。
【0040】
供給部401内の現像剤は、供給・搬送部材45により第1隔壁404の一方の端部に穿設された開口部(図示せず)から撹拌・搬送部402内に矢印W1で示すように搬送される。撹拌・搬送部402内に搬送された現像剤は、撹拌・搬送部材46により、トナー補給器40Tから排出されトナー補給用開口部409より補給されたトナーと、現像剤とを混合攪拌され、搬送されて、第1隔壁404の他方の端部に穿設された開口部(図示せず)から排出され、供給部401内に矢印W2で示すように還流される。供給部401内では、供給・搬送部材45により現像剤を軸方向に搬送しつつ放出して供給手段44に供給する。供給手段44は現像剤を軸方向に搬送しつつ放射して現像剤担持体41に供給する。
【0041】
B(DC)は現像剤担持体41にDCバイアスを印加するDCバイアス電源、B(AC)は現像剤担持体41にACバイアスを印加するACバイアス電源で後に説明する制御部によって制御が行われ、DCバイアスにACバイアスが重畳されて印加され、現像が行われる。
【0042】
本実施の形態に係る画像形成装置の現像手段4はトナーとキャリアを含有する2成分現像剤を用いて現像を行う。
【0043】
トナーとしては、質量平均粒径が1〜7μmの重合トナーが用いられる。重合トナーを用いることにより、高解像力であり、濃度が安定しカブリの発生が極めて少ない画像形成が可能となる。
【0044】
重合トナーは次のような製造方法により製造される。
トナー用バインダー樹脂の生成とトナー形状とがバインダー樹脂の原料モノマー又はプレポリマーの重合及びその後の化学的処理により形成されて得られる。より具体的には、懸濁重合又は乳化重合等の重合反応と必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て得られ、重合トナーでは、原料モノマー又はプレポリマーを水系で均一に分散した後に重合させトナーを製造することから、トナーの粒度分布及び形状の均一なトナーが得られる。
【0045】
本実施の形態においては質量平均粒径が1〜7μmの重合トナーが用いられる。
【0046】
質量平均粒径は、質量基準の平均粒径であって、湿式分散機を備えた「コールターカウンターTA−II」又は「コールターマルチサイザー」(いずれもコールター社製)により測定した値である。
【0047】
質量平均粒径が1μmを下回ると、カブリの発生やトナー飛散が起こりやすくなる。上限7μmは本実施の形態が目標とする高画質を形成することを可能する粒径の上限である。
【0048】
トナーの小粒径化に伴ってキャリアとしては、質量平均粒径が20〜70μmで磁化量が20〜70emu/gの磁性粒子からなるキャリアが好ましく用いられる。20μmよりも粒径の小さなキャリアではキャリア付着が生じやすくなる。また、70μmよりも粒径の大きなキャリアでは、均一な濃度の画像が形成されない場合が生じうる。
【0049】
(4)図4はトナー濃度センサTSの設置位置を示す斜視図である。
供給・搬送部材45及び撹拌・搬送部材46の両軸は平行に位置して第1搬送手段を構成し、現像剤を両者の間で矢示方向に回送している。矢示の軸方向に現像剤を搬送する供給・搬送部材45(第1搬送スクリュ)の上方位置には軸方向が平行で、かつ現像剤の搬送方向も同方向の回収・搬送手段49(第2搬送スクリュ)が位置している。
【0050】
現像領域で現像が行われ、トナーの消費がなされた現像処理した現像剤を搬送する第2搬送スクリュ49の下手方向の端面からは、現像処理後の現像剤が第1搬送スクリュ45の下手方向の端面より僅かに下流側に落下し、第1搬送スクリュ45によって搬送される現像剤と合流する。合流位置より僅かに下流側には、第1搬送スクリュ45に対向した位置に、現像剤の透磁率を検出してトナー濃度を検出するトナー濃度センサTSが設置されていて、トナー濃度の検出が行われている。
(5)高画質化を目的として、小粒径の重合トナー、小粒径のキャリアから成る2成分現像剤が用いられると、現像剤の流動性が低下してトナー濃度検出精度も低下する傾向にある。トナー濃度センサの感度(トナー濃度1質量%当たりの出力変化率:V/質量%)が良好の場合にはトナー濃度制御性も安定する。例えばトナー濃度センサの感度が0.3V/質量%に較べ感度が0.6V/質量%と向上した場合にはこの検出されたトナー濃度値を用いることによって現像器内のトナー濃度の制御範囲が1/2以下とすることができる。即ち、例えば0.6質量%以上のバラツキでトナー濃度制御がなされていたのが0.3質量%以下で制御できるようになる。
【0051】
本発明は、供給・搬送部材45に対向して設置されるトナー濃度センサTSによるトナー濃度の検出精度が高精度に得られるための条件を種々検討した結果得られたものである。
【0052】
本実施形態のトナー濃度センサTSは、磁性キャリアと非磁性トナーの混合比率変化による見掛け透磁率の変化を、アナログ又はデジタル出力として電気信号に変換する透磁率センサである。透磁率センサによる出力状態の一例を示したのが図5である。現像剤のキャリア平均粒径が相違すると、透磁率センサによる検出精度が異なって来ることを示している。
【0053】
また、図6には搬送部材である供給・搬送部材45と、これに対向して位置するトナー濃度センサTSとの関係位置を示している。トナー濃度センサTSは直径Rsのヘッド面を有していて、ヘッド面の垂直2等分線は供給・搬送部材45の中心軸RhCを通過する位置関係となっていて、スクリュ径Rhの供給・搬送部材45に対してトナー濃度センサTSは非接触で間隙Gsをもって対向している。
【0054】
(実施の形態1)
本発明者らは、供給・搬送部材45について、スクリュ径やスクリュピッチを異にした複数本の搬送部材を用意しトナー濃度センサTSとの間隙Gsを一定(本実施例では0.5mm)に固定し、回転数を変更し、重合トナーを含む2成分現像剤を用いたときの、センサ感度の検討を行った。検討結果として搬送部材の回転数やスクリュピッチによる影響度は小さく、スクリュ径Rhによる影響度は大であることを確認した。よって従来用いられている搬送部材のスクリュ径Rhは16mm〜20mm程度が主流であるが、更に大径の搬送部材を用意し、テストを行っている。スクリュ径Rhとトナー濃度センサ感度についてテスト結果を示すグラフが図7である。
【0055】
パラメータとして重合トナーを含む2成分現像剤のキャリア質量平均粒径として、35μm、50μm、65μm、80μmの4種について行うこととし、各キャリア平均粒径に対するトナー濃度の設定は、キャリア表面積に対する被覆率がほぼ等しくなるように設定して実験を行っている。
【0056】
トナー濃度センサ感度が0.5V質量%以上の感度が得られれば、トナー濃度の制御のバラツキは、バラツキ幅として0.5%以内に抑えられることから、トナー濃度センサTSの感度が最も低い感度を示すキャリア質量平均粒径35μmの現像剤を用いた場合についてセンサ感度が0.5V質量%となるスクリュ径Rhを求め、23mmが得られた。
【0057】
本発明は、トナー濃度センサTSが対向する供給・搬送部材45のスクリュ径Rhを23mm以上とするもので、かかる条件を満たすことによって、トナー濃度センサTSからは必要感度0.5V/質量%以上のセンサ感度をもって、トナー濃度検出がなされることとなる。
【0058】
図8に示す制御ブロック図において、本発明は図1、図2を用いて説明した画像形成装置のY、M、C、K各色の現像手段4について、供給・搬送部材45としてスクリュ径Rhを23mm以上とし、スクリュピッチ16〜35mmの供給・搬送部材45を採用し、回転数3〜10rpsで現像剤搬送がなされる構成とし、トナー濃度センサTSによるトナー濃度検出と、制御部C1によるトナー補給との制御関係を示している。
【0059】
トナー濃度センサTSの検出出力値を予めメモリとして記録された閾値と比較し、比較結果に基づいて制御部C1はトナー補給器40Tからのトナー補給を行う。かかるトナー補給制御によってバラツキのない精度の高いトナー補給が行われ、安定したトナー濃度制御が確保される。
【0060】
なお、図8に示すように感光体1と現像手段4とが同一駆動部Mによって駆動される場合には、感光体1の線速度を変更するのに伴って現像手段4の各部の回転速度も変り、トナー濃度の読み込み周期も変えることとなる。また、感光体1と現像手段4とが別の駆動部によって回転がなされる場合にも、感光体1の線速度を変更するときには、現像剤担持体41の回転速度を変更するよう制御部が現像剤担持体41の速度変更を指示するので、これに伴い第1搬送スクリュ45、第2搬送スクリュ49の回転速度も変化し、トナー濃度の読み込み周期も変わることとなる。
【0061】
以上説明したトナー濃度検出を行うことによって、検出精度は大幅に向上し、検出値のバラツキも認められない程度となる。具体的にはトナー濃度センサTSの検出バラツキはセンサ感度0.5V/質量%以上が保持されて本発明によるトナー濃度の検出を行うときは、トナー濃度のバラツキは0.5%以内に抑えることが可能となる。
【0062】
(実施の形態2)
図7に示すテスト結果から、キャリア平均粒径が小さいほどトナー濃度センサTSの感度が低下することと、搬送部材のスクリュ径Rhを大きくすることでトナー濃度センサTSの感度が上昇することが明らかとなった。搬送部材のスクリュ径Rhを大きくすることはセンサ感度を高めることとなるが、スクリュ径Rhの大きな搬送部材を用いると現像手段4も大型となり、画像形成装置も大型とすることから、必要なセンサ感度が得られる以上にスクリュ径Rhを大きくすることは望ましくない。
【0063】
一方、センサ感度が0.5V/質量%以上であれば、トナー濃度制御を行うには充分な感度と認められることから、使用する現像剤のキャリア平均粒径を35μm、50μm、65μm、80μmにそれぞれ変更した場合について、センサ感度が0.5V/質量%となるスクリュ径Rhを求めてグラフとしたのが図9である。
【0064】
本発明はかかるテスト結果に基づいて導かれたもので、2成分現像剤のキャリア平均粒径Rc(μm)と搬送部材の径Rh(mm)の関係を下記条件を満足するよう設定する。
【0065】
Rh≧−0.0891×Rc+26.008   (式1)
例えばキャリア平均粒径Rcが35μmの現像剤を使用している場合にはスクリュ径Rhは23mm以上に設定することを必要とし、キャリア平均粒径80μmの場合にはスクリュ径Rhは19mm以上であればよいことを示している。
【0066】
図8に示す制御ブロック図において、本発明は図1、図2を用いて説明した画像形成装置のY、M、C、K各色の現像手段4について、供給・搬送部材45として、スクリュ径Rhを使用する現像剤に対応して(式1)を満足するスクリュ径とし、スクリュピッチ16〜35mmの搬送部材を供給・搬送部材45として採用し、回転数3〜10rpmで現像剤搬送がなされる構成とし、トナー濃度センサTSによるトナー濃度検出と、制御部C1によるトナー補給との制御関係を示している。
【0067】
トナー濃度センサTSの検出出力値を予めメモリとして記録された閾値と比較し、比較結果に基づいて制御部C1はトナー補給器40Tからのトナー補給を行う。かかるトナー補給制御によってバラツキのない精度の高いトナー補給が行われ、安定したトナー濃度制御が確保される。
【0068】
なお、図8に示すように感光体1と現像手段4とが同一駆動部Mによって駆動される場合には、感光体1の線速度を変更するのに伴って現像手段4の各部の回転速度も変り、トナー濃度の読み込み周期も変えることとなる。また、感光体1と現像手段4とが別の駆動部によって回転がなされる場合にも、感光体1の線速度を変更するときには、現像剤担持体41の回転速度を変更するよう制御部が現像剤担持体41の速度変更を指示するので、これに伴い第1搬送スクリュ45、第2搬送スクリュ49の回転速度も変化し、トナー濃度の読み込み周期も変わることとなる。
【0069】
以上説明したトナー濃度検出を行うことによって、検出精度は大幅に向上し、検出値のバラツキも認められない程度となる。具体的にはトナー濃度センサTSの検出バラツキはセンサ感度0.5V/質量%以上が保持されて本発明によるトナー濃度の検出を行うときは、トナー濃度のバラツキは0.5%以内に抑えることが可能となる。
【0070】
(実施の形態3)
本発明者らは、トナー濃度センサTSのセンサ濃度に影響する要因について種々検討を行った。その結果、トナー濃度センサTSのヘッド径Rsはキャリア平均粒径との間で強い有意性が認められた。
【0071】
図10は、トナー濃度センサのヘッド径Rsとトナー濃度センサ感度との関係を示すグラフで、(a)はスクリュ径Rhが20mmの場合、(b)は24mmの場合、(c)は27mmの場合における関係を示している。図10においては、キャリア平均粒径35μm、50μm、65μm、80μmの現像剤を用いた場合の各々についてのセンサのヘッド径Rsとセンサ感度とのグラフが示されているので、図10に示されたところに基づいて、センサ感度が0.5V/質量%以上得られるトナー濃度センサのヘッド径Rsとキャリア平均粒径Rcとの関係を求めると図11に示すようになる。
【0072】
本発明はかかるテスト結果に基づいて導かれたもので、2成分現像剤のキャリアの平均粒径Rc(μm)と搬送部材に対向するトナー濃度センサTSのヘッド径Rs(mm)の関係を下記条件を満足するよう設定する。
【0073】
Rs≦0.1333×Rc+1.3333   (式2)
例えばキャリア平均粒径Rcが35μmの現像剤を使用している場合には、ヘッド径Rsは6mm以下のトナー濃度センサTSを設定することを必要とし、キャリア平均粒径Rcが50μmの場合にはヘッド径Rsは8mm以下であることを必要としている。
【0074】
図8に示す制御ブロック図において、本発明は図1、図2を用いて説明した画像形成装置のY、M、C、K各色の現像手段4について、供給・搬送部材45に対向して設置するトナー濃度センサTSは非接触で0.8mm以下の間隔をもって対向し、トナー濃度センサTSのヘッド径Rsは使用する現像剤のキャリア平均粒径Rcに対応して(式2)を満足するヘッド径としていて、かかるトナー濃度センサTSによるトナー濃度検出と、制御部C1によるトナー補給との制御関係を示している。
【0075】
トナー濃度センサTSの検出出力値を予めメモリとして記録された閾値と比較し、比較結果に基づいて制御部C1はトナー補給器40Tからのトナー補給を行う。かかるトナー補給制御によってバラツキのない精度の高いトナー補給が行われ、安定したトナー濃度制御が確保される。
【0076】
なお、図8に示すように感光体1と現像手段4とが同一駆動部Mによって駆動される場合には、感光体1の線速度を変更するのに伴って現像手段4の各部の回転速度も変り、トナー濃度の読み込み周期も変えることとなる。また、感光体1と現像手段4とが別の駆動部によって回転がなされる場合にも、感光体1の線速度を変更するときには、現像剤担持体41の回転速度を変更するよう制御部が現像剤担持体41の速度変更を指示するので、これに伴い第1搬送スクリュ45、第2搬送スクリュ49の回転速度も変化し、トナー濃度の読み込み周期も変わることとなる。
【0077】
以上説明したトナー濃度検出を行うことによって、検出精度は大幅に向上し、検出値のバラツキも認められない程度となる。具体的にはトナー濃度センサTSの検出バラツキはセンサ感度0.5V/質量%以上が保持されて本発明によるトナー濃度の検出を行うときは、トナー濃度のバラツキは0.5%以内に抑えることが可能となる。
【0078】
本発明は、図2及び図3を用いて説明した現像構成に限定されるのではなく、2成分現像剤を用いて現像を行う一般的な構成の現像器を用いた画像形成装置にも広く適用される。
【0079】
【発明の効果】
本発明によるときは、小粒径の重合トナーの現像剤を用いた画像形成装置について高精度のトナー濃度検出が行われることとなり、トナー濃度が所定のトナー濃度レンジ内に管理されて、トナー飛散やカブリといった問題を生じることなく高画質の画像が得られることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー画像形成装置の断面図。
【図2】画像形成部の断面図。
【図3】現像剤の流れを示す説明図。
【図4】トナー濃度センサの設置位置を示す斜視図。
【図5】透磁率センサによる出力電圧を示すグラフ。
【図6】搬送部材とトナー濃度センサの関係位置図。
【図7】スクリュ径とトナー濃度センサ感度の関係を示すグラフ。
【図8】トナー濃度検出とトナー補給の制御ブロック図。
【図9】キャリア平均粒径とスクリュ径の関係を示すグラフ。
【図10】トナー濃度センサ径とトナー濃度センサ感度の関係を示すグラフ。
【図11】キャリア平均粒径とセンサ径の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1(Y,M,C,K) 感光体
2(Y,M,C,K) 帯電手段
3(Y,M,C,K) 露光手段
4(Y,M,C,K) 現像手段
10(Y,M,C,K) 画像形成部
41 現像剤担持体
45 供給・搬送部材(第1搬送スクリュ)
49 回収・搬送手段(第2搬送スクリュ)
TS トナー濃度センサ

Claims (7)

  1. 像担持体上の静電潜像を重合トナーを含む2成分現像剤を用いて現像する現像手段を有する画像形成装置において、
    該現像手段は、
    軸方向に2成分現像剤を撹拌・搬送する搬送部材と、
    該搬送部材に対向して2成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサとを有していて、
    前記搬送部材の径は23mm以上とすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 像担持体上の静電潜像を重合トナーを含む2成分現像剤を用いて現像する現像手段を有する画像形成装置において、
    該現像手段は、
    軸方向に2成分現像剤を撹拌・搬送する搬送部材と、
    該搬送部材に対向して2成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサとを有していて、
    2成分現像剤のキャリアの平均粒径Rc(μm)と前記搬送部材の径Rh(mm)の関係を下記条件とすることを特徴とする画像形成装置。
    Rh≧−0.0891×Rc+26.008
  3. 像担持体上の静電潜像を重合トナーを含む2成分現像剤を用いて現像する現像手段を有する画像形成装置において、
    該現像手段は、
    軸方向に2成分現像剤を撹拌・搬送する搬送部材と、
    該搬送部材に対向して2成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度センサとを有していて、
    2成分現像剤のキャリアの平均粒径Rc(μm)と、前記搬送部材に対向するトナー濃度センサのヘッド径Rs(mm)の関係を下記条件とすることを特徴とする画像形成装置。
    Rs≦0.13333×Rc+1.3333
  4. 前記搬送部材は回転数3〜10rps、スクリュピッチ16〜35mmの関係にあることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記トナー濃度センサは透磁率の変化を検出するセンサであること特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記トナー濃度センサのヘッド面の垂直2等分線は前記搬送部材の中心軸を通過することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記搬送部材と前記トナー濃度センサのヘッド面との間隔を、非接触で0.8mm以下とすることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
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