JP2004093470A - シリコン製マイクロセンサ - Google Patents

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Shunsuke Maeda
前田 俊介
Shogo Hamaya
濱谷 正吾
Yoshihiko Yukimura
幸村 由彦
Takio Kojima
小島 多喜男
Takafumi Oshima
大島 崇文
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Abstract

【課題】ダイヤフラム構造のセンサ素子を備えたシリコン製マイクロセンサにおいて、センサ特性を良好に保ちつつ薄肉部の損傷を確実に防止することを目的とする。
【解決手段】ガスセンサ10の接着用凹部41の底面41Bには所定の深さの凹所42が形成されている。この凹所42は、接着用凹部41にシート状の接着部材48を介してセンサ素子50が接着されたときに密閉状態となる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検出機構を備えたセンサ素子をケースに装着することにより構成されたシリコン製マイクロセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコン製マイクロセンサは、様々な用途、例えば、ガスの性状変化を検出してガス濃度を測定するといった用途に広く用いられている。このようなシリコン製マイクロセンサに使用されるセンサ素子には、半導体マイクロマシニング技術を用いることにより、検出機構が配設される配設部を該配設部を支持する支持部よりも薄肉(薄膜の状態のものを含む)とした構造を有するものがある。この構造のセンサ素子では、薄肉とされた配設部(以下、薄肉部という)と支持部との間に、薄肉部を内壁の一つとした空隙部が形成される。このような空隙部を備えたセンサ素子の構造のことを、以下、「ダイヤフラム構造」と言う。また、センサ素子に形成された空隙部のことを、以下、「ダイヤフラム部或いはダイヤフラム室」と言う。このようなダイヤフラム構造は、例えば、検出機構がガスの燃焼熱を検出することによりガス濃度を測定するシリコン製マイクロセンサでは、センサ素子において検出機構と他の部位とを熱的に絶縁したり、センサ素子がケースに装着された状態において検出機構の熱容量を小さくする等の役割を果たしている。
【0003】
このような薄肉部を備えたセンサ素子は、従来、ペースト状の接着剤でケースに装着されていた。このような装着により、ダイヤフラム室内の空隙は、センサ素子が装着されたケース面(被装着面)とセンサ素子の薄肉部との間に気密とされた状態で設けられていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−92322号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の構成では、センサ素子やケースに生じた熱がダイヤフラム室内の空隙に伝達されることにより、気密とされた空隙内の気体(通常は空気)の圧力が上昇し、厚みの薄い薄肉部に損傷を生じるおそれがあった。
【0006】
一方、ダイヤフラム室内の空隙の気密状態を解除し、この空隙とケースの外側とを連通すれば、空隙内の気体の圧力上昇を抑制することができる。しかしながら、外気が導入された場合に空隙内で結露が生じ得るため、水滴に起因してセンサ特性が劣化してしまうという別の問題を招致するおそれがあった。
【0007】
そこで本発明は、上記の課題を解決し、ダイヤフラム構造のセンサ素子を備えたシリコン製マイクロセンサにおいて、センサ特性を良好に保ちつつ薄肉部の損傷を確実に防止することを目的として、以下の構成を採った。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明のシリコン製マイクロセンサは、
シリコン製基板の薄肉部に検出機構の少なくとも一部が配設されたセンサ素子と該センサ素子の装着用のケースを備えたシリコン製マイクロセンサであって、前記薄肉部は、前記センサ素子の一部を除去することによって形成されており、
前記センサ素子は、該センサ素子と前記ケースとの間に形成された空隙が気密となるように、該ケースに装着され、
該空隙に連通され、所定容積の内部空間を有する副室を、前記薄肉部から離間した位置に設けたこと
を要旨とする。
【0009】
本発明のシリコン製マイクロセンサでは、薄肉部から離間した位置に設けられた所定容積の内部空間を有する副室が、前記センサ素子の前記ケースへの装着によってセンサ素子とケースとの間に形成された気密状態の空隙に連通される。このような副室は、薄肉部近傍の温度変化に起因する気体(薄肉部付近に存する気密化された気体)の圧力の変化を緩和する働きを有する。即ち、このような副室を設けることにより、薄肉部付近において気密状態とされる気体(通常は空気)の体積が、副室の内部空間分増大される。従って、センサ素子の装着部位の周辺に熱が加わった場合に、薄肉部付近において気密状態とされた気体の圧力が上昇しにくくなり、薄肉部の損傷が生じにくくなる。加えて、副室の内部空間は気密状態とされるので、ケース外部からの外気の副室への進入が阻止され、副室内で結露が発生しにくくなる。このため、副室に臨むセンサ素子に水滴が付着する蓋然性が低くなり、センサ特性が良好に保たれる。よって、本発明によれば、良好なセンサ特性を維持しつつ、薄肉部の損傷を確実に防止することができる。
【0010】
センサ素子の一部を除去することにより形成され、センサ素子の薄肉部と前記シリコン製基板とにより囲まれた空隙部を、ダイヤフラム室として構成し、前記空隙にはダイヤフラム室内の空隙が含まれる構成とすることも好適である。こうすれば、センサ素子自体に設けられた空隙が副室の内部空間に繋がり、薄肉部付近において気密状態とされる気体の体積が、更にダイヤフラム室内の空隙分増大される。従って、薄肉部付近において気密状態とされた気体の圧力上昇がより生じにくくなる。
【0011】
センサ素子自体に形成されたダイヤフラム室内の空隙の容積を1mm以下としてもよい。こうすれば、センサ素子が微小な場合にも対応することができる。
【0012】
副室の内部空間の容積をダイヤフラム室内の空隙の容積と同等以上とすることも望ましい。こうすれば、薄肉部付近において気密状態とされる気体の体積がより一層増大されるので、薄肉部付近において気密状態とされた気体の圧力上昇がより一層生じにくくなる。また、副室がケースに形成された凹所であることも好ましい。
【0013】
センサ素子をケースに装着する接着材を備え、該接着材を用いた前記センサ素子の装着により、副室の内部空間が気密とされる構成としても差し支えない。こうすれば、センサ素子をケースに接着することによって副室への外気の進入が防止されるので、副室内の結露を防止するために複雑な構造を採る必要がなく、シリコン製マイクロセンサの製造が容易となる。
【0014】
センサ素子の検出機構が配設された側に撥水フィルタを設けることも好適である。こうすれば、検出対象物が存在する領域で水滴が生じた場合に、この水滴がセンサ素子の薄肉部に及びにくくなる。従って、センサ特性を良好に保つことができる。
【0015】
撥水フィルタが、薄肉部から離間した状態で設けられる構成としてもよい。こうすれば、撥水フィルタに吸着された水滴成分が薄肉部に及びにくくなる。従って、薄肉部を十全に保護することができる。
【0016】
センサ素子のケースに装着される装着面の反対側に、検出機構からの検出信号をケース側に導く信号線が所定の間隔で複数設置されている場合には、この信号線が設置された部位を含む範囲に、撥水フィルタを、該信号線から離間した状態で設けることが好ましい。こうすれば、信号線に水滴成分が及びにくくなる。従って、信号線間の短絡を防止することが可能となり、安定した検出動作を確保することができる。
【0017】
センサ素子が、ケースに装着される装着面上に検出機構に接続される電極を備えると共に、ケースが、センサ素子が装着される被装着面上に、電極に対応する位置関係で、電極からの電気信号を受け取る端子を備えている場合には、センサ素子の装着面を、導電性を有する接着層を介してケースの被装着面に装着する構成を採ることができる。この構成によれば、センサ素子がケースに装着されることにより、電極と端子とが接着層を介して導通される。従って、様々な設置環境下において安定した検出動作を確保することができる。
【0018】
センサ素子が接着層を介してケースに装着されており、該接着層がシート状の接着部材によって形成された構成を採ってもよい。こうすれば、接着部材の厚みを変えることによりセンサ素子の表面位置を自由に調節することが可能となり、検出の精度を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を、以下の順序で説明する。
A.実施例(接触燃焼式可燃性ガスセンサ10)
A−1.接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の全体構成
A−2.センサ素子50の構成
A−3.素子ケース40の構成
A−4.接着部材48の構成
A−5.センサ素子50と素子ケース40との導通構造
A−6.ガスセンサ10の製造工程
A−7.作用効果
B.変形例
【0020】
A.実施例:
A−1.接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の全体構成:
図1は本発明の一実施例である接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の平面を示す説明図であり、図2は図1に示した接触燃焼式可燃性ガスセンサ10を2−2線に沿って切断したときの断面を示す説明図である。
【0021】
接触燃焼式可燃性ガスセンサ10(以下、ガスセンサ10という)は、可燃性ガスの燃焼に伴って電気抵抗値が変化することを利用して可燃性ガスの濃度を検出するセンサであり、例えば、自動車の燃料電池ユニットに搭載され、水素の漏れを測定する目的などに用いられる。
【0022】
ガスセンサ10は、半導体のセンサ素子50が装着される素子ケース40と、この素子ケース40に接続された回路基板80とを備えている。このように構成されたガスセンサ10は、図2に太矢印で示すように、素子ケース40のセンサ素子50が装着された領域に入ってきた被測定ガスをセンサ素子50によって検出し、被測定ガス量に対応した電気信号を回路基板80に出力する。
【0023】
なお、上記の素子ケース40を、図2に二点鎖線で示すように、被測定ガスの入口20aないし出口20bが形成された合成樹脂製の取付用筐体20に装着してガスセンサを構成し、被測定ガスの流路を形成するパイプ等に取付用筐体20を装着してガスセンサを使用することとしてもよい。
【0024】
A−2.センサ素子50の構成:
図3はセンサ素子50を模式的に表わす説明図である。図3(A)はセンサ素子50の上面を表わしており、図3(B)はセンサ素子50の底面を表わしている。図3(C)は図3(B)に示したセンサ素子50を3C−3C線に沿って切断したときの断面形状を表わしている。これらの図に示すように、センサ素子50は、シリコン製基板51と、絶縁薄膜52a,52bと、検出機構53と、絶縁保護膜55とを備えている。
【0025】
シリコン製基板51は、縦が3mm、横が5mmのシリコン製の平板である。シリコン製基板51の上層には絶縁薄膜52aが形成されている。この絶縁薄膜52aの表面がセンサ素子50の素子表面50Aとなる。この素子表面50Aに後述する検知用ヒータ53aが配設される。シリコン製基板51の下層には、後述する空隙部51aに相当する部分を除いて、絶縁薄膜52bが形成されている。この絶縁薄膜52bの表面がセンサ素子50の素子裏面50Bとなる。この素子裏面50Bが、後述する素子ケース40の接着用凹部41の底面41Bに接着部材48を介して接着される。なお、絶縁薄膜52a,52bは、シリコン製基板51を酸化することによって形成される酸化膜、CVD等によって形成された窒化硅素膜、窒化膜、酸窒化膜、TaxOy膜及びこれらの積層膜等のひとつ以上の膜によって構成される。
【0026】
検出機構53は、検知用ヒータ53aと、この検知用ヒータ53aの上方に位置する触媒膜53bから構成されている。検知用ヒータ53aは、通常、Pt(白金)、Ni−Cr(ニッケル−クロム)、Au(金)およびCr(クロム)等の正の温度抵抗係数が大きい導電体によって形成されている。触媒膜53bは、被測定ガスの燃焼を促す触媒であり、対象となるガスによって適宜材質を選択することができる。例えば、水素ガス等の可燃性ガスに適用する場合には、触媒として、Pt(白金)及びPd(パラジウム)等の貴金属の単層膜、またはPt(白金)及びPd(パラジウム)等をAl(アルミナ)やSiO(酸化シリコン)に担持させたものを用いることができる。また、絶縁保護膜55との密着強度を向上させるために、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Cr(クロム)およびNb(ニオブ)等の金属層を下層に設けることもできる。
【0027】
センサ素子50は、既述したダイヤフラム構造を有している。即ち、図3に示すように、検出機構53が配設される部位の下方には、センサ素子50の一部を除去することにより、角錐台形状の空隙部51aが設けられている。これにより、検出機構53の配設される部位は、他の部位(絶縁薄膜52bが形成されたシリコン製基板51を備えた部位 以下、支持部59という)よりも薄肉の薄肉部54とされ、支持部59によって支持される。これにより、薄肉部54を内壁の一つとした空隙部51a(ダイヤフラム室)内には、薄肉部54と支持部59との厚みの差に応じた深さの空隙51bが形成される。本実施例では、空隙51bが、特許請求の範囲における「ダイヤフラム室内の空隙」に相当する。
【0028】
本実施例では、空隙51bが約1mmの容積を有する構成としたが、空隙51bの容積は空隙部51aの形状を変更することにより適宜定めることができる。こうした空隙51bの存在により、検出機構53の熱容量を小さくすることや検出機構53とシリコン製基板51とを熱的に絶縁することが可能となる。なお、空隙部51aの部位においては、絶縁薄膜52bが形成されず、シリコン製基板51が露出した状態とされている。
【0029】
絶縁保護膜55は、絶縁薄膜52a,52bと同様の材質及び形成方法により作製され、検知用ヒータ53aと電極56との間の配線層等を覆うように配設される。これにより、検知用ヒータ53aと電極56との間の配線の汚染や損傷を防止することができる。
【0030】
電極56は、検知用ヒータ53aに接続される配線の引き出し部位である。本実施例では、4個の電極56がコンタクトホールを介して素子表面50Aに露出している。電極56の材質はAl(アルミニウム)またはAu(金)を用いることができる。さらに、Au(金)を用いる場合は、絶縁保護膜55との密着強度を向上させるために、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Cr(クロム)およびNb(ニオブ)等の金属層を下層に設けることもできる。
【0031】
A−3.素子ケース40の構成:
図4は、センサ素子50が装着される前の接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の平面を示す説明図であり、図5は図4に示した接触燃焼式可燃性ガスセンサ10を5−5線に沿って切断したときの矢視断面形状を示す説明図である。図4ないし図5に示すように、樹脂成形された素子ケース40は、被測定ガスが流入される側にセンサ素子50が配置される配置面40Aを備える。この配置面40Aには、センサ素子50が収納される接着用凹部41が設けられている。この接着用凹部41の底面41Bに、センサ素子50の素子裏面50Bが接着部材48を介して接着される(図2を参照)。
【0032】
接着用凹部41の底面には、所定の深さの凹所42が形成されている。本実施例では、凹所42の内部空間42bの容積は、センサ素子50に形成された空隙51bの容積(約1mm)と同等である約1mmとされている。この内部空間42bの容積は凹所42の形状を変更することにより適宜定めることができる。本実施例では、上記の凹所42が、特許請求の範囲における「副室」に相当する。
【0033】
凹所42は、センサ素子50を接着用凹部41に接着した状態において、センサ素子50の空隙部51aとほぼ対向する位置に形成される(図2を参照)。このため、ガスセンサ10では、センサ素子50の空隙部51aが素子ケース40の凹所42に連通され、空隙部51a内の空隙51bが凹所42の内部空間42bに接続されている(図2を参照)。
【0034】
また、図1ないし図2に示すように、接着用凹部41の底面における凹所42の開口面積は、センサ素子50の素子裏面50Bにおける空隙部51aの開口面積よりも若干小さい面積に形成されており、凹所42は素子裏面50Bにおける空隙部51aに包含されている。
【0035】
A−4.接着部材48の構成:
以上のように構成されたセンサ素子50と素子ケース40とは、接着部材48によって接着される。この接着部材48の平面,断面を、それぞれ図6(A),図6(B)に示した。図6(B)は図6(A)に示した接着部材48を6B−6B線に沿って切断したときの矢視断面形状を表わしている。
【0036】
接着部材48は表裏両面が粘着面とされたシート状の部材であり、各粘着面は熱硬化性を有する。接着部材48の平面形状(貼付面積)は、基となるシートを適当な形状に切断することにより、自由に定めることができる。本実施例では、図6(A)に示すように、接着用凹部41の底面41Bとほぼ同じ面積分の貼付面積を有する接着部材48を採用している。
【0037】
接着部材48の略中央部には、センサ素子50の素子裏面50Bにおける空隙部51aの面積分のシートがくり抜き形状で切除されることにより、穴部48pが形成されている。このような形状を採ることにより、空隙部51a内の空隙51bは穴部48pを介して凹所42内の空間42bに繋がっている(図2を参照)。よって、接着部材48が凹所42を塞いでしまったり、接着部材48が凹所42に侵入してしまうといったことが防止される。
【0038】
また、穴部48p内には、穴部48pの開口面積と接着部材48の厚みとの積に相当する体積分の空隙48bが形成されている。
【0039】
また、上記のような穴部48pが形成された接着部材48を用いてセンサ素子50を接着することにより、空隙部51aの外周付近の素子裏面50Bである空隙部外周裏面50Bg(図6(A)において斜線ハッチングで示した部分)は、その全面において接着部材48に接着する。このように空隙部外周裏面50Bgの全面が接着部材48に接着することで、センサ素子50が、該センサ素子50ないし接着部材48の内部(素子裏面50Bと底面41Bとの間)に空隙51bおよび空隙48bを残して装着され、空隙51bおよび空隙48bが気密状態となる。加えて、空隙51bおよび空隙48bに対向する位置に設けられた凹所42内の空間42bが接着部材48ないしセンサ素子50によって密閉されるので、相互に連通された空隙51b,空隙48bおよび空間42bが気密状態とされる。従って、センサ素子50の素子表面50A側から回り込んできた外気(図6(A)において白抜き矢印で示す)が空隙51bに進入することを防止することができる。
【0040】
本実施例では、接着部材48は、センサ素子50が接着用凹部41に完全に接着したときにセンサ素子50の素子表面50Aと素子ケース40の配置面40Aとが略面一となる状態(図2を参照)を実現する厚みd1を有する。具体的には、500μmの深さの接着用凹部41に400μmの厚みのセンサ素子50を装着するに際して、100μmmのシート厚の接着部材48を採用している。この接着部材48は、シート厚が10μm以上のものの中から好適な厚みのものを適宜選択して採用することができる。なお、将来、センサ素子50の接着用凹部41への確実な接着を10μm以下のシート厚で実現する接着部材が出現した場合には、このような接着部材を採用することも可能である。上記の接着部材48の材料としては、エポキシやポリイミド等を用いることができる。
【0041】
A−5.センサ素子50と素子ケース40との導通構造
素子ケース40には、センサ素子50と回路基板80の間の導通路として4本のリード45が埋設されている。各リード45の一端は、素子ケース40外部に引き出されており、回路基板80に接続される。各リード45の他端は、素子ケース40の配置面40Aに露出されており、端子45aとして形成されている。この端子45aは、素子表面50Aの各電極56との接続に用いられる(図1および図2を参照)。
【0042】
図1および図2に示したように、信号線57は、低粘度の絶縁性樹脂材料から形成された充填材58bによりモールドされている。また、素子ケース40の配置面40Aないしセンサ素子50の素子表面50Aには、検出機構53が設けられた部位と信号線57が設けられた部位とを区画する区画材58aが設けられている。
【0043】
区画材58aは、信号線57が設けられた部位に流し込まれた充填材58bが検出機構53が設けられた部位に流れ込むことを防止する役割を果たす。充填材58bは、検出機構53が設けられた部位に流れ込もうとする際に区画材58aにより堰き止められる。こうした区画材58aにより、充填材58bが検出機構53に流出することに起因する検出機構53の損傷を防止することができる。
【0044】
なお、上記の充填材58bおよび区画材58aの樹脂材料として、エポキシやウレタンなどの樹脂を用い、これらの重合度を変えることにより粘度を調節しても差し支えない。また、樹脂製の板材で形成された区画材58aを、素子ケース40の配置面40Aないしセンサ素子50の素子表面50Aに接着する構成としても差し支えない。
【0045】
上記のように構成されたガスセンサ10では、検出機構53に被測定ガスが流入されると、被測定ガス中の水素などの可燃性ガスが触媒膜53bに接触して燃焼し、発生した燃焼熱が検知用ヒータ53aに伝わることで、正の抵抗温度係数の材料を用いた検知用ヒータ53aの電気抵抗値が増加する。増加後の電気抵抗値は、電気信号の形態で、電極56,信号線57,リード45を通じて回路基板80に送出される。回路基板80は、受け取った電気抵抗値を、予め定められた電気抵抗の基準値と比較し、両者の差異に基づいて可燃性ガスの濃度を測定する。
【0046】
A−6.ガスセンサ10の製造工程:
次に、本実施例における接触燃焼式可燃性ガスセンサ10を製造する工程について説明する。
【0047】
A−6−1.素子ケース40,回路基板80,センサ素子50,接着部材48の準備:
まず、図3ないし図6に示した形状の素子ケース40,回路基板80,センサ素子50,接着部材48を準備する。素子ケース40は、リード45をインサートした樹脂射出成形により製造することができる。
【0048】
A−6−2.センサ素子50の素子ケース40への接着:
図7は接着用凹部41にセンサ素子50が接着され、信号線57の絶縁処理がなされる様子を示す説明図である。この図7では図2に対応する要部断面の様子を略記して示している。上記のように各部材が準備された後、図7(A)に示すように、素子ケース40の接着用凹部41の底面41Bに、接着部材48を介してセンサ素子50を装着する。具体的には、まず、底面41Bに接着部材48を敷設した後、敷設された接着部材48上に適度に加熱されたセンサ素子50の素子裏面50Bを配置し、素子表面50A方向からセンサ素子50を圧着する。つまり、センサ素子50から放射される余熱が接着部材48の表裏面に伝わることにより、接着部材48の表裏面の熱硬化性の粘着剤が粘着性を帯びる。このような粘着性を帯びた状態での圧着により、底面41Bにセンサ素子50の素子裏面50Bが接着される。センサ素子50が接着用凹部41に完全に接着したときには、図7(B)に示すように、センサ素子50の素子表面50Aと素子ケース40の配置面40Aとがほぼ同一面になる。なお、センサ素子50を素子ケース40に接着する手順は、センサ素子50の素子表面50Aに接着部材48を貼着した後に、このセンサ素子50を接着用凹部41の底面41Bに配置し、素子表面50A方向からセンサ素子50を圧着するという手順に変更することができる。
【0049】
また、接着部材48には、空隙部51aないし凹所42の面積分の穴部48pが形成されているので、空隙部51aの外周付近の素子裏面50Bである空隙部外周裏面50Bg(図6(A)において斜線ハッチングで示した部分)は、その全面において接着部材48に接着する。これにより、空隙部51a内の空隙51bの周囲が封止され、空隙部51a内の空隙51bおよび凹所42内の空間42bが密閉された状態となる。従って、センサ素子50の素子表面50A側から回り込んできた外気(図6(A)において白抜き矢印で示す)が空隙51bや凹所42に進入することが防止される。
【0050】
上記のような穴部48pが形成された接着部材48を用いてセンサ素子50を接着することにより、空隙部51a内の空隙51bは穴部48pを介して凹所42に好適に連通され(図2を参照)、接着部材48が凹所42を塞いでしまったり、接着部材48が凹所42に侵入してしまうといったことが防止される。次に、センサ素子50の各電極56と各リード45の端子45aとをボンディングにより信号線57で接続する。
【0051】
A−6−3.信号線57のモールド:
次に、信号線57を絶縁性樹脂材でモールドする。具体的には、まず、センサ素子50の素子表面50A上および素子ケース40の配置面40A上に高粘度の絶縁性樹脂材料を塗布することにより区画材58aを縦壁状に立設する。区画材58aは、センサ素子50の上面に置かれたときに盛り上がるような高粘度(150Pa・s以上)の絶縁性樹脂材料から形成されている。続いて、信号線57の上方から低粘度の絶縁性樹脂材料を流し込むことにより信号線57を充填材58bで被覆する。本実施例では、充填材58bとして、低粘度(150Pa・s未満、好ましくは15Pa・s以下)の樹脂材料を用いているため、充填材58bは信号線57の裏側にまで流れ込む。これにより、信号線57は充填材58bに密着して覆われた状態となる。こうした被覆後の状態を図7(C)に示した。
【0052】
図7(C)に示した素子ケース40を9−9線に沿って切断したときの矢視断面形状を図8に示す。図8に示すように、センサ素子50の接着用凹部41への接着後には、センサ素子50の素子表面50Aと素子ケース40の配置面40Aとが略面一状態となる。よって、センサ素子50と素子ケース40という異なる部品の間に、素子表面50Aと配置面40Aを跨いで区画材58aを設けた場合に、素子表面50Aと配置面40Aとの段差によって素子表面50Aと区画材58aとの間や配置面40Aと区画材58aとの間に隙間が生じることがない。従って、このような隙間から充填材58bが検出機構53方向に流出することが有効に阻止され、検出機構53に向かおうとする充填材58bは区画材58aによって十全に堰き止められる。
【0053】
A−6−4.回路基板80との接続:
次に、素子ケース40の各リード45の一端を回路基板80にハンダ付けすることにより、各リード45の端子45aと回路基板80との結線を行なう。これによりガスセンサ10が完成する。
【0054】
A−7.作用効果:
以上説明したように、上記実施例のガスセンサ10では、素子ケース40の接着用凹部41の底面41Bに凹所42が設けられる。この凹所42は、センサ素子50の薄肉部54の下方に設けられた空隙部51aに対向した状態で密閉される。これにより、空隙部51a内の空隙51bが凹所42内の空間42bに繋がり、薄肉部54付近に密閉される空気の体積が増大されるので、薄肉部54付近に密閉された空気の圧力上昇が生じにくくなる。従って、薄肉部54の損傷を確実に防止することができる。しかも、空隙部51a内の空隙51bおよび凹所42内の空間42bは密閉された状態とされるので、素子ケース40外部から空隙部51aおよび凹所42への外気の進入が阻止され、空隙部51aおよび凹所42内で結露が発生しにくくなる。従って、凹所42に臨むセンサ素子50に水滴が付着する蓋然性が低くなり、良好なセンサ特性を維持することができる。更に、空隙部51a内の空隙51bおよび凹所42内の空間42bの密閉状態は、接着部材48を用いたセンサ素子50の装着によって実現されるので、結露防止のための複雑な構造を採る必要がなく、シリコン製マイクロセンサの製造が容易となる。
【0055】
また、上記実施例のガスセンサ10では、センサ素子50が、空隙部51aないし凹所42の面積分の穴部48pが形成されたシート状の接着部材48を用いて接着される。このようなシート状の接着部材48を用いることで、不要な接着剤が空隙部51a内や凹所42内に流れ込んで、硬化等熱がかかる場合に薄肉部が破損するといったことを防止することができる。従って、ダイヤフラム構造のセンサ素子50が有する良好な損傷防止特性を十全に確保することができる。
【0056】
上記実施例のガスセンサ10では、センサ素子50がシート状の接着部材48を用いて素子ケース40に装着されるので、接着部材48の厚みを変えることによりセンサ素子50の素子表面50Aの位置を自由に調節することが可能となり、上記実施例のように素子ケース40の配置面40Aと面一とした場合には、被測定ガスが素子表面50Aと素子ケース40の配置面40Aとの段差部分に当たって乱流を引き起こすといった事態が防止される。従って、被測定ガスの円滑な流れを確保してガス濃度検出の正確性を高めることができる。
【0057】
なお、上記実施例のガスセンサ10は、例えば、燃料電池ユニットの水素の漏れを検知するセンサに適用することができる。即ち、燃料電池ユニットでは、水素極と空気極とにそれぞれ水素、空気(酸素)を流し、これを化学反応させることにより電気を発生させており、上記実施例のガスセンサ10を、燃料電池ユニットにおいて湿度の高い箇所(水分を燃料電池セルの電解質まで導く水分導入部)に水素が混入しているのを検出するセンサとして用いることが可能である。
【0058】
B.変形例:
上記実施例のガスセンサ10の変形例について図9から図16を参照しつつ説明する。この図9ないし図16では図7(C)に対応する断面を示している。図9ないし図16に示すガスセンサ110,210,310,410,510,610,710,910は、上記実施例におけるガスセンサ10とほぼ共通の各部を備える。図9ないし図16では、この共通の各部につき、符号の十の位以下を上記実施例で用いた符号と同じ数字ないし英字を用いて表わしている。
【0059】
図9は第1変形例を示す説明図である。図9に示すように、第1変形例としてのガスセンサ110は、センサ素子150の装着向きが上記実施例と異なっている。即ち、ガスセンサ110では、薄肉部154の空隙部151a側の面に検出機構153を備えたセンサ素子150が、この空隙部151a側の面を素子表面150Aとして素子ケース40の接着用凹部41に装着されている。センサ素子150は、該センサ素子150ないし接着部材48の内部(素子裏面150Bと底面41Bとの間)に穴部48p内の空隙48bを残して装着される。これにより、薄肉部154に対向する穴部48p内の空隙48bおよび凹所42内の空間42bは、上記実施例と同様に接着部材48を用いたセンサ素子150の装着によって密閉され、空隙48bおよび空間42bが気密状態となる。このような構成によっても、薄肉部154付近に密閉された空気の体積が凹所42内の空間42b分増大されるので、上記実施例と同様に、良好なセンサ特性を維持しつつ薄肉部154の損傷を防止することができる。
【0060】
図10は第2変形例を示す説明図である。図10に示すように、第2変形例としてのガスセンサ210は、素子ケース240の外部表面240C(被測定ガスの最も近くに位置する面)に撥水フィルタ60を設ける点で上記実施例と異なっている。この撥水フィルタ60は、図10に示すように、センサ素子50の薄肉部54を含む素子表面50Aや検出機構53と共に、4本の信号線57が設置されたモールド部分を覆い、素子表面50Aから距離r1だけ離間して装着されている。このような構成によれば、被測定ガスの流路において水滴が生じた場合に、水滴が撥水フィルタ60に吸着される。この撥水フィルタ60と素子表面50Aとの間には距離r1が確保されているので、撥水フィルタ60に吸着された水滴成分が薄肉部54に及びにくくなる。従って、素子表面50Aや薄肉の薄肉部54を十全に保護することができる。加えて、撥水フィルタ60はモールド部分を覆う態様で設けられるので、各信号線57に水滴成分が及びにくくなる。従って、信号線57間の短絡を十全に防止することが可能となり、安定した検出動作を確保することができる。
【0061】
図11は第3変形例を示す説明図である。この第3変形例は、図9に示した第1変形例のガスセンサ110に撥水フィルタ360を設けた構成例を表わしている。第3変形例としてのガスセンサ310は、図11に示すように、4本の信号線57が設置されたモールド部分を覆わずに撥水フィルタ360を設ける点で第2変形例と異なっている。また、撥水フィルタ360は、センサ素子150の素子表面150Aに、薄肉部154から距離r2(即ち、空隙部151aの深さ分)だけ離間した状態で装着されている。このような構成によっても、撥水フィルタ360と薄肉部154との間に距離r2が確保されるので、撥水フィルタ360に吸着された水滴成分が薄肉部154に及びにくくなる。従って、薄肉部154を好適に保護することができる。
【0062】
なお、第2変形例および第3変形例では、撥水フィルタ60,360が薄肉部54,154から離間した状態で装着されているが、勿論、撥水フィルタ460が薄肉部54に直接に装着される構成としてもよい。こうした構成例を第4変形例のガスセンサ410として図12に示した。このような構成によっても、被測定ガスの流路において生じた水滴は、まず撥水フィルタ460に吸着され、直接に薄肉部54に及ばない。従って、薄肉部54を保護することができる。
【0063】
図13は第5変形例を示す説明図である。この第5変形例は、図9に示した第1変形例のガスセンサ110における電極156と端子45aとの導通構造を変更した例を表わしている。図13に示すように、第5変形例としてのガスセンサ510は、センサ素子550の素子裏面550B側に電極556を設けると共に、この電極556と導通されるリード545の端子545aを、素子ケース540の接着用凹部541の底面541Bに露出した状態で設けている。こうしたセンサ素子550を接着用凹部541に接着する際には、異方導電性を有するシート状接着部材548(本例においては、厚み方向にのみ特異に導電性を示す接着部材)が用いられる。こうすれば、接着用凹部541にセンサ素子550を接着することにより、センサ素子550の電極556と素子ケース540の端子545aとが接着部材548を介して導通される。従って、様々な設置環境下において安定した検出動作を確保することができる。例えば、シリコン製マイクロセンサ510が振動の多い場所に設置された場合には、信号線での接続の場合と比較して断線が起こりにくくなる。また、被測定ガスの流路において水滴が生じ得る環境下にシリコン製マイクロセンサ510が設置された場合には、電極556と端子545aとの接続部位がセンサ素子550で覆われているので、生じた水滴が電極556と端子545aとの接続部位に及びにくく、ショートが起こりにくくなる。他方、製造段階においても、センサ素子の電極556と素子ケース540内のリード545の端子545aとを接続する工程や電極556と端子545aとの間の信号線をモールドする工程が不要となり、製造効率を高めることができる。
【0064】
上記実施例ないし変形例では、素子ケース40に凹所42を形成したが、これ以外の手法によって凹所42に相当する空間を設けることも可能である。こうした構成例を第6変形例として図14に示した。第6変形例としてのガスセンサ610では、図14に示すように、接着部材648の厚みを上記実施例における厚みd1よりも厚くすることにより、素子裏面50Bと接着用凹部641の底面641Bとの間に間隙648bが形成されている。こうすれば、製造段階において接着用凹部641に凹所を形成することなく薄肉部54に臨む間隙648bが設けられ、薄肉部54周辺の空気容積が拡大される。従って、製造効率をより高めつつ、薄肉部54の損傷防止特性を確保することができる。なお、上記の間隙648bに対向する位置の接着用凹部641に更に凹所を形成した場合には、センサ素子50の空隙部51a内の空隙51bが間隙648bないし凹所内の空間に繋がって空気領域がより拡大されるので、上記の損傷防止特性をより一層向上することができる。
【0065】
図15は第7変形例としてのガスセンサ710を示す説明図である。第7変形例としてのガスセンサ710では、上部ケース740と下部ケース840という二つの部材を密着することにより一の素子ケースが構成される。上部ケース740の接着用凹部741の底面741Bには、接着されるセンサ素子50の空隙部51aとほぼ対向する位置に開孔部741hが設けられている。下部ケース840には、開孔部741hと対向する位置に凹所842が形成されている。開孔部741hは、凹所842の入口部分とほぼ同じ面積で形成されている。このような構成によれば、凹所842内の空間842b容積の調節を下部ケース840のみの形状変更によって実現することが可能となり、上部ケース740が共通化される。従って、種々の熱環境に対応したガスセンサを簡便に提供することができる。
【0066】
上記実施例ないし変形例では、素子ケース40の接着用凹部41にセンサ素子50を装着したが、このような接着用凹部41を設けず、フラットな配置面940Aにセンサ素子50を装着する構成としても差し支えない。このように構成されたガスセンサ910を第8変形例として図16に示した。このようなガスセンサ910によれば、素子ケース40の薄型化を図ることや、凹所42の深さを深くして凹所42の容積の増大化を図ることができる。
【0067】
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。例えば、上記した実施例や各種の変形例を適宜組み合わせて実施することも可能である。
【0068】
上記の実施例や変形例ではシート状の接着部材を用いたが、これ以外の接着部材(例えば、ペースト状の接着剤)を用いても差し支えない。
【0069】
また、素子ケース40に凹所42を設けることにより特許請求の範囲における「副室」を実現し、薄肉部54近傍の温度変化に起因する空気(薄肉部54付近に存する気密化された空気)の圧力の変化を緩和したが、凹所42以外の態様によって「副室」を実現することも可能である。例えば、空隙部51a内の空隙51bに連通される空気室をセンサ素子50自体に設け、薄肉部54付近に密閉される空気の体積を空気室分だけ増大させる構成などを考えることができる。
【0070】
上記実施例では、本発明を可燃性ガスの濃度を検出するガスセンサ10に適用したが、これに限定されるものではなく、本発明を可燃性ガス以外のガス(例えば、NOx等の排気ガス)の検出に適用することも可能である。また、本発明を流量センサや加速度センサ等に適用することも可能である。
【0071】
また、特許請求の範囲における「ケース」として、上記実施例では、樹脂成形された素子ケース40を挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、アルミナ、ムライト、窒化アルミニウム、ガラスセラミックなどからなるセラミック基板、或いは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂などの樹脂や、これらの樹脂とガラス繊維やポリエステル繊維などの繊維との複合材料、三次元網目構造のフッ素樹脂にエポキシ樹脂などを含浸させた樹脂複合材料を用いてなる基板も含まれる。更に、セラミック基板とこれらの樹脂や複合材料とを組み合わせてなる基板なども含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の平面を示す説明図である。
【図2】図1に示した接触燃焼式可燃性ガスセンサ10を2−2線に沿って切断したときの断面を示す説明図である。
【図3】センサ素子50を模式的に表わす説明図である。
【図4】センサ素子50が装着される前の接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の平面を示す説明図である。
【図5】図4に示した接触燃焼式可燃性ガスセンサ10を5−5線に沿って切断したときの矢視断面形状を示す説明図である。
【図6】接着部材48を示す説明図である。
【図7】接着用凹部41にセンサ素子50が接着され、信号線57の絶縁処理がなされる様子を示す説明図である。
【図8】図7(C)に示した素子ケース40を9−9線に沿って切断したときの矢視断面形状を示す説明図である。
【図9】第1変形例を示す説明図である。
【図10】第2変形例を示す説明図である。
【図11】第3変形例を示す説明図である。
【図12】第4変形例を示す説明図である。
【図13】第5変形例を示す説明図である。
【図14】第6変形例を示す説明図である。
【図15】第7変形例を示す説明図である。
【図16】第8変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
10,110,210,310,410,510,610,710,910…接触燃焼式可燃性ガスセンサ
20…取付用筐体
20a…入口
20b…出口
40,240,540,640…素子ケース
40A,240A,540A,640A,740A,940A…配置面
41,441,541,641,741…接着用凹部
41B,441B,541B,641B,741B…底面
42,242,542,842,942…凹所
42b,242b,542b,842b,942b…空間
45,545…リード
45a,145a,545a…端子
48,448,548,648…接着部材
48b,648b…空隙
48p…穴部
50,150,550…センサ素子
50A,150A,550A…素子表面
50B,150B,550B…素子裏面
50Bg…空隙部外周裏面
51…シリコン製基板
51a,151a,551a…空隙部
51b,151b,551b…空隙
52a,52b…絶縁薄膜
53,153,553…検出機構
53a…検知用ヒータ
53b…触媒膜
54,154,554…薄肉部
55…絶縁保護膜
56,156,556…電極
57…信号線
58a,258a…区画材
58b…充填材
59…支持部
60,360,460…撥水フィルタ
80…回路基板
648b…間隙
740…上部ケース
741h…開孔部
840…下部ケース

Claims (11)

  1. シリコン製基板の薄肉部に検出機構の少なくとも一部が配設されたセンサ素子と該センサ素子の装着用のケースを備えたシリコン製マイクロセンサであって、
    前記薄肉部は、前記センサ素子の一部を除去することによって形成されており、
    前記センサ素子は、該センサ素子と前記ケースとの間に形成された空隙が気密となるように、該ケースに装着され、
    該空隙に連通され、所定容積の内部空間を有する副室を、前記薄肉部から離間した位置に設けた
    シリコン製マイクロセンサ。
  2. 請求項1に記載のシリコン製マイクロセンサであって、
    前記薄肉部と前記シリコン製基板とにより囲まれた空隙部を、ダイヤフラム室として構成し、
    前記空隙には該ダイヤフラム室内の空隙が含まれる
    シリコン製マイクロセンサ。
  3. 前記ダイヤフラム室内の空隙の容積が1mm以下である請求項2に記載のシリコン製マイクロセンサ。
  4. 前記副室の内部空間の容積は、前記ダイヤフラム室内の空隙の容積と同等以上である請求項2または3に記載のシリコン製マイクロセンサ。
  5. 前記副室は前記ケースに形成された凹所である請求項1ないし4のいずれかに記載のシリコン製マイクロセンサ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のシリコン製マイクロセンサであって、
    前記センサ素子を前記ケースに装着する接着材を備え、
    該接着材を用いた前記センサ素子の装着により、前記副室の内部空間が気密とされた
    シリコン製マイクロセンサ。
  7. 前記センサ素子の前記検出機構が配設された側に撥水フィルタを備えた請求項1から6のいずれかに記載のシリコン製マイクロセンサ。
  8. 前記撥水フィルタが、前記薄肉部から離間した状態で設けられた請求項7に記載のシリコン製マイクロセンサ。
  9. 請求項8に記載のシリコン製マイクロセンサであって、
    前記センサ素子の前記ケースに装着される装着面の反対側には、前記検出機構からの検出信号を前記ケース側に導く信号線が所定の間隔で複数設置されており、
    前記撥水フィルタは、該信号線が設置された部位を含む範囲に、該信号線から離間した状態で設けられた
    シリコン製マイクロセンサ。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載のシリコン製マイクロセンサであって、
    前記センサ素子は、前記ケースに装着される装着面上に、前記検出機構に接続される電極を備えると共に、
    前記ケースは、前記センサ素子が装着される被装着面上に、前記電極に対応する位置関係で、前記電極からの電気信号を受け取る端子を備え、
    前記センサ素子の装着面が、導電性を有する接着層を介して前記ケースの被装着面に装着された
    シリコン製マイクロセンサ。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のシリコン製マイクロセンサであって、
    前記センサ素子は、接着層を介して前記ケースに装着されており、
    該接着層がシート状の接着部材によって形成された
    シリコン製マイクロセンサ。
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