JP2004093471A - シリコン製マイクロセンサ、シリコン製マイクロセンサの製造方法 - Google Patents

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Shunsuke Maeda
前田 俊介
Shogo Hamaya
濱谷 正吾
Yoshihiko Yukimura
幸村 由彦
Takio Kojima
小島 多喜男
Takafumi Oshima
大島 崇文
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Abstract

【課題】センサ素子に接続される導線間のピッチを狭小化してシリコン製マイクロセンサの小型化を実現することを目的とする。
【解決手段】ガスセンサ10の半導体のセンサ素子50装着用の素子ケース40にはフラットケーブル70が一体的に形成されている。このケーブル70の他端部70Aの4本の露出パターン75aは、素子ケース40の配置面40Aに露出した状態で、センサ素子50の4個の電極56の近傍に配置されている。各露出パターン75a間のピッチP2はセンサ素子50の各電極56間のピッチP1よりも若干広くされている。こうした各露出パターン75aと各電極56とはボンディングにより信号線57で接続される。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン製基板上に検出機構を備えたセンサ素子をケースに装着することにより構成されたシリコン製マイクロセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコン製マイクロセンサは、様々な用途、例えば、ガスの性状変化を検出してガス濃度を測定するといった用途に広く用いられている。このようなシリコン製マイクロセンサでは、シリコン製基板上に検出機構を備えたセンサ素子によって検出された検出信号が所定の処理回路に送出され、処理回路での演算処理によってガス濃度が測定される。
【0003】
こうしたセンサ素子と回路基板との電気的な接続は、従来、以下のように行なわれていた。まず、センサ素子に電気配線の引き出し部位として複数の電極を設け、センサ素子が配設されるケースに各電極に対応する数の金属製の端子(以下、金属端子という)を設ける。こうした各金属端子の一端に各電極をワイヤボンディング等によって接続し、各金属端子の他端に接続ケーブルの一端をはんだ等によって接続する。更に、接続ケーブルの他端のコネクタを回路基板に差し込み接続する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−92322号公報
【0005】
このように、金属端子は、センサ素子から回路基板に接続される接続ケーブルまでを中継する役割を果たしていた。こうした複数の金属端子は、各金属端子間での短絡を防止するために、十分なピッチをおいてケースに設けられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のシリコン製マイクロセンサでは、金属端子に設けられる金属端子間のピッチが極めて広くなり、こうした金属端子間のピッチの広さに起因してケースを含むシリコン製マイクロセンサの大きさが大きくなってしまうという課題があった。
【0007】
また、シリコン製マイクロセンサの小型化をセンサ素子に接続される金属端子間のピッチを狭小化することによって実現するという技術的思想は、従来において何ら提案されていなかった。特に、金属端子をケースにインサート成形する場合、金属端子間の絶縁を確保しようとすると、製造上の誤差などを考慮せねばならず、金属端子間のピッチを狭小化することは困難であった。
【0008】
そこで本発明は、上記の課題を解決し、センサ素子に接続される導線間のピッチを狭小化してシリコン製マイクロセンサの小型化を実現することを目的として、以下の構成を採った。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明のシリコン製マイクロセンサは、
シリコン製基板上に検出機構を備えたセンサ素子が装着され、該センサ素子によって検出された検出信号を所定の処理回路に送出するシリコン製マイクロセンサであって、
前記センサ素子が備える複数の電極と前記処理回路とを電気的に接続する部材として、複数本の導電パターンを絶縁物で覆ったフラットケーブルを備え、
該フラットケーブルの一端部を前記処理回路に接続し、
該フラットケーブルの他端部を、前記センサ素子の電極の近傍に、前記導電パターンの一部を露出して配置固定したこと
を要旨とする。
【0010】
上記発明のシリコン製マイクロセンサでは、センサ素子が備える電極と処理回路とを電気的に接続するフラットケーブルを有している。そして、フラットケーブルの一端部が前記処理回路に接続され、他端部がセンサ素子の電極の近傍に、複数本の導電パターンの一部を露出して配置固定されており、フラットケーブル他端部の導電パターン露出部位を、従来の金属端子として利用する。フラットケーブルの複数本の導電パターンは絶縁物で覆われているので、複数本の導電パターンのピッチを、導電パターン間の短絡を生じさせることなく、従来の金属端子のピッチよりも狭くすることが可能となる。このようにフラットケーブルの導電パターンのピッチを狭くすることで、フラットケーブルを含むシリコン製マイクロセンサ全体を小型化することができる。
【0011】
フラットケーブルの他端部とセンサ素子との接続手法としては、種々の手法を考えることができる。例えば、フラットケーブルの他端部の露出した導電パターンとセンサ素子の電極とをワイヤボンディングによって接続する構成を考えることができる。また、フラットケーブルの他端部の露出した導電パターンとセンサ素子の電極とを直接に接続する構成としてもよい。こうすれば、様々な設置環境下において安定した検出動作を確保することができる。
【0012】
センサ素子が複数の電極を所定のピッチで備えており、フラットケーブルの複数本の導電パターンが、少なくとも他端部において、複数の電極とほぼ同等のピッチを有することも望ましい。こうすれば、シリコン製マイクロセンサ全体をセンサ素子に併せて小型化することができる。
【0013】
センサ素子が装着されるケースを備え、フラットケーブルの少なくとも他端部がケースと一体的に設けられる構成とすることも、シリコン製マイクロセンサの取り扱いが容易となる点で好適である。また、ケースからのフラットケーブルの脱離を防止する防止手段を備えれば、シリコン製マイクロセンサの取り扱い性能をより一層高めることができる。また、フラットケーブルとしてフレキシブルフラットケーブルを採用することも、シリコン製マイクロセンサを設置する際の取り扱いが容易となる点で好ましい。
【0014】
本発明のシリコン製マイクロセンサの製造方法は、
シリコン製基板上に検出機構を備えたセンサ素子と、該センサ素子が装着されるケースとを備え、該センサ素子によって検出された検出信号を所定の処理回路に送出するシリコン製マイクロセンサの製造方法であって、
前記センサ素子が備える複数の電極と前記処理回路とを電気的に接続する部材として、複数本の導電パターンを絶縁物で覆ったフラットケーブルを準備する工程と、
該フラットケーブルの少なくとも前記電極に接続される側の端部を前記ケースにインサートして、該フラットケーブルを該ケースと一体的に成形する工程と
を備えたことを要旨とする。
【0015】
上記発明のシリコン製マイクロセンサの製造方法では、センサ素子が装着されるケースに、フラットケーブルの電極に接続される側の端部をインサートして、該フラットケーブルを該ケースと一体的に成形する。これにより、従来設けられていた金属端子が不要となり、前記センサ素子と前記処理回路との接続箇所が減少する。従って、部品点数の削減と共に電気的な接続作業の簡易化や確実化を図ることができる。
【0016】
他の本発明のシリコン製マイクロセンサの製造方法は、
シリコン製基板上に検出機構を備えたセンサ素子と、該センサ素子によって検出された検出信号を所定の処理回路に送出するシリコン製マイクロセンサの製造方法であって、
前記センサ素子が備える複数の電極と前記処理回路とを電気的に接続する部材として、複数本の導電パターンを絶縁物で覆ったフラットケーブルを準備する工程と、
前記センサ素子の複数の電極と前記フラットケーブルの複数本の導電パターンとを電気的に接続する接続部を形成する工程と、
前記検出機構を露出したまま前記接続部を絶縁性樹脂で覆う工程と
を備えたことを要旨とする。
【0017】
上記他の発明のシリコン製マイクロセンサの製造方法では、センサ素子とフラットケーブルとを電気的に接続した後、それらの接続部を、検出機構を露出したまま、絶縁性樹脂により覆う。これにより、従来設けられていた金属端子が不要となり、前記センサ素子と前記処理回路との接続箇所が減少する。また、接続部を絶縁性樹脂により覆うことで、接続部の形状を任意の形状に容易に形成することが可能である。更に、センサ素子を装着するためのケースが必要なくなるので、更なるシリコン製マイクロセンサの小型化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を、以下の順序で説明する。
A.実施例(接触燃焼式可燃性ガスセンサ10)
A−1.接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の全体構成
A−2.センサ素子50の構成
A−3.素子ケース40の構成
A−4.接着部材48の構成
A−5.フラットケーブル70の構成
A−6.ガス検出の仕組み
B.接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の製造工程
B−1.センサ素子50,回路基板80,接着部材48,ケーブル70の準備
B−2.ケーブル70をインサートした素子ケース40の成形
B−3.センサ素子50の素子ケース40への接着
B−4.信号線57の接続
B−5.信号線57のモールド
B−6.回路基板80との接続
C.作用効果
D.変形例
【0019】
A.実施例:
A−1.接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の全体構成:
図1は本発明の一実施例である接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の平面を示す説明図であり、図2は図1に示した接触燃焼式可燃性ガスセンサ10を2−2線に沿って切断したときの断面を示す説明図である。
【0020】
接触燃焼式可燃性ガスセンサ10(以下、ガスセンサ10という)は、可燃性ガスの燃焼に伴って電気抵抗値が変化することを利用して可燃性ガスの濃度を検出するセンサであり、例えば、自動車の燃料電池ユニットに搭載され、水素の漏れを測定する目的などに用いられる。
【0021】
ガスセンサ10は、半導体のセンサ素子50が装着される素子ケース40と、この素子ケース40に装着されたフラットケーブル70(以下、ケーブル70という)と、このケーブル70のコネクタ73に接続された回路基板80とを備えている。このように構成されたガスセンサ10は、図2に太矢印で示すように、素子ケース40のセンサ素子50が装着された領域に入ってきた被測定ガスをセンサ素子50によって検出し、被測定ガス量に対応した電気信号をケーブル70を介して回路基板80に出力する。
【0022】
A−2.センサ素子50の構成:
図3はセンサ素子50を模式的に表わす説明図である。図3(A)はセンサ素子50の底面を表わし、図3(B)は図3(A)に示したセンサ素子50を3B−3B線に沿って切断したときの断面形状を表わしている。これらの図に示すように、センサ素子50は、シリコン製基板51と、絶縁薄膜52a,52bと、検出機構53と、絶縁保護膜55とを備えている。
【0023】
シリコン製基板51は、縦が3mm、横が5mmのシリコン製の平板である。シリコン製基板51の上層には絶縁薄膜52aが形成されている。この絶縁薄膜52aの表面がセンサ素子50の素子表面50Aとなる。この素子表面50Aに後述する検知用ヒータ53aが配設される。シリコン製基板51の下層には、後述する空隙部51aに相当する部分を除いて、絶縁薄膜52bが形成されている。この絶縁薄膜52bの表面がセンサ素子50の素子裏面50Bとなる。この素子裏面50Bが、後述する素子ケース40の接着用凹部41の底面41Bに接着部材48を介して接着される。なお、絶縁薄膜52a,52bは、シリコン製基板51を酸化することによって形成される酸化膜、CVD等によって形成された窒化硅素膜、窒化膜、酸窒化膜、TaxOy膜及びこれらの積層膜等のひとつ以上の膜によって構成される。
【0024】
検出機構53は、検知用ヒータ53aと、この検知用ヒータ53aの上方に位置する触媒膜53bから構成されている。検知用ヒータ53aは、通常、Pt(白金)、Ni−Cr(ニッケル−クロム)、Au(金)およびCr(クロム)等の正の温度抵抗係数が大きい導電体によって形成されている。触媒膜53bは、被測定ガスの燃焼を促す触媒であり、対象となるガスによって適宜材質を選択することができる。例えば、水素ガス等の可燃性ガスに適用する場合には、触媒として、Pt(白金)及びPd(パラジウム)等の貴金属の単層膜、またはPt(白金)及びPd(パラジウム)等をAl(アルミナ)やSiO(酸化シリコン)に担持させたものを用いることができる。また、絶縁保護膜55との密着強度を向上させるために、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Cr(クロム)およびNb(ニオブ)等の金属層を下層に設けることもできる。
【0025】
センサ素子50は、検出機構53が配設される部位を薄肉とすることにより検出機構53の配設部位の近傍に空隙を備えた構造(ダイヤフラム構造)を有する。即ち、図3に示すように、検出機構53が配設された位置の下方には、検出機構53の配設個所が薄肉形状となるように、センサ素子50の一部を除去することにより、角錐台形状の空隙部51aが設けられている。この空隙部51a内に所定の容積の空隙51bが形成される。本実施例では、空隙51bが約1mmの容積を有する構成としたが、空隙51bの容積は空隙部51aの形状を変更することにより適宜定めることができる。こうした空隙51bの存在により、検出機構53の熱容量を小さくすることや検出機構53とシリコン製基板51とを熱的に絶縁することが可能となる。なお、空隙部51aの部位においては、絶縁薄膜52bが形成されず、シリコン製基板51が露出した状態とされている。
【0026】
絶縁保護膜55は、絶縁薄膜52a,52bと同様の材質及び形成方法により作製され、検知用ヒータ53aと電極56との間の配線層等を覆うように配設される。これにより、検知用ヒータ53aと電極56との間の配線の汚染や損傷を防止することができる。
【0027】
電極56は、検知用ヒータ53aに接続される配線の引き出し部位である。本実施例では、4個の電極56がコンタクトホールを介して素子表面50Aに露出している(図1を参照)。電極56の材質はAl(アルミニウム)またはAu(金)を用いることができる。さらに、Au(金)を用いる場合は、絶縁保護膜55との密着強度を向上させるために、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Cr(クロム)およびNb(ニオブ)等の金属層を下層に設けることもできる。
【0028】
A−3.素子ケース40の構成:
図4は、センサ素子50が装着される前の接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の平面を示す説明図であり、図5は図4に示した接触燃焼式可燃性ガスセンサ10を5−5線に沿って切断したときの矢視断面形状を示す説明図である。図4ないし図5に示すように、樹脂成形された素子ケース40は被測定ガスが流入される側にセンサ素子50が配置される配置面40Aを備える。この配置面40Aには、センサ素子50が収納される接着用凹部41が設けられている。この接着用凹部41の底面41Bに、センサ素子50の素子裏面50Bが接着部材48を介して接着される(図2を参照)。
【0029】
接着用凹部41の底面には、所定の深さの凹所42が形成されている。この凹所42は、センサ素子50を接着用凹部41に接着した状態において、センサ素子50の空隙部51aとほぼ対向する位置に形成される(図2を参照)。このように凹所42と空隙部51a内の空隙51bとを対向させた状態でセンサ素子50を接着用凹部41に装着した場合には、検出機構が配設された薄い部分(以下、薄膜部という)の周辺に密閉された状態で存在する空気の体積が増大するため、薄膜部付近の密閉された空気の圧力上昇が抑制される。従って、薄膜部の破損を有効に防止することができる。
【0030】
また、図1ないし図2に示すように、接着用凹部41の底面における凹所42の開口面積は、センサ素子50の素子裏面50Bにおける空隙部51aの開口面積よりも若干小さい面積に形成されており、凹所42は素子裏面50Bにおける空隙部51aに包含されている。
【0031】
図2に示すように、センサ素子50を接着用凹部41に接着した状態において、センサ素子50の素子表面50Aは、素子ケース40の配置面40Aとほぼ同一面になっている。
【0032】
A−4.接着部材48の構成:
接着部材48の構成を図6に示す。図6(A)は接着部材48の平面を示し、図6(B)は図6(A)に示した接着部材48を6B−6B線に沿って切断したときの矢視断面形状を示している。
【0033】
接着部材48は表裏両面が粘着面とされたシート状の部材であり、各粘着面は熱硬化性を有する。上記の接着部材48の材料としては、エポキシやポリイミド等を用いることができる。
【0034】
接着部材48の平面形状(貼付面積)は、基となるシートを適当な形状に切断することにより、自由に定めることができる。本実施例では、図6(A)に示すように、接着用凹部41の底面41Bとほぼ同じ面積分の貼付面積を有する接着部材48を採用している。また、接着部材48の略中央部には、センサ素子50の素子裏面50Bにおける空隙部51aの面積分のシートがくり抜き形状で切除されることにより、穴部48pが形成されている。
【0035】
本実施例では、接着部材48は、センサ素子50が接着用凹部41に完全に接着したときにセンサ素子50の素子表面50Aと素子ケース40の配置面40Aとが略面一となる状態(図2を参照)を実現する厚みd1を有する。
【0036】
A−5.フラットケーブル70の構成:
センサ素子50と回路基板80の間の導通路を構成するケーブル70の構成を図7に示す。図7に示すように、ケーブル70は、絶縁物である樹脂皮膜で覆われた4本の導電パターン75を帯部72内に備える。本実施例では、ケーブル70としてフレキシブルフラットケーブルを採用しているので、導電パターン75が収納された帯部72は、可撓性に富み、自由に折り曲げることができる。
【0037】
図7に示すように、ケーブル70の一端部70Bにはコネクタ73が設けられている。コネクタ73は、素子ケース40外部に引き出されており、回路基板80に接続される(図1および図2を参照)。
【0038】
一方、ケーブル70の他端部70Aにおいては、4本の導電パターン75が外部に露出した状態とされている。この外部に露出した導電パターン75のことを、以下、露出パターン75aという。この露出パターン75aは、帯部72の上側の樹脂皮膜を除去することによって形成される。
【0039】
各露出パターン75a間のピッチP2は、各電極56間のピッチP1よりもほんの少しだけ広くされている(図1を参照)。こうした4本の露出パターン75aは、素子ケース40にケーブル70が装着された状態において4個の電極56の近傍の素子ケース40の配置面40Aに固定配置され、素子表面50Aの各電極56との信号線57を介した接続に用いられる(図1および図2を参照)。
【0040】
信号線57は、図1および図2に示したように、低粘度の絶縁性樹脂材料から形成された充填材58bによりモールドされている。また、素子ケース40の配置面40Aないしセンサ素子50の素子表面50Aには、検出機構53が設けられた部位と信号線57が設けられた部位とを区画する区画材58aが設けられている。
【0041】
区画材58aは、信号線57が設けられた部位に流し込まれた充填材58bが検出機構53が設けられた部位に流れ込むことを防止する役割を果たす。充填材58bは、検出機構53が設けられた部位に流れ込もうとする際に区画材58aにより堰き止められる。こうした区画材58aにより、充填材58bが検出機構53に流出することに起因する検出機構53の損傷を防止することができる。なお、樹脂製の板材で形成された区画材58aを、素子ケース40の配置面40Aないしセンサ素子50の素子表面50Aに接着する構成としても差し支えない。
【0042】
A−6.ガス検出の仕組み:
上記のように構成されたガスセンサ10では、検出機構53に被測定ガスが流入されると、被測定ガス中の水素などの可燃性ガスが触媒膜53bに接触して燃焼し、発生した燃焼熱が検知用ヒータ53aに伝わることで、正の抵抗温度係数の材料を用いた検知用ヒータ53aの電気抵抗値が増加する。増加後の電気抵抗値は、電気信号の形態で、電極56,信号線57,ケーブル70を通じて回路基板80に送出される。回路基板80は、受け取った電気抵抗値を、予め定められた電気抵抗の基準値と比較し、両者の差異に基づいて可燃性ガスの濃度を測定する。
【0043】
B.ガスセンサ10の製造工程:
次に、本実施例におけるガスセンサ10を製造する工程について説明する。
【0044】
B−1.センサ素子50,回路基板80,接着部材48,ケーブル70の準備:
まず、図3ないし図7に示した形状のセンサ素子50,回路基板80,接着部材48,ケーブル70を準備する。本実施例では、帯部72の材料としてポリエステル樹脂を用いたケーブル70が準備される。
【0045】
B−2.ケーブル70をインサートした素子ケース40の成形;
次に、素子ケース40を、ケーブル70をインサートした樹脂射出成形により製造する。なお、本実施例では、素子ケース40の成形材料として液晶ポリマー(LCP)樹脂を用いている。
【0046】
図8は上記のインサート成形の前後の様子を示す説明図である。この図8では図2に対応する要部断面の様子を略記して示している。まず、素子ケース40の外形が形取られた上型12および下型14を準備し、ケーブル70の一部を挿入した状態で上型12および下型14をセットする。このセット後の型の断面の様子を図8(A)に示した。図8(A)に示すように、上型12および下型14内には、ケーブル70の他端部70Aの露出パターン75aと帯部72の一部が挿入されている。こうしたセット後の型内に、成形材料としての液晶ポリマー(LCP)樹脂が注入される。
【0047】
図8(A)に示すように、上型12と下型14との接合箇所には、帯部72の幅ないし厚みに対応する大きさの開口を有する挟持部13が形成されている。型内から型外に延びた帯部72は、上記の挟持部13において下型14と上型12との間で挟持される。また、型内に挿入された4本の露出パターン75aが露出された他端部70Aは、下型14に設けられた突出形状の支持部14aに、露出パターン75a側を上型12の方に向けて載置され、支持部14a頂面と上型12との間で挟持される。これにより、型内に挿入されたケーブル70部分の両端が挟持される。従って、型内に樹脂を注入する際に、型内に挿入されたケーブル70部分(特に、露出パターン75a)に位置ずれが生じることを防止することができる。
【0048】
次に、型内に注入された樹脂が硬化した後、上型12および下型14を取り外す。これにより、ケーブル70の一部(露出パターン75aと帯部72の一部)と一体化された素子ケース40が成形される。成形後の素子ケース40には、図8(B)に示すように、支持部14aに倣った形状の溝40wが形成されている。
【0049】
続いて、成形後の素子ケース40を治具16に固定する。図8(B)に示すように、治具16の底面には、溝40wの形状に倣った形状の支持突起16aが突設されている。素子ケース40は、溝40wに支持突起16aが嵌合された状態で、治具16に固定される。
【0050】
B−3.センサ素子50の素子ケース40への接着:
続いて、素子ケース40の接着用凹部41の底面41Bに、接着部材48を介してセンサ素子50を装着する。具体的には、まず、底面41Bに接着部材48を敷設した後、敷設された接着部材48上に適度に加熱されたセンサ素子50の素子裏面50Bを配置し、素子表面50A方向からセンサ素子50を圧着する。つまり、センサ素子50から放射される余熱が接着部材48の表裏面に伝わることにより、接着部材48の表裏面の熱硬化性の粘着剤が粘着性を帯びる。このような粘着性を帯びた状態での圧着により、底面41Bにセンサ素子50の素子裏面50Bが接着される。
【0051】
なお、接着部材48には、空隙部51aないし凹所42の面積分の穴部48pが形成されているので、空隙部51aの外周付近の素子裏面50Bである空隙部外周裏面50Bg(図6(A)において斜線ハッチングで示した部分)は、その全面において接着部材48に接着する。これにより空隙部51a内の空隙51bが封止される。従って、センサ素子50の素子表面50A側から回り込んできた外気(図6(A)において白抜き矢印で示す)が空隙51bや凹所42に進入することが防止される。
【0052】
B−4.信号線57の接続:
次に、センサ素子50の各電極56とケーブル70の各露出パターン75aとをボンディングにより信号線57で接続する。信号線57が接続された後の様子を図8(C)に示した。なお、図8(B)ないし図8(C)に示したように、素子ケース40にインサートされたケーブル70の他端部70Aは、溝40wに嵌合された支持突起16aによって下方から支持されている。従って、各露出パターン75aに信号線57を強固に接続することができる。
【0053】
B−5.信号線57のモールド:
次に、信号線57を絶縁性樹脂材でモールドする。具体的には、まず、センサ素子50の素子表面50A上および素子ケース40の配置面40A上に高粘度の絶縁性樹脂材料を塗布することにより区画材58aを縦壁状に立設する。区画材58aは、センサ素子50の上面に置かれたときに盛り上がるような高粘度(150Pa・s以上)の絶縁性樹脂材料から形成されている。続いて、信号線57の上方から低粘度の絶縁性樹脂材料を流し込むことにより信号線57を充填材58bで被覆する。本実施例では、充填材58bとして、低粘度(150Pa・s未満、好ましくは15Pa・s以下)の樹脂材料を用いているため、充填材58bは信号線57の裏側にまで流れ込む。これにより、信号線57は充填材58bに密着して覆われた状態となる(図2を参照)。
【0054】
B−6.回路基板80との接続:
次に、ケーブル70の一端部70Bに設けられたコネクタ73を回路基板80に差し込み、ケーブル70の露出パターン75aと回路基板80との結線を行なう。これによりガスセンサ10が完成する。
【0055】
C.作用効果:
以上説明したように、上記実施例のガスセンサ10では、ケーブル70の他端部70Aに設けられた4個の露出パターン75aが、センサ素子50の4個の電極56の近傍の位置(ボンディング接続が可能な位置)に配置固定される。このように電極56と接続される対象をケーブル70の露出パターン75aとすることで、導電パターン75間の短絡を生じさせることなく、露出パターン75aを含む導電パターン75間のピッチP2を従来の金属端子間のピッチよりも狭くすることが可能となり、ガスセンサ10を小型化することができる。センサ素子50の電極56を金属端子に接続する従来のシリコン製マイクロセンサの外形線を、図1に二点鎖線で示した。図1からわかるように、上記実施例のガスセンサ10では、電極56と接続される対象をケーブル70の露出パターン75aとして露出パターン75aを含む導電パターン75間のピッチをピッチP2に狭小化したことにより、その外形が従来よりも幅方向に寸法gの2倍分だけ小さくなっている。また、上記実施例のガスセンサ10においては、フラットケーブル70の幅(導電パターン75を並列に配置した方向の幅)が、センサ素子50の幅の2倍以下とすることができる。更に、センサ素子50が装着される素子ケース40の外形幅が、センサ素子50の幅の4倍以下とすることができる。
【0056】
また、上記実施例のガスセンサ10では、ケーブル70の4個の露出パターン75aおよび帯部72の一部が、素子ケース40にインサートされ、素子ケース40と一体的に形成されるので、従来のシリコン製マイクロセンサで設けられていた金属端子が不要となり、センサ素子50と回路基板80との間の接続箇所が減少する。従って、部品点数の削減と共に電気的な接続作業の簡易化や確実化を図ることができる。また、素子ケース40とケーブル70とを一体として扱うことが可能となり、ガスセンサ10の取り扱いが容易となる。
【0057】
なお、上記実施例のガスセンサ10は、例えば、燃料電池ユニットの水素の漏れを検知するセンサに適用することができる。即ち、燃料電池ユニットでは、水素極と空気極とにそれぞれ水素、空気(酸素)を流し、これを化学反応させることにより電気を発生させており、上記実施例のガスセンサ10を、燃料電池ユニットにおいて湿度の高い箇所(水分を燃料電池セルの電解質まで導く水分導入部)に水素が混入しているのを検出するセンサとして用いることが可能である。
【0058】
D.変形例:
上記実施例のガスセンサ10の変形例について図9ないし図12を参照しつつ説明する。図9ないし図12に示すガスセンサ110,410,510やケーブル270,370は、上記実施例におけるガスセンサ10やケーブル70とほぼ共通の各部を備える。図9ないし図12では、この共通の各部につき、符号の十の位以下を上記実施例で用いた符号と同じ数字ないし英字を用いて表わしている。
【0059】
図9は第1変形例を示す説明図である。この図9では図8(C)に対応する要部断面の様子を略記して示している。図9に示すように、第1変形例としてのガスセンサ110は、センサ素子150の素子裏面150B側に電極156を設けると共に、この電極156と導通されるケーブル170の各露出パターン175aを、素子ケース140の接着用凹部141の底面141Bに露出した状態で設けている。こうしたセンサ素子150を接着用凹部141に接着する際には、異方導電性を有するシート状接着部材148(本例においては、厚み方向にのみ導電性を示す接着部材)が用いられる。こうすれば、接着用凹部141にセンサ素子150を接着することにより、センサ素子150の各電極156と素子ケース140上の各露出パターン175aとが接着部材148を介して導通される。従って、様々な設置環境下において安定した検出動作を確保することができる。例えば、ガスセンサ110が振動の多い場所に設置された場合には、信号線での接続の場合と比較して断線が起こりにくくなる。他方、製造段階においても、センサ素子150の電極156と素子ケース140上の露出パターン175aとを接続する工程や電極156と露出パターン175aとの間の信号線をモールドする工程が不要となり、製造効率を高めることができる。
【0060】
なお、上記の第1変形例において、他の接着力および導電性を併有する部材を介してセンサ素子150の電極156とケーブル170の露出パターン175aとを導通させる構成としてもよい。こうした部材としては、ペースト状の導電性接着剤や導電性セラミック、はんだ等を考えることができる。例えば、電極156にはんだを材料としたバンプ(接続端子に設けられる小さなこぶ状の導体の突起)を装着しておき、センサ素子150の装着に伴って電極156と露出パターン175aとがバンプを介して接着ないし導通される構成とすればよい。また、上記の第1変形例において、接着部材148を媒介することなく、センサ素子150の電極156と素子ケース140上の露出パターン175aとを直接に接続する構成としてもよい。
【0061】
図10は第2変形例を示す説明図である。この図10に示したケーブル270,370は、インサート成形後に素子ケース40からケーブル70が抜けること(脱離)を防止する手段を備えている。図10(A)に示したケーブル270は、他端部270Aの4個の各露出パターン275aに切欠部275fを備える。一方、図10(B)に示したケーブル370は、素子ケース40の上型12および下型14内に挿入される帯部372に切欠部370fを備える。このため、インサート成形時においては、上記の切欠部275fや切欠部370fに素子ケース40の成形材料である液晶ポリマー(LCP)樹脂が充填される。こうした切欠部275fや切欠部370fに充填された液晶ポリマー(LCP)樹脂が固化することにより、インサート成形後の素子ケース40からケーブル70が抜けにくくなる。従って、ガスセンサ10の取り扱い性能をより一層高めることができる。
【0062】
素子ケース40を備えないガスセンサ410の構成を、第3変形例として図11に示した。図11(A)はガスセンサ410の製造過程の一部を表わす説明図であり、図11(B)は上記の製造過程を経て製造されたガスセンサ410を示す説明図である。この図11(A),図11(B)では、それぞれ、図8(A),図8(C)に対応する要部断面の様子を略記して示している。
【0063】
第3変形例では、ケーブル470の4本の露出パターン475aが、他端部470Aではなく、他端部470Aの端から距離L1分だけ離間した位置に形成される点で、上記実施例と異なっている(図11(A)を参照)。このため、ケーブル470の他端部470Aは、4本の導電パターンが樹脂皮膜で覆われた状態となっている。
【0064】
第3変形例のガスセンサ410を製造する際には、まず、センサ素子450の素子裏面450Bを接着部材448を用いてケーブル470の他端部470Aに接着固定し、次に、素子表面450Aに露出した4個の各電極456とケーブル470の各露出パターン475aとをボンディングにより信号線457で接続する。
【0065】
続いて、図11(A)に示すように、接着ないし接続後のセンサ素子450およびケーブル470を上型492および下型494にセットし、セット後の型内に充填材458bを注入する。なお、第3変形例では、充填材458bとして、上記実施例における充填材58bと同様の絶縁性樹脂材料を用いている。これにより、充填材458bは、センサ素子450とケーブル470との接着部位や信号線457による接続部位の周囲に回り込み、上記の接続部位(信号線457を含む)が充填材458bに密着して覆われる。
【0066】
なお、図11(A)に示すように、上記の上型492および下型494は、センサ素子450およびケーブル470をセットしたときに、センサ素子450の検出機構453が型の外側に位置するような形状とされている。従って、上記の充填材458bの注入によって検出機構453が充填材458bで覆われてしまうといった事態は生じない。
【0067】
次に、型内に注入された充填材458bが硬化した後、上型492および下型494を取り外す。これにより、図11(B)に示すように、ケーブル470の一部(他端部470A,露出パターン475aおよび帯部472の一部)とセンサ素子450の一部とが樹脂モールドによって一体化されたガスセンサ410が成形される。
【0068】
このように、センサ素子450とケーブル470との接着部位や信号線457による接続部位を絶縁性樹脂でモールドすることにより、信号線457による接続の信頼性が高まると共に、センサ素子450とケーブル470とを強固に一体化することができる。このように一体化されたガスセンサ410によれば、センサ素子450やケーブル470を装着固定するための筐体が不要となり、ガスセンサ410の更なる小型化を図ることができる。加えて、第3変形例のガスセンサ410の製造方法によれば、上型492および下型494内の形状を変更することにより樹脂モールド部分の形状を任意の形状に形成することができる。従って、ガスセンサの取り付け部位の形状に広く対応したガスセンサを提供することができる。
【0069】
このような素子ケース40を備えないガスセンサは、第1変形例のように、センサ素子50の各電極56とケーブル70の各露出パターン75aとの接続に信号線57を用いない場合にも、実現することができる。このようなガスセンサの構成を第4変形例として図12に示した。図12(A)は第4変形例としてのガスセンサ510の製造過程を表わす説明図であり、図12(B)は上記の製造過程を経て製造されたガスセンサ510を示す説明図である。この図12(A),図12(B)では、それぞれ、図8(A),図8(C)に対応する要部断面の様子を略記して示している。
【0070】
第4変形例では、第1変形例と同様に、センサ素子550の4個の電極556が素子裏面550B側に露出した状態で設けられている。第4変形例のガスセンサ510を製造する際には、まず、センサ素子550の各電極556とケーブル570の他端部570Aの各露出パターン575aとを、接着力および導電性を併有する部材(例えば、はんだを材料としたバンプ)を用いて接着する。これにより、センサ素子550の各電極556とケーブル570の各露出パターン575aとが接着に用いられた部材を介して導通される。
【0071】
続いて、図12(A)に示すように、電極556と露出パターン575aとの接着後のセンサ素子550およびケーブル570を上型592および下型594にセットし、セット後の型内に、第3変形例と同様の充填材558bを注入する。なお、上記の上型592および下型594は、第3変形例と同様に、センサ素子550の検出機構553には充填材558bが回り込まない形状とされている。これにより、充填材558bは、電極556と露出パターン575aとの接着部位付近において、センサ素子550やケーブル570の周囲に回り込み、接着部位付近におけるセンサ素子550およびケーブル570が充填材558bに密着して覆われる。
【0072】
次に、型内に注入された充填材558bが硬化した後、上型592および下型594を取り外す。これにより、図12(B)に示すように、ケーブル570の一部(他端部570Aおよび帯部572の一部)とセンサ素子550の一部とが樹脂モールドによって一体化されたガスセンサ510が成形される。このようなガスセンサ510によれば、上記した第3変形例のガスセンサ410とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0073】
なお、この発明は上記実施例や変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。例えば、上記した実施例や各種の変形例を適宜組み合わせて実施することも可能である。
【0074】
また、シート状の接着部材48が2以上の部材の組み合わせから構成されるものとしてもよい。更に、上記の実施例や変形例ではシート状の接着部材を用いたが、これ以外の接着部材(例えば、ペースト状の接着剤)を用いても差し支えない。
【0075】
上記実施例において、各露出パターン75a間のピッチP2をセンサ素子50の各電極56間のピッチP1とほぼ同等のピッチにしてもよい。こうすれば、センサ素子50の小型化に併せてガスセンサ10を小型化することができる。
【0076】
なお、上記実施例では、インサート成形という手法によってケーブル70の一部と素子ケース40とを一体化したが、これ以外の手法を用いて一体化しても差し支えない。例えば、成形後の素子ケース40内に接着剤が塗布されたケーブル70を挿入し、接着剤を介して素子ケース40とケーブル70を一体化することも可能である。
【0077】
また、ケーブル70は、必ずしも素子ケース40と一体化される必要はなく、ガスセンサ10において、ケーブル70の露出パターン75aが、センサ素子50の電極56との接続が可能な位置に配置固定されていれば、露出パターン75aを含む導電パターン75間のピッチP2を狭くすることが可能となり、ガスセンサ10を小型化することができる。例えば、ケーブル70の露出パターン75aを係止具による係止等の手法によってセンサ素子50に配置固定してもよい。
【0078】
また、上記実施例では、本発明を可燃性ガスの濃度を検出するガスセンサ10に適用したが、これに限定されるものではなく、本発明を可燃性ガス以外のガス(例えば、NOx等の排気ガス)の検出に適用することも可能である。また、本発明を流量センサや加速度センサ等に適用することも可能である。更に、本発明を、ダイヤフラム構造以外の構造のセンサ素子を搭載したシリコン製マイクロセンサに適用することも可能である。
【0079】
また、特許請求の範囲における「ケース」として、上記実施例では、樹脂成形された素子ケース40を挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、アルミナ、ムライト、窒化アルミニウム、ガラスセラミックなどからなるセラミック基板、或いは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂などの樹脂や、これらの樹脂とガラス繊維やポリエステル繊維などの繊維との複合材料、三次元網目構造のフッ素樹脂にエポキシ樹脂などを含浸させた樹脂複合材料を用いてなる基板も含まれる。更に、セラミック基板とこれらの樹脂や複合材料とを組み合わせてなる基板なども含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の平面を示す説明図である。
【図2】図1に示した接触燃焼式可燃性ガスセンサ10を2−2線に沿って切断したときの断面を示す説明図である。
【図3】センサ素子50を模式的に表わす説明図である。
【図4】センサ素子50が装着される前の接触燃焼式可燃性ガスセンサ10の平面を示す説明図である。
【図5】図4に示した接触燃焼式可燃性ガスセンサ10を5−5線に沿って切断したときの矢視断面形状を示す説明図である。
【図6】接着部材48を示す説明図である。
【図7】ケーブル70の斜視形状を示す説明図である。
【図8】ケーブル70をインサートした素子ケース40の成形の前後の様子を示す説明図である。
【図9】第1変形例を示す説明図である。
【図10】第2変形例を示す説明図である。
【図11】第3変形例を示す説明図である。
【図12】第4変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
10,110,410,510…接触燃焼式可燃性ガスセンサ
12…上型
13…挟持部
14…下型
14a…支持部
16…治具
16a…支持突起
40,140…素子ケース
40A…配置面
40w…溝
41,141…接着用凹部
41B,141B…底面
42…凹所
48,148,448…接着部材
48p…穴部
50,150,450,550…センサ素子
50A,450A,550A…素子表面
50B,150B,450B,550B…素子裏面
50Bg…空隙部外周裏面
51…シリコン製基板
51a…空隙部
51b…空隙
52a,52b…絶縁薄膜
53,453,553…検出機構
53a…検知用ヒータ
53b…触媒膜
55…絶縁保護膜
56,156,456,556…電極
57,457…信号線
58a…区画材
58b,458b,558b…充填材
70,170,270,370,470,570…ケーブル
70A,270A,370A,470A,570A…他端部
70B…一端部
72,372,472,572…帯部
73…コネクタ
75…導電パターン
75a,175a,275a,475a,575a…露出パターン
80…回路基板
275f…切欠部
370f…切欠部
492,592…上型
494,594…下型

Claims (9)

  1. シリコン製基板上に検出機構を備えたセンサ素子が装着され、該センサ素子によって検出された検出信号を所定の処理回路に送出するシリコン製マイクロセンサであって、
    前記センサ素子が備える複数の電極と前記処理回路とを電気的に接続する部材として、複数本の導電パターンを絶縁物で覆ったフラットケーブルを備え、
    該フラットケーブルの一端部を前記処理回路に接続し、
    該フラットケーブルの他端部を、前記センサ素子の電極の近傍に、前記導電パターンの一部を露出して配置固定した
    シリコン製マイクロセンサ。
  2. 前記フラットケーブルの他端部の露出した導電パターンと前記センサ素子の電極とをワイヤボンディングによって接続した請求項1に記載のシリコン製マイクロセンサ。
  3. 前記フラットケーブルの他端部の露出した導電パターンと前記センサ素子の電極とを直接に接続した請求項1に記載のシリコン製マイクロセンサ。
  4. 前記センサ素子は前記複数の電極を所定のピッチで備え、
    前記フラットケーブルの前記複数本の導電パターンは、少なくとも前記他端部において、前記複数の電極とほぼ同等のピッチを有する請求項1ないし3のいずれかに記載のシリコン製マイクロセンサ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のシリコン製マイクロセンサであって、
    前記センサ素子が装着されるケースを備え、
    前記フラットケーブルの少なくとも前記他端部が前記ケースと一体的に設けられた
    シリコン製マイクロセンサ。
  6. 前記ケースからの前記フラットケーブルの脱離を防止する防止手段を備えた請求項5に記載のシリコン製マイクロセンサ。
  7. 前記フラットケーブルはフレキシブルフラットケーブルである請求項1ないし6のいずれかに記載のシリコン製マイクロセンサ。
  8. シリコン製基板上に検出機構を備えたセンサ素子と、該センサ素子が装着されるケースとを備え、該センサ素子によって検出された検出信号を所定の処理回路に送出するシリコン製マイクロセンサの製造方法であって、
    前記センサ素子が備える複数の電極と前記処理回路とを電気的に接続する部材として、複数本の導電パターンを絶縁物で覆ったフラットケーブルを準備する工程と、
    該フラットケーブルの少なくとも前記電極に接続される側の端部を前記ケースにインサートして、該フラットケーブルを該ケースと一体的に成形する工程と
    を備えたシリコン製マイクロセンサの製造方法。
  9. シリコン製基板上に検出機構を備えたセンサ素子と、該センサ素子によって検出された検出信号を所定の処理回路に送出するシリコン製マイクロセンサの製造方法であって、
    前記センサ素子が備える複数の電極と前記処理回路とを電気的に接続する部材として、複数本の導電パターンを絶縁物で覆ったフラットケーブルを準備する工程と、
    前記センサ素子の複数の電極と前記フラットケーブルの複数本の導電パターンとを電気的に接続する接続部を形成する工程と、
    前記検出機構を露出したまま前記接続部を絶縁性樹脂で覆う工程と
    を備えたシリコン製マイクロセンサの製造方法。
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